JPH10293232A - 光コネクタ用プラスチックフェルールおよびその製造方法 - Google Patents

光コネクタ用プラスチックフェルールおよびその製造方法

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JPH10293232A
JPH10293232A JP3691198A JP3691198A JPH10293232A JP H10293232 A JPH10293232 A JP H10293232A JP 3691198 A JP3691198 A JP 3691198A JP 3691198 A JP3691198 A JP 3691198A JP H10293232 A JPH10293232 A JP H10293232A
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JP
Japan
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ferrule
resin
optical connector
optical fiber
mold
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JP3691198A
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English (en)
Inventor
Koji Sato
弘次 佐藤
Shuichi Yanagi
秀一 柳
Yoshito Shudo
義人 首藤
Masayoshi Ono
正善 大野
Yasuaki Tamura
保暁 田村
Shunichi Tono
俊一 東野
Haruki Ozawaguchi
治樹 小澤口
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シングルモードファイバの接続に使用される
光コネクタ用のフェルール樹脂射出成形によって信頼性
が良好であり接続特性が良く且つ経済的に製造する光コ
ネクタ用フェルールを提供することを課題とする。 【解決手段】 光ファイバを固定する1個の挿通孔を有
し、接続に関わる円筒部と、光コネクタ内で該円筒部を
安定に保持する保持部および光ファイバをフェルールに
挿入する挿入部とからなる光ファイバコネクタ用フェル
ールにおいて、該フェルール101が少なくともサーモ
トロピック液晶性全芳香族ポリエステルと該サーモトロ
ピック液晶性全芳香族ポリエステルの配向性を低減させ
る添加物とを含む樹脂組成物とからなると共に、該フェ
ルール円筒部の先端は角度30度から60度のテーパ部
103を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシングルモードファ
イバの接続に使用される光コネクタ用のフェルールに関
するものであり、特にフェルールを経済的に製造する事
を可能とする光コネクタ用プラスチックフェルール及び
その製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信技術の進展により、各家庭にまで
光ファイバを導入し、多彩な通信サービスを提供するこ
とが可能となりつつある。こうした光加入者系通信網の
実現のためには、経済的な光コネクタが必要である。
【0003】従来、光通信に使用する光ファイバを接続
するためには、図13で示したように、光ファイバが挿
入された二本のフェルール01A,01Bを割スリーブ
02中で整列接合させることにより行われている。な
お、図13中符号03A,03Bは光ファイバコードを
図示する。
【0004】図14はこうした目的で使用されるフェル
ール01の構造断面図であり、光ファイバ心線ガイド穴
04及びフェルール先端に一個のファイバ挿通孔05を
有している。またフェルール01はスリーブ内で接続に
直接関係する円筒部06と、光コネクタ内でフェルール
を安定に保持する保持部07と、光ファイバをフェルー
ル内に挿入する挿入部08とからなっている。
【0005】この様なフェルール01においては、下記
「表1」に示すような光ファイバ挿通孔径、光ファイバ
挿通孔の偏心量,フェルール外径,外径真円度等に、極
めて高度な寸法精度が要求される。
【0006】
【表1】
【0007】従来、フェルールの作製法としてはセラミ
ックスや金属を高精度に切削,研磨する事により作製さ
れていた。このため、製造効率が悪く、製造コストが高
くなる問題があった。こうした問題を解決するため、プ
ラスチック成形によりフェルールを作製する試みがなさ
れてきた。例えば吉澤らはフェルール樹脂のトランスフ
ァー成形によりプラスチックフェルールを作製した(研
究実用化報告、第32巻 第3号pp.831−842
(1983年)参照)。
【0008】しかしながら、当時の光ファイバはコアの
外径が50μm程度と大きなファイバ(いわゆるマルチ
モードファイバ)が主に使用されており、こうしたファ
イバの接続にはプラスチックフェルールは適用可能であ
ったものの、現状で使用されているコア外径8−10μ
mのいわゆるシングルモードファイバには適用できるも
のではない。また成形法としてトランスファー成形はバ
リ取り等の成形後の後処理や熱処理が必要であり、経済
性という観点に於いても充分なものとは言えなかった。
【0009】その後、プラスチックフェルールを作製す
る以下のようないくつかの提案がなされてきたが、いず
れもシングルモード用として充分実用に耐えうるものは
実現されていなかった。 バイコニックコネクタの提案(ATT:W.C.Young et
al.,Proc.IWCS, 1981,pp.411−418参
照) この提案は、エポキシ樹脂のトランスファー成形による
作製である。吉澤らの検討と同様、成形サイクルが長
く、バリ取り等の後処理を必要とするため、安価な作製
法とはなっていない。また、シングルモード用としては
接続特性が不満足であった。 中空パイプをフェルール外径として使用し、内部をト
ランスファー成形により樹脂化する方法の提案(住友電
工:K.Kashihara et al.,Proc.IWCS, 1987,pp.
379−381参照) この提案は、いわゆるインサート成形による作製法であ
り、経済的にフェルールを作製することはできなかっ
た。1980年代から、射出成形法の成形精度が向上し
たため、より経済的な射出成形法(連続生産が容易で、
バリ取り等の後処理を必要としない)による検討も始め
られた。成形材料としては液晶ポリマー(LCP)やポ
リフェニレンサルファイド(PPS)が比較的多く提案
された。 液晶ポリマーを用いた射出成形の提案(DuPond:M.H.
Johnson et al.,SPIEProc.,vol.1992,pp.47
−53,1993参照) この提案では、成形ショット毎にコアピンをフェルール
から抜き出す必要があり、連続生産できる手法とはなっ
ていない、また、各種環境下での信頼性に関して充分満
足するには至っていなかった。
【0010】従って、現状ではマルチモード用としては
使用可能なLCPやPPS製のプラスチックフェルール
が一部では市販される状況にはなっているものの、シン
グルモードファイバの接続に耐え得る、寸法精度,機械
的強度,各種の信頼性,等を満たしたものは得られてい
なかった。例えばシングルモードファイバの接続に要求
されるフェルールの寸法精度はそれぞれ前記「表1」の
値であることが明らかにされているが、こうした高精度
なフェルールは実現されなかった。
【0011】他方、光コネクタの接続特性は接続損失と
端面の反射減衰量により評価できるが、前者で0.5d
B以下、後者で25dB以上(Physical Contact;PC
研磨条件)および40dB以上(Advanced Physical Co
ntact ;AdPC研磨条件)の値がそれぞれ必要とされ
ている。
【0012】他方、信頼性試験においては高い温度や湿
度環境下におかれた場合、接続特性が劣化する問題も指
摘されている。この原因としてはプラスチックフェルー
ルではその成形法から、従来技術にかかる図14に示し
た光ファイバ挿通孔05の長さが1−2mmであり(ジ
ルコニアフェルールでは8mm程度)、高温,高湿下で
は光ファイバとフェルールの接着力が不足するためと推
定されている。
【0013】本発明は、シングルモードファイバの接続
に使用する光コネクタ用のプラスチックフェルールを提
供することにあり、より詳細には高い寸法精度,機
械的強度,接続信頼性,経済性,に優れたフェルー
ルを提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決を達成す
るため、請求項1に記載の本発明では、光ファイバを固
定する1個の挿通孔を有し、接続に関わる円筒部と、光
コネクタ内で該円筒部を安定に保持する保持部および光
ファイバをフェルールに挿入する挿入部とからなる光フ
ァイバコネクタ用フェルールにおいて、前記フェルール
が少なくともサーモトロピック液晶性全芳香族ポリエス
テルと前記サーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステ
ルの配向性を低減させる添加物とを含み、かつこの樹脂
組成物を射出成形した場合の樹脂の流動方向とその垂直
方向の物性値の比で表した樹脂の異方性の比が2から5
の樹脂組成物を含んでなることを特徴とするものであ
る。
【0015】請求項2に記載の本発明では、第1の発明
において、前記物性値が線膨張係数であることを特徴と
する。
【0016】請求項3に記載の本発明では、第1の発明
において、前記サーモトロピック液晶性全芳香族ポリエ
ステルが、下記構造式(1)もしくは構造式(2)のも
のであることを特徴とする。
【化3】
【0017】請求項4に記載の本発明では、第1の発明
において、前記フェルール円筒部の先端は角度30度か
ら60度のテーパを有することを特徴とする。
【0018】請求項5に記載の本発明では、第1の発明
において、前記光ファイバ挿通孔の長さが3mm以上で
あることを特徴とする。
【0019】請求項6に記載の本発明では、光ファイバ
を固定する1個の挿通孔を有し、接続に直接に関わる円
筒部と光コネクタ内で前記円筒部を安定に保持する保持
部および光ファイバをフェルールに挿入する挿入部とか
らなる光ファイバコネクタ用フェルールの製造方法にお
いて、少なくともサーモトロピック液晶性全芳香族ポリ
エステルと前記サーモトロピック液晶性全芳香族ポリエ
ステルの配向性を低減させる添加物とを含み、かつこの
樹脂組成物を射出成形した場合の樹脂の流動方向とその
垂直方向の物性値の比で表した樹脂の異方性の比が2か
ら5である樹脂組成物を、前記フェルール円筒部を形成
する、金型の型締めに伴って移動しないキャビティ部の
先端部内方に、光ファイバ挿通孔を形成する細径ピンを
設けた金型内に射出成形することにより製造する事を特
徴とする。
【0020】請求項7に記載の本発明では、第5の発明
において、前記物性値が線膨張係数であることを特徴と
する。
【0021】請求項8に記載の本発明では、第5の発明
において、前記サーモトロピック液晶性全芳香族ポリエ
ステルが、下記構造式(1)もしくは構造式(2)のも
のであることを特徴とする。
【化4】
【0022】請求項9に記載の本発明では、第5の発明
において、前記金型の樹脂流路の一部に樹脂の流動を制
御する機構を設けたことを特徴とする。
【0023】請求項10に記載の本発明では、第5の発
明において、前記金型のフェルール円筒部を形成する、
金型の型締めに伴って移動しないキャビティ部の円筒中
心位置は、光ファイバ挿通孔を形成する細径ピンの中心
位置にたいして、相対的に移動可能であることを特徴と
する。
【0024】請求項11に記載の本発明では、光ファイ
バを固定する一個の挿通孔を有し、接続に直接に関わる
円筒部と光コネクタ内で前記円筒部を安定に保持する保
持部および光ファイバをフェルールに挿入する挿入部と
からなる光ファイバコネクタ用フェルールにおいて、前
記保持部または挿入部に、前記フェルールの射出成形用
金型内における相対的位置関係を示すマークを設けたこ
とを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明者らは従来手法とその問題
点を詳細に検討した結果、以下の経緯により本発明を完
成するに至ったものである。
【0026】(1)金型構造の選定 プラスチック(樹脂)製フェルールにおいて偏芯量の低
減は最大の技術的課題である。偏芯量は採用する金型構
造に最も大きく依存するので、プラスチック(樹脂)製
フェルールにおいて偏芯量の低減は最大の技術的課題で
ある。図4及び5に代表的な金型構造を示す。図4に示
す金型構造11は、光ファイバ心線ガイド穴と光ファイ
バ挿通孔を形成するコアピン12が可動側金型13側に
設けられ、型締めにより固定側金型14のキャビティ1
5内のピン受け部16で保持される構造である。尚、図
中、符号17は樹脂流入部及び18はパーティングライ
ンを各々図示する。しかしながら、図4に示すように、
コアピン12はキャビティ中心に正確に設定されるが、
型締め時に10〜20cm程度移動する。さらに、コア
ピン12の先端細径部12aとピン受け部16には少な
くとも数μmのクリアランスが必要である。このため成
形時の樹脂流動によりコアピン12が振動し、得られた
フェルールには数μmの偏芯が生じてしまう。
【0027】図5に示す金型構造21はこうした問題を
解決するためのものであり、コアピンを固定側金型22
側に固定するものであり、移動側金型23には、固定コ
アピン24の先端の細径ピン25を受けるピンキャチッ
ャー26が設けられている。この構造では成形時に固定
コアピン24が移動することは無く、また細径ピン25
の基部が振動することが無いため、金型の偏芯を小さく
することにより、極めて偏芯の少ない成形品を得ること
ができる。
【0028】しかしながら、コアピン先端の細径ピン2
5とピンキャッチャー26との合わせ部に数μmのギャ
ップが必要であるため、成形時に樹脂が回り込み、バリ
を発生させ、連続したファイバ心線ガイド穴とファイバ
挿通孔が形成できなくなる場合がある。尚、図中、符号
27はパーティングラインを図示する。
【0029】本発明では偏芯量を低減させるため、図5
の構造の金型を使用し、バリの問題は以下に述べる成形
材料の選択により解決したものである。
【0030】ここで、ファイバ挿通孔の長さは、好まし
くは3mm以上が適当である。これは、3mmに満たな
いと、光ファイバとフェルールの接着強度が不足する問
題があるからである。
【0031】また、フェルールの先端部にはテーパを設
ける金型構造とする。このテーパを設ける理由は、フェ
ルール先端部での樹脂の冷却速度が大きく早いため、先
端部が“らっぱ”状に広がってしまう問題があるからで
ある。尚、テーパーの角度としては何ら限定されるもの
ではなく使用材料によって適宜選定されるが、25度か
ら60度、好適には30度から60度が好ましい。
【0032】(2)成形材料の選定 成形技術において成形材料の選定は最も重要な課題であ
る。例えばフェノール樹脂やエポキシ樹脂といった熱硬
化性樹脂を使用した場合、図5の金型構造における前述
のバリの発生が特に著しく、後加工が必要となり、経済
的にフェルールを得るという目的は実現されない。
【0033】一方、熱可塑性樹脂は溶融時の粘度が高い
ため、コアピンとピンキャッチャーとのギャップへの樹
脂の回り込みがなくバリの問題に対しては有利と考えら
れる。金属やセラミックス材料に替わり得るプラスチッ
ク材料は通常、エンジニアリングプラスチックと呼ば
れ、最近に到るまで各種のものが、開発されてきた。
【0034】これらの中で“汎用エンプラ”と呼ばれる
範疇に入るものとしては以下のものがあげられる。ポリ
ブチレンテレフタレート(PBT),ポリカーボネート
(PC),ポリアミド(PA),ポリフェニレンオキサ
イド(PPO),ポリアセタール(POM)
【0035】また“高性能エンプラ”と呼ばれる範疇に
は以下のものがあげられる。ポリアリレート(PA
R),ポリサルホン(PSF),ポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS),液晶ポリマー(LCP),ポリエー
テルサルホン(PES),ポリエーテルイミド(PE
I),ポリアミドイミド(PAI),ポリエーテルエー
テルケトン(PEEK),ポリイミド(PI)
【0036】各種の熱可塑性樹脂を検討した結果、液晶
ポリマー(LCP)の範疇にはいるサーモトロピック液
晶性全芳香族ポリエステルを使用すると、バリ発生の問
題が無く、また上述した「表1」に示される1μm以下
の真円度、円筒度を実現できることを見いだした。液晶
ポリマー(LCP)は一般的に、溶融状態で液晶性を示
すため、成形時の流動性が極めて良好である。このた
め、金型への樹脂の転写性がよく、高い寸法精度が実現
される。また、成形時にコアピンに対する圧力印加を小
さくすることができ、ファイバ挿通孔が3mm以上とな
っても、ピンの折れや曲がりを避けることができる。
【0037】他方、粘性のずり応力依存性が大きいた
め、金型内に流入し、流動が停止すると急速に固化す
る。このため、コアピン先端とピンキャッチャーの間に
数μmのギャップがあっても樹脂の回り込みが避けら
れ、バリの問題が生じない。
【0038】液晶ポリマーとしては様々な構造のものが
合成されており、その化学構造により物性値は大きく異
なる。本発明では、特許出願公告、特公平5−6920
3号公報に記載されている、公知の全芳香族液晶ポリエ
ステルを使用する。より具体的には「表2」に示す液晶
ポリマーの中でタイプIおよびIIのものを使用する。液
晶ポリマーは、「表2」に示すように、その荷重たわみ
温度(TDUL)により、便宜上三種に分類できる。
【0039】
【表2】
【0040】本発明で使用するタイプIおよびタイプII
構造のものは耐熱性が190℃以上あるため、各種信頼
性を実現する上で適している。タイプIII 構造の樹脂は
耐熱性が劣り、後に述べる各種の信頼性の点で劣る問題
がある。
【0041】本発明では樹脂の添加物として、サーモト
ロピック液晶性全芳香族ポリエステルの配向性を低減さ
せる添加物を使用する。液晶ポリマーの配向性は一般的
に高いため、フェルール先端部付近で、肉厚の不均一が
生ずる部分で、真円度および円筒度の低下が起きる問題
がある。
【0042】このため、樹脂の配向性を低減させる添加
物を使用する。すなわち、ガラス繊維や炭素繊維といっ
た、繊維状添加物は使用しない。具体的な樹脂の配向性
を低減させる添加物としては、ガラスビーズ,石英ビー
ズ,グラファイト,酸化亜鉛,チタン酸カリウム,酸化
亜鉛,酸化マグネシウム,酸化チタン,酸化アルミニウ
ム,チタン酸カリウム,ほう酸アルミニウム,炭化ケイ
素,窒化ケイ素,黒鉛,炭酸カルシウム,炭酸亜鉛,水
酸化マグネシウム,などの各種無機添加物が挙げられ
る。しかしながら、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0043】さらに、本発明では樹脂組成物の異方性に
着目し、その配向性が所定の範囲にある場合に極めて優
れたプラスチックフェルールが得られることを見いだし
た。樹脂組成物の異方性は樹脂組成物を射出成形した場
合の樹脂の流動方向とその垂直方向の物性値の比で表す
ことが適当であり、その比が5以下の樹脂組成物が適当
である(ただし、大きい方の値を小さい方の値で除す
る)。ここで、異方性を評価する製品形状としては通
常、樹脂の物性値の評価の際に使用されるASTM試験
サンプルや、平板形状(例えば、60×60×3mm)
が使用でき、いずれも、端面にゲートを設ける金型構造
が適当である。成形後、樹脂の流動方向とその直角方向
に適当な形状の試験片を切り出し、その物性値を評価す
れば、樹脂組成物の異方性を求めることができる。この
比が大きいほど、樹脂が流動方向に配向していることを
あらわす。
【0044】ここで、物性値としては線膨張係数、成形
収縮率、曲げ弾性率が使用できるが、線膨張係数がもっ
とも好ましく使用できる。液晶ポリマーでは通常、流動
方向の線膨張係数がその直角方向に比べて小さい。本発
明では異方性が2から5の場合に優れた結果が得られる
ことを見いだしたものである。この理由について以下に
説明する。
【0045】図15は本発明の金型構造を使用して成形
したフェルールの先端から4mmの位置の真円度を示し
たものである。ここで、異方性が異なる各種の樹脂組成
物を使用している。これから分かるように異方性が5を
越えると、真円度が1μm以上となり、成形精度が低下
する(後に述べるようにプラスチックフェルールの場
合、真円度の値としてはジルコニアに比較してマージン
がやや広く、1μm以下の値を実現すれば、必要な接続
特性が実現できる)。こうした理由は必ずしも明らかで
はないが、樹脂の異方性が大きいと、樹脂流動や冷却時
の収縮が均質でないため、成形精度が低下するものと考
えられる。
【0046】また、図16は樹脂組成物の異方性と流動
方向の線膨張係数の関係を示したものである。一般的
に、樹脂の異方性が大きいと、流動方向の線膨張係数は
低下する。光コネクタ用フェルールとしては、樹脂の線
膨張係数は低く、石英光ファイバーの線膨張係数と近い
値をとることが望ましい。図16に示されているよう
に、樹脂の配向性が2を下回ると、後に述べるヒートサ
イクル信頼性で必要とされる1.5×10-5以上の値に
なるため、適当ではない。
【0047】具体的な組成は前記した異方性を低下させ
る添加物を必要な組成に配合することにより得られる。
添加物の種類により配合比は異なるため、一般的に組成
を特定することはできない。尚、特公平5−69203
号公報にも、各種の添加物を使用することが記載されて
いるが、樹脂の異方性を増加させる繊維状添加物も含ま
れており、樹脂の異方性を適当な範囲にすることが重要
であるとの記載は全くない。このため、円柱状成形品の
真円度は2μm以上であり、本発明の目的には不十分な
特性となっている。これに対して、本発明の樹脂組成物
は上記の新しい知見に基づき、樹脂の配向性が2から5
の組成を使用したときに、極めてすぐれた効果が見いだ
されたことによる。
【0048】また、本発明の樹脂組成物には必要に応じ
て添加物の表面処理剤、着色剤、金型との離型剤、等を
加えることができる。
【0049】(3)偏芯量の制御 図5の構造の金型を採用することにより、成形時におけ
る偏芯の揺らぎを抑制することができる。しかしなが
ら、偏芯量の絶対値に関しては必ずしも0になるとは限
らない。すなわち、各金型部品の加工精度を限りなく上
げ、部品レベルとしては偏芯量を0となるように設定し
たとしても、金型部品を組み合わせるためには、最低1
−2μmのクリアランスが必要となる。従って、金型の
組み付け状態によって、期待できる偏芯量は必ずしも0
レベルにはならず、一定の偏芯が生じてしまう。
【0050】図6は本発明の第1及び第2の発明を用い
て得た、ある実験例でのプラスチックフェルールの偏芯
特性を示す図である。この成形例では平均3.7μmの
偏芯が生じている。しかしながら、偏芯のばらつきは極
めて小さい(偏差;0.2μm)。従って、偏芯特性に
関しては、偏芯量を制御する機構を設けることが、本発
明をより有効にするためには必要である。本発明では以
下(A),(B) に示す二通りの偏芯量の調整機構を使用し
て、偏芯量の低減を行っている。
【0051】(A)金型内の樹脂の流路である、ランナ
ーの一部に樹脂の流動を制御する機構を設ける。具体的
にはランナーに細径のピンを押し込む手法が適用できる
(図7)。ここで、図7(a)は流動制御用ピン31の
未挿入状態であり、図7(b),図7(c)の順でピン
31がランナー32内に深く挿入され、樹脂の流動が影
響される。この手法では±3μmの範囲で偏芯量の制御
が可能である。
【0052】(B)キャビティとコアピンの相対的位置
を変える機構を設ける。具体的には、コアピン位置を固
定し、キャビティの位置を変えるためにキャビティ部品
を図8の構成とする。挿入するゲージ41の厚みを変え
ることにより、キャビティ部品42のキャビティ43の
中心の位置を変えることができる。この手法では±10
μmの範囲で偏芯調整が可能である。尚図8中、符号4
4は調整用スペース及び45は金型ベースを各々図示す
る。
【0053】本発明では両方の手法を併用することも可
能である。先に述べたように、ジルコニアフェルールで
は偏芯0.7μm以下が必要とされている。他方、プラ
スチックフェルールの場合は偏芯1μm以下で同様の特
性が実現できる。この理由はジルコニアのような剛性が
高い材質の場合、フェルール自体の変形は全く生じ得な
い。プラスチックの場合は、一定の弾性変形が期待で
き、このことが偏芯量の許容値をやや、広いものにして
いる。詳細は実施例にて説明する。
【0054】他方本発明でフェルールの保持部または挿
入部の一部にフェルールの成形された金型内での位置を
示す、マークを設けることが有効である。この理由は以
下の通りである。すなわち、本発明のフェルールの偏芯
位置は図6に示されるように一定に位置に集中する。
【0055】偏芯の制御をした場合でもこのことは同様
である。すなわち、本発明のフェルールを使用して光接
続を行う場合、二本のフェルールが金型内での位置を基
準として同一の位置関係で対向されると、光ファイバの
相対位置は最も近くなり、接続損失が低くなる。金型内
からフェルールが突き出され、スプルー、ランナーの処
理を行うと、フェルールの金型内での位置を示すものは
無くなってしまう。このため、フェルール円筒部以外の
一部にマークを設け、この位置を参考にしてフェルール
同士の対向を行う。こうした“調芯操作”は本発明のプ
ラスチックフェルールにより初めて可能となる。これに
対して、従来のフェルールでは、ファイバを実装した各
フェルールの偏芯を個別に測定し、その結果を基にフェ
ルールにマーキングし、この位置を参考にして調芯を行
っている。こうした従来技術における工程操作が不要な
分、本発明のフェルールを使用すると光コネクタの低コ
スト化が可能となる。
【0056】また金型作製においては金型表面の面精
度、パーティング面での位置合わせ精度に注意する必要
がある。位置合わせ精度を上げるためには、インロー部
をもたせる構造,テーパーピンやコッターブロックを設
ける方法があり、適宜選択できる。また樹脂を金型内に
導入するゲートの形状としてはピンポイントゲート,リ
ングゲート,フィルムゲート,等があり、ゲートの位置
に応じて適宜選択できる。射出条件としては、射出時の
速度をより高速にした“高速射出技術(射出圧力は低下
する)”、あるいは逆にできるだけ射出速度を落とし
て、成形後の歪を低下させる“低速射出成形”技術、等
が適宜利用できる。
【0057】また使用する成形機としては金型型締圧が
比較的小さい(50t以下)、小型の射出成形機が使用
できる。通常公知の油圧式射出成形機,およびサーボモ
ーターを駆動源とする電動射出成形機,あるいは射出側
/形締め側に油圧式/電動式を使用したハイブリッド型
の装置、が使用できる。成形機で特に注意する点は金型
を取り付けて移動する移動プレートと固定プレートの平
行度である。この値が悪いと、金型の位置合わせ精度が
低下し、精密成形に適さなくなる。平行度の値としては
両プレート間の距離の誤差で規定され、少なくとも50
μm以内、より好ましくは30μm以内であることが必
要である。
【0058】
【実施例】以下、本発明の効果を示す好適な実施例を説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0059】[実施例1]図1及び図2に示す射出成形
用金型を使用して樹脂製フェルールの成形を行った。得
られたフェルールを図3に示す。ここで、図3に示すよ
うに、フェルール101のファイバ挿通孔102の長さ
Lは3.5mmとし、先端部のテーパ部103のテーパ
の角度θは40度としている。フェルール101は、光
ファイバ心線ガイド穴104を有しており、接続に直接
関係する円筒部105と、光コネクタ内でフェルールを
安定に保持する保持部106と、光ファイバをフェルー
ル内に挿入する挿入部107とからなっている。
【0060】本実施例にかかる射出成形用金型は、図1
及び図2に示すように、取付け板111に設けられた固
定側金型112と、取付け板113に設けられて図示し
ない移動手段により移動される可動側金型114とから
なり、型締めした状態で、可動側金型114、固定側金
型112の間に第一のキャビティ115Aが形成されて
いる。また、可動側金型112に保持されたピンキャッ
チャー116の貫通孔116aの一端部内に固定側金型
112に固定された固定コアピン117の先端の細径ピ
ン118が嵌入して、両端支持を行う。尚、符号119
は前述した偏芯調整用のゲージを図示する。
【0061】この状態から射出工程に移行すれば、溶融
樹脂がゲート120から第一のキャビティ115内に射
出される。先ず、樹脂は第二のキャビティ115b内に
導入され、第二のキャビティ115b及び第二のキャビ
ティ115c内に充填された溶融樹脂により、フェルー
ルの保持部106、挿入部107が形成され、また第一
のキャビティ115a内に充填された溶融樹脂によりフ
ェルールの円筒部105が形成され、中心にファイバ挿
通孔102及びファイバ心線ガイド穴104が形成され
る。ここで可動側金型114および固定側金型112
は、それぞれ可動側取り付け板111,固定側取り付け
板114を介して図示しない射出成形機の型締め盤に固
定されている。
【0062】また、本実施例では、フェルール101の
ファイバ挿入部端面側にはマーク108を設けた。ここ
で、マーク108の一例はファイバ挿入部端面の円周部
に凹部が設けられたものである。他にも、見やすく、か
つ簡便な手法で形成できる各種マークがある。
【0063】成形材料としては下記のものを使用した。
(ロットa) 全芳香族サーモトロピック液晶ポリエステル(タイプII) 60重量部 ガラスビーズ(平均粒径30μm) 40重量部 射出成形条件を「表3」に示す。
【0064】
【表3】
【0065】偏芯調整機構を使用しない場合ファイバ孔
偏芯量は平均2.8μmであったが、本文中の各手法を
使用したときそれぞれ、以下の値を得ることができた。 手法(A):平均0.5μm 手法(B):平均0.6μm 手法(A)と(B)の併用:平均0.3μm 成形品の特性を「表4」に示す。
【0066】
【表4】
【0067】これからわかるようにシングルモードファ
イバに適用できる寸法条件を満たしていた。このように
して作製したフェルールを用いて光コネクタ(SC型)
を組み立て、接続損失と反射減衰量を測定した。研磨条
件はAdPC研磨とした。フェルールのマークを利用し
て調芯を行った。結果を図9,10に示すが、シングル
モードファイバの接続として充分な特性であった。また
「表5」に各種の機械的特性,信頼性試験結果を示す
が、いずれも目標特性を満足する結果であった。
【0068】
【表5】
【0069】更に成形材料のロットを変えると共に成形
品作製数を増やし、上記と同様の評価を行った。成形材
料としては下記のものを使用した。(ロットb) 全芳香族サーモトロピック液晶ポリエステル(タイプII) 50重量部 ガラスビーズ(平均粒径30μm) 50重量部 ここで、流動方向の線膨張係数は1.2×10-5、直角
方向の線膨張係数は4.6×0-5であり、樹脂の異方性
は4.1であった。ここで、線膨張係数は30℃から1
50℃での範囲で測定したものである。射出条件は「表
3」と同様にした。
【0070】偏芯調整機構を使用しない場合ファイバ孔
偏芯量は平均2.8μmであったが、上述した偏芯調整
手法(A)及び(B)の各手法を使用したときそれぞ
れ、以下の値を得ることができた。 偏芯調整機構手法(A):平均1.5μm 偏芯調整機構手法(B):平均1.2μm 偏芯調整機構手法(A)と(B)の併用:平均0.6μ
【0071】成形品の特性を「表6」に示す。
【0072】
【表6】
【0073】成形品の特性を示す「表6」からわかるよ
うに、シングルモードファイバに適用できる寸法条件を
満たしていた。ここで、真円度は0.9μmであり、従
来のジルコニアフェルールで要求されてきた0.5μm
よりも大きな値となった。しかしながら、後で述べるよ
うに、プラスチックフェルールの場合、真円度が0.5
μm以上であっても、1μm以下の値であれば、シング
ルモード接続特性を実現できる。この理由は、真円度を
悪くしている原因は、1μm以下の微少な樹脂の突起で
あり、こうした突起は光コネクタ接続の際に摩擦によ
り、除去され、接続特性に悪影響を与えないものと推定
できる。
【0074】また、円筒度はフェルール先端から1から
3mmの値を除いて求めている。これは、フェルールの
肉厚が先端部付近で異なるために、フェルールの先端付
近に凹状の“くびれ”が生ずるためである。しかしなが
ら、このくびれは先端から、1から3mmの位置であ
り、また、単純に内側にくびれ、外側には凸状の形状を
呈しない。更に、先端と先端から3mm以上の接続部に
関しては外径差が1μm以下であるため、接続特性に顕
著な悪影響はもたらさない。このため、円筒度を求める
際に、この部分の値を除くことが実質的には有効であ
る。また、真円度と同様、円筒度の値も0.5μm以上
の値となるが、先に述べたと同様の理由により、1.5
μm以下であれば、実質、問題のないフェルールが得ら
れる。こうした事実も本発明により初めて明らかにされ
たものである。
【0075】このようにして作製したフェルールを用い
て光コネクタ(SC型)を組み立て、接続損失と反射減
衰量を測定した。ここで、成形したフェルールの中か
ら、偏芯量が1μm以下のものを選んで光コネクタとし
て使用した。研磨条件はAdPC研磨とした。フェルー
ルのマークを利用して調芯を行った。
【0076】接続損失特性の結果を図11に示すが、こ
こで図11(a)はジルコニア製のマスターコネクタ
(偏芯;0.3μm以下)とプラスチックフェルールと
の接続特性であり、図11(b)はプラスチックフェル
ール同士の接続特性である。図9に比較するとやや平均
損失は増加したが、SCコネクタでは対マスタコネクタ
で0.5dB以下の値が要求されているため、シングル
モードファイバの接続として充分な特性であった。
【0077】図12には反射減衰量の特性を示す。平均
反応減衰量として50dB以上の値が得られ、AdPC
研磨フェルールとして充分な特性を示した。図10の結
果に比較するとやや、特性は向上しているが、これは同
一の研磨条件を使用した場合、材料組成の微妙な違いに
より、フェルール表面状態もやや異なるためと推定され
る。また各種の機械的特性,信頼性試験結果は「表5」
と同様、全て目標特性を満足するレベルであった。
【0078】[実施例2〜8]実施例1において、「表
7」の樹脂組成物を使用する他は同様に操作して実施例
2〜8のプラスチックフェルールを作製した。実施例1
と同様、優れた特性を実現することができた。
【0079】
【表7】
【0080】[比較例1]実施例1において、ガラス繊
維30%入り液晶ポリマーを使用する以外は同様にして
フェルールを作製した。寸法精度を評価したところ、真
円度、円筒度がそれぞれ2μm、8μmとなり、不十分
な特性であった。また偏芯量も各調整機構を用いた場合
でも3μm以下の値を実現することはできなかった。
【0081】[比較例2]実施例1において、「表2」
に示すタイプIII 型の液晶ポリマーを使用する以外は同
様に操作してプラスチックフェルールを作製した。寸法
特性に関してはほぼ実施例1と同様の特性を実現できた
が、温湿度サイクル試験において10サイクル経過後、
反射減衰量が45dBから30dBに低下する問題が発
生した。
【0082】[比較例3]実施例1において、ファイバ
挿通孔の長さが2.5mmである以外は同様に操作して
プラスチックフェルールを作製した。寸法特性に関して
はほぼ実施例1と同様の特性を実現できたが、温湿度サ
イクル試験において、反射減衰量が初期値45dBから
±10dB変動する問題が発生した。
【0083】[比較例4]実施例1において、フェルー
ル先端のテーパー角度が20度である以外は同様にして
プラスチックフェルールを作製した。フェルール先端に
近いテーパー部以外の約1mmの範囲にわたって外径値
が目標の2.499mmに比較して6μm増加した。
【0084】[比較例5−14]実施例1において、
「表8」の樹脂組成物を使用する他は同様にしてプラス
チックフェルールを作製した。
【0085】
【表8】
【0086】比較例においては、それぞれ、表8中に示
した種々の問題が生じ、すぐれた特性のプラスチックフ
ェルールを得ることはできなかった。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、シ
ングルモードファイバの接続に使用できる、接続特性,
信頼性,経済性に優れた光コネクタ用プラスチックフェ
ルールが得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するフェルール射出成形用金型の
要部を示す断面図。
【図2】本発明で使用するフェルール射出成形用金型の
全体を示す断面図。
【図3】実施例1のプラスチックフェルールを説明する
図。
【図4】フェルール成形用金型の構造断面図。
【図5】フェルール成形用金型の構造断面図。
【図6】本発明のひとつの実験例で得られたプラスチッ
クフェルールの偏芯特性を示す図。
【図7】本発明で使用する樹脂の流動を制御する機構を
説明する図。
【図8】偏芯制御のために本発明で使用する、固定側金
型構造を示す図。
【図9】実施例1で得られたプラスチックフェルールを
使用した光コネクタの接続損失特性を示すグラフ(ロッ
トa)。
【図10】実施例1で得られたプラスチックフェルール
を使用した光コネクタの反射減衰量特性を示すグラフ
(ロットa)。
【図11】実施例1で得られたプラスチックフェルール
を使用した光コネクタの接続損失特性を示すグラフ(ロ
ットb)であり、(a)はマスターコネクタとの接続特
性を示す図、(b)はランダム接続特性を示す図。
【図12】実施例1で得られたプラスチックフェルール
を使用した光コネクタの反射減衰量特性を示すグラフ
(ロットb)。
【図13】割りスリーブ内のフェルールの嵌合状態を示
す図。
【図14】フェルールの断面図。
【図15】樹脂の異方性と得られるフェルールの真円度
との関係を示す図。
【図16】樹脂の異方性と得られるフェルールの樹脂流
動方向の線膨張係数との関係を示す図。
【符号の説明】
11 金型構造 12 コアピン 13 可動側金型 14 固定側金型 15 キャビティ 16 ピン受け部 17 樹脂流入部 18 パーティングライン 21 金型構造 22 固定側金型 23 移動側金型 24 固定コアピン 25 細径ピン 26 ピンキャチッャー 27 パーティングライン 101 フェルール 102 ファイバ挿通孔 103 テーパ部 104 光ファイバ心線ガイド穴 105 円筒部 106 保持部 107 挿入部 108 マーク 111 取付け板 112 固定側金型 113 取付け板 114 可動側金型 115 キャビティ 116 ピンキャッチャー 116a 貫通孔 117 固定コアピン 118 細径ピン 119 偏芯調整用のゲージ 120 ゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67/00 C08L 67/00 (72)発明者 大野 正善 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 田村 保暁 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 東野 俊一 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 小澤口 治樹 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバを固定する1個の挿通孔を有
    し、接続に関わる円筒部と、光コネクタ内で前記円筒部
    を安定に保持する保持部および光ファイバをフェルール
    に挿入する挿入部とからなる光ファイバコネクタ用フェ
    ルールにおいて、 前記フェルールが少なくともサーモトロピック液晶性全
    芳香族ポリエステルと前記サーモトロピック液晶性全芳
    香族ポリエステルの配向性を低減させる添加物とを含
    み、かつこの樹脂組成物を射出成形した場合の樹脂の流
    動方向とその垂直方向の物性値の比で表した樹脂の異方
    性の比が2から5の樹脂組成物を含んでなることを特徴
    とする光コネクタ用プラスチックフェルール。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、前記物性値が線
    膨張係数であることを特徴とする光コネクタ用プラスチ
    ックフェルール。
  3. 【請求項3】 請求項1記載において、前記サーモトロ
    ピック液晶性全芳香族ポリエステルが、下記構造式
    (1)もしくは構造式(2)のものであることを特徴と
    する光コネクタ用プラスチックフェルール。 【化1】
  4. 【請求項4】 請求項1記載において、前記フェルール
    円筒部の先端は角度30度から60度のテーパを有する
    ことを特徴とする光コネクタ用プラスチックフェルー
    ル。
  5. 【請求項5】 請求項1記載において、前記光ファイバ
    挿通孔の長さが3mm以上であることを特徴とする光コ
    ネクタ用プラスチックフェルール。
  6. 【請求項6】 光ファイバを固定する1個の挿通孔を有
    し、接続に直接に関わる円筒部と光コネクタ内で前記円
    筒部を安定に保持する保持部および光ファイバをフェル
    ールに挿入する挿入部とからなる光ファイバコネクタ用
    フェルールの製造方法において、 少なくともサーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステ
    ルと前記サーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステル
    の配向性を低減させる添加物とを含み、かつこの樹脂組
    成物を射出成形した場合の樹脂の流動方向とその垂直方
    向の物性値の比で表した樹脂の異方性の比が2から5で
    ある樹脂組成物を、前記フェルール円筒部を形成する、
    金型の型締めに伴って移動しないキャビティ部の先端部
    内方に、光ファイバ挿通孔を形成する細径ピンを設けた
    金型内に射出成形することにより製造する事を特徴とす
    る光コネクタ用プラスチックフェルールの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載において、前記物性値が線
    膨張係数であることを特徴とする光コネクタ用プラスチ
    ックフェルールの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5記載において、前記サーモトロ
    ピック液晶性全芳香族ポリエステルが、下記構造式
    (1)もしくは構造式(2)のものであることを特徴と
    する光コネクタ用プラスチックフェルールの製造方法。 【化2】
  9. 【請求項9】 請求項5記載において、前記金型の樹脂
    流路の一部に樹脂の流動を制御する機構を設けたことを
    特徴とする光コネクタ用プラスチックフェルールの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項5記載において、前記金型のフ
    ェルール円筒部を形成する、金型の型締めに伴って移動
    しないキャビティ部の円筒中心位置は、光ファイバ挿通
    孔を形成する細径ピンの中心位置に対して、相対的に移
    動可能であることを特徴とする、光コネクタ用プラスチ
    ックフェルールの製造方法。
  11. 【請求項11】 光ファイバを固定する1個の挿通孔を
    有し、接続に直接に関わる円筒部と光コネクタ内で前記
    円筒部を安定に保持する保持部および光ファイバをフェ
    ルールに挿入する挿入部とからなる光ファイバコネクタ
    用フェルールにおいて、前記保持部または挿入部に、前
    記フェルールの射出成形用金型内における相対的位置関
    係を示すマークを設けたことを特徴とする光コネクタ用
    プラスチックフェルール。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012135966A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Japan Crown Cork Co Ltd 合成樹脂製容器蓋を射出成形するための成形型組立体
WO2021095490A1 (ja) * 2019-11-14 2021-05-20 住友電気工業株式会社 光ファイバ接続部品及び光ファイバ接続構造

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