JP2008057665A - 軸受 - Google Patents

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Hironori Masui
博紀 増井
Masami Fukunaga
正美 福永
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Abstract

【課題】射出成形されるスリーブ状の軸受において、内周部と外周部とのうちの、高い面精度が必要な摺動側にウェルドラインが出ないようにする。
【解決手段】断面が長方形状の環状の金属部材10の内側面11a、外側面12a、一方の端面13a、他方の端面14aを、この順に、樹脂部材の内周部21、外周部22、第1の端部23、第4の端部24で覆う。高い面精度が必要な摺動側となる外周部22の肉厚t2が、圧入側となる内周部21の肉厚t1よりも厚くなるようにする。射出成形時に、ピンゲートGから第1の端部23に注入された溶融樹脂は、肉厚t1の薄い内周部21よりも、肉厚t2の厚い外周部22を流れやすいので、外周部22にウェルドラインが出ることはない。
【選択図】図2

Description

この発明は、スリーブ状に形成されるとともに、相手部材に摺動される摺動側に、ウェルドラインが出ないようにした軸受に関する。
機械等の回転部分に使用されるすべり軸受として、スリーブ状(円筒状)の軸受が広く使用されている。この軸受は、内周部と外周部とを有していて、その使用態様によって、内周部が圧入側で外周部が摺動側となり、またこの逆に、外周部が圧入側で内周部が摺動側となることがある。例えば、前者としては、軸受の内周部を軸に圧入し、外周部を相手部材に摺動させるもの(以下「シャフト圧入タイプ」という。)がある。一方、後者としては、軸受の外周部をリングに圧入し、内周部を相手部材に摺動させるもの(以下「リング圧入タイプ」という。)がある。上述のシャフト圧入タイプ、リング圧入タイプのいずれのタイプについても、内周部と外周部とのうち、相手部材に圧入される側(以下「圧入側」という。)は、相手部材に対して、適度な圧入代を持ってしまりばめされるのに対し、摺動される側(以下「摺動側」という。)は、相手部材に対して、適度なクリアランスをもってすきまばめされる。
ところで、近時、機械を構成する種々の部品として、金属部品に代わって樹脂部品が広く使用されている。これは、金属と比較したときに樹脂の利点、例えば、軽量化が可能、自己潤滑性を有するため潤滑が不要、大量生産が容易、などの利点による。
ここで、上述の軸受及び相手部材がいずれも樹脂部品である場合、軸受の圧入側を相手部材(樹脂部品)に圧入すると、樹脂部品は、圧入による寸法変化が大きいため、この圧入によって摺動側の寸法がぱらついて寸法精度が低下し、相手部材とのクリアランスを好適に保持するのが困難であるという問題が発生する。また、強度不足となる場合もある。
一方、軸受を金属によって形成した場合には、このような問題は生じない。ところが、この場合には、樹脂部品と金属部品との熱膨張率が大きく異なる(例えば、線膨張率で1桁のオーダーで異なる)ため、温度変化が大きい使用態様では、摺動側と相手部材との間のクリアランスが変化してしまったり、圧入側が相手部材から脱落したりするおそれがある。
ところで、金属部材と樹脂部材とを一体成形した部品が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような部品は、金属及び樹脂のそれぞれの長所を生かすように構成されている。この技術を上述の軸受に適用すれば、上述の問題を解消することができる。
特開平10−318252号公報
しかしながら、上述の軸受を金属インサート成形によって形成する場合、特に面精度を確保する必要がある摺動側に、射出成形時に溶融樹脂の合流によってウェルドラインが発生するおそれがある。
上述のような軸受において、摺動側にこのウェルドラインが発生した場合には、摺動面の面精度が低下するため、摺擦により摩耗が促進されたり、騒音が大きくなったりする。
そこで、本発明は、面精度の必要な摺動側にウェルドラインが発生することを防止し、ウェルドラインに起因する摩耗の促進や、騒音の増大等を防止するようにした軸受を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、スリーブ状に形成されて、内周部と外周部とのうち、一方が相手部材に圧入され、他方が別の相手部材に摺動される軸受に関するものである。この発明に係る軸受は、(1)中心軸を含む平面で切った断面形状が長方形状の環状の金属部材と、(2)前記金属部材の表面を覆う樹脂部材と、を備え、(3)前記樹脂部材は、前記金属部材の内側面を覆う前記内周部と、(4)前記金属部材の外側面を覆う前記外周部と、(5)前記金属部材の一方の端面を覆う第1の端部と、(6)前記金属部材の他方の端面を覆う第2の端部と、を有し、(7)前記内周部と前記外周部とのうち、一方が前記相手部材に圧入される圧入側となり、他方が前記別の相手部材に摺動される摺動側となるとともに、前記摺動側は、径方向の肉厚が前記圧入側の径方向の肉厚よりも厚くなるように形成されている、ことを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る軸受において、射出成形によって形成された、ことを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る軸受において、前記第1の端部に対応する位置に射出成形用のゲートが配設され、前記ゲートを介して溶融樹脂がはじめに注入され、前記第1の端部は、軸方向の肉厚が、前記第2の端部の軸方向の肉厚よりも厚くなるように形成されている、ことを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る軸受において、前記摺動側は、径方向の肉厚が、前記第2の端部の軸方向の肉厚よりも厚く、また、前記第1の端部の軸方向の肉厚よりも薄くなるように形成されている、ことを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項に係る軸受において、前記金属部材は、前記内側面及び前記外側面と、前記一方の端面及び前記他方の端面との交差部に、射出成形時の前記溶融樹脂の流れを円滑にすべく切欠部が設けられている、ことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、例えば、軸受を射出成形によって形成する場合、肉厚の厚い摺動側には、肉厚が薄い圧入側よりもウェルドラインが発生しにくい。すなわち、軸受に限らず、一般に、スリーブ状の軸受(すべり軸受)は、内周部と外周部とのうち、一方が相手部材に圧入され、他方が別の相手部材に対して摺動する。例えば、シャフト圧入タイプの場合、内周部が相手部材としてのシャフトの外側面に圧入され、外周部が別の相手部材に摺動される。これとは逆に、リング圧入タイプの場合には、外周部が相手部材としてのリングの内側面に圧入され、内周部が別の相手部材に摺動される。上述のシャフト圧入タイプとリング圧入タイプのいずれの場合も、圧入側は、相手部材に一旦圧入されると、その後、両者間に摺動等の相対移動が発生することはない。これに対して、摺動側は、別の相手部材との間に相対移動が発生して両者が摺擦されることになる。このため、摺動側は、圧入側よりも高い面精度が必要となる。
請求項1の発明では、上述のように、径方向の肉厚について、摺動側の肉厚が圧入側の肉厚よりも厚くなるように形成されている。このため、例えば、軸受を射出成形によって形成する場合、射出成形用のゲートから溶融樹脂が同じ条件で、圧入側と摺動側とに流れた場合には、溶融樹脂は肉厚の薄い圧入側よりも肉厚の厚い摺動側の方が円滑に流れる。このため、摺動側には、圧入側と比較してウェルドラインができにくい。つまり、摺動側は、圧入側と比較して、高い面精度を確保しやすい。
請求項2の発明は、軸受が射出成形によって形成されていることを規定するものである。この発明によれば、射出成形時に溶融樹脂は、肉厚の薄い圧入側よりも肉厚の厚い摺動側の方が円滑に流れるので、摺動側は、圧入側と比較して、ウェルドラインができにくく、したがって、圧入側よりも高い面精度を確保することができる。
請求項3の発明によれば、第1の端部における径方向内方側に内周部の軸方向の一方の端部が接続され、第1の端部における径方向外方側に外周部の軸方向の一方の端部が接続され、これら内周部及び外周部の軸方向の他方の端部のそれぞれに第2の端部の径方向内方側及び径方向外方側が接続されることになる。中心軸を含む平面で切ったときの断面で考えると、第1の端部と内周部と第2の端部と外周部とがほぼ長方形状の金属部材の周囲を囲繞するように額縁状の閉ループを構成する。この状態において、請求項3の発明は、請求項2の発明において、内周部と外周部とのうちの摺動側となる方の肉厚を圧入側となる方の肉厚よりも厚く形成したのに加えて、溶融樹脂の注入側となる第1の端部の肉厚が第2の端部の肉厚よりも厚くなるように形成した。このように構成することで、ゲートから第1の端部に供給された溶融樹脂は、この第1の端部の肉厚が(第2の端部と比較して)厚いため、比較的円滑に流れて、径方向内方側及び径方向外方側に流れて、それぞれ内周部及び外周部に到達する。ここで、溶融樹脂は、内周部と外周部とのうちの、肉厚の薄い圧入側よりも、肉厚の厚い摺動側を流れやすいので、摺動側を先に充填し、その後、圧入側を充填する。言い換えると、摺動側に対する溶融樹脂の充填が終了した時点では、まだ溶融樹脂は、圧入側の充填を終了していないことになる。このため、第1の端部よりも肉厚が薄い第2の端部には、先に、摺動側から回り込んだ溶融樹脂が流れ込むことになる。したがって、摺動側から回り込んだ溶融樹脂と、圧入側から回り込んだ溶融樹脂との合流点に形成されるウェルドラインは、第2の端部、又は第2の端部と圧入側との接続部、又は圧入側に形成されることになる。つまり、ウェルドラインは、第2の端部から接続部を経由して圧入部にかけてのいずれかの部位に形成されることになり、摺動側に形成されることはない。このように、請求項2に係る発明によると、摺動側にウェルドラインが形成されることに起因して摺動側の面精度が低下することを防止することができる。
請求項4の発明によれば、摺動側の肉厚は、溶融樹脂の流れに沿っての、摺動側よりも上流側に位置する第1の端部の肉厚よりも薄く、かつ、摺動側よりも下流側に位置する第2の端部の肉厚よりも厚く形成されている。つまり、摺動側の肉厚に対して、上流側の第1の端部の肉厚は厚く、また下流側の第2の端部の肉厚は薄くなっている。このため、第1の端部から摺動側を通過して第2の端部に流れ込む溶融樹脂は、摺動側において上流側の第1の端部から十分な量が供給され、かつ下流側の第2の端部によって絞られることになるので、摺動側を円滑に充填することができる。このことによっても、摺動側には一層、ウェルドラインが発生しにくくなる。
請求項5の発明によれば、金属部材の内側面及び外側面と、一方の端面及び他方の端面との交差部に切欠部を設けたので、射出成形時に、溶融樹脂が円滑に流れるようにすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。
<実施形態1>
図1,図2は、本発明の実施形態に係る軸受の一例として金属インサート軸受1を示す図である。このうち図1は、スリーブ状の金属インサート軸受1を、第1の端部23,第2の端部24のうちの、第1の端部23側から見た図である。また、図2は、図1中のA−A線に沿って切断して示す断面図である。なお、以下では、金属インサート軸受1を射出成形によって形成する場合を例に説明する。
これらの図に示すように、金属インサート軸受1は、環状の金属部材10と、この金属部材10の表面を覆うように設けられた樹脂部材20と、を備えている。
このうち金属部材10は、天面及び底面のないほぼ円筒状に形成されている。つまり、金属部材10は、図2に示すように、中心軸Cを含む平面で切った断面形状が、ほぼ長方形となっている。この金属部材10の各面をそれぞれ、内側面11a、外側面12a、一方の端面13a、他方の端面14aとする。このうち、内側面11aと外側面12aとは、中心軸Cを中心として同心状に形成されている。内側面の半径をr1、外側面の半径をr2とすると、これらの差が金属部材10の径方向の厚さdということになる。また、一方の端面13aと他方の端面14aとは、相互に平行に形成されていて、これら端面13a,14a間の距離が、金属部材10の幅wということになる。
金属部材10には、各面と各面とが交差する角部(交差部)に斜面状の比較的大きな切欠部aが施されている。内側面11aと、一方の端面13a及び他方の端面14aとの間には、それぞれ切欠部aが形成され、また、外側面12aと、一方の端面13a及び他方の端面14aとの間にも、それぞれ切欠部aが形成されている。これら切欠部aは、射出成形時の溶融樹脂の流れを円滑にするため、また成形後の製品としての応力集中を防止するため等の目的で形成されている。さらに、内側の2個の切欠部a、すなわち、一方の端面13a及び他方の端面14aのそれぞれの内周縁に設けられた切欠部aは、このほか射出成形時の金属部材10の保持を目的としている。なお、この点については、次の樹脂部材20の説明の中で説明する。金属部材10は、材料としては、例えば、ステンレスを使用することができるが、特にこれに限定されるものではなく、使用環境や使用条件に応じて、これに好適な金属を選択して使用することができる。
樹脂部材20は、上述の金属部材10の表面を覆うように形成されている。樹脂部材20は、金属部材10の内側面11aを覆う内周部21と、外側面12aを覆う外周部22と、一方の端面13aを覆う第1の端部23と、他方の端面14aを覆う第2の端部24とを有している。これら内周部21、外周部22、第1の端部23、第2の端部24は、この順に、それぞれ内周面21a、外周面22a、第1の端面23a、第2の端面24aを有している。そして、これら各面と各面とが交差する角部には上述の金属部材10の切欠部aに対応するように切欠部bが形成されている。なお、上述の金属部材10の切欠部a、及び樹脂部材20の切欠部bの大きさや傾斜角度は、図示のものに限定されず、溶融樹脂が円滑に流れることを条件に、任意に設定することができる。さらには、切欠部a、切欠部bは、傾斜状に限らず、滑らかに湾曲した曲面状に形成するようにしてもよい。
第1の端部23における内周側には、第1の端部23を周方向に複数等分(本実施形態では4等分)する位置にほぼ直方体状の爪孔23bが軸方向に沿って貫通されている。同様に、第2の端部24における内周側には、第2の端部24を主方向に複数等分(本実施形態では4等分)する位置に爪孔24bが軸方向に沿って貫通されている。
これら爪孔23b,24bの周方向の位置については、それぞれ同じ位置に配置されている。これら、爪孔23b,24bは、製品としてのとしての金属インサート軸受1にあっては何らかの作用をなすものではなく、この金属インサート軸受1を射出成形する際に金型の間に形成されるキャビティ(不図示)内に、金属部材10を保持するために使用されるものである。すなわち、射出成形時に、金型と金型との突き合わせ面に金属インサート軸受1を形作るためのキャビティが形成されるが、本発明に係る金属インサート軸受1にあっては、射出成形時にキャビティ内に、金属部材10を保持しておく必要がある。このため、軸方向に沿っての金属インサート軸受1の第1の端面23a、第2の端面24aにそれぞれ当接するように、保持具(不図示)を設けて、これら保持具によって、軸方向に沿っての両側から金属部材10を挟持するようにしている。すなわち、図2中の上方に配設される保持具は、円板状の本体(不図示)から上述の爪孔23bと同形の爪部(不図示)が突設され、また、下方に配設される保持具は、円板状の本体(不図示)から上述の爪孔24bと同形の爪部が突設されている。そして、これら爪部の先端を金属部材10の内側面11aと、一方の端面13a及び他方の端面14aとの間(交差部)に形成された切欠部aに係合させるとともに、軸方向の両側から挟持することで、射出成形時に金属部材10が不要に移動することを防止している。
なお、本実施形態では、射出成形時にキャビティ内に溶融樹脂を注入するのに使用されるピンゲートGは、図2に示すように、第1の端部23の第1の端面23aに配設される。ピンゲートGの径方向の位置については、第1の端面23aにおける径方向のほぼ中央に配設されている。また、周方向の位置については、第1の端面23aを周方向に複数等分(本実施形態では、3等分又は6等分)する位置のそれぞれに配設されている。なお、キャビティに溶融樹脂を注入するためのゲートとしては、上述のピンゲートGに代えて、リングゲート(不図示)を使用することも可能である。
上述の構成の樹脂部材20は、材料としては、例えば、ナイロンやポリイミドを使用することができるが、特にこれに限定されるものではなく、使用環境や使用条件に応じて、合成樹脂の中から適宜なものを選択して使用することができる。
本実施形態に係る金属インサート軸受1は、内周部21の内側面21aに相手部材としてのシャフト(不図示)が圧入され、また、外周部22の外周面22aが別の相手部材に摺動されるようになっている。つまり、内周部21が圧入側で、外周部22が摺動側となっている。このため、高い面精度を確保する必要がある摺動側には、射出成形時のウェルドラインが出ないようにする必要がある。
そこで、本実施形態では、圧入側となる内周部21と、摺動側となる外周部22と、第1の端部23と、第2の端部24のそれぞれの肉厚t1,t2,t3,t4が、以下のような関係を満たすように、これらを構成するようにした。
t4≦t1<t2<t3……(1)
まず、内周部21、外周部22、第1の端部23、第2の端部24の4つの部分のうち、上述のように、第1の端部23の肉厚t3を最も厚くした。この第1の端部23は、上述のように、ピンゲートGが対応していて、射出成形時には溶融樹脂が最初に流れ込む部分である。
このように、本実施形態では、第1の端部23の肉厚t3の厚さを、内周部21の肉厚t1及び外周部22の肉厚t2よりも厚く設定しているので、射出成形時にピンゲートGから第1の端部23に注入される溶融樹脂は、第1の端部23を充填しながらその径方向内方及び径方向外方に円滑に流れる。ここで、外周部22の肉厚t2が内周部21の肉厚t1よりも厚く形成されているので、第1の端部23から内周部21及び外周部22に流れ込む溶融樹脂は、肉厚の厚い外周部22に流れ込みやすく、内周部21よりも先に外周部22を先に充填する。溶融樹脂は、外周部22全体を充填し終えた時点では、まだ、内周部21全体の充填は終了していない。したがって、溶融樹脂は、外周部22を充填した後、さらに、第2の端部24に流れ込む。このため、溶融樹脂は、外周部22側を流れたものと内周部21側を流れるものとが、第2の端部24、又は第2の端部24と内周部21との交差部、又は内周部21内で合流し、合流した部分にウェルドラインが形成されることになるが、いずれの場合でも、ウェルドラインが外周部22に形成されることはない。上述のように本実施形態では、外周部22は、摺動側に相当し、したがって摺動側にウェルドラインが発生することはない。これにより、摺動側は、圧入側と比較して、高い面精度を確保することができる。
さらに、本実施形態では、第2の端部24の肉厚t4が内周部21の肉厚t1に対して、
t4≦t1
に形成されているので、つまり、溶融樹脂の流れに沿っての、内周部21及び外周部22の下流側が、絞られた形状になっているので、溶融樹脂は、内周部21及び外周部22を円滑に充填することができる。
本実施形態において、内周部21の肉厚t1、すなわち、内周部21のうちの金属部材10の内側面11aよりも径方向内方に位置する部分の厚さは、薄い方が好ましい。この内周部21が薄いほど、金属部材10を直接、相手部材に圧入した状態に近づくため、圧入による金属インサート軸受1の外周部22の寸法の変化が少なくなり、その分、金属インサート軸受1の外周部22の寸法精度を高めることができる。ただし、内周部21の肉厚t1は、過度に薄い場合には、射出成形時に、溶融樹脂が十分に充填されないおそれがあるので、射出成形に支障をきたすことのない厚さ、例えば、0.3mm程度以上とする。
この内周部21の肉厚t1を踏まえて、第2の端部24の肉厚t4は、肉厚t1と同じかこれよりも僅かに薄く、また、外周部22の肉厚t2は、内周部21の肉厚t1よりも厚く、さらに、第1の端部23の肉厚t3は、外周部22の肉厚t2よりもさらに厚くする。このときの各肉厚の差については、第1の端部23、内周部21、外周部22、第2の端部24を溶融樹脂がショートショット等を発生させることなく満遍なく充填し、かつ少なくとも外周部22にはウェルドラインが出ないことを条件に、実験等に基づいて、適宜な差に設定すればよい。ここで、圧入側となる内周部21にウェルドラインが出ることについては、この内周部21が圧入されることを考慮すると、特に問題があるわけではないが、好ましくは、相手部材と接触することが想定されない第2の端部24にウェルドラインが出るようにするとさらによい。したがって、第2の端部24にウェルドラインが出るように、各肉厚t1,t2,t3,t4を設定するとさらに好ましい。
<実施形態2>
図3に実施形態2を示す。本実施形態は、上述の実施形態1では、内周部21が圧入側で、外周部22が摺動側となっていたのとは逆に、内周部21が摺動側で、外周部22が圧入側となるように構成されている。本実施形態は、例えば、金属インサート軸受1の外周部22を、相手部材としてのリングの内側面に圧入し、金属インサート軸受1の内周部21を、他の相手部材の外側面に摺動させるようにしたものである。
本実施形態では、摺動側となる内周部21の肉厚t1を、圧入側となる外周部22の肉厚t2よりも厚く設定したものである。このため本実施形態では、内周部21の方が外周部22よりも溶融樹脂が流れやすいので、上述の実施形態1と同様の理由で、摺動側となる内周部21にウェルドラインが発生するのを防止することができる。なお、本実施形態における肉厚t1,t2,t3,t4の大小関係の一例を示すと、
t4≦t2<t1<t3……(2)
となる。
この式(2)と上述の実施形態1の式(1)と比較すると明らかなように、本実施形態1と実施形態2とでは、内周部21の肉厚t1と外周部22の肉厚t2との大小関係が、丁度、逆になっている。
本発明は、金属インサート軸受1において、内周部21と外周部22とのうちの、摺動側となる側の肉厚を圧入側となる側の肉厚よりも厚く設定して、摺動側にウェルドラインが発生するのを防止することを主旨とするものである。つまり、原理的には、実施形態1では、
t1<t2
また、実施形態2では、この逆に、
t1>t2
であれば、他の肉厚t3,t4や、これらとt1,t2の肉厚の大小関係については、特に限定されるものではない。ただし、上述の実施形態1では、
t4≦t1<t2<t3
に、また、実施形態2では、
t4≦t2<t1<t3
に設定することで、さらに、キャビティ内の溶融樹脂の流れを円滑にすることができるので、一層、良好な金属インサート軸受1を得ることができる。
本発明の金属インサート軸受は、中心軸を含む平面で切ったときの断面について、金属部材と樹脂部材の形状や面積比を適宜に変化させることにより、全体として、金属部材に近い性能、逆に樹脂部材に近い性能を発現させることが可能であるので、回転部材を支持する軸受として、種々の機械、装置に広く適用することができる。
実施形態1の金属インサート軸受を、第1の端部側から見た図である。 実施形態1の金属インサート軸受を、図1中のA−A線に沿って切断して示す断面図である。 実施形態2における、図2に相当する図である。
符号の説明
1……金属インサート軸受(軸受)、10……金属部材、11a……金属部材の内側面、12a……金属部材の外側面、13a……金属部材の一方の端面、14a……金属部材の他方の端面、20……樹脂部材、21……内周部、21a……内周面、22……外周部、22a……外周面、23……第1の端部、23a……第1の端面、24……第2の端部、24a……第2の端面、a,b……切欠部、C……中心軸、G……ピンゲート(ゲート)、t1……内周部の肉厚、t2……外周部の肉厚、t3……第1の端部の肉厚、t4……第2の端部の肉厚

Claims (5)

  1. スリーブ状に形成されて、内周部と外周部とのうち、一方が相手部材に圧入され、他方が別の相手部材に摺動される軸受において、
    中心軸を含む平面で切った断面形状が長方形状の環状の金属部材と、
    前記金属部材の表面を覆う樹脂部材と、を備え、
    前記樹脂部材は、
    前記金属部材の内側面を覆う前記内周部と、
    前記金属部材の外側面を覆う前記外周部と、
    前記金属部材の一方の端面を覆う第1の端部と、
    前記金属部材の他方の端面を覆う第2の端部と、を有し、
    前記内周部と前記外周部とのうち、一方が前記相手部材に圧入される圧入側となり、他方が前記別の相手部材に摺動される摺動側となるとともに、前記摺動側は、径方向の肉厚が前記圧入側の径方向の肉厚よりも厚くなるように形成されている、
    ことを特徴とする軸受。
  2. 射出成形によって形成された、
    ことを特徴とする請求項1に記載の軸受。
  3. 前記第1の端部に対応する位置に射出成形用のゲートが配設され、前記ゲートを介して溶融樹脂がはじめに注入され、前記第1の端部は、軸方向の肉厚が、前記第2の端部の軸方向の肉厚よりも厚くなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の軸受。
  4. 前記摺動側は、径方向の肉厚が、前記第2の端部の軸方向の肉厚よりも厚く、また、前記第1の端部の軸方向の肉厚よりも薄くなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の軸受。
  5. 前記金属部材は、前記内側面及び前記外側面と、前記一方の端面及び前記他方の端面との交差部に、射出成形時の前記溶融樹脂の流れを円滑にすべく切欠部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の軸受。
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