JPH06302440A - ギャップ付鉄心形リアクトル - Google Patents

ギャップ付鉄心形リアクトル

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JPH06302440A
JPH06302440A JP9156693A JP9156693A JPH06302440A JP H06302440 A JPH06302440 A JP H06302440A JP 9156693 A JP9156693 A JP 9156693A JP 9156693 A JP9156693 A JP 9156693A JP H06302440 A JPH06302440 A JP H06302440A
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勲 西村
Akira Mishima
朗 三島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブロック鉄心間の磁気ギャップを形成するギ
ャップ材の材質を改良し、ギャップ材をブロック鉄心に
適合させることにより振動騒音を低減し、また、ブロッ
ク鉄心内に発生する無理な圧縮力に起因する磁歪騒音を
低減する。 【構成】 円形断面の複数個のブロック鉄心2を磁気的
なギャップ材3を介して積み重ねてギャップ付鉄心脚1
を構成する。ギャップ付鉄心脚1の周囲に巻線4を巻回
し、ギャップ付鉄心脚1とヨーク鉄心5,6とを一体的
に固定する。ブロック鉄心2の積層方向両端部に配置す
るギャップ材3aのヤング率に比べて、積層方向中央部
に配置するギャップ材3bのヤング率を低くする。また
は、ブロック鉄心2の内外周部に配置するギャップ材3
cのヤング率を、ブロック鉄心2のそれ以外の部分に配
置するギャップ材3dのヤング率に比べて低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ギャップ付鉄心脚を備
えたギャップ付鉄心形リアクトルに係り、特に、そのギ
ャップ付鉄心脚に使用される磁気的なギャップ材の材質
に改良を施して、低騒音化を図ったギャップ付鉄心形リ
アクトルに関する。
【0002】
【従来の技術】分路リアクトルなどに使用されるリアク
トルとしては、一般にギャップ付鉄心形リアクトルが用
いられる。このギャップ付鉄心形リアクトルは、円形断
面のギャップ付鉄心脚を備えており、図3および図4に
示すように構成されている。まず、図3に示すように、
ギャップ付鉄心脚1は、複数個の円形断面のブロック鉄
心2を、その間に、絶縁物製の磁気的なギャップ材3を
挟み込むことにより複数個の磁気ギャップを形成するよ
うにして、同軸状に積み重ねて構成されている。この場
合、ブロック鉄心2は、図4に示すように、けい素鋼板
2aの抜き板を放射状に配置する形で円環状に積層して
構成されている。そして、このようなブロック鉄心2間
の各磁気ギャップを形成するために、1個の磁気ギャッ
プに対して複数個のギャップ材3が使用されている。ま
た、図3に示すように、ギャップ付鉄心脚1の周囲に
は、巻線4が巻回されている。さらに、ギャップ付鉄心
脚1の上下には、これを挟むようにして、矩形断面を有
するヨーク鉄心5,6が密着配置され、一体的に固定さ
れており、このヨーク鉄心5,6は、けい素鋼板を積層
して構成されている。
【0003】そして、以上のように構成されたギャップ
付鉄心形リアクトルでは、リアクトル本体から発生する
騒音の低減が重要な課題になっている。このような騒音
は、その要因に応じて、機械的振動による騒音と磁気歪
みによる騒音とに大別することができる。このうち、機
械的振動による騒音は、磁気ギャップを通過する磁束に
より、この磁気ギャップの上下のブロック鉄心2間に磁
気吸引力が作用し、この磁気吸引力による振動のために
発生する振動騒音である。そして、このような振動騒音
を防止するためには、磁気ギャップを介してギャップ付
鉄心脚1のブロック鉄心2を締め付けるとともに、この
ギャップ付鉄心脚1とその上下のヨーク鉄心とを一体的
に強固に締め付けるような締め付け構造が必要となる。
また、磁気歪みによる騒音は、鉄心内部に磁束が流れる
ために生じる磁歪騒音と、前述のような締め付け構造に
よって鉄心内部に無理な圧縮力が働く結果、さらに助長
される磁歪騒音である。このような磁歪騒音のうち、ギ
ャップ付鉄心形リアクトルにおいては、特に、圧縮力に
起因する磁歪騒音の影響が大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図3および
図4に示すような従来のギャップ付鉄心形リアクトルに
おいて発生する前述の振動騒音や磁歪騒音は、その全箇
所の磁気ギャップ部に、一律に、ヤング率の高いセラミ
ックスなどのギャップ材を使用しているため、ギャップ
材の材質からさらに助長される傾向にある。
【0005】まず、振動騒音は、次のようにして助長さ
れる。すなわち、前述したギャップ付鉄心形リアクトル
では、図4に示すように、一個の磁気ギャップに複数個
のギャップ材3が使用されているが、このギャップ材3
は1個ずつ製作されるため、製作課程でその寸法に微小
の誤差が生じる。このように微小の寸法誤差を有する複
数個のギャップ材3をブロック鉄心2間に配置した場合
には、ギャップ材3のヤング率が高く硬いため、多数の
ギャップ材3の中のいくつかのギャップ材3がブロック
鉄心2に適合できず、振動騒音をさらに助長するように
作用することがある。
【0006】また、磁歪騒音は、次のようにして助長さ
れる。すなわち、前述したようなギャップ付鉄心形リア
クトルでは、磁束が磁気ギャップ部でフリンジングを起
こすため、ブロック鉄心2の内外周部に磁束が集中し
て、図5に示すように、ブロック鉄心2の内外周部の温
度上昇値が局部的にかなり高くなる。この場合、図5
は、図3のブロック鉄心2の半径方向位置Rと、その温
度上昇値θとの関係を示すグラフである。このため、図
5において破線で示すように、ブロック鉄心2の内外周
部では熱膨脹によりδh分だけ上下方向に伸びようとす
る。しかしながら、ブロック鉄心2の上下両側が、共に
ヤング率の高いギャップ材3で強固に固定されているた
め、この伸びδhを吸収することができない。これによ
り、ブロック鉄心2内外周部に過度の圧縮応力が発生
し、それに応じて磁気歪がさらに増加して、前述のよう
な圧縮力に起因する磁歪騒音がさらに助長されるのであ
る。
【0007】本発明は、上述のような従来技術の問題点
を解消するために提案されたものであり、その目的は、
ブロック鉄心間の磁気ギャップを形成するギャップ材の
材質を改良し、ギャップ材をブロック鉄心に適合させる
ことにより振動騒音を低減し、また、ブロック鉄心内に
発生する無理な圧縮力に起因する磁歪騒音を低減して、
低騒音化可能なギャップ付鉄心形リアクトルを提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のギャップ付鉄心形リアクトルは、けい素
鋼板を放射状に配置する形で円環状に積層して円形断面
の複数個のブロック鉄心を構成し、このブロック鉄心を
磁気的なギャップ材を介して積み重ねてギャップ付鉄心
脚を構成し、このギャップ付鉄心脚の周囲に巻線を巻回
し、この円形断面のギャップ付鉄心脚と、矩形断面のヨ
ーク鉄心とを一体的に固定してなるギャップ付鉄心形リ
アクトルにおいて、次のような特徴を有する。すなわ
ち、請求項1に記載のギャップ付鉄心形リアクトルは、
前記ギャップ材のうち、前記ブロック鉄心の積層方向両
端部に配置するギャップ材のヤング率に比べて、積層方
向中央部に配置するギャップ材のヤング率を低くしたこ
とを特徴としている。また、請求項2に記載のギャップ
付鉄心形リアクトルは、前記ギャップ材のうち、前記ブ
ロック鉄心の内外周部に配置するギャップ材のヤング率
を、ブロック鉄心のそれ以外の部分に配置するギャップ
材のヤング率に比べて低くしたことを特徴としている。
【0009】
【作用】以上のような構成を有する本発明のギャップ付
鉄心形リアクトルの作用は次の通りである。まず、請求
項1の構成においては、ギャップ材のうち、積層方向中
央部のギャップ材のヤング率を低くしているため、この
部分のギャップ材の柔軟性が高くなっている。したがっ
て、この部分のギャップ材に前述したような微小の寸法
誤差がある場合にも、この部分のギャップ材のブロック
鉄心への適合性を向上することができるため、振動騒音
を抑制することができる。また、積層方向両端部のギャ
ップ材については、ヤング率を高くしており、この部分
のギャップ材に特に作用する磁気吸引力による振動を極
力低減できるため、振動騒音を抑制することができる。
この点について以下に説明する。
【0010】すなわち、一般に、ギャップ付鉄心形リア
クトルにおいては、各磁気ギャップの磁束密度が等しい
ため、図3に示すように、ブロック鉄心2に作用する磁
気吸引力Fは、各ブロック鉄心2ごとに釣り合ってお
り、ギャップ付鉄心脚1の積層方向両端部(上下両端
部)のギャップ材3aには大きな磁気吸引力Fが作用す
る反面、ギャップ付鉄心脚1の中央部のブロック鉄心2
間に挟まれたギャップ材3bには、磁気吸引力Fはほと
んど作用しない。したがって、積層方向両端部のギャッ
プ材3aのヤング率を高くすることにより、この部分の
ギャップ材3aに大きく作用する磁気吸引力による振動
を極力低減できるのである。
【0011】次に、請求項2の構成においては、ギャッ
プ材のうち、ブロック鉄心の内外周部に配置するギャッ
プ材のヤング率を低くしているため、この部分のギャッ
プ材の柔軟性が高くなっている。したがって、ブロック
鉄心の内外周部に前述したような熱膨張が生じた場合
に、この伸びをギャップ材の柔軟性で吸収することがで
きるため、ブロック鉄心内に発生する無理な圧縮力に起
因する磁歪騒音の増大を抑制することができる。
【0012】
【実施例】以下には、本発明を単相3脚鉄心形のギャッ
プ付鉄心形リアクトルに適用した2つの実施例につい
て、図1および図2を参照して具体的に説明する。ここ
で、図1は本発明によるギャップ付鉄心形リアクトルの
第1実施例を示す正面図、図2は本発明によるギャップ
付鉄心形リアクトルの第2実施例を示す図であり、特
に、ブロック鉄心に対するギャップ材の配置を示す説明
図である。
【0013】(1)第1実施例…図1 図1に示すように、第1実施例のギャップ付鉄心脚1
は、けい素鋼板の抜き板を放射状に配置する形で円環状
に積層して構成した複数個の円形断面のブロック鉄心2
を、その間に、絶縁物製の磁気的なギャップ材3を挟み
込むことにより複数個の磁気ギャップを形成するように
して、同軸状に積み重ねて構成されている。また、ギャ
ップ付鉄心脚1の周囲には、巻線4が巻回されており、
ギャップ付鉄心脚1の上下には、これを挟むようにし
て、矩形断面を有する上下のヨーク鉄心5,6が配置さ
れている。このヨーク鉄心5,6は、上下の締付け板7
および締付けスタッド8により、ギャップ付鉄心脚1に
一体的に固定されている。そして、本実施例において
は、ギャップ材3のうちのギャップ付鉄心脚1の上下両
端部のギャップ材3aのヤング率が、前述した従来例と
同程度に比較的高くされており、ギャップ付鉄心脚1の
中央部のギャップ材3bのヤング率は、ギャップ付鉄心
脚1の上下両端部のギャップ材3aのヤング率よりも多
少低くされている。
【0014】以上のような構成を有する本実施例の作用
は次の通りである。すなわち、ギャップ付鉄心脚1の中
央部のギャップ材3bのヤング率を従来よりも多少低く
しているため、この部分のギャップ材3bの柔軟性が従
来に比べて高くなっている。したがって、この部分のギ
ャップ材3bのブロック鉄心2への適合性を従来よりも
向上することができるため、その分だけ振動騒音を抑制
することができる。また、大きな磁気吸引力が作用する
ギャップ付鉄心脚1の上下両端部のギャップ材3aにつ
いては、そのヤング率を高くしており、磁気吸引力によ
る振動を極力低減できるため、振動騒音を抑制すること
ができる。
【0015】(2)第2実施例…図2 図2に示すように、第2実施例においては、隣接するブ
ロック鉄心2間に配置された複数個のギャップ材3のう
ち、ブロック鉄心2の内外周部に配置されたギャップ材
3cのヤング率は、ブロック鉄心2のそれ以外の部分に
配置されたギャップ材3dのヤング率に比べて多少低く
されている。なお、これ以外の部分については、前記第
1実施例と全く同様に構成されている。
【0016】以上のような構成を有する本実施例におい
ては、ブロック鉄心2の内外周部に配置されたギャップ
材3cのヤング率が従来に比べて低くされているため、
この部分のギャップ材3cの柔軟性が従来に比べて高く
なっている。したがって、ブロック鉄心2の内外周部の
温度上昇値が局部的に高くなり、ブロック鉄心2の内外
周部に熱膨脹が生じた場合には、このブロック鉄心2の
伸びを、ギャップ材3cの柔軟性によって吸収すること
ができるため、ブロック鉄心2内に発生する無理な圧縮
力に起因する磁歪騒音の増大を抑制することができる。
【0017】(3)その他の実施例 なお、本発明は、前記の各実施例に限定されるものでは
なく、前述した単相3脚鉄心形のギャップ付鉄心形リア
クトル以外にも適用可能であり、例えば、3相3脚鉄心
形や3相5脚鉄心形のギャップ付鉄心形リアクトルにも
同様に適用できる。また、前記2つの実施例を組み合わ
せた構成とすることも可能である。すなわち、ブロック
鉄心の積層方向においてはその中央部のギャップ材のヤ
ング率が低くなるように構成し、かつ、各磁気ギャップ
においてはブロック鉄心の内外周部のギャップ材のヤン
グ率が低くなるように構成することも可能であり、この
場合には、前記2つの実施例の作用効果を合わせた作用
効果が得られる。さらに、ギャップ材の材質や寸法、あ
るいはヤング率の具体的な値などは、ギャップ付鉄心脚
の設計に応じて適宜選択可能である。そしてまた、本発
明は、特に、ギャップ付鉄心脚のギャップ材の材質に関
して特徴を有するものであるため、それ以外の各部の具
体的な構成は適宜選択可能である。
【0018】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、ギャップ
材のうち、ブロック鉄心の積層方向中央部に配置するギ
ャップ材、または、ブロック鉄心の内外周部に配置する
ギャップ材のヤング率を、他の部分のギャップ材に比べ
て低くするという簡単な構成の改良により、ギャップ材
をブロック鉄心に適合させることにより振動騒音を低減
するか、または、ブロック鉄心内に発生する無理な圧縮
力に起因する磁歪騒音を低減できるため、低騒音化可能
なギャップ付鉄心形リアクトルを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるギャップ付鉄心形リアクトルの第
1実施例を示す正面図。
【図2】本発明によるギャップ付鉄心形リアクトルの第
2実施例を示す図であり、特に、ブロック鉄心に対する
ギャップ材の配置を示す説明図。
【図3】従来のギャップ付鉄心形リアクトルの一例を示
す正面図。
【図4】図3のブロック鉄心とギャップ材を示す平面
図。
【図5】図4のブロック鉄心の半径方向位置Rと、その
温度上昇値θとの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…ギャップ付鉄心脚 2a…けい素鋼板 2…ブロック鉄心 3,3a〜3d…ギャップ材 4…巻線 5,6…ヨーク鉄心 7…締付け板 8…締付けスタッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 けい素鋼板を放射状に配置する形で円環
    状に積層して円形断面の複数個のブロック鉄心を構成
    し、このブロック鉄心を磁気的なギャップ材を介して積
    み重ねてギャップ付鉄心脚を構成し、このギャップ付鉄
    心脚の周囲に巻線を巻回し、この円形断面のギャップ付
    鉄心脚と、矩形断面のヨーク鉄心とを一体的に固定して
    なるギャップ付鉄心形リアクトルにおいて、 前記ギャップ材のうち、前記ブロック鉄心の積層方向両
    端部に配置するギャップ材のヤング率に比べて、積層方
    向中央部に配置するギャップ材のヤング率を低くしたこ
    とを特徴とするギャップ付鉄心形リアクトル。
  2. 【請求項2】 けい素鋼板を放射状に配置する形で円環
    状に積層して円形断面の複数個のブロック鉄心を構成
    し、このブロック鉄心を磁気的なギャップ材を介して積
    み重ねてギャップ付鉄心脚を構成し、このギャップ付鉄
    心脚の周囲に巻線を巻回し、この円形断面のギャップ付
    鉄心脚と、矩形断面のヨーク鉄心とを一体的に固定して
    なるギャップ付鉄心形リアクトルにおいて、 前記ギャップ材のうち、前記ブロック鉄心の内外周部に
    配置するギャップ材のヤング率を、ブロック鉄心のそれ
    以外の部分に配置するギャップ材のヤング率に比べて低
    くしたことを特徴とするギャップ付鉄心形リアクトル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20200058438A1 (en) * 2017-01-18 2020-02-20 Fanuc Corporation Three-phase reactor including vibration suppressing structure part

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200058438A1 (en) * 2017-01-18 2020-02-20 Fanuc Corporation Three-phase reactor including vibration suppressing structure part
US10910146B2 (en) * 2017-01-18 2021-02-02 Fanuc Corporation Three-phase reactor including vibration suppressing structure part

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