JP5408782B2 - 保持治具及び保持治具の製造方法 - Google Patents

保持治具及び保持治具の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、保持治具及び保持治具の製造方法に関し、さらに詳しくは、平面度が高く寸法精度に優れた多数の小型部品を生産性よく製造できる保持治具及びこの保持治具を製造可能な保持治具の製造方法に関する。
コンピュータ、電話機、ゲーム機、自動車電装機器等の電子機器に用いられる集積回路等には、例えば、積層セラミックチップコンデンサ(単に、チップコンデンサと称することがある。)等の小型部品が搭載されている。このような小型部品を製造する際等には、通常、小型部品を製造可能な小型部品用部材等を保持する保持孔が形成された保持治具が用いられる。このような保持治具として、例えば、特許文献1には、「(a)多数の並列状貫通通路を有するプレート体を備えること。(b)前記通路は弾性壁を有して電気用小型パーツが該通路内に位置可能となっており、かつ該通路の寸法は対応するパーツの寸法よりも小さく、パーツが前記通路内位置で弾発的に把持されること。以上(a)および(b)の構成から成るを特徴とする多数の電気用小型パーツ端部のコーティング用装置」が記載されている。
このような保持治具は、例えば、保持孔に対応するピンが立設された成形金型を用いて製造される。このとき、保持治具はその厚さが比較的薄いから、成形金型から保持治具を脱型する際に、形成された保持孔と成形ピンとの密着力、摩擦力等によって、保持治具自体が変形することがある。
このような脱型時における保持治具の変形を防止することを目的として、「厚みを有する金属製のプレート体とされ、かつ、厚み方向における一方の面から他方の面へと貫通された多数の貫通孔が、第1の整列方向およびこれに交差する第2の整列方向にそれぞれ所定の間隔を設けるようにして整列されたプレート体を、前記各貫通孔の内周よりも外周が小さく形成された多数のピンを備えた金型に、前記ピンを前記貫通孔に貫通させた状態として設置した後に、前記ピンと前記貫通孔との間に弾性材を充填することによって、前記各貫通孔の内側に、前記各貫通孔よりも内周が小さく形成された貫通孔をそれぞれ有する多数の弾性内周壁を形成するキャリアプレートの製造方法であって、前記プレート体および前記ピンとして、前記第1の整列方向において互いに隣接する前記プレート体の2つの貫通孔およびこれらに前記第2の整列方向における同一方向においてそれぞれ隣接する前記プレート体の他の2つの貫通孔からなる4つの貫通孔の中心によって囲まれる平面方形の範囲内における前記ピンの外周面と前記弾性材との接触面積Aと、前記平面方形の範囲内における前記プレート体の体積Bとの比率A/Bが1.80以下となるように設計された前記プレート体および前記ピンを用いることによって、前記弾性内周壁を有するキャリアプレートを成型することを特徴とするキャリアプレートの製造方法」が特許文献2に記載されている。
一方、脱型時における保持治具の変形を防止する方法として、保持治具自体の寸法を変更することなく穿孔する貫通孔の数を減らしてプレート体の強度を維持する方法がある。しかし、このような方法では、保持治具で保持できる小型部品数が大きく減少するから、小型部品の生産性を大きく犠牲にすることになる。
特公昭62−20685号公報 特開2009−28982号公報
この発明は、平面度が高く寸法精度に優れた多数の小型部品を生産性よく製造できる保持治具、及び、この保持治具を製造することのできる保持治具の製造方法を提供することを、目的とする。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、第1整列方向及び第1整列方向に交差する第2整列方向に沿って整列された支持孔を有する平坦部及びこの平坦部の周囲に形成された鍔部を有してなる補強部材と、前記支持孔と同様に整列されると共に自身に挿入された小型部品を弾発的に保持する保持孔を有する弾性部材とを備え、前記保持孔が前記支持孔の内部を通るように前記平坦部が前記弾性部材に埋設されて成る保持治具であって、前記保持孔の直径rが0.42〜0.58mmであり、前記第1整列方向に沿って互いに隣接する2つの保持孔の軸線それぞれと前記第2整列方向の同じ側に前記2つの保持孔に隣接する2つの保持孔の軸線それぞれとを側辺とする仮想六面体の内部に存在する、前記保持孔4つの内表面の合計面積Shと前記補強部材の体積Vとの比(Sh/V)が0.40〜1.50であることを特徴とする保持治具であり、
請求項2は、前記保持孔は、前記支持孔の軸線と共通する軸線を有していることを特徴とする請求項1に記載の保持治具であり、
請求項3は、第1整列方向及び第1整列方向に交差する第2整列方向に沿って整列された支持孔を有する平坦部及びこの平坦部の周囲に形成された鍔部を有してなる補強部材を、前記支持孔と同様に整列された成形ピンが収納凹部に立設されてなる成形金型の前記収納凹部に、前記成形ピンが前記支持孔を貫通するように、収納する工程と、前記成形金型及び前記補強部材で形成されたキャビティに弾性材料を注入して成形する工程とを有する保持治具の製造方法であって、前記補強部材及び前記成形金型として下記条件を満足する前記補強部材及び前記成形金型を用いることを特徴とする保持治具の製造方法であり、
<条件>
前記成形ピンの直径dが0.42〜0.58mmであり、
補強部材が成形金型の収納凹部に収納されたときに、
前記収納凹部の上面及び底面を上面及び底面とし、かつ、前記第1整列方向に沿って互いに隣接する2本の成形ピンの軸線それぞれと前記第2整列方向の同じ側に前記成形ピンに隣接する2本の成形ピンの軸線それぞれとを側辺とする仮想六面体の内部に存在する、前記成形ピン4本の外周面の合計面積Spと前記補強部材の体積Vとの比(Sp/V)が0.40〜1.50
請求項4は、前記成形金型は、上側成形金型と下側成形金型とから成り、前記成形ピンは、前記上側成形金型及び前記下側成形金型のいずれか一方又は両方に前記第1整列方向及び第2整列方向に沿って立設されていることを特徴とする請求項3に記載の保持治具の製造方法である。
この発明に係る保持治具は0.40〜1.50の前記比(Sh/V)を有しており、また、この発明に係る保持治具の製造方法は前記比(Sp/V)が0.40〜1.50となる補強部材及び成形金型を用いるから、補強部材に穿孔する支持孔の数を大きく減少させなくても、成形された保持治具を成形金型から脱型するときに、形成された保持孔と成形ピンとの密着力、摩擦力等に抗して補強部材がほとんど変形することがなく、その結果、保持治具は補強部材の平坦性を高度に維持することができる。したがって、この発明によれば、平面度が高く、寸法精度に優れた多数の小型部品を生産性よく製造できる保持治具を提供すること、及び、平面度が高く、寸法精度に優れた多数の小型部品を生産性よく製造可能な保持治具を製造することのできる保持治具の製造方法を提供することができる。
図1は、この発明に係る保持治具の一実施例である保持治具を示す概略上面図である。 図2は、図1のA−A線で切断した保持治具における断面の一部を示す概略断面図である。 図3は、この発明に係る保持治具を構成する補強部材の一実施例である補強部材を示す概略上面図である。 図4は、この発明に係る保持治具の一実施例である保持治具における合計面積Shと補強部材の体積Vとの比(Sh/V)を説明する保持治具の一部拡大上面図である。 図5は、この発明に係る保持治具の製造方法に用いられる成形金型の一例を示す概略側面図である。 図6は、この発明に係る保持治具の製造方法に用いられる成形金型の上側凹部に立設された成形ピンを示す一部拡大平面図である。 図7は、この発明に係る保持治具の製造方法に用いられる成形金型の一例に補強部材を収納した状態を説明する概略断面図である。
この発明に係る保持治具は、支持孔を有する補強部材と保持孔を有する弾性部材とを備え、保持孔が支持孔の内部を通るように補強部材の一部が弾性部材に埋設されて成る。そして、この発明に係る保持治具は弾性部材の弾性力で保持孔に挿入された小型部品を弾発的に保持することができる。
この発明に係る保持治具に保持される小型部品は、小型部品の製造工程、搬送工程等において保持される必要性のある、小型部品を製造可能な小型部品用部材、例えば、小型器具用部材、小型機械要素用部材及び小型電子部品用部材等が挙げられる。また、小型部品の製造には小型部品の搬送工程等も含まれるから、小型部品は、小型部品そのもの、例えば、小型器具、小型機械要素及び小型電子部品等も含まれる。したがって、この発明においては、小型部品と小型部品用部材とは明確に区別される必要はない。小型電子部品及び小型電子部品用部材としては、例えば、チップコンデンサ(積層セラミックコンデンサチップとも称されることがある。)、インダクタチップ、抵抗体チップ等の完成品若しくは未完成品等、及び/又は、これらを製造可能な例えば、角柱体若しくは円柱体、一端部に鍔を有する角柱体若しくは円柱体、両端部に鍔を有する角柱体若しくは円柱体等が挙げられる。このような小型部品は、例えば、その軸線長さが1.0〜3.2mmで、保持孔に挿入される部分の、軸線に垂直な平面における直径(断面形状が円形である場合)又は幅(断面形状が円形でない場合例えば矩形等)が0.5〜1.6mmの寸法を有している。この発明に係る保持治具は後述するようにその全体的な平面度が非常に高いから、前記寸法を有する小型部品の中でもより小さな小型部品を用いることができる。例えば、この発明に係る保持治具において保持されることのできる小型部品として、例えば、前記軸線長さが1.0±0.05mmで前記直径又は前記幅が0.5±0.05mmの小型部品を挙げることができる。
この発明に係る保持治具は、前記小型部品の保持用として好適であり、例えば、少なくとも二箇所に電極形成用の導電性ペーストを塗布する必要のある小型部品の保持用としてさらに好適である。
この発明に係る保持治具の一実施例である保持治具1を、図面を参照して、説明する。この保持治具1は、図1及び図2等に示されるように、支持孔11を有する補強部材5と保持孔15を有する弾性部材6とを備え、前記保持孔15それぞれが前記支持孔11それぞれの内部を通るように前記補強部材5の一部が弾性部材6に埋設されて成る。
前記補強部材5は、図2によく示されるように、支持孔11が形成された平坦部12が少なくとも後述する弾性部材6に埋設され、弾性部材6が平坦になるように、弾性部材6を補強支持する。この補強部材5は、図2及び図3に示されるように、多数の支持孔11が穿設された矩形の平坦部12と、平坦部12の周囲に、平坦部12の厚さ方向すなわち上面方向及び下面方向に突出した鍔部13とを備えている。この鍔部13はフランジ部と称することもできる。
前記鍔部13は、平坦部12を囲繞するように形成され、図2に示されるように、平坦部12の上面方向及び下面方向における突出量が一定になるように調整されている。換言すると、鍔部13は、図3に明確に示されるように、平坦部12を囲繞する長方形の枠を成し、その厚さ方向の略中央部で鍔部13よりも薄い平坦部12に連結している。この鍔部13は、平坦部12の強度を補強し、また、保持治具1としたときの優れた取扱性を確保する。この鍔部13は高い平面度すなわち均一な厚さを有している。具体的には、鍔部13の厚さは適宜に調整され、例えば、8.9〜10.0mmの範囲内に設定される。鍔部13の平面度は、以下のようにして算出された平面度が、例えば、0.15mm以下である。鍔部12の平面度の下限は理想的には0であるが、例えば0.03mmとすることができる。鍔部13の平面度は以下のようにして決定される。まず、例えばステージに固定された補強部材5の鍔部13における表面の任意の20点を測定点として、CNC画像測定システム「NEXIVシリーズ、株式会社ニコン製」等を用いて、各測定点の前記ステージ表面からの高さ値を測定する。測定された20点の高さ値から最小値と最大値とを選出し、この最大値と最小値との差分を求める。この差分を鍔部13の平面度とする。
前記平坦部12は、図2及び図3に示されるように、厚さ方向に貫通する支持孔11が形成される領域であり、その厚さが一定で高い平面度を有している。平坦部12の厚さTは、後述する比(Sh/V)が0.40〜1.50の範囲内となるように、支持孔11の直径R、整列された支持孔11の間隔I等を考慮のうえ調整される。例えば、前記厚さTは、前記比(Sh/V)が前記範囲内となるように、5.9〜7mmの範囲内に設定される。平坦部12の平面度は、以下のようにして算出された平面度が、例えば、0.15mm以下である。平坦部12の平面度の下限は理想的には0であるが、例えば0.03mmとすることができる。平坦部12の平面度は以下のようにして決定される。まず、例えばステージに固定された補強部材5の平坦部12における表面の任意の30点を測定点として、CNC画像測定システム「NEXIVシリーズ、株式会社ニコン製」等を用いて、各測定点の前記ステージ表面からの高さ値を測定する。測定された30点の高さ値から最小値と最大値とを選出し、この最大値と最小値との差分を求める。この差分を平坦部12の平面度とする。
前記補強部材5に形成される支持孔11は、前記平坦部12内に、その厚さ方向に貫通する支持孔11を多数、例えば、5000個以上、好ましくは少なくとも6000個、より好ましくは少なくとも7000個、特に好ましくは少なくとも7500個有している(図3において、支持孔11の一部を図示していない。)。補強部材5に多数の支持孔11が形成されると、保持治具1を用いた小型部品の製造方法における生産性が向上する。
複数の支持孔11は、第1整列方向及び第1整列方向に交差する第2整列方向に沿って整列されている。この例において、支持孔11は、平坦部12の縦方向に略平行な第1整列方向と、平坦部12の横方向に略並行で前記第1整列方向に垂直に交差する第2整列方向とに沿って、すなわち、縦横方向に沿って、所定の間隔Iをおいて碁盤目状に穿孔されている。この例においては、前記第1整列方向及び前記第2整列方向に沿って隣接する支持孔11の間隔I(隣接する2つの支持孔11の軸線距離をいう。以下同じ。)は同じ間隔に調整されている。支持孔11の前記間隔Iは、後述する比(Sh/V)が0.40〜1.50の範囲内となるように、補強部材5の厚さ、この例においては特に平坦部12の厚さT、支持孔11の直径R等を考慮のうえ調整される。例えば、前記間隔Iは、前記比(Sh/V)が前記範囲内となるように、1.9〜2.4mmの範囲内に設定されるのが好ましく、1.9〜2.1mmの範囲内に設定されるのが小型部品の生産性と平坦部12の強度とを両立できる点で特に好ましい。
平坦部12の表面に開口する支持孔11における開口部の形状、及び、支持孔11を平坦部12に平行な水平面で切断したときの断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、矩形、多角形等の形状を任意に選択することができる。前記開口部の形状及び前記断面形状は同じ形状であるのがよい。この例においては、開口部の形状及び前記断面形状が同一の円形であり、同一の直径を有している。支持孔11の直径Rは、前記比(Sh/V)が0.40〜1.50の範囲内となるように、平坦部12の厚さT、前記間隔I等を考慮のうえ調整される。例えば、支持孔11の直径Rは、前記比(Sh/V)が前記範囲内となるように、1.4〜1.6mmの範囲内に設定される。
平坦部12及び鍔部13を備えて成る補強部材5は、小型部品の生産性、支持孔11の形成数、小型部品の寸法及び保持治具1の強度等を考慮して、鍔部13及び平坦部12の寸法が調整される。
補強部材5は、弾性部材6を平坦な形状に維持することのできる材料で形成されていればよく、このような材料として、金属及び樹脂等が挙げられる。具体的には、金属として、ステンレス鋼、炭素鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金及びニッケル合金等が挙げられ、樹脂として、例えば、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記比(Sh/V)が0.40〜1.50である場合にこの発明の目的をよく達成できる点で、補強部材5は、加工性、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金及びポリフェニレンスルフィド樹脂等で形成されるのが好ましく、特にアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されるのが好ましい。
前記弾性部材6は、図1及び図2に示されるように、多数の保持孔15が穿孔され、前記平坦部12を内部に収容可能な空隙を有している。そして、図2に示されるように、弾性部材6は、補強部材5の平坦部12を埋設し、換言すると、平坦部12の両面を被覆すると共に補強部材5の支持孔11に貫入し、補強部材5の鍔部13と面一になるように、形成されている。すなわち、弾性部材6は、平坦部12の表面に配置され、補強部材5の鍔部13によって囲繞されている。このように、弾性部材6は、その一部が補強部材5の支持孔11に貫入してなる柱状体を介して、補強部材5の両面に配設された2つの板状成形体が一体に成っている。さらにいうと、弾性部材6は、平坦部12の一方の表面を覆う第1の板状成形体と、平坦部12の他方の表面を覆う第2の板状成形体と、第1の板状成形体及び第2の板状成形体を連結する柱状体とを備え、前記柱状体は前記支持孔11の寸法と同じ寸法を有している。ここで、前記弾性部材6は、その保持孔15が支持孔11の内部を通るように弾性部材10を埋設している。好ましくは、弾性部材6は、図2に示されるように、保持孔15が支持孔11の軸線Cと共通する軸線Cを有するように、前記補強部材5特に平坦部12を埋設している。このように弾性部材6が形成されると、弾性部材6と補強部材5との密着性に優れるうえ小型部品の挿入及び抜取りが容易になる。
図1及び図2に示されるように、弾性部材6は、その厚さ方向に貫通し、自身に挿入又は貫入された小型部品をその弾性力で弾発的に保持する多数の保持孔15を有している。弾性部材6は、保持孔15を多数、例えば、5000個以上、好ましくは少なくとも6000個、より好ましくは少なくとも7000個、特に好ましくは少なくとも7500個有している(図1において、保持孔15の一部を図示していない。)。弾性部材6に多数の保持孔15が形成されると、保持治具1を用いた小型部品の製造方法における生産性が向上する。
複数の保持孔15は、前記支持孔11と基本的に同様に、第1整列方向及び第1整列方向に交差する第2整列方向に沿って整列されている。この例において、保持孔15は、平坦部12の縦方向に略平行な第1整列方向と、平坦部12の横方向に略並行で前記第1整列方向に垂直に交差する第2整列方向とに沿って、すなわち、縦横方向に沿って、所定の間隔をおいて碁盤目状に穿孔されている。この例においては、前記第1整列方向及び前記第2整列方向に沿って隣接する保持孔15の間隔(隣接する2つの保持孔15の軸線距離をいう。以下同じ。)は同じ間隔に調整されている。保持孔15の前記間隔は、前記支持孔11の前記間隔Iと基本的に同じ間隔であり、後述する比(Sh/V)が0.40〜1.50の範囲内となるように、保持する小型部品の寸法、弾性部材6の厚さt、前記平坦部12の厚さT、支持孔11の直径R等を考慮のうえ調整される。
弾性部材6の表面に開口する保持孔15における開口部の形状、及び、保持孔15を弾性部材6に平行な水平面で切断したときの断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、矩形、多角形等の形状を任意に選択することができる。前記開口部の形状及び前記断面形状は同じ形状であるのがよい。この例においては、開口部の形状及び前記断面形状が同一の円形であり、同一の直径を有している。保持孔15の直径rは、前記比(Sh/V)が0.40〜1.50の範囲内となるように、保持する小型部品の寸法、弾性部材6の厚さt、前記平坦部12の厚さT、前記間隔I等を考慮のうえ調整される。例えば、保持孔15の直径rは、前記比(Sh/V)が前記範囲内となるように、小型部品の、保持孔15に挿入される部分の前記直径又は前記幅に対して80〜90%の範囲内、具体的には、0.42〜0.58mmの範囲内に設定される。
弾性部材6は、小型部品の生産性、小型部品の寸法及び発揮される弾性力等を考慮して、前記鍔部13と面一になるように、その寸法及び厚さが調整される。すなわち、弾性部材6の厚さ(両外表面間の距離)tは、保持治具1の厚さと同じ厚さに調整され、通常、8.9〜10.0mmに調整される。
弾性部材6は、小型部品を挿入及び/又は抜き取る際に弾性変形し、かつ、破損しないように、所定の伸び、引張強さ及び硬度を有しているのが好ましい。例えば、JIS K6249に規定の切断時伸び(引張速度500mm/min)は、200〜1000%であるのが好ましく、400〜900%であるのが特に好ましく、JIS K6249に規定の引張強さ(引張速度500mm/min)は、5〜15MPaであるのが好ましく、7〜14MPaであるのが特に好ましく、JIS K6253に規定の硬度(JIS A)は、20〜80であるのが好ましく、40〜60であるのが特に好ましい。前記JIS K6249に規定の切断時伸び及び引張強さは、23℃、湿度50%の環境下で、3号ダンベル形状の試験片を作製して、切断時伸びはつかみ具間隔を標線距離で20mmに設定して、実施する。
弾性部材6の表面は、保持治具1が小型部品の製造方法、例えば、小型部品用部材の電極形成工程に使用されるから、製品の均質性を実現し、また、弾性部材6の表面に導電性ペースト等が付着しないように、平滑であるのが好ましい。弾性部材6の表面を鏡面にするには、内面が鏡面とされた金型を用いて弾性部材6を成形する方法、成形後の表面を常法に従って研磨処理又は研削処理する方法等を選択すればよい。
弾性部材6は、弾性変形し、小型部品を挿入保持することのできる材料で形成される。このような材料として、例えば、ゴム及びエラストマー等が挙げられ、より具体的には、シリコーンゴムが挙げられる。シリコーンゴムの中でも、高重合度の線状ポリジメチルシロキサン若しくはその共重合体を架橋してゴム弾性を付与したシリコーンゴム、又は、耐酸性のシリコーンゴムが好ましい。高重合度の線状ポリジメチルシロキサンを架橋したシリコーンゴムとしては、例えば、商品名「KE−1950−50」(信越化学工業株式会社製)等を入手することができる。
前記補強部材5と前記弾性部材6とで構成される保持治具1は、図4に示されるように、前記第1整列方向(図4に示される矢印A方向)に沿って互いに隣接する2つの保持孔15a及び15bの軸線Ca及びCbそれぞれと、前記第2整列方向(図4に示される矢印B方向)の同じ側に前記2つの保持孔15a及び15bそれぞれに隣接する2つの保持孔15c及び15dの軸線Cc及びCdそれぞれとを側辺とする仮想六面体の内部に存在する、前記4つの保持孔15a〜15dにおける内表面の合計面積Shと、前記仮想六面体の内部に存在する補強部材5の体積Vとの比(Sh/V)が0.40〜1.50の範囲内にある。前記仮想六面体は、弾性部材6の両表面を上面及び底面とする直方体状をなし、その上面が図4に破線で示されている。前記合計面積Shと前記体積Vとの比(Sh/V)が0.40未満であると、保持治具1の寸法が一定の場合に形成可能な保持孔15及び支持孔11が少なくなるから、保持治具1が保持可能な小型部品数が少なく生産性に劣ることがある。一方、前記比(Sh/V)が1.50を超えると、この保持治具1を例えば成形金型で製造する場合において、成形された保持治具1を成形金型から脱型するときに、形成された保持孔15と成形ピンとの密着力、摩擦力等によって補強部材5が変形することがある。その結果、前記比(Sh/V)が1.50を超える保持治具1は、補強部材5が平坦性を損なって十分な平面度を有していないことがあり、寸法精度に優れた多数の小型部品を製造できないことがある。
ここで、保持治具1において、前記合計面積Shは、図4に示されるように、前記仮想六面体の四隅に位置する各保持孔15a〜15dにおける内表面の1/4をそれぞれ合算した合計面積であり、通常、前記保持孔15の1つ分の内表面と同一である。前記合計面積Shは、各保持孔15a〜15dの直径をr(mm)、弾性部材6の厚さをt(mm)とすると、式:r×π×tで算出される。
前記補強部材5の体積Vは、図4に示されるように、仮想六面体の内部に存在する補強部材5の体積、この保持治具1においては平坦部12の体積であり、前記軸線Ca〜Cdで囲繞される補強部材5の体積から支持孔11の1つ分の体積を差し引いた体積である。前記体積Vは、平坦部12の厚さをT(mm)、支持孔11の直径をR(mm)、支持孔11における軸線Ca及びCbの間隔及び軸線Ca及びCcの間隔(interval)をそれぞれI(mm)及びI(mm)とすると、式:I×I×T−[(R/4)×π×T]で算出される。
この発明において、前記比(Sh/V)を算出するために選択される4つの保持孔15は、図4に示される4つの保持孔15a〜15dに限定されることはなく、平坦部12に形成された多数の保持孔15のうち、任意の4つの保持孔を選択することができる。また、この発明において、前記比(Sh/V)を算出するために選択される4つの保持孔15は、図4に示される4つの保持孔15a〜15dの1組に限定されることはなく、平坦部12に形成された多数の保持孔15のうち複数組を採用することができる。この場合には、各組の平均値を前記比(Sh/V)とすることができる。
前記比(Sh/V)は、好ましくは0.45〜1.40であり、特に好ましくは0.9〜1.40である。前記比(Sh/V)がこれらの範囲内にあると、補強部材5に穿孔する支持孔11の数を大きく減少させなくても、この保持治具1を例えば成形金型で製造する場合において、成形された保持治具1を成形金型から脱型するときの保持孔15と成形ピンとの密着力と補強部材5の強度とをバランスよく両立することができ、補強部材5をほとんど変形させることなく保持治具1を成形金型から脱型することができる。その結果、前記比(Sh/V)が前記範囲内にある保持治具1は、生産性と平坦性とをより一層高い水準で両立することができ、寸法精度に優れた多数の小型部品を生産性よく製造できる。
前記範囲の前記比(Sh/V)を有する保持治具1は、鍔部13をも含む保持治具全体としての平面度が高く、具体的には、0.15mm以下の平面度を有している。ここで、保持治具1の平面度は以下のようにして決定される。まず、例えばステージに固定された保持治具1の鍔部13における表面の任意の20点、好ましくは、鍔部13の平面度測定時に選択した測定点と同一個所の20点と弾性部材6における表面の任意の30点とを測定点として、CNC画像測定システム「NEXIVシリーズ、株式会社ニコン製」等を用いて、各測定点の前記ステージ表面からの高さ値を測定する。得られた弾性部材6の高さ値30点と鍔部13の高さ値20点との合計50点の高さ値から最小値と最大値とを選出し、この最大値と最小値との差分を求める。この差分を保持治具1の平面度とする。保持治具1が前記範囲の平面度を有していると、多数の小型部品を同一状態に保持することができ、特に、弾性部材6の表面から突出する小型部品の突出量及び突出方向がほとんどすべての小型部品で均一になる。その結果、例えば、弾性部材6の表面から突出するほとんどすべての小型部品の突出端にほぼ同一寸法及びほぼ同一形状の電極を形成することができ、均一な品質を有する小型部品を製造することができる。保持治具1の平面度の下限は、理想的には0であるが、現実的には、例えば、0.05mmである。保持治具1の平面度は、前記比(Sh/V)を調整することによって前記範囲内に調整することができる。また、前記比(Sh/V)の調整に加えて、前記平坦部12の平面度を調整することによって、及び/又は、弾性部材6の表面の平滑化することによって、前記平面度を調整することができる。
保持治具1は、例えば、小型部品の軸線が保持孔15の軸線と略平行となる状態、好ましくは一致する状態に、小型部品を保持孔15に挿入して、その弾性力で弾発的に保持する。そして、小型部品を保持した保持治具1は、小型部品の製造工程、搬送工程等に供される。
保持治具1に小型部品を保持する方法として、保持治具1の一方の表面が板状部材の平坦な表面に当接するように保持治具1と板状部材とを積層した状態に配置して、前記板状部材に対して反対側の他方の表面から小型部品を保持孔15に圧入する方法が、一般的に採用される。このような方法の例として、例えば特許第4337498号明細書には、従来の各種方法(例えば、0004欄〜0009欄及び図9〜14参照。)と、これらの各種方法を改良した方法(特許請求の範囲及び図1及び図2等参照。)とが記載されている。具体的には、平坦な表面を有する板状部材と、保持孔15と同数の貫通孔が保持孔15と同じ間隔で同様に整列された整列板とをそれぞれ準備し、板状部材に重ね合わせた保持治具1に、その保持孔15と整列板の貫通孔との軸線が一致するように、整列板をさらに重ね合わせる。次いで、整列板の貫通孔それぞれに小型部品を挿入し、小型部品を平坦な押圧部材で前記板状部材に向かって均一に保持治具1側に押圧する。そうすると、小型部品は保持孔15に前記状態となるように挿入され、弾発的に保持される。
ところで、このような方法で多数の小型部品を一挙に実質的に同様の状態となるように保持孔15に保持させるには、平坦な表面を有する板状部材に保持治具1を重ね合わせるから、保持治具1における弾性部材6の平面度はもちろん鍔部13をも含む保持治具1全体としての平面度も重要になる。すなわち、弾性部材6の平面度が高くても保持治具1全体としての平面度が低いと、板状部材に積層した状態に保持治具1を配置したときに保持治具1の平面度が低下してしまう。ところが、前記保持治具1は補強部材5の高い平坦性を維持してその全体としての平面度が高いから、前記の方法に利用されても多数の小型部品を一挙に実質的に同様の状態となるように保持孔15に保持することができる。
そして、保持治具1はその高い平面度を実現するために、前記比(Sh/V)が前記範囲内にあれば補強部材5に穿孔する支持孔11の数を大きく減少させなくてもよいから、保持治具1の生産性が大きく犠牲にされることもない。したがって、前記保持治具1は、全体としての平面度が高く、寸法精度に優れた多数の小型部品を生産性よく製造できる。
保持治具1は、例えば、保持孔15を形成することのできる成形ピンを有する成形金型を用いて製造することができる。保持治具1の製造方法の一例を挙げると、第1整列方向及び第1整列方向に交差する第2整列方向に沿って整列された支持孔を有する平坦部及びこの平坦部の周囲に形成された鍔部を有してなる補強部材を、前記支持孔と同様に整列された成形ピンが収納凹部に立設されてなる成形金型の前記収納凹部に、前記成形ピンが前記支持孔を貫通するように、収納する工程と、前記成形金型及び前記補強部材で形成されたキャビティに弾性材料を注入して成形する工程とを有し、前記補強部材及び前記成形金型として後述する条件を満足する補強部材及び成形金型を用いる製造方法が挙げられる。以下に、この製造方法の一例(以下、この発明に係る一製造方法と称することがある。)を説明する。
この発明に係る一製造方法においては、まず、補強部材5及び成形金型を準備する。
補強部材5を作製する。例えば、鍔部13の厚さと同じ又はそれよりも厚い前記金属又は樹脂等製の板体から、支持孔11が形成されていない平坦部とその周囲に鍔部13とを有する板状体を所望寸法に切り出す。又は、支持孔11が形成されていない平坦部と鍔部13とを別個に作製し、溶接又は接着等の接合手段によって、平坦部と鍔部13とを所望の位置に接合して、前記板状体を作製する。なお、補強部材が鍔部を有していない場合には、平坦部12に対応する板状体を作製する。このようにして作製された板状体の平坦部に、所定形状及び直径Rを有する多数の支持孔11を、研削、切削、やすり仕上げ等によって、前記第1整列方向及び前記第2整列方向に沿って所定の間隔Iで整列されるように、穿設して、補強部材5を作製する。又は、支持孔11が形成された平坦部12と鍔部13とを別個に作製し、溶接又は接着等の接合手段によって、平坦部又は平坦部12と鍔部13とを所望の位置に接合して、補強部材5を作製する。なお、平坦部12の表面に、弾性部材6との密着を高めるために、接着剤又はプライマー等を塗布してもよい。
成形金型30は、図5に示されるように、上側成形金型31と下側成形金型32とから成り、上側成形金型31及び下側成形金型32それぞれは上側凹部42及び下側凹部43を有している。前記上側凹部42には成形ピン41が立設されている。そして、上側成形金型31と下側成形金型32とを重ね合せると、図7に示されるように、上側凹部42及び下側凹部43で収納凹部33(図5参照。)が形成される。この収納凹部33は、補強部材5を収納する凹部であって、補強部材5と共に弾性部材6を形成する弾性材料が注入されるキャビティ34を画成する。前記上側凹部42及び前記下側凹部43の内表面は鏡面加工されていてもよい。
前記上側成形金型31に立設された成形ピン41は、図6に示されるように、前記第1整列方向及び前記第2整列方向に、すなわち、保持孔15と同様に、整列されている。前記第1整列方向及び前記第2整列方向はそれぞれ、保持治具1における前記第1整列方向及び前記第2整列方向と同方向であり、具体的には、図6に示されるように、上側凹部42を平面視したときに、上側凹部42の縦方向A及び横方向Bに対応する。成形ピン41は、例えば図7に示されるように、成形金型30に補強部材5を収納したときに、補強部材5の支持孔11の軸線と一致する軸線を有するように、整列されている。成形ピン41は収納凹部33の深さに一致する軸線長さLと、保持する小型部品の保持孔15に挿入される部分の前記直径又は前記幅よりも小さな直径dとを有している。前記直径dは保持孔15の直径rとほぼ同様の寸法とされる。
この発明に係る一製造方法において、準備する補強部材5及び成形金型30は、下記条件を満たすように、平坦部12の厚さT、支持孔11の直径R、支持孔11の間隔I、成形ピン41の直径d、成形ピン41の間隔p(隣接する2つの成形ピン41の軸線距離をいう。以下同じ。)、成形ピン41の軸線長さLすなわち収納凹部33の深さ等が調整される。すなわち、この発明に係る一製造方法においては、下記条件を満たす補強部材5及び成形金型30を用いる。
この条件は、図6及び図7を参照して説明すると、補強部材5が成形金型30の収納凹部33に収納されたときに、収納凹部33の上面及び底面を上面及び底面(図6に図示されない。)とし、かつ、第1整列方向(図6において矢印A方向)に沿って互いに隣接する2本の成形ピン41a及び41bの軸線Aa及びAbそれぞれと、第2整列方向(図6において矢印B方向)の同じ側に成形ピン41a及び41bそれぞれに隣接する2本の成形ピン41c及び41dの軸線Ac及びAdそれぞれとを側辺とする仮想六面体の内部に存在する、4本の成形ピン41a〜41dにおける外周面の合計面積Spと、前記仮想六面体の内部に存在する補強部材5の体積Vとの比(Sp/V)が0.40〜1.50である。前記仮想六面体は、収納凹部33の上面及び底面を上面及び底面とする直方体状をなし、その上面が図6に破線で示されている。前記合計面積Spと前記体積Vとの比(Sp/V)が0.40未満であると、保持治具1の寸法が一定の場合に形成可能な保持孔15及び支持孔11が少なくなるから、保持治具1が保持可能な小型部品数が少なく、生産性に劣ることがある。一方、前記比(Sp/V)が1.50を超えると、成形された保持治具1を成形金型30から脱型するときに、形成された保持孔15と成形ピン41との密着力によって補強部材5が変形することがある。その結果、補強部材5の平坦性を維持した高い平面度を有する保持治具1を製造することができない。
ここで、前記合計面積Spは、図6に示されるように、前記仮想六面体の四隅に位置する各成形ピン41a〜41dにおける外周面の1/4をそれぞれ合算した合計面積であり、通常、前記成形ピン41の1つ分の外周面と同一である。前記合計面積Spは、各成形ピン41a〜41dの直径をd(mm)、成形ピン41a〜41dの軸線長さをL(mm)とすると、式:d×π×Lで算出される。
前記補強部材5の体積Vは、図6に示されるように、仮想六面体の内部に存在する補強部材5の体積、保持治具1においては平坦部12の体積であり、前記軸線Aa〜Adで囲繞される補強部材5の体積から支持孔11の1つ分の体積を差し引いた体積である。前記体積Vは、平坦部12の厚さをT(mm)、支持孔11の直径をR(mm)、軸線Aa及びAbの間隔及び軸線Aa及びAcの間隔(pitch)をそれぞれp1(mm)及びp2(mm)とすると、式:p1×p2×T−[(R/4)×π×T]で算出される。
前記比(Sp/V)は、好ましくは0.45〜1.40であり、特に好ましくは0.9〜1.40である。前記前記比(Sp/V)がこれらの範囲内にあると、補強部材5に穿孔する支持孔11の数を大きく減少させなくても、成形された保持治具1を成形金型から脱型するときの保持孔15と成形ピン41との密着力、摩擦力等と補強部材5の強度とをバランスよく両立することができ、補強部材5をほとんど変形させることなく、保持治具1を成形金型30から脱型することができる。
この発明において、前記比(Sp/V)を算出するために選択される4つの成形ピン41は、図6に示される4つの成形ピン41a〜41dに限定されることはなく、上側凹部42に形成された多数の成形ピン41のうち、任意の4つの成形ピン41を選択することができる。また、この発明において、前記比(Sp/V)を算出するために選択される4つの成形ピン41は、図6に示される4つの成形ピン41a〜41dの1組に限定されることはなく、上側凹部42に形成された多数の成形ピン41のうち複数組を採用することができる。この場合には、各組の平均値を前記比(Sp/V)とすることができる。
この発明に係る一製造方法において、補強部材5及び成形金型30が採り得る寸法の一例を挙げると、例えば、補強部材5において、平坦部12の厚さTが5.9〜7.0mm、支持孔11の直径Rが1.4〜1.6mm、支持孔11の前記間隔Iが1.9〜2.4mm、好ましくは1.9〜2.1mmであり、成形金型30において、成形ピン41の直径dが前記保持孔15の直径rと同様に0.42〜0.58mm、成形ピン41の前記間隔pが前記間隔I及び前記保持孔15の間隔と同様に1.9〜2.4mm、好ましくは1.9〜2.1mmである。
このようにして前記条件を満たす補強部材5及び成形金型30を準備した後に、図7に示されるように、成形金型30の収納凹部33に、成形ピン41それぞれが支持孔11それぞれを貫通するように、補強部材5を収納する。収納凹部33に補強部材5を収納すると、弾性部材6が形成される部分に成形金型30及び補強部材5で画成されたキャビティ34が形成される。
この発明に係る一製造方法においては、次いで、前記キャビティ34に弾性部材6を形成可能な液状の弾性材料を注入して弾性部材6を成形する。弾性材料の成形方法は、特に限定されず、例えば、圧縮成形、射出成形、トランスファー成形等の成形方法を採用することができる。成形温度及び成形時間等は、使用する弾性材料が硬化する温度及び時間であればよく、弾性材料に応じて、任意に調整される。
成形された弾性部材6には、その表面に成形バリが生じていた場合、成形バリを取り除くため、研削等の表面処理が行われてもよい。例えば、表面処理として、平面研削、フライス研削、ラッピング等が挙げられる。また、保持治具1における弾性部材6の表面を鏡面加工することもできる。なお、弾性部材6の成形後に、弾性部材6の硬化を確実にするため、二次加熱又は熱処理等を行ってもよい。
このようにして、保持治具1が製造される。
この発明に係る一製造方法は、前記条件を満足する補強部材5及び成形金型30を用いることを特徴とするから、補強部材5に穿孔する支持孔11の数を大きく減少させなくても、成形された保持治具1を成形金型30から脱型するときに、形成された保持孔15と成形ピン41との密着力、摩擦力等によって、保持治具1特に補強部材5の変形を実質的に防止することができる。特に、前記条件を満たしていれば、成形ピン41が上側凹部42のみに立設された成形金型30を用いても、また、成形ピン41が下側凹部43のみに立設された成形金型を用いても、保持治具1を成形金型30から脱型するときに、保持治具1がほとんど変形することがない。その結果、この発明に係る一製造方法によれば、全体としての平面度が高く、寸法精度に優れた多数の小型部品を生産性よく製造可能な保持治具1を製造することができる。
また、この発明に係る一製造方法によれば、前記条件を満足する補強部材5及び成形金型30を用いて多数の保持治具1を製造しても、製造される保持治具1の高い平面度を多数回にわたって維持することができる。このように、前記条件を満足する成形金型30はその耐久性に優れ、繰り返し使用可能な回数が大幅に増大する。
この発明における保持治具は、前記した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、前記保持治具1は、前記第1整列方向及び前記第2整列方向に沿う支持孔11の間隔Iが同一間隔に設定され、かつ、前記第1整列方向及び前記第2整列方向に沿う保持孔15の間隔が同一間隔に設定されているが、この発明において、第1整列方向及び第2整列方向に沿う支持孔の間隔は異なる間隔に設定されていてもよく、また、第1整列方向及び第2整列方向に沿う保持孔の間隔は異なる間隔に設定されていてもよい。
保持治具1において、補強部材5の支持孔11及び弾性部材6の保持孔15はいずれも第1整列方向及び第2整列方向に沿って碁盤目状に整列されているが、この発明において、貫通孔及び保持孔は、例えば、前記碁盤目状配列を45度回転した状態に整列されていてもよい。
保持治具1において、図3に示されるように、補強部材5は平坦部12の周囲に平坦部12を囲繞するようにその相対向する2組の端縁に鍔部13が形成されているが、この発明において、補強部材は、平坦部の少なくとも1端縁、好ましくは相対向する1組の端縁に鍔部が形成されていればよい。
保持治具1において、図1〜図3に示されるように、支持孔11は、保持孔15の開口部と同様の開口部形状に穿孔されているが、この発明においては、支持孔は、保持孔の開口部と異なる開口部形状に穿孔されてもよい。
支持孔11は円形の開口部を有する必要はなく、開口部の形状として前記した種々の形状の中から任意に選択することができる。
この発明に係る保持治具の製造方法は、前記した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
前記成形金型30において、成形ピン41は、上側成形金型31の上側凹部42に立設されているが、この発明において、成形ピンは、下側成形金型の下側凹部に立設されていてもよく、上側成形金型の上側凹部及び下側成形金型の下側凹部に立設されていてもよい。成形ピンが前記上側凹部及び前記下側凹部の両方に立設されている場合には、保持治具を成形金型から脱型するときに、補強部材の変形をより一層効果的に防止することができる。前記上側凹部及び前記下側凹部に立設される成形ピンの数は任意に設定されることができる。前記上側凹部及び前記下側凹部の両方に成形ピンが立設されている場合には、例えば、上側凹部に立設された成形ピン数と下側凹部に立設された成形ピン数との比が10:90〜90:10の範囲内で設定されることができ、50:50に設定されることもできる。また、成形ピンが前記上側凹部及び前記下側凹部の両方に立設されている場合には、第1整列方向及び第2整列方向に沿って隣接する成形ピンは上側成形金型の上側凹部と下側成形金型の下側凹部とに任意又は交互に立設されていてもよい。
(実施例1)
厚さ8.9mmのアルミニウム板を縦180mm×横270mmに切り出し、その縦150mm×横225mmの長方形の領域における両表面から深さ1.5mmまでの部分を切削して、鍔部13とその周囲に厚さTが5.9mmの平坦部とを有する板状体を作製した。前記方法に従って測定した鍔部13及び平坦部の平面度がそれぞれ0.065mm及び0.07mmであった板状体を用いて、平担部に1.6mmの直径Rを有する円形の支持孔11を、縦方向及び横方向に2.03mmの間隔Iで縦71列及び横108行に整列した状態に、穿孔した。このようにして図3に示される補強部材5を作製した。
次いで、炭素鋼S−50Cで同一寸法の上側成形金型31及び下側成形金型32を有する成形金型30を作製した。上側凹部42及び下側凹部43は、図7に示されるように、収納凹部33が補強部材5の寸法と同一となるように、形成されている。上側凹部42には、補強部材5の支持孔11と同様に、縦方向及び横方向に2.03mmの間隔pで、縦71列及び横108行に整列した状態になるように、成形ピン41を立設した。この成形ピン41は、図6に示されるように、収納凹部33の深さに一致する8.9mmの軸線長さLと、保持する小型部品の保持孔15に挿入される部分の直径又は幅よりも小さな0.44mmの直径dとを有していた。このようにして成形金型30を作製した。
次いで、図7に示されるように、この成形金型30の収納凹部33に、成形ピン41が支持孔11を貫通するように、補強部材5を収納した。成形金型30及び補強部材5で形成されたキャビティ34にシリコーンゴム(信越化学工業株式会社製、商品名「KE-1950−50」)を注入して、120℃で10分間加熱し、補強部材5とシリコーンゴムとを一体成形した。
次いで、成形金型30の上側成形金型31を下側成形金型32からほぼ垂直に離間させて、成形金型30を開き、保持治具1を脱型した。このようにして、保持孔15と支持孔11とが軸線を共有する保持治具を製造した。
保持治具の製造において、任意に選択された4つの成形ピン41a〜41dにおける成形ピン41の直径d(mm)及び成形ピン41の軸線長さL(mm)、補強部材10における平坦部12の厚さT(mm)、支持孔11の直径R(mm)及び成形ピン41の軸線の間隔p(mm)は第1表に示す通りであり、これらから、4本の成形ピン41における外周面の合計面積Spと補強部材5の体積Vとの比(Sp/V)を算出した値を第1表に示した。
また、保持治具において、支持孔11及び保持孔15はそれぞれ7668個であり、保持孔15の直径r(mm)は前記成形ピン41の直径d(mm)とほぼ同一であり、弾性部材6の厚さt(mm)は成形ピン41の軸線長さL(mm)と、支持孔11の間隔I(mm)及び保持孔15の間隔(mm)は前記成形ピン41の間隔p(mm)とそれぞれ同一であり、4つの保持孔41における内表面の合計面積Shと補強部材5の体積Vとの比(Sh/V)は前記保持治具の製造における前記比(Sp/V)と同一であった。
なお、弾性部材6の切断時伸び、引張強さ及びJIS A硬度として、前記弾性部材6を形成する前記シリコーンゴムを同様に成形してJIS K6249及びJIS K6253に記載のゴム試験片をそれぞれ作製し、前記測定方法に準拠して、ゴム試験片の切断時伸び、引張強さ及びJIS A硬度をそれぞれ測定した。その結果、切断時伸び、引張強さ及びJIS A硬度はそれぞれ、600%、8.8MPa及び49であった。
(実施例2)
実施例1の製造における条件を第1表に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と基本的に同様にして、保持治具を製造した。
(実施例3及び4)
厚さ8.9mmのアルミニウム板を縦180mm×横270mmに切り出し、その縦160mm×横260mmの長方形の領域における両表面から深さ1.5mmまでの部分を切削して、鍔部13とその周囲に厚さTが5.9mmの平坦部とを有する板状体を作製した。前記方法に従って測定した鍔部13及び平坦部の平面度がそれぞれ0.065mm及び0.07mmであった板状体を用いて、平坦部に1.4mmの直径Rを有する円形の支持孔11を縦方向及び横方向に1.9mmの間隔Iで縦80列及び横132行に整列した状態に穿孔して、補強部材5を作製した。この支持孔11と同様に、縦方向及び横方向に1.9mmの間隔pで縦80列及び横132行に整列した状態になるように、第1表に示される直径dを有する成形ピン41が上側凹部42に立設された上側成形金型31を準備した。これらの補強部材5及び上側成形金型31を用いたこと以外は、実施例1と基本的に同様にして、各保持治具をそれぞれ製造した。これらの保持治具において、支持孔11及び保持孔15はそれぞれ10560個であった。
(実施例5)
厚さ8.9mmのアルミニウム板を縦180mm×横270mmに切り出し、その縦150mm×横225mmの長方形の領域における両表面から深さ1.5mmまでの部分を切削して、鍔部13とその周囲に厚さTが5.9mmの平坦部とを有する板状体を作製した。前記方法に従って測定した鍔部13及び平坦部の平面度がそれぞれ0.065mm及び0.07mmであった板状体を用いて、平坦部に1.6mmの直径Rを有する円形の支持孔11を縦方向及び横方向に2.28mmの間隔Iで縦63列及び横96行に整列した状態に穿孔して、補強部材5を作製した。この支持孔11と同様に、縦方向及び横方向に2.28mmの間隔pで縦63列及び横96行に整列した状態になるように、0.44mmの直径dを有する成形ピン41が上側凹部42に立設された上側成形金型31を準備した。これらの補強部材5及び上側成形金型31を用いたこと以外は、実施例1と基本的に同様にして、保持治具を製造した。この保持治具において、支持孔11及び保持孔15はそれぞれ6048個であった。
(実施例6)
厚さ10.0mmのアルミニウム板を縦180mm×横270mmに切り出し、その縦150mm×横225mmの長方形の領域における両表面から深さ1.5mmまでの部分を切削して、鍔部13とその周囲に厚さTが7.0mmの平坦部とを有する板状体を作製した。前記方法に従って測定した鍔部13及び平坦部の平面度がそれぞれ0.065mm及び0.07mmであった板状体を用いて、平坦部に1.6mmの直径Rを有する円形の支持孔11を縦方向及び横方向に2.4mmの間隔Iで縦60列及び横91行に整列した状態に穿孔して、補強部材5を作製した。この支持孔11と同様に、縦方向及び横方向に2.4mmの間隔pで縦60列及び横91行に整列した状態になるように、0.44mmの直径dを有する成形ピン41が上側凹部42に立設された上側成形金型31を準備した。これらの補強部材5及び上側成形金型31を用いたこと以外は、実施例1と基本的に同様にして、保持治具を製造した。この保持治具において、支持孔11及び保持孔15はそれぞれ5460個であった。
(実施例7)
厚さ8.9mmのアルミニウム板を縦180mm×横270mmに切り出し、その縦160mm×横260mmの長方形の領域における両表面から深さ1.5mmまでの部分を切削して、鍔部13とその周囲に厚さTが5.9mmの平坦部とを有する板状体を作製した。前記方法に従って測定した鍔部13及び平坦部の平面度がそれぞれ0.065mm及び0.07mmであった板状体を用いて、平坦部に1.6mmの直径Rを有する円形の支持孔11を縦方向及び横方向に2.0mmの間隔Iで縦75列及び横124行に整列した状態に穿孔して、補強部材5を作製した。この支持孔11と同様に、縦方向及び横方向に2.0mmの間隔pで縦75列及び横124行に整列した状態になるように、0.58mmの直径dを有する成形ピン41が上側凹部42に立設された上側成形金型31を準備した。これらの補強部材5及び上側成形金型31を用いたこと以外は、実施例1と基本的に同様にして、保持治具を製造した。この保持治具において、支持孔11及び保持孔15はそれぞれ9300個であった。
(実施例8)
前記支持孔11及び保持孔15並びに成形ピン41を縦65列×横108行(前記間隔pは縦2.2mm×横2.0mm)に整列したこと以外は、実施例1と基本的に同様にして、保持治具を製造した。この保持治具において、支持孔11及び保持孔15はそれぞれ7020個であった。
(比較例1)
厚さ8.9mmのアルミニウム板を縦180mm×横270mmに切り出し、その縦150mm×横225mmの長方形の領域における両表面から深さ1.5mmまでの部分を切削して、鍔部13とその周囲に厚さTが5.9mmの平坦部とを有する基材を作製した。前記方法に従って測定した鍔部13及び平坦部の平面度がそれぞれ0.065mm及び0.07mmであった板状体を用いて、平坦部に1.6mmの直径Rを有する円形の支持孔11を縦方向及び横方向に2.8mmの間隔Iで縦51列及び横78行に整列した状態に穿孔して、補強部材5を作製した。この支持孔11と同様に、縦方向及び横方向に2.8mmの間隔pで縦51列及び横78行に整列した状態になるように、0.44mmの直径dを有する成形ピン41が上側凹部42に立設された上側成形金型31を準備した。これらの補強部材5及び上側成形金型31を用いたこと以外は、実施例1と基本的に同様にして、保持治具を製造した。この保持治具において、支持孔11及び保持孔15はそれぞれ3978個であった。
(比較例2)
厚さ8.9mmのアルミニウム板を縦180mm×横270mmに切り出し、その縦160mm×横260mmの長方形の領域における両表面から深さ1.5mmまでの部分を切削して、鍔部13とその周囲に厚さTが5.9mmの平坦部とを有する板状体を作製した。前記方法に従って測定した鍔部13及び平坦部の平面度がそれぞれ0.065mm及び0.07mmであった板状体を用いて、平坦部に1.6mmの直径Rを有する円形の支持孔11を縦方向及び横方向に1.9mmの間隔Iで縦80列及び横132行に整列した状態に穿孔して、補強部材5を作製した。この支持孔11と同様に、縦方向及び横方向に1.9mmの間隔pで縦80列及び横132行に整列した状態になるように、0.58mmの直径dを有する成形ピン41が上側凹部42に立設された上側成形金型31を準備した。これらの補強部材5及び上側成形金型31を用いたこと以外は、実施例1と基本的に同様にして、保持治具を製造した。この保持治具において支持孔11及び保持孔15はそれぞれ10560個であった。
(保持治具の平面度の測定)
実施例1〜8、比較例1及び比較例2で製造した保持治具における平面度を前記方法に従って測定した結果を第1表に示す。なお、各保持治具における弾性部材の平面度を測定したところ、いずれも、0.04mm以下であった。
Figure 0005408782
第1表に示されるように、前記比(Sh/V)を満たす補強部材及び成形金型を用いて製造した実施例1〜8の保持治具は、前記比(Sp/V)を満たしており、いずれも高い平面度を有していることがわかった。
(電極均一性評価)
実施例及び比較例で製造した各保持治具を用いて、縦0.5mm×横0.5mm×高さ1.0mmの直方体状のチップコンデンサ用部材を保持して、その両端部に電極を形成した。その結果、実施例1〜8及び比較例1の保持治具を用いて製造されたチップコンデンサはいずれもほぼ同一形状及び同一寸法の電極が形成されていた。
(成形金型の耐久性評価)
実施例1〜8並びに比較例1及び2それぞれで用いた各補強部材及び各成形金型を用いて各実施例又は比較例と基本的に同様にして保持治具を多数製造し、製造される保持治具の平面度を前記方法に従って測定した。その結果、実施例1〜8及び比較例1においては15000回繰り返して保持治具を製造してもその平面度は大きく低下しなかったのに対して、比較例2においては10000回繰り返して保持治具を製造するとその平面度が悪化する割合が大きかった。
1 保持治具
5 補強部材
6 弾性部材
11 支持孔
12 平坦部
13 鍔部
15、15a、15b、15c、15d 保持孔
30 成形金型
31 上側成形金型
32 下側成形金型
33 収納凹部
34 キャビティ
41、41a、41b、41c、41d 成形ピン
42 上側凹部
43 下側凹部

Claims (4)

  1. 第1整列方向及び第1整列方向に交差する第2整列方向に沿って整列された支持孔を有する平坦部及びこの平坦部の周囲に形成された鍔部を有してなる補強部材と、前記支持孔と同様に整列されると共に自身に挿入された小型部品を弾発的に保持する保持孔を有する弾性部材とを備え、前記保持孔が前記支持孔の内部を通るように前記平坦部が前記弾性部材に埋設されて成る保持治具であって、
    前記保持孔の直径rが0.42〜0.58mmであり、
    前記第1整列方向に沿って互いに隣接する2つの保持孔の軸線それぞれと前記第2整列方向の同じ側に前記2つの保持孔に隣接する2つの保持孔の軸線それぞれとを側辺とする仮想六面体の内部に存在する、前記保持孔4つの内表面の合計面積Shと前記補強部材の体積Vとの比(Sh/V)が0.40〜1.50であることを特徴とする保持治具。
  2. 前記保持孔は、前記支持孔の軸線と共通する軸線を有していることを特徴とする請求項1に記載の保持治具。
  3. 第1整列方向及び第1整列方向に交差する第2整列方向に沿って整列された支持孔を有する平坦部及びこの平坦部の周囲に形成された鍔部を有してなる補強部材を、前記支持孔と同様に整列された成形ピンが収納凹部に立設されてなる成形金型の前記収納凹部に、前記成形ピンが前記支持孔を貫通するように、収納する工程と、
    前記成形金型及び前記補強部材で形成されたキャビティに弾性材料を注入して成形する工程とを有する保持治具の製造方法であって、
    前記補強部材及び前記成形金型として下記条件を満足する補強部材及び成形金型を用いることを特徴とする保持治具の製造方法。
    <条件>
    前記成形ピンの直径dが0.42〜0.58mmであり、
    補強部材が成形金型の収納凹部に収納されたときに、
    前記収納凹部の上面及び底面を上面及び底面とし、かつ、前記第1整列方向に沿って互いに隣接する2本の成形ピンの軸線それぞれと前記第2整列方向の同じ側に前記成形ピンに隣接する2本の成形ピンの軸線それぞれとを側辺とする仮想六面体の内部に存在する、前記成形ピン4本の外周面の合計面積Spと前記補強部材の体積Vとの比(Sp/V)が0.40〜1.50
  4. 前記成形金型は、上側成形金型と下側成形金型とから成り、
    前記成形ピンは、前記上側成形金型及び前記下側成形金型のいずれか一方又は両方に前記第1整列方向及び第2整列方向に沿って立設されていることを特徴とする請求項3に記載の保持治具の製造方法。
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