JP2002301742A - 樹脂製リングの射出成形方法 - Google Patents

樹脂製リングの射出成形方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェルド部の強度低下を抑制すると共に、高
精度の樹脂製リングを安価に製造することができる良好
な樹脂製リングの射出成形方法を提供する。 【解決手段】 本発明の樹脂製リングの射出成形方法
は、成形金型21内に形成したリング状キャビティ19の周
縁部に設けられた樹脂射出ゲート10から溶融樹脂を該リ
ング状キャビティ19内に射出することによって、軸受用
プラスチックシール20を射出成形する。リング状キャビ
ティ19におけるウェルド部P2から外れた周縁部に、溶融
樹脂の一部が流入可能な樹脂溜まり23を設ける。樹脂溜
まり23とリング状キャビティ19とを連通する連通部27
が、リング状キャビティ19から樹脂溜まり23に流入する
溶融樹脂の流入量を制限することにより、溶融樹脂は、
リング状キャビティ19内に充填された後に、樹脂溜まり
23内に充填される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂製リングの射出
成形方法に関し、特に、軸受用プラスチックシール等に
使用される樹脂製リング成形時のウェルド部の接合強度
を向上させる射出成形方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6に示したように、転がり軸受の一種
である玉軸受2は、外輪3と内輪4との間に複数個のボ
ール(転動体)5を配置したもので、各ボール5相互の
間隔は内外輪間に装着される保持器6によって保持して
いる。更に、前記玉軸受2の片面又は両面には、外部か
ら内外輪3,4間への異物の侵入防止や、充填されたグ
リース等の潤滑剤の漏れ防止のために、軸受用プラスチ
ックシール1が装着されている。
【0003】前記軸受用プラスチックシール1は、リン
グ状部材であり、その内周縁を軸受の内輪に嵌合固定す
る内輪固定タイプと、その外周縁を軸受の外輪に嵌合固
定する外輪固定タイプとがあるが、一般的にはここに示
した軸受用プラスチックシール1のような外輪固定タイ
プである。前記軸受用プラスチックシール1は、外輪3
に設けられた嵌合溝7に嵌合する取付嵌合部1aと、内
輪4に設けられたシール溝8に摺接させるか、或いは僅
かな隙間をもたせてシール溝8との間でラビリンスを形
成するリップ部1bと、これらを連結する連結部1cと
を、適宜樹脂材料による射出成形によって一体成形した
ものである。
【0004】前記軸受用プラスチックシール1が装着さ
れる外輪3の側面には、前記嵌合溝7よりも内径を小さ
く設定した最小径部7aが形成されている。前記軸受用
プラスチックシール1の取付嵌合部1aは、最小径部7
aよりも外径が大きく設定されており、該軸受用プラス
チックシール1を玉軸受2の外輪3に装着する際には、
軸受用プラスチックシール1を内方へ弾性変形させた状
態にして最小径部7aを通過させ、嵌合溝7内に挿入す
る。そして、嵌合溝外側面7bと嵌合溝内側面7cとの
間で前記取付嵌合部1aを歪ませて嵌合溝7内に緊密嵌
合させることにより、前記軸受用プラスチックシール1
が外輪3に嵌合固定される。
【0005】一方、前記軸受用プラスチックシール1の
ような樹脂製リングを射出成形する際には、図7に示し
たように、成形金型11内にリング状キャビティ9を形
成し、該リング状キャビティ9の周縁部に設けた樹脂射
出ゲート10から適宜樹脂材料を射出することで、所定
形状の樹脂製リングを成形する射出成形方法が一般的で
ある。ところが、樹脂射出ゲート10からリング状キャ
ビティ9内に射出された溶融樹脂は、キャビティ9内で
二つの流れとなった後、流動する溶融樹脂の先端部が再
び合流する部分(樹脂射出ゲート10と略反対側)にウ
ェルドラインLを生じる。
【0006】樹脂材料により異なるが、この様な射出成
形におけるウェルド部の強度が低下することは一般に良
く知られている。そこで、前記ウェルドラインを目立た
なくする方法として、前記ウェルド部にガス抜きや樹脂
溜まりを設ける方法や、溶融樹脂の温度を上げたり、金
型温度を高くするなどの成形条件による対応や、真空引
き成形、ウェルド部局部加熱などの方法が行われてき
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した如
き軸受用プラスチックシール1が、例えば高速回転され
る転がり軸受用プラスチックシール等のように、高耐久
性や高い成形精度が要求される場合は、樹脂材料として
ガラス繊維等の強化繊維を添加した繊維強化樹脂を使用
したり、あるいは、樹脂材料として液晶ポリマーを使用
して強度アップが図られている。
【0008】しかしながら、図8に示すように、ガラス
繊維等の強化繊維12を添加した繊維強化樹脂の場合に
は、ウェルド部P1において、添加した強化繊維12及
び分子鎖が流動直角方向(ウェルドラインLに沿う方
向)に揃って配向されてしまい、からみつきが発生し難
くなる。そこで、前述したウェルド部P1における接合
強度の低下現象が一層顕著になり、上述した如き従来の
射出成形方法では十分な効果を得ることが難しかった。
【0009】また、前記液晶ポリマーは、強化繊維12
を含まない非強化樹脂の場合でもウェルド部の強度が小
さく、強化繊維12を含む繊維強化樹脂の場合は更に大
きく強度が低下する。そこで、前記軸受用プラスチック
シール1の場合、軸受組立時には軸受用プラスチックシ
ール1を弾性変形させて嵌合溝7内に挿入するため、挿
入時に該軸受用プラスチックシール1がウェルド部から
割れてしまうという問題があった。
【0010】更に、上述の如きウェルド部における接合
強度の低下という問題を回避するために、樹脂射出ゲー
トをディスクゲートに変更してウェルドライン自体が発
生しないようにした樹脂製リングの射出成形方法も開発
されている。しかしながら、ディスクゲートを利用する
射出成形方法では、ゲート痕を小さくできないため、成
形品の後加工量が大幅に増大して生産コストが高価にな
るという問題が生じる。また、成形品の内外径の同軸度
も高精度化が難しく、軸受用プラスチックシールの射出
成形方法としては不適格であった。
【0011】従って、本発明の目的は上記課題を解消す
ることにあり、ウェルド部の強度低下を抑制すると共
に、高精度の樹脂製リングを安価に製造することができ
る良好な樹脂製リングの射出成形方法を提供することで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、成
形金型内に形成したリング状キャビティの周縁部に設け
られた樹脂射出ゲートから溶融樹脂を該リング状キャビ
ティ内に射出することによって、樹脂製リングを射出成
形する樹脂製リングの射出成形方法であって、前記リン
グ状キャビティにおけるウェルド部から外れた周縁部
に、溶融樹脂の一部が流入可能な樹脂溜まりを設けると
共に、前記樹脂溜まりとリング状キャビティとを連通す
る連通部が、前記リング状キャビティから前記樹脂溜ま
りに流入する溶融樹脂の流入量を制限することにより、
前記溶融樹脂が、前記リング状キャビティ内に充填され
た後に、前記樹脂溜まり内に充填されることを特徴とす
る樹脂製リングの射出成形方法により達成される。
【0013】上記構成によれば、リング状キャビティ内
に射出されて二つの流れとなった後、流動する溶融樹脂
の各先端部が再び合流するウェルド部に達し、該リング
状キャビティ内に溶融樹脂が充填された後に、樹脂溜ま
り近傍のリング状キャビティ内の溶融樹脂が射出圧力に
よって樹脂溜まり内に流入し、溶融樹脂が樹脂溜まり内
に充填される。
【0014】そこで、ウェルド部で対向して合流する溶
融樹脂の各先端部における圧力均衡が崩れ、周方向に沿
って前記樹脂溜まり側に樹脂流動が起こるので、各溶融
樹脂の対向面は前記樹脂溜まり側に突出した非平坦な形
状となる。従って、前記ウェルド部では合流する溶融樹
脂の接触面積が増加し、分子鎖も流動方向に配向される
ので、該ウェルド部での樹脂の接合強度が高くなる。
【0015】尚、好ましくは前記連通部の開口横断面積
が、前記リング状キャビティの開口横断面積よりも小さ
くされる。この場合、樹脂溜まりの容量を必要最小限の
大きさとした状態で、前記溶融樹脂が、前記リング状キ
ャビティ内に充填された後に、前記樹脂溜まり内に充填
されるように構成することができる。
【0016】又、好ましくは前記樹脂溜まりが、前記リ
ング状キャビティの周縁部における前記樹脂射出ゲート
と前記ウェルド部との間で、且つ前記樹脂射出ゲートか
ら5/6の範囲内に設けられる。上述の範囲内に前記樹
脂溜まりの装備位置を設定することにより、ウェルド部
での十分な樹脂流動を発生させ、より高い接合強度を得
ることができる。
【0017】更に、好ましくは前記樹脂溜まりが、前記
成形金型における突出しピンとの間に形成される。この
場合、突出しピンの長さを変更することにより、樹脂溜
まりの容量を容易に変更することができる。尚、本発明
の樹脂製リングの射出成形方法における樹脂材料として
は、ガラス繊維等の強化繊維を添加した繊維強化樹脂
や、液晶ポリマーを用いることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の一実施形態に係る樹脂製リングの射出成形方法を詳細
に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る樹脂製リ
ングの射出成形方法を説明する成形金型の部分水平断面
図、図2は図1におけるII-II 断面矢視図である。
【0019】本実施形態に係る樹脂製リングの射出成形
方法は、図1及び図2に示したように、成形金型21内
に形成したリング状キャビティ19の周縁部に設けた樹
脂射出ゲート10から前記リング状キャビティ19内に
溶融樹脂を射出することで、樹脂製リングである所定形
状の軸受用プラスチックシール20を製造するものであ
る。
【0020】そして、前記リング状キャビティ19の周
縁部上で、前記樹脂射出ゲート10のゲート位置からリ
ング状キャビティ19の周方向に約半周分進んだウェル
ド部P2と前記樹脂射出ゲート10との間に、リング状
キャビティ19内に射出された溶融樹脂の一部が流入可
能な樹脂溜まり23が設けられている。尚、本実施形態
の場合、前記樹脂溜まり23の形成位置は、図1に示し
たように、前記樹脂射出ゲート10の形成位置から周方
向に沿って約45゜移動した位置である。
【0021】前記樹脂溜まり23は、前記リング状キャ
ビティ19の開口横断面積よりも小さい開口横断面積を
備えた連通部27を介してリング状キャビティ19に連
通されている。そして、前記樹脂射出ゲート10から前
記リング状キャビティ19内に溶融樹脂が射出された
際、前記リング状キャビティ19から前記樹脂溜まり2
3に流入する溶融樹脂は、前記連通部27によって流入
量が制限される。
【0022】即ち、前記リング状キャビティ19内に射
出されて二つの流れとなった後、流動する溶融樹脂の各
先端部が再び合流するウェルド部P2に達し、該リング
状キャビティ19内に溶融樹脂が充填された時点で、図
2に示したように、前記樹脂溜まり23内には空所23
aが残るように、前記連通部27の開口横断面積及び樹
脂溜まり23の容量が設定される。尚、本実施形態の場
合、前記樹脂溜まり23が、図2に示したように、成形
金型21における突出しピン25との間に形成されてお
り、該樹脂溜まり23の容量は、金型の手直しを行わず
とも前記突出しピン25の長さの変更によって容易に調
整が可能になっている。
【0023】そこで、前記溶融樹脂は、二つの流れとな
った溶融樹脂の各先端部がウェルド部P2に到達して前
記リング状キャビティ19内に充填された後に、樹脂溜
まり23近傍のリング状キャビティ19内の一部の溶融
樹脂が射出圧力によって樹脂溜まり23内に流入し、該
樹脂溜まり23内に充填される。
【0024】即ち、ウェルド部P2で対向して合流する
溶融樹脂の各先端部における圧力均衡が崩れ、周方向に
沿って前記樹脂溜まり23側に樹脂流動が起こるので、
各溶融樹脂の対向面Zは、図1及び図3に示したよう
に、中央部が前記樹脂溜まり23側に突出した非平坦な
凸形状となる。従って、前記ウェルド部P2では合流す
る溶融樹脂の接触面積が増加し、分子鎖が流動方向に配
向されるので、該ウェルド部P2での樹脂の接合強度が
高くなる。
【0025】又、本実施形態は軸受用プラスチックシー
ル20を製造するものであるので、図3に示したよう
に、樹脂材料としてはガラス繊維(グラスファイバー)
等の強化繊維12を添加した繊維強化樹脂や液晶ポリマ
ーが用いられるが、ウェルド部P2において、前記対向
面Zが一方に凸形状となるので、添加した強化繊維12
も流動方向に配向され、からみつきが発生する。
【0026】そこで、前記軸受用プラスチックシール2
0が、強化繊維12を添加した液晶ポリマーから成ると
共に、上述の如き成形金型21を用いて射出成形される
にもかかわらず、ウェルド部P2における接合強度の低
下を抑えることができた。又、上述した本実施形態の射
出成形方法は、基本的には、リング状キャビティ19の
周縁に装備した単一の樹脂射出ゲート10から溶融樹脂
を射出する成形方法である。
【0027】そこで、ディスクゲートを利用する従来の
射出成形方法のように、ゲート痕が大きくなることはな
く、成形金型21から取り出した成形品は、樹脂射出ゲ
ート10と連通部27とを切断するだけでよいので、成
形品の後加工量が大幅に増大して生産コストが高価にな
るのを抑えることができる。又、成形品の内外径の同軸
度も高精度化が図り難くなることもない。
【0028】従って、上述した本実施形態における樹脂
製リングの射出成形方法により成形された軸受用プラス
チックシール20は、強化繊維12を添加した液晶ポリ
マーが使用されるにもかかわらず、軸受組立時に弾性変
形されてもウェルド部から割れてしまうことがない。そ
こで、軸受用プラスチックシール20は、強度アップを
図り、高耐久性や高い成形精度を達成することができ
る。
【0029】尚、上記実施形態においては、樹脂溜まり
23が前記リング状キャビティ19の開口横断面積より
も小さい開口横断面積を備えた連通部27を介してリン
グ状キャビティ19に連通されているので、該樹脂溜ま
り23の容量を必要最小限の大きさとした状態で、溶融
樹脂が前記リング状キャビティ19内に充填された後
に、前記樹脂溜まり23内に充填されるように構成する
ことができる。そこで、前記樹脂溜まり23に流入する
溶融樹脂の流入量を低減し、樹脂材料の無駄を最小限と
することができると共に、成形金型21が大型化するの
を抑制することができた。
【0030】図4に示した成形金型31は、樹脂溜まり
23の形成位置を樹脂射出ゲート10の形成位置から周
方向に沿って約150゜移動した位置に変更すると共
に、断面形状を変更した以外は、上記成形金型21と同
様の構成である。そして、前記成形金型31を用いて軸
受用プラスチックシール20を製造したところ、上記成
形金型21を用いた場合と同様の作用効果を得ることが
でき、強化繊維12を添加した液晶ポリマーを使用して
も、軸受組立時にウェルド部から割れてしまうことがな
く、強度アップを図ると共に高耐久性や高い成形精度を
達成することができた。
【0031】但し、前記樹脂溜まり23の形成位置をそ
れ以上ウェルド部P2に近づけた成形金型を用いて軸受
用プラスチックシール20を成形した場合には、該ウェ
ルド部P2における接合強度の向上が期待したほど得ら
れなかった。これは、前記樹脂溜まり23の形成位置が
ウェルド部P2に近いと、該ウェルド部P2で対向して
合流する溶融樹脂の圧力均衡が崩れることによる樹脂流
動が少なくなり、各溶融樹脂の対向面が非平坦になるウ
ェルド部の形成が困難になる為と推測される。
【0032】従って、ウェルド部P2付近における溶融
樹脂の周方向への樹脂流動を大きくし、各溶融樹脂の対
向面の非平坦化によるウェルド部の接合強度の向上を図
る為には、前記樹脂溜まり23が、前記リング状キャビ
ティ19の周縁部における前記樹脂射出ゲート10と前
記ウェルド部P2との間で、且つ前記樹脂射出ゲート1
0から5/6の範囲内に設けられることが好ましい。
【0033】尚、本発明の射出成形方法は、上記実施形
態における軸受用プラスチックシールの射出成形方法に
限定されるものではなく、一般的な樹脂製リング全般に
適用することができる。勿論、樹脂材料としても繊維強
化樹脂や液晶ポリマーに限らず、通常の樹脂を用いるこ
ともできる。又、上記実施形態の金型は、サイドゲート
であるが、これに限定されるものではなく、サブマリン
ゲート他にも適用できることは言うまでもない。
【0034】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明の樹脂製リン
グの射出成形方法による効果を明らかにするため、上記
実施形態における成形金型21を用いた本発明の樹脂製
リングの射出成形方法で形成した軸受用プラスチックシ
ール20を実施例品とすると共に、図7に示した成形金
型11を用いた従来の樹脂製リングの射出成形方法で形
成した軸受用プラスチックシール1を比較例品とし、そ
れぞれの曲げ強度を測定した。
【0035】そして、前記比較例品の曲げ強度を1とし
た場合の前記実施例品の曲げ強度を相対比較し、その結
果を図5のグラフに示した。尚、樹脂材料としては、液
晶ポリマーにグラスファイバーを30wt%充填した樹
脂を用いた。図5のグラフから明らかなように、本発明
の樹脂製リングの射出成形方法で形成した実施例品は、
比較例品の5倍以上の曲げ強度を達成した。また、上記
実施例品の軸受への組み込み試験においても、ウェルド
部の割れは発生しなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明の樹脂製リングの射出成形方法に
よれば、リング状キャビティ内に射出されて二つの流れ
となった後、流動する溶融樹脂の各先端部が再び合流す
るウェルド部に達し、該リング状キャビティ内に溶融樹
脂が充填された後に、樹脂溜まり近傍のリング状キャビ
ティ内の溶融樹脂が射出圧力によって樹脂溜まり内に流
入し、溶融樹脂が樹脂溜まり内に充填される。
【0037】そこで、ウェルド部で対向して合流する溶
融樹脂の各先端部における圧力均衡が崩れ、周方向に沿
って前記樹脂溜まり側に樹脂流動が起こるので、各溶融
樹脂の対向面は前記樹脂溜まり側に突出した非平坦な形
状となる。従って、前記ウェルド部では合流する溶融樹
脂の接触面積が増加し、分子鎖も流動方向に配向される
ので、該ウェルド部での樹脂の接合強度が高くなる。
【0038】更に、ディスクゲートを利用する従来の射
出成形方法のように、ゲート痕が大きくなることはな
く、成形金型から取り出した成形品は、樹脂射出ゲート
と連通部とを切断するだけでよいので、成形品の後加工
量が大幅に増大して生産コストが高価になるのを抑える
ことができる。従って、ウェルド部の強度低下を抑制す
ると共に、高精度の樹脂製リングを安価に製造すること
ができる良好な樹脂製リングの射出成形方法を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る樹脂製リングの射出
成形方法を説明する成形金型の部分水平断面図である。
【図2】図1におけるII-II 断面矢視図である。
【図3】図1に示した成形金型のリング状キャビティ内
におけるウェルド部での溶融樹脂の状態を示す概略説明
図である。
【図4】本発明の他の実施形態における成形金型の部分
水平断面図である。
【図5】本発明の実施例による曲げ強度の強さを示すグ
ラフである。
【図6】軸受用プラスチックシールを備えた玉軸受の要
部断面図である。
【図7】従来の樹脂製リングの射出成形方法を説明する
成形金型の部分水平断面図である。
【図8】図7に示した成形金型のリング状キャビティ内
におけるウェルド部での溶融樹脂の状態を示す概略説明
図である。
【符号の説明】
10 樹脂射出ゲート 19 リング状キャビティ 20 軸受用プラスチックシール(樹脂製リング) 21 成形金型 23 樹脂溜まり 25 突出しピン 27 連通部 P2 ウェルド部
フロントページの続き (72)発明者 内山 貴彦 神奈川県藤沢市鵠沼神明1丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 横山 景介 神奈川県藤沢市鵠沼神明1丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AG13 AH13 AH14 AM36 CA11 CB01 CK07 CK85

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形金型内に形成したリング状キャビテ
    ィの周縁部に設けられた樹脂射出ゲートから溶融樹脂を
    該リング状キャビティ内に射出することによって、樹脂
    製リングを射出成形する樹脂製リングの射出成形方法で
    あって、 前記リング状キャビティにおけるウェルド部から外れた
    周縁部に、溶融樹脂の一部が流入可能な樹脂溜まりを設
    けると共に、 前記樹脂溜まりとリング状キャビティとを連通する連通
    部が、前記リング状キャビティから前記樹脂溜まりに流
    入する溶融樹脂の流入量を制限することにより、 前記溶融樹脂が、前記リング状キャビティ内に充填され
    た後に、前記樹脂溜まり内に充填されることを特徴とす
    る樹脂製リングの射出成形方法。
  2. 【請求項2】 前記連通部の開口横断面積が、前記リン
    グ状キャビティの開口横断面積よりも小さくされること
    を特徴とする請求項1に記載の樹脂製リングの射出成形
    方法。
  3. 【請求項3】 前記樹脂溜まりが、前記リング状キャビ
    ティの周縁部における前記樹脂射出ゲートと前記ウェル
    ド部との間で、且つ前記樹脂射出ゲートから5/6の範
    囲内に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の樹脂製リングの射出成形方法。
  4. 【請求項4】 前記樹脂溜まりが、前記成形金型におけ
    る突出しピンとの間に形成されることを特徴とする請求
    項1乃至3の何れか一項に記載の樹脂製リングの射出成
    形方法。
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Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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