JPH0638774A - イタコン酸の製造法 - Google Patents
イタコン酸の製造法Info
- Publication number
- JPH0638774A JPH0638774A JP19690692A JP19690692A JPH0638774A JP H0638774 A JPH0638774 A JP H0638774A JP 19690692 A JP19690692 A JP 19690692A JP 19690692 A JP19690692 A JP 19690692A JP H0638774 A JPH0638774 A JP H0638774A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- itaconic acid
- culture
- aspergillus terreus
- temperature resistant
- resistant strain
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 アスペルギルス テレウスに属し、イタコン
酸生産能を有し、40℃での最大比増殖速度(μ)が
0.01h-1以上であり、かつ40℃以上でも生育可能
な高温耐性株を培養し、該培地中にイタコン酸を生成、
蓄積せしめるイタコン酸の製造法。 【効果】 高温で、菌体を培養し、かつイタコン酸の生
成、蓄積を行うことが可能であるため、ユーティリティ
コストの低減、雑菌汚染による危険性の減少、ひいては
イタコン酸生産性の著しい向上が得られる。
酸生産能を有し、40℃での最大比増殖速度(μ)が
0.01h-1以上であり、かつ40℃以上でも生育可能
な高温耐性株を培養し、該培地中にイタコン酸を生成、
蓄積せしめるイタコン酸の製造法。 【効果】 高温で、菌体を培養し、かつイタコン酸の生
成、蓄積を行うことが可能であるため、ユーティリティ
コストの低減、雑菌汚染による危険性の減少、ひいては
イタコン酸生産性の著しい向上が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイタコン酸の製造法に関
し、更に詳しくはイタコン酸生産菌の高温耐性株を培養
することにより工業用途原料として有用なイタコン酸を
製造する方法に関する。
し、更に詳しくはイタコン酸生産菌の高温耐性株を培養
することにより工業用途原料として有用なイタコン酸を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イタコン酸は微生物が産生する化成品
で、ラテックス、水溶性塗料、油溶性ペイント、印刷イ
ンキなどの化学工業用途の原料として使用されている。
イタコン酸を産生する微生物としてはアスペルギルス属
などのカビ以外に、甘藷紫紋羽病菌(Helicoba
cidium mompa)やウスティラゴ属(Ust
ilago zeae)などの不完全菌(特開平3−3
5785号公報)、キャンデイダ属(Candida
sp,特公昭61−30553号公報)やロドトルラ属
(Rhodotorula sp,特公昭59−530
35号公報)などの酵母類が知られているが工業的に
は、アスペルギルス テレウス(Aspergillu
s terreus)やアスペルギルス イタコニクス
(Aspergillus itaconicus)に
よる発酵生産が行われている。その製造法は特公昭51
−28711号公報、特公昭52−31431号公報、
特公昭56−50958号公報、特公昭60−1203
7号公報、特公平3−22149号公報、特開昭48−
56890号公報、特開昭48−92584号公報、特
開昭49−71192号公報などに報告されている。
で、ラテックス、水溶性塗料、油溶性ペイント、印刷イ
ンキなどの化学工業用途の原料として使用されている。
イタコン酸を産生する微生物としてはアスペルギルス属
などのカビ以外に、甘藷紫紋羽病菌(Helicoba
cidium mompa)やウスティラゴ属(Ust
ilago zeae)などの不完全菌(特開平3−3
5785号公報)、キャンデイダ属(Candida
sp,特公昭61−30553号公報)やロドトルラ属
(Rhodotorula sp,特公昭59−530
35号公報)などの酵母類が知られているが工業的に
は、アスペルギルス テレウス(Aspergillu
s terreus)やアスペルギルス イタコニクス
(Aspergillus itaconicus)に
よる発酵生産が行われている。その製造法は特公昭51
−28711号公報、特公昭52−31431号公報、
特公昭56−50958号公報、特公昭60−1203
7号公報、特公平3−22149号公報、特開昭48−
56890号公報、特開昭48−92584号公報、特
開昭49−71192号公報などに報告されている。
【0003】これらの方法によれば、ブドウ糖やショ糖
を主原料に硝酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、コー
ンスティープリカーなどからなる培地に菌を植え、25
〜30℃で好気的に3〜4日培養し、菌体を除去し濾液
を濃縮して結晶を析出させ、更に再結晶して製品を得
る。
を主原料に硝酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、コー
ンスティープリカーなどからなる培地に菌を植え、25
〜30℃で好気的に3〜4日培養し、菌体を除去し濾液
を濃縮して結晶を析出させ、更に再結晶して製品を得
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような培
養条件は、発酵生産においてごく一般的であるが微生物
の最も生育しやすい条件でもあるため、常に雑菌による
汚染の危険性を伴っていた。更に、発酵熱による温度上
昇を防ぐため冷却水が多量に使われるが、特に夏場にお
いては培養温度と水温との差がほとんど無いため、特に
多量の冷却水が必要となる。
養条件は、発酵生産においてごく一般的であるが微生物
の最も生育しやすい条件でもあるため、常に雑菌による
汚染の危険性を伴っていた。更に、発酵熱による温度上
昇を防ぐため冷却水が多量に使われるが、特に夏場にお
いては培養温度と水温との差がほとんど無いため、特に
多量の冷却水が必要となる。
【0005】そこで、微生物の高温(微生物が一般に生
育しにくい)での培養が可能となれば、冷却水の使用量
を低減し、雑菌汚染による危険性を減少させ、更に無蒸
煮培地での発酵生産を可能とし、ひいてはイタコン酸の
生産性を高めることが期待される。
育しにくい)での培養が可能となれば、冷却水の使用量
を低減し、雑菌汚染による危険性を減少させ、更に無蒸
煮培地での発酵生産を可能とし、ひいてはイタコン酸の
生産性を高めることが期待される。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意検討した結果、アスペルギルス テレウス
に属するイタコン酸生産菌を突然変異処理することによ
り得られる高温耐性株を培養すればイタコン酸を効率的
に製造できることを見出し、本発明を完成した。
情に鑑み鋭意検討した結果、アスペルギルス テレウス
に属するイタコン酸生産菌を突然変異処理することによ
り得られる高温耐性株を培養すればイタコン酸を効率的
に製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明はアスペルギルス テレ
ウスに属し、イタコン酸生産能を有し、40℃での最大
比増殖速度(μ)が0.01h-1以上であり、かつ40
℃以上でも生育可能な高温耐性株(以下、高温耐性株と
いう)を培養し、該培地中にイタコン酸を生成、蓄積せ
しめることを特徴とするイタコン酸の製造法を提供する
ものである。
ウスに属し、イタコン酸生産能を有し、40℃での最大
比増殖速度(μ)が0.01h-1以上であり、かつ40
℃以上でも生育可能な高温耐性株(以下、高温耐性株と
いう)を培養し、該培地中にイタコン酸を生成、蓄積せ
しめることを特徴とするイタコン酸の製造法を提供する
ものである。
【0008】また、本発明は上記高温耐性株を提供する
ものである。
ものである。
【0009】本発明に使用される高温耐性株は、上記性
質を有する限り、自然界から採取したものでもよいが、
アスペルギルス テレウスに属し、イタコン酸生産能を
有する菌に突然変異処理を施し、高温で生育可能な菌株
を選択することにより得られたものが好ましい。
質を有する限り、自然界から採取したものでもよいが、
アスペルギルス テレウスに属し、イタコン酸生産能を
有する菌に突然変異処理を施し、高温で生育可能な菌株
を選択することにより得られたものが好ましい。
【0010】突然変異処理に使用される親株としては、
アスペルギルス テレウスIFO6365、IFO63
66、IFO7078等が挙げられる。
アスペルギルス テレウスIFO6365、IFO63
66、IFO7078等が挙げられる。
【0011】アスペルギルス テレウスを突然変異処理
する方法としては、突然変異誘起作用を有するものとし
て知られる物理的、化学的な方法を適宜使用できる。物
理的方法の具体例としては、紫外線照射法、放射線照射
法等が挙げられ、化学的方法の具体例としてはエチルメ
タンスルホネート(EMS)、N−メチル−N−ニトロ
−N−ニトロソグアニジン(NTG)、アクリジン色素
等を使用する方法が挙げられる。
する方法としては、突然変異誘起作用を有するものとし
て知られる物理的、化学的な方法を適宜使用できる。物
理的方法の具体例としては、紫外線照射法、放射線照射
法等が挙げられ、化学的方法の具体例としてはエチルメ
タンスルホネート(EMS)、N−メチル−N−ニトロ
−N−ニトロソグアニジン(NTG)、アクリジン色素
等を使用する方法が挙げられる。
【0012】上記アスペルギルス テレウスに突然変異
処理を施すことによるその亜菌株である高温耐性株の作
製例を以下に示す。
処理を施すことによるその亜菌株である高温耐性株の作
製例を以下に示す。
【0013】(1)変異処理 親株(アスペルギルス テレウスIFO6365)を表
1に示す組成を有する寒天培地で30℃、10日間培養
して得た胞子について以下に示す変異処理を施す。
1に示す組成を有する寒天培地で30℃、10日間培養
して得た胞子について以下に示す変異処理を施す。
【0014】(NTG 変異処理)寒天に滅菌水5mlを
添加し、よく胞子を掻き取った後この胞子懸濁液をガー
ゼで包んだ綿の層を通過させ、胞子片を除いた液を遠心
分離して胞子のみを集める。これをトリス−マレート緩
衝液に懸濁し、ニトロソグアニジン(NTG)を1mg/
lとなるように添加した後、胞子懸濁液を150分間、
30℃で振とうする。次いで、遠心分離した胞子に5ml
殺菌水を加えて、再び遠心分離を行う。この操作を2回
行い胞子を完全に洗浄した後、表1に示す組成を有する
シャーレ中の寒天培地に塗布して40℃、3日間培養を
行う。生育してきたコロニーを釣り菌して30℃で10
日間寒天で培養する。
添加し、よく胞子を掻き取った後この胞子懸濁液をガー
ゼで包んだ綿の層を通過させ、胞子片を除いた液を遠心
分離して胞子のみを集める。これをトリス−マレート緩
衝液に懸濁し、ニトロソグアニジン(NTG)を1mg/
lとなるように添加した後、胞子懸濁液を150分間、
30℃で振とうする。次いで、遠心分離した胞子に5ml
殺菌水を加えて、再び遠心分離を行う。この操作を2回
行い胞子を完全に洗浄した後、表1に示す組成を有する
シャーレ中の寒天培地に塗布して40℃、3日間培養を
行う。生育してきたコロニーを釣り菌して30℃で10
日間寒天で培養する。
【0015】(紫外線変異処理)前記NTG変異処理の
時と同様に調製した胞子懸濁液を、生理食塩水で胞子濃
度が3〜4×106 個/mlとなるように希釈する。この
希釈液15mlを9cmのシャーレに入れて時々、白金耳で
攪拌しながら紫外線を下記条件で照射する(予備試験で
の生存率は20%)。
時と同様に調製した胞子懸濁液を、生理食塩水で胞子濃
度が3〜4×106 個/mlとなるように希釈する。この
希釈液15mlを9cmのシャーレに入れて時々、白金耳で
攪拌しながら紫外線を下記条件で照射する(予備試験で
の生存率は20%)。
【0016】 照射源 :30W紫外線ランプ(2537Å)。 距離 :50cm。 照射時間:2分。
【0017】紫外線照射処理を終えた液のうち0.6ml
を採取し、表1に示す組成を有するシャーレ中の寒天培
地に塗布して40℃、3日間培養する。生育してきたコ
ロニーを、表1に示す組成を有する寒天培地に釣り菌し
て30℃で10日間培養する。
を採取し、表1に示す組成を有するシャーレ中の寒天培
地に塗布して40℃、3日間培養する。生育してきたコ
ロニーを、表1に示す組成を有する寒天培地に釣り菌し
て30℃で10日間培養する。
【0018】(2)高温耐性株の選別方法 上記の方法で変異処理したそれぞれの菌株を、表1に示
す生産培地100mlを含む300mlの三角フラスコに接
種して、ロータリーシェイカーで40℃、7日間振とう
培養し、その遠心上澄についてイタコン酸の定量を行
う。イタコン酸の定量は、例えば「実験化学講座」(日
本化学会編、丸善、1959年刊)25巻、25頁に記
載されている方法に従う。
す生産培地100mlを含む300mlの三角フラスコに接
種して、ロータリーシェイカーで40℃、7日間振とう
培養し、その遠心上澄についてイタコン酸の定量を行
う。イタコン酸の定量は、例えば「実験化学講座」(日
本化学会編、丸善、1959年刊)25巻、25頁に記
載されている方法に従う。
【0019】
【表1】
【0020】それぞれの変異処理後、分離した約300
0個のコロニーについて上記方法でスクリーニングを行
い、40℃以上の温度でも生育可能な菌株からイタコン
酸を生産する優良菌株をNTG変異処理したものの中か
ら分離し、これをアスペルギルス テレウス(Aspe
rgillus terreus)KO3152と命名
し、微工研菌寄第12966号(FERM P−129
66)として工業技術院微生物工業技術研究所に寄託し
た。
0個のコロニーについて上記方法でスクリーニングを行
い、40℃以上の温度でも生育可能な菌株からイタコン
酸を生産する優良菌株をNTG変異処理したものの中か
ら分離し、これをアスペルギルス テレウス(Aspe
rgillus terreus)KO3152と命名
し、微工研菌寄第12966号(FERM P−129
66)として工業技術院微生物工業技術研究所に寄託し
た。
【0021】この高温耐性株は40℃以上でも生育し、
グルコースを炭素源として培養した場合、その40℃で
の最大比増殖速度(μ)が0.01h-1以上であった。
グルコースを炭素源として培養した場合、その40℃で
の最大比増殖速度(μ)が0.01h-1以上であった。
【0022】本発明のイタコン酸製造法に使用される培
地は通常の微生物培養に用いられるものが適宜使用でき
るが、炭素源としてはブドウ糖、フラクトース、蔗糖、
乳糖、デンプン水解物、廃糖蜜などの糖やソルビトー
ル、マンニトールなどの糖アルコールが挙げられ、窒素
源としては硝酸カリウム(又はナトリウム)などの硝酸
塩、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アン
モニウムなどのアンモニウム塩、尿素などが挙げられ
る。以上の各種窒素源は単独で使用してもよく、また2
種以上を併用することもできる。
地は通常の微生物培養に用いられるものが適宜使用でき
るが、炭素源としてはブドウ糖、フラクトース、蔗糖、
乳糖、デンプン水解物、廃糖蜜などの糖やソルビトー
ル、マンニトールなどの糖アルコールが挙げられ、窒素
源としては硝酸カリウム(又はナトリウム)などの硝酸
塩、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アン
モニウムなどのアンモニウム塩、尿素などが挙げられ
る。以上の各種窒素源は単独で使用してもよく、また2
種以上を併用することもできる。
【0023】有機栄養源としては、酵母エキス、コーン
スティープリカー、米ぬかなどが使用される。その他に
リン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの無機栄
養源も加えられる。
スティープリカー、米ぬかなどが使用される。その他に
リン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの無機栄
養源も加えられる。
【0024】培地pHは、培養の進行によるイタコン酸の
生成、蓄積とともに2程度にまで低下するが、特に中和
剤などを用いて制御する必要はない。
生成、蓄積とともに2程度にまで低下するが、特に中和
剤などを用いて制御する必要はない。
【0025】培養温度は、本発明においては重要な因子
であり、好ましくは37〜45℃、特に好ましくは39
〜41℃の範囲が選択される。
であり、好ましくは37〜45℃、特に好ましくは39
〜41℃の範囲が選択される。
【0026】培養時の溶存酸素濃度も本発明の培養が好
気的条件下で行われることから重要な因子である。該溶
存酸素濃度は好ましくは2飽和%以上であることを要
し、5飽和%以上であることが好ましい。
気的条件下で行われることから重要な因子である。該溶
存酸素濃度は好ましくは2飽和%以上であることを要
し、5飽和%以上であることが好ましい。
【0027】培養方法としては、通常使用される通気攪
拌法、エアーリフト法、回分法、半回分法、連続培養法
などのいずれもが、本発明に適用できる。
拌法、エアーリフト法、回分法、半回分法、連続培養法
などのいずれもが、本発明に適用できる。
【0028】培地中には、必要に応じて、消泡剤、界面
活性剤などを添加してもよい。
活性剤などを添加してもよい。
【0029】培養後における培養液からのイタコン酸の
分離は、微生物の培養によって生産される有機酸類をそ
の培養物から分離するのに用いられる手段を適宜組合わ
せることにより行われる。例えば遠心分離、濾過などに
よる菌体の分離、上澄の濃縮、カラムクロマトグラフィ
ー、活性炭処理、濾過、再結晶などの操作を行うことに
より分離、精製される。
分離は、微生物の培養によって生産される有機酸類をそ
の培養物から分離するのに用いられる手段を適宜組合わ
せることにより行われる。例えば遠心分離、濾過などに
よる菌体の分離、上澄の濃縮、カラムクロマトグラフィ
ー、活性炭処理、濾過、再結晶などの操作を行うことに
より分離、精製される。
【0030】
【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】実施例1 表2に示す組成を有する種菌培地100mlを入れた30
0ml三角フラスコにアスペルギルス テレウスKO31
52株をスラントから一白金耳接種し30℃で2日間前
培養したものを種菌液とした。次に表2に示す組成を有
する生産培地300mlを入れた1リットル(l)三角フ
ラスコをオートクレーブ後(120℃/15分)種菌液
2mlを添加し、培養温度30℃、40℃でそれぞれロー
タリーシェーカーにて(220rpm )振とう培養した。
なお、溶存酸素濃度は、培養前が30飽和%であり、培
養後が8飽和%であった。
0ml三角フラスコにアスペルギルス テレウスKO31
52株をスラントから一白金耳接種し30℃で2日間前
培養したものを種菌液とした。次に表2に示す組成を有
する生産培地300mlを入れた1リットル(l)三角フ
ラスコをオートクレーブ後(120℃/15分)種菌液
2mlを添加し、培養温度30℃、40℃でそれぞれロー
タリーシェーカーにて(220rpm )振とう培養した。
なお、溶存酸素濃度は、培養前が30飽和%であり、培
養後が8飽和%であった。
【0032】
【表2】
【0033】図1に結果を示すように、30℃での培養
では、培養8日後の培地中に40g/lのイタコン酸が
生成、蓄積され、一方40℃での培養では、同様に培養
8日後に55g/lのイタコン酸が生成、蓄積された。
では、培養8日後の培地中に40g/lのイタコン酸が
生成、蓄積され、一方40℃での培養では、同様に培養
8日後に55g/lのイタコン酸が生成、蓄積された。
【0034】比較例1 実施例1で使用したKO3152株の親株であるアスペ
ルギルス テレウスIFO6365を実施例1と同一条
件で培養した。図1に併せて結果を示すように、30℃
での培養では、培養8日後の培地中に21g/lのイタ
コン酸が生成、蓄積され、一方40℃での培養では、培
養8日後の培地中に10g/lしかイタコン酸が生成、
蓄積されなかった。
ルギルス テレウスIFO6365を実施例1と同一条
件で培養した。図1に併せて結果を示すように、30℃
での培養では、培養8日後の培地中に21g/lのイタ
コン酸が生成、蓄積され、一方40℃での培養では、培
養8日後の培地中に10g/lしかイタコン酸が生成、
蓄積されなかった。
【0035】実施例2 表2に示す組成を有する種菌培地100mlを入れた30
0ml三角フラスコにKO3152株を寒天から一白金耳
接種し、30℃で2日間前培養したものを種菌液とし
た。3lジャーファーメンター(実用量2l)に別々に
オートクレーブした(120℃/15分)表2に示す組
成を有する生産培地を入れ、上記種菌液200mlを添加
後40℃で通気攪拌培養を行った。通気量は1vvm で溶
存酸素濃度(DOセンサー:「Model DY−22
09」,TOA Electronics社製)が一定
(10飽和%)になるよう攪拌数の自動制御を行った。
図2に結果を示すように、イタコン酸の生成、蓄積量は
時とともに増加し、160時間後には52g/lに達し
た。
0ml三角フラスコにKO3152株を寒天から一白金耳
接種し、30℃で2日間前培養したものを種菌液とし
た。3lジャーファーメンター(実用量2l)に別々に
オートクレーブした(120℃/15分)表2に示す組
成を有する生産培地を入れ、上記種菌液200mlを添加
後40℃で通気攪拌培養を行った。通気量は1vvm で溶
存酸素濃度(DOセンサー:「Model DY−22
09」,TOA Electronics社製)が一定
(10飽和%)になるよう攪拌数の自動制御を行った。
図2に結果を示すように、イタコン酸の生成、蓄積量は
時とともに増加し、160時間後には52g/lに達し
た。
【0036】
【発明の効果】本発明の製造法により、一般には微生物
が生育し難い高温で菌株を培養し、かつイタコン酸の生
成、蓄積を行うことが可能であるため、冷却水使用量の
低減、雑菌汚染による危険性の減少などがもたらされ、
ひいてはイタコン酸の生産性を著しく高めることができ
る。更に、培養液pHを2付近の強酸性とすることも可能
であり、従来発酵プロセスに不可欠であった滅菌操作を
不要とする無蒸煮培地での発酵生産も期待できる。
が生育し難い高温で菌株を培養し、かつイタコン酸の生
成、蓄積を行うことが可能であるため、冷却水使用量の
低減、雑菌汚染による危険性の減少などがもたらされ、
ひいてはイタコン酸の生産性を著しく高めることができ
る。更に、培養液pHを2付近の強酸性とすることも可能
であり、従来発酵プロセスに不可欠であった滅菌操作を
不要とする無蒸煮培地での発酵生産も期待できる。
【図1】実施例1及び比較例1で得られた培養日数とイ
タコン酸生成量との関係を示す図面である。
タコン酸生成量との関係を示す図面である。
【図2】実施例2で得られた培養時間と菌株量及びイタ
コン酸生成量との関係を示す図面である。
コン酸生成量との関係を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:66)
Claims (2)
- 【請求項1】 アスペルギルス テレウス(Asper
gillus terreus)に属し、イタコン酸生
産能を有し、40℃での最大比増殖速度(μ)が0.0
1h-1以上であり、かつ40℃以上でも生育可能な高温
耐性株を培養し、該培地中にイタコン酸を生成、蓄積せ
しめることを特徴とするイタコン酸の製造法。 - 【請求項2】 アスペルギルス テレウス(Asper
gillus terreus)に属し、イタコン酸生
産能を有し、40℃での最大比増殖速度(μ)が0.0
1h-1以上であり、かつ40℃以上でも生育可能な高温
耐性株。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19690692A JPH0638774A (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | イタコン酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19690692A JPH0638774A (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | イタコン酸の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0638774A true JPH0638774A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=16365620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19690692A Pending JPH0638774A (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | イタコン酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0638774A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101428508B1 (ko) * | 2012-11-23 | 2014-08-12 | 한국생산기술연구원 | 아스퍼질러스 테리우스 및 이를 이용한 이타콘산의 제조 방법 |
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1992
- 1992-07-23 JP JP19690692A patent/JPH0638774A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101428508B1 (ko) * | 2012-11-23 | 2014-08-12 | 한국생산기술연구원 | 아스퍼질러스 테리우스 및 이를 이용한 이타콘산의 제조 방법 |
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