JPH06299072A - 光ファイバ用コネクタフェルール - Google Patents
光ファイバ用コネクタフェルールInfo
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- JPH06299072A JPH06299072A JP11219193A JP11219193A JPH06299072A JP H06299072 A JPH06299072 A JP H06299072A JP 11219193 A JP11219193 A JP 11219193A JP 11219193 A JP11219193 A JP 11219193A JP H06299072 A JPH06299072 A JP H06299072A
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- Japan
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- connector ferrule
- polyphenylene sulfide
- sulfide resin
- resin composition
- molding
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- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/24—Coupling light guides
- G02B6/36—Mechanical coupling means
- G02B6/38—Mechanical coupling means having fibre to fibre mating means
- G02B6/3807—Dismountable connectors, i.e. comprising plugs
- G02B6/3833—Details of mounting fibres in ferrules; Assembly methods; Manufacture
- G02B6/3865—Details of mounting fibres in ferrules; Assembly methods; Manufacture fabricated by using moulding techniques
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/24—Coupling light guides
- G02B6/36—Mechanical coupling means
- G02B6/38—Mechanical coupling means having fibre to fibre mating means
- G02B6/3807—Dismountable connectors, i.e. comprising plugs
- G02B6/3873—Connectors using guide surfaces for aligning ferrule ends, e.g. tubes, sleeves, V-grooves, rods, pins, balls
- G02B6/3885—Multicore or multichannel optical connectors, i.e. one single ferrule containing more than one fibre, e.g. ribbon type
Landscapes
- Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 精密な成形品を射出成形するのに適したポリ
フェニレンサルファイド樹脂組成物を用いて、寸法精度
が良く、破壊靱性値が高く、高温高湿下及び温水中にお
ける寸法変化量も少なく、低接続損失である光ファイバ
用コネクタフェルールを提供する。 【構成】 リニア型若しくはセミリニア型のポリフェニ
レンサルファイド樹脂100重量部に対して、不定形
で、かつグリシドシラン系またはアミノシラン系のシラ
ンカップリング剤により表面処理されたシリカ粉末12
0〜240重量部配合したポリフェニレンサルファイド
樹脂組成物を成形してなることを特徴とする光ファイバ
用コネクタフェルール。
フェニレンサルファイド樹脂組成物を用いて、寸法精度
が良く、破壊靱性値が高く、高温高湿下及び温水中にお
ける寸法変化量も少なく、低接続損失である光ファイバ
用コネクタフェルールを提供する。 【構成】 リニア型若しくはセミリニア型のポリフェニ
レンサルファイド樹脂100重量部に対して、不定形
で、かつグリシドシラン系またはアミノシラン系のシラ
ンカップリング剤により表面処理されたシリカ粉末12
0〜240重量部配合したポリフェニレンサルファイド
樹脂組成物を成形してなることを特徴とする光ファイバ
用コネクタフェルール。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密な成形品を射出成
形するのに適したポリフェニレンサルファイド樹脂組成
物および前記樹脂組成物を用いて成形した光ファイバ用
コネクタフェルールに関するものである。
形するのに適したポリフェニレンサルファイド樹脂組成
物および前記樹脂組成物を用いて成形した光ファイバ用
コネクタフェルールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信における光ファイバの接続には、
図2のごときアダプターを用いて接続する単心用コネク
タフェルールや図1の如きガイドピンを用いて接続する
多心用のMT型コネクタフェルールなどが用いられてい
る。このようなガイドピンを用いて接続するMT型コネ
クタフェルールは、コネクタ本体1に形成されたガイド
ピン穴2にガイドピン3を挿入することにより相互の結
合が実現されるため、ガイドピン穴2を高精度に成形す
る必要がある。また、単心用コネクタフェルールは、外
周の真円度、円筒度、外径とファイバ穴との円心度、ま
た、ファイバ穴の倒れにより、接続精度が決まるため、
高度な寸法精度が要求される。そこで、従来の光ファイ
バ用コネクタフェルールの樹脂成形による製造では、成
形収縮率の低い熱可塑性樹脂または樹脂組成物、例えば
エポキシ樹脂などを用いたトランスファー成形により製
造されている。
図2のごときアダプターを用いて接続する単心用コネク
タフェルールや図1の如きガイドピンを用いて接続する
多心用のMT型コネクタフェルールなどが用いられてい
る。このようなガイドピンを用いて接続するMT型コネ
クタフェルールは、コネクタ本体1に形成されたガイド
ピン穴2にガイドピン3を挿入することにより相互の結
合が実現されるため、ガイドピン穴2を高精度に成形す
る必要がある。また、単心用コネクタフェルールは、外
周の真円度、円筒度、外径とファイバ穴との円心度、ま
た、ファイバ穴の倒れにより、接続精度が決まるため、
高度な寸法精度が要求される。そこで、従来の光ファイ
バ用コネクタフェルールの樹脂成形による製造では、成
形収縮率の低い熱可塑性樹脂または樹脂組成物、例えば
エポキシ樹脂などを用いたトランスファー成形により製
造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光ファイバ用コネクタ
フェルールを用いて光ファイバ相互の結合を低損失で実
現するには、光ファイバコア相互の結合時の軸心一致を
高精度に実現する必要がある。そして、光ファイバコア
相互の結合に用いるMT型コネクタフェルールの構造か
ら、ガイドピン3の径やコネクタフェルール本体1に設
けるガイドピン穴2のクリアランスによる位置決めの精
度が、単心コネクタフェルールにおいては、外周の真円
度、外径とファイバ穴との円心度などの精度が光ファイ
バコア相互の接続損失の程度を決定することになる。そ
こで、従来は、寸法安定性に優れセラミックスなどに比
べて生産効率が高く、価格的にも安価な熱硬化性樹脂、
例えばエポキシ樹脂がコネクタフェルールの素材に用い
られていた。
フェルールを用いて光ファイバ相互の結合を低損失で実
現するには、光ファイバコア相互の結合時の軸心一致を
高精度に実現する必要がある。そして、光ファイバコア
相互の結合に用いるMT型コネクタフェルールの構造か
ら、ガイドピン3の径やコネクタフェルール本体1に設
けるガイドピン穴2のクリアランスによる位置決めの精
度が、単心コネクタフェルールにおいては、外周の真円
度、外径とファイバ穴との円心度などの精度が光ファイ
バコア相互の接続損失の程度を決定することになる。そ
こで、従来は、寸法安定性に優れセラミックスなどに比
べて生産効率が高く、価格的にも安価な熱硬化性樹脂、
例えばエポキシ樹脂がコネクタフェルールの素材に用い
られていた。
【0004】しかし、成形品の寸法安定性を良好にする
目的で素材として用いる熱硬化性樹脂に無機充填剤を高
充填していることから、得られる成形品は脆くなり、M
T型コネクタの雄雌嵌合面の研磨時に嵌合面に欠けを生
じたり、ガイドピン3をガイドピン穴2へ挿入し結合さ
せる時に負荷が掛かり、MT型コネクタフェルールが欠
ける等の問題が生じていた。そして、MT型コネクタフ
ェルールの接続精度を制御するガイドピン間の距離が、
高温高湿下および温水中においてその変化量が大きく、
その結果接続ロスが大きくなってしまうものであった。
また、コネクタフェルールの素材が熱硬化性樹脂なの
で、プラスチック成形品としての成形サイクルタイムが
長く、また、バリの発生により一成形の毎に金型の掃除
をせねばならないなど大量生産には限度があった。
目的で素材として用いる熱硬化性樹脂に無機充填剤を高
充填していることから、得られる成形品は脆くなり、M
T型コネクタの雄雌嵌合面の研磨時に嵌合面に欠けを生
じたり、ガイドピン3をガイドピン穴2へ挿入し結合さ
せる時に負荷が掛かり、MT型コネクタフェルールが欠
ける等の問題が生じていた。そして、MT型コネクタフ
ェルールの接続精度を制御するガイドピン間の距離が、
高温高湿下および温水中においてその変化量が大きく、
その結果接続ロスが大きくなってしまうものであった。
また、コネクタフェルールの素材が熱硬化性樹脂なの
で、プラスチック成形品としての成形サイクルタイムが
長く、また、バリの発生により一成形の毎に金型の掃除
をせねばならないなど大量生産には限度があった。
【0005】本発明は、上述の如き問題に着目し、素材
として靱性を有し、高温高湿下での寸法安定性に優れ、
しかも成形サイクルタイムが短い素材を鋭意探索研究し
た結果、成形性に優れたポリフェニレンサルファイド樹
脂組成物を開発し得、また、このポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂組成物を用いて光ファイバ用コネクタフェル
ールを成形することにより、良性能の光ファイバ用コネ
クタフェルールが得られることを見出したものである。
として靱性を有し、高温高湿下での寸法安定性に優れ、
しかも成形サイクルタイムが短い素材を鋭意探索研究し
た結果、成形性に優れたポリフェニレンサルファイド樹
脂組成物を開発し得、また、このポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂組成物を用いて光ファイバ用コネクタフェル
ールを成形することにより、良性能の光ファイバ用コネ
クタフェルールが得られることを見出したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明のポリフェ
ニレンサルファイド樹脂組成物は、リニア型若しくはセ
ミリニア型のポリフェニレンサルファイド樹脂100重
量部に、球形若しくは不定形でシランカップリング剤に
より表面処理されたシリカ粉末を120〜240重量部
の配合割合で配合したことを特徴とするものである。
ニレンサルファイド樹脂組成物は、リニア型若しくはセ
ミリニア型のポリフェニレンサルファイド樹脂100重
量部に、球形若しくは不定形でシランカップリング剤に
より表面処理されたシリカ粉末を120〜240重量部
の配合割合で配合したことを特徴とするものである。
【0007】なお、本発明でいうリニア型のポリフェニ
レンサルファイド樹脂とは、熱処理を行っていない高分
子量の直鎖状ポリマーで、その溶融粘度は一例として3
00℃において1500〜2000ポイズである。ま
た、セミリニア型のポリフェニレンサルファイド樹脂と
は、中分子量の半直鎖状のポリマーである。その溶融粘
度は一例として300℃において1000〜1300ポ
イズである。本発明において、ベースポリマーを、リニ
ア型若しくはセミリニア型のポリフェニレンサルファイ
ド樹脂としたのは、これらの樹脂をベースポリマーに用
いることで、光ファイバ用コネクタフェルールの要求特
性である寸法安定性、高温流動性、高強度、耐環境性に
優れた精密な光ファイバ用コネクタフェルールの射出成
形が可能で、特に、フィラーの高充填が可能で、光ファ
イバ用コネクタフェルールのファイバピン穴の変形がな
く成形できるからである。
レンサルファイド樹脂とは、熱処理を行っていない高分
子量の直鎖状ポリマーで、その溶融粘度は一例として3
00℃において1500〜2000ポイズである。ま
た、セミリニア型のポリフェニレンサルファイド樹脂と
は、中分子量の半直鎖状のポリマーである。その溶融粘
度は一例として300℃において1000〜1300ポ
イズである。本発明において、ベースポリマーを、リニ
ア型若しくはセミリニア型のポリフェニレンサルファイ
ド樹脂としたのは、これらの樹脂をベースポリマーに用
いることで、光ファイバ用コネクタフェルールの要求特
性である寸法安定性、高温流動性、高強度、耐環境性に
優れた精密な光ファイバ用コネクタフェルールの射出成
形が可能で、特に、フィラーの高充填が可能で、光ファ
イバ用コネクタフェルールのファイバピン穴の変形がな
く成形できるからである。
【0008】これに対して、他の熱可塑性樹脂、例えば
液晶ポリマーでは、分子の配向が強いため得られる成形
品の寸法安定性が悪く強度に異方性が生じてしまう。ま
た、ポリカーボネートでは、溶融粘度が高いため成形収
縮率を低減させるための無機充填剤の充填が困難であっ
た。また、ポリエーテルサルフォンでは、成形収縮率も
小さく配向性も無く無機充填剤の充填により強化するこ
とも可能であったが、耐湿性が悪いため吸水による寸
法、重量の変化が大きく、また、無機充填剤を充填した
ときの溶融粘度が高くなり組成物の成形性が悪いもので
あった。また、架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂
では、充填剤を充填すると得られる組成物は靱性が低下
し、脆くなってしまう等の理由からである。
液晶ポリマーでは、分子の配向が強いため得られる成形
品の寸法安定性が悪く強度に異方性が生じてしまう。ま
た、ポリカーボネートでは、溶融粘度が高いため成形収
縮率を低減させるための無機充填剤の充填が困難であっ
た。また、ポリエーテルサルフォンでは、成形収縮率も
小さく配向性も無く無機充填剤の充填により強化するこ
とも可能であったが、耐湿性が悪いため吸水による寸
法、重量の変化が大きく、また、無機充填剤を充填した
ときの溶融粘度が高くなり組成物の成形性が悪いもので
あった。また、架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂
では、充填剤を充填すると得られる組成物は靱性が低下
し、脆くなってしまう等の理由からである。
【0009】本発明で、上記ポリフェニレンサルファイ
ド樹脂に配合する充填剤を、特に、球形若しくは不定形
のシランカップリング剤により表面処理したシリカ粉末
としたのは、ガラス繊維等の繊維状の充填剤では得られ
る組成物からなる成形品に異方性が生じて寸法安定性が
悪くなってしまう。また、炭酸カルシウム、タルクなど
では得られる組成物の強度が低下してしまうのに対し
て、これらの溶融シリカは線膨張係数が小さく強度保持
力も大きく樹脂との密着性がよく、得られる樹脂組成物
から高温高湿下および温水中における寸法変化量が小さ
いものが得られるためである。また、本発明で用いるシ
リカは、結晶性でも溶融により得たものでもかまわない
が、粒子径は、平均0. 5〜100μmの範囲内、特に
好ましくは1〜30μmのものである。なお、シランカ
ップリング剤としては、特にグリシドシラン、アミノシ
ランなどのシランカップリング剤で処理したものが好ま
しい。
ド樹脂に配合する充填剤を、特に、球形若しくは不定形
のシランカップリング剤により表面処理したシリカ粉末
としたのは、ガラス繊維等の繊維状の充填剤では得られ
る組成物からなる成形品に異方性が生じて寸法安定性が
悪くなってしまう。また、炭酸カルシウム、タルクなど
では得られる組成物の強度が低下してしまうのに対し
て、これらの溶融シリカは線膨張係数が小さく強度保持
力も大きく樹脂との密着性がよく、得られる樹脂組成物
から高温高湿下および温水中における寸法変化量が小さ
いものが得られるためである。また、本発明で用いるシ
リカは、結晶性でも溶融により得たものでもかまわない
が、粒子径は、平均0. 5〜100μmの範囲内、特に
好ましくは1〜30μmのものである。なお、シランカ
ップリング剤としては、特にグリシドシラン、アミノシ
ランなどのシランカップリング剤で処理したものが好ま
しい。
【0010】また、本発明においてシランカップリング
剤により表面処理したシリカ粉末の配合量を、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂100重量部に対して120〜
240重量部としたのは、120重量部未満の配合量で
は得られる樹脂組成物は機械的強度が低く、また、成形
収縮率が大きいなどの問題があり、一方、配合量が24
0重量部を超えて多量に配合すると、得られる樹脂組成
物は成形性が著しく低下するようになるためである。な
お、本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物に
は必要に応じて、ポリフェニレンサルファイド樹脂10
0重量部に対して2重量部以下の量のカーボンブラック
を配合してもよい。
剤により表面処理したシリカ粉末の配合量を、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂100重量部に対して120〜
240重量部としたのは、120重量部未満の配合量で
は得られる樹脂組成物は機械的強度が低く、また、成形
収縮率が大きいなどの問題があり、一方、配合量が24
0重量部を超えて多量に配合すると、得られる樹脂組成
物は成形性が著しく低下するようになるためである。な
お、本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物に
は必要に応じて、ポリフェニレンサルファイド樹脂10
0重量部に対して2重量部以下の量のカーボンブラック
を配合してもよい。
【0011】
【作用】ベースポリマーに、リニア型若しくはセミリニ
ア型のポリフェニレンサルファイド樹脂を用い、充填剤
にシランカップリング剤により表面処理した溶融シリカ
を配合した本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組
成物は、高温流動性、機械的強度に優れ、得られる成形
品は高温高湿下および温水中における寸法変化量も小さ
いなど寸法安定性にも優れており、ポストキュアの必要
もなく、離形性も良好であるなど精密な樹脂成形品用の
素材に好適である。また、本発明のポリフェニレンサル
ファイド樹脂組成物を用いて成形して得られた光ファイ
バ用コネクタフェルールは、破壊靱性値が高く、高温高
湿下および温水中における寸法変化量も少なく、低接続
損失である。
ア型のポリフェニレンサルファイド樹脂を用い、充填剤
にシランカップリング剤により表面処理した溶融シリカ
を配合した本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組
成物は、高温流動性、機械的強度に優れ、得られる成形
品は高温高湿下および温水中における寸法変化量も小さ
いなど寸法安定性にも優れており、ポストキュアの必要
もなく、離形性も良好であるなど精密な樹脂成形品用の
素材に好適である。また、本発明のポリフェニレンサル
ファイド樹脂組成物を用いて成形して得られた光ファイ
バ用コネクタフェルールは、破壊靱性値が高く、高温高
湿下および温水中における寸法変化量も少なく、低接続
損失である。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて説明する。 実施例1〜5、比較例1〜10 表1に示す配合割合で各成分を配合し、これを2軸混練
押出機にてコンパウンド化したそれぞれの樹脂組成物を
用いて、射出成形機により光ファイバ用MT型コネクタ
フェルールを成形した。成形したそれぞれのMT型コネ
クタフェルールについて、曲げ強度、ガイドピン穴部強
度、成形収縮率、接続損失を測定し、耐環境特性は接続
損失が0. 5dB以下のMT型コネクタフェルールにつ
いて測定した。
押出機にてコンパウンド化したそれぞれの樹脂組成物を
用いて、射出成形機により光ファイバ用MT型コネクタ
フェルールを成形した。成形したそれぞれのMT型コネ
クタフェルールについて、曲げ強度、ガイドピン穴部強
度、成形収縮率、接続損失を測定し、耐環境特性は接続
損失が0. 5dB以下のMT型コネクタフェルールにつ
いて測定した。
【0013】
【表1】
【0014】なお、それぞれの特性の測定は、以下の方
法にて行った。 〔曲げ強度〕:JISK7203(但し、エポキシ樹脂
製品はJISK6911)の規定に基く。 〔ガイドピン穴部強度〕:図3に図示した如く、上下動
させ得る試料保持部を持った試験機の前記試料保持部
に、成形したMT型コネクタフェルールの嵌合ピン穴に
嵌合ピンを4mm深さに挿入し、残余が突出する状態に
したものを保持させたのち、前記試料保持部を2mm/
minの降下速度で降下させて、下方に配置した角部材
に前記MT型コネクタフェルールの端面から突出してい
る嵌合ピンの前記端面から2. 5mmの場所を押し当て
させて嵌合ピン穴が破壊に至るまでの最大荷重を測定す
る。 〔成形収縮率〕:金型のガイドピン穴の中心点間の距離
に対する成形したMT型コネクタフェルールのガイドピ
ン穴の中心点間の距離の収縮率を測定する。 〔接続損失〕:図4に図示した如き測定系を作り、MT
型マスタコネクタからの光出力P0 (単位dB)を光パ
ワーメーターで測定する。被測定MT型コネクタプラグ
の射出端からの光出力P1 (単位dB)を光パワーメー
ターで測定する。 接続損失=光出力P0 −光出力P1 (dB)で求めた。 〔耐環境特性〕:図5に図示した如き測定系を作り、光
ファイバ用コネクタフェルールの接続部を環境試験雰囲
気に置き、雰囲気中で接続損失を測定し、初期状態での
接続損失との差を変化量として求めた。また、同様にし
てガイドピンピッチの寸法変化量も測定した。なお、高
温高湿雰囲気は60℃×95%RH×100時間、温水
浸漬は80℃×200時間とした。得られた測定結果を
表2に併記する。
法にて行った。 〔曲げ強度〕:JISK7203(但し、エポキシ樹脂
製品はJISK6911)の規定に基く。 〔ガイドピン穴部強度〕:図3に図示した如く、上下動
させ得る試料保持部を持った試験機の前記試料保持部
に、成形したMT型コネクタフェルールの嵌合ピン穴に
嵌合ピンを4mm深さに挿入し、残余が突出する状態に
したものを保持させたのち、前記試料保持部を2mm/
minの降下速度で降下させて、下方に配置した角部材
に前記MT型コネクタフェルールの端面から突出してい
る嵌合ピンの前記端面から2. 5mmの場所を押し当て
させて嵌合ピン穴が破壊に至るまでの最大荷重を測定す
る。 〔成形収縮率〕:金型のガイドピン穴の中心点間の距離
に対する成形したMT型コネクタフェルールのガイドピ
ン穴の中心点間の距離の収縮率を測定する。 〔接続損失〕:図4に図示した如き測定系を作り、MT
型マスタコネクタからの光出力P0 (単位dB)を光パ
ワーメーターで測定する。被測定MT型コネクタプラグ
の射出端からの光出力P1 (単位dB)を光パワーメー
ターで測定する。 接続損失=光出力P0 −光出力P1 (dB)で求めた。 〔耐環境特性〕:図5に図示した如き測定系を作り、光
ファイバ用コネクタフェルールの接続部を環境試験雰囲
気に置き、雰囲気中で接続損失を測定し、初期状態での
接続損失との差を変化量として求めた。また、同様にし
てガイドピンピッチの寸法変化量も測定した。なお、高
温高湿雰囲気は60℃×95%RH×100時間、温水
浸漬は80℃×200時間とした。得られた測定結果を
表2に併記する。
【0015】
【表2】
【0016】表2から明らかなように、実施例1〜5の
樹脂組成物を用いて射出成形したMT型コネクタフェル
ールは、曲げ強度はいずれも13kgf/mm2 以上、
ガイドピン穴強度は3. 0kgf以上、成形収縮率は
0. 6%以下、接続損失は0.3dB以下であり、耐環
境特性の高温高湿、温水浸漬後の寸法変化量は3. 5μ
m以下であり、接続損失変化量も0. 3dB以下であっ
た。また、ポリエーテルサルフォンをベースレジンとし
た比較例1の組成物からなるMT型コネクタフェルール
は、ガイドピンピッチの変化量が高温高湿下で7.0μ
m、温水浸漬下で13. 5μmと極めて大きいものであ
った。また、エポキシ樹脂をトランスファー成形した比
較例2のMT型コネクタフェルールは、ガイドピン穴部
強度が1.8kgfと低く、環境試験後の寸法変化量が
大きく、接続損失の変動も大きいものであった。架橋型
ポリフェニレンサルファイド樹脂をベースレジンとし、
シリカを充填剤として配合した比較例3の組成物は靱性
が低くなり、この樹脂組成物からなるMT型コネクタフ
ェルールはガイドピン穴の強度も低く、欠け易いもので
あった。ベースレジンは、本発明の実施例と同じセミリ
ニア型ポリフェニレンサルファイド樹脂であるが、充填
剤に繊維状のガラスファイバを用いた比較例4の樹脂組
成物はガラスファイバが配向し、樹脂の流れ方向と流れ
に垂直な方向で成形収縮率が0. 8%、2. 0%と異方
性が生じていた。
樹脂組成物を用いて射出成形したMT型コネクタフェル
ールは、曲げ強度はいずれも13kgf/mm2 以上、
ガイドピン穴強度は3. 0kgf以上、成形収縮率は
0. 6%以下、接続損失は0.3dB以下であり、耐環
境特性の高温高湿、温水浸漬後の寸法変化量は3. 5μ
m以下であり、接続損失変化量も0. 3dB以下であっ
た。また、ポリエーテルサルフォンをベースレジンとし
た比較例1の組成物からなるMT型コネクタフェルール
は、ガイドピンピッチの変化量が高温高湿下で7.0μ
m、温水浸漬下で13. 5μmと極めて大きいものであ
った。また、エポキシ樹脂をトランスファー成形した比
較例2のMT型コネクタフェルールは、ガイドピン穴部
強度が1.8kgfと低く、環境試験後の寸法変化量が
大きく、接続損失の変動も大きいものであった。架橋型
ポリフェニレンサルファイド樹脂をベースレジンとし、
シリカを充填剤として配合した比較例3の組成物は靱性
が低くなり、この樹脂組成物からなるMT型コネクタフ
ェルールはガイドピン穴の強度も低く、欠け易いもので
あった。ベースレジンは、本発明の実施例と同じセミリ
ニア型ポリフェニレンサルファイド樹脂であるが、充填
剤に繊維状のガラスファイバを用いた比較例4の樹脂組
成物はガラスファイバが配向し、樹脂の流れ方向と流れ
に垂直な方向で成形収縮率が0. 8%、2. 0%と異方
性が生じていた。
【0017】ベースレジンは、本発明の実施例と同じセ
ミリニア型ポリフェニレンサルファイド樹脂であるが、
充填剤に炭酸カルシウム(比較例5)、タルク(比較例
6)を用いた樹脂組成物はいずれも曲げ強度が大きく低
下していた。組成系は本発明の実施例と同じであるが、
充填剤の配合量が本発明での規定量範囲から外れている
組成の比較例7の樹脂組成物からなるMT型コネクタフ
ェルールは、成形収縮率が0. 75と大きく、また、比
較例8の樹脂組成物は成形時の流れ性が悪く、精密部品
であるMT型コネクタフェルールの成形が困難であっ
た。また、充填剤に表面処理してないシリカを用いた比
較例9の樹脂組成物からなるMT型コネクタフェルール
は、環境試験後の寸法変化量が大きく、接続損失の変化
量も本発明の実施例品に比べて大きいものであった。充
填剤にエポキシシランでカップリング処理したシリカを
用いた比較例10の樹脂組成物は曲げ強度が低く、この
樹脂組成物からなるMT型コネクタフェルールは、ガイ
ドピン穴強度が低いものであった。
ミリニア型ポリフェニレンサルファイド樹脂であるが、
充填剤に炭酸カルシウム(比較例5)、タルク(比較例
6)を用いた樹脂組成物はいずれも曲げ強度が大きく低
下していた。組成系は本発明の実施例と同じであるが、
充填剤の配合量が本発明での規定量範囲から外れている
組成の比較例7の樹脂組成物からなるMT型コネクタフ
ェルールは、成形収縮率が0. 75と大きく、また、比
較例8の樹脂組成物は成形時の流れ性が悪く、精密部品
であるMT型コネクタフェルールの成形が困難であっ
た。また、充填剤に表面処理してないシリカを用いた比
較例9の樹脂組成物からなるMT型コネクタフェルール
は、環境試験後の寸法変化量が大きく、接続損失の変化
量も本発明の実施例品に比べて大きいものであった。充
填剤にエポキシシランでカップリング処理したシリカを
用いた比較例10の樹脂組成物は曲げ強度が低く、この
樹脂組成物からなるMT型コネクタフェルールは、ガイ
ドピン穴強度が低いものであった。
【0018】
【発明の効果】本発明のポリフェニレンサルファイド樹
脂組成物は、高温流動性、機械的強度に優れ、高温高湿
下および温水中における寸法変化量も小さいなど寸法安
定性にも優れており、ポストキュアの必要もなく、離形
性も良好であるなど精密な樹脂成形品用の素材に好適で
ある。また、本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂
組成物を用いてインジェクション成形して得られた光フ
ァイバ用コネクタフェルールは、破壊靱性値が高く、高
温高湿下および温水中における寸法変化量も少なく、低
接続損失である。
脂組成物は、高温流動性、機械的強度に優れ、高温高湿
下および温水中における寸法変化量も小さいなど寸法安
定性にも優れており、ポストキュアの必要もなく、離形
性も良好であるなど精密な樹脂成形品用の素材に好適で
ある。また、本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂
組成物を用いてインジェクション成形して得られた光フ
ァイバ用コネクタフェルールは、破壊靱性値が高く、高
温高湿下および温水中における寸法変化量も少なく、低
接続損失である。
【図1】MT型コネクタフェルールの斜視説明図。
【図2】単心用コネクタフェルールによる接続部の一部
断面説明図。
断面説明図。
【図3】MT型コネクタフェルールのガイドピン穴強度
の測定方法を説明するための試験装置の概略図。
の測定方法を説明するための試験装置の概略図。
【図4】接続損失を測定する方法の測定系の概略説明
図。
図。
【図5】耐環境試験を行う方法の測定系の概略説明図。
1・・・・MT型コネクタフェルール本体 2・・・・ガイドピン穴 3・・・・ガイドピン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 光ファイバ用コネクタフェルール
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密な成形品を射出成
形するのに適したポリフェニレンサルファイド樹脂組成
物を用いて成形した光ファイバ用コネクタフェルールに
関するものである。
形するのに適したポリフェニレンサルファイド樹脂組成
物を用いて成形した光ファイバ用コネクタフェルールに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信における光ファイバの接続には、
図2のごときアダプターを用いて接続する単心用コネク
タフェルールや図1の如きガイドピンを用いて接続する
多心用のMT型コネクタフェルールなどが用いられてい
る。このようなガイドピンを用いて接続するMT型コネ
クタフェルールは、コネクタ本体1に形成されたガイド
ピン穴2にガイドピン3を挿入することにより相互の結
合が実現されるため、ガイドピン穴2を高精度に成形す
る必要がある。また、単心用コネクタフェルールは、外
周の真円度、円筒度、外径とファイバ穴との円心度、ま
た、ファイバ穴の倒れにより、接続精度が決まるため、
高度な寸法精度が要求される。そこで、従来の光ファイ
バ用コネクタフェルールの樹脂成形による製造では、成
形収縮率の低い熱硬化性樹脂または樹脂組成物、例えば
エポキシ樹脂などを用いたトランスファー成形により製
造されている。
図2のごときアダプターを用いて接続する単心用コネク
タフェルールや図1の如きガイドピンを用いて接続する
多心用のMT型コネクタフェルールなどが用いられてい
る。このようなガイドピンを用いて接続するMT型コネ
クタフェルールは、コネクタ本体1に形成されたガイド
ピン穴2にガイドピン3を挿入することにより相互の結
合が実現されるため、ガイドピン穴2を高精度に成形す
る必要がある。また、単心用コネクタフェルールは、外
周の真円度、円筒度、外径とファイバ穴との円心度、ま
た、ファイバ穴の倒れにより、接続精度が決まるため、
高度な寸法精度が要求される。そこで、従来の光ファイ
バ用コネクタフェルールの樹脂成形による製造では、成
形収縮率の低い熱硬化性樹脂または樹脂組成物、例えば
エポキシ樹脂などを用いたトランスファー成形により製
造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光ファイバ用コネクタ
フェルールを用いて光ファイバ相互の結合を低損失で実
現するには、光ファイバコア相互の結合時の軸心一致を
高精度に実現する必要がある。そして、光ファイバコア
相互の結合に用いるMT型コネクタフェルールの構造か
ら、ガイドピン3の径やコネクタフェルール本体1に設
けるガイドピン穴2のクリアランスによる位置決めの精
度が、単心コネクタフェルールにおいては、外周の真円
度、外径とファイバ穴との円心度などの精度が光ファイ
バコア相互の接続損失の程度を決定することになる。そ
こで、従来は、線膨張係数に異方性がなく、寸法安定性
に優れ、またセラミックスなどに比べて生産効率が高
く、価格的にも安価な熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹
脂がコネクタフェルールの素材に用いられていた。
フェルールを用いて光ファイバ相互の結合を低損失で実
現するには、光ファイバコア相互の結合時の軸心一致を
高精度に実現する必要がある。そして、光ファイバコア
相互の結合に用いるMT型コネクタフェルールの構造か
ら、ガイドピン3の径やコネクタフェルール本体1に設
けるガイドピン穴2のクリアランスによる位置決めの精
度が、単心コネクタフェルールにおいては、外周の真円
度、外径とファイバ穴との円心度などの精度が光ファイ
バコア相互の接続損失の程度を決定することになる。そ
こで、従来は、線膨張係数に異方性がなく、寸法安定性
に優れ、またセラミックスなどに比べて生産効率が高
く、価格的にも安価な熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹
脂がコネクタフェルールの素材に用いられていた。
【0004】しかし、成形品の寸法安定性を良好にする
目的で素材として用いる熱硬化性樹脂に無機充填剤を高
充填していることから、得られる成形品は脆くなり、M
T型コネクタの雄雌嵌合面の研磨時に嵌合面に欠けを生
じたり、ガイドピン3をガイドピン穴2へ挿入し結合さ
せる時に負荷が掛かり、MT型コネクタフェルールが欠
ける等の問題が生じていた。そして、MT型コネクタフ
ェルールの接続精度を制御するガイドピン間の距離が、
高温高湿下および温水中においてその変化量が大きく、
その結果接続ロスが大きくなってしまうものであった。
また、コネクタフェルールの素材が熱硬化性樹脂なの
で、プラスチック成形品としての成形サイクルタイムが
長く、また、バリの発生により一成形の毎に金型の掃除
をせねばならないなど大量生産には限度があった。
目的で素材として用いる熱硬化性樹脂に無機充填剤を高
充填していることから、得られる成形品は脆くなり、M
T型コネクタの雄雌嵌合面の研磨時に嵌合面に欠けを生
じたり、ガイドピン3をガイドピン穴2へ挿入し結合さ
せる時に負荷が掛かり、MT型コネクタフェルールが欠
ける等の問題が生じていた。そして、MT型コネクタフ
ェルールの接続精度を制御するガイドピン間の距離が、
高温高湿下および温水中においてその変化量が大きく、
その結果接続ロスが大きくなってしまうものであった。
また、コネクタフェルールの素材が熱硬化性樹脂なの
で、プラスチック成形品としての成形サイクルタイムが
長く、また、バリの発生により一成形の毎に金型の掃除
をせねばならないなど大量生産には限度があった。
【0005】本発明は、上述の如き問題に着目し、素材
として靱性を有し、線膨張係数が小さい上に方向性がな
く、高温高湿下での寸法安定性に優れ、しかも成形サイ
クルタイムが短い素材を鋭意探索研究した結果、成形性
に優れたポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を開発
し得、このポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を用
いて光ファイバ用コネクタフェルールを成形することに
より、良性能の光ファイバ用コネクタフェルールが得ら
れることを見出したものである。
として靱性を有し、線膨張係数が小さい上に方向性がな
く、高温高湿下での寸法安定性に優れ、しかも成形サイ
クルタイムが短い素材を鋭意探索研究した結果、成形性
に優れたポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を開発
し得、このポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を用
いて光ファイバ用コネクタフェルールを成形することに
より、良性能の光ファイバ用コネクタフェルールが得ら
れることを見出したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、リニア
型若しくはセミリニア型のポリフェニレンサルファイド
樹脂100重量部に対して、不定形で、かつグリシドシ
ラン系またはアミノシラン系のシランカップリング剤に
より表面処理されたシリカ粉末120〜240重量部配
合したポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を成形し
てなることを特徴とする光ファイバ用コネクタフェルー
ルである。
型若しくはセミリニア型のポリフェニレンサルファイド
樹脂100重量部に対して、不定形で、かつグリシドシ
ラン系またはアミノシラン系のシランカップリング剤に
より表面処理されたシリカ粉末120〜240重量部配
合したポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を成形し
てなることを特徴とする光ファイバ用コネクタフェルー
ルである。
【0007】なお、本発明でいうリニア型のポリフェニ
レンサルファイド樹脂とは、熱処理を行っていない高分
子量の直鎖状ポリマーで、その溶融粘度は一例として3
00℃において1500〜2000ポイズである。ま
た、セミリニア型のポリフェニレンサルファイド樹脂と
は、中分子量の半直鎖状のポリマーである。その溶融粘
度は一例として300℃において1000〜1300ポ
イズである。本発明において、ベースポリマーを、リニ
ア型若しくはセミリニア型のポリフェニレンサルファイ
ド樹脂としたのは、これらの樹脂をベースポリマーに用
いることで、光ファイバ用コネクタフェルールの要求特
性である寸法安定性、高温流動性、高強度、耐環境性に
優れた精密な光ファイバ用コネクタフェルールの射出成
形が可能で、特に、フィラーの高充填が可能で、光ファ
イバ用コネクタフェルールのファイバピン穴の変形がな
く成形できるからである。
レンサルファイド樹脂とは、熱処理を行っていない高分
子量の直鎖状ポリマーで、その溶融粘度は一例として3
00℃において1500〜2000ポイズである。ま
た、セミリニア型のポリフェニレンサルファイド樹脂と
は、中分子量の半直鎖状のポリマーである。その溶融粘
度は一例として300℃において1000〜1300ポ
イズである。本発明において、ベースポリマーを、リニ
ア型若しくはセミリニア型のポリフェニレンサルファイ
ド樹脂としたのは、これらの樹脂をベースポリマーに用
いることで、光ファイバ用コネクタフェルールの要求特
性である寸法安定性、高温流動性、高強度、耐環境性に
優れた精密な光ファイバ用コネクタフェルールの射出成
形が可能で、特に、フィラーの高充填が可能で、光ファ
イバ用コネクタフェルールのファイバピン穴の変形がな
く成形できるからである。
【0008】これに対して、他の熱可塑性樹脂、例えば
液晶ポリマーでは、分子の配向が強いため得られる成形
品の寸法安定性が悪く強度に異方性が生じてしまう。ま
た、ポリカーボネートでは、溶融粘度が高いため成形収
縮率を低減させるための無機充填剤の充填が困難であっ
た。また、ポリエーテルサルフォンでは、成形収縮率も
小さく配向性も無く無機充填剤の充填により強化するこ
とも可能であったが、耐湿性が悪いため吸水による寸
法、重量の変化が大きく、また、無機充填剤を充填した
ときの溶融粘度が高くなり組成物の成形性が悪いもので
あった。また、架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂
では、充填剤を充填すると得られる組成物は靱性が低下
し、脆くなってしまう等の理由からである。このような
問題点を解決した樹脂組成物としてポリフェニレンサル
ファイド樹脂をベースとした樹脂組成物(例えば、住友
ベークライト(株)製:スミコンFM−MK205、大
日本インキ(株)製:EC−40、EC−50A)が市
販されている。しかし、これらのポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂組成物を用いて光ファイバ用コネクタフェル
ールを作製した場合、いずれも曲げ強度については13
kgf/mm2以上を満足するものの、線膨張係数は異
方性が生じてしまう。
液晶ポリマーでは、分子の配向が強いため得られる成形
品の寸法安定性が悪く強度に異方性が生じてしまう。ま
た、ポリカーボネートでは、溶融粘度が高いため成形収
縮率を低減させるための無機充填剤の充填が困難であっ
た。また、ポリエーテルサルフォンでは、成形収縮率も
小さく配向性も無く無機充填剤の充填により強化するこ
とも可能であったが、耐湿性が悪いため吸水による寸
法、重量の変化が大きく、また、無機充填剤を充填した
ときの溶融粘度が高くなり組成物の成形性が悪いもので
あった。また、架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂
では、充填剤を充填すると得られる組成物は靱性が低下
し、脆くなってしまう等の理由からである。このような
問題点を解決した樹脂組成物としてポリフェニレンサル
ファイド樹脂をベースとした樹脂組成物(例えば、住友
ベークライト(株)製:スミコンFM−MK205、大
日本インキ(株)製:EC−40、EC−50A)が市
販されている。しかし、これらのポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂組成物を用いて光ファイバ用コネクタフェル
ールを作製した場合、いずれも曲げ強度については13
kgf/mm2以上を満足するものの、線膨張係数は異
方性が生じてしまう。
【0009】本発明で、上記ポリフェニレンサルファイ
ド樹脂に配合する充填剤を、特に、シランカップリング
剤により表面処理した不定形シリカ粉末としたのは、ガ
ラス繊維等の繊維状の充填剤では得られる組成物からな
る成形品に異方性が生じて寸法安定性が悪くなってしま
うからである。また、球形のシリカでは、光コネクタ嵌
合時の研磨により、シリカが脱落しやすく、その脱落し
た点が破壊の起点となってしまう。さらに、炭酸カルシ
ウム、タルクなどでは得られる組成物の強度が低下して
しまうのに対して、これらの溶融シリカは線膨張係数が
小さく強度保持力も大きく樹脂との密着性がよいので、
得られる樹脂組成物からは、高温高湿下および温水中に
おける寸法変化量が小さいものが得られる。本発明で用
いるシリカは、結晶性でも溶融により得たものでもかま
わないが、粒子径は、平均0. 5〜100μmの範囲
内、特に好ましくは1〜30μmのものである。なお、
シランカップリング剤としては、グリシドシラン系また
は、アミノシラン系のシランカップリング剤で処理した
ものが好ましく、特に、グリシドシラン系のシランカッ
プリング剤が好ましい。グリシドシラン系のシランカッ
プリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシランなどがあげられる。また、アミノシラン系の
シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルト
リエトキシシランなどがあげられる。
ド樹脂に配合する充填剤を、特に、シランカップリング
剤により表面処理した不定形シリカ粉末としたのは、ガ
ラス繊維等の繊維状の充填剤では得られる組成物からな
る成形品に異方性が生じて寸法安定性が悪くなってしま
うからである。また、球形のシリカでは、光コネクタ嵌
合時の研磨により、シリカが脱落しやすく、その脱落し
た点が破壊の起点となってしまう。さらに、炭酸カルシ
ウム、タルクなどでは得られる組成物の強度が低下して
しまうのに対して、これらの溶融シリカは線膨張係数が
小さく強度保持力も大きく樹脂との密着性がよいので、
得られる樹脂組成物からは、高温高湿下および温水中に
おける寸法変化量が小さいものが得られる。本発明で用
いるシリカは、結晶性でも溶融により得たものでもかま
わないが、粒子径は、平均0. 5〜100μmの範囲
内、特に好ましくは1〜30μmのものである。なお、
シランカップリング剤としては、グリシドシラン系また
は、アミノシラン系のシランカップリング剤で処理した
ものが好ましく、特に、グリシドシラン系のシランカッ
プリング剤が好ましい。グリシドシラン系のシランカッ
プリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシランなどがあげられる。また、アミノシラン系の
シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルト
リエトキシシランなどがあげられる。
【0010】また、本発明においてシランカップリング
剤により表面処理したシリカ粉末の配合量を、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂100重量部に対して120〜
240重量部としたのは、120重量部未満の配合量で
は得られる樹脂組成物は機械的強度が低く、また、線膨
張係数が大きいため、成形収縮率が大きいなどの問題が
あり、一方、240重量部を超えて多量に配合すると、
得られる樹脂組成物は成形性が著しく低下するようにな
り、精密成形はできない。なお、本発明のポリフェニレ
ンサルファイド樹脂組成物には必要に応じて、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂100重量部に対して2重量部
以下の量のカーボンブラックを配合してもよい。
剤により表面処理したシリカ粉末の配合量を、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂100重量部に対して120〜
240重量部としたのは、120重量部未満の配合量で
は得られる樹脂組成物は機械的強度が低く、また、線膨
張係数が大きいため、成形収縮率が大きいなどの問題が
あり、一方、240重量部を超えて多量に配合すると、
得られる樹脂組成物は成形性が著しく低下するようにな
り、精密成形はできない。なお、本発明のポリフェニレ
ンサルファイド樹脂組成物には必要に応じて、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂100重量部に対して2重量部
以下の量のカーボンブラックを配合してもよい。
【0011】
【作用】ベースポリマーに、リニア型若しくはセミリニ
ア型のポリフェニレンサルファイド樹脂を用い、充填剤
に、シランカップリング剤により表面処理した溶融シリ
カを配合したポリフェニレンサルファイド樹脂組成物で
得られる成形品は機械的強度に優れ、高温高湿下および
温水中における寸法変化量も小さいなど寸法安定性にも
優れており、ポストキュアの必要もなく、離形性も良好
であるなど精密な樹脂成形品用の素材に好適である。従
って、上記のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を
用いて成形してなる本発明の光ファイバ用コネクタフェ
ルールは、寸法精度が良く、破壊靱性値が高く、高温高
湿下および温水中における寸法変化量も少なく、低接続
損失である。
ア型のポリフェニレンサルファイド樹脂を用い、充填剤
に、シランカップリング剤により表面処理した溶融シリ
カを配合したポリフェニレンサルファイド樹脂組成物で
得られる成形品は機械的強度に優れ、高温高湿下および
温水中における寸法変化量も小さいなど寸法安定性にも
優れており、ポストキュアの必要もなく、離形性も良好
であるなど精密な樹脂成形品用の素材に好適である。従
って、上記のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を
用いて成形してなる本発明の光ファイバ用コネクタフェ
ルールは、寸法精度が良く、破壊靱性値が高く、高温高
湿下および温水中における寸法変化量も少なく、低接続
損失である。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて説明する。 実施例1〜5、比較例1〜10 表1に示す配合割合で各成分を配合し、これを2軸混練
押出機にてコンパウンド化したそれぞれの樹脂組成物を
用いて、射出成形機により光ファイバ用MT型コネクタ
フェルールを成形した。成形したそれぞれのMT型コネ
クタフェルールについて、曲げ強度、ガイドピン穴部強
度、成形収縮率、接続損失、線膨張係数を測定し、耐環
境特性は接続損失が0. 5dB以下のMT型コネクタフ
ェルールについて測定した。
押出機にてコンパウンド化したそれぞれの樹脂組成物を
用いて、射出成形機により光ファイバ用MT型コネクタ
フェルールを成形した。成形したそれぞれのMT型コネ
クタフェルールについて、曲げ強度、ガイドピン穴部強
度、成形収縮率、接続損失、線膨張係数を測定し、耐環
境特性は接続損失が0. 5dB以下のMT型コネクタフ
ェルールについて測定した。
【0013】
【表1】
【0014】なお、それぞれの特性の測定は、以下の方
法にて行った。 [曲げ強度]:JISK7203(但し、エポキシ樹脂
製品はJISK6911)に準拠する。 [ガイドピン穴部強度]:図3に図示した如く、上下動
させ得る試料保持部を持った試験機の前記試料保持部
に、成形したMT型コネクタフェルールの嵌合ピン穴に
嵌合ピンを4mm深さに挿入し、残余が突出する状態に
したものを保持させたのち、前記試料保持部を2mm/
minの降下速度で降下させて、下方に配置した角部材
に前記MT型コネクタフェルールの端面から突出してい
る嵌合ピンの前記端面から2. 5mmの場所を押し当て
させて嵌合ピン穴が破壊に至るまでの最大荷重を測定す
る。 [成形収縮率]:金型のガイドピン穴の中心点間の距離
に対する成形したMT型コネクタフェルールのガイドピ
ン穴の中心点間の距離の収縮率を測定する。 [接続損失]:図4に図示した如き測定系を作り、MT
型マスタコネクタからの光出力P0 (単位dB)を光パ
ワーメーターで測定する。被測定MT型コネクタプラグ
の射出端からの光出力P1 (単位dB)を光パワーメー
ターで測定する。 接続損失=光出力P0 −光出力P1 (dB)で求めた。 [耐環境特性]:図5に図示した如き測定系を作り、光
ファイバ用コネクタフェルールの接続部を環境試験雰囲
気に置き、雰囲気中で接続損失を測定し、初期状態での
接続損失との差を変化量として求めた。また、同様にし
てガイドピンピッチの寸法変化量も測定した。なお、高
温高湿雰囲気は60℃×95%RH×100時間、温水
浸漬は80℃×200時間とした。[線膨張係数]:JISK7197に準拠する。サンプ
ル形状は10mm(流れに垂直)×10mm(流れ方
向)×4mm(Z方向)、昇温速度は10℃/mm、T
1=0℃、T2=80℃とする。 得られた測定結果を表2
に併記する。
法にて行った。 [曲げ強度]:JISK7203(但し、エポキシ樹脂
製品はJISK6911)に準拠する。 [ガイドピン穴部強度]:図3に図示した如く、上下動
させ得る試料保持部を持った試験機の前記試料保持部
に、成形したMT型コネクタフェルールの嵌合ピン穴に
嵌合ピンを4mm深さに挿入し、残余が突出する状態に
したものを保持させたのち、前記試料保持部を2mm/
minの降下速度で降下させて、下方に配置した角部材
に前記MT型コネクタフェルールの端面から突出してい
る嵌合ピンの前記端面から2. 5mmの場所を押し当て
させて嵌合ピン穴が破壊に至るまでの最大荷重を測定す
る。 [成形収縮率]:金型のガイドピン穴の中心点間の距離
に対する成形したMT型コネクタフェルールのガイドピ
ン穴の中心点間の距離の収縮率を測定する。 [接続損失]:図4に図示した如き測定系を作り、MT
型マスタコネクタからの光出力P0 (単位dB)を光パ
ワーメーターで測定する。被測定MT型コネクタプラグ
の射出端からの光出力P1 (単位dB)を光パワーメー
ターで測定する。 接続損失=光出力P0 −光出力P1 (dB)で求めた。 [耐環境特性]:図5に図示した如き測定系を作り、光
ファイバ用コネクタフェルールの接続部を環境試験雰囲
気に置き、雰囲気中で接続損失を測定し、初期状態での
接続損失との差を変化量として求めた。また、同様にし
てガイドピンピッチの寸法変化量も測定した。なお、高
温高湿雰囲気は60℃×95%RH×100時間、温水
浸漬は80℃×200時間とした。[線膨張係数]:JISK7197に準拠する。サンプ
ル形状は10mm(流れに垂直)×10mm(流れ方
向)×4mm(Z方向)、昇温速度は10℃/mm、T
1=0℃、T2=80℃とする。 得られた測定結果を表2
に併記する。
【0015】
【表2】
【0016】表2から明らかなように、実施例1〜5の
樹脂組成物を用いて射出成形したMT型コネクタフェル
ールは、曲げ強度はいずれも13kgf/mm2以上、
ガイドピン穴強度は3. 0kgf以上、成形収縮率は
0. 6%以下、接続損失は0.3dB以下であり、耐環
境特性の高温高湿、温水浸漬後の寸法変化量は3. 5μ
m以下であり、接続損失変化量も0. 3dB以下であっ
た。また、ポリエーテルサルフォンをベースレジンとし
た比較例1の組成物からなるMT型コネクタフェルール
は、ガイドピンピッチの変化量が高温高湿下で7.0μ
m、温水浸漬下で13. 5μmと極めて大きいものであ
った。また、エポキシ樹脂をトランスファー成形した比
較例2のMT型コネクタフェルールは、ガイドピン穴部
強度が1.8kgfと低く、環境試験後の寸法変化量が
大きく、接続損失の変動も大きいものであった。架橋型
ポリフェニレンサルファイド樹脂をベースレジンとし、
シリカを充填剤として配合した比較例3の組成物は靱性
が低くなり、この樹脂組成物からなるMT型コネクタフ
ェルールはガイドピン穴の強度も低く、欠け易いもので
あった。ベースレジンは、本発明の実施例と同じセミリ
ニア型ポリフェニレンサルファイド樹脂であるが、充填
剤に繊維状のガラスファイバを用いた比較例4の樹脂組
成物はガラスファイバが配向し、樹脂の流れ方向と流れ
に垂直な方向で成形収縮率が0. 8%、2. 0%と異方
性が生じていた。
樹脂組成物を用いて射出成形したMT型コネクタフェル
ールは、曲げ強度はいずれも13kgf/mm2以上、
ガイドピン穴強度は3. 0kgf以上、成形収縮率は
0. 6%以下、接続損失は0.3dB以下であり、耐環
境特性の高温高湿、温水浸漬後の寸法変化量は3. 5μ
m以下であり、接続損失変化量も0. 3dB以下であっ
た。また、ポリエーテルサルフォンをベースレジンとし
た比較例1の組成物からなるMT型コネクタフェルール
は、ガイドピンピッチの変化量が高温高湿下で7.0μ
m、温水浸漬下で13. 5μmと極めて大きいものであ
った。また、エポキシ樹脂をトランスファー成形した比
較例2のMT型コネクタフェルールは、ガイドピン穴部
強度が1.8kgfと低く、環境試験後の寸法変化量が
大きく、接続損失の変動も大きいものであった。架橋型
ポリフェニレンサルファイド樹脂をベースレジンとし、
シリカを充填剤として配合した比較例3の組成物は靱性
が低くなり、この樹脂組成物からなるMT型コネクタフ
ェルールはガイドピン穴の強度も低く、欠け易いもので
あった。ベースレジンは、本発明の実施例と同じセミリ
ニア型ポリフェニレンサルファイド樹脂であるが、充填
剤に繊維状のガラスファイバを用いた比較例4の樹脂組
成物はガラスファイバが配向し、樹脂の流れ方向と流れ
に垂直な方向で成形収縮率が0. 8%、2. 0%と異方
性が生じていた。
【0017】ベースレジンは、本発明の実施例と同じセ
ミリニア型ポリフェニレンサルファイド樹脂であるが、
充填剤に炭酸カルシウム(比較例5)、タルク(比較例
6)を用いた樹脂組成物はいずれも曲げ強度が大きく低
下していた。組成系は本発明の実施例と同じであるが、
充填剤の配合量が本発明での規定量範囲から外れている
組成の比較例7の樹脂組成物からなるMT型コネクタフ
ェルールは、成形収縮率が0. 75と大きく、また、比
較例8の樹脂組成物は成形時の流れ性が悪く、精密部品
であるMT型コネクタフェルールの成形が困難であっ
た。また、充填剤に表面処理してないシリカを用いた比
較例9の樹脂組成物からなるMT型コネクタフェルール
は、環境試験後の寸法変化量が大きく、接続損失の変化
量も本発明の実施例品に比べて大きいものであった。充
填剤にエポキシシランでカップリング処理したシリカを
用いた比較例10の樹脂組成物は曲げ強度が低く、この
樹脂組成物からなるMT型コネクタフェルールは、ガイ
ドピン穴強度が低いものであった。
ミリニア型ポリフェニレンサルファイド樹脂であるが、
充填剤に炭酸カルシウム(比較例5)、タルク(比較例
6)を用いた樹脂組成物はいずれも曲げ強度が大きく低
下していた。組成系は本発明の実施例と同じであるが、
充填剤の配合量が本発明での規定量範囲から外れている
組成の比較例7の樹脂組成物からなるMT型コネクタフ
ェルールは、成形収縮率が0. 75と大きく、また、比
較例8の樹脂組成物は成形時の流れ性が悪く、精密部品
であるMT型コネクタフェルールの成形が困難であっ
た。また、充填剤に表面処理してないシリカを用いた比
較例9の樹脂組成物からなるMT型コネクタフェルール
は、環境試験後の寸法変化量が大きく、接続損失の変化
量も本発明の実施例品に比べて大きいものであった。充
填剤にエポキシシランでカップリング処理したシリカを
用いた比較例10の樹脂組成物は曲げ強度が低く、この
樹脂組成物からなるMT型コネクタフェルールは、ガイ
ドピン穴強度が低いものであった。
【0018】
【発明の効果】ベースポリマーに、リニア型若しくはセ
ミリニア型のポリフェニレンサルファイド樹脂を用い、
充填剤に、グリシドシラン系、またはアミノシラン系の
シランカップリング剤により表面処理した溶融シリカを
配合したポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を用い
てインジェクション成形して得られた本発明の光ファイ
バ用コネクタフェルールは、寸法精度が良く、破壊靱性
値が高く、高温高湿下および温水中における寸法変化量
も少なく、低接続損失である。
ミリニア型のポリフェニレンサルファイド樹脂を用い、
充填剤に、グリシドシラン系、またはアミノシラン系の
シランカップリング剤により表面処理した溶融シリカを
配合したポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を用い
てインジェクション成形して得られた本発明の光ファイ
バ用コネクタフェルールは、寸法精度が良く、破壊靱性
値が高く、高温高湿下および温水中における寸法変化量
も少なく、低接続損失である。
【図面の簡単な説明】
【図1】MT型コネクタフェルールの斜視説明図。
【図2】単心用コネクタフェルールによる接続部の一部
断面説明図。
断面説明図。
【図3】MT型コネクタフェルールのガイドピン穴強度
の測定方法を説明するための試験装置の概略図。
の測定方法を説明するための試験装置の概略図。
【図4】接続損失を測定する方法の測定系の概略説明
図。
図。
【図5】耐環境試験を行う方法の測定系の概略説明図。
【符号の説明】 1・・・・MT型コネクタフェルール本体 2・・・・ガイドピン穴 3・・・・ガイドピン
Claims (2)
- 【請求項1】 リニア型若しくはセミリニア型のポリフ
ェニレンサルファイド樹脂100重量部に、球形若しく
は不定形でシランカップリング剤により表面処理された
シリカ粉末を120〜240重量部の配合割合で配合し
たことを特徴とするポリフェニレンサルファイド樹脂組
成物。 - 【請求項2】 請求項1記載のポリフェニレンサルファ
イド樹脂組成物を成形してなることを特徴とする光ファ
イバ用コネクタフェルール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11219193A JPH06299072A (ja) | 1993-04-14 | 1993-04-14 | 光ファイバ用コネクタフェルール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11219193A JPH06299072A (ja) | 1993-04-14 | 1993-04-14 | 光ファイバ用コネクタフェルール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06299072A true JPH06299072A (ja) | 1994-10-25 |
Family
ID=14580544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11219193A Pending JPH06299072A (ja) | 1993-04-14 | 1993-04-14 | 光ファイバ用コネクタフェルール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06299072A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999053352A1 (fr) * | 1998-04-13 | 1999-10-21 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Piece de positionnement d'une fibre optique |
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EP1038922A2 (en) * | 1999-03-23 | 2000-09-27 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Polyarylene sulfide resin composition for optical telecommunication members |
US6347890B2 (en) | 1999-12-17 | 2002-02-19 | Furakawa Electric Co., Ltd. | Optical ferrule |
US6481900B1 (en) | 2001-06-15 | 2002-11-19 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Optical ferrule |
GB2376470A (en) * | 2001-06-13 | 2002-12-18 | Furukawa Electric Co Ltd | Optical ferrule |
JP2016514859A (ja) * | 2013-04-05 | 2016-05-23 | モレックス エルエルシー | 耐欠け性フェルール |
JPWO2016170782A1 (ja) * | 2015-04-20 | 2018-02-08 | アダマンド株式会社 | 多芯光コネクタ |
CN114350151A (zh) * | 2022-01-25 | 2022-04-15 | 潮州三环(集团)股份有限公司 | 一种mt插芯及其制备方法和应用 |
WO2022264920A1 (ja) * | 2021-06-17 | 2022-12-22 | 古河電気工業株式会社 | フェルール及びフェルールの製造方法 |
-
1993
- 1993-04-14 JP JP11219193A patent/JPH06299072A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6719927B2 (en) | 1998-08-07 | 2004-04-13 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Optical connector ferrule, mold therefor, method of manufacturing optical connector ferrule, and method of inspecting optical connector ferrule |
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CN114350151B (zh) * | 2022-01-25 | 2024-02-20 | 潮州三环(集团)股份有限公司 | 一种mt插芯及其制备方法和应用 |
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