JPH06303050A - 電流出力回路 - Google Patents

電流出力回路

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JPH06303050A
JPH06303050A JP5083185A JP8318593A JPH06303050A JP H06303050 A JPH06303050 A JP H06303050A JP 5083185 A JP5083185 A JP 5083185A JP 8318593 A JP8318593 A JP 8318593A JP H06303050 A JPH06303050 A JP H06303050A
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JP
Japan
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transistor
current
collector
base
output
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JP5083185A
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English (en)
Inventor
Eiji Shinozaki
英二 篠▲崎▼
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】整定時間を短くするために、時定数素子への充
放電電流を定常時より倍増させる回路を提供する。 【構成】トランジスタQ13およびQ15ならびに抵抗
R11およびR13によって構成されるカレントミラー
回路の出力側に、トランジスタQA11を追加しトラン
ジスタQ13の電流が一定値以下の場合はトランジスタ
QA11がオフし、一定値以上になった場合トランジス
タQA11がオンして、トランジスタQ15の電流に加
算する。この構成で状態変化時の整定時間を短くでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電流出力回路に関し、
特に、帰還回路のループ中に存在する電流出力回路で、
定常状態時は出力電流が小さく、過渡状態時には電流を
増倍させて、帰還回路のループを素早く定常状態に引き
込む機能を持つ電流出力回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種のオフセットキャンセル回路
に用いられる帰還ループやPLLにおいて、そのループ
内に一定の時定数を持たせる場合、図3に示すような電
流出力回路を用いる。
【0003】図3を参照して従来の電流出力回路につい
て説明する。
【0004】まず、二つの信号入力INAおよびINB
を持った信号処理系Aは、誤差出力EOX,EOYと帰
還ループのための入力LINを持っている。信号処理系
Aの入力LINの電位が高くなると、誤差出力EOXの
電位が高くなり誤差出力EOYの電位が低くなるように
動作し、また、信号処理系Aの入力LINの電位が低く
なると、誤差出力EOXの電位が低くなり誤差出力EO
Yの電位が高くなるように動作する。ここでは、信号処
理系Aの信号出力は、省略している。
【0005】NPNタイプのトランジスタQ11および
Q12は、エミッタ接地の差動増幅器D11を構成して
おり、そのエミッタの共通接続点と接地端子GNDの間
には、定電流源I11が接続されている。トランジスタ
Q11およびQ12のそれぞれのベースは、誤差出力E
OX,EOYに接続されている。差動増幅器D11の一
方の出力であるトランジスタQ11のコレクタは、PN
PタイプであるトランジスタQ13のコレクタとベース
の共通接続点に接続され、差動増幅器D11の他方の出
力であるトランジスタQ12のコレクタは、PNPタイ
プであるトランジスタQ14のコレクタとベースの共通
接続点に接続されている。
【0006】PNPタイプであるトランジスタQ13お
よびQ15ならびに抵抗R11およびR13によって第
1のカレントミラー回路が構成され、PNPタイプであ
るトランジスタQ14およびQ16ならびに抵抗R12
およびR14によって、第2のカレントミラー回路が構
成されている。トランジスタQ15からの第1のカレン
トミラー回路の電流出力は、NPNタイプであるトラン
ジスタQ17およびQ18で構成される第3のカレント
ミラー回路の入力であるトランジスタQ17のコレクタ
電極とベース電極の共通接続点に入力される。この第3
のカレントミラー回路の出力であるトランジスタQ18
のコレクタ電極と第2のカレントミラー回路の出力であ
るトランジスタQ16のコレクタ電極とが接続されてお
り、その接続点と接地端子GNDとの間に容量C11が
接続されている。また、その接続点は、信号処理系Aの
入力LINにも接続されている。ここで、前述の第1〜
第3のカレントミラー回路のミラー比は、1対1に設定
される。
【0007】次に、この従来の電流出力回路の動作につ
いて説明する。
【0008】通常の定常状態では電位差の生じていない
信号処理系Aの誤差出力EOX,EOYに、何らかの原
因で電位差が生じたとする。この電位差は、誤差出力E
OXがEOYより高い電位とし、温度変化によるドリフ
トのように徐々に差が生じたものとする。すると、差動
増幅器D11の状態がアンバランスになり、バランス時
には1対1に分配されていた定電流源I11の電流i1
1はトランジスタQ11のコレクタ電流が多くなるよう
に分配され、トランジスタQ12のコレクタ電流が少な
くなるように分配される。これらの電流は、各カレント
ミラー回路によって反転され、トランジスタQ16のコ
レクタ電極とトランジスタQ18のコレクタ電極との接
続点に各々達する。この場合、トランジスタQ18のコ
レクタ電流がトランジスタQ16のコレクタ電流より大
きいため、足りない電流は容量C11から供給されるこ
とになる。すると、容量C11に蓄積されている電荷が
少なくなり、容量C11の両端の電位差が小さくなっ
て、信号処理系Aの入力LINの電位が下がる。上述の
ように、入力LINの電位が下がると、誤差出力EOX
の電位は下がり誤差出力EOYの電位は上がるように動
作するから、誤差出力EOX,EOYの電位差がなくな
りバランスを回復する。
【0009】逆に、誤差出力EOYがEOXより高い電
位の場合は、トランジスタQ16のコレクタ電流がトラ
ンジスタQ18のコレクタ電流より大きくなり、余った
電流を容量C11に流し込む。すると、容量C11の蓄
積電荷が多くなり、両端の電位差が大きくなって信号処
理系Aの入力LINの電位が高くなる。したがって、入
力LINの電位が上がると、誤差出力EOXの電位は上
がり誤差出力EOYの電位は下がるように動作するか
ら、誤差出力EOX,EOYの電位差がなくなりバラン
スを回復する。
【0010】誤差出力EOX,EOYの電位が等しい場
合、差動増幅器D11はバランスし、定電流源I11の
電流i11は、トランジスタQ11およびQ12のそれ
ぞれのコレクタ電流が等しくなるように分配される。よ
って、トランジスタQ16とQ18のコレクタ電流が等
しくなり、容量C11に電流が流れ込んだり、容量C1
1から電流が流れ出したりはしない。
【0011】また、トランジスタQ16とQ18のコレ
クタ電流の値は、定電流源I11の電流i11の半分と
なる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】状態の変化が徐々に生
ずる場合における動作は、従来技術の項で述べた通りで
ある。しかしながら、信号処理系Aの信号入力をINA
からINBに切り換える等の過渡状態の時は、誤差出力
EOX,EOYの電位差が非常に大きくなり、差動増幅
器D11の作動許容入力電位差を越えると、定電流源I
11の電流は、差動増幅器D11を構成しているトラン
ジスタQ11またはQ12のどちらか一方だけ流れるよ
うになる。今この電位差は、誤差出力EOXがEOYよ
り高いとすると、トランジスタQ11に定電流源I11
の電流i11が全て流れる。
【0013】したがって、前述の通り、トランジスタQ
16のコレクタからは電流は全く出力されず、トランジ
スタQ18のコレクタには定電流源I11と同じ大きさ
の電流が、全て容量C11から供給される。よって、容
量C11の両端の電位差の変化の速さは、以下の式で表
される。
【0014】dV/dt=−i11/c11…(1) ここでは、i11は定電流源I11の電流値、c11は
容量C11の容量値を表すとする。
【0015】この値が、入力LINの変化の速さの最大
値となる。つまり、この帰還系の過渡状態からの整定時
間tは、この値によって制限されることになる。
【0016】この整定時間tを短くするためには、前記
電位差の変化応答の速さを速くすれば良い。このために
は、(1)式から分かるように、定電流源I11の電流
値i11を大きくするか、容量C11の容量値c11を
小さくすれば良いが、二つの値ともこの系の時定数を決
定しているため、変更はできない。また例えば、容量C
11への充電電流を増やすために、定電流源I11の電
流値を増やしたり、トランジスタQ13およびQ15な
らびにトランジスタQ14およびQ16によるカレント
ミラー回路のミラー比を変えてトランジスタQ16とQ
18の各々のコレクタ電流からの出力電流を増やすと、
定常状態での消費電流が増加してしまう、という欠点が
あった。
【0017】したがって、本発明の目的は、定常状態で
の系の時定数を変更せず、定常状態の出力電流を増さな
い整定時間の短い電流出力回路を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の電流出力回路
は、差動入力信号をそれぞれの入力に受ける第1および
第2のトランジスタから成る差動増幅器と、前記第1の
トランジスタの信号出力端にその入力端を接続する第1
のカレントミラー回路と、前記第2のトランジスタの信
号出力端にその入力端を接続する第2のカレントミラー
回路と、前記第1のカレントミラー回路の出力端をその
入力端に接続し前記第2のカレントミラー回路の出力端
をその出力端に接続する第3のカレントミラー回路とか
ら成り前記第3のカレントミラー回路の出力端を出力端
子に接続してこの出力端子から出力電流を出力する電流
出力回路において、前記第1および前記第2のカレント
ミラー回路のそれぞれの出力過渡電流を制御して前記第
3のカレントミラー回路の出力電流を制御する過渡電流
制御回路を有する構成である。
【0019】また、本発明の電流出力回路は、前記第1
のカレントミラー回路は、前記第1のカレントミラー回
路の入力端にそのベースとコレクタとを接続し第1の抵
抗を介して第1の電源端子にそのエミッタを接続する第
3のバイポーラトランジスタと、前記第3のトランジス
タのベースおよびコレクタにそのベースを接続し第3の
抵抗を介して前記第1の電源端子にそのエミッタを接続
し前記第1のカレントミラー回路の出力端にそのコレク
タを接続する第5のバイポーラトランジスタとから成
り、前記過渡電流制御回路は、前記第5のトランジスタ
のベースと前記第1の電源端子との電位差が一定の値よ
り小さい場合には実質的にオフし前記第5のトランジス
タのベースと前記第1の電源端子の電位差が一定の値よ
り大きい場合には実質的にオンする構成であり、前記第
1のカレントミラー回路の出力電流を前記第5のトラン
ジスタのコレクタ電流と前記過渡電流制御回路の回路電
流との和とする構成とすることもできる。
【0020】さらに、本発明の電流出力回路は、前記過
渡電流制御回路は、前記第5のトランジスタのエミッタ
と前記第3の抵抗との接続点にそのベースを接続し前記
第1の電源端子にそのエミッタを接続し前記第5のトラ
ンジスタのコレクタにそのコレクタを接続する第9のバ
イポーラトランジスタで構成することもできる。
【0021】また、本発明の電流出力回路は、前記第2
のカレントミラー回路は、前記第2のカレントミラー回
路の入力端にそのベースとコレクタとを接続し第2の抵
抗を介して第1の電源端子にそのエミッタを接続する第
4のバイポーラトランジスタと、前記第4のトランジス
タのベースおよびコレクタにそのベースを接続し第4の
抵抗を介して前記第1の電源端子にそのエミッタを接続
し前記第2のカレントミラー回路の出力端にそのコレク
タを接続する第6のバイポーラトランジスタとから成
り、前記過渡電流制御回路は、前記第6のトランジスタ
のベースと前記第1の電源端子との電位差が一定の値よ
り小さい場合には実質的にオフし前記第6のトランジス
タのベースと前記第1の電源端子との電位差が一定の値
より大きい場合には実質的にオンする構成であり、前記
第2のカレントミラー回路の出力電流を前記第6のトラ
ンジスタのコレクタ電流と前記過渡電流制御回路の回路
電流との和とする構成とすることもできる。
【0022】またさらに、本発明の電流出力回路は、前
記過渡電流制御回路は、前記第6のトランジスタのエミ
ッタと前記第4の抵抗との接続点にそのベースを接続し
前記第1の電源端子にそのエミッタを接続し前記第6の
トランジスタのコレクタにそのコレクタを接続する第1
0のバイポーラトランジスタで構成することもできる。
【0023】さらに、本発明の電流出力回路は、前記第
1のカレントミラー回路は、前記1のカレントミラー回
路の入力端にそのベースとコレクタとを接続し第1の抵
抗を介して第1の電源端子にそのエミッタを接続する第
3のバイポーラトランジスタと、前記第3のトランジス
タのベースおよびコレクタにそのベースを接続し第3の
抵抗を介して前記第1の電源端子にそのエミッタを接続
し前記第1のカレントミラー回路の出力端にそのコレク
タを接続する第5のバイポーラトランジスタとから成
り、前記過渡電流制御回路は、前記第5のトランジスタ
のベースと前記第1の電源端子との電位差が一定の値よ
り小さい場合にはそれぞれ実質的にオフし前記第5のト
ランジスタのベースと前記第1の電源端子との電位差が
一定の値より大きい場合にはそれぞれ実質的にオンする
第11および第13のバイポーラトランジスタとを有
し、前記第11のトランジスタは、前記第5のトランジ
スタのエミッタと前記第3の抵抗との接続点にそのベー
スを接続し前記第1の電源端子にそのエミッタを接続す
る構成とし、前記第13のトランジスタは、前記第11
のトランジスタのコレクタにそのベースを接続し前記第
1の電源端子にそのコレクタを接続し前記第5のトラン
ジスタのコレクタにそのエミッタを接続する構成とし
て、前記第1のカレントミラー回路の出力電流を前記第
5のトランジスタのコレクタ電流および前記第13のト
ランジスタのエミッタ電流の和とする構成とすることも
できる。
【0024】さらに、本発明の電流出力回路は、前記第
2のカレントミラー回路は、前記第2のカレントミラー
回路の入力端にそのベースとコレクタとを接続し第2の
抵抗を介して第1の電源端子にそのエミッタを接続する
第4のバイポーラトランジスタと、前記第4のトランジ
スタのベースおよびコレクタにそのベースを接続し第4
の抵抗を介して前記第1の電源端子にそのエミッタを接
続し前記第2のカレントミラー回路の出力端にそのコレ
クタを接続する第6のバイポーラトランジスタとから成
り、前記過渡電流制御回路は、前記第6のトランジスタ
のベースと前記第1の電源端子との電位差が一定の値よ
り小さい場合にはそれぞれ実質的にオフし前記第6のト
ランジスタのベースと前記第1の電源端子との電位差が
一定の値より大きい場合にはそれぞれ実質的にオンする
第12および第14のバイポーラトランジスタとを有
し、前記第12のトランジスタは、前記第6のトランジ
スタのエミッタと前記第4の抵抗との接続点にそのベー
スを接続し前記第1の電源端子にそのエミッタを接続す
る構成とし、前記第14のトランジスタは、前記第12
のトランジスタのコレクタにそのベースを接続し前記第
1の電源端子にそのコレクタを接続し前記第6のトラン
ジスタのコレクタにそのエミッタを接続する構成とし
て、前記第2のカレントミラー回路の出力電流を前記第
6のトラジスタのコレクタ電流および前記14のトラン
ジスタのエミッタ電流の和とする構成とすることもでき
る。
【0025】さらに、本発明の出力電流回路は、前記出
力端子に、抵抗およびリアクタンス素子によって構成さ
れる時定数を決定するための回路が接続されている構成
とすることもできる。
【0026】
【実施例】本発明の第1の実施例の電流出力回路の回路
図を示す図1を参照すると、本発明の第1の実施例の電
流出力回路は、従来技術の電流出力回路にPNPタイプ
のトランジスタQA11とQA12とで構成される過渡
電流制御回路1を付加する以外は、従来技術の電流出力
回路と同じ構成であり、同一構成要素には同一参照符号
が付してある。
【0027】このPNPタイプであるトランジスタQA
11は、エミッタ電極を電源端子VCCに、ベース電極
をトランジスタQ15のエミッタ電極と抵抗R13の接
続点に、コレクタ電極をトランジスタQ15のコレクタ
電極に接続する構成である。また、PNPタイプである
QA12も同様に、エミッタ電極を電源端子VCCに、
ベース電極をトランジスタQ16と抵抗R14の接続点
に、コレクタ電極をトランジスタQ16のコレクタ電極
に接続する。
【0028】ここで、定電流源I11,抵抗R11とR
12,抵抗R13とR14の値は、次のようになるよう
に設計されている。
【0029】すなわち、差動増幅器D11の二つの入力
間に電位差が生じ定電流源I11の電流の2/3〜3/
4以上(以降の説明では、2/3以上として説明する)
が抵抗R11またはR12に流れたとき、抵抗R13ま
たはR14での電圧降下が、トランジスタQA11また
はQA12がオンするベース・エミッタ間電圧(一般に
約0.7V)以上になるように設計される。
【0030】次に、本発明の第1の実施例の電流出力回
路の動作について説明する。
【0031】まず、信号処理系Aの誤差出力EOXとE
OYの電位差が小さく、差動増幅器D11の出力電流、
つまり、トランジスタQ11またはQ12のコレクタ電
流がどちらも定電流源I11の2/3未満の電流しか流
していないときは、この実施例の電流出力回路は、トラ
ンジスタQA11とQA12とはオンせず、従来技術の
電流出力回路と同様な動作をするので詳細な説明は省略
する。
【0032】次に、信号処理系Aの誤差出力EOXとE
OYの電位差が大きく、差動増幅器D11の出力電流、
つまり、トランジスタQ11またはQ12のコレクタ電
流のどちらかが定電流源I11の2/3以上の電流を流
しているときの動作について説明する。上記説明と同様
に、誤差出力のEOXの電位がEOYの電位より高いと
する。
【0033】この場合、定電流源I11の電流の2/3
以上が、差動増幅器D11のトランジスタQ11のコレ
クタ電流となっている。この電流は、トランジスタQ1
3のコレクタ電流となり抵抗R11に流れる電流となる
ため、抵抗R11には定電流源I11の2/3以上の電
流が流れている。前述の回路構成で述べたように、抵抗
R11に定電流源I11の2/3以上の電流が流れる
と、抵抗R13での電圧降下が、トランジスタQA11
がオンするベース・エミッタ間電圧を越える。
【0034】よって、トランジスタQA11がオンし、
電源VCCからトランジスタQA11を通って電流が、
第1のカレントミラー回路の出力電流であるトランジス
タQ15のコレクタ電流と加算される。この加算された
電流は、トランジスタQ17およびQ18で構成される
第3のカレントミラー回路で反転され、トランジスタQ
18のコレクタ電流となる。
【0035】一方、トランジスタQ12のコレクタ電流
は、定電流源I11の1/3以下で、この電流は、トン
ランジスタQ14のコレクタ電流となり抵抗R12を流
れる。抵抗R12には定電流源I11の2/3未満の電
流しか流れていないので、トランジスタQA12はオン
せず、第2のカレントミラー回路の出力電流は、トラン
ジスタQ16のコレクタからトランジスタQ12のコレ
クタ電流と同じ値の電流が出力される。
【0036】よって、トランジスタQ16のコレクタ電
流とトランジスタQ18のコレクタ電流の差は、定電流
源I11の電流値の1/3以上にトランジスタQA11
のコレクタ電流を加えた値になる。その電流で容量C1
1の電荷を放電し、容量C11の両端の電位差を小さく
する。
【0037】このときの容量C11両端の電位差の変化
の応答の速さは、以下の式で表される。
【0038】 dV/dt=−(i11+iA11)/c11…(2) ここでは、i11は定電流源I11の電流値、iA11
はトランジスタQA11のコレクタ電流、c11は容量
C11の容量値を表すとする。
【0039】トランジスタQA11のコレクタ電流iA
11は、電流i11の10倍程度になるように容易に設
計できる。
【0040】したがって、容量C11の両端の電位差の
変化の速さは、10倍以上になる。また、この間、消費
電流は、トランジスタQA11のコレクタ電流iA11
の分だけ大きくなる。
【0041】この後、帰還により誤差出力EOX,EO
Yの電位差が小さくなって、トランジスタQ11のコレ
クタ電流、トランジスタQ12のコレクタ電流ともに定
電流源I11の2/3以下になると、トランジスタQA
11はオフしトランジスタQA11の電流の加算は行わ
れなくなり、消費電流は、定常状態と等しくなる。
【0042】なお、差動増幅器D11の二つの入力間に
電位差が生じ定電流源I11の電流の2/3〜3/4以
上が抵抗R11またはR12に流れたとき、抵抗R13
またはR14での電圧降下が、トランジスタがオンする
ベース・エミッタ間電圧(一般に約0.7V)以上にな
るように設計すると述べたが、この電流の配分比は設計
事項であり、1/2を越え1未満であればどのような配
分比であってもかまわない。
【0043】次に、本発明の第2の実施例の電流出力回
路を説明する。
【0044】図3を参照すると、この第2の実施例の出
力電流回路は、第1の実施例における過渡電流制御回路
1の構成要素トランジスタQA11およびQA12をそ
れぞれダーリントン接続するPNPタイプであるトラン
ジスタQA21とNPNタイプであるトランジスタQA
23およびPNPタイプであるトランジスタQA22と
NPNタイプであるトランジスタQA24に置き代えて
構成する過渡電流制御回路2以外は本発明の第1の実施
例の出力電流回路と同じ構成で、同一の構成要素には同
一参照符号が付してある。
【0045】この第2の実施例の電流出力回路の基本的
な動作は、第1の実施例の電流出力回路と同様である
が、第1の実施例におけるトランジスタQA11および
QA12をそれぞれダーリントン接続にしたため、加算
される電流がより大きくなり、容量C11の両端の電位
差の変化の応答が、さらに速くなる。
【0046】本発明の電流出力回路では、トランジスタ
Q13およびQ15ならびにトランジスタQ14および
Q16による第1および第2のカレントミラー回路に、
入力電流が一定以上になるとカレントミラー比とは無関
係に出力電流を増加させる過渡電流制御回路を付加し、
容量C11の両端の電位差の変化の応答を速くする事
で、定常状態での系の時定数と消費電流を変更せずに、
過渡状態での整定時間tを短くできる。
【0047】具体的には、カレントミラー回路の出力側
にある抵抗R13およびR14に並列にトランジスタの
ベース・エミッタ間を接続し、抵抗R13またはR14
に流れる電流値が一定以上になり、その抵抗での電圧降
下が付加したトランジスタがオンするベース・エミッタ
間電圧を越えると、付加したトランジスタがオンし、こ
の電流が各々のカレントミラー回路の出力電流に加算さ
れて、電流が倍増される。
【0048】第1の実施例および第2の実施例共にトラ
ンジスタのタイプは、NPNタイプのトランジスタとP
NPタイプのトランジスタを逆にしても全く支障がな
い。
【0049】また、本発明の実施例をバイポーラトラン
ジスタを用いて説明したが、NPNタイプのトランジス
タの代わりNchタイプのMOSトランジスタを、PN
Pタイプのトランジスタの代わりにPchタイプのMO
Sトランジスタを用いても同様の効果が得られることは
当業者なら容易に想到し得る。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電流出力
回路を用いれば、各種のオフセットキャンセル回路に用
いられる帰還ループやPLLにおいて、そのループ内に
時定数を持たせる場合に、温度変化によるドリフトのよ
うに徐々に差が生じた場合には、ループ内の時定数を変
化させることなくかつ低消費電流で差を修正できること
に加えて、モード切り換えや入力切り換え等のように瞬
時に大きく差が生じた場合にも、素早く応答し、差を修
正できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の電流増倍回路の回路図
である。
【図2】本発明の第2の実施例の増倍回路の回路図であ
る。
【図3】従来例の電流倍増回路の回路図である。
【符号の説明】
1,2 過渡電流制御回路 A 信号処理系 INA,INB 信号処理系の信号入力端子 EOX,EOY 信号処理系の誤差出力端子 LIN 信号処理系の帰還入力端子 VCC 電源端子 GND 接地端子 D11 差動増幅器 I11 定電流源 i11,iA11 過渡電流値 C11 容量 c11 容量値 R11,R12,R13,R14 抵抗 Q11,Q12,Q13,Q14,Q15,Q16,Q
17,Q18,QA11,QA12,QA21,QA2
2,QA23,QA24 トランジスタ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 差動入力信号をそれぞれの入力に受ける
    第1および第2のトランジスタから成る差動増幅器と、
    前記第1のトランジスタの信号出力端にその入力端を接
    続する第1のカレントミラー回路と、前記第2のトラン
    ジスタの信号出力端にその入力端を接続する第2のカレ
    ントミラー回路と、前記第1のカレントミラー回路の出
    力端をその入力端に接続し前記第2のカレントミラー回
    路の出力端をその出力端に接続する第3のカレントミラ
    ー回路とから成り前記第3のカレントミラー回路の出力
    端を出力端子に接続してこの出力端子から出力電流を出
    力する電流出力回路において、前記第1および前記第2
    のカレントミラー回路のそれぞれの出力過渡電流を制御
    して前記第3のカレントミラー回路の出力電流を制御す
    る過渡電流制御回路を有することを特徴とする電流出力
    回路。
  2. 【請求項2】 前記第1のカレントミラー回路は、前記
    第1のカレントミラー回路の入力端にそのベースとコレ
    クタとを接続し第1の抵抗を介して第1の電源端子にそ
    のエミッタを接続する第3のバイポーラトランジスタ
    と、前記第3のトランジスタのベースおよびコレクタに
    そのベースを接続し第3の抵抗を介して前記第1の電源
    端子にそのエミッタを接続し前記第1のカレントミラー
    回路の出力端にそのコレクタを接続する第5のバイポー
    ラトランジスタとから成り、前記過渡電流制御回路は、
    前記第5のトランジスタのベースと前記第1の電源端子
    との電位差が一定の値より小さい場合には実質的にオフ
    し前記第5のトランジスタのベースと前記第1の電源端
    子との電位差が一定の値より大きい場合には実質的にオ
    ンする構成であり、前記第1のカレントミラー回路の出
    力電流を前記第5のトラジスタのコレクタ電流と前記過
    渡電流制御回路の回路電流との和とする構成であること
    を特徴とする請求項1記載の電流出力回路。
  3. 【請求項3】 前記過渡電流制御回路は、前記第5のト
    ランジスタのエミッタと前記第3の抵抗との接続点にそ
    のベースを接続し前記第1の電源端子にそのエミッタを
    接続し前記第5のトランジスタのコレクタにそのコレク
    タを接続する第9のバイポーラトランジスタで構成する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の電流出力回
    路。
  4. 【請求項4】 前記第2のカレントミラー回路は、前記
    第2のカレントミラー回路の入力端にそのベースとコレ
    クタとを接続し第2の抵抗を介して第1の電源端子にそ
    のエミッタを接続する第4のバイポーラトランジスタ
    と、前記第4のトランジスタのベースおよびコレクタに
    そのベースを接続し第4の抵抗を介して前記第1の電源
    端子にそのエミッタを接続し前記第2のカレントミラー
    回路の出力端にそのコレクタを接続する第6のバイポー
    ラトランジスタとから成り、前記過渡電流制御回路は、
    前記第6のトランジスタのベースと前記第1の電源端子
    との電位差が一定の値より小さい場合には実質的にオフ
    し前記第6のトランジスタのベースと前記第1の電源端
    子との電位差が一定の値より大きい場合には実質的にオ
    ンする構成であり、前記第2のカレントミラー回路の出
    力電流を前記第6のトランジスタのコレクタ電流と前記
    過渡電流制御回路の回路電流との和とする構成であるこ
    とを特徴とする請求項1,2または3記載の電流出力回
    路。
  5. 【請求項5】 前記過渡電流制御回路は、前記第6のト
    ランジスタのエミッタと前記第4の抵抗との接続点にそ
    のベースを接続し前記第1の電源端子にそのエミッタを
    接続し前記第6のトランジスタのコレクタにそのコレク
    タを接続する第10のバイポーラトランジスタで構成す
    ることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の電
    流出力回路。
  6. 【請求項6】 前記第1のカレントミラー回路は、前記
    第1のカレントミラー回路の入力端にそのベースとコレ
    クタとを接続し第1の抵抗を介して第1の電源端子にそ
    のエミッタを接続する第3のバイポーラトランジスタ
    と、前記第3のトランジスタのベースおよびコレクタに
    そのベースを接続し第3の抵抗を介して前記第1の電源
    端子にそのエミッタを接続し前記第1のカレントミラー
    回路の出力端にそのコレクタを接続する第5のバイポー
    ラトランジスタとから成り、前記過渡電流制御回路は、
    前記第5のトランジスタのベースと前記第1の電源端子
    との電位差が一定の値より小さい場合にはそれぞれ実質
    的にオフし前記第5のトランジスタのベースと前記第1
    の電源端子との電位差が一定の値より大きい場合にはそ
    れぞれ実質的にオンする第11および第13のバイポー
    ラトランジスタとを有し、前記第11のトランジスタ
    は、前記第5のトランジスタのエミッタと前記第3の抵
    抗との接続点にそのベースを接続し前記第1の電源端子
    にそのエミッタを接続する構成とし、前記第13のトラ
    ンジスタは、前記第11のトランジスタのコレクタにそ
    のベースを接続し前記第1の電源端子にそのコレクタを
    接続し前記第5のトランジスタのコレクタにそのエミッ
    タを接続する構成として、前記第1のカレントミラー回
    路の出力電流を前記第5のトランジスタのコレクタ電流
    および前記第13のトランジスタのエミッタ電流の和と
    する構成であることを特徴とする請求項1,4または5
    記載の電流出力回路。
  7. 【請求項7】 前記第2のカレントミラー回路は、前記
    第2のカレントミラー回路の入力端にそのベースとコレ
    クタとを接続し第2の抵抗を介して第1の電源端子にそ
    のエミッタを接続する第4のバイポーラトランジスタ
    と、前記第4のトランジスタのベースおよびコレクタに
    そのベースを接続し第4の抵抗を介して前記第1の電源
    端子にそのエミッタを接続し前記第2のカレントミラー
    回路の出力端にそのコレクタを接続する第6のバイポー
    ラトランジスタとから成り、前記過渡電流制御回路は、
    前記第6のトランジスタのベースと前記第1の電源端子
    との電位差が一定の値より小さい場合にはそれぞれ実質
    的にオフし前記第6のトランジスタのベースと前記第1
    の電源端子との電位差が一定の値より大きい場合にはそ
    れぞれ実質的にオンする第12および第14のバイポー
    ラトランジスタとを有し、前記第12のトランジスタ
    は、前記第6のトランジスタのエミッタと前記第4の抵
    抗との接続点にそのベースを接続し前記第1の電源端子
    にそのエミッタを接続する構成とし、前記第14のトラ
    ンジスタは、前記第12のトランジスタのコレクタにそ
    のベースを接続し前記第1の電源端子にそのコレクタを
    接続し前記第6のトランジスタのコレクタにそのエミッ
    タを接続する構成として、前記第2のカレントミラー回
    路の出力電流を前記第6のトランジスタのコレクタ電流
    および前記第14のトランジスタのエミッタ電流の和と
    する構成であることを特徴とする請求項1,2または3
    記載の電流出力回路。
  8. 【請求項8】 前記出力端子に、抵抗およびリアクタン
    ス素子によって構成される時定数を決定するための回路
    が接続されていることを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5,6または7記載の電流出力回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007306523A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Pioneer Electronic Corp Agc回路及び受信装置等

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6010935A (ja) * 1983-06-30 1985-01-21 Rohm Co Ltd Fmステレオ復調器
JPS6390213A (ja) * 1986-10-03 1988-04-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 自動モ−ド切換pll回路

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