JPH06302508A - 処理装置 - Google Patents

処理装置

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JPH06302508A
JPH06302508A JP11639093A JP11639093A JPH06302508A JP H06302508 A JPH06302508 A JP H06302508A JP 11639093 A JP11639093 A JP 11639093A JP 11639093 A JP11639093 A JP 11639093A JP H06302508 A JPH06302508 A JP H06302508A
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taper
sliding
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清久 立山
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被処理体の挟持および開放のために被処理体
の周方向に複数設けられている挟持部材に対して均一な
駆動力の伝達を可能にするとともに、構造も簡単なもの
とすることできる処理装置を提供することにある。 【構成】 本発明では、被処理体Wの裏面に供給される
気体の通路22に、この通路22を開閉するとともに、
気体の圧力が作用する方向に変位可能なテーパ部材26
を設け、このテーパ部材26の変位に連動して摺動する
摺動部材32を介して被処理体Wを挟持する位置および
開放する位置に揺動可能な揺動部材40を駆動する。従
って、テーパ部材26の変位のみで、これに当接してい
る全ての摺動部材32を均等に駆動することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体ウェハな
どの被処理体を回転しつつ処理する処理装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の処理装置として、被処理
体、例えば半導体ウェハを水平に保持して回転させ、半
導体ウェハの表面に、例えば洗浄液等の処理液を供給す
るとともに、例えば、ナイロンやモヘアなどにて形成さ
れるブラシを半導体ウェハの表面に押し当てて擦り表面
の粒子汚染物を除去する処理装置が知られている。
【0003】この種の処理装置において、半導体ウェハ
を保持しながら回転させる構造としては、一般に真空を
用いたチャック機構がある。また、半導体ウェハのパタ
ーン面(パターンが形成される面)を下向きにしてその
裏側(パターンが形成されない面)を洗浄する必要があ
る場合には、真空チャックの載置面によって半導体ウェ
ハのパターン面が損傷するのを防ぐ必要があるため、半
導体ウェハの外周面を3本以上の挟持爪で挟持するグリ
ップチャック方式が採用されている。このグリップチャ
ック方式の構造としては、例えば半導体ウェハなどの被
処理体の周方向に沿って外周縁近傍を3本以上の挟持爪
によって保持し被処理体の表面中央部には何ら接触する
ものを設けないようになっている。そして、このグリッ
プチャック方式の具体的な構造としては、例えば特公平
3−9607号公報に記載された構造がある。
【0004】ところで、上記公報記載の構造を含め、パ
ターン面を下向にした半導体ウエハに対し、グリップチ
ャック方式を用いた構造においては、反転された被処理
体の表面に供給される処理液が裏面(洗浄済みの面)に
侵入するのを防止する必要がある。そこで、従来では、
処理液侵入防止用の気体、例えばチッ素(N2 )ガスを
被処理体の裏面に供給して処理液が裏面に回り込むのを
阻止するようになっている。しかしながらこのような構
造においては、被処理体を回転させるための駆動軸内に
挟持のための爪を駆動する軸を貫通させるとともに上記
気体を供給するための通路を設けた二重軸構造となる。
しかも、被処理体の回転駆動軸と挟持部の駆動軸との間
に付勢手段を設けると共に、付勢手段に対向して設けら
れた挟持爪の解除手段により挟持爪の駆動軸を介して被
処理体を挟持あるいは開放する構造であるので構造が複
雑になる。さらに、2系統の駆動源が必要となり、装置
全体が大型になるという問題があった。
【0005】そこで、本発明者は、このような事情に鑑
み、駆動系を簡略化するための構造を考えた(例えば、
本願出願人による先願である特願平4−213732
号)。
【0006】すなわち、この構造は、処理液侵入防止用
気体の圧力を利用して、被処理体の保持を行えるように
したものであって、具体的には、処理液侵入防止用気体
の圧力によって進退可能なピストンを設け、そのピスト
ンの先端に被処理体を挟持および開放する方向に揺動可
能なアームを連結した構造である。従って、被処理体の
処理時に、処理液浸入用気体が供給されると、その圧力
によってピストンが押出され、ピストンの先端に連結さ
れた揺動アームが被処理体を挟持する方向に揺動する。
このような構造によれば被処理体を挟持および開放する
ための構造に対して特別な駆動系を設ける必要がない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、回転する部
材上で被処理体を保持する場合には、被処理体の中心位
置を整合させることが必要である。このため挟持した場
合の位置ずれ、いわゆる偏心を防止するには、少なくと
も被処理体の周方向で3ヵ所において挟持する必要があ
る。しかも、保持する場合のクランプ力を確保する意味
ではそれ以上の箇所で挟持することが好ましい。
【0008】しかしながら、被処理体の周方向で分離独
立した状態にピストンをそれぞれ配置した場合、単一の
N2 ガスの通路からの圧力を用いると、各ピストンに対
する駆動力が均等に伝達されない場合がある。すなわ
ち、ピストンの摺動部あるいは連結部において動作が円
滑に行われていない場合には、この箇所以外のピストン
に対して圧力が偏寄することになる。従って、被処理体
の周縁では、挟持に必要な揺動アームの移動量が不均一
となり、挟持あるいは開放が適正に行われなくなる。こ
のような連結アームの不均一な揺動は被処理体を保持す
ることに影響するばかりではなく、位置の割り出しにも
影響し、極端な場合には回転した場合に被処理体ががた
つき、破損する虞れもあるため、改善の余地もあった。
【0009】そこで本発明の目的は、上記した従来の処
理装置における問題に鑑み、被処理体に対する挟持およ
び開放位置への駆動力を均一に伝達することの出来る構
造を備え、かつその構造も簡単なものとすることのでき
る処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1記載の発明は、被処理体を回転部材上
に配置した状態で保持するとともに、被処理体の表面に
処理液を供給して処理する処理装置において、上記被処
理体の裏面に向け気体を供給する流路中に配置されて気
体の圧力が作用する方向に変位可能なテーパ部材と、上
記被処理体の周方向に沿って複数配置され、被処理体の
外周縁に近接して揺動可能に設けられている挟持部材
と、上記被処理体の径方向に摺動可能に案内支持され、
その一端が上記テーパ部材のテーパ面に当接し、その他
端が上記各挟持部材に連結された複数の摺動部材と、を
備え、上記気体により上記テーパ部材が変位するのに連
動して複数の上記摺動部材を摺動させることで上記揺動
部材を上記被処理体の挟持位置および開放位置にそれぞ
れ揺動させることを特徴とする。
【0011】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の処理装置において、上記テーパ部材は、上記気体の
通路の一部をなす開口に対面可能に設けられていて、上
記気体の圧力が作用しないときに上記開口を閉鎖する初
期態位を設定されていることを特徴とする。
【0012】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の処理装置において、上記回転部材は、上記気体が導
入されるための中空体をなす回転軸によって駆動され、
上記テーパ部材は、上記回転軸の気体吐出口と対向する
位置が透明部材にて気密にシールされ、上記回転軸の中
空部の延長線上の両端にそれぞれ被処理体検出用の発光
部及び受光部を配置したことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明では、被処理体の裏面に供給される気体
の通路に処理液侵入防止気体の圧力が作用する方向に変
位可能なテーパ部材が設けられている。そしてこのテー
パ部材には被処理体の外周面を挟持および開放する方向
に揺動可能な挟持部材と連結された摺動部材が当接して
いる。従って、テーパ部材が気体の圧力によって変位し
た場合、このテーパ部材に当接している摺動部材は、テ
ーパ部材の変位に連動して被処理体の径方向に摺動する
ことができる。このため、摺動部材に連結されている挟
持部材は、被処理体に対する挟持および開放のいずれか
の態位が選択される。このようなテーパ部材に対して摺
動部材がその一端を当接させることで、被処理体の周方
向に沿って複数摺動部材を設けた場合においても、テー
パ部材の変位に連動して全ての摺動部材を摺動させるこ
とができる。
【0014】また、本発明では、気体の圧力が作用する
方向に変位可能なテーパ部材は、気体の通路を開閉する
位置に設けられており、変位に応じて気体の通路を開閉
することができる。従って、一系統の気体の通路に気体
を供給することにより、自動的に、処理液侵入防止気体
の吐出動作と摺動部材の摺動動作とを行うことができ
る。
【0015】さらに、本発明では、テーパ部材の上部を
シールする部材が透明部材によって構成されている。し
かも、この透明部材は、回転部材を駆動するための中空
状回転軸の上部に位置している。従って、回転軸の中空
部と併せて被処理体の有無を検出するために用いられる
光学センサの光路を形成することができ、被処理体の有
無を検出するための特別な構造を必要としない。このた
め、回転部材の駆動時期を設定するための構造を簡略化
することができる。
【0016】
【実施例】以下、図面に示した実施例による本発明の詳
細を説明する。
【0017】図1は、本発明による処理装置として、洗
浄装置を対象とした場合の要部構成を示す斜視図であ
る。
【0018】図1において、洗浄装置は、被処理体であ
る半導体ウエハWを水平状態に保持する回転保持手段
(回転部材)をなすスピンチャック10と、このスピン
チャック10により保持される半導体ウエハWの表面に
処理液、この場合には高圧の洗浄液を供給して洗浄する
ためのジェットノズル50と、洗浄液を用いて半導体ウ
エハW表面に付着している粒子付着物を擦って除去する
ディスクブラシ60とを備えている。
【0019】ジェットノズル50は、図1において符号
XおよびZで示す方向に移動可能であり、また、ディス
クブラシ60は、符号Zおよびθで示す方向に移動可能
なアームにより回転自在に支持されている。従って、ス
ピンチャック10上に配置された半導体ウエハWは、ジ
ェットノズル50からの洗浄液の供給を受けて洗浄され
るとともに、ディスクブラシ60の移動および回転によ
って、表面に付着している粒子付着物を掻き取られる。
なお、図2は、図4において符号B−Bで示す方向の断
面図を示している。
【0020】一方、スピンチャック10は、その詳細が
図2以降の図面に示されている。
【0021】すなわち、スピンチャック10は、基盤を
なす回転盤12を備えていて、図示しないモータ等の駆
動源によって回転駆動される中空状の回転軸14により
回転(自転)自在に設けられている。この回転盤12と
回転軸14とは、後述する伝達ロッドのガイド部16に
固定されている支持板18を介して固定されている。ま
た、回転軸14は、中空部がN2 ガス等の気体の通路と
されている。このN2ガスは、図示しない供給源に接続
されたパイプ等を介して回転軸14の中空部に向け導入
され、後述する供給通路を介して半導体ウエハWの裏面
に向け吐出される。また、回転盤12の中央部分と半導
体ウエハWとの間には透明な導風板12Aが設けられて
いて、半導体ウエハWの下面に直接N2 ガスが衝突する
ことなく半導体ウエハWの外周部に向け流れるようにさ
れている。従って、半導体ウエハWは、裏面に直接、N
2 ガスが当ることがないので、半導体ウエハWのパター
ン形成面へのダメージ発生の防止や、N2 ガスに含まれ
るパーティクルに対するマージンの向上、すなわち半導
体ウエハWへのパーティクル付着の減少を図ることがで
きる。
【0022】そして、回転軸14の上端部分に固定され
たボス部14Aには、上記供給通路を形成した部材が配
置されている。すなわち、ボス部14Aの上面には、円
筒状の支持コア20が取り付けられていて、この内周面
の下端部より所定の高さのところに供給通路22の複数
個、例えば6個の開口20Aが形成されている。供給通
路22は、支持コア20の上面に載置固定されて回転盤
12の下面中央で回転盤12と対向して配置された透明
基板24の周辺部分に形成された6個の開口部24Aと
の間に延長され連通している。上記透明基板24は、ス
ピンチャック10上で半導体ウエハWの存在を検出する
ために用いられる光路の一部を構成するものであって、
例えば、塩化ビニールによって形成されている。なお、
上記導風板12Aと透明基板24との中間の、回転盤1
2の中央部分には、開口12Bを有するガス吐出板12
Cが設けられている。
【0023】一方、支持コア20の内部には内周面に沿
って、単一のテーパ部材26が昇降可能に配置されてい
る。なお、このテーパ部材26は、同一タイミングで同
一動作をするものであれば、2個以上設けてもよい。
【0024】すなわち、テーパ部材26は、半導体ウエ
ハWの外周縁を挟持あるいは開放する際の駆動部として
用いられるものである。このため、テーパ部材26は、
回転軸14の上端部のN2 ガス吐出口の近傍に配置され
ていて、N2 ガスの圧力が作用したときの摺動時の摺動
抵抗が小さい材質によって成形されている。本実施例の
場合、テーパ部材26の成形用材料として、例えば、フ
ッ素系樹脂やデルリン(商品名)等のポリアセタール樹
脂が選択される。
【0025】そして、テーパ部材26は、図3に示すよ
うに、支持コア20の内周面に嵌合される円筒状の摺動
部26Aとこの摺動部26Aの上部に形成された中空状
のテーパ面26Bとを備えている。テーパ面26Bの頂
部は開口されて内部に透明基板28(図2参照)が固定
され、また、摺動部26Aとテーパ面26Bとの境界に
は防塵およびシールのためのOリング等のシールリング
26Cが配置されている。
【0026】従って、テーパ部材26は、頂部が透明基
板28によって塞がれていることにより下面のみを開口
した閉断面を構成しており、回転軸14からのN2 ガス
の供給および供給停止に応じて回転軸14の軸方向に沿
って昇降することができる。なお、テーパ部材26の上
昇位置は、テーパ部材26の摺動部26A上面が支持コ
ア20の内周面に形成された内向き突起に係止されるこ
とで規制される。
【0027】また、テーパ部材26は、回転軸14から
のN2 ガスの圧力が作用しない状態が初期状態とされ、
この状態の時には支持コア20の内周面に形成されてい
る開口20Aに対向することができる。従って、テーパ
部材26は、昇降することによって、半導体ウエハ裏面
へのN2 ガスの供給通路22の開口20Aを開閉するこ
とができる。
【0028】なお、上記透明基板28は、前述した透明
基板24と同様に塩化ビニールによって形成され、透明
基板24とともに、スピンチャック10の上方に配置さ
れている光源30およびこれと対向する位置に配置され
ている受光素子(図示されず)とによる光路を形成する
ための窓部である。そして、この光路は、半導体ウエハ
Wの存否を検出するために用いられる。
【0029】一方、支持コア20におけるテーパ部材2
6のテーパ面26Bに対向する位置には、摺動部材32
が設けられている。
【0030】すなわち、摺動部材32は、半導体ウエハ
Wの周方向での複数位置であってN2 ガスの供給通路2
2と干渉しない位置にてウエハWの径方向に沿って配置
されている。本実施例では、図4に示すように、周方向
で6等分された位置に半導体ウエハWの外周縁を保持す
る箇所が設定され、そのうちの3箇所が上記摺動部材3
2が設けられる位置とされ、そして残りの3箇所は、固
定された保持部42とされている。なお、この摺動部材
32の個数としては、例えば、上記保持箇所が6箇所の
場合でいうと、少なくとも保持部42が3箇所に配置さ
れていれば半導体ウエハWの中心位置の割出しが可能で
あるので、この箇所数に合せて残りの数を相当させれば
よいが、3箇所で半導体ウエハWを挟持するための圧力
が不足するような場合には3箇所以上とすることも可能
である。
【0031】そして、摺動部材32は、半導体ウエハW
の径方向に沿って延長されたロッド部材で構成されてい
て、延長方向の一端がテーパ部材26のテーパ面26B
に当接し、そして、延長方向他端に伝達ロッド34が連
結されている。本実施例では、テーパ部材26の外表面
に当接する摺動部材32の端部が、図5に示すように、
平面視形状がU字状に形成されている。そして、この端
部は、テーパ面26Bの外表面でテーパ部材26の軸方
向に沿って形成された溝26Dに嵌合しており、テーパ
部材26の周方向での動きを規制されている。従って、
摺動部材32は、テーパ部材26の軸方向に沿ってのみ
移動することができるので、テーパ部材26から外れる
ことがない。なお、溝26Dは、一本の溝として、摺動
部材32の端部をこの溝に嵌合するように一本の凸部分
を形成するようにしてもよい。さらに、この溝26Dを
設けずにテーパ部材26のテーパ面26Bの円曲した表
面に、摺動部材32のU字状に形成された端部を当接さ
せるように構成してもよい。
【0032】一方、伝達ロッド34は、テーパ部材26
の昇降動作に連動する摺動部材32の動作を後述する揺
動アーム40に伝達するためのものである。このため、
伝達ロッド34には、延長方向一端側で摺動部材32と
連結される位置にネジ34Aが形成され、このネジ34
Aには係止駒36が装着されている。係止駒36は、後
述する揺動アーム40と伝達ロッド34の延長方向他端
側との連結位置を基準とした場合に摺動部材32に対す
る伝達ロッド34の連結位置を調整するために用いられ
る。また、伝達ロッド34は、その延長方向途中を回転
盤12の下面に固定されたガイド部16によって案内さ
れる。
【0033】さらに、係止駒36とガイド部16との間
にはリターンバネ38が配置されている。このため、摺
動部材32は、テーパ部材26のテーパ面26Bに圧接
する習性が与えられている。従って、摺動部材32およ
び伝達ロッド34は、テーパ部材26の昇降動作に連動
して延長方向、つまり、半導体ウエハWの径方向に移動
することができる。
【0034】上記揺動アーム40は、半導体ウエハWの
外周縁を挟持あるいは開放する挟持部材であって、伝達
ロッド34の延長方向他端側の端部に連結されている。
揺動アーム40は、図4に示すように、回転盤12によ
って設けられている支点ピン40Aに取り付けられて水
平方向に揺動可能なリンク部材である。そして、揺動ア
ーム40の揺動端の一方側には半導体ウエハWの外周縁
に接近および離間する挟持ピン40Bが、また支点ピン
40Aをはさんで挟持ピン40Bと対向する端部には上
記伝達ロッド34の折曲げ部34B(図2参照)が連結
されている。
【0035】次に作用について説明する。
【0036】半導体ウエハWの洗浄工程が実行される場
合、半導体ウエハWは、図示しないフォーク状の搬送ア
ームによって外部から搬送され、スピンチャック10の
上方から落とし込まれることにより揺動アーム40の載
置部、例えば保持部42上に仮載置される。
【0037】一方、半導体ウエハWが仮載置されるとき
にはテーパ部材26が、初期状態に設定されている。
【0038】すなわち、テーパ部材26は、回転軸14
からのN2 ガスの圧力が作用しないので、下降した位
置、つまり、摺動部26Aが回転軸14のボス部14A
の上面に載置された状態とされている。従って、摺動部
26Aは、支持コア20に形成されているN2 ガスの供
給通路22の開口20Aを閉じて半導体ウエハWへのN
2 ガスの通路を遮断している。この状態は図6に示す通
りである。
【0039】そして、半導体ウエハWの仮載置が終了す
ると、N2 ガスの供給開始に引続いて回転軸14が回転
を開始する。この場合の回転軸14の駆動は、図2に示
した光源30を含む光学センサによって半導体ウエハW
が検知されたうえで実行される。従って、N2 ガスが回
転軸14から吐出されると、テーパ部材26にN2 ガス
の圧力が作用する。このため、テーパ部材26は、図2
に示すように、初期状態の位置から上昇して支持コア2
0側に位置する供給通路22の開口20Aを開放するこ
とになる。これによって、N2 ガスはガス吐出板12C
の開口12Bから吐出して導風板12Aに当たり横方向
に広がって半導体ウエハWの裏面に吐き出される。
【0040】また、N2 ガスの圧力がテーパ部材26に
作用するとテーパ部材26が上昇するのに伴い、摺動部
材32に当接しているテーパ面26Bの位置が変化し、
初期状態での圧接位置から拡径した位置に変化する。従
って、摺動部材32は、リターンバネ38の付勢に抗し
て半導体ウエハWの外周縁側に向け移動することにな
る。このため、摺動部材32に連結されている伝達ロッ
ド34を介して揺動アーム40は揺動し、挟持ピン40
Bを半導体ウエハWの外周縁に圧接させて半導体ウエハ
Wの外周縁を挟持する。
【0041】なお、回転軸14の回転開始時期は、好ま
しくは揺動アーム40の揺動が完了して半導体ウエハW
の外周縁が完全に挟持された後に設定することが必要で
ある。これは、N2 ガスの流動によるテーパ部材26の
変位に要する時間およびこの変位に連動した摺動部材3
2の動作に要する時間を見込むためである。
【0042】このようにして半導体ウエハWの外周縁が
揺動アーム40によって挟持されると、図1に示したジ
ェットノズル50またはディスクブラシ60が半導体ウ
エハWの表面に対向および当接して洗浄が開始される。
このとき、半導体ウエハWの裏面には、図2において矢
印24Cで示すように、透明基板24の開口24Aから
吐き出されたN2 ガスが流れ、遠心力によって外周縁に
向け流れるので、洗浄液のウエハ裏面への回り込みが防
止されている。
【0043】一方、洗浄が終了すると、回転軸14が停
止されるとともにN2 ガスの供給が停止される。従っ
て、テーパ部材26は、N2 ガスの圧力が作用しなくな
るのにあわせて初期状態に復帰するので、支持コア20
側に位置する供給通路22の開口が閉じられる。そし
て、摺動部材32と対向するテーパ面26Bの位置が縮
径部に変化する。このため、摺動部材26および伝達ロ
ッド34は、リターンバネ38の付勢によってテーパ面
26Bの位置が変化するのに連動して半導体ウエハWの
中心側に移動するので、揺動アーム40が挟持ピン40
Bを半導体ウエハWの外周縁から離間する向きに揺動し
て開放する。
【0044】以上のように、本実施例によれば、テーパ
部材26は、摺動部材32の全てに同時に同一の力で圧
接する関係を設定されているので、軸方向に移動するだ
けで摺動部材32の全てを均一な量を以て移動させるこ
とが可能になる。また、摺動部材32は、テーパ部材2
6との対面位置が変化するのに連動して必要とされる摺
動ストロークが得られればよく、揺動アーム40に至る
範囲で回転盤12の中央部に伝達ロッド34を集約でき
る長さだけでよい。従って、摺動部材32は、揺動アー
ム40に至る範囲を伝達ロッド34によって置き換える
ことができるので、スピンチャック10全体の重量を軽
減することができ、これによって回転軸14に対するス
ピンチャック10のイナーシャを小さくすることができ
る。
【0045】なお、上記実施例では、半導体ウエハWの
外周縁を保持するための構造として、回転盤12上に固
定された保持部42を設けているが、この構造として
は、半導体ウエハWの形状に応じた構造とすることが可
能である。
【0046】すなわち、半導体ウエハWの形状には、半
導体ウエハWの周部の一部に直線部、所謂、オリエンテ
ーションフラット(便宜上、オリフラという)を形成す
る構造がある。このようなオリフラを有する半導体ウエ
ハを対象とする場合には、その直線部に当接可能な円柱
ピン等を用いることができる。
【0047】一方、これに対し、直線部に代えて外周縁
からの深さが略1mm程度に設定された平面視形状がV
字状あるいは半円形状のノッチを形成する場合がある。
これは、半導体ウエハ面でのパターン形成面積を拡大す
るために用いられる構造である。そして、この場合に
は、図7および図8に示すように、例えば、Vノッチ内
に係合可能であって、かつ、仮載置される際の半導体ウ
エハWの落とし込みが可能な形状である三角錘形状や円
柱形状あるいは角柱形状の保持部42Aがそれぞれ選択
される。
【0048】ところで、このような半導体ウエハWの保
持において、半導体ウエハWの外周縁にノッチが形成さ
れている場合には、ノッチの位置と保持部42との位置
決めが必要になる。このため、位置決めに際しては、例
えば、光透過型の光センサ(図示されず)等によるノッ
チ位置検知手段を設け、この位置検知手段により回転軸
14の駆動部を駆動させてVノッチの位置を保持部42
に整合させることが行なわれる。
【0049】また、上記実施例において説明した洗浄手
段としては、ブラシ等を用いた接触構造によって粒子付
着物の掻き取るようにするだけでなく、半導体ウエハW
に対してブラシ等が直接接触しないような非接触構造を
採用してもよい。
【0050】図9および図10は、この場合の構造を示
しており、回転盤12に載置される半導体ウエハWの上
方には、回転(自転)可能なディスク状の洗浄部材70
が配置されている。洗浄部材70は、半導体ウエハWと
の間に、一例として500〜1000μm程度の間隙を
設定されて対向させてある。この間隙は、洗浄液あるい
は水の飛散が発生しにくい寸度とされることが好まし
い。そして洗浄部材70には、半導体ウエハWとの対向
面に、図10に示すように、交差する溝状の凹部70A
が形成されている。この凹部70Aは、例えば幅が2〜
5mm程度、深さが0.5〜5mm程度の溝状のもの
で、中心部で集約されて軸部に形成された洗浄液供給通
路70Bに連通している。従って、洗浄液供給通路70
Bから供給される洗浄液は、凹部70A内に進出すると
外周方向に向け遠心力等によって拡散し、表面張力によ
り凹部70A内に担持されることで半導体ウエハWとの
間に洗浄液の膜を形成することになる。このため、洗浄
液膜の界面現象によって半導体ウエハW上の粒子付着物
が液膜側に吸着されることで回収される。なお、遠心力
を利用して外周方向に向け拡散させる場合には、半導体
ウエハWの表面に対する凹部70Aに角度を設定し、か
つ、洗浄液に流速を与えてもよい。これは、拡散して噴
射される洗浄液が半導体ウエハWに対して傾斜した状態
となり、これによって、半導体ウエハW上の粒子付着物
を掻き取る効率を向上させるためである。また、洗浄部
材70の回転方向を半導体ウエハWと相反方向に設定し
て粒子付着物の回収効率を向上させるようにしてもよ
い。
【0051】また、洗浄部材70の大きさとしては、半
導体ウエハWの外形に見合う大きさとするだけでなく、
半導体ウエハWよりも小径とし、そして、半導体ウエハ
W上で自転および公転若しくは半導体ウエハW面で横断
させる等の動作を適用することも可能である。このよう
な構造によれば、洗浄部材70を例えば、金属製、樹脂
製のもので製作できるため、ブラシの交換頻度あるいは
回収した粒子付着物の除去等を管理する必要がなくなる
ので、洗浄工程を簡易化することができる。また、ナイ
ロンやモヘア等を植毛したブラシのように、粒子がブラ
シ自身に付着残存してこの粒子が半導体ウエハWに再付
着したり、パターン形成面にダメージを与えたりするの
を防止できる。
【0052】なお、上記実施例では、被処理体が半導体
ウエハの場合について説明したが、被処理体としては半
導体ウエハに限られるものではない。一例として、LC
D基板あるいはプリント基板やフォトマスク、セラミッ
ク基板さらにはコンパクトディスク等に対しても応用す
ることが可能である。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、被処理体
裏面への処理液の回り込みを防止するために用いられる
気体の圧力によって変位するテーパ部材を設け、このテ
ーパ部材に被処理体の外周縁を挟持あるいは開放する挟
持部材に連結された摺動部材の全てを当接させている。
従って、テーパ部材の変位に応じて摺動部材の全てを同
一量を以て移動させることができるので、被処理体の外
周縁で均一な挟持あるいは開放が行なえることになる。
【0054】また、本発明によれば、テーパ部材の変位
によって上記気体の供給通路を開閉することができる。
従って、被処理体が挟持されていないときに無用な気体
の噴出をさけることができるので洗浄液やパーティクル
等の巻上げを未然に防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による処理装置の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示した処理装置に用いられるスピンチャ
ックの要部を示す断面図である。
【図3】図2に示したスピンチャックの要部を示す斜視
図である。
【図4】図2中、符号Aで示す方向の矢視図である。
【図5】図3に示した要部の一部拡大斜視図である。
【図6】図2に示したスピンチャックの要部の一態様を
示す断面図である。
【図7】図2に示したスピンチャックの構造の一部の変
形例を示す斜視図である。
【図8】図2に示したスピンチャックの構造の一部の他
の変形例をそれぞれ示す斜視図である。
【図9】図1に示した処理装置における構造の一部の変
形例を示す斜視図である。
【図10】図9に示した変形例に用いられる洗浄部材を
示す斜視図である。
【符号の説明】
10 スピンチャック 12 回転盤 14 回転軸 20 支持コア 20A 開口 22 気体の供給通路 26 テーパ部材 32 摺動部材 38 伝達ロッド 40 挟持部材をなす揺動アーム W 被処理体をなす半導体ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G03F 7/16 502

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理体を回転部材上に配置した状態で
    保持するとともに、被処理体の表面に処理液を供給して
    処理する処理装置において、 上記被処理体の裏面に向け気体を供給する流路中に配置
    されて気体の圧力が作用する方向に変位可能なテーパ部
    材と、 上記被処理体の周方向に沿って複数配置され、被処理体
    の外周縁に近接して揺動可能に設けられている挟持部材
    と、 上記被処理体の径方向に摺動可能に案内支持され、その
    一端が上記テーパ部材のテーパ面に当接し、その他端が
    上記各挟持部材に連結された複数の摺動部材と、 を備え、上記気体により上記テーパ部材が変位するのに
    連動して複数の上記摺動部材を摺動させることで上記揺
    動部材を上記被処理体の挟持位置および開放位置にそれ
    ぞれ揺動させることを特徴とする処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の処理装置において、 上記テーパ部材は、上記気体の通路の一部をなす開口に
    対面可能に設けられていて、上記気体の圧力が作用しな
    いときに上記開口を閉鎖する初期態位を設定されている
    ことを特徴とする処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の処理装置において、 上記回転部材は、上記気体が導入されるための中空体を
    なす回転軸によって駆動され、 上記テーパ部材は、上記回転軸の気体吐出口と対向する
    位置が透明部材にて気密にシールされ、上記回転軸の中
    空部の延長線上の両端にそれぞれ被処理体検出用の発光
    部及び受光部を配置したことを特徴とする処理装置。
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