JP2015224664A - 転がり軸受用保持器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェルド部の強度が向上し、且つ耐久性と回転精度も優れる転がり軸受用保持器の製造方法を提供する。
【解決手段】転がり軸受用保持器1は、軸方向に離間した一対の円環部3と、一対の円環部3を連結するように円周方向に所定間隔で配置された複数の柱部5と、一対の円環部3の互いに対向する面と隣り合う一対の柱部5の互いに対向する面とによって形成された複数のポケット部7と、を有する。転がり軸受用保持器1の外周面1bには、少なくとも一つの凹部9が形成される。凹部9には、転がり軸受用保持器1にウェルド部Wが形成された後に溶解樹脂が流入する樹脂溜まり21が、連通部23を介して連通される。
【選択図】図1
【解決手段】転がり軸受用保持器1は、軸方向に離間した一対の円環部3と、一対の円環部3を連結するように円周方向に所定間隔で配置された複数の柱部5と、一対の円環部3の互いに対向する面と隣り合う一対の柱部5の互いに対向する面とによって形成された複数のポケット部7と、を有する。転がり軸受用保持器1の外周面1bには、少なくとも一つの凹部9が形成される。凹部9には、転がり軸受用保持器1にウェルド部Wが形成された後に溶解樹脂が流入する樹脂溜まり21が、連通部23を介して連通される。
【選択図】図1
Description
本発明は、転がり軸受用保持器の製造方法に関する。
一般的に、転がり軸受用保持器は、射出成形により製造される。具体的には、図17に示すように、成形金型内に成形体である転がり軸受用保持器に対応する環状のキャビティ140を形成し、このキャビティ140の周縁部に設けた樹脂射出ゲート150から溶解された樹脂材料(熱可塑性樹脂)を注入し、冷却固化することによって製造される。
キャビティ140に注入された溶解樹脂は、キャビティ140内を円周方向両側に二つの流れとなって流動し、樹脂射出ゲート150と対向する反対側の位置で再び合流し、相互に接合され、ウェルド部100Wが形成される。一般に、この様に射出成形された転がり軸受用保持器は、溶解樹脂が融着一体化しただけのものであるため、溶解樹脂の均一な混合が起こらず、ウェルド部100Wにおいて強度が低下することがよく知られている。
また、溶解樹脂に、強化材料として、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の補強繊維材を添加したものでは、ウェルド部100Wにおいて補強繊維材が溶解樹脂の流動方向に対し垂直に配向するため、補強効果が発現しない。さらに、ウェルド部100W以外の部分では、補強繊維材が溶解樹脂の流動方向に対し平行に配向するため、当該部分とウェルド部100Wとの強度差が大きくなってしまう。
このように、射出成形により製造された転がり軸受用保持器は、強度が弱いウェルド部から破損することが多い。そこで、従来から、以下に示すような対策がなされてきた。
特許文献1記載の合成樹脂製保持器の製造方法では、キャビティのウェルド位置に一致する位置の内径側に設けられた開口に通じる第1の樹脂溜りと、第1の樹脂溜りに近接して該キャビティに設けられた開口に通じる第2の樹脂溜りと、を備える保持器成形用金型を用いて保持器成形用樹脂組成物を射出成形している。
したがって、ゲートからキャビティ内に注入された溶融物は、第1の樹脂溜まりに流れ込み、ウェルド部近傍において強制的に流動されるとともに、第2の樹脂溜まりで更に流動される。これにより、ウェルド部における増強効果を高め、耐久性や信頼性に優れる合成樹脂製保持器を得ることを図っている。
特許文献2記載の樹脂製リングの射出成形方法では、リング状キャビティにおけるウェルド部から外れた周縁部に、溶融樹脂の一部が流入可能な樹脂溜まりを設けると共に、樹脂溜まりとリング状キャビティとを連通する連通部が、リング状キャビティから樹脂溜まりに流入する溶融樹脂の流入量を制限することにより、溶融樹脂が、リング状キャビティ内に充填された後に、樹脂溜まり内に充填される。
上記構成によれば、リング状キャビティ内に射出されて二つの流れとなった後、流動する溶融樹脂の各先端部が再び合流するウェルド部に達し、該リング状キャビティ内に溶融樹脂が充填された後に、樹脂溜まり近傍のリング状キャビティ内の溶融樹脂が射出圧力によって樹脂溜まり内に流入し、溶融樹脂が樹脂溜まり内に充填される。そこで、ウェルド部で対向して合流する溶融樹脂の各先端部における圧力均衡が崩れ、円周方向に沿って樹脂溜まり側に樹脂流動が起こるので、各溶融樹脂の対向面は樹脂溜まり側に突出した非平坦な形状となる。このようにして、ウェルド部で合流する溶融樹脂の接触面積を増加させ、分子鎖も流動方向に配向させて、該ウェルド部での樹脂の接合強度を高くすることを図っている。
しかしながら、外輪案内方式の保持器に特許文献1及び2の構成を適用した場合、以下の問題が発生する可能性がある。
軸受回転時には、遠心力や、転動体に押される力により、保持器の内周側に最大応力が発生する。したがって、保持器と樹脂溜まりを連通する連通部が、保持器の内周面に存在すると、成形後に保持器と樹脂溜まり部を切断した跡が内径面に残り、その切断跡に応力が集中して破損や亀裂の起点となり易い。
一方、保持器の案内面としての外周面は軸受外輪と摺接するため、保持器と樹脂溜まりを連通する連通部が、保持器の外周面に存在すると、樹脂溜まり切断跡の凸部と外輪とが干渉し、回転精度が悪化するおそれがある。
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ウェルド部の強度が向上し、且つ耐久性と回転精度も優れる転がり軸受用保持器の製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 成形金型内に形成した環状のキャビティの周縁部に設けられた少なくとも一つの樹脂射出ゲートから、溶解樹脂を前記キャビティ内に射出することによって成形される、外輪案内方式の転がり軸受用保持器の製造方法であって、
前記転がり軸受用保持器は、軸方向に離間した一対の円環部と、一対の前記円環部を連結するように円周方向に所定間隔で配置された複数の柱部と、一対の前記円環部の互いに対向する面と隣り合う一対の前記柱部の互いに対向する面とによって形成された複数のポケット部と、を有し、
前記転がり軸受用保持器の外周面には、少なくとも一つの凹部が形成され、
前記凹部には、前記転がり軸受用保持器にウェルド部が形成された後に前記溶解樹脂が流入する樹脂溜まりが、連通部を介して連通される
ことを特徴とする転がり軸受用保持器の製造方法。
(2) 前記凹部は、円周方向幅と前記転がり軸受用保持器の外周面からの深さとを略一定に保った状態で、前記転がり軸受用保持器の軸方向一端面まで軸方向に延びる
ことを特徴とする(1)に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
(3) 前記連通部の最小断面積は、前記転がり軸受用保持器の回転軸を含む平面で前記円環部を切断したときの最小断面積、及び前記回転軸に直交する平面で前記柱部を切断したときの最小断面積のうち、小さい方の50%以下であり、且つ、4.0mm2以下である
ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
(4) 前記樹脂射出ゲートは、前記転がり軸受用保持器の内周面に三つ以上設けられ、且つ、前記柱部の円周方向中央部又は前記ポケット部の円周方向中央部と円周方向にオーバーラップする位置に設けられ、
円周方向に隣り合う一対の前記樹脂射出ゲートの間に形成される前記ウェルド部のうち、一対の前記樹脂射出ゲートから最も遠くに位置する前記ウェルド部を最終ウェルド部とすると、
前記連通部は、前記最終ウェルド部から円周方向で60°以内の範囲に設けられる
ことを特徴とする(1)〜(3)の何れか1つに記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
(5) 隣り合う前記樹脂射出ゲートの間隔の最大値と最小値との差は、円周方向角度において、360°を前記ポケット部の数で除したものの角度以内とされ、
前記樹脂溜まりの数は、前記樹脂射出ゲートの数以上である
ことを特徴とする(4)に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
(6) 前記樹脂溜まりの容積は、前記転がり軸受用保持器の容積の2%以上である
ことを特徴とする(1)〜(5)の何れか1つに記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
(1) 成形金型内に形成した環状のキャビティの周縁部に設けられた少なくとも一つの樹脂射出ゲートから、溶解樹脂を前記キャビティ内に射出することによって成形される、外輪案内方式の転がり軸受用保持器の製造方法であって、
前記転がり軸受用保持器は、軸方向に離間した一対の円環部と、一対の前記円環部を連結するように円周方向に所定間隔で配置された複数の柱部と、一対の前記円環部の互いに対向する面と隣り合う一対の前記柱部の互いに対向する面とによって形成された複数のポケット部と、を有し、
前記転がり軸受用保持器の外周面には、少なくとも一つの凹部が形成され、
前記凹部には、前記転がり軸受用保持器にウェルド部が形成された後に前記溶解樹脂が流入する樹脂溜まりが、連通部を介して連通される
ことを特徴とする転がり軸受用保持器の製造方法。
(2) 前記凹部は、円周方向幅と前記転がり軸受用保持器の外周面からの深さとを略一定に保った状態で、前記転がり軸受用保持器の軸方向一端面まで軸方向に延びる
ことを特徴とする(1)に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
(3) 前記連通部の最小断面積は、前記転がり軸受用保持器の回転軸を含む平面で前記円環部を切断したときの最小断面積、及び前記回転軸に直交する平面で前記柱部を切断したときの最小断面積のうち、小さい方の50%以下であり、且つ、4.0mm2以下である
ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
(4) 前記樹脂射出ゲートは、前記転がり軸受用保持器の内周面に三つ以上設けられ、且つ、前記柱部の円周方向中央部又は前記ポケット部の円周方向中央部と円周方向にオーバーラップする位置に設けられ、
円周方向に隣り合う一対の前記樹脂射出ゲートの間に形成される前記ウェルド部のうち、一対の前記樹脂射出ゲートから最も遠くに位置する前記ウェルド部を最終ウェルド部とすると、
前記連通部は、前記最終ウェルド部から円周方向で60°以内の範囲に設けられる
ことを特徴とする(1)〜(3)の何れか1つに記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
(5) 隣り合う前記樹脂射出ゲートの間隔の最大値と最小値との差は、円周方向角度において、360°を前記ポケット部の数で除したものの角度以内とされ、
前記樹脂溜まりの数は、前記樹脂射出ゲートの数以上である
ことを特徴とする(4)に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
(6) 前記樹脂溜まりの容積は、前記転がり軸受用保持器の容積の2%以上である
ことを特徴とする(1)〜(5)の何れか1つに記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
本発明の転がり軸受用保持器の製造方法によれば、転がり軸受用保持器の外周面には、少なくとも一つの凹部が形成され、凹部には、転がり軸受用保持器にウェルド部が形成された後に溶解樹脂が流入する樹脂溜まりが、連通部を介して連通される。したがって、応力集中部となる虞がある保持器の内周面の樹脂溜まり切断跡と、回転精度悪化の原因となるおそれがある保持器の外周面(案内面)上の樹脂溜まり切断跡が、何れも存在しない構成となる。これにより、ウェルド部の強度が改善され、且つ耐久性と回転精度も優れる保持器を実現できる。
以下、本発明に係る転がり軸受用保持器の製造方法の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1には、本実施形態の外輪案内方式の転がり軸受用保持器1(以後、単に保持器と呼ぶことがある。)が示されている。保持器1は、いわゆるアンギュラ玉軸受用保持器であり、軸方向に離間した一対の円環部3と、一対の円環部3を連結するように円周方向に所定間隔で配置された複数(本実施形態では15個)の柱部5と、一対の円環部3の互いに軸方向に対向する面と隣り合う一対の柱部5の互いに円周方向に対向する面とによって形成され、軸受の転動体(不図示の玉)を保持する複数(本実施形態では15個)のポケット部7と、を有している。
図1には、本実施形態の外輪案内方式の転がり軸受用保持器1(以後、単に保持器と呼ぶことがある。)が示されている。保持器1は、いわゆるアンギュラ玉軸受用保持器であり、軸方向に離間した一対の円環部3と、一対の円環部3を連結するように円周方向に所定間隔で配置された複数(本実施形態では15個)の柱部5と、一対の円環部3の互いに軸方向に対向する面と隣り合う一対の柱部5の互いに円周方向に対向する面とによって形成され、軸受の転動体(不図示の玉)を保持する複数(本実施形態では15個)のポケット部7と、を有している。
このような保持器1は、成形金型内に形成した環状のキャビティ(不図示)の周縁部に設けた少なくとも一つの樹脂射出ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ。)51から、補強繊維材を添加した溶解樹脂をキャビティ内に射出し、冷却固化することによって成形される。樹脂材料としては、例えば、46ナイロンや66ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルニトリル(PEN)等の樹脂に、10〜50wt%の補強繊維材(例えば、ガラス繊維や炭素繊維。)を添加した樹脂組成物が用いられる。なお、図1中、キャビティは不図示であるが、その内部構造は保持器1の構造と略同一とされている。
ここで、ゲート51の数は三つ以上とすることが好ましい。ゲート51の数が一つ又は二つである場合には、保持器1の円環部3が楕円に近い形状に変形し易く、真円度が悪化してしまう虞が大きい。ゲート51の数を三つ以上とすることで、円環部3の変形が比較的均等に分散され、極端な真円度の悪化を防止できる。本実施形態のゲート51の数は、五つとされている。
ここで、複数のゲート51には、それぞれ略円筒状のランナー53を介して、略円筒状のスプルー55から溶解樹脂が供給される。スプルー55は、保持器1(キャビティ)の略中心において軸方向に延びており、すなわち保持器1の回転軸L上を軸方向に延びており、複数のランナー53と接続される。複数のゲート51及びランナー53は、互いに形状(長さ、径)が同一となるように形成される。
このように、ゲート51の数を複数とした場合、樹脂の流動長、及び樹脂材料ロスの観点から、ゲート51を保持器1(キャビティ)の内周面1aに設けることが好ましい。
また、キャビティ内での樹脂の流動バランスの観点から、ゲート51は、柱部5の円周方向中央部、又はポケット部7の円周方向中央部と円周方向にオーバーラップする位置に設けられることが好ましい。この構成により、ゲート51通過後の樹脂が円周方向において対称的に分流し、流動バランスが崩れ難くなる。本実施形態のゲート51は、図2にも示すように、柱部5の円周方向中央部と円周方向にオーバーラップする位置において、図中上方の円環部3に接続される。
また、ゲート51の円周方向における間隔のばらつきは、すなわち、隣り合うゲート51の間隔の最大値と最小値との差は、円周方向の角度で「360°をポケット部7の数で除したもの(例えば本実施形態では360°/15=24°)」の角度以内とすることが好ましい。ゲート51の円周方向における間隔のばらつきが当該範囲を超えると、ゲート51の間隔が狭い部位と間隔が広い部位での、樹脂の充填時間の差が大きくなってしまう。この時間差により、円周方向での樹脂流動バランスの崩れが生じ、保持器1内で、強度ばらつきや寸法ばらつきが発生する虞がある。保持器1の強度及び寸法のばらつきをさらに抑制するためには、保持器1の全てのゲート51の間隔が等間隔であるとさらに好ましい。なお、本実施形態では、ゲート51は円周方向で等間隔(72°間隔)に設けられている。
このようにゲート51を配置した場合、図3に示すように、円周方向に隣り合うゲート51の間に、四つのウェルド部Wが形成される。ここで、複数のウェルド部Wのうち、実線で示したウェルド部Wfは、溶解樹脂の流動経路において一対のゲート51から最も遠くに位置し、最後に形成される「最終ウェルド部」である。
図1に戻り、保持器1の案内面である外周面1bには、ウェルド部W(図3参照。)の近傍に少なくとも一つの凹部9が形成される。本実施形態では、断面円形の五つの凹部9が円周方向に所定間隔で形成される。それぞれの凹部9は、図4にも示すように、柱部5の円周方向中央部と円周方向においてオーバーラップするように、柱部5から図中下方の円環部3にわたって設けられる。
それぞれの凹部9には、保持器1のウェルド部W(図3参照。)が形成された後に、溶解樹脂が流入する樹脂溜まり21が、連通部23を介して連通される。したがって本実施形態では、応力集中部となる虞がある保持器1の内周面1aの樹脂溜まり切断跡と、回転精度悪化の原因となるおそれがある保持器1の外周面1b(案内面)上の樹脂溜まり切断跡が、何れも存在しない構成となる。これにより、ウェルド部Wの強度が改善され、且つ耐久性と回転精度も優れる保持器1を実現できる。
ここで、樹脂溜まり21の連通部23は、柱部5の円周方向幅Aが最も狭くなる範囲と円周方向にオーバーラップする位置に配置される。すなわち、図4中、柱部5の円周方向幅Aの最小値がAminで示されているが、円周方向幅Aが当該最小値Aminとなる柱部5の範囲と円周方向にオーバーラップするよう(図4中、破線で囲まれた範囲S内に位置するよう)に、連通部23が配置されている。このような構成を採用することが、金型構造、特に、ラジアルドロー方式の金型構造から好ましい。
また、連通部23と連通する位置において、凹部9の保持器1の外周面1b(案内面)からの深さ(径方向距離)は、1.0mm以上とすることが好ましい。このように凹部の深さが1.0mm以上あれば、連通部23の切断跡に、保持器1と樹脂溜まり21をつなぐ流路の一部が残ってしまった場合でも、連通部23の切断跡と軸受外輪との接触を十分に防止できる。
樹脂溜まり21の連通部23の最小断面積は、保持器1の回転軸Lを含む平面で円環部3を切断したときの最小断面積、及び回転軸Lに直交する平面で柱部5を切断したときの最小断面積のうち、小さい方の50%以下とすることが好ましい。この構成により、ゲート51から射出された溶解樹脂は、先ず保持器1(キャビティ)本体に充填してウェルド部Wが一旦形成され、その後に、連通部23を介して樹脂溜まり21への樹脂流動が生じる。このように樹脂を流動させることで、ウェルド部Wの繊維配向を大きく乱すことができ、ウェルド部W強度の改善効果が高まる。
さらに、樹脂溜まり21の連通部23の最小断面積は、4.0mm2以下とすることが好ましい。仮に、樹脂溜まり21の連通部23の最小断面積が4.0mm2を越えると、離型時に、トンネルゲート等と同様の手法で金型内自動切断を行うことが困難となる。
また、連通部23は、最終ウェルド部Wf(図3参照)から円周方向で60°以内の範囲に設けることが好ましい。この構成により、強度的に最も不利な最終ウェルド部Wfの近傍に連通部23を設け、最終ウェルド部Wfの配向を効果的に乱し、最終ウェルド部Wfの強度の改善効率を高めることができる。なお、本実施形態の連通部23は、最終ウェルド部Wfから円周方向で約12°離間している。
ここで、図5には、連通部23の設置位置(最終ウェルド部Wfからの円周方向角度)と、最終ウェルド部Wfの強度と、の関係を表すグラフが示されている。なお、当該グラフは、円環形状試験片(外径:70mm、内径:60mm、厚さ:5mm)を成形し、円環引張試験で最終ウェルド部Wfの強度を測定することにより得たものである。円環状試験片成形時のゲート51の数は、内周面に一つとした。樹脂溜まり21の容積は、円環状試験片容積の5%に設定した。樹脂溜まり21を設けない場合の最終ウェルド部Wfの強度を1.0として、強度比で整理した。そして、樹脂溜まり21の設置位置を変化させて、最終ウェルド部Wfの強度を評価した。図5から明らかな通り、樹脂溜まり21を設けた場合には、設けない場合に比べて、最終ウェルド部Wfの強度が向上している。しかしながら、連通部23が最終ウェルド部Wfから円周方向で120°の位置に配置された場合、最終ウェルド部Wfから円周方向で60°以内の範囲に配置された場合に比べて、強度がかなり低下していることがわかる。このように、最終ウェルド部Wfの強度を改善するためには、連通部23は最終ウェルド部Wfから円周方向で60°以内の範囲に設けることが好ましいことが明らかとなった。
樹脂溜まり21(連通部23)の数は、ゲート51の数以上とすることが好ましい。この構成により、確実に全ての最終ウェルド部Wfの近傍に連通部23を設けることができる。なお、本実施形態では、上述したように樹脂溜まり21の数とゲート51の数は五つであり同数である。
樹脂溜まり21の一個当たりの容積は、保持器1の容積の2%以上とすることが好ましい。仮に、樹脂溜まり21の容積を保持器1の容積の2%未満とした場合、ウェルド部Wの強度改善効果が十分に発揮さない虞がある。
ここで、図6には、円環状試験片の容積に対する樹脂溜まり21の容積と、ウェルド部Wの強度と、の関係を表すグラフが示されている。なお、当該グラフは、円環形状試験片(外径:70mm、内径:60mm、厚さ:5mm)を成形し、円環引張試験でウェルド部Wの強度を測定することにより得たものである。円環状試験片成形時のゲート51の数は、内周面に一つとした。樹脂溜まり21の連通部23はウェルド部Wから円周方向で30°の位置に配置した。樹脂溜まり21を設けない場合の最終ウェルド部Wfの強度を1.0として、強度比で整理した。そして、円環状試験片の容積に対する樹脂溜まり21の容積を変化させて、ウェルド部Wの強度を評価した。図6から明らかな通り、樹脂溜まり21を設けた場合には、設けない場合に比べて、ウェルド部Wの強度が向上している。しかしながら、円環状試験片の容積に対する樹脂溜まり21の容積が1%又は1.5%とされた場合、2%以上とされた場合に比べて、強度がかなり低下していることがわかる。このように、樹脂溜まり21の容積は保持器1の容積の2%以上とすることが好ましいことが明らかとなった。なお、図6に示すように、樹脂溜まり21の容積が大きくなるにしたがって、ウェルド部Wの強度は向上する傾向にあるが、樹脂溜まり21の容積を保持器1の容積の7%以上としてもウェルド部Wの強度はほとんど変化せず、材料ロスが増加するだけである。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
次に、本発明に係る第2実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
図7及び図8に示すように、本実施形態は、凹部9が、円周方向幅と保持器1の外周面1bからの深さとを略一定に保った状態で、保持器1の軸方向一端面(図中、下端面)まで軸方向に延びる点で第1実施形態と異なる。このように構成することで、保持器1の離型時に凹部9が無理抜きとなることを回避でき、無理抜きによる保持器1の変形を防止できる。
その他の構成は上述の実施形態と同様であり、同様の効果を奏することが可能である。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
次に、本発明に係る第3実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
図9に示すように、本実施形態は、凹部9が、円周方向幅と保持器1の外周面1bからの深さとを略一定に保った状態で、保持器1の軸方向両端面(図中、上下両端面)まで軸方向に延びる点で第1実施形態と異なる。このように構成することで、保持器1の離型時に凹部9が無理抜きとなることを回避でき、無理抜きによる保持器1の変形を防止できる。
また、図10に示すように、本実施形態のゲート51は、柱部5のポケット部7の円周方向中央部と円周方向にオーバーラップする位置において、図中上方の円環部3に接続される。このように構成した場合であっても、ゲート51通過後の樹脂が円周方向において対称的に分流し、流動バランスが崩れ難くなる。
また、このようにゲート51を配置した場合、図11に示すように、ポケット部7を挟んでゲート51と逆側の円環部3にウェルド部Wが形成されると共に、円周方向に隣り合うゲート51の間に、二つの最終ウェルド部Wfが形成される。
その他の構成は上述の実施形態と同様であり、同様の効果を奏することが可能である。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
次に、本発明に係る第4実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
図12に示すように、本実施形態の凹部9は、図中下方の円環部3の全周にわたって形成されており、円周方向幅と保持器1の外周面1bからの深さとを略一定に保った状態で、保持器1の軸方向一端面(図中、下端面)まで軸方向に延びる。このように構成することで、保持器1の離型時に凹部9が無理抜きとなることを回避でき、無理抜きによる保持器1の変形を防止できる。
凹部9には、三つの樹脂溜まり21が連通部23を介して連通される。連通部23は、所定間隔(ポケット部7五個分の間隔。120°間隔。)で、柱部5と円周方向においてオーバーラップする位置に配置される。
また、3つのゲート51が、柱部5の円周方向中央部と円周方向にオーバーラップする位置において、図中上方の円環部3に接続される。それぞれのゲート51は、所定間隔(ポケット部7の五個分の間隔。120°間隔。)で設けられており、連通部23から円周方向時計周りにポケット部7三個分(72°)の位置に配置される。
その他の構成は上述の実施形態と同様であり、同様の効果を奏することが可能である。
(第5実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
次に、本発明に係る第5実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
図13に示すように、本実施形態の保持器1は、いわゆる円筒ころ軸受用保持器である点で第1実施形態の保持器1(図1参照。)と異なるが、基本的構成は第1実施形態と同一であるので、同一又は相当部分に符号を付すことにより説明を省略する。このように、本発明の製造方法は円筒ころ軸受用保持器1にも適用可能であり、本実施形態においても上述の実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
(第6実施形態)
次に、本発明に係る第6実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
次に、本発明に係る第6実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
図14に示すように、本実施形態の保持器1は、凹部9が円周方向幅と保持器1の外周面1bからの深さとを略一定に保った状態で、保持器1の軸方向一端面(図中、下端面)まで軸方向に延びる点、及び、ゲート51がポケット部7の円周方向中央部と円周方向にオーバーラップする点で、第5実施形態の保持器1(図13参照。)と異なる。このように構成することで、保持器1の離型時に凹部9が無理抜きとなることを回避でき、無理抜きによる保持器1の変形を防止できる。
その他の構成は上述の実施形態と同様であり、同様の効果を奏することが可能である。
(第7実施形態)
次に、本発明に係る第7実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
次に、本発明に係る第7実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
図15に示すように、本実施形態の保持器1は、凹部9が円周方向幅と保持器1の外周面1bからの深さとを略一定に保った状態で、保持器1の軸方向両端面(図中、上下両端面)まで軸方向に延びる点で、第5実施形態の保持器1(図13参照。)と異なる。このように構成することで、保持器1の離型時に凹部9が無理抜きとなることを回避でき、無理抜きによる保持器1の変形を防止できる。
その他の構成は上述の実施形態と同様であり、同様の効果を奏することが可能である。
(第8実施形態)
次に、本発明に係る第8実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
次に、本発明に係る第8実施形態の保持器1の製造方法について図面を参照して説明する。
図16に示すように、本実施形態の凹部9は、図中下方の円環部3の全周にわたって形成されており、円周方向幅と保持器1の外周面1bからの深さとを略一定に保った状態で、保持器1の軸方向一端面(図中、下端面)まで軸方向に延びる。このように構成することで、保持器1の離型時に凹部9が無理抜きとなることを回避でき、無理抜きによる保持器1の変形を防止できる。
凹部9には、四つの樹脂溜まり21が連通部23を介して連通される。連通部23は、柱部5と円周方向においてオーバーラップする位置に配置される。また、連通部23同士の間隔は、ポケット部7三個分の間隔(72°間隔)が一箇所、ポケット部7四個分の間隔(96°間隔)が三箇所とされている。
また、四つのゲート51が、ポケット部7の円周方向中央部と円周方向にオーバーラップする位置において、図中上方の円環部3に接続される。ゲート51同士の間隔は、ポケット部7三個分の間隔(72°間隔)が一箇所、ポケット部7四個分の間隔(96°間隔)が三箇所とされており、等間隔に配置されていない。しかしながら、ゲート51の円周方向における間隔のばらつきは、すなわち、隣り合うゲート51の間隔の最大値と最小値との差は、円周方向の角度で24°であり、「360°をポケット部7の数で除したもの(360°/15=24°)」の角度以内であるので、円周方向での樹脂流動バランスは確保される。したがって、保持器1内で、強度ばらつきや寸法ばらつきが発生することが抑制される。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、本発明の転がり軸受用保持器の製造方法は、上述したアンギュラ玉軸受用保持器や円筒ころ軸受用保持器以外にも、任意の転がり軸受用保持器に適用可能である。
また、本発明の転がり軸受用保持器は、強度低下が少なく耐久性に優れるため、転がり軸受に適用することが好適である。すなわち、このような転がり軸受は、内輪と、外輪と、内輪及び外輪との間に設けられた複数の転動体と、転動体をポケットに転動自在に保持し、耐久性に優れる転がり軸受用保持器と、を備えるので、高速回転や高負荷等の要求を満たすことが可能である。
1 転がり軸受用保持器
1a 内周面
1b 外周面
3 円環部
5 柱部
7 ポケット部
9 凹部
21 樹脂溜まり
23 連通部
51 樹脂射出ゲート
53 ランナー
55 スプルー
L 回転軸
W ウェルド部
Wf 最終ウェルド部
1a 内周面
1b 外周面
3 円環部
5 柱部
7 ポケット部
9 凹部
21 樹脂溜まり
23 連通部
51 樹脂射出ゲート
53 ランナー
55 スプルー
L 回転軸
W ウェルド部
Wf 最終ウェルド部
Claims (6)
- 成形金型内に形成した環状のキャビティの周縁部に設けられた少なくとも一つの樹脂射出ゲートから、溶解樹脂を前記キャビティ内に射出することによって成形される、外輪案内方式の転がり軸受用保持器の製造方法であって、
前記転がり軸受用保持器は、軸方向に離間した一対の円環部と、一対の前記円環部を連結するように円周方向に所定間隔で配置された複数の柱部と、一対の前記円環部の互いに対向する面と隣り合う一対の前記柱部の互いに対向する面とによって形成された複数のポケット部と、を有し、
前記転がり軸受用保持器の外周面には、少なくとも一つの凹部が形成され、
前記凹部には、前記転がり軸受用保持器にウェルド部が形成された後に前記溶解樹脂が流入する樹脂溜まりが、連通部を介して連通される
ことを特徴とする転がり軸受用保持器の製造方法。 - 前記凹部は、円周方向幅と前記転がり軸受用保持器の外周面からの深さとを略一定に保った状態で、前記転がり軸受用保持器の軸方向一端面まで軸方向に延びる
ことを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。 - 前記連通部の最小断面積は、前記転がり軸受用保持器の回転軸を含む平面で前記円環部を切断したときの最小断面積、及び前記回転軸に直交する平面で前記柱部を切断したときの最小断面積のうち、小さい方の50%以下であり、且つ、4.0mm2以下である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。 - 前記樹脂射出ゲートは、前記転がり軸受用保持器の内周面に三つ以上設けられ、且つ、前記柱部の円周方向中央部又は前記ポケット部の円周方向中央部と円周方向にオーバーラップする位置に設けられ、
円周方向に隣り合う一対の前記樹脂射出ゲートの間に形成される前記ウェルド部のうち、一対の前記樹脂射出ゲートから最も遠くに位置する前記ウェルド部を最終ウェルド部とすると、
前記連通部は、前記最終ウェルド部から円周方向で60°以内の範囲に設けられる
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。 - 隣り合う前記樹脂射出ゲートの間隔の最大値と最小値との差は、円周方向角度において、360°を前記ポケット部の数で除したものの角度以内とされ、
前記樹脂溜まりの数は、前記樹脂射出ゲートの数以上である
ことを特徴とする請求項4に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。 - 前記樹脂溜まりの容積は、前記転がり軸受用保持器の容積の2%以上である
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
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-
2014
- 2014-05-26 JP JP2014108304A patent/JP2015224664A/ja active Pending
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