JP4843072B2 - 小型部品の保持治具及び小型部品の取扱方法 - Google Patents

小型部品の保持治具及び小型部品の取扱方法 Download PDF

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Description

この発明は、小型部品の保持治具及び小型部品の取扱方法に関し、さらに詳しくは、異なるサイズの小型部品にも利用することができ、小型部品を所望の保持姿勢で安定的に保持することのできる保持治具、及び、異サイズの小型部品であっても、速やかに挿脱することができ、小型部品を所望の保持姿勢で安定的に保持することのできる小型部品の取扱方法に関する。
コンピュータ、デジタルビデオカメラ関連機器、デジタルスチルカメラ関連機器、コンパクトディスク関連機器、ミニディスク関連機器、デジタルバーサタイルディスク(DVD)関連機器、移動体通信関連機器等のポータブル機器等には、多種多様の電子部品が用いられている。例えば、電子部品の1つである積層セラミックチップコンデンサ(単に、チップコンデンサと称することがある。)は、用途、機能等に応じて、柱状、薄板状等の種々の形状を成している。一般に、これらの電子部品は小型で取扱いにくいから、電子部品を製造等する際に多数の電子部品製造用部材を一挙に保持する保持治具が使用される。
このような保持治具として、例えば、特許文献1には、「互いに直交する長手方向、幅方向および厚さ方向の各寸法を備え、かつ、前記3つの寸法のうち、前記長手方向寸法が最も長く、前記幅方向寸法が2番目に長く、長手方向の両端部に外部端子電極が形成された、複数個の電子部品チップを保持しながら、電子部品チップに対して複数の作業を行なうために用いられる治具であって、当該治具は、前記複数個の電子部品チップの各々を1個ずつ収納するために貫通孔をもって与えられた複数個の収納部を形成しており、前記各収納部は、前記各電子部品チップの前記長手方向寸法および前記幅方向寸法を受入れ可能な断面寸法を有するとともに、前記各電子部品チップの前記外部端子電極をその開口に向かって露出させ、前記各収納部を規定する内周面上の少なくとも1対の相対向する部分には、前記各電子部品チップを弾性的に挟む弾性体が形成された、ことを特徴とする、電子部品チップ保持治具」が記載されている。
特許文献2には、「コンデンサ、抵抗体等の小型電子パーツの端部にコーティングを施す際に使用する、多数の小型電子パーツを支持するプレートであって、プレート状の本体を備え、該本体はその一方の面から他方の面へ伸びる並列された多数の通路を有し、前記通路はその一端から他端又は実質的に前記本体の一方の面から他方の面への弾性壁を有し、各通路は各パーツの対応する横断面寸法よりも短い少なくとも1つの横断面寸法を有し、前記通路の弾性壁は前記通路のいずれかの端部から突出しても又は前記通路内に完全に収容されても前記通路内のすべての位置において前記パーツを連続的に弾性的に把持する、パーツ支持プレート」が記載されている。
特許文献3には、「チップ状電子部品素子の外部電極形成装置であって、スリット状貫通孔を有する弾性体を備えたベルト状の部品保持具と、前記チップ状電子部品素子を、前記部品保持具の前記弾性体におけるスリット状貫通孔の長辺側方から差し込むようにして挿入する部品挿入部と、前記弾性体の前記スリット状貫通孔により前記チップ状電子部品素子を挟持した前記部品保持具を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記部品保持具に挟持された前記チップ状電子部品素子の所定の部分に導電ペーストを塗布する塗布部と、を有する外部電極形成装置」が記載されている。
前記電子部品等の小型部品を製造する際に使用される保持治具は、小型部品の生産性と得られる小型部品の均質性とを両立させるため、多数の小型部品それぞれを所定かつ一定の状態に適度の保持力で保持可能であることが求められている。その一方で、製造効率の向上、コスト削減等を目的として、保持治具は、用途や特性に応じて調整された多種多様なサイズを有する複数種の小型部品を製造等する際にも、使用できることが求められている。
ところが、例えば、特許文献1には、「各収納部は、前記各電子部品チップの前記長手方向寸法および前記幅方向寸法を受入れ可能な断面寸法を有する」と、その請求項1にも規定されているように、特許文献1に記載の電子部品チップ保持治具は、小型部品の寸法に応じて形成された貫通孔の弾性体によって弾性的に挟まれた状態で小型部品を保持するから、保持する小型部品サイズに応じたサイズに貫通孔を調整する必要があり、小型部品のサイズ毎に準備されることになる。
ところで、特許文献1の図12には、「複数個の突起が形成されていて、これら突起34が電子部品チップ11に接触」することにより電子部品チップを保持する「電子部品チップ保持治具」が記載されている(第5頁右欄第33行〜34行)。また、特許文献2の図17には、「パーツ16が通路26の両側から伸びる1又は2対以上の歯140により把持される」パーツ支持プレートが記載されている(第6頁右上欄第15行〜同左下欄第3行)。このように、複数個の前記突起34又は1又は2対以上の前記歯140で電子部品チップ11又はパーツ16を保持する場合には、たとえ異なるサイズの電子部品チップ11又はパーツ16を形式的に保持することができても、例えば電子部品チップ11又はパーツ16の挿入状態等によって所望の保持姿勢で保持することができないことがあるうえ、例えば電子部品チップ11又はパーツ16が薄板状であるときにはこれらを安定的に保持することができないこともある。
一方、特許文献3の特に図5には、「チップ状電子部品素子6の長手方向側面が弾性体1aにより挟持される」ベルト状の部品保持具が記載されている([0024]欄)。特許文献3の図5のように、チップ状電子部品素子をその両側面から挟持する場合には、異なるサイズのチップ状電子部品素子6に十分に対応することができないうえ、さらに、チップ状電子部品素子の挿脱時及び保持時において、弾性体とチップ状電子部品素子との摩擦抵抗が大きく挿脱が容易ではないし、一旦保持されると保持力が大きく保持姿勢を容易に微調整又は修正することが困難となることがある。
特公平6−80602号公報 特開昭58−90718号公報 特開2006−324365号公報
したがって、この発明は、異なるサイズの小型部品にも利用することができ、小型部品を所望の保持姿勢で安定的に保持することのできる保持治具を提供することを、目的とする。
また、この発明は、異サイズの小型部品であっても、速やかに挿脱することができ、小型部品を所望の保持姿勢で安定的に保持することのできる小型部品の取扱方法を提供することを、目的とする。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、小型部品を保持する保持孔が形成された弾性部材を備えて成る小型部品の保持治具であって、前記弾性部材は、200〜1000%の切断時伸び(JIS K6249:引張速度500mm/min)を有しており、前記保持孔は、その軸線方向に沿って延在し、前記小型部品をその厚さ方向に狭圧する互いに相対向する1組の接触内壁と、前記軸線方向に沿って延在し、前記小型部品に接触しない互いに相対向する1組の非接触内壁とを有し、一方の前記接触内壁は、平坦な内表面を有し、この内表面の全面が前記小型部品に接触する面接触部となり、他方の前記接触内壁は、前記軸線に対して水平方向に向かって先細形状となるように前記軸線に沿って突出する突出部を有し、この突出部が前記小型部品に部分接触する部分接触部となることを特徴とする小型部品の保持治具であり、
請求項2は、前記突出部は、前記内壁に垂直に交差し、前記突出部の幅方向の中点を含む仮想平面に対して実質的に鏡像関係にある突出側壁を有して成ることを特徴とする請求項1に記載の小型部品の保持治具であり、
請求項3は、前記突出側壁は、曲面又は平面であることを特徴とする請求項2に記載の小型部品の保持治具であり、
請求項4は、前記突出部は、前記内壁に垂直に交差し前記軸線を含む仮想平面に対して実質的に鏡像関係にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の小型部品の保持治具であり、
請求項5は、前記突出部は、前記内壁の幅方向に複数並設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の小型部品の保持治具あり、
請求項6は、前記突出部は、前記小型部品を前記保持孔に挿入する過程において、前記小型部品の挿入方向における前記突出部の後方部が前記小型部品に接触し、前記突出部の前方部が前記小型部品に非接触となるように、弾性変形することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の小型部品の保持治具である。
前記課題を解決するための別の手段として、
請求項7は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の保持治具に小型部品を保持させて取扱う方法であって、前記小型部品を前記保持孔に向けて前進させて、前記小型部品が1組の前記非接触内壁それぞれと一方の前記接触内壁とに非接触となり、かつ前記小型部品が他方の前記接触内壁に形成された前記突出部における小型部品の前進方向の後方部に接触し前記突出部の前方部に非接触となる状態で、前記小型部品を前記保持孔に挿入する工程
を有することを特徴とする小型部品の取扱方法であり、
請求項8は、保持した前記小型部品に所定の処理を施す工程を有することを特徴とする請求項7に記載の請求項1に記載の小型部品の取扱方法である。
この発明に係る小型部品の保持治具は、一方の前記内壁が平坦な内表面を有し、この内表面の実質的に全面が小型部品に接触する面接触部となり、他方の前記内壁が前記突出部を有し、この突出部が小型部品に部分接触する部分接触部となる1組の前記内壁を有する保持孔が形成された弾性部材を備えて成るから、小型部品の保持孔への挿脱時及び保持時に前記突出部が弾性変形する。その結果、この発明に係る小型部品の保持治具は、異サイズの小型部品であっても挿脱及び保持することができ、かつ、前記突出部で面接触部に押圧された小型部品はこの面接触部に案内されて所望の保持姿勢となるように規制される。
また、この発明に係る小型部品の保持治具は、前記のように、小型部品に実質的に全面が接触する面接触部と小型部品に部分的に接触する部分接触部である突出部とを有する保持孔が200〜1000%の切断時伸び(JIS K6249:引張速度500mm/min)を有する弾性部材に形成されているから、小型部品の挿脱時及び保持姿勢の微調整又は修正時等に前記突出部が適度に弾性変形してその一部が小型部品の表面に接触する。その結果、小型部品の保持孔への挿脱時及び保持姿勢の微調整又は修正時等における摩擦抵抗を大幅に低減させることができるから、小型部品の保持孔への挿脱が容易になると共に、小型部品が保持孔に一旦保持されてもその後にその保持姿勢を所望の保持姿勢となるように微調整及び修正することができる。
したがって、この発明によれば、異なるサイズの小型部品にも利用することができ、小型部品を所望の保持姿勢で安定的に保持することのできる保持治具を提供することができる。
この発明に係る小型部品の取扱方法は、この発明に係る小型部品の保持治具を用いて実施され、かつ、小型部品を保持孔に向けて前進させて、小型部品が一方の内壁に非接触となり、かつ小型部品が他方の内壁に形成された突出部における小型部品の前進方向の後方部に接触しこの突出部の前方部に非接触となる状態で、小型部品を保持孔に挿入する工程を有するから、前記したように、異サイズの小型部品であっても速やかに保持孔に挿脱することができるうえ、小型部品を所望の保持姿勢で保持することができる。
したがって、この発明によれば、異サイズの小型部品であっても、速やかに挿脱することができ、小型部品を所望の保持姿勢で安定的に保持することのできる小型部品の取扱方法を提供することができる。
図1は、この発明に係る小型部品の保持治具の一実施例である保持治具を示す概略上面図である。 図2は、図1のA−A線で切断した保持治具における断面の一部を示す概略断面図である。 図3は、この発明に係る小型部品の保持治具の一実施例である保持治具における保持孔を示す概略図であり、図3(a)はこの発明に係る小型部品の保持治具の一実施例である保持治具における保持孔を示す概略上面図であり、図3(b)はこの発明に係る小型部品の保持治具の一実施例である保持治具における保持孔を示す概略斜視図である。 図4は、この発明に係る小型部品の保持治具の一実施例である保持治具を構成する補強部材の一実施例を示す概略上面図である。 図5は、この発明に係る小型部品の保持治具に形成される保持孔の変形例を示す概略斜視図である。 図6は、この発明に係る小型部品の取扱方法の一例を説明する概略図であり、図6(a)は小型部品等を配置した状態を説明する概略図であり、図6(b)は小型部品等を保持孔に対して押圧した状態を説明する概略図であり、図6(c)は小型部品等の前進を停止させた状態を説明する概略図であり、図6(d)は小型部品等を保持孔に保持させた状態を説明する概略図である。 図7は、この発明に係る小型部品の保持治具の一実施例である保持治具に小型部品等を保持させた状態を示す概略図であり、図7(a)はこの発明に係る小型部品の保持治具の一実施例である保持治具に小型部品等を保持させた状態を示す概略上面図であり、図7(b)は図7(a)のA−A線で切断した保持状態の一部を示す概略断面図であり、図7(c)は図7(a)のB−B線で切断した保持状態の一部を示す概略断面図である。 図8は、この発明に係る小型部品の保持治具に好適に保持される小型部品等を示す斜視図である。
この発明において、「実質的に平行」とは、相対向する面又は線が幾何学的に正確に平行であることを意味するものではなく、この発明の目的を達成できる範囲において「平行」であることを意味する。また、この発明において、「実質的に鏡像関係」、「実質的に面対称」及び「実質的に回転対称」とは、対象物が正確に「鏡像関係」、「面対称」及び「回転対称」であることを意味するものではなく、この発明の目的を達成できる範囲において「鏡像関係」、「面対称」及び「回転対称」であることを意味する。
この発明に係る保持治具で保持する小型部品は、柱状であっても薄板状であってもよく、その形状は特に限定されない。前記小型部品としては、互いに逆方向に向く少なくとも1組の表面を有するのが好適である。前記表面それぞれは、互いに逆方向に、通常、他方に対して実質的に平行に、面している。このような1組の表面を有する小型部品を用いると、前記1組の表面を狭圧保持することによりこの発明の目的をよく達成することができる。
このような小型部品としては、例えば、厚さ方向に延在する1つの軸線方向に垂直な断面が多角形、円形、楕円形、不定形等である小型部品が挙げられ、より具体的には、前記断面形状が軸線方向の底面から上面まで同一である柱状若しくは筒状又は薄板状の小型部品、前記断面形状を有する柱状体又は筒状体の端面に鍔部を有するT型又はH型の柱状若しくは筒状又は薄板状の小型部品が挙げられる。前記断面が多角形である小型部品としては、例えば、前記断面が2n角形(nは2以上の整数である。)である柱状若しくは筒状又は薄板状の小型部品が挙げられる。このような小型部品は、場合によっては3以上のnが採用されることもあるが、通常、nが2である4角形の前記断面とされる。この発明に係る保持治具で保持する特に好適な小型部品の一例として、図8に示されるように、前記断面が略正方形である四角柱を成す薄板状の小型部品用部材50が挙げられる。この小型部品用部材50は、図8において、厚さ方向に延在する1つの軸線が水平となるように起立した状態が図示されており、互いに逆方向に向く最大の表面積を有する表面53a及び53cを有している。
この発明に係る保持治具で保持する前記小型部品としては、小型部品を製造することのできる小型部品用部材、例えば、小型器具用部材、小型機械要素用部材及び小型電子部品用部材等が挙げられる。また、小型部品の製造には小型部品の搬送工程等も含まれるから、小型部品そのもの、例えば、小型器具、小型機械要素及び小型電子部品等も含まれる。したがって、この発明においては、小型部品と小型部品用部材とは明確に区別される必要はない。これらの小型部品及び小型部品用部材(以下、小型部品等と称することがある。)の中でも、この発明に係る保持治具が保持するのに好適な小型部品等として、小型電子部品及び/又は小型電子部品用部材等が挙げられる。小型電子部品及び小型電子部品用部材としては、例えば、チップコンデンサ、インダクタチップ、抵抗体チップ等の完成品若しくは未完成品又はこれらを製造することのできる部材等が挙げられる。小型部品等の寸法はその用途等に応じて適宜の寸法に調整される。
この発明に係る保持治具の一実施例である小型部品の保持治具(以下、単に「保持治具」と称することがある。)を、図面を参照して、説明する。この保持治具1は、小型部品等を保持して、例えば、図8に示されるように、薄板状の小型部品用部材50を起立状態にその厚さ方向に狭圧保持して、小型部品等を製造する工程、小型部品等を搬送する工程、及び/又は、小型部品等の保存等に使用される。この保持治具1は、例えば小型部品用部材50の端面に電極を形成してコンデンサチップを製造する工程に特に好適に使用される。


保持治具1は、図1、特に図2に示されるように、補強部材2が埋設され、保持孔5が形成された弾性部材4を備えて成る。
補強部材2は、弾性部材4に埋設されて、弾性部材4が平坦になるように、弾性部材4を補強する。補強部材2は、図2及び図4に示されるように、板状をなし、弾性部材4の保持孔5が貫通する支持孔3が貫通形成されている。この支持孔3は、多数、例えば、約100個以上、好ましくは少なくとも約1000個以上、より好ましくは少なくとも約2000個以上が形成されている(図2及び図4において、支持孔3の一部を図示していない。)。補強部材2に多数の支持孔3が形成されると、保持治具1を用いた小型部品等の製造方法における生産性が向上する。この支持孔3は、通常、後述する保持孔5が穿孔される穿孔パターンと同一の穿孔パターンで穿孔され、例えば、補強部材2においては、保持孔5と同様に、多数の支持孔3が縦横に所定の間隔をおいて碁盤目状に穿孔されている。支持孔3の穿孔間隔は、保持治具1に挿入保持する小型部品等のサイズ等によって、任意に調整することができる。
補強部材2の表面に開口する支持孔3の開口部形状、及び、支持孔3を補強部材2に平行な水平面で切断したときの断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、矩形、多角形等の形状を任意に選択することができる。前記開口部形状及び前記断面形状は同じ形状であるのがよい。この発明において、支持孔3における開口部形状及び前記断面形状は長方形、正方形、円形又は楕円形であるのがよい。図4に示されるように、補強部材2において、支持孔3の開口部形状及び断面形状は略長方形とされている。
支持孔3は、保持孔5に保持される小型部品等のサイズに応じて、保持孔5よりも大きな適宜のサイズに調整される。この発明において、支持孔3は、補強部材2の一方の表面に開口する一方の開口部から補強部材2の他方の表面に開口する他方の開口部まで同一形状で略均一なサイズになっているのがよい。
補強部材2は、小型部品等の生産性、小型部品等のサイズ及び保持治具1の強度等を考慮して、そのサイズが調整されている。例えば、補強部材2の厚さは0.2〜1mmに調整される。
前記補強部材2は、弾性部材4を平坦な形状に維持することのできる材料で形成されていればよく、このような材料として、金属及び樹脂等が挙げられる。具体的には、金属として、ステンレス鋼、炭素鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金及びニッケル合金等が挙げられ、樹脂として、例えば、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリ塩化ビニル等が挙げられる。補強部材2は、加工性、操作性の観点から、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金及びポリフェニレンスルフィド樹脂等で形成されるのがよく、強度と軽さとを高い水準で両立することができる点で、ステンレス鋼で形成されるのが特によい。
図1及び図2に示されるように、弾性部材4は、多数の保持孔5が貫通形成され、前記補強部材2を内部に収容している。そして、弾性部材4は、補強部材2を埋設し、換言すると、補強部材2の両面を被覆すると共に補強部材2の支持孔3に貫入するように、一体的に形成されている。このように弾性部材4が形成されると、弾性部材4と補強部材2との密着性に優れるうえ、小型部品等の保持孔5への挿入及び抜取りが容易になる。この弾性部材4は平坦な表面を有しているのが好ましい。
図1及び図2に示されるように、弾性部材4は、小型部品等を保持することができるようにその厚さ方向に貫通する保持孔5が形成されている。弾性部材4は、保持孔5を多数、例えば、約100個以上、好ましくは少なくとも約1000個以上、より好ましくは少なくとも約2000個以上形成されている(図1及び図2において、保持孔5の一部を図示していない。)。弾性部材4に多数の保持孔5が形成されていると、保持治具1を用いた小型部品等の製造方法における生産性が向上する。この保持孔5は、小型部品等のサイズ、生産性等を考慮して、所望の穿孔パターンに従って穿孔される。この例において、保持孔5は縦横に所定の間隔をおいて碁盤目状に穿孔されている。
前記弾性部材4は、小型部品等の生産性、小型部品等のサイズ及び発揮される弾性力等を考慮して、そのサイズが調整されている。例えば、弾性部材4の厚さは0.5〜3mmに調整される。
この弾性部材4は、JIS K6249に規定の切断時伸び(引張速度500mm/min)が200〜1000%の範囲内にある。後述する保持孔5が形成される弾性部材4の前記切断時伸びが200%未満であると、小型部品の挿脱時に突出部13が変形しにくく、突出部13の大部分が小型部品に接触して摩擦抵抗が大きくなり、一方、弾性部材4の前記切断時伸びが1000%を超えると、小型部品の挿脱時に突出部13が変形しすぎてかえって摩擦抵抗が大きくなることがある。小型部品の挿脱時に突出部13が適度に変形して、例えば、図6に示されるように、小型部品用部材50の挿入方向における突出部13の後方部19が小型部品用部材50の表面53cに接触し、その前方部18が小型部品用部材50の表面53cに非接触となって摩擦抵抗を大幅に低減することができる点で、前記切断時伸びは200〜900%であるのが好ましく、200〜600%であるのが特に好ましい。
前記弾性部材4は、小型部品等を挿入及び/又は抜き取る際に適度に弾性変形し、かつ、損傷しないように、所定の引張強さ及び硬度を有しているのが好ましい。例えば、JIS K6249に規定の引張強さ(引張速度500mm/min)は5〜15MPaであるのが好ましく、7〜14MPaであるのが特に好ましく、JIS K6253に規定の硬度(JIS A)は20〜80であるのが好ましく、40〜60であるのが特に好ましい。弾性部材4が前記範囲内の引張強さ及び硬度のいずれかを有していると、小型部品の挿脱時に突出部が前記したように適度に弾性変形して小型部品と突出部との摩擦抵抗を大幅に低減することができる。前記JIS K6249に規定の切断時伸び及び引張強さは、23℃、湿度50%の環境下で、3号ダンベル形状の試験片を作製して、切断時伸びはつかみ具間隔を標線距離で20mmに設定して、実施する。
弾性部材4は、前記切断時伸びが200〜1000%の範囲内になる成形材料で形成されていればよく、例えば、ゴム及びエラストマー等が挙げられ、より具体的には、シリコーンゴムが挙げられる。シリコーンゴムの中でも、高重合度の線状ポリジメチルシロキサン若しくはその共重合体を架橋してゴム弾性を付与したシリコーンゴム、又は、耐酸性のシリコーンゴムが好ましい。高重合度の線状ポリジメチルシロキサンを架橋したシリコーンゴムとしては、例えば、商品名「KE−1950−50」、「KE−9510U」(共に信越化学工業株式会社製)等を入手することができる。
弾性部材4に形成された保持孔5は、図2及び図3に示されるように、その軸線C方向に沿って延在し、小型部品等をその厚さ方向に狭圧する互いに相対向する1組の内壁11a及び11b(以下、これらの内壁をまとめて「接触内壁11」と称することがある。)と、他方の前記内壁11bから軸線Cに対して水平方向に向かって先細形状となるように軸線Cに沿って突出する突出部13と、前記軸線C方向に沿って延在し、小型部品等に接触しない互いに相対向する1組の内壁12a及び12b(以下、これらの内壁をまとめて「非接触内壁12」と称することがある。)とを有している。すなわち、前記保持孔5は、軸線Cに対して水平方向に向かって前記のように突出する突出部13を有する内壁11bと、この内壁11bに対向する他方の内壁11aと、これらの内壁11a及び11bに略垂直に交差する1組の内壁12a及び12bとを有し、前記突出部13が形成されていないと仮定したときに、この4つの各内壁11a、11b、12a及び12bによって保持孔5の内周壁が形成されている。前記突出部13は、後述するように、小型部品等における1つの表面53に接触又は圧接して小型部品等を保持する接触部と称することもできる。
前記接触内壁11及び非接触内壁12は、図3に示されるように、保持孔5の軸線C方向に沿って弾性部材4を貫通するように延在すると共に、隣接する各内壁11又は12と共同して略四角柱状の空間を構成する前記内周壁を形成している。したがって、この発明において、内壁と称するときは、通常、前記突出部13が形成されていないと仮定したときの仮想内壁を意味し、場合によっては、突出部13が形成されていない部分を意味することもある。
接触内壁11は、図3によく示されるように、相対向する内壁11a及び11bが実質的に平行になっている。前記接触内壁11が実質的に平行になっていると、互いに逆方向に向く1組の表面を有する前記小型部品等を用いたときにこの発明の目的をよく達成することができる。前記非接触内壁12は、図3によく示されるように、相対向する内壁12a及び12bそれぞれが実質的に平行になっている。また、前記接触内壁11は、図1〜図3に示されるように、非接触内壁12よりも長く形成され、好ましくは、前記非接触内壁12が小型部品用部材50の表面に接触しないように、非接触内壁12よりも長く形成されている。すなわち、前記突出部13が形成されていないと仮定したときの、接触内壁11及び非接触内壁12からなる保持孔5の仮想輪郭は、図3によく示されるように、一方向に延在する長方形又はスリット状になっている。
接触内壁11のうち一方の内壁11aは、実質的に平坦な内表面を有しており、小型部品等を保持したときに、前記内表面の実質的に全面が小型部品等の表面に接触する面接触部を形成している。換言すると、前記内壁11aは、小型部品等を保持したときにその表面に実質的に全面が接触する、実質的に平坦な内表面を前記突出部13に対向するように有している。この内壁11aは、小型部品等を所望の保持姿勢に保持できるように、内表面の形状、弾性部材4に対する傾斜角等に調整され、保持治具1において前記傾斜角は略垂直である。このような内表面で前記内壁11aが形成されていると、突出部13で内壁11aに押圧された小型部品等が所望の保持姿勢となるように規制され、この発明の目的をよく達成することができる。
この発明において、「実質的に平坦」とは、高精度に平坦であることを意味するのではなく、内壁11aが小型部品等の表面に接触してその保持姿勢を規制することができる範囲において「平坦」であることを意味する。また、この発明において、「実質的に全面」とは、内表面のすべてを意味するものではなく、この発明の目的を達成できる範囲において内表面の大部分であればよいことを意味する。前記内壁11aにおいては、その内表面のうち少なくとも前記突出部13に対向する領域が小型部品等の表面に接触するようになっている。
接触内壁11のうち他方の内壁11bは、軸線Cに対して水平方向に向かって先細形状となるように軸線Cに沿って突出する突出部13を有し、この突出部13が小型部品等の表面に部分接触する部分接触部を形成している。換言すると、前記内壁11bには、小型部品等を保持したときにその表面に部分接触する、軸線Cに対して水平方向に向かって先細形状となるように軸線Cに沿って突出する突出部13が形成されている。
この突出部13は、内壁11bから保持孔5の軸線Cに対して水平方向に向かって、換言すると、相対向する内壁11aに対して水平方向に向かって、1つの先細形状となるように突出している。すなわち、保持治具1を上面からみたときに、突出部13は、軸線Cに近づくほど、すなわち、内壁11bからの突出長さLpが大きくなるほど、その幅、換言すると、前記軸線C方向及び突出部13の突出方向に垂直な方向に沿う突出部13の長さが徐々に小さくなるような1つの先細形状となるように、突出している。
この突出部13は、図3等に示されるように、1つの前記先細形状が弾性部材4における一方の表面から他方の表面まで前記軸線Cに沿って連続的に延在して成る。換言すると、内壁11bの軸線C方向全体から内壁11aに向かって互いの離間距離すなわち前記幅が徐々に短くなるように立ち上がる一対の突出側壁15a及び15aを有して成る。したがって、突出部13は内壁11bに対して1つ形成されている。突出部13がこのように形成されていると、小型部品等を軸線C方向のいずれの個所においてもほぼ均一な狭圧力で保持することができる。
この突出部13は、図3に明確に示されるように、その軸線長さが均一になっている。すなわち、前記突出部13における軸線C方向の両開口端面17a及び17aが弾性部材4の両表面と略面一になっている。
そして、前記突出部13は、内壁11bの端部、すなわち、保持孔5における隣接する内壁11又は12が交わる軸線Cに沿う側辺14a及び14bよりも内側から前記先細形状に突出している。換言すると、前記一対の突出側壁15a及び15aそれぞれは、側辺14a及び14bよりも内側から立ち上がっている。すなわち、前記内壁11bはその両端部に突出部13が形成されていない平面部を有している。この平面部は、小型部品等の保持孔5への挿脱時及び保持時に小型部品等に非接触となる非接触部と称することもできる。突出部13がこのように突出していると、前記突出部13が容易に弾性変形するうえ、前記側辺14a及び14bに小型部品等が接触することを防止できる。
前記突出部13は、図2及び図3に示されるように、内壁11bに垂直に交差し、突出部13の前記幅方向の中点を含む仮想平面X(特に図3参照。)に対して実質的に鏡像関係にある突出側壁15a及び15aを有している。突出側壁15a及び15aは前記仮想平面Xに対して実質的に面対称であるということもできる。さらにいうと、突出部13の先細形状は、前記仮想平面Xに対して略対称な形状になっている。この突出側壁15a及び15aは、互いの鏡像関係によって、軸線Cに向かって徐々に突出部13の幅が小さくなるような曲面をなしている。このように、突出部13が鏡像関係にある突出側壁15a及び15aを有していると、突出部13の弾性変形も前記仮想平面Xに対して実質的に鏡像関係になり、この発明の目的をよく達成することができる。
また、突出部13は、図2及び図3に示されるように、内壁11bに垂直に交差し、前記軸線Cを含む仮想平面X(特に図3参照。)に対して実質的に鏡像関係にある。突出部13は前記仮想平面Xに対して実質的に面対称であるということもできる。このように、突出部13が鏡像関係にあると、突出部13の弾性変形も前記仮想平面Xに対して実質的に鏡像関係になり、この発明の目的をよく達成することができる。なお、前記保持孔5においては、内壁11bに1つの突出部13が形成されているから、前記仮想平面Xと仮想平面Xとは同一平面である。
前記突出部13は、この発明の目的をよく達成することができる範囲内において適宜の寸法に設定される。特に、前記突出部13は、図3(a)に示されるように、その最大幅すなわち内壁11bに接続する部分の幅Lwと、内壁11bからの最大突出長さLpとが式:Lw≧Lpを満足しているのが好ましい。また、前記突出部13は、図2に示されるように、前記弾性部材4の厚さtと、小型部品等の表面53に接触する部分すなわち突出部13の軸線長さLaとが式:t≧Laを満足しているのが好ましく、保持孔5においては前記軸線長さLaと前記厚さtとは同一である。さらに、前記突出部13は、前記最大突出長さLpと前記軸線長さLaとが式:La≧Lpを満足しているのが好ましい。前記突出部13が少なくとも1つの前記式を満足していると、小型部品等の挿脱時等に、その前進方向における突出部の後方部が小型部品等に接触し、その前方部が小型部品等に接触しないように、弾性変形することができる。
さらに、突出部13の突出長さLpは、前記式を満たしていればよいが、好ましくは、後述するように、突出長さLpは、相対向する内壁11aとの最短距離が保持する小型部品等の厚さよりも短くなるように設定されるのが好ましい。具体的には、前記最短距離は、小型部品等の厚さに対して80〜95%の範囲内から、保持孔5の寸法及び小型部品等の寸法等に応じて適宜に選択される。
前記突出部13は、小型部品等を保持孔5に挿入する過程において、例えば図6(c)に示されるように、小型部品用部材50の挿入方向における突出部13の後方部19が小型部品用部材50の表面53cに接触し、その前方部18が前記表面53cに非接触となるように、弾性変形する。突出部13がこのように弾性変形すると、この発明の目的をよく達成できる。
このように構成される前記保持孔5は、図3によく示されるように、前記仮想平面Xに対して実質的に鏡像関係にある。保持孔5は前記仮想平面Xに対して実質的に面対称であるということもできる。そして、この保持孔5は、例えば、薄板状の小型部品用部材50を、厚さ方向に延在する軸線が水平となる起立状態に、その厚さ方向から狭圧保持する。
保持孔5は、図2に示されるように、弾性部材4に埋設された補強部材2の支持孔3と互いの中心軸Cを共有している。換言すると、補強部材2に穿孔されたある支持孔3を貫通するある保持孔5は、その中心軸Cがこの支持孔3の中心軸と一致する位置に形成されている。このように支持孔3と保持孔5とが互いの中心軸を共有するように補強部材2が弾性部材4に埋設されていると、突出部13が弾性変形して、保持孔5に小型部品等を均一な状態で挿入することができ、挿入後の小型部品等を均一な狭圧力で保持することができる。
保持孔5における内壁11aと突出部13との前記最短距離は、補強部材2に形成された支持孔3の短軸方向の寸法に対して40〜90%であるのが、突出部13が前記のように弾性変形する点で、好ましい。なお、互いに相対向する非接触内壁12a及び12bの距離は、小型部品等の挿脱容易性の観点から、例えば図7に示されるように、保持する小型部品等に接触しない程度に設定されている。
前記保持治具1は保持孔5で小型部品等を保持する。この保持治具1は、小型部品等の生産性及び小型部品等のサイズ等を考慮して、そのサイズが調整される。
保持治具1は、例えば、以下のようにして製造される。まず、前記金属又は樹脂等で所望サイズの板状体を作成する。このようにして作製された板状体に、所定形状を有する多数の支持孔3を、研削、切削、やすり仕上げ等によって、碁盤目状に穿設して、補強部材2を作製する。このようにして作製された補強部材2は、弾性部材4との密着を高めるために、補強部材2の表面に接着剤又はプライマー等が塗布されてもよい。
このようにして作製した補強部材2を収納可能なキャビティを有する金型を準備する。この金型の内表面は鏡面加工されていてもよい。次いで、補強部材2を前記金型に収納する。この金型に補強部材2を収納すると、弾性部材4が形成される部分に空間が形成される。次いで、この空間に弾性材料を注入して、弾性材料を成形する。弾性材料の成形方法は、特に限定されず、例えば、圧縮成形、射出成形、トランスファー成形等の成形方法を採用することができる。成形温度及び成形時間等は、使用する弾性材料が硬化する温度及び時間であればよく、弾性材料に応じて、任意に調整される。なお、弾性部材4の成形後に、弾性部材4の硬化を確実にするため、二次加熱又は熱処理等を行ってもよい。
このようにして成形された成形体に例えば切削工具、カッター等で、埋設されている補強部材2の支持孔3を貫通するように保持孔5を穿孔する。このようにして、保持孔5が貫通形成された弾性部材4を備えて成る保持治具1を製造することができる。
なお、成形された弾性部材4に成形バリが生じている場合には、成形バリを取り除くため、研削等の表面処理が行われてもよい。表面処理として、例えば、平面研削、フライス研削、ラッピング等が挙げられる。また、保持治具1における弾性部材4の表面を鏡面加工することもできる。
保持治具1を製造する別の製造方法として、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、補強部材2を収納可能なキャビティを有し、前記保持孔5を形成することのできる成形ピンを備えた金型を準備する。次いで、この金型に前記のようにして作製した補強部材2を収納すると、補強部材2の各支持孔3を貫通するように成形ピンが配置されると共に弾性部材4が形成される部分に空間が形成される。その後、この間隙に弾性材料を注入して、前記製造方法と同様にして前記弾性材料を成形すると、保持孔5を有する弾性部材4が1工程で成形され、前記保持治具1を製造することができる。
このように、前記保持孔5は、小型部品等の表面に実質的に全面が接触する面接触部として機能する内壁11aと、小型部品等の表面に部分的に接触する部分接触部13として機能する突出部13とを有して成ることを特徴とし、換言すると、その相対向する1組の内壁11における一方の内壁11aに部分接触部を有し、他方の内壁11bに面接触部13を有していることを特徴とする。そして、このような特徴を有する前記保持孔5は、小型部品等を保持する際又は保持している間中に、部分接触部13が変形して、面接触部と協働して小型部品等を押圧保持することができると共に、小型部品等の寸法差等を吸収することができる。このように、部分接触部13が変形すると、異サイズの小型部品であっても挿脱及び保持することができ、かつ、保持姿勢の微調整又は修正が容易であるにもかかわらず突出部13で面接触部に押圧された小型部品はこの面接触部に案内されて所望の保持姿勢となるように規制される。その結果、前記弾性部材4を備えて成る前記保持治具1は、前記したように、異なるサイズの小型部品にも利用することができ、小型部品を所望の保持姿勢で安定的に保持することができる。
したがって、この発明において、保持孔は前記特徴を有していれば前記保持孔5に限定されることなく、種々の変更が可能である。すなわち、前記保持治具1は、前記突出部13が形成された内壁11bと、平坦な内表面を有する内壁11aとから成る、互いに相対向する1組の内壁11を有して成る保持孔5が形成された弾性部材4を備えて成るが、この発明において、保持治具は、前記1組の内壁を有して成る保持孔が形成された弾性部材を備えていればよく、前記内壁及び突出部は、種々の変更が可能である。
例えば、この発明において、突出部の突出側壁は、曲面である必要はなく、実質的に鏡像関係になくてもよく、内壁の両端部から突出していてもよい。また、この発明において、突出部は、内壁に垂直に交差し、突出部の幅方向の中点を含む仮想平面に対して実質的に鏡像関係にある突出側壁を有していなくてもよく、内壁に垂直に交差し前記軸線を含む仮想平面に対して実質的に鏡像関係になくてもよい。さらに、この発明において、突出部は、その先端部に対向する内壁に実質的に平行な接触平面を有していてもよく、突出部の先端に向かって徐々に軸線長さが短くなるように、弾性部材4に対して傾斜した開口端面を有していてもよい。前記非接触内壁12は実質的に平行になっているが、この発明において、前記非接触内壁は実質的に平行になっていなくてもよい。
具体的には、この発明における保持孔の別の一例として、例えば、図5(a)に示される保持孔6が挙げられる。この保持孔6は、突出側壁25が内壁26の両端部すなわち側辺14a及び14bから突出している突出部21が、前記突出部13に代えて、形成されていること以外は、前記保持孔5と基本的に同様である。
この発明における保持孔のまた別の一例として、例えば、図5(b)に示される保持孔7が挙げられる。この保持孔7は、内壁26の両端部すなわち側辺14a及び14bから突出する突出側壁27が平面で構成され、一定の割合で先端に向かって幅が小さくなる先細形状を有する突出部22が、前記突出部13に代えて、形成されていること以外は、前記保持孔5と基本的に同様である。
この発明における保持孔のさらに別の一例として、例えば、図5(c)に示される保持孔8が挙げられる。この保持孔8は、軸線に対して水平方向に向かって一定の割合で幅が小さくなる先細形状となるように前記軸線に沿って突出する突出部23が内壁28の幅方向に全域にわたって2つ並設されていること以外は、前記保持孔5と基本的に同様である。この保持孔8において、突出部23それぞれは前記仮想平面Xに対して実質的に鏡像関係にあり、また、2つの突出部23は前記仮想平面Xに対して互いに実質的に鏡像関係にある。なお、この発明において、前記突出部23は内壁28の幅方向に3以上が並設されていてもよい。
前記保持治具1において、前記接触内壁11及び非接触内壁12で形成される保持孔5の仮想輪郭は、前記のように長方形又はスリット状になっており、補強部材2に形成された支持孔3の開口部形状と実質的に同一な形状になっているが、この発明において、前記保持孔の仮想輪郭は、前記支持孔の開口部形状と実質的に同一の形状ではなく、異なる形状であってもよい。
前記保持治具1において、前記保持孔5の前記非接触部は、その内壁の一部の平面部とされているが、この発明において、保持孔の非接触部は、保持孔の外側すなわち軸線Cから遠ざかる方向に向かってくぼんだ形状をしていてもよい。具体的な凹部形状は、例えば、略円形、楕円形、多角形等の形状が挙げられる。また、この発明において、保持孔は、前記非接触部を有していなくてもよく、また、小型部品等を保持したときに前記非接触内壁が小型部品等の表面に接触するように形成されていてもよい。
保持治具1においては、支持孔3及び保持孔5は何れも碁盤目状に配列されているが、この発明において、支持孔及び保持孔の配列は碁盤目状に限定されず、支持孔及び保持孔は、例えば、正六角形が最密に配置されるハニカム配列、45度回転して縦横に配列されるスクエア配列、一点から放射状とされる放射形状の配列、放射曲線形状の配列、同心円形状の配列、一点から渦巻き状とされる渦巻き形状の配列等に従って、配列されてもよい。
また、保持治具1は、補強部材2が弾性部材4に埋設されているが、この発明において、保持治具は、弾性部材の平坦性を確保することができるのであれば、補強部材を備えていなくてもよい。
さらに、補強部材2は、板状をなしているが、この発明において、補強部材は、枠体として、板状を囲繞するように厚さ方向に突出するフランジ部を備えていてもよい。補強部材がフランジ部を備えていると、補強部材2の強度が増強し、また、保持治具としたときの取扱性に優れる。
次いで、この発明に係る小型部品の取扱方法について、前記保持治具1及び薄板状の小型部品用部材50を用いた一例(この発明に係る一取扱方法と称することがある。)を説明する。
この発明に係る一取扱方法において、保持治具1に小型部品用部材50を保持するには、図6(a)に示されるように、保持治具1上又は上方に小型部品用部材50を起立状態に配置する。このとき、薄板状の小型部品用部材50は、図8に示されるように、厚さ方向に延在する1つの軸線が水平となるように起立し、互いに逆方向に向く最大の表面積を有する表面53a及び53cが、前記1組の接触内壁11に実質的に平行となるように、なっている。すなわち、小型部品用部材50の表面53a〜53dそれぞれが保持孔5の輪郭を構成する2組の前記内壁11及び12に実質的に平行となるように、小型部品用部材50を保持孔5の上、又は、保持孔5の軸線の延長線上に配置する。この配置工程は、例えば、保持治具1の保持孔5と同数の貫通孔が保持孔5と同じ間隔かつ同じパターンで穿孔された整列板(図6(a)において図示しない。)を準備し、前記貫通孔に収納された小型部品用部材50の表面53a、53b及び53dそれぞれが前記内壁11a、12a及び12bの内表面と面一とならないように、この整列板を保持治具1の上に重ね合わせ、次いで、整列板の貫通孔それぞれに小型部品用部材50を適宜の手段例えば振動等を加えて収納することにより、実施することができる。このように小型部品用部材50を配置すると、小型部品用部材50は、1組の接触内壁11の中央よりも内壁11b側であって、1組の非接触内壁12の内側に、位置する。
この発明に係る一取扱方法においては、次いで、配置した小型部品用部材50を保持孔5に向けて前進させて保持孔5に挿入する。小型部品用部材50を保持孔5に向けて前進させるには、前記整列板状に平坦な板状部材を載置して、前記のようにして貫通孔に収納された小型部品用部材50を保持治具1側(図中の矢印A方向)に均一に押圧する。
このようにして小型部品用部材50を押圧すると、小型部品用部材50は同方向に前進して、まず、図6(b)に示されるように、小型部品用部材50の底面部が突出部13の開口端面17aに当接して、突出部13を同方向に押圧する。そうすると、突出部13は、その先端部近傍が小型部品用部材50による押圧力で押圧方向に弾性変形する。このときの突出部13の弾性変形は、図6(b)によく示されるように、補強部材2の近傍ではわずかに弾性変形する程度であるが、突出部13の先端に向かうに従って大きく弾性変形する。
さらに小型部品用部材50を同方向に押圧すると、図6(c)に示されるように、小型部品用部材50が保持孔5に進入する。そうすると、小型部品用部材50の表面53aは内壁11aに非接触となり、一方、表面53cは内壁11bに形成された突出部13に接触する。このとき、突出部13は前記のように構成されているから、図6(c)に示されるように、突出部13はその先端に向かうほど大きく弾性変形し、かつ、小型部品用部材50の前進方向における後方側ほど大きく弾性変形し、逆に、同方向の前方側ほど小さく弾性変形する。その結果、突出部13は、図6(c)に示されるように、小型部品用部材50の表面53c及び内壁11bに対してある程度傾斜し、小型部品用部材50の前進方向に沿って末広がりとなるように、弾性部材4の裏面に開口した保持孔5の開口部が拡開される。そうすると、小型部品用部材50は、図6(c)に示されるように、その表面53aが内壁11aに非接触となる状態を維持しつつ、その表面53cが小型部品用部材50の前進方向における突出部13の後方部19に接触する一方、突出部13の前進方向における前方部18には接触しない状態を維持したまま、押圧され、前進する。なお、非接触内壁12は、前記のように形成されているから、小型部品用部材50の表面53b及び53dには接触していない。
引き続き前記の状態を維持しつつ小型部品用部材50を同方向に押圧して、図6(c)に示されるように、所定の挿入量まで保持孔5に挿入する。このようにして、小型部品用部材50の表面53aを内壁11aに非接触とし、好ましくは小型部品用部材50の表面53b及び53dを非接触内壁12に非接触とし、かつ、小型部品用部材50の表面53cを突出部13の一部に接触させた状態を維持しつつ、小型部品用部材50を保持孔5に挿入する。
このような状態を維持したまま小型部品用部材50を保持孔5に挿入すると、図6(b)〜図6(d)に示されるように、小型部品用部材50の表面53a、53b及び53dが内壁11a、12a及び12bに非接触となり、表面53cが突出部13の前記後方部19に接触して互いに摺接するから、小型部品用部材50と突出部12との摩擦抵抗が大幅に低減されて、異サイズの小型部品用部材50であっても速やかかつ小さな押圧力で容易に保持孔5に挿入することができると共に、小型部品用部材50の保持孔5への挿脱及び保持姿勢の微調整又は修正が容易になる。
この発明に係る一取扱方法においては、小型部品用部材50の押圧を解除して、その前進を停止させる。そうすると、小型部品用部材50は、突出部13の内壁11aに向かう復元力によって、前記接触内壁11すなわち前記面接触部と前記部分接触部13とで挟圧保持される。
この発明に係る一取扱方法においては、所望により、保持孔5に挿入された小型部品用部材50を前記押圧方向と逆方向に後退させる。この後退は、好ましくは、表面53cのみが突出部13に接触した状態で実施される。小型部品用部材50を後退させることにより、小型部品用部材50の保持姿勢を微調整又は修正することができる。具体的には、保持孔5に保持された複数の小型部品用部材50における弾性部材5の表面からの突出量を一様に調整することができる。この調整工程は、例えば、前記板状部材を用いて小型部品用部材50を後退させることで、実施することができる。このとき、小型部品用部材50は前記面接触部と前記部分接触部13とで挟圧保持され、かつ、突出部13が前記のように弾性変形するから、小型部品用部材50はわずかな押圧力で前記面接触部と前記部分接触部13との間を摺動して、その保持姿勢を容易に微調整又は修正することができる。
このようにして、図6(d)及び図7に示されるように、突出部13の押圧力で内壁11aと突出部13とに小型部品用部材50を起立状態にその厚さ方向に狭圧保持することができる。このとき、突出部13は前記のように容易に弾性変形するから、たとえ異なる寸法の小型部品用部材50であっても保持治具1の保持孔5に挿入し、保持することができる。
その結果、保持孔5に保持された小型部品用部材50は、図7に示されるように、1組の接触内壁11、すなわち、前記面接触部及び前記部分接触部13に狭圧されて、表面53aと内壁11aとが実質的に平行となる起立状態に保持される。このとき、図7(a)及び図7(c)によく示されるように、互いに相対向する非接触内壁12a及び12bは、小型部品用部材50の表面53b及び53dには接触していない。
この発明に係る一取扱方法においては、このようにして所望の保持姿勢で保持した小型部品用部材50に所定の処理、例えば、電極形成処理、洗浄処理、乾燥処理等を施す工程を実施することができる。例えば、小型部品用部材50の中心軸方向の両端面に電極が形成されてコンデンサチップが製造される。このとき、小型部品用部材50は所望の保持姿勢で保持されているから、前記所定の処理を均一かつ高精度に実施することができる。例えば、保持治具1に保持された小型部品用部材50に電極形成処理を施すと、所定寸法の電極を高精度かつ均一に形成することができ、目的とする小型部品である多数のコンデンサチップを製造することができる。
このようにして、製造された小型部品を保持治具1から取り外すときには、小型部品をその軸線方向に押圧する。そうすると、例えば図6(c)に示されるように、突出部13が押圧方向に前記したように弾性変形し、小型部品用部材50の挿入時と基本的に同様な接触状態になる。したがって、保持孔5から小型部品を取り外すときも、保持孔5に小型部品用部材50を挿入するときと同様の効果を奏する。
この発明に係る一取扱方法によれば、前記したように、異サイズの小型部品であっても、速やかに挿脱することができ、小型部品を所望の保持姿勢で安定的に保持することができる。
(実施例1)
正方形に切り出したステンレス鋼(SUS304)に長方形の支持孔3を縦20列及び横20列のパターンで穿孔した。このようにして図4に示される補強部材2を作製した。一方、補強部材2を収納可能なキャビティを有し、図3に示される保持孔5を形成することのできる成形ピンが縦20列及び横20列のパターンに配列された金型を準備した。この成形ピンは保持孔5を形成できるようにその寸法が調整されている。
次いで、この金型に作製した補強部材2とシリコーンゴム(信越化学工業株式会社製、商品名「KE−9510U」)を収納して、180℃で、5分間加熱し、補強部材2とシリコーンゴムとを一体成形し、保持治具Aを製造した。
この保持治具Aにおける弾性部材4の前記破断時伸びは300%であった。この弾性部材4に形成された保持孔5は、前記最大幅Lwと前記最大突出長さLpとの比(Lw/Lp)が9.5、前記厚さtと前記軸線長さLaとの比(t≧La)が1.0、前記最大突出長さLpと前記軸線長さLaとの比(La/Lp)が4.0であった。また、前記内壁11aと突出部13の前記最短距離は後述するコンデンサチップ用部材50の幅に対して90%、支持孔3の短軸方向の幅に対して60%であった。なお、補強部材2の厚さと弾性部材4の厚さとの比は4であった。
(実施例2)
前記シリコーンゴム組成物(信越化学工業株式会社製、商品名「KE−9510U」)に代えてシリコーンゴム組成物(信越化学工業株式会社製、商品名「KE−1950−50」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、保持治具Bを製造した。この保持治具Bにおける弾性部材4の前記破断時伸びは550%であった。
(比較例1)
補強部材2を収納可能なキャビティを有し、断面が長方形の成形ピンが縦20列及び横20列のパターンに配列された金型を用いた以外は、実施例1と基本的に同様にして、保持治具Cを製造した。前記成形ピンで形成された保持孔の短辺距離(内壁11aと内壁11bとの距離に相当する。)は後述するコンデンサチップ用部材50の幅に対して90%、支持孔3の短軸方向の幅に対して60%であった。
このようにして製造した保持治具A〜C、並びに、薄板状に形成された50個のコンデンサチップ用部材50を用いて、各保持治具を評価した。
(挿入容易性及び保持状態評価)
保持孔5に対応する貫通孔が保持孔5と同じ間隔かつ同じパターンで穿孔された整列板を準備し、各保持治具の上に重ね合わせた。次いで、整列板の貫通孔それぞれにコンデンサチップ用部材50を収納した。このとき、薄板状のコンデンサチップ用部材50は、図8に示されるように、厚さ方向に延在する1つの軸線が水平となるように起立し、互いに逆方向に向く最大の表面積を有する表面53a及び53cが、前記1組の接触内壁11に実質的に平行となるように、前記貫通孔に収納されている。そして、コンデンサチップ用部材50は、1組の接触内壁11の中央よりも内壁11b側であって、1組の非接触内壁12の内側に、配置されている。このように配置されたコンデンサチップ用部材50それぞれを、コンデンサチップ用部材50の表面53aが内壁11aに非接触となり、表面53cが内壁11bに形成された突出部13に接触する状態を維持しつつ、保持治具1側に押圧した。このようにしてコンデンサチップ用部材50を保持孔に挿入した。
その結果、保持治具A及びBは、わずかな押圧力でコンデンサチップ用部材50を保持孔5に挿入することができたうえ、コンデンサチップ用部材50の軸線方向から内壁11aと突出部13とで、ほとんどすべてのコンデンサチップ用部材50を安定かつ均一な所望の保持状態に保持することができた。これに対して、保持治具Cは、コンデンサチップ用部材50を保持孔に挿入するのに大きな押圧力を要したうえ、多数のコンデンサチップ用部材50を安定かつ均一な所望の保持状態に保持することができなかった。
なお、このようにしてコンデンサチップ用部材50を保持孔に挿入する際の保持孔の様子を確認したところ、保持治具A及びBは、コンデンサチップ用部材50の挿入過程において、図6に示されるように、コンデンサチップ用部材50の挿入方向における突出部13の後方部19がコンデンサチップ用部材50の側面53cに接触し、突出部13の前方部18がコンデンサチップ用部材50の側面53cに非接触となるように、弾性変形していた。
(保持姿勢の調整容易性)
コンデンサチップ用部材50を保持孔5の軸線と一致しないように保持させた状態で、コンデンサチップ用部材50を挿入方向と逆方向及び挿入方向に垂直な方向に押圧した。その結果、保持治具A及びBはコンデンサチップ用部材50が保持孔と軸線を共有する所望の保持姿勢に容易に調整することができた。一方、保持治具Cは、前記方向に押圧しても一旦保持されたコンデンサチップ用部材50の保持姿勢をほとんど再調整することができなかった。
(異サイズの小型部品を用いたときの各評価)
前記コンデンサチップ用部材50に代えて、コンデンサチップ用部材50よりも底面の短辺が5%長いコンデンサチップ用部材、及び、コンデンサチップ用部材50よりも底面の短辺が5%短い小さなコンデンサチップ用部材を用いて、前記評価と同様にして、各保持治具を評価した。その結果、前記コンデンサチップ用部材50を用いたときの評価結果とほぼ同様の傾向が得られた。したがって、保持治具A及びBはコンデンサチップ用部材のサイズが異なっても、挿入容易性、保持状態及び保持姿勢の調整容易性に優れていた。
1 保持治具
2 補強部材
3 支持孔
4 弾性部材
5、6、7、8、9 保持孔
11、11a、11b (接触)内壁
12、12a、12b (非接触)内壁
13 突出部(部分接触部)
18 前方部
19 後方部
50 小型部品用部材
53a、53b、53c、53d 表面

Claims (8)

  1. 小型部品を保持する保持孔が形成された弾性部材を備えて成る小型部品の保持治具であって、
    前記弾性部材は、200〜1000%の切断時伸び(JIS K6249:引張速度500mm/min)を有しており、
    前記保持孔は、その軸線方向に沿って延在し、前記小型部品をその厚さ方向に狭圧する互いに相対向する1組の接触内壁と、前記軸線方向に沿って延在し、前記小型部品に接触しない互いに相対向する1組の非接触内壁とを有し、
    一方の前記接触内壁は、平坦な内表面を有し、この内表面の全面が前記小型部品に接触する面接触部となり、他方の前記接触内壁は、前記軸線に対して水平方向に向かって先細形状となるように前記軸線に沿って突出する突出部を有し、この突出部が前記小型部品に部分接触する部分接触部となることを特徴とする小型部品の保持治具。
  2. 前記突出部は、前記内壁に垂直に交差し、前記突出部の幅方向の中点を含む仮想平面に対して実質的に鏡像関係にある突出側壁を有して成ることを特徴とする請求項1に記載の小型部品の保持治具。
  3. 前記突出側壁は、曲面又は平面であることを特徴とする請求項2に記載の小型部品の保持治具。
  4. 前記突出部は、前記内壁に垂直に交差し前記軸線を含む仮想平面に対して実質的に鏡像関係にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の小型部品の保持治具。
  5. 前記突出部は、前記内壁の幅方向に複数並設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の小型部品の保持治具。
  6. 前記突出部は、前記小型部品を前記保持孔に挿入する過程において、前記小型部品の挿入方向における前記突出部の後方部が前記小型部品に接触し、前記突出部の前方部が前記小型部品に非接触となるように、弾性変形することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の小型部品の保持治具。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の保持治具に小型部品を保持させて取扱う方法であって、
    前記小型部品を前記保持孔に向けて前進させて、前記小型部品が1組の前記非接触内壁それぞれと一方の前記接触内壁とに非接触となり、かつ前記小型部品が他方の前記接触内壁に形成された前記突出部における小型部品の前進方向の後方部に接触し前記突出部の前方部に非接触となる状態で、前記小型部品を前記保持孔に挿入する工程
    を有することを特徴とする小型部品の取扱方法。
  8. 保持した前記小型部品に所定の処理を施す工程を有することを特徴とする請求項7に記載の請求項1に記載の小型部品の取扱方法。
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