JP6988509B2 - 軸受用保持器の製造方法 - Google Patents

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本発明は、軸受用保持器の製造方法に関する。
従来の軸受用保持器の製造方法として、成形金型内に形成した略円環状のキャビティの周縁部に設けられた複数の樹脂射出ゲートから、溶融樹脂をキャビティ内に射出することによって成形される軸受用保持器の製造方法であって、軸受用保持器は、略円環状の基部と、基部の軸方向一端側面から、周方向に所定の間隔で軸方向に突出する複数且つ偶数個の柱部と、隣り合う一対の柱部の互いに対向する面と基部の軸方向一端側面とによって形成された、柱部と同数のポケットと、を有し、複数の柱部のうち、半数の柱部には、それぞれ樹脂射出ゲートが設けられ、樹脂射出ゲートが設けられる柱部と、樹脂射出ゲートが設けられない柱部と、が周方向に交互に配置され、複数の樹脂射出ゲートのうち、1個の樹脂射出ゲートの断面積が、他の樹脂射出ゲートの断面積よりも大きく、樹脂射出ゲートが設けられない複数の柱部のうち、他の樹脂射出ゲートよりも断面積が大きい樹脂射出ゲートが設けられた柱部と径方向に対向する柱部に、又は当該対向する柱部の近傍の柱部に、溶融樹脂を貯留可能な樹脂溜りが設けられており、柱部と連通する樹脂溜りの連通部(開口部)の断面積を、複数の樹脂射出ゲートの断面積のうち最小であるものよりも小さくするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−114100号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の軸受用保持器の製造方法では、樹脂溜りの連通部の断面積を、樹脂射出ゲートのうち最小の断面積であるものをよりも小さくしているため、小径の保持器を成形するなど、樹脂射出ゲートの断面積が小さい場合、樹脂溜りの連通部の断面積が過度に小さくなることがある。これにより、樹脂溜りに溶融樹脂が流入する前に、樹脂溜りの連通部で溶融樹脂が固化してしまうため、樹脂溜りの機能を発揮することができなくなり、ウェルドにおける強制的な樹脂の流動が起こらず、補強繊維材の配向を制御することができないことがあった。
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、樹脂射出ゲートの大きさの影響を受けることなく、ウェルドにおける溶融樹脂の流動を起こして、ウェルドの強度を向上することができる軸受用保持器の製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)成形金型内に形成した円環状のキャビティの周縁部に設けられた複数の樹脂射出ゲートから、溶融樹脂を前記キャビティ内に射出することによって成形される軸受用保持器の製造方法であって、前記軸受用保持器は、略円環状の基部と、前記基部の軸方向一端側面から、周方向に所定の間隔で軸方向に突出する複数且つ偶数個の柱部と、隣り合う一対の前記柱部の互いに対向する面と前記基部の軸方向一端側面とによって形成された、前記柱部と同数のポケットと、を有し、複数の前記柱部のうち、半数の前記柱部には、それぞれ前記樹脂射出ゲートが設けられ、前記樹脂射出ゲートが設けられる前記柱部と、前記樹脂射出ゲートから周方向に離間している前記柱部と、が周方向に交互に配置され、複数の前記樹脂射出ゲートのうち、ある1個の前記樹脂射出ゲートとこのある1個の前記樹脂射出ゲートから周方向両側に向かって最も遠い2つの前記樹脂射出ゲートとの間に、前記キャビティから溶融樹脂が流入して溶融樹脂を貯留可能な樹脂溜りがそれぞれ設けられ、前記2つの樹脂溜りは、前記キャビティと連通する連通路をそれぞれ有し、前記2つの樹脂溜りの前記連通路の断面積に相対差が設けられることを特徴とする軸受用保持器の製造方法。
(2)2つの前記樹脂溜りは、断面積を大きくした前記樹脂射出ゲートに対して周方向で対称に配置されることを特徴とする(1)に記載の軸受用保持器の製造方法。
(3)前記樹脂溜りは、隣り合う前記樹脂射出ゲート間の周方向中間位置に配置されることを特徴とする(1)又は(2)に記載の軸受用保持器の製造方法。
(4)2つの前記樹脂溜りは、断面積を大きくした前記樹脂射出ゲートとこの断面積を大きくした前記樹脂射出ゲートから周方向両側に隣り合う前記樹脂射出ゲートとの間にそれぞれ配置されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の軸受用保持器の製造方法。
本発明によれば、複数の樹脂射出ゲートのうち、ある1個の樹脂射出ゲートとこのある1個の樹脂射出ゲートから周方向両側に向かって最も遠い2つの樹脂射出ゲートとの間に、キャビティから溶融樹脂が流入して溶融樹脂を貯留可能な樹脂溜りがそれぞれ設けられ、2つの樹脂溜りの連通路の断面積に相対差が設けられるため、樹脂射出ゲートの大きさの影響を受けることなく、ウェルドにおける溶融樹脂の流動を起こして、ウェルドの強度を向上することができる。
本発明に係る製造方法の一実施形態によって製造された軸受用保持器の斜視図である。 図1に示す軸受用保持器を柱部側から見た平面図である。 図2の樹脂流入領域Bにおいて第1樹脂溜り側に溶融樹脂が多く流動する状態を説明する模式図である。 図2の樹脂流入領域Cにおいて第1樹脂溜り側に溶融樹脂が多く流動する状態を説明する模式図である。 図2のウェルド形成領域Aにおいて第1樹脂溜りに向かって溶融樹脂が流動する状態を説明する模式図である。 図2の樹脂流入領域Bにおいて第2樹脂溜り側に溶融樹脂が多く流動する状態を説明する模式図である。 図2の樹脂流入領域Cにおいて第2樹脂溜り側に溶融樹脂が多く流動する状態を説明する模式図である。 図2のウェルド形成領域Aにおいて第2樹脂溜りに向かって溶融樹脂が流動する状態を説明する模式図である。 (a)はウェルド形成領域Aにおける第1樹脂溜りに向かって溶融樹脂が流動する際の溶融樹脂の固化状態を説明する模式図であり、(b)はウェルド形成領域Aにおける第2樹脂溜りに向かって溶融樹脂が流動する際の溶融樹脂の固化状態を説明する模式図である。 本発明に係る製造方法の一実施形態の変形例によって製造された軸受用保持器の平面図である。 本発明とは異なる位置に樹脂溜りが配置された比較例を説明するための軸受用保持器の平面図である。
以下、本発明に係る軸受用保持器の製造方法の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2には、本実施形態の軸受用保持器(以後、単に保持器とも呼ぶ。)1が、後述するランナー53、スプルー55、及び第1及び第2樹脂溜り41,42が付いた状態で示されている。保持器1は、いわゆる冠形保持器であり、略円環状の基部10と、基部10の軸方向一端側面12から、周方向に所定間隔で軸方向に突出する複数且つ偶数個(本実施形態では14個)の柱部20と、隣り合う一対の柱部20,20の互いに対向する面22,22と基部10の軸方向一端側面12とによって形成され、軸受の転動体(不図示)を保持する複数且つ偶数個(本実施形態では14個)のポケット30と、を有している。すなわち、柱部20とポケット30は同数であると共に何れも複数且つ偶数個形成されており、柱部20はそれぞれのポケット30の周方向両側に設けられる。
このような保持器1の製造方法では、多点ゲート方式の射出成形を採用している。具体的には、保持器1は、成形金型60(図3参照)内に形成した円環状のキャビティCa(図3参照)の内周側周縁部に設けられた複数の樹脂射出ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ。)51から、補強繊維材を添加した溶融樹脂をキャビティCa内に射出し、冷却固化することによって成形される。樹脂材料としては、例えば、46ナイロンや66ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルニトリル(PEN)等の樹脂に、10〜50wt%の補強繊維材(例えば、ガラス繊維や炭素繊維。)を添加した樹脂組成物が用いられる。なお、図1及び図2では、キャビティCaは不図示であるが、その内部構造は保持器1の構造と略同一とされている。
各ゲート51には、それぞれ径方向に延びる略円筒状のランナー53を介して、略円筒状のスプルー55から溶融樹脂が供給される。スプルー55は、保持器1(キャビティ)の略中心において軸方向に延びており、ランナー53と接続される。したがって、スプルー55から供給された溶融樹脂は、各ランナー53を介して各ゲート51に到達し、各ゲート51から同時にキャビティ内に流入する。
複数の柱部20のうち、半数(本実施形態では7個)の柱部20には、それぞれゲート51が設けられる。各ゲート51は柱部20(キャビティ)の内周面の周方向中央部に連通している。ゲート51が設けられる柱部20と、ゲート51から周方向に離間している柱部20と、は周方向に交互に配置される。このように、多数のゲート51を等間隔に配置することにより、保持器1の真円度崩れを抑制し、軸受の高精度な回転を実現することが可能となる。ここで、複数(7個)のゲート51のうち、1個のゲート51(以下、大径ゲート51aと表すことがある。)の断面積が、他のゲート51(以下、小径ゲート51bと表すことがある。)の断面積よりも大きく設定される。なお、本実施形態では、大径ゲート51aが請求項1に記載の「ある1個の樹脂射出ゲート」である。
ゲート51から周方向に離間している複数の柱部20のうち、2つの柱部20には、キェビティCaから溶融樹脂が流入して溶融樹脂を貯留可能な第1樹脂溜り41と第2樹脂溜り42が設けられている。そして、第1樹脂溜り41と第2樹脂溜り42は、断面積を大きくした大径ゲート51aとこの大径ゲート51aから周方向両側に向かって最も遠い2つの小径ゲート51bとの間にそれぞれ離隔して設けられている。つまり、第1樹脂溜り41と第2樹脂溜り42は、大径ゲート51aから周方向両側に向かって最も遠い2つの小径ゲート51bまでの角度θ(図2参照)の範囲にそれぞれ配置されている。なお、本実施形態では、第1樹脂溜り41と第2樹脂溜り42は、最も遠い2つの小径ゲート51bに隣接する柱部20に配置されている。
第1樹脂溜り41と第2樹脂溜り42は、柱部20(キャビティCa)と連通する連通路41aと連通路42aを有し、この連通路41a,42aの断面積には相対差が設けられている。本実施形態では、連通路41aの断面積の方が連通路42aの断面積よりも大きく形成されている。また、連通路41a,42aの断面積の相対差は、相当円直径で0.5mm以上が好ましい。
また、第1樹脂溜り41と第2樹脂溜り42は、断面積を大きくした大径ゲート51aに対して周方向で対称に配置されている。また、第1樹脂溜り41と第2樹脂溜り42は、隣り合うゲート51間の周方向中間位置に配置されている。つまり、第1樹脂溜り41及び第2樹脂溜り42は、ゲート51から周方向に離間している柱部20の周方向中間位置に配置されている。
このように構成された成形金型60において、各ゲート51からキャビティCa内に射出された溶融樹脂は、各ゲート51の周方向両側に流動し、隣り合うゲート51の間において合流する。具体的に、小径ゲート51b同士の間においては、当該小径ゲート51b同士の周方向中間位置で溶融樹脂が合流し、柱部20の周方向中間部にウェルドWが形成される。一方、大径ゲート51aと小径ゲート51bとの間においては、これらの周方向中間位置よりも小径ゲート51b側にずれた位置で溶融樹脂が合流し、柱部20の周方向中間部よりも小径ゲート51b側にずれた位置にウェルドWが形成される。これは、溶融樹脂の大径ゲート51aからの流入量が、小径ゲート51bからの流入量よりも多いからである。
次に、大径ゲート51aと径方向に対向する位置に形成されるウェルドWの周辺のウェルド形成領域A(図2参照)、ウェルド形成領域Aと断面積が小さい連通路42aを有する第2樹脂溜り42との間の柱部20の周辺の樹脂流入領域B(図2参照)、及びウェルド形成領域Aと断面積の大きい連通路41aを有する第1樹脂溜り41との間の柱部20の周辺の樹脂流入領域C(図2参照)における、ゲート51からキャビティ内に注入された溶融樹脂が合流した後の溶融樹脂の流動について説明する。
まず、樹脂流入領域Bでは、図3に示すように、小径ゲート51bからキャビティCa内に流入(f1)した溶融樹脂は、キャビティCa内で周方向両側に分岐して、第1樹脂溜り41側に流れる分岐流f2と第2樹脂溜り42側に流れる分岐流f3となる。そして、断面積の大きい連通路41aを有する第1樹脂溜り41から先に溶融樹脂が充填されるため、分岐流f2の流速が分岐流f3の流速よりも大きくなる(流速:f2>f3)。
次に、樹脂流入領域Cでは、図4に示すように、小径ゲート51bからキャビティCa内に流入(f1)した溶融樹脂は、キャビティCa内で周方向両側に分岐して、第1樹脂溜り41側に流れる分岐流f4と第2樹脂溜り42側に流れる分岐流f5となる。そして、断面積の大きい連通路41aを有する第1樹脂溜り41から先に溶融樹脂が充填されるため、分岐流f4の流速が分岐流f5の流速よりも大きくなる(流速:f4>f5)。
この結果、図5に示すように、流速が大きい分岐流f2と流速が小さい分岐流f5がウェルド形成領域Aで合流して、溶融樹脂が第1樹脂溜り41に向かって流動するため、ウェルドWは、第1樹脂溜り41側に略V字状に突出するような形状に形成される。このウェルドWの略V字状に突出するような形状は、キャビティ内面と溶融樹脂との間の摩擦力により、キャビティ内面の近辺を流れる溶融樹脂の流速がキャビティ中央部を流れる溶融樹脂の流速よりも遅いためである。
次に、第1樹脂溜り41に溶融樹脂がある程度充填された後、第2樹脂溜り42に溶融樹脂が充填され始めるため、樹脂流入領域Bでは、図6に示すように、分岐流f3の流速が分岐流f2の流速よりも大きくなり(流速:f3>f2)、樹脂流入領域Cでは、図7に示すように、分岐流f5の流速が分岐流f4の流速よりも大きくなる(流速:f5>f4)。
この結果、図8に示すように、ウェルド形成領域Aにおいて、第2樹脂溜り42側に流れる分岐流f5の流速が徐々に大きくなり、第1樹脂溜り41側に流れる分岐流f2の流速が徐々に小さくなり、溶融樹脂が第2樹脂溜り42に向かって流動するため、図5の段階において第1樹脂溜り41側に略V字状に突出するような形状に形成されたウェルドWのキャビティ中央部が、第2樹脂溜り42側に略V字状に突出するような形状に形成される。つまり、ウェルドWは、略W字状に形成される。これにより、ウェルドWの形状が複雑になるため、溶融樹脂の合流時にいったん流動方向(周方向)に対し垂直(径方向)に配向していた補強繊維材の配向が制御され、ウェルドWの強度を向上することができる。
続いて、ウェルドWの形成について更に説明すると、図9(a)及び図9(b)に示すように、断面積の大きい連通路41aを有する第1樹脂溜り41に溶融樹脂が充満した後、溶融樹脂の流れCが反対方向に変化し、溶融樹脂が第2樹脂溜り42に向かって流動する。このとき、時間が経つにつれキャビティCaの壁面にて溶融樹脂が固化する(図9中の符号Fp)ので、キャビティCaの空間が小さくなる。このため、第1樹脂溜り41に溶融樹脂が充満した後、溶融樹脂の流速が大きくなる。これにより、図9(b)に示すように、流速が大きくなった第1樹脂溜り41側の溶融樹脂が第2樹脂溜り42側の溶融樹脂に深く食い込むため、ウェルドWの強度が向上する。
以上、図2に示すウェルド形成領域AのウェルドWの形成について説明したが、他の位置のウェルドWにおいても同様な溶融樹脂の流動が起き、全てのウェルドWが略W字状に形成される。従って、全てのウェルドWの強度が向上するため、保持器1の強度を向上することができる。
以上説明したように、本実施形態の軸受用保持器の製造方法によれば、ある1個の樹脂射出ゲート51aとこのある1個の樹脂射出ゲート51aから周方向両側に向かって最も遠い2つの樹脂射出ゲート51bとの間に、キャビティCaから溶融樹脂が流入して溶融樹脂を貯留可能な樹脂溜り41,42がそれぞれ設けられ、2つの樹脂溜り41,42の連通路41a,42aの断面積に相対差が設けられるため、樹脂射出ゲート51の大きさの影響を受けることなく、ウェルドWにおける溶融樹脂の流動を起こして、ウェルドWの強度を向上することができる。従って、保持器1の強度を向上することができる。また、連通路41a,42aの断面積が、樹脂射出ゲート51の大きさの影響を受けることなく設定されるため、樹脂射出ゲートの断面積が小さい場合(小径の保持器を成形する場合など)においても、ウェルドWにおける溶融樹脂の流動を起こして、ウェルドWの強度を向上することができる。また、樹脂溜りの容量を小さくすることができるので、溶融樹脂の材料コストを抑制することができる。
また、本実施形態の軸受用保持器の製造方法によれば、断面積の大きい連通路41aを有する第1樹脂溜り41に溶融樹脂が充満した後、溶融樹脂の流れCが反対方向に変化し、溶融樹脂が第2樹脂溜り42に向かって流動する。このとき、時間が経つにつれキャビティCaの壁面にて溶融樹脂が固化するので、キャビティCaの空間が小さくなる。このため、第1樹脂溜り41に溶融樹脂が充満した後、溶融樹脂の流速が大きくなる。これにより、流速が大きくなった第1樹脂溜り41側の溶融樹脂が第2樹脂溜り42側の溶融樹脂に深く食い込むため、ウェルドWの強度を向上することができる。
また、本実施形態の軸受用保持器の製造方法によれば、2つの樹脂溜り41,42が、ある1個の樹脂射出ゲート51aに対して周方向で対称に配置されるため、各ウェルドWの強度を均一にすることができる。
また、本実施形態の軸受用保持器の製造方法によれば、第1樹脂溜り41及び第2樹脂溜り42が、隣り合うゲート51間の周方向の中間位置に配置されるため、各ウェルドWの強度を均一にすることができる。
次に、本実施形態の変形例として、図10に示すように、第1樹脂溜り41と第2樹脂溜り42は、断面積を大きくした大径ゲート51aとこの大径ゲート51aから周方向両側に隣り合う小径ゲート51bとの間にそれぞれ配置されていてもよい。本変形例によれば、溶融樹脂の流速の調整が制御しやすく、各ウェルドWの形状(上記略W字状)が均等になり、各ウェルドWの強度を均一にすることができる。
次に、図11を参照して、第1樹脂溜り41と第2樹脂溜り42の配置を変えた比較例について説明する。この比較例では、第1樹脂溜り41と第2樹脂溜り42は、大径ゲート51aから周方向両側に向かって最も遠い2つの小径ゲート51bの間に配置されている。この場合、図5及び図8に示すような溶融樹脂の流動が起こらないため、ウェルドWの強度向上効果は得られない。
なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、本発明は、上記した冠形保持器に限定されず、くし形保持器等、様々な種類の保持器に適用可能である。
また、複数の樹脂射出ゲートは、全て同じ断面積に設定されていてもよい。
また、本発明の軸受用保持器は、強度が高く耐久性に優れるため、転がり軸受に適用することが好適である。すなわち、このような転がり軸受は、内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に設けられる複数の転動体と、複数の転動体をポケットに転動自在に保持し、耐久性に優れる軸受用保持器と、を備えるので、高速回転や高負荷等の要求を満たすことが可能である。
1 軸受用保持器
10 基部
12 基部の軸方向一端側面
20 柱部
22 柱部の対向する面
30 ポケット
41 第1樹脂溜り
41a 連通路
42 第2樹脂溜り
42a 連通路
51 樹脂射出ゲート
51a 大径ゲート(樹脂射出ゲート、ある1個の樹脂射出ゲート)
51b 小径ゲート(樹脂射出ゲート)
53 ランナー
55 スプルー
60 成形金型
Ca キャビティ
W ウェルド

Claims (4)

  1. 成形金型内に形成した円環状のキャビティの周縁部に設けられた複数の樹脂射出ゲートから、溶融樹脂を前記キャビティ内に射出することによって成形される軸受用保持器の製造方法であって、
    前記軸受用保持器は、
    略円環状の基部と、
    前記基部の軸方向一端側面から、周方向に所定の間隔で軸方向に突出する複数且つ偶数個の柱部と、
    隣り合う一対の前記柱部の互いに対向する面と前記基部の軸方向一端側面とによって形成された、前記柱部と同数のポケットと、
    を有し、
    複数の前記柱部のうち、半数の前記柱部には、それぞれ前記樹脂射出ゲートが設けられ、
    前記樹脂射出ゲートが設けられる前記柱部と、前記樹脂射出ゲートから周方向に離間している前記柱部と、が周方向に交互に配置され、
    複数の前記樹脂射出ゲートのうち、ある1個の前記樹脂射出ゲートとこのある1個の前記樹脂射出ゲートから周方向両側に向かって最も遠い2つの前記樹脂射出ゲートとの間に、前記キャビティから溶融樹脂が流入して溶融樹脂を貯留可能な樹脂溜りがそれぞれ設けられ、
    前記2つの樹脂溜りは、前記キャビティと連通する連通路をそれぞれ有し、
    前記2つの樹脂溜りの前記連通路の断面積に相対差が設けられる
    ことを特徴とする軸受用保持器の製造方法。
  2. 2つの前記樹脂溜りは、断面積を大きくした前記ある1個の樹脂射出ゲートに対して周方向で対称に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の軸受用保持器の製造方法。
  3. 前記樹脂溜りは、隣り合う前記樹脂射出ゲート間の周方向中間位置に配置される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の軸受用保持器の製造方法。
  4. 2つの前記樹脂溜りは、断面積を大きくした前記ある1個の樹脂射出ゲートとこの断面積を大きくした前記ある1個の樹脂射出ゲートから周方向両側に隣り合う前記樹脂射出ゲートとの間にそれぞれ配置される
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の軸受用保持器の製造方法。
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