JPH0629945Y2 - コンバインにおける脱穀選別装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、機体の前部に穀稈の刈取り搬送部を設け、そ
の後方上下にそれぞれ脱穀部および選別部を設けてなる
コンバインにおいて、脱穀部と選別部との間に形成され
る空間を有効に利用して、機体の小型化を図ることがで
きる脱穀選別装置に係るものである。

従来の技術 機体の前部に穀稈の刈取り搬送部を設け、その後方に脱
穀部および選別部を設けてなる普通型コンバインは、特
開昭60-49711号公報および実開昭58-132938号公報に記
載されているように、種々のものが知られている。

考案が解決しようとする問題点 上記の如き普通型コンバインにおいて、脱穀部を軸流シ
リンダで構成したものでは、脱穀部がシリンダの軸方向
すなわち脱穀処理方向に長くなるが、選別部の選別方向
は脱穀部の長さほど長い選別風路を必要としないので、
機体の横幅を小さくするには、脱穀部を機体の進行方向
に、選別部をそれと直交する方向に配設することが考え
られる。しかしながら、かかる構成のものでは、脱穀部
が選別部の前後幅より前方に突出するので、両者の間に
無駄な空間が生じてしまう。

そこで、本考案は、このような問題点に鑑み、脱穀部と
選別部との間の空間を有効に利用して、一層機体の小型
化を図ることができるコンバインにおける脱穀排塵装置
を提供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、その目的を達成するための技術的手段を次の
ように構成した。すなわち、本考案に係るコンバインに
おける脱穀選別装置は、機体の前部に穀稈の刈取り搬送
部を設け、その後方上下にそれぞれ脱穀部および選別部
を設けてなるコンバインにおいて、脱穀部に設けた機体
の進行方向に脱穀処理する脱穀シリンダに対して、選別
部を選別方向が脱穀シリンダの脱穀処理方向と直交する
方向に設け、選別部から精粒を揚上搬送する揚穀筒を上
記脱穀シリンダのシリンダ室と選別部との間に形成され
る空間を通して配設すると共に、揚穀筒に接続される穀
粒タンクを選別部の上方から選別部内に入り込ませて配
設したことを特徴とするものである。

作用 機体の前進に伴って刈取り搬送部で刈取られた穀稈は、
後方の脱穀部で脱穀処理され、選別部で選別される。そ
して選別された精粒は、揚穀筒を経て穀粒タンクに揚上
搬送される。

ところで、上記揚穀筒は、脱穀部と選別部との間に形成
される内側の空間を通っているので、揚穀筒が機体の前
後面や左右側方に突出せず、しかも穀粒タンクを選別部
の上方から選別部内に入り込ませてあるので、穀粒タン
クの容量を確保したまま一層機体の小型化が図られる。

なお、揚穀筒をシリンダ室の突出部に固定すれば、シリ
ンダ室の突出部は揚穀筒で支持され、補強される。

実施例 本考案の実施例を図面について説明する。

１は穀稈の刈取り搬送部、２は脱穀部、３は選別部であ
って、刈取り搬送部１は機体前部に、脱穀部２は刈取り
搬送部１の後方で機体の一側寄りに、さらに選別部３は
脱穀部２の下方で機体の進行方向に対して横方向全幅に
わたって設けられている。

上記刈取り搬送部１は、分草体４、刈刃５、穀稈掻込み
リール６、ピックアップリール７、コンベヤ８等を備え
て構成されている。脱穀部２は、機体の進行方向に脱穀
処理する軸流型の脱穀シリンダ９を備えたものであっ
て、そのシリンダ室10は機体の進行方向に長く形成され
ており、シリンダ室10の穀稈供給口11はコンベヤ８に接
続されている。12は排稈排出口である。選別部３は、揺
動選別体13と機体の進行方向に対して横方向に選別風を
送風する送風機14を備えて構成されていて、選別方向が
上記脱穀シリンダ９の脱穀処理方向と直交する方向とな
っている。15は選別風路、16は選別屑の排出口である。
17は一番螺旋体、18は二番螺旋体であって、一番螺旋体
17は揚穀筒19を介して穀粒タンク20上部に接続されてお
り、二番螺旋体18は二番還元螺旋体21を介して二番還元
分散螺旋体22に接続されている。23は吸引排塵機であ
る。

上記脱穀部２の脱穀シリンダ10は機体の一側寄りに、選
別部３はその下方で機体の全幅にわたって配設されてい
るので、脱穀部２と選別部３との間には前方側に鉤形の
空間が形成される。そして前記穀粒タンク20は選別部３
の上方を覆うような形状に形成されており、その下部側
を選別部３内に入り込ませて、傾斜状をなした下部内側
壁が選別部３との間の仕切壁24となって、穀粒タンク20
と選別部３とが一体構成となっている。そして一番螺旋
体17から穀粒タンク20に精粒を揚上搬送する揚穀筒19
は、脱穀部２と選別部３との間の空間を通して配設され
ており、この揚穀筒19はシリンダ室10の前方突出部に固
定されていて、揚穀筒19によってシリンダ室10の前方突
出部が支持補強されている。25は穀粒搬出オーガ、26は
穀粒搬出筒である。なお、二番還元螺旋体21も上記空間
を通して配設されている。27は運転席、28は燃料タンク
である。

叙上の如く構成されたものにおいて、脱穀部２で脱穀さ
れ、選別部３で選別された精粒は、一番螺旋体17から揚
穀筒19を経て穀粒タンク20に貯留される。

ところで、穀粒タンク20は、選別部３を覆う形状に形成
され、その下部側が選別部３に入り込ませてあり、しか
も選別部３から穀粒タンク20に精粒を揚上搬送する揚穀
筒19が脱穀部２と選別部３とで形成された空間を通して
配設されているので、それが機体の外壁に突出すること
がなく、無駄な空間を有効に利用して穀粒タンクの容量
を十分確保したまま機体の小型化が一層図られる。

なお、揚穀筒19をシリンダ室10の前方突出部に固定して
その支持体を兼ねさせた構成にすれば、脱穀部２を強固
なものとすることができる。

考案の効果 これを要するに、本考案は、機体の前部に穀稈の刈取り
搬送部を設け、その後方上下にそれぞれ脱穀部および選
別部を設けてなるコンバインにおいて、脱穀部に設けた
機体の進行方向に脱穀処理する脱穀シリンダに対して、
選別部を選別方向が脱穀シリンダの脱穀処理方向と直交
する方向に設け、選別部から精粒を揚上搬送する揚穀筒
を上記脱穀シリンダのシリンダ室と選別部との間に形成
される空間を通して配設すると共に、揚穀筒に接続され
る穀粒タンクを選別部の上方から選別部内に入り込ませ
て配設したから、脱穀部と選別部との間の空間を有効に
利用して配設された揚穀筒は機体の外方に突出すること
はなく、しかも選別部の上方から選別部内に入り込ませ
た穀粒タンクも、その容量を保持したまま機体の外方に
突出しないので、脱穀処理方向と選別方向とを直交させ
たのと相俟って、一層機体の小型化を図ることができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインにおける脱穀選別装置の
一実施例を示すものであって、第１図は全体の側面図、
第２図は第１図におけるII−II線断面図である。 １……刈取り搬送部、２……脱穀部、３……選別部、９
……脱穀シリンダ、10……シリンダ室、11……穀稈供給
口、17……一番螺旋体、18……二番螺旋体、19……揚穀
筒、20……穀粒タンク、21……二番還元螺旋体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機体の前部に穀稈の刈取り搬送部を設け、
   その後方上下にそれぞれ脱穀部および選別部を設けてな
   るコンバインにおいて、脱穀部に設けた機体の進行方向
   に脱穀処理する脱穀シリンダに対して、選別部を選別方
   向が脱穀シリンダの脱穀処理方向と直交する方向に設
   け、選別部から精粒を揚上搬送する揚穀筒を上記脱穀シ
   リンダのシリンダ室と選別部との間に形成される空間を
   通して配設すると共に、揚穀筒に接続される穀粒タンク
   を選別部の上方から選別部内に入り込ませて配設したこ
   とを特徴とするコンバインにおける脱穀選別装置。