JPH0744403B2 - 低歪率d級電力増幅器 - Google Patents

低歪率d級電力増幅器

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JPH0744403B2
JPH0744403B2 JP1142156A JP14215689A JPH0744403B2 JP H0744403 B2 JPH0744403 B2 JP H0744403B2 JP 1142156 A JP1142156 A JP 1142156A JP 14215689 A JP14215689 A JP 14215689A JP H0744403 B2 JPH0744403 B2 JP H0744403B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は電気信号の電力を増幅するD級電力増幅装置に
関する。
「従来の技術」 低周波の電気信号を高電力効率で増幅する装置としてBD
級電力増幅器が知られてい。
この増幅器は、アナログ入力信号を正半波と負半波の二
系統の半波信号に分解し、各々をパルス幅変調器で高周
波の二値信号に変換し、スイッチングトランジスタおよ
び直流電源からなる二値信号増幅器によりこれらを電力
増幅してから加え合わせ、復調用LCローパスフィルタに
より低周波基本信号を取り出して負荷抵抗に供給する。
この増幅器の二値信号増幅用トランジスタはオン・オフ
のスイッチ動作を行うため、電力損失がA級、B級動作
の場合に比べ著しく低減され90%を越える高い電力効率
が得られる。
「発明が解決しようとする課題」 しかし、この増幅器は、信号電圧の零レベル付近で正・
負信号系統が交代するため、この付近に除去困難な不感
帯が生じ大きなクロスオーバ歪みを発生する欠点があっ
た。この増幅器の他の欠点は、二値信号電力増幅用トラ
ンジスタとして正半波用と負半波用の一組の相補形トラ
ンジスタを要する点にある。これらは高周波、大電力信
号を扱うため高価であり種類も少ない。これらの欠点が
実用化および低価格化の障害となっていた。
「課題を解決するための手段」 これらの欠点を改善するため、本発明の増幅装置は、絶
対値回路、極性再生回路、および制御回路を用いて二値
信号増幅系を一系統に低減している。従って、相補形ト
ランジスタを要しない。また、極性再生回路内の終段ト
ランジスタ群に印加された活性化電圧によりクロスオー
バ歪みが除去される。新たに付加された回路では低周波
信号のみを扱うため、これに用い得る半導体の種類は豊
富であり価格も低い。
「作用」 この増幅装置では、アナログ入力信号が絶対値回路で絶
対値信号に変換され、これに終段トランジスタ活性化用
電圧が加算されて一系統のみの増幅用信号となる。この
信号がパルス幅変調器で二値化され、二値信号増幅用ト
ランジスタにより電力増幅され、LCフィルタにより復調
される。
この復調出力電圧のうち、絶対値信号成分は極性再生回
路内の終段トランジスタ群により正・負極性が付与され
て負荷に供給され、活性化電力成分は極性再生回路内の
終段トランジスタ群の活性化に費やされる。
制御回路は、分割された入力信号から正半波に対応する
信号と負半波に対応する信号とを発生する。これらの信
号は前記極性再生回路内の終段トランジスタ群の制御電
極に入力され、負荷電流の方向と流量が制御される。二
値増幅の際に発生した歪み電力は、終段トランジスタ群
の活性と負帰還により除去される。
「実施例」 次に本発明を実施例を用いて説明する。
第1図は、本発明を応用した増幅装置の絶対値回路、パ
ルス幅変調回路、二値信号増幅回路、および復調回路の
結線図である。
低周波アナログ信号源1からの入力信号は、抵抗および
キャパシタからなる位相補正回路により進相され絶対値
回路に導かれる。絶対値回路は、演算増幅器4とダイオ
ードおよび抵抗からはる半波分離回路と、この出力と進
相信号を加算する抵抗2および3から成る。端子5には
入力信号電圧の絶対値に比例する信号電流と抵抗6から
の終段トランジスタ活性化用バイアス電流を加えた増幅
用信号電流が流れ、演算増幅器7の出力端子8に負極性
の増幅用電圧信号が発生する。
この電圧信号は、パルス幅変調器9により二値信号に変
換され、二値信号増幅用のNMOS形スイッチングトランジ
スタ10により電力増幅され、LC形ローパスフィルタ12・
13により復調され端子15に出力される。14はキャッチダ
イオード、11は30vの直流電源である。無入力信号時は
約−1vの静活性化電圧のみが端子15に出力される。
本例のパルス幅変調器9は自励形PWM回路に相当する
が、他励形回路を用いてもよい。
以上の回路構成によれば、一系統の二値信号系で全波が
増幅され、低性能で高価なPチャンネル形電界高価トラ
ンジスタの使用を回避できる。
第二図は、第一図の回路に接続される極性再生回路およ
び制御回路の結線図である。
信号源1から分割入力されたアナログ信号は、可変抵抗
16により振幅調整されて制御回路内の半波分離回路に加
えられる。演算増幅器17とダイオードおよび抵抗の一部
は半波分離回路を構成しており、端子18には入力信号電
圧の負半波に相当する信号が正極性電圧として発生す
る。この電圧と可変抵抗16の端子電圧の和から入力信号
電圧の正半波に相当する差信号を作り端子19に出力す
る。20および21はダイオード間に0.6vの順バイアス電圧
を加え応答時間を短縮するための定電流ダイオードと抵
抗であり、22は信号電圧の1%に相当する動的活性化電
圧を加えるための抵抗である。
端子18から抵抗23を介して極性再生回路内の演算増幅器
24に入力された負半波制御信号は、反転され半ブリッジ
を形成する終段トランジスタ25・26のベースに入力され
る。復調出力に挿入された−1vの活性化電圧は、小入力
信号時にはトランジスタ25・26のコレクタ・エミッタ間
にほぼ−0.5vずつ配分されこれらのトランジスタを活性
領域に置く。従って、出力端子27には入力信号の負半波
にほぼ比例した信号電圧が得られる。28は端子27の無信
号時直流電位を約−0.5vに規定するための抵抗であり、
29および30はトランジスタ25・26に5mAのアイドリング
電流を与えるための抵抗および定電流ダイオードであ
る。トランジスタ25・26への電力は復調出力端子15から
供給される。
一方、端子19から極性再生回路内に入力された差制御信
号は、演算増幅器31により極性が反転され他の半ブリッ
ジを形成する終段トランジスタ32・33のベースに入力さ
れる。この回路の動作は前記半ブリッジと同様である。
従って、出力端子34には入力信号の正半波にほぼ比例す
る負極性の差信号電圧が得られる。
8Ωの負荷抵抗37への出力電圧は、出力端子27と34の電
位差となるため負半波成分が打消され入力信号の増幅電
圧となる。打消し量は可変抵抗23により微調整される。
抵抗35および36による負帰還により終段トランジスタ群
で発生した歪とこれらに印加された復調電力の歪み成分
が除去されるため、歪率が0.2%以下に低減される。ま
た、電力効率は大出力時には88%程度に達し、電源11の
電圧がより高い場合には更に上昇する。
「発明の効果」 本発明による増幅装置は以上の説明のように構成されて
いる結果、二値信号増幅回路で発生する歪みを大幅に低
減することが可能となり、大電力増幅器および携帯用機
器等えの応用が著しく促進される。また、高周波電力ス
イッチング素子一個で全波の電力が増幅されるため、P
チャンネル形スイッチング素子の使用が回避され、増幅
回路の集積化、小型化、低価格化が容易になる。
【図面の簡単な説明】
第一図は本発明を応用した増幅装置の絶対値回路、パル
ス幅変調回路、二値信号増幅回路、および復調回路の結
線図、第二図は第一図に示した回路に接続される極性再
生回路および制御回路の結線図である。 1……信号源、9……変調器、11……直流電源、20……
定電流ダイオード、37……負荷抵抗。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気入力信号の絶対値を出力とする回路
    と、この出力信号を二値信号に変調して信号電力を増幅
    する回路と、この増幅出力を復調するLCフィルタ回路
    と、その復調出力を負荷に供給する際の電流の向きを制
    御する極性再生回路と、前記入力信号から前記極性再生
    回路への制御信号を発生する制御回路を備えることを特
    徴とする電気信号増幅装置。
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