JPH0642834B2 - イタコン酸の製造法 - Google Patents

イタコン酸の製造法

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JPH0642834B2
JPH0642834B2 JP17106289A JP17106289A JPH0642834B2 JP H0642834 B2 JPH0642834 B2 JP H0642834B2 JP 17106289 A JP17106289 A JP 17106289A JP 17106289 A JP17106289 A JP 17106289A JP H0642834 B2 JPH0642834 B2 JP H0642834B2
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itaconic acid
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武士 田渕
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IWATA KAGAKU KOGYO
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はイタコン酸の製造法に関するものである就中、
ウスティラゴ属(Genus Ustilago)に属するイタコン酸生
産菌を培養し、培地中にイタコン酸を生成蓄積させ、こ
れを採取する方法に関するものである。
[従来の技術] これまでイタコン酸を生産する微生物としては古くか
ら、アスペルギルス イタコニクス(Aspergillus itaco
nicus),アスペルギルス テレウス(Aspergillus terre
us)などのカビ、紫絞羽病菌(Helicobacidium mompa),
ウスティラゴゼアエ(Ustilago zeae,現在はウスティラ
ゴ メイディスUstilago maydis に帰属されている)
などの不完全菌が知られている。
このうち、ウスティラゴ属に属する不完全菌によるイタ
コン酸の製造に関しては、ハスキンスらの報告がある
[Haskins R.H.,Thorn,Q.A.,Boothroyd,B.,Can.Jour.Mi
crobiol.,1,749(1955)]。この報告の方法では菌株とし
てはウスティラゴ ゼアエ(Ustilago Zeae)に属するイ
タコン酸生産菌を用い、ブドウ糖、無機塩類、ビートモ
ラセスを含む培地で好気的に培養を行ない、発酵液のエ
ーテル抽出物についてフリードケンの方法でイタコン酸
の定量を行なったところ、15g/という値が得られた
と記されている。しかしながらこの定量法ではイタコン
酸以外の不飽和化合物による妨害を受け、実際に単離し
てみた時の値よりかなり高目のものであった、とも記さ
れている。なお単離されたイタコン酸の得量については
記載が見当らない。
[発明が解決しようとする課題] 前記の如き事情などから、ウスティラゴ属のイタコン酸
生産菌を用いたイタコン酸の製造法は工業的には実施さ
れていない、というのが現状である。本発明者はこれに
改良を加え、工業的に実施できる程度に高濃度にイタコ
ン酸を培地中に生成蓄積させ、その他の副生物は極力低
濃度に抑え、発酵液からのイタコン酸の分離精製を容易
とする方法を確立すべく鋭意検討を加えた。
[課題を解決するための手段] 本発明の骨子は、ウスティラゴ属のイタコン酸生産菌を
培地中で培養し、イタコン酸を培地中に生成蓄積させる
に際し、培地のpHを弱酸性ないし中性に保持するという
ところにあり、このことによりイタコン酸を主生産物と
して培地中に高濃度に蓄積させることが出来、したがっ
てまた発酵液からのイタコン酸の分離が容易となること
を新規に見出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。
[発明の構成] 本発明で使用される菌株はウスティラゴ属(Genus Ustil
ago)に属するイタコン酸生産菌であり、ウスティラゴ
メイディス(U.maydis),ウスティラゴ シノドンティス
(U.cynodontis),ウスティラゴ ラベンホルスティナ
(U.rabenhorstina)などは好ましい菌種の例である。具
体的にはウスティラゴ メイディス IFO 5346,IFO 690
7,,ウスティラゴ シノドンティスIFO 9727,IFO 753
0,IFO 9758,ウスティラゴ ラベンホルスティナIFO 89
95などが挙げられる。ここでIFOは財団法人発酵研究所
の保存株であることを表わす。
培地は通常糸状菌の培養に用いられるものが適宜使用で
きるが、炭素源としてはブドウ糖、ショ糖、乳糖、デン
プン水解物などの糖やソルビトール、マンニトールなど
の糖アルコールなどが用いられる。窒素源としては硝酸
アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどの硝
酸塩、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸ア
ンモニウムなどのアンモニウム塩、また尿素などが用い
られる。以上の各種窒素源は単独で使用してもよく、ま
た2種以上を併用することもできる。有機栄養源もこれ
を添加することによりイタコン酸の蓄積量が著しく増大
し、酵母エキス、コーン・スティープ・リカー、米糠な
どは好ましい例である。その他にリン酸塩、マグネシウ
ム塩などの無機栄養物も加えられる。
次に培地のpHであるが本発明の方法においては極めて重
要な因子であり通常、弱酸性ないし中性、具体的にはpH
4.5〜7.0がよいが、pH5.0〜6.0に調整しながら培養を行
なうと特に好結果が得られる。培養経過と共にイタコン
酸が生成すると培地のpHが低下するので、その中和剤と
しておくかあるいは、水酸化ナトリウム、水酸化カルシ
ウムなどのアルカリを培養の過程で部分中和剤として無
菌的に添加することにより良好なpH管理状態を保つこと
ができる。
培養の温度は使用する菌株により若干異なるが多くの場
合、20〜35℃、好ましくは25〜30℃の範囲が選ばれる。
本発明の培養は好気的条件で行なわれ通常、コルベンを
用いた振盪培養法やジャーファーメンターまたはタンク
を用いた通気攪拌培養の方法が用いられる。この場合、
培地中に消泡剤や界面活性剤を添加しておくとよい結果
が得られることもある。培養期間は通常4〜10日間、好
ましくは5〜7日間程度である。
培養物からのイタコン酸の分離は通常微生物の培養によ
って生産された有機酸類をその培養物から分離するのに
用いられる手段を適宜組合せることにより行なわれる。
例えば遠心分離、過などによる菌体の分離、上清液の
濃縮、カラムクロマト通液、活性炭処理、過、再結晶
などの操作を行なうことにより分離、採取される。
なお培養液の中和にカルシウム化合物を用いた場合は、
予め硫酸または塩酸などの無機酸を加えpHを酸性にしイ
タコン酸を遊離形とした後に菌体分離を行なうと、液
から遊離のイタコン酸が直接採取でき、便宜である。
[作用] 本発明の方法によれば上記の如く簡単な操作で容易にイ
タコン酸の結晶を採取することが出来るが、これはイタ
コン酸の発酵液中の濃度が高いことと、副生物が少ない
事が大きく作用していると考えられる。
本発明は上記の如き構成によりなりまた作用を有する
が、以下に実施例を挙げて内容を具体的に示す。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明の内容をさらに詳細に説明
するが、本例は本発明の実施態様の一部にすぎないこと
はいうまでもない。
実施例1 ポテトデキストローズ寒天斜面培地で28℃,3日間培養
したウスティラゴ メイディス IFO 5346を種母培地
(ブドウ糖12%、NaNO3 0.34%,KH2PO4 0.05%,MgSO4
・7H2O 0.05%,酵母エキス0.3%を水道水に溶かし、そ
の30mを300m 容三角フラスコに分注、121℃,10
分間殺菌)で28℃,3日間培養を行なった。
次にブドウ糖12%,KNO3 0.3%,NaH2PO4 0,02%,MgSO
4・7H2O 0.02%,コーン・スティープ・リカー0.4%,Ca
CO3 3.3%,水道水からなる培地(CaCO3は別殺菌し、各
フラスコに添加)を300m容三角フラスコ中50mづ
つ分注し、121℃で10分間殺菌を行ない冷却後種母培養
液3.3mを接種し、30℃で5日間、200rpmで回転振盪
培養を行なった。培養終了後、培養液に塩酸を加えてpH
を2とし過剰のCaCO3を溶解後10,000rpmで10分間遠心分
離を行ない、菌体を除いた上澄液の中のイタコン酸を分
析をコッペシャール(Koppeshaar)の方法(共立出版,微
生物工学講座第5巻「カビの利用工業」P72〜73,昭和3
1年発行)で行なったところ、培養液1mあたり53mg
のイタコン酸が蓄積されていることがわかった。次にこ
の上澄液20mをとり減圧下60℃で5mまで濃縮した
ところ、イタコン酸の粗結晶が析出した。その重量は35
0mgであった。実施例2 実施例1における主発酵培地の成分の内、炭素源のブド
ウ糖12%の代りにショ糖12%を用いて同様の培養を行な
った。培養7日後イタコン酸が34mgmの濃度で培地中
に生成蓄積されていることがわかった。その他の生成物
としては高速液体クロマトグラフ分析でリンゴ酸3mg/
mが検出されたのみであった。
実施例3 実施例1における主発酵培地の成分の内、窒素源のKNO3
の代りにNaNO3 0.3%を加えて培養を行なった。培養7
日間の分析でイタコン酸38mg/mの濃度で培地中に生
成蓄積されていることがわかった。
実施例4 実施例1の方法における窒素源のKNO3 0.3%の代りにNH
4NO3 0.15%を用いて同様の培養を7日間行ない、イタ
コン酸38mg/mが培地中に生成蓄積されていることが
わかった。
実施例5 実施例1の方法における窒素源のKNO3 0.3%の代りに(N
H4)2SO4 0.3%を用いて同様の培養を7日間行ない、イ
タコン酸37mg/mが培地中に生成蓄積されていること
がわかった。
実施例6 実施例1の方法における窒素源のKNO3 0.3%の代りに尿
素0.15%を用いて培養を7日間行ない、イタコン酸40mg
/mが培地中に生成蓄積されていることがわかった。
実施例7 実施例1の方法におけるコーン・スティーブ・リカー0.
4%の代りに酵母エキス0.3%を用いて培養を7日間行な
い、イタコン酸32mg/mが培地中に生成蓄積されてい
ることがわかった。
実施例8 実施例1の方法におけるコーン・スティーブ・リカー0.
4%の代りに米糠0.1%を用いて培養を7日間行ない、イ
タコン酸40mg/mが培地中に生成蓄積されていること
がわかった。
実施例9 実施例1における使用菌株ウスティラゴ メイディス
IFO 5346の代りに下表の菌株を用いて同様の培養を7日
間行なった。培養終了後、それぞれの培養物についてイ
タコン酸の生成量の測定をコッペシャールの方法で行な
ったところ、表記の如き値がえられた。
[発明の効果] 以上してきた如く、本発明の方法によれば、イタコン酸
が主発酵生産物として培地中に高濃度に蓄積されるた
め、簡単な精製操作により容易にイタコン酸の結晶を採
取することが出来、本発明の産業上の意義は極めて大き
い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウスティラゴ属(Genus Ustilago)に属する
    イタコン酸生産性の不完全菌を培地に培養し、培養物中
    にイタコン酸を蓄積せしめるに際し、培地のpHを弱酸性
    ないし中性に保持することを特徴とするイタコン酸の製
    造法。
JP17106289A 1989-07-04 1989-07-04 イタコン酸の製造法 Expired - Lifetime JPH0642834B2 (ja)

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