JP2009106278A - 発酵法によるd−乳酸の製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高光学純度のD-乳酸の工業的産生・回収方法。
【解決手段】D-乳酸産生能を有する微生物を窒素源および炭素源を含む培地中で培養し、D-乳酸を産生・回収する方法において、窒素源として魚肉のみを用い、炭素源として糖質を用いることを特徴とする高光学純度のD-乳酸の効率的産生・回収すること。
【選択図】なし

Description

本発明は代替プラスチックとして注目されている乳酸ポリマーの原料として有用な高純度D−乳酸を微生物利用(発酵法)により工業的に製造する方法に関する。
ラセミ体乳酸は化学的な方法で生産されているが、光学活性の乳酸は発酵法により生産される場合がほとんどである。
D−乳酸を産生する微生物は、Lactobacillus delbrueckiiなどの乳酸菌が古くから知られている(特許文献1、非特許文献1)。乳酸菌は、比較的高温での発酵が可能であり、グルコースから理論値に近いD−乳酸を生産することが知られているが、工業的生産の観点からはあまり研究されていないのが現状である。
以前より鯖の肉の加水分解物が乳酸菌の生育促進や乳製品のカードテンションを低下させることは報告されているが、魚肉乾燥物の加水分解物で効果のあった乳酸菌はStreptcoccus thermophilus, Streptcoccus lactis, Streptococcus cremoris, Lactobacillus helveticusの4種の菌株であり、それらの効果を検討しているに過ぎない(非特許文献2)。
特開昭62−44188号公報 K. Hofvendahl, Enzyme and Microbial Technology, 26, 87-107 (2000) H. Yuguchi, Japanese Journal of Dairy and Food Science, 33, 81-91 (1984)
これらの微生物を用いて高光学純度のD−乳酸の生産を行うためには、グルコースなどの糖質を原料として、酵母エキスやペプトンなどの窒素源を、そしてTween80などの脂肪酸、ビタミンなどを添加しなければならないが、酵母エキスやペプトン、ビタミンなどは高価であり、従って得られるD−乳酸も高価なものとなってしまう。プラスチックの代替物となりうる安価な乳酸ポリマーの原料として用いられるD−乳酸を生産するためには大きな問題である。
さらに糖質としても、より安価なデンプンを利用することが、経済的に望ましい。
本発明者らは、ホモ発酵を行うLactobacillus delbrueckiiなどの乳酸菌を用い、安価で、かつ簡便な培地で高光学純度のD−乳酸を工業的に生産する方法を鋭意検討した結果、魚肉あるいはそれをタンパク分解酵素で加水分解したものを唯一の窒素培地成分として含み、糖質源としてグルコース、シュークロースやデンプンなどの糖質を基にする培地を用いて、効果的に、かつ安価に高光学純度のD−乳酸を発酵生産する方法を見出した。
即ち本発明は、D-乳酸産生能を有する微生物を窒素源および炭素源を含む培地中で培養し、D-乳酸を産生・回収する方法において、窒素源として魚肉のみを用い、炭素源として糖質を用いることを特徴とする高光学純度のD-乳酸の効率的産生・回収方法に関する。更には、窒素源としてタンパク分解酵素により処理した魚肉を用いる前記産生・回収方法に関する。
唯一の窒素源として用いられる魚肉としては、魚肉乾燥物あるいはタンパク分解酵素処理した魚肉もしくは魚肉乾燥物が好ましく用いられる。
糖質としては、グルコースやシュークロースが好ましく用いられる。糖質としてデンプン、セルロース、キシランなどの高分子炭水化物を用いる場合は、アミラーゼやヘミセルラーゼなどのデンプンならびに糖質分解酵素で処理したものを用いてもよいが、これらの糖質分解酵素を適宜培地に添加することにより、デンプン等の分解と並行して乳酸発酵を行うことにより、効果的にD−乳酸を産生せしめることができる。
本発明によれば、魚肉、その乾燥物あるいはそれらの酵素加水分解物とグルコースや酵素により加水分解したデンプンなどの糖質だけからなる安価で、かつ簡便な培地で、乳酸菌を培養することにより、高光学純度のD−乳酸を産生せしめることができる。
また発酵生産時の培地のpHを酸性側に制御することにより、より高光学純度のD−乳酸が得られることを見出した。
更にキャッサバ由来のデンプンを糖質源として培地に添加し、アミラーゼを作用させることにより、他のデンプンよりも効果的にD−乳酸発酵を行うことも見出した。
更にLeuconostoc属に属する数種の高光学純度D−乳酸を産生する菌株の単離にも成功した。これらの菌株は、ヘテロ発酵を行う微生物であるが、エタノールを産生することから、目的物の回収時に乳酸エチルなどに変換することが可能であり、D−乳酸の回収の点で有利である。
本発明を以下に詳細に説明する。
本発明では、鰯やカツオなどの魚肉またはその乾燥物を細かく砕き、115℃から121℃で熱水抽出した微細魚肉分散液を唯一の窒素源として利用することができる。更に好ましくは魚肉またはその乾燥物を細かく砕き、これに中性タンパク分解酵素(中性プロテアーゼ)あるいはアルカリ性タンパク分解酵素(アルカリ性プロテアーゼ)を用いて50℃以上で数時間加水分解処理を行って後、上記のように高温で熱水抽出を行う。両者の酵素で処理を行うのも効果的である。また小魚の場合は、小魚を、あるいはその乾燥物を細かく砕き、上記と同様に処理して窒素源とすることができる。
この様にして作製した窒素源に滅菌処理を行ったグルコース、シュークロースなどの糖質源を添加し、これを培地として、乳酸発酵を行うことができる。
従って本発明では、高価な酵母エキスやペプトンなどの窒素源、さらにはビタミンやTween80などの脂肪酸を別途添加する必要が全くない。
種菌は別途酵母エキスやペプトンを含む栄養培地などで生育させた乳酸菌を用いることができるが、乳酸菌が生育する培地ならばこれに限定されない。種菌の培養にも上記のように窒素源として魚肉粉砕物を用いてもよい。
糖質として、グルコースなどを一度に培地に添加してもよいが、逐次添加してもよい。
グルコース5%以上を一度に添加すると乳酸菌の生育が阻害されるため、その場合は逐次添加することが好ましい。
糖質としてデンプンやセルロース、およびキシランなどの高分子炭水化物を用いる場合は、アミラーゼやヘミセルラーゼなどのデンプンならびに糖質分解酵素を添加し、乳酸発酵と同時にデンプン等のグルコースへの糖化反応を行いながら乳酸発酵を行うのが好ましい。この場合、最適なグルコース生成速度が得られるように、酵素量を加減して分解を調整することが得策である。化学的あるいは酵素的にデンプン等の高分子炭水化物をグルコースなどの単糖まで分解した後、培地に添加することも可能である。この場合は、グルコースの場合と同様の添加方法が好ましい。
本発明において、糖質としてキャッサバ由来のデンプンを用いると、D−乳酸の生産性が高く効果的であることを見出した。
上述のD−乳酸発酵では、L−乳酸発酵と異なり、各培地成分中にL−乳酸を含む場合は、光学純度低下の原因になる可能性があり、L−乳酸を含有する培地成分の使用は避けるべきである。特に安価なコーンスチープリカーなどはL−乳酸を多量に含んでおり、またトウモロコシデンプンや甜菜廃糖液はラセミ体乳酸を含むことが知られている(特開昭62-44188)。
なお、上記工程での糖質の殺菌は従来の蒸気殺菌、ろ過殺菌など一般的な殺菌方法を用いることができる。窒素源と糖質源の滅菌は別々に行い、発酵前あるいは発酵中にこれらを混合することが好ましい。瞬間殺菌法を用いるのも効果的である。
他の培地成分として、無機塩として硫酸マグネシウムや燐酸塩を適宜添加すると効果的である。
乳酸発酵の温度は、用いる乳酸菌が生育する限り限定されないが、20-60℃、好ましくは30-50℃、更に好ましくは37-45℃である。
乳酸発酵のpHは、4から7が好ましく、より好ましくは5から6.5である。Lactobacillus delbrueckii IFO 3534の場合、pHが8以上になるとL−乳酸の生成が見られる。なお、乳酸の生成に伴ってpHが低下して菌の生育阻害を起こすことから、炭酸カルシウムなどのpH調整剤やあるいは適当なアルカリでpHを最適な値にコントロールすることも得策である。具体的には、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム水溶液などでpHを所定の値でコントロールするのがよい。
乳酸発酵の時間は、糖質の量などにより変動するが、2日から7日程度が好ましい。さらに好ましくは3日から6日程度である。なお、連続生産を行う場合はこれに限定されない。
用いる乳酸菌としては、D−乳酸を生産する菌株ならば特に限定されないが、比較的高温(40-50℃)で培養しても増殖は可能で、グルコースのD−乳酸への変換能力が高い菌株が好ましく用いられる。
ホモ発酵を行う乳酸菌株としてはLactobacillus delbrueckii subsp. lactis IAM 12476、Lactobacillus delbrueckii IFO 3534等の菌株が挙げられる。中でも、D−乳酸の工業生産に最も適している菌株としてLactobacillus delbrueckii IFO 3534が挙げられる。
その他、ヘテロ発酵を行う乳酸菌株として、Leuconostoc pseudomesenteroides JCM 9696等が挙げられる。さらに新たに得られた2菌株は、Leuconostoc sp.、他の1種がLeuconostoc mesenteroides細菌であるとその生理学試験および16S‐rDNAの配列から同定された。これらの菌株は、独立行政法人産業技術総合研究所にそれぞれ以下の寄託番号で寄託されている。
寄託番号FERM P−21661:Leuconostoc sp. MM-3E、寄託番号FERM P−21662:Leuconostoc mesenteroides TN-6。
なお、これらの菌株の生理学的性質は下記の表に示す通りである。
Figure 2009106278
Figure 2009106278
発酵液からのD−乳酸の回収は、通常、培養濾液を硫酸で酸性(pH1.7)にし、生じる硫酸カルシウムと共に菌体を除去、活性炭を加えて脱色、濃縮後、エタノール(或いはメタノール)のエステルとして回収するか、硫酸酸性下酢酸エチルで抽出し、D−乳酸を回収する。その他、D−乳酸の不溶性のマグネシウム塩として回収・精製することも可能である。生成するD−乳酸をエチルエステル化し、これを溶媒中に回収する方法も好ましい方法である。
本発明について、以下に実施例を挙げて、より具体的に説明する。
分析方法
1)乳酸の定量および光学純度の測定
液クロ法により、下記条件で測定した。
カラム:Sumichiral OAキラルカラム(Column, Sumichiral OA-5000 (4.6mm ID X 15cm);
温度:室温;
移動相:2mM Cooper(II)sulfate-5H2O(249.69) 水とイソプロパノール混液中(98:2);
溶出率:1.0ml/分; 検出, UV at 254nm.
鏡像異性体過剰率, ee (Enantiomeric excess)の計算:
ee (%) =([D体]-[L体])/([D体]+[L体]) X 100
乳酸の定量用試料の調製:乳酸カルシウムの溶解度を考慮し、試料希釈液0.2mlにエタノール0.8mlを加え生じる沈殿物を遠心分離(15.000rpm、5分)して除去し、上清を水で適宜希釈して、HPLC(キラルカラム)で分析した。
2)糖の定量
フェノール硫酸法による全糖発色法で分析した。
参考例1
各乳酸菌による通常培地中でのD−乳酸の生産率の比較
200ml容の三角フラスコに1%ペプトン、1%酵母エキス、0.4%リン酸水素二カリウムからなる培地100mlを調製し、1N NaOHでpH6.8に調整後、121℃、15分間オートクレーブした。別にオートクレーブした50%グルコース溶液を終濃度5%になるように無菌的に加えて種培養用培地とした。終濃度4%になるようにCaCO3を加えてPYG培地とした。これに上述の植え次ぎ保存用寒天培地から各コロニーを白金耳で植菌し、ロータリーシェイカーにて40℃、72時間培養した。この種培養液の10mlを種培養用培地と同様に調製した本培養用培地に加え、種培養と同条件で培養した。表3に試験した菌種とD−乳酸の生成濃度、光学純度を示した。
Figure 2009106278
実施例1
魚粉末の検討
窒素源として各種魚粉末を用いて検討した。200ml容の三角フラスコに各種魚粉末(粉砕した試料)4g、0.4%K2HPO4(pH 7.2)50ml、オリエンターゼ90N(エイチビーアイ社製中性プロテアーゼ)80mgを加えて、50℃で3時間反応させた。反応後、終濃度4%になるようにCaCO3加えて、85mlになるよう水でメスアップし、121℃で15分間オートクレーブし、別にオートクレーブした50%(w/v)グルコース溶液10mlを加え魚粉末培地とした。これらの培地に参考例1と同様に調製したLactobacillus delbrueckii IFO 3534株の種培養液を15ml加え、40℃で72時間培養した。結果を表2に示した。各魚粉末とも同等濃度のD−乳酸を生成することができた。
Figure 2009106278
実施例2
200ml容の三角フラスコにカツオ魚粉末(粉砕した試料、丸石株式会社製)4g、0.4%K2HPO4(pH 7.2)50ml、オリエンターゼ90N(エイチビーアイ社製中性プロテアーゼ)80mgを加えて、50℃で3時間反応させた。反応後、終濃度4%になるようにCaCO3を加えて、85mlになるよう水でメスアップし、121℃で15分間オートクレーブし、別にオートクレーブした50%(w/v)グルコース溶液10mlを加えカツオ魚粉末培地とした。これらの培地に参考例1と同様に調製した各種菌株の種培養液を15ml加え、Lactobacillus delbrueckii IFO 3534は40℃、その他の菌株は30℃で培養した。結果を表5に示した。各種菌株とも、カツオ魚粉末を用いてD−乳酸を生成することができた。
Figure 2009106278
実施例3
カツオ魚粉末の酵素処理
カツオ魚粉末(丸石株式会社製)を中性プロテアーゼ(オリエンターゼ90N、エイチビーアイ社製)またはアルカリプロテアーゼ(オリエンターゼ22BF、エイチビーアイ社製)を400mg使用した以外は実施例2と同様にLactobacillus delbrueckii IFO 3534株の培養を行なった。結果を表6に示す。その結果、中性プロテアーゼ処理したものが最も高濃度でD−乳酸を生成した。
Figure 2009106278
実施例4
連続培養試験
実施例1と同様に200ml容の三角フラスコに丸石社製カツオ魚粉末培地100mlを調製し、Lactobacillus delbrueckii IFO 3534株の培養を行なった。培養64時間後の培養液を同じ組成の新規なカツオ魚粉末培地に1%、5%、10%量植えついだ。96時間培養後の培養液を用いてさらに植えつぎを行ない、以降96時間毎に植えついだ。結果をD−乳酸生成量で示した(表7)。この結果から、断続的(半回分)あるいは連続的な乳酸発酵も可能であることが分かった。また植えつぎ量による変動も少なく安定であることが分かった。
Figure 2009106278
実施例5
中和剤の検討
丸菱バイオエンジ製2L容のジャーファーメンターにカツオ魚粉末(丸石株式会社製)40g、0.4% K2HPO4(pH7.2) 500ml、オリエンターゼ90N(エイチビーアイ社製中性プロテアーゼ)800mgを加えて、50℃で3時間(回転数200rpm)反応させた。反応後、800mlになるように水でメスアップし、121℃で20分間オートクレーブ滅菌し、別途オートクレーブ滅菌した50%グルコース溶液100mlを加えてカツオ培地とした。カツオ培地に参考例1と同様に調製したLactobacillus delbrueckii IFO 3534株の種培養液を100ml加えて培養を行った。培養条件は攪拌回転数150rpm、培養温度40℃、通気は5%vvm量を気相のみに行い、中和剤の種類を変えて比較した。中和剤としては、それぞれCaCO3、25% NaOH水溶液、14%アンモニア水溶液を用いた。中和剤としてCaCO3を用いる場合は、上記カツオ培地に終濃度5%になるようにCaCO3を加えた。また中和剤として、25% NaOH水溶液あるいは14%アンモニア水溶液を用いる場合は、pHスタットによりpH6.0に制御した。72時間培養した結果を表8に示した。また、この結果、弱塩基、強塩基のいずれを中和剤として用いても光学純度の低下は見られなかった。
Figure 2009106278
実施例6
糖質源の検討
実施例1と同様に、200ml容の三角フラスコにカツオ培地100mlを調製しLactobacillus delbrueckii IFO 3534株の培養を行なった。ただし、糖質をグルコースの他、以下の処理を加えたキャッサバ由来のデンプンおよびトウモロコシデンプン(コーンスターチ)を用いた。
実施例3と同様にオリエンターゼ処理したカツオ魚粉末液100mlに5%または10%のキャッサバ由来のデンプンを加え、これに液化酵素T(エイチビーアイ社、細菌α-アミラーゼ)100mgを加えて、80-90℃に加温、そのまま1.5時間攪拌しながら液化し、上記のカツオ魚粉末培地100mlに添加した。さらに10gのCaCO3を加えて、オートクレーブ(121℃、15分)を行ない、別に滅菌した50%グルコース溶液を終濃度1%になるように加えた。参考例1と同様に培養した種培養液5ml加えて、ロータリーシェイカーにて40℃で24時間前培養し(前発酵)、その後グルターゼAN(エイチビーアイ社、カビグルコアミラーゼ)を40mg加え、主培養(主発酵)を行った。その結果、キャッサバ由来のデンプンを用いた場合、グルコースのみを糖質源にした場合よりも高濃度でD−乳酸を生成することができた(図1)。
糖質とD-乳酸産生の関係を示す図である。

Claims (12)

  1. D-乳酸産生能を有する微生物を窒素源および炭素源を含む培地中で培養し、D-乳酸を産生・回収する方法において、窒素源として魚肉のみを用い、炭素源として糖質を用いることを特徴とする高光学純度のD-乳酸の効率的産生・回収方法。
  2. 窒素源としてタンパク分解酵素処理した魚肉を用いる請求項1の産生・回収方法。
  3. 魚肉として魚肉乾燥物を用いる請求項1または2の産生・回収方法。
  4. 糖質がグルコースおよび/またはシュークロースである請求項1〜3のいずれかに記載の産生・回収方法。
  5. 糖質が糖質分解酵素処理されたデンプンである請求項1〜3のいずれかに記載の産生・回収方法。
  6. 糖質がデンプンであり、更に糖質分解酵素の添加によりデンプンからグルコース生成と乳酸菌による乳酸発酵を同時に行う請求項1〜4のいずれかに記載の産生・回収方法。
  7. デンプンがキャッサバ由来のデンプンである、請求項5または6に記載の産生・回収方法。
  8. 微生物がラクトバシラス属に属する乳酸菌である請求項1〜7のいずれかに記載の産生・回収方法。
  9. 微生物がLactobacillus delbrueckiiである請求項8に記載の産生・回収方法。
  10. 微生物がLactobacillus delbrueckii subsp. lactis IAM 12476またはLactobacillus delbrueckii IFO 3534である請求項8に記載の産生・回収方法。
  11. 微生物がロイコノストック属に属する乳酸菌である請求項1〜7のいずれかに記載の産生・回収方法。
  12. 微生物がLeuconostoc pseudomesenteroides JCM 9696、Leuconostoc sp. MM-3E(寄託番号:FERM P-21661)または Leuconostoc mesenteroides TN-6(寄託番号:FERM P-21662)である請求項11に記載の産生・回収方法。
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