JP5024958B2 - 保持治具及び保持治具の製造方法 - Google Patents

保持治具及び保持治具の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、保持治具及び保持治具の製造方法に関し、さらに詳しくは、均一な特性を有する弾性部材を備えた保持治具及びこの保持治具の製造方法に関する。
従来、チップコンデンサ等の小型部品等を製造する際等に、この小型部品等を製造可能な小型部品用部材等をその表面に粘着保持することのできる保持治具が用いられている。このような保持治具は、通常、粘着性を有する弾性部材と、この弾性部材を支持する治具本体とを備えて成る。例えば、特許文献1には、「この発明の一実施例による電子部品チップ用ホルダ21を示す斜視図である。ホルダ21は、たとえば金属または樹脂のような材料からなる板状の本体22を備える。本体22上には、粘着膜23が形成され、それによって、この粘着膜23の表面に粘着面24が与えられる。」と記載されている(0029欄及び図1参照。)。
このような保持治具は、例えば、治具本体と共に弾性部材を形成し得るキャビティを有する成形金型を用いて、製造される。この製造方法に用いられる成形金型は、成形材料を前記キャビティに注入する注入部が、前記キャビティの中心部に連通するように、又は、前記キャビティの周縁の一辺に連通するように、設けられている。例えば、特許文献2には、「矩形の薄板状キャビティ周縁の一辺に樹脂充填用のゲートを設けると共に、前記ゲートが設けられた辺と直交する一方の隣接縁に、キャビティに連通した容積可変の樹脂溜りを設けたことを特徴とする射出成形用金型。」が記載されている。
このような成形金型を用いて保持治具を製造すると、例えば、成形材料の注入によってキャビティ内に存在するガスが隅部近傍に偏在すること等によって、前記キャビティの隅部に成形材料が十分に充填されないことがある。そうすると、得られる弾性部材は、その中心近傍と隅部近傍との厚さ、硬度、粘着力等の特性が異なってしまうことがある。
弾性部材の中心近傍と隅部近傍との厚さが異なる場合には、研磨処理等によって弾性部材の厚さを均一にすることができる。しかし、弾性部材を研磨処理等すると、研磨カスが粘着力を有する弾性部材の表面に付着してしまい、研磨カスが一旦弾性部材に付着すると弾性部材から除去するのは容易ではない。
特許第2682250号明細書 特許第3571375号明細書
この発明は、均一な特性を有する弾性部材を備えた保持治具及びその製造方法を提供することを、目的とする。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、治具本体と前記治具本体の表面に形成された弾性部材とを備えて成る保持治具であって、前記弾性部材は前記治具本体を収容したときに形成される直方体状の充填凹部前記充填凹部の第1隅部に連通する注入部、前記充填凹部の、前記第1隅部の対角に位置する第2隅部に設けられた排出部及び前記注入部に連通するスプルーとを備え、前記スプルー、前記注入部及び前記排出部が一直線上に配列されている成形金型成形材料を前記注入部から注入し硬化して成ることを特徴とする保持治具であり、
請求項2は、前記注入部及び排出部は前記充填凹部の深さよりも浅い深さを有していることを特徴とする請求項1に記載の保持治具であり、
請求項3は、前記成形金型は前記治具本体及び前記充填凹部で形成されるキャビティと前記排出部との間に前記排出部の深さよりも浅い深さを有する排出通路を有して成ることを特徴とする請求項2に記載の保持治具であり、
請求項4は、治具本体を収容したときに形成される直方体状の充填凹部前記充填凹部の第1隅部に連通する注入部、前記充填凹部の、前記第1隅部の対角に位置する第2隅部に設けられた排出部及び前記注入部に連通するスプルーとを備え、前記スプルー、前記注入部及び前記排出部が一直線上に配列されている成形金型に治具本体を収容し、前記治具本体と前記充填凹部とで形成されたキャビティに成形材料を前記注入部から注入し、注入された成形材料を硬化することを特徴とする保持治具の製造方法であり、
請求項5は、前記注入部及び排出部は前記充填凹部の深さよりも浅い深さを有していることを特徴とする請求項4に記載の保持治具の製造方法である。

この発明に係る保持治具は、前記成形金型を用いて弾性部材を成形して成るから、成形金型と治具本体とで形成されるキャビティの隅部に所望のように充填された成形材料が硬化して成る弾性部材を備えている。したがって、この発明によれば、均一な特性を有する弾性部材を備えた保持治具を提供することができる。
また、この発明に係る保持治具の製造方法は、前記成形金型を用いて弾性部材を成形して成るから、成形金型と治具本体とで形成されるキャビティの隅部に成形材料を所望のように充填することができる。したがって、この発明によれば、均一な特性を有する弾性部材を備えた保持治具の製造方法を提供することができる。
この発明に係る保持治具の一実施例である保持治具を、図を参照して、説明する。この保持治具1は、図1に示されるように、治具本体2と、治具本体2の表面に形成されて成る弾性部材3とを有し、その弾性部材3の表面に弾性部材3の粘着力で被粘着物を保持することができる。
前記治具本体2は、弾性部材3を保持又は支持する。治具本体2は、平滑な表面を有する、方形を成す盤状体に形成されているが、弾性部材3を保持又は支持することができる限り種々の設計変更に基づく各種の形態にすることができる。治具本体2は、弾性部材3を保持又は支持可能な厚さを有していればよく、治具本体2は均一な厚さを有しているのが特によい。
前記弾性部材3は、多数の被粘着物を粘着により保持することができるように設計され、例えば、図1に示されるように、治具本体2の表面に方形を成す盤状体に成形されている。この弾性部材3は、例えば後述する粘着性材料の硬化物で形成され、被粘着物を粘着保持することのできる粘着力、例えば、1〜50g/mmの粘着力を有している。弾性部材3の粘着力は、特開2007−165397号公報に記載の「信越ポリマー法」に従って測定することができる。また、弾性部材3は、5〜60の表面硬度(JIS K6253[デュロメータE])を有している。
この弾性部材3は、後述するように、キャビティの隅部に所望のように充填された成形材料が硬化して成るから、均一な特性、例えば、厚さ、表面硬度及び粘着力を有している。このように弾性部材3は均一な特性を有しているから、研磨処理等の後処理が施されなくてもよく、この場合には、弾性部材3の表面に研磨カス、研削カス等の異物が付着することを効果的に回避することができる。したがって、この発明によれば、異物の付着がきわめて少なく均一な特性を発揮する弾性部材を備えた保持治具を提供するという目的を達成することができる。
この発明に係る保持治具に粘着保持される被粘着物は、小型部品を製造可能な小型部品用部材、例えば、小型器具用部材、小型機械要素用部材及び小型電子部品用部材等が挙げられる。また、小型部品の製造には小型部品の搬送工程等も含まれるから、被粘着物は、小型部品そのもの、例えば、小型器具、小型機械要素及び小型電子部品等も含まれる。したがって、この発明においては、小型部品と小型部品用部材とは明確に区別される必要はない。これら被粘着物の中でも、この発明に係る保持治具が粘着保持するのに好適な被粘着物として、小型電子部品及び/又は小型電子部品用部材等が挙げられる。小型電子部品及び小型電子部品用部材としては、例えば、コンデンサチップ(チップコンデンサとも称されることがある。)、インダクタチップ、抵抗体チップ、FPC、ウエハー等の完成品若しくは未完成品等、及び/又は、これらを製造可能な例えば、角柱体若しくは円柱体、一端部に鍔を有する角柱体若しくは円柱体、両端部に鍔を有する角柱体若しくは円柱体等が挙げられる。
この発明に係る保持治具は、例えば、前記被粘着物の搬送、保存、製造時等における、被粘着物の粘着保持用として好適に用いられる。特に、この発明に係る保持治具は、少なくとも二箇所に電極を形成してなるコンデンサチップを製造する場合に、第1の保持治具に粘着保持した被粘着物の一個所に電極を形成した後にこの被粘着物を第1の保持治具から第2の保持治具に移し替えるときに使用される、第1の保持治具及び/又は第2の保持治具にとして好適に用いられる。
保持治具1は、この発明に係る保持治具の製造方法によって、製造される。まず、この発明に係る保持治具の製造方法に使用される成形金型の一実施例である成形金型について、説明する。図4に示されるように、この成形金型10は、第1の成形金型15と第2の成形金型16とを備えてなる。この成形金型10は、治具本体2を収容したときに形成されるキャビティ30を有し、前記キャビティ30の第1隅部21に連通する注入部26と、前記キャビティ30においてこの注入部26の延在方向延長線上に位置する第2隅部22に設けられた排出部27とを有している。
第1の成形金型15は、図2及び図3に示されるように、板状を成し、その厚さ方向に貫通形成されたスプルー24と、弾性部材3を形成するための充填凹部25と、充填凹部25の第1隅部21にスプルー24と充填凹部25とを連結するように設けられた注入部26と、充填凹部25において注入部26の延在方向延長線上に位置する第2隅部22、すなわち、充填凹部25の対角に位置する第2隅部22に設けられた排出部27とを有している。
スプルー24は、成形材料の通路を形成し、成形材料を注入部26に案内する。このスプルー24は、第1の成形金型15のいずれの位置に形成されてもよいが、図2及び図3に示されるように、充填凹部25の第1隅部21と第2隅部22とを結ぶ仮想線上に形成されるのが好ましい。スプルー24特にその軸線がこの仮想線上に形成されると、スプルー24、注入部26及び排出部27が一直線上に配列され、成形材料を充填凹部25内により一層均一に注入することができる。
充填凹部25は、後述する第2の成形金型16と共同して治具本体2を収容したときにキャビティ30を形成する。したがって、この発明において、充填凹部25とキャビティ30とを明確に区別する必要はないが、成形金型の説明上の明確性を担保するため、第1の成形金型15に関するときを充填凹部25と称し、成形金型10に関するときをキャビティ30と称する。充填凹部25は、図2に示されるように、第1の成形金型15の上面に開口する開口部が正方形の直方体とされている。充填凹部25の一辺の長さ、深さ等は、形成する弾性部材3の寸法に応じて、適宜の寸法に調整されている。
この充填凹部25は、図2に示されるように、4つの隅部21、22、23及び23を有している。この例においては、1つの対角線上に位置して互いに対向している2つの隅部であって、前記スプルー24側に位置する隅部を第1隅部21と称し、反対側に位置する隅部を第2隅部22と称し、他の対角線上に位置して互いに対向している2つの隅部を第3隅部23、23と称する。
注入部26は、スプルー24から延在して充填凹部25の第1隅部21に開口する。すなわち、注入部26は、スプルー24から第1隅部21に延びる軸線を有し、注入部26の延在方向は第1隅部21を通る充填凹部25の対角線と一致している。この注入部26は、スプルー24と充填凹部25とを連結する溝であり、成形金型10としたときに、成形材料をスプルー26から充填凹部25内に案内する。
排出部27は、第1隅部21を通る充填凹部25の対角線上、すなわち、第1隅部21に対して対角の関係にある第2隅部22に設けられ、注入部26と対向している。排出部27は、充填凹部25に過剰に注入された成形材料を充填凹部25から排出し、貯蔵する。この排出部27は、第1の成形金型15外に連通するベント(図示しない。)が設けられていてもよい。
注入部26及び排出部27は、成形材料の注入量及び注入速度、第1の成形金型15の寸法等に応じて適宜の寸法に調整されていればよいが、充填凹部25の深さよりも浅い深さに調整されているのがよい。例えば、成形材料として後述する付加反応硬化型粘着性シリコーン組成物及び過酸化物硬化型粘着性シリコーン組成物を採用する場合には、注入部26及び排出部27それぞれの幅は特に限定されないが、注入部26及び排出部27それぞれの深さは、形成する弾性部材3の厚さに対して、10〜100%の深さに調整され、好ましくは30〜80%の深さに調整される。このとき、注入部26及び排出部27の深さは前記範囲内にあれば、同一の深さであっても異なる深さであってもよい。注入部26及び排出部27の形状は前記機能を奏する限り図2及び図3に示される形状に限定されない。
第2の成形金型16は、図4に示されるように、板状を成し、治具本体2を収納する収納凹部29を有している。第2の成形金型16は、スプルー24及び注入部26の一部を覆い、スプルー24及び注入部26と協働して成形材料を充填凹部25に案内する。収納凹部29は、成形金型10としたときに、前記充填凹部25と前記排出部27と前記注入部26の一部との上方に位置し、収納した治具本体2の表面でこれらを覆ってキャビティ30を画成する。
前記第1の成形金型15及び前記第2の成形金型16を組立てると、前記キャビティ30と前記注入部26と前記排出部27とを有する成形金型10になる。
この成形金型10は、後述するように、キャビティ30の各隅部特に第1隅部21及び第2隅部22以外の隅部である第3隅部23にも所望のように成形材料を充填することができる。したがって、この成形金型10は均一な特性を有する弾性部材を成形することができ、この成形金型によれば、均一な特性を有する弾性部材を備えた保持治具を提供するという目的を達成することができる。
この発明に係る保持治具の製造方法に使用される成形金型の別の一実施例である成形金型について、説明する。図6は、図5のB−B線に対応する面で成形金型11を切断したときの断面を示す図である。図5及び図6に示されるように、この成形金型11は、第1の成形金型17と第2の成形金型18とを備えてなる。この成形金型11は、排出通路28a〜28dを備え、一度に4個の保持治具を製造することができること以外は、前記成形金型10と基本的に同様に構成されている。すなわち、成形金型11は、治具本体2を収容したときに形成される4つのキャビティ30a〜30dを有し、前記キャビティ30a〜30dそれぞれは、その第1隅部21a〜21dに設けられた注入部26a〜26dと、この注入部26a〜26dそれぞれの延在方向延長線上に位置する第2隅部22a〜22dに設けられた排出部27a〜27dと、キャビティ30a〜30dそれぞれと排出部27a〜27dそれぞれとの間に排出部27a〜27dの深さよりも浅い深さを有する排出通路28a〜28dとを有している。
第1の成形金型17は、図5及び図6に示されるように、板状を成し、その中心部の厚さ方向に貫通形成されたスプルー24と、スプルー24を中心に等間隔で配置された4つの充填凹部25a〜25dと、充填凹部25a〜25dそれぞれの第1隅部21a〜21dにスプルー24と充填凹部25a〜25dそれぞれとを連結するように設けられた注入部26a〜26dと、充填凹部25a〜25dそれぞれにおいて注入部26a〜26dそれぞれの延在方向延長線上に位置する第2隅部22a〜22dすなわち充填凹部25a〜25dそれぞれの対角に位置する第2隅部22a〜22dに設けられた排出部27a〜27dと、充填凹部25a〜25dそれぞれと排出部27a〜27dそれぞれとの間に設けられた排出通路28a〜28dとを有している。
第1の成形金型17において、4つの充填凹部25a〜25d、4つの注入部26a〜26d及び4つの排出部27a〜27dそれぞれは、第1の成形金型15における充填凹部25、注入部26及び排出部27と基本的に同様に形成されている。
図5に示されるように、第1の成形金型17において、スプルー24は、充填凹部25a〜25dそれぞれの対角線の交点に1つ形成され、かつ、充填凹部25aの対角線と充填凹部25cの対角線とが一致し、充填凹部25bの対角線と充填凹部25dの対角線とが一致している。
排出通路28a〜28dそれぞれは、排出部27a〜27dそれぞれの深さよりも浅い深さを有している。したがって、充填凹部25a〜25dそれぞれに注入された成形材料は、注入圧以上の圧力で充填凹部25a〜25dそれぞれの内部に留まり、充填凹部25a〜25dすなわちキャビティ30a〜30dに成形材料がより一層均一に充填される。排出通路28a〜28dそれぞれの形状等は特に限定されない。
第2の成形金型18は、第1の成形金型17における充填凹部25a〜25dに対応するように、4つの収納凹部29a〜29dが形成されていること以外は、第2の成形金型16と基本的に同様に形成されている。
前記第1の成形金型17及び第2の成形金型18を組立てると、前記キャビティ30と前記注入部26と前記排出部27とを4組有する成形金型11になる。
この成形金型11は、後述するように、キャビティ30a〜30dそれぞれの各隅部特に第1隅部21及び第2隅部22以外の隅部にも所望のように成形材料を充填することができる。したがって、この成形金型11は均一な特性を有する弾性部材を成形することができ、この成形金型によれば、均一な特性を有する弾性部材を備えた保持治具を提供するという目的を達成することができる。
さらに、この成形金型11によれば、一度に4つの保持治具を製造することができ、生産性が向上する。また、この成形金型11は、前記したように、4つのキャビティ30a〜30d、スプルー24及び4つの注入部26a〜26dが配列されているから、前記効果を奏するにもかかわらず、その構成が簡単で、金型設計が容易となる。
この発明に係る保持治具の製造方法に使用される成形金型は、前記した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、成形金型10及び11において、スプルー24は、注入部26及び排出部27と一直線上に配列されているが、この発明において、スプルーは注入部及び排出部と一直線上に配列されていなくてもよい。
また、成形金型10及び11において、注入部26は、1つのスプルー24に近接した第1隅部21に連通するように設けられているが、この発明において、注入部は、複数設けられたスプルーそれぞれに近接した第1隅部それぞれに連通するように設けられてもよい。この場合には、複数の第1隅部それぞれは隣接した隅部とするのがよい。
さらに、成形金型10及び11において、排出部27は、注入部26の延在方向延長線上に位置する第2隅部22に設けられているが、この発明において、排出部は、第2隅部及び第2隅部以外の第3隅部に設けられていなくてもよく、また、第2隅部に加えて、第1隅部及び第2隅部以外の第3隅部の一部又は全部に設けられてもよい。
また、成形金型10及び11において、第2の成形金型16及び18はいずれも、収納凹部29を備えているが、この発明において、第2の成形金型は、収納凹部を備えてなく、単なる板状金型であってもよい。このような第2の成形金型を採用すると、均一な特性を有する弾性部材が成形される。
成形金型10及び11において、充填凹部25はいずれも開口部が正方形の直方体とされているが、この発明において、充填凹部は開口部が長方形の直方体とされてもよい。
この発明に係る保持治具の製造方法は、治具本体を収容したときに形成されるキャビティと、前記キャビティの第1隅部に設けられた注入部とを有する成形金型、好ましくは、さらに前記注入部の延在方向延長線上に位置する第2隅部に設けられた排出部とを有する成形金型、に治具本体を収容し、前記治具本体と前記成形金型とで形成されたキャビティに成形材料を前記注入部から注入し、注入された成形材料を硬化する製造方法によって、製造される。
この発明に係る保持治具の製造方法では、まず、前記構成を有する成形金型例えば成形金型10又は11、保持治具1の治具本体2、及び、弾性部材3を形成する粘着性材料を準備する。成形金型10又は11は通常金属等で定法によって形成される。
治具本体2を形成する材料としては、弾性部材3を保持又は支持可能な材料であればよく、例えば、ステンレス鋼及びアルミニウム等の金属製プレート、金属箔、樹脂フィルム、樹脂板、セラミックス等を挙げることができる。治具本体2における弾性部材3を形成する面に、弾性部材3との密着性を向上させるために、プライマー処理、コロナ処理、エッチング処理及び/又はプラズマ処理等を施すのが好ましい。
弾性部材3を形成する材料としては、弾性部材に前記粘着力を付与することのできる粘着性材料であればよい。このような粘着性材料としては、例えば、フッ素系樹脂又はフッ素系ゴム、フッ素系樹脂又はフッ素系ゴムを含有するフッ素系組成物、シリコーン樹脂又はシリコーンゴム、シリコーン樹脂又はシリコーンゴムを含有するシリコーン組成物、ウレタン系エラストマー、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合エラストマー等の各種エラストマー等が挙げられる。この中でも、シリコーンゴム、及び/又は、シリコーンゴムを含有する付加反応硬化型粘着性シリコーン組成物及び過酸化物硬化型粘着性シリコーン組成物が好ましい。
前記付加反応硬化型粘着性シリコーン組成物としては、例えば、特開2007−307529号公報に記載の「シリコーン生ゴム(a)と、架橋成分(b)と、粘着成分(c)と、触媒(d)と、シリカ系充填材(e)とを含有する粘着性シリコーンゴム組成物」を挙げることができる。このような粘着性シリコーンゴム組成物としては、例えば、シリカ系充填材(e)を含有しない組成物である信越化学工業株式会社製の商品名「KE1214」、「X−40−3098」等の「X−40系」及び「X−34−632A/B」等の「X−34系」組成物等が入手可能である。
前記過酸化物硬化型粘着性シリコーン組成物としては、例えば、特開2007−307529号公報に記載の「シリコーン生ゴム(a)と、粘着成分(c)と、シリカ系充填材(e)と、有機過酸化物(f)とを含有する粘着性シリコーンゴム組成物」を挙げることができる。このような粘着性シリコーンゴム組成物としては、例えば、有機過酸化物(f)を含有しない組成物である、信越化学工業株式会社製の商品名「KR−101−10」、「KR−120」、「KR−130」及び「KR−140」等が入手可能である。
弾性部材3は射出成形又はトランスファー成形で形成されるから、前記粘着性材料は射出成形又はトランスファー成形可能な流動性を有している。前記粘着性材料は、後述する金型に容易にかつ均質に注入することができる点で、例えば、25℃において、5〜500Pa・sの粘度を有しているのがよい。
以下に、この発明に係る保持治具の製造方法として成形金型10を用いた製造方法を説明する。
第1の成形金型15を射出成形機又はトランスファー成形機(図示しない。)の所定の位置に配置し、前記材料で形成した治具本体2を収納凹部29に収納した第2の成形金型16を、前記第1の成形金型15に載置して、図4に示される成形金型10とする。
次いで、弾性部材3を形成する前記粘着性組成物を成形機から射出する。射出された粘着性組成物は、スプルー24及び注入部26を経由して、充填凹部25と治具本体2で形成されたキャビティ30に流入する。このとき、粘着性組成物の流入方向は注入部26によって注入部26の延在方向に向けられる。そうすると、注入部26はキャビティ30の第1隅部21に形成されているから、粘着性組成物はキャビティ30の第1隅部21から注入部26の延在方向すなわちキャビティ30の対角線方向に流入する。そして、成形材料は、注入部21の開口から第2隅部22に向かって放射状に広がりながら、キャビティ30内に充填される。このように粘着性組成物がキャビティ30内に注入されると、第3隅部23,23は注入される粘着性組成物の流入方向斜め前方に位置するから、第3隅部23,23近傍にも粘着性組成物が十分に充填される。このようにして、キャビティ30は粘着性組成物が所望のように均一に充填される。特に、第2隅部22に深さの小さな排出部27が存在すると、キャビティ30内に注入された成形材料は排出部27から速やかに排出されず、キャビティ30内に充填された成形材料には注入圧力よりも大きな充填圧力がかかる。したがって、キャビティ30には均一に成形材料が充填される。
次いで、粘着性組成物が注入された成形金型10を加熱して粘着性組成物を硬化する。このときの加熱条件は粘着性組成物が硬化する条件であればよい。例えば、成形材料として前記付加反応硬化型粘着性シリコーン組成物を選択する場合には、加熱条件は加熱温度80〜130℃、加熱時間3〜40分に設定され、成形材料として前記過酸化物硬化型粘着性シリコーン組成物を選択する場合には、加熱条件は加熱温度100〜150℃、加熱時間5〜20分に設定される。なお、付加反応硬化型粘着性シリコーン組成物及び過酸化物硬化型粘着性シリコーン組成物は、さらに、170〜220℃、2〜10時間の条件で二次加熱されてもよい。
このようにして治具本体2の表面に弾性部材3を形成した後、成形金型10から取り出し、注入部26及び排出部27に由来する成形バリ等を除去して、例えば図1に示される保持治具1が製造される。
こうして得られた保持治具1は、前記したように、粘着性組成物がキャビティ30内に均一に充填されているから、従来問題となっていた弾性部材の隅部における特性のばらつきの発生を効果的に防止して、厚さ、粘着力、硬度等の特性が全体にわたって均一な弾性部材3を備えている。したがって、前記のようにして成形された弾性部材3の特性特に厚さを均一化するために、研磨処理等を必須とすることもなく、弾性部材3の表面は異物の付着が少なくなる。
この発明に係る保持治具の製造方法は、前記した例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、この発明に係る保持治具の製造方法は、成形金型11を使用することもできる。この成形金型11は、前記したように、各キャビティにおいて排出通路28a〜28dを備えているから、キャビティそれぞれに注入された成形材料は、排出部27から速やかに排出されず、キャビティ30内に充填された成形材料には注入圧力よりもより一層大きな充填圧力がかかる。したがって、キャビティ30にはより一層均一に成形材料が充填されるから、この成形金型11を用いて成形される弾性部材3はその特性がより一層均一になる。また、この成形金型11を用いると、より一層均一な特性を有する弾性部材3を備えた保持治具1を一度に4個製造することができ、生産性に優れる。
また、この発明に係る保持治具の製造方法は、収納凹部29を備えていない第2の成形金型を使用することもできる。このような第2の成形金型を使用する場合には、弾性部材3のみをあらかじめ成形し、この弾性部材3を別途作製された治具本体2の表面に固定して、保持治具1を製造する。このように、収納凹部29を備えていない第2の成形金型を備えた成形金型においても、前記成形金型10及び11と同様に、キャビティには均一に成形材料が充填されるから、均一な特性を有する弾性部材3を成形することができる。
図1は、この発明に係る保持治具の一実施例である保持治具を示す概略斜視図である。 図2は、この発明に係る保持治具の製造方法に使用される成形金型の一実施例である成形金型を構成する第1の成形金型を示す上面図である。 図3は、図2のA−A線における断面を示す断面図である。 図4は、この発明に係る保持治具の製造方法に使用される成形金型の一実施例である成形金型に治具本体を収納した状態を示す概略断面図である。 図5は、この発明に係る保持治具の製造方法に使用される成形金型の別の一実施例である成形金型を構成する第1の成形金型を示す上面図である。 図6は、この発明に係る保持治具の製造方法に使用される成形金型の別の一実施例である成形金型に治具本体を収納した状態を示す概略断面図である。
符号の説明
1 保持治具
2 治具本体
3 弾性部材
10、11 成形金型
15、17 第1の成形金型
16、18 第2の成形金型
21、21a、21b、21c、21d 第1隅部
22、22a、22b、22c、22d 第2隅部
23 第3隅部
24 スプルー
25、25a、25b、25c、25d 充填凹部
26、26a、26b、26c、26d 注入部
27、27a、27b、27c、27d 排出部
28a、28b、28c、28d 排出通路
29、29a、29b、29c、29d 収納凹部
30、30a、30b、30c、30d キャビティ

Claims (5)

  1. 治具本体と前記治具本体の表面に形成された弾性部材とを備えて成る保持治具であって、前記弾性部材は、前記治具本体を収容したときに形成される直方体状の充填凹部前記充填凹部の第1隅部に連通する注入部、前記充填凹部の、前記第1隅部の対角に位置する第2隅部に設けられた排出部及び前記注入部に連通するスプルーとを備え、前記スプルー、前記注入部及び前記排出部が一直線上に配列されている成形金型成形材料を前記注入部から注入し硬化して成ることを特徴とする保持治具。
  2. 前記注入部及び排出部は、前記充填凹部の深さよりも浅い深さを有していることを特徴とする請求項1に記載の保持治具。
  3. 前記成形金型は、前記治具本体及び前記充填凹部で形成されるキャビティと前記排出部との間に前記排出部の深さよりも浅い深さを有する排出通路を有して成ることを特徴とする請求項2に記載の保持治具。
  4. 治具本体を収容したときに形成される直方体状の充填凹部前記充填凹部の第1隅部に連通する注入部、前記充填凹部の、前記第1隅部の対角に位置する第2隅部に設けられた排出部及び前記注入部に連通するスプルーとを備え、前記スプルー、前記注入部及び前記排出部が一直線上に配列されている成形金型に治具本体を収容し、
    前記治具本体と前記充填凹部とで形成されたキャビティに成形材料を前記注入部から注入し、
    注入された成形材料を硬化することを特徴とする保持治具の製造方法。
  5. 前記注入部及び排出部は、前記充填凹部の深さよりも浅い深さを有していることを特徴とする請求項4に記載の保持治具の製造方法。
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