JP2001124954A - 光コネクタ用プラスチックフェルール - Google Patents

光コネクタ用プラスチックフェルール

Info

Publication number
JP2001124954A
JP2001124954A JP30217999A JP30217999A JP2001124954A JP 2001124954 A JP2001124954 A JP 2001124954A JP 30217999 A JP30217999 A JP 30217999A JP 30217999 A JP30217999 A JP 30217999A JP 2001124954 A JP2001124954 A JP 2001124954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ferrule
plastic
fiber
optical connector
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30217999A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshito Shudo
義人 首藤
Shuichi Yanagi
秀一 柳
Koji Sato
弘次 佐藤
Masayoshi Ono
正善 大野
Shinichi Iwano
真一 岩野
Makoto Sumita
真 住田
Shunichi Tono
俊一 東野
Kazuo Matsunaga
和夫 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP30217999A priority Critical patent/JP2001124954A/ja
Publication of JP2001124954A publication Critical patent/JP2001124954A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シングルモードファイバの接続に使用でき
る、接続特性,信頼性,経済性に優れた光コネクタ用プ
ラスチックフェルールとする。 【解決手段】 フェルール101は、少なくともサーモ
トロピック液晶性全芳香族ポリエステルと該サーモトロ
ピック液晶性全芳香族ポリエステルの配向性を低減させ
る添加物とを含む樹脂組成物からなり、フェルール10
1の円筒部105の先端の平均曲率半径がおおむね10
mm以上であり、頂点ずれ量がおおむね100μm以下
であり、ファイバ引込量がおおむね−1000nm以上
から600nmの範囲にあるようにし、シングルモード
ファイバの接続に使用できる、接続特性,信頼性,経済
性に優れた光コネクタ用プラスチックフェルールとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシングルモードファ
イバの接続に使用される光コネクタ用のフェルールに関
するものであり、特にフェルールを経済的に製造する事
を可能とする光コネクタ用プラスチックフェルールに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信技術の進展により、各家庭にまで
光ファイバを導入し、多彩な通信サービスを提供するこ
とが可能となりつつある。こうした光加入者系通信網の
実現のためには、経済的な光コネクタが必要である。従
来、光通信に使用する光ファイバを接続するためには、
図1で示したように、光ファイバが挿入された二本のフ
ェルール01A,01Bを割スリーブ02中で整列接合
させることにより行われている。なお、図中符号03
A,03Bは光ファイバコードを図示する。
【0003】図2はこうした目的で使用されるフェルー
ルの構造断面図であり、光ファイバ心線ガイド穴04及
び先端に一個のファイバ挿通孔05を有している。また
接続に直接関係する円筒部06、光コネクタ内でフェル
ールを安定に保持する保持部07、光ファイバをフェル
ール内に挿入する挿入部08、からなっている。この様
なフェルールにおいては光ファイバ挿通孔径,光ファイ
バ挿通孔の偏心量,フェルール外径,外径真円度,等
に、極めて高度な寸法精度が要求される。従来、フェル
ールの作製法としてはセラミックスや金属を高精度に切
削,研磨する事により作製されていた。このため、製造
効率が悪く、製造コストが高くなる問題があった。
【0004】こうした問題を解決するため、プラスチッ
ク成形によりフェルールを作製する試みがなされてき
た。例えばフェノール樹脂のトランスファー成形により
プラスチックフェルールを作製することが知られている
(研究実用化報告、第32巻第3号pp.831−84
2(1983年))。しかしながら当時の光ファイバは
コアの外径が50μm程度と大きな、いわゆるマルチモ
ードファイバが主に使用されており、こうしたファイバ
の接続にはプラスチックフェルールは適用可能であった
ものの、現状で使用されているコア外径8−10μmの
いわゆるシングルモードファイバには適用できるもので
はない。また成形法としてトランスファー成形はバリ取
り等の成形後の後処理や熱処理が必要であり、経済性と
いう観点においても充分なものとは言えなかった。
【0005】また経済性に優れた射出成形技術を用いて
プラスチックフェルールを作製する試みもなされた。樹
脂としては耐熱性,流動性に比較的優れたPPS(ポリ
フェニレンサルファイド)等が検討されたことが知られ
ている。しかしながらシングルモードファイバの接続に
耐え得る、寸法精度,機械的強度,各種の信頼性,等を
満たしたものは得られていなかった。例えばシングルモ
ードファイバの接続に要求されるフェルールの寸法精度
はそれぞれ以下の表1の値であることが明らかにされて
いる。
【0006】
【表1】
【0007】しかし、こうした高精度なフェルールは実
現されなかった。他方、光コネクタの接続特性は接続損
失と端面の反射減衰量により評価できるが、前者で0.
5dB以下、後者で25dB以上(Physical Contact;
PC研磨条件)および40dB以上(Advanced Physica
l Contact ;AdPC研磨条件)の値がそれぞれ必要と
されている。
【0008】また、図2で示されたフェルール構造をそ
のまま樹脂で作製する場合には、光ファイバ挿通孔径,
光ファイバ挿通孔の偏心量,フェルール外径,外径真円
度,等に、極めて高度な寸法精度が要求され、作製用金
型が複雑で高価にならざるをえなかった。他方、信頼性
試験においては高い温度や湿度環境下におかれた場合、
接続特性が劣化する問題も指摘されている。この原因と
してはプラスチックフェルールではその成形法から図2
に示される光ファイバ挿通孔の長さが1−2mmであり
(ジルコニアフェルールでは8mm程度)、高温,高湿
下では光ファイバとフェルールの接着力が不足するため
と推定されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらの課題を克服す
るために、経済性に優れた射出成形技術を用いてプラス
チックフェルールを作製した技術が知られている(特開
平11−211934号公報、特開平10−29323
2号公報参照)。樹脂としては耐熱性,流動性に優れた
サーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステルとサーモ
トロピック液晶性全芳香族ポリエステルの配向性を低減
させる添加物とを含む樹脂組成物が検討された。樹脂組
成物の樹脂流動方向とその垂直方向の線膨張率の比を2
から5の範囲に抑え、フェルール円筒部の先端が30度
から60度のテーパを有し、かつ挿通孔の長さを3mm
以上とすることで、シングルモードファイバの接続に耐
え得る、寸法精度,機械的強度,各種の信頼性,等を満
たしたプラスチックフェルールが得られた。
【0010】しかしながら、プラスチックフェルールに
関しては、これまでフェルールの円筒部の先端の平均曲
率半径,頂点ずれ量,ファイバ引込量などの端面形状パ
ラメータが明確ではなく、以下の表2のジルコニアフェ
ルールの許容範囲にのっとってAdPC研磨の良否判定
がなされていた。サーモトロピック液晶性全芳香族ポリ
エステルを主成分とする該樹脂組成物は、ジルコニアに
比べて柔らかく変形し易いために、研磨過程でファイバ
引込量が大きくなり易く、以下の表2の許容範囲で良否
判定を行なえば、研磨段階での歩留まりが著しく悪くな
るという欠点があった。
【0011】
【表2】
【0012】本発明は、上記状況に鑑みてなされたもの
で、シングルモードファイバの接続に使用する光コネク
タ用のプラスチックフェルールを提供することを目的と
し、より詳細には高い寸法精度,機械的強度,接続信頼
性,経済性,に優れたプラスチックフェルールを提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の構成は、光ファイバを固定する1個の挿通孔
を有し、接続に関わる円筒部と、光コネクタ内で該円筒
部を安定に保持する保持部および光ファイバをフェルー
ルに挿入する挿入部とからなる光ファイバコネクタ用フ
ェルールにおいて、前記フェルールが少なくともサーモ
トロピック液晶性全芳香族ポリエステルと該サーモトロ
ピック液晶性全芳香族ポリエステルの配向性を低減させ
る添加物とを含む樹脂組成物からなり、前記フェルール
の円筒部の先端の平均曲率半径がおおむね10mm以上
であり、頂点ずれ量がおおむね100μm以下であり、
ファイバ引込量がおおむね−1000nm以上から60
0nmの範囲にあることを特徴とする。
【0014】また、望ましくは、前記フェルールの円筒
部の先端の曲率半径の最大値と最小値の比がおおむね3
以下の範囲にあることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明者らは従来手法とその問題
点を詳細に検討した結果、以下の経緯により本発明を完
成するに至ったものである。
【0016】(1)成形材料の選定
【0017】成形技術において成形材料の選定は最も重
要な課題である。例えばフェノール樹脂やエポキシ樹脂
といった熱硬化性樹脂を使用した場合、バリの発生が著
しく、後加工が必要となり、経済的にフェルールを得る
という目的は実現されない。
【0018】熱可塑性樹脂は溶融時の粘度が高いため、
バリの問題に対しては有利と考えられる。各種の熱可塑
性樹脂を検討した結果、サーモトロピック液晶性全芳香
族ポリエステルを使用すると、バリ発生の問題が無く、
また前記表1に示される1μm以下の真円度,円筒度を
実現できる。液晶ポリマー(LCP)は一般的に、溶融
状態で液晶性を示すため、成形時の流動性が極めて良好
である。このため、金型への樹脂の転写性がよく、高い
寸法精度が実現される。液晶ポリマーは以下の表3に示
すようにその荷重たわみ温度により、便宜上三種に分類
できる。
【0019】
【表3】 本発明では全芳香族構造をとる、タイプIおよびタイプ
II構造のものを使用する。タイプIII 構造の樹脂は耐熱
性が劣り、後に述べる各種の信頼性の点で劣る問題があ
る。
【0020】本発明では樹脂の添加物として、サーモト
ロピック液晶性全芳香族ポリエステルの配向性を低減さ
せる添加物を使用する。液晶ポリマーの配向性は一般的
に高いため、フェルール先端部付近で、肉厚の不均一が
生ずる部分で、真円度および円筒度の低下が起きる問題
がある。このため、樹脂の配向性を低減させる添加物を
使用する。すなわち、ガラス繊維や炭素繊維といった、
繊維状の添加物は使用しない。具体的には、ガラスビー
ズ,石英ビーズ,グラファイト,酸化亜鉛,チタン酸カ
リウム,酸化亜鉛,酸化マグネシウム,酸化チタン,酸
化アルミニウム,チタン酸カリウム,ほう酸アルミニウ
ム,炭化ケイ素,窒化ケイ素,黒鉛,炭酸カルシウム,
炭酸亜鉛,水酸化マグネシウム,などの各種無機添加物
が挙げられる。添加量は樹脂の流動を低下させない範囲
で決められ、20%から70%、より好ましくは30%
から60%の範囲で適宜選択できる。
【0021】(2)プラスチックフェルールの頂点ずれ
とファイバ引込量の選定
【0022】SC形光コネクタに代表される凸球面研磨
形PC光コネクタにおいて、高信頼性を維持するために
は、フェルール端面の形状パラメータ(曲率半径,ファ
イバ引込量,頂点ずれ量)を適性値に管理する必要があ
る。現用のジルコニアフェルールについては、弾性接触
理論を基に各パラメータの許容範囲が推定されて、前記
表2のようにまとめられている。
【0023】本発明で取り上げるプラスチックフェルー
ルでは、主成分であるサーモトロピック液晶性全芳香族
ポリエステルの物性が現用のジルコニアと大きく異な
り、特に弾性率がジルコニアに比べて著しく小さい。こ
のため、プラスチックフェルール端面の形状パラメータ
の許容値は前記表2のものとはかなり異なってくる。
【0024】まず、プラスチックフェルールの頂点ずれ
がない場合を考える。図3に示すように、フェルール端
面のファイバ引込量U,曲率半径Rを示すプラスチック
フェルール同士に、押圧力Fを印加すると、フェルール
先端部が弾性変形する。この弾性変形した領域の大きさ
は接触円の半径aの大きさで見積もることができる。押
圧力Fが十分大きい場合には、弾性変形する領域が大き
くなり、フェルール内のファイバ同志が接触するように
なる。こうして光ファイバのPC接続が実現する。この
ファイバのPC接続に必要なファイバ引込量の許容上限
値Umax は、曲率半径R,押圧力Fの関数であり、次式
(1)で与えられる。
【0025】
【数1】 ここでνとEはプラスチックフェルールのポアソン比と
弾性率である。
【0026】ファイバ引込量がこのUmax よりも小さい
場合には、常にファイバのPC接続が起こる。1kgf
のバネを内蔵した通常のSCプラグの場合には、押圧力
Fとして、割スリーブのゲージ保持力0.3kgfを差
し引いた0.7kgfの値が想定される。F=0.7k
gfの場合に、プラスチックフェルールのファイバ引込
量の許容上限値Umax を曲率半径Rの関数としてプロッ
トした結果を図4に示す。この図には比較のためジルコ
ニアフェルールの計算結果も併せて示した。標準的なR
=20mmで比較すると、ジルコニアフェルールのU
max は0.19μmであるのに対し、プラスチックフェ
ルールでは1.15μmであり、プラスチックフェルー
ルの方が6倍近くファイバ引込量の許容上限値Umax
大きいことがわかる。
【0027】次に、プラスチックフェルールに頂点ずれ
がある場合(図5)を考える。頂点ずれΔが存在する場
合には、ファイバのPC接続に必要なファイバ引込量の
許容上限値Umax (Δ)は、式(1)で与えられる、頂
点ずれがない場合のUmax (0)よりも小さくなる。こ
の両者の間には、次式(2)が近似的に成立する。
【0028】
【数2】 ここでbはファイバ半径(62.5μm)である。
【0029】R=10,20,30mmの場合に、ファ
イバ引込量の許容上限値Umax を頂点ずれΔの関数とし
てプロットした結果を図6に示す。この図より、頂点ず
れ量が100μm以下に制御できている場合には、曲率
半径によらず、ファイバ引込量をおおよそ0.6μm
(600nm)以下に設定すれば、常にファイバのPC
接続が起こることがわかる。すなわち、プラスチックフ
ェルールの頂点ずれの上限値はおおむね100μm、フ
ァイバ引込量の上限値はおおむね600nmとすること
ができる。
【0030】(3)プラスチックフェルールの曲率半径
の選定
【0031】プラスチックフェルールの主成分であるサ
ーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステルに応力を印
加すると、応力の小さい場合には弾性変形が起こるが、
応力がある臨界値を越えると塑性変形が起こり、変形が
元に戻らなくなる。プラスチックフェルール同士が接触
した場合に、プラスチックフェルールの曲率半径が非常
に小さい場合には、内部に発生する応力がこの臨界応力
を越える可能性がある。したがって、プラスチックフェ
ルールの曲率半径の下限値は臨界応力の観点から選定さ
れる。
【0032】図3に示すように、プラスチックフェルー
ル同士に押圧力Fが印加すると、フェルール先端部が変
形する。この変形した領域の大きさを表す接触円の半径
aは、曲率半径R,押圧力Fの関数であり、次式(3)
で与えられる。
【数3】 プラスチックフェルール内部に発生する最大応力σmax
は、この接触円半径aと以下式(4)の関係にある。
【数4】 F=0.7kgfの場合に、プラスチックフェルールに
発生する最大応力σma x を曲率半径Rの関数としてプロ
ットした結果を図7に示す。Rの増加と共に最大応力σ
max は減少することがわかる。
【0033】プラスチックフェルールが、弾性変形領域
から塑性変形領域に転移する際の臨界応力の大きさは、
約14kgf/mm2 程度である。図7において、プラ
スチックフェルールに発生する最大応力σmax が、この
臨界応力に達する場合の曲率半径Rを見積もると、約
8.1mmであることがわかる。すなわち、R<8mm
のプラスチックフェルール同士をF=0.7kgfの押
圧力で接触させた場合には、塑性変形が起き易いことが
予想できる。
【0034】したがって、プラスチックフェルールの曲
率半径の下限値はおおむね10mmとすることができ
る。これとは反対に、Rの大きなプラスチックフェルー
ル同士を接触させると、フェルール内部に発生する応力
が小さくなり、信頼性の点からも好ましい状況になる
(図7参照)。
【0035】一方、プラスチックフェルールは柔らかく
変形し易いために、ファイバ引込量の下限値(突出し
量)は、前記表2のジルコニアフェルールの下限値(−
100nm)よりも小さく設定できる。詳細な検討の結
果、ファイバ引込量の下限値(突出し量)を−1000
nmまで小さくしても、良好な接続特性や高信頼性を維
持できることがわかった。以上の検討結果を基に、プラ
スチックフェルールの端面の形状パラメータ(曲率半
径,ファイバ引込量,頂点ずれ量)の許容範囲を以下の
表4のようにまとめることができる。
【0036】
【表4】
【0037】この表4とジルコニアフェルールの前記表
2とを比較すると、いずれのパラメータでもプラスチッ
クフェルールの方が許容範囲が広く、研磨行程での歩留
り向上に有効であることが判る。
【0038】一方、プラスチックフェルールは柔らかく
変形し易いために、研磨条件が不適切であると、Rの最
大値と最小値の比の大きなものが得られ、接続特性にバ
ラツキが生じる。図8に、Rの最大値と最小値の比と接
続損失の関係を示すが、おおよそRの最大値と最小値の
比が3以下であれば、接続損失が0.3dB以下とな
り、良好な接続特性が得られることがわかる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の効果を示す好適な実施例を説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】(実施例1)特開平10−293232号
公報もしくは特開平11−211934号公報に示され
ている射出成形用金型を使用して光コネクタ用プラスチ
ックフェルールの成形を行った。得られたフェルールを
図9に示す。
【0041】ここで、図9に示すように、フェルール1
01のファイバ挿通孔102の長さLは3.5mmと
し、先端部のテーパ部103のテーパの角度θは40度
としている。フェルール101は、光ファイバ心線ガイ
ド穴104を有しており、接続に直接関係する円筒部1
05と、光コネクタ内でフェルールを安定に保持する保
持部106と、光ファイバをフェルール内に挿入する挿
入部107とからなっている。
【0042】成形材料としては下記のものを使用した。 全芳香族サーモトロピック液晶ポリエステル(タイプII) 60重量部 ガラスビーズ(平均粒径30μm) 40重量部
【0043】射出条件を以下の表5に示す。
【表5】
【0044】得られたプラスチックフェルールの寸法特
性を以下の表6に示す。
【表6】
【0045】表6からわかるように、シングルモードフ
ァイバに適用できる寸法条件を満たしている。こうして
作製したプラスチックフェルール100個に、NTTア
ドバンステクノロジ社製POP−211型フェルール研
磨装置を用いてAdPC研磨を施した。研磨装置のプラ
スチックフェルール押圧力は100gf程度とした。
【0046】研磨条件の詳細を表7に示す。
【表7】
【0047】研磨工程は全部で4工程あり、最初の工程
でプラスチックフェルール先端部に付着した余分な光フ
ァイバ固定用接着剤を除去した。次に、研磨1および研
磨2工程でPC研磨を行ない、最後にセルロースフィル
ムシートを用いてAdPC研磨を行なった。研磨後のプ
ラスチックフェルールの端面形状パラメータを以下の表
8に示す。前記表4の許容範囲を逸脱したフェルールは
なく、研磨の歩留まりは100%であった。
【0048】
【表8】
【0049】こうして作製したプラスチックフェルール
を用いて光コネクタ(SC型)を組み立て、接続損失と
反射減衰量を測定した。結果を図10に示すが、シング
ルモードファイバの接続として充分な特性が得られた。
また、以下の表9に各種の機械的特性、信頼性試験結果
を示す。いずれも目標特性を満足する結果であった。
【0050】
【表9】
【0051】(実施例2〜5)実施例1において、フェ
ルール研磨装置のプラスチックフェルール押圧力、研磨
シートの種類、加工時間を変化させて、以下の表10の
ようにフェルール端面の形状パラメータ(曲率半径,フ
ァイバ引込量,頂点ずれ量)がそれぞれ異なるプラスチ
ックフェルールを作製した。
【0052】
【表10】
【0053】こうして作製したプラスチックフェルール
を用いて光コネクタ(SC型)を組み立て、接続損失と
反射減衰量、および各種の機械的特性、信頼性試験にお
ける接続損失変動と反射減衰量を測定した。結果を表1
0に示す。実施例1と同様に、優れた特性を実現するこ
とができた。
【0054】(比較例1〜5)実施例1において、フェ
ルール研磨装置のプラスチックフェルール押圧力、研磨
シートの種類、加工時間を変化させて、表11のように
フェルール端面の形状パラメータ(曲率半径,ファイバ
引込量,頂点ずれ量)のいずれかが表4の許容範囲をは
ずれたプラスチックフェルールを作製した。こうして作
製したプラスチックフェルールを用いて光コネクタ(S
C型)を組み立て、接続損失と反射減衰量、および各種
の機械的特性、信頼性試験における接続損失変動と反射
減衰量を測定した。結果を表11に示すが、いずれのサ
ンプルも、接続損失や反射減衰量、もしくは信頼性試験
における損失変動が目標値を上回り、実施例1〜5のよ
うな、優れた特性を実現することはできなかった。
【0055】
【表11】
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、シ
ングルモードファイバの接続に使用できる、接続特性,
信頼性,経済性に優れた光コネクタ用プラスチックフェ
ルールが得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】割スリーブ内のフェルールの嵌合状態を示す
図。
【図2】フェルールの断面図。
【図3】プラスチックフェルールのPC接続状態を示す
図。
【図4】フェルールの曲率半径とファイバ引込量の許容
上限値の関係を示す図。
【図5】頂点ずれがあるプラスチックフェルールの端面
を示す図。
【図6】プラスチックフェルールの頂点ずれ量とファイ
バ引込量の許容上限値の関係を示す図。
【図7】プラスチックフェルールの曲率半径とフェルー
ルに発生する最大応力の関係を示す図。
【図8】実施例1のプラスチックフェルールを説明する
図。
【図9】実施例1で得られたプラスチックフェルールを
使用した光コネクタの接続損失特性を示すグラフ。
【図10】実施例1で得られたプラスチックフェルール
を使用した光コネクタの反射減衰量特性を示すグラフ。
【符号の説明】
01,01A,01B,101 フェルール 02 割スリーブ 03A,03B 光ファイバコード 04,104 光ファイバ心線ガイド穴 05,102 光ファイバ挿通孔 06,105 円筒部 07,106 保持部 08,107 挿入部 103 テーパ部 108 マーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 弘次 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 大野 正善 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 岩野 真一 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 住田 真 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 東野 俊一 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 松永 和夫 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H036 QA12 QA18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバを固定する1個の挿通孔を有
    し、接続に関わる円筒部と、光コネクタ内で該円筒部を
    安定に保持する保持部および光ファイバをフェルールに
    挿入する挿入部とからなる光ファイバコネクタ用フェル
    ールにおいて、 前記フェルールが少なくともサーモトロピック液晶性全
    芳香族ポリエステルと該サーモトロピック液晶性全芳香
    族ポリエステルの配向性を低減させる添加物とを含む樹
    脂組成物からなり、 前記フェルールの円筒部の先端の平均曲率半径がおおむ
    ね10mm以上であり、頂点ずれ量がおおむね100μ
    m以下であり、ファイバ引込量がおおむね−1000n
    m以上から600nmの範囲にあることを特徴とする光
    コネクタ用プラスチックフェルール。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記フェルールの円
    筒部の先端の曲率半径の最大値と最小値の比がおおむね
    3以下の範囲にあることを特徴とする光コネクタ用プラ
    スチックフェルール。
JP30217999A 1999-10-25 1999-10-25 光コネクタ用プラスチックフェルール Pending JP2001124954A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30217999A JP2001124954A (ja) 1999-10-25 1999-10-25 光コネクタ用プラスチックフェルール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30217999A JP2001124954A (ja) 1999-10-25 1999-10-25 光コネクタ用プラスチックフェルール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001124954A true JP2001124954A (ja) 2001-05-11

Family

ID=17905892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30217999A Pending JP2001124954A (ja) 1999-10-25 1999-10-25 光コネクタ用プラスチックフェルール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001124954A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019189312A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 住友電気工業株式会社 光コネクタおよび光接続構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019189312A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 住友電気工業株式会社 光コネクタおよび光接続構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7147384B2 (en) Small form factor optical connector with thermoplastic adhesive
EP0798581B1 (en) Plastic split optical alignment sleeve for optical connectors and method of fabricating the same
EP1130435A1 (en) Plastic ferrule for optical connector
JP2911852B2 (ja) 光ファイバ伝送部材成端用のフェルール部材
KR100681166B1 (ko) 광섬유 위치 결정 부품
WO1999053352A1 (fr) Piece de positionnement d'une fibre optique
WO1990007137A1 (en) Optical fiber connecting ferrule and optical connector using same
JP3314805B2 (ja) 光コネクタ用プラスチック割りスリーブおよびその製造方法
JP2001124954A (ja) 光コネクタ用プラスチックフェルール
US5799122A (en) Multifiber optical connector
JPH1031134A (ja) 光コネクタ用プラスチック精密スリーブおよびその金型
JP3405969B2 (ja) 変換コネクタ用プラスチック割りスリーブ
JP3282106B2 (ja) 光コネクタ用プラスチック割りスリーブおよびその製造方法
JP2001174666A (ja) 光フェルール
JP2000131563A (ja) 簡易型光コネクタ
JP2007178980A (ja) フェルール保持具及びそれを用いた偏心測定装置
JP3139608B2 (ja) 光コネクタ用プラスチック精密スリーブ
JP2001147343A (ja) 光コネクタ用フェルール
JPH10293232A (ja) 光コネクタ用プラスチックフェルールおよびその製造方法
JP3642380B2 (ja) 光コネクタ用プラスチックフェルール
JPH0815568A (ja) 光コネクタ用プラスチックフェルールおよびその製造方法
JP2000180662A (ja) 光ファイバ含有プラスチックフェルールおよびその製造方法
JP4000043B2 (ja) 光フェルールとその製造方法およびこれを用いた光ファイバコネクタ
JPH1090555A (ja) 光コネクタ
JP2000121872A (ja) 光コネクタ用プラスチックフェルール及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030212