JP3731647B2 - プラスチックシールの射出成形方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラスチックシールの射出成形方法に関し、特に、軸受用プラスチックシール等に使用されるプラスチックシール成形時のウェルド部の接合強度を向上させる射出成形方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6に示したように、転がり軸受の一種である玉軸受2は、外輪3と内輪4との間に複数個のボール(転動体)5を配置したもので、各ボール5相互の間隔は内外輪間に装着される保持器6によって保持している。
更に、前記玉軸受2の片面又は両面には、外部から内外輪3,4間への異物の侵入防止や、充填されたグリース等の潤滑剤の漏れ防止のために、軸受用プラスチックシール1が装着されている。
【0003】
前記軸受用プラスチックシール1は、リング状部材であり、その内周縁を軸受の内輪に嵌合固定する内輪固定タイプと、その外周縁を軸受の外輪に嵌合固定する外輪固定タイプとがあるが、一般的にはここに示した軸受用プラスチックシール1のような外輪固定タイプである。
前記軸受用プラスチックシール1は、外輪3に設けられた嵌合溝7に嵌合する取付嵌合部1aと、内輪4に設けられたシール溝8に摺接させるか、或いは僅かな隙間をもたせてシール溝8との間でラビリンスを形成するリップ部1bと、これらを連結する連結部1cとを、適宜樹脂材料による射出成形によって一体成形したものである。
【0004】
前記軸受用プラスチックシール1が装着される外輪3の側面には、前記嵌合溝7よりも内径を小さく設定した最小径部7aが形成されている。
前記軸受用プラスチックシール1の取付嵌合部1aは、最小径部7aよりも外径が大きく設定されており、該軸受用プラスチックシール1を玉軸受2の外輪3に装着する際には、軸受用プラスチックシール1を内方へ弾性変形させた状態にして最小径部7aを通過させ、嵌合溝7内に挿入する。そして、嵌合溝外側面7bと嵌合溝内側面7cとの間で前記取付嵌合部1aを歪ませて嵌合溝7内に緊密嵌合させることにより、前記軸受用プラスチックシール1が外輪3に嵌合固定される。
【0005】
一方、前記軸受用プラスチックシール1のような樹脂製リングを射出成形する際には、図7に示したように、成形金型11内にリング状キャビティ9を形成し、該リング状キャビティ9の周縁部に設けた樹脂射出ゲート10から適宜樹脂材料を射出することで、所定形状の樹脂製リングを成形する射出成形方法が一般的である。
ところが、樹脂射出ゲート10からリング状キャビティ9内に射出された溶融樹脂は、キャビティ9内で二つの流れとなった後、流動する溶融樹脂の先端部が再び合流する部分(樹脂射出ゲート10と略反対側)にウェルドラインLを生じる。
【0006】
樹脂材料により異なるが、この様な射出成形におけるウェルド部の強度が低下することは一般に良く知られている。
そこで、前記ウェルドラインを目立たなくする方法として、前記ウェルド部にガス抜きや樹脂溜まりを設ける方法や、溶融樹脂の温度を上げたり、金型温度を高くするなどの成形条件による対応や、真空引き成形、ウェルド部局部加熱などの方法が行われてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した如き軸受用プラスチックシール1が、例えば高速回転される転がり軸受用プラスチックシール等のように、高耐久性や高い成形精度が要求される場合は、樹脂材料としてガラス繊維等の強化繊維を添加した繊維強化樹脂を使用したり、あるいは、樹脂材料として液晶ポリマーを使用して強度アップが図られている。
【0008】
しかしながら、図8に示すように、ガラス繊維等の強化繊維12を添加した繊維強化樹脂の場合には、ウェルド部P1において、添加した強化繊維12及び分子鎖が流動直角方向(ウェルドラインLに沿う方向)に揃って配向されてしまい、からみつきが発生し難くなる。
そこで、前述したウェルド部P1における接合強度の低下現象が一層顕著になり、上述した如き従来の射出成形方法では十分な効果を得ることが難しかった。
【0009】
また、前記液晶ポリマーは、強化繊維12を含まない非強化樹脂の場合でもウェルド部の強度が小さく、強化繊維12を含む繊維強化樹脂の場合は更に大きく強度が低下する。
そこで、前記軸受用プラスチックシール1の場合、軸受組立時には軸受用プラスチックシール1を弾性変形させて嵌合溝7内に挿入するため、挿入時に該軸受用プラスチックシール1がウェルド部から割れてしまうという問題があった。
【0010】
更に、上述の如きウェルド部における接合強度の低下という問題を回避するために、樹脂射出ゲートをディスクゲートに変更してウェルドライン自体が発生しないようにした樹脂製リングの射出成形方法も開発されている。
しかしながら、ディスクゲートを利用する射出成形方法では、ゲート痕を小さくできないため、成形品の後加工量が大幅に増大して生産コストが高価になるという問題が生じる。また、成形品の内外径の同軸度も高精度化が難しく、軸受用プラスチックシールの射出成形方法としては不適格であった。
【0011】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することにあり、ウェルド部の強度低下を抑制すると共に、高精度のプラスチックシールを安価に製造することができる良好なプラスチックシールの射出成形方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、成形金型内に形成したリング状キャビティの周縁部に設けられた樹脂射出ゲートから強化繊維を添加した溶融樹脂を該リング状キャビティ内に射出して、リング状のプラスチックシールを射出成形するプラスチックシールの射出成形方法であって、前記リング状キャビティにおけるウェルド部から外れた周縁部に、溶融樹脂の一部が流入可能な樹脂溜まりを設け、前記樹脂溜まりの設置位置を、前記樹脂射出ゲートからの周縁上の距離が前記樹脂射出ゲートと前記ウェルド部との間の周縁距離の5/6を超えない範囲に設定し、且つ、前記樹脂溜まりと前記リング状キャビティとを連通する連通部の開口横断面積を、前記リング状キャビティに射出された溶融樹脂が、前記リング状キャビティ内に充填された後に、前記樹脂溜まり内に充填されるように、前記リング状キャビティから前記樹脂溜まりへの溶融樹脂の流入量を制限する広さに設定し、強化繊維を添加した溶融樹脂を前記樹脂射出ゲートから前記リング状キャビティに射出して、プラスチックシールを成形するプラスチックシールの射出成形方法により達成される。
【0013】
上記構成によれば、リング状キャビティ内に射出されて二つの流れとなった後、流動する溶融樹脂の各先端部が再び合流するウェルド部に達し、該リング状キャビティ内に溶融樹脂が充填された後に、樹脂溜まり近傍のリング状キャビティ内の溶融樹脂が射出圧力によって樹脂溜まり内に流入し、溶融樹脂が樹脂溜まり内に充填される。
【0014】
そこで、ウェルド部で対向して合流する溶融樹脂の各先端部における圧力均衡が崩れ、周方向に沿って前記樹脂溜まり側に樹脂流動が起こるので、各溶融樹脂の対向面は前記樹脂溜まり側に突出した非平坦な形状となる。従って、前記ウェルド部では合流する溶融樹脂の接触面積が増加し、樹脂に添加した強化繊維も流動方向に配向されるので、該ウェルド部での樹脂の接合強度が高くなる。
また、前記樹脂溜まりの設置位置を、前記樹脂射出ゲートからの周縁上の距離が前記樹脂射出ゲートと前記ウェルド部との間の周縁距離の5/6を超えない範囲に設定しているため、ウェルド部での十分な樹脂流動を発生させ、高い接合強度を得ることができる。
【0015】
尚、好ましくは前記連通部の開口横断面積が、前記リング状キャビティの開口横断面積よりも小さくされる。
この場合、樹脂溜まりの容量を必要最小限の大きさとした状態で、前記溶融樹脂が、前記リング状キャビティ内に充填された後に、前記樹脂溜まり内に充填されるように構成することができる。
【0017】
更に、好ましくは前記樹脂溜まりが、前記成形金型における突出しピンとの間に形成される。
この場合、突出しピンの長さを変更することにより、樹脂溜まりの容量を容易に変更することができる。
尚、本発明の樹脂製リングの射出成形方法における樹脂材料としては、ガラス繊維等の強化繊維を添加した繊維強化樹脂や、液晶ポリマーを用いることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る樹脂製リングの射出成形方法を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る樹脂製リングの射出成形方法を説明する成形金型の部分水平断面図、図2は図1におけるII-II 断面矢視図である。
【0019】
本実施形態に係る樹脂製リングの射出成形方法は、図1及び図2に示したように、成形金型21内に形成したリング状キャビティ19の周縁部に設けた樹脂射出ゲート10から前記リング状キャビティ19内に溶融樹脂を射出することで、樹脂製リングである所定形状の軸受用プラスチックシール20を製造するものである。
【0020】
そして、前記リング状キャビティ19の周縁部上で、前記樹脂射出ゲート10のゲート位置からリング状キャビティ19の周方向に約半周分進んだウェルド部P2と前記樹脂射出ゲート10との間に、リング状キャビティ19内に射出された溶融樹脂の一部が流入可能な樹脂溜まり23が設けられている。
尚、本実施形態の場合、前記樹脂溜まり23の形成位置は、図1に示したように、前記樹脂射出ゲート10の形成位置から周方向に沿って約45゜移動した位置である。
【0021】
前記樹脂溜まり23は、前記リング状キャビティ19の開口横断面積よりも小さい開口横断面積を備えた連通部27を介してリング状キャビティ19に連通されている。
そして、前記樹脂射出ゲート10から前記リング状キャビティ19内に溶融樹脂が射出された際、前記リング状キャビティ19から前記樹脂溜まり23に流入する溶融樹脂は、前記連通部27によって流入量が制限される。
【0022】
即ち、前記リング状キャビティ19内に射出されて二つの流れとなった後、流動する溶融樹脂の各先端部が再び合流するウェルド部P2に達し、該リング状キャビティ19内に溶融樹脂が充填された時点で、図2に示したように、前記樹脂溜まり23内には空所23aが残るように、前記連通部27の開口横断面積及び樹脂溜まり23の容量が設定される。
尚、本実施形態の場合、前記樹脂溜まり23が、図2に示したように、成形金型21における突出しピン25との間に形成されており、該樹脂溜まり23の容量は、金型の手直しを行わずとも前記突出しピン25の長さの変更によって容易に調整が可能になっている。
【0023】
そこで、前記溶融樹脂は、二つの流れとなった溶融樹脂の各先端部がウェルド部P2に到達して前記リング状キャビティ19内に充填された後に、樹脂溜まり23近傍のリング状キャビティ19内の一部の溶融樹脂が射出圧力によって樹脂溜まり23内に流入し、該樹脂溜まり23内に充填される。
【0024】
即ち、ウェルド部P2で対向して合流する溶融樹脂の各先端部における圧力均衡が崩れ、周方向に沿って前記樹脂溜まり23側に樹脂流動が起こるので、各溶融樹脂の対向面Zは、図1及び図3に示したように、中央部が前記樹脂溜まり23側に突出した非平坦な凸形状となる。
従って、前記ウェルド部P2では合流する溶融樹脂の接触面積が増加し、分子鎖が流動方向に配向されるので、該ウェルド部P2での樹脂の接合強度が高くなる。
【0025】
又、本実施形態は軸受用プラスチックシール20を製造するものであるので、図3に示したように、樹脂材料としてはガラス繊維(グラスファイバー)等の強化繊維12を添加した繊維強化樹脂や液晶ポリマーが用いられるが、ウェルド部P2において、前記対向面Zが一方に凸形状となるので、添加した強化繊維12も流動方向に配向され、からみつきが発生する。
【0026】
そこで、前記軸受用プラスチックシール20が、強化繊維12を添加した液晶ポリマーから成ると共に、上述の如き成形金型21を用いて射出成形されるにもかかわらず、ウェルド部P2における接合強度の低下を抑えることができた。
又、上述した本実施形態の射出成形方法は、基本的には、リング状キャビティ19の周縁に装備した単一の樹脂射出ゲート10から溶融樹脂を射出する成形方法である。
【0027】
そこで、ディスクゲートを利用する従来の射出成形方法のように、ゲート痕が大きくなることはなく、成形金型21から取り出した成形品は、樹脂射出ゲート10と連通部27とを切断するだけでよいので、成形品の後加工量が大幅に増大して生産コストが高価になるのを抑えることができる。又、成形品の内外径の同軸度も高精度化が図り難くなることもない。
【0028】
従って、上述した本実施形態における樹脂製リングの射出成形方法により成形された軸受用プラスチックシール20は、強化繊維12を添加した液晶ポリマーが使用されるにもかかわらず、軸受組立時に弾性変形されてもウェルド部から割れてしまうことがない。そこで、軸受用プラスチックシール20は、強度アップを図り、高耐久性や高い成形精度を達成することができる。
【0029】
尚、上記実施形態においては、樹脂溜まり23が前記リング状キャビティ19の開口横断面積よりも小さい開口横断面積を備えた連通部27を介してリング状キャビティ19に連通されているので、該樹脂溜まり23の容量を必要最小限の大きさとした状態で、溶融樹脂が前記リング状キャビティ19内に充填された後に、前記樹脂溜まり23内に充填されるように構成することができる。
そこで、前記樹脂溜まり23に流入する溶融樹脂の流入量を低減し、樹脂材料の無駄を最小限とすることができると共に、成形金型21が大型化するのを抑制することができた。
【0030】
図4に示した成形金型31は、樹脂溜まり23の形成位置を樹脂射出ゲート10の形成位置から周方向に沿って約150゜移動した位置に変更すると共に、断面形状を変更した以外は、上記成形金型21と同様の構成である。
そして、前記成形金型31を用いて軸受用プラスチックシール20を製造したところ、上記成形金型21を用いた場合と同様の作用効果を得ることができ、強化繊維12を添加した液晶ポリマーを使用しても、軸受組立時にウェルド部から割れてしまうことがなく、強度アップを図ると共に高耐久性や高い成形精度を達成することができた。
【0031】
但し、前記樹脂溜まり23の形成位置をそれ以上ウェルド部P2に近づけた成形金型を用いて軸受用プラスチックシール20を成形した場合には、該ウェルド部P2における接合強度の向上が期待したほど得られなかった。
これは、前記樹脂溜まり23の形成位置がウェルド部P2に近いと、該ウェルド部P2で対向して合流する溶融樹脂の圧力均衡が崩れることによる樹脂流動が少なくなり、各溶融樹脂の対向面が非平坦になるウェルド部の形成が困難になる為と推測される。
【0032】
従って、ウェルド部P2付近における溶融樹脂の周方向への樹脂流動を大きくし、各溶融樹脂の対向面の非平坦化によるウェルド部の接合強度の向上を図る為には、前記樹脂溜まり23が、前記リング状キャビティ19の周縁部における前記樹脂射出ゲート10と前記ウェルド部P2との間で、且つ前記樹脂射出ゲート10から5/6の範囲内に設けられることが好ましい。
【0033】
尚、本発明の射出成形方法は、上記実施形態における軸受用プラスチックシールの射出成形方法に限定されるものではなく、一般的な樹脂製リング全般に適用することができる。勿論、樹脂材料としても繊維強化樹脂や液晶ポリマーに限らず、通常の樹脂を用いることもできる。
又、上記実施形態の金型は、サイドゲートであるが、これに限定されるものではなく、サブマリンゲート他にも適用できることは言うまでもない。
【0034】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明の樹脂製リングの射出成形方法による効果を明らかにするため、上記実施形態における成形金型21を用いた本発明の樹脂製リングの射出成形方法で形成した軸受用プラスチックシール20を実施例品とすると共に、図7に示した成形金型11を用いた従来の樹脂製リングの射出成形方法で形成した軸受用プラスチックシール1を比較例品とし、それぞれの曲げ強度を測定した。
【0035】
そして、前記比較例品の曲げ強度を1とした場合の前記実施例品の曲げ強度を相対比較し、その結果を図5のグラフに示した。尚、樹脂材料としては、液晶ポリマーにグラスファイバーを30wt%充填した樹脂を用いた。
図5のグラフから明らかなように、本発明の樹脂製リングの射出成形方法で形成した実施例品は、比較例品の5倍以上の曲げ強度を達成した。また、上記実施例品の軸受への組み込み試験においても、ウェルド部の割れは発生しなかった。
【0036】
【発明の効果】
本発明のプラスチックシールの射出成形方法によれば、リング状キャビティ内に射出されて二つの流れとなった後、流動する溶融樹脂の各先端部が再び合流するウェルド部に達し、該リング状キャビティ内に溶融樹脂が充填された後に、樹脂溜まり近傍のリング状キャビティ内の溶融樹脂が射出圧力によって樹脂溜まり内に流入し、溶融樹脂が樹脂溜まり内に充填される。
【0037】
そこで、ウェルド部で対向して合流する溶融樹脂の各先端部における圧力均衡が崩れ、周方向に沿って前記樹脂溜まり側に樹脂流動が起こるので、各溶融樹脂の対向面は前記樹脂溜まり側に突出した非平坦な形状となる。従って、前記ウェルド部では合流する溶融樹脂の接触面積が増加し、樹脂に添加した強化繊維も流動方向に配向されるので、該ウェルド部での樹脂の接合強度が高くなる。
【0038】
更に、ディスクゲートを利用する従来の射出成形方法のように、ゲート痕が大きくなることはなく、成形金型から取り出した成形品は、樹脂射出ゲートと連通部とを切断するだけでよいので、成形品の後加工量が大幅に増大して生産コストが高価になるのを抑えることができる。従って、ウェルド部の強度低下を抑制すると共に、高精度のプラスチックシールを安価に製造することができる良好なプラスチックシールの射出成形方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る樹脂製リングの射出成形方法を説明する成形金型の部分水平断面図である。
【図2】図1におけるII-II 断面矢視図である。
【図3】図1に示した成形金型のリング状キャビティ内におけるウェルド部での溶融樹脂の状態を示す概略説明図である。
【図4】本発明の他の実施形態における成形金型の部分水平断面図である。
【図5】本発明の実施例による曲げ強度の強さを示すグラフである。
【図6】軸受用プラスチックシールを備えた玉軸受の要部断面図である。
【図7】従来の樹脂製リングの射出成形方法を説明する成形金型の部分水平断面図である。
【図8】図7に示した成形金型のリング状キャビティ内におけるウェルド部での溶融樹脂の状態を示す概略説明図である。
【符号の説明】
10 樹脂射出ゲート
19 リング状キャビティ
20 軸受用プラスチックシール(樹脂製リング)
21 成形金型
23 樹脂溜まり
25 突出しピン
27 連通部
P2 ウェルド部

Claims (3)

  1. 成形金型内に形成したリング状キャビティの周縁部に設けられた樹脂射出ゲートから強化繊維を添加した溶融樹脂を該リング状キャビティ内に射出して、リング状のプラスチックシールを射出成形するプラスチックシールの射出成形方法であって、
    前記リング状キャビティにおけるウェルド部から外れた周縁部に、溶融樹脂の一部が流入可能な樹脂溜まりを設け、前記樹脂溜まりの設置位置を、前記樹脂射出ゲートからの周縁上の距離が前記樹脂射出ゲートと前記ウェルド部との間の周縁距離の5/6を超えない範囲に設定し、且つ、前記樹脂溜まりと前記リング状キャビティとを連通する連通部の開口横断面積を、前記リング状キャビティに射出された溶融樹脂が、前記リング状キャビティ内に充填された後に、前記樹脂溜まり内に充填されるように、前記リング状キャビティから前記樹脂溜まりへの溶融樹脂の流入量を制限する広さに設定し、強化繊維を添加した溶融樹脂を前記樹脂射出ゲートから前記リング状キャビティに射出して、プラスチックシールを成形するプラスチックシールの射出成形方法。
  2. 前記連通部の開口横断面積を、前記リング状キャビティの開口横断面積よりも小さく設定したことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックシールの射出成形方法。
  3. 前記樹脂溜まりを、前記成形金型における突出しピンとの間に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチックシールの射出成形方法。
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