JP4020272B2 - 光コネクタ用プラスチック精密スリーブおよびその金型 - Google Patents

光コネクタ用プラスチック精密スリーブおよびその金型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバが内挿された光ファイバコード同士を直接的に把持して接続する光コネクタ用プラスチック精密スリーブ(以下、プラスチック精密スリーブ、あるいは単に精密スリーブともいう)とその金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信技術の進展により、各家庭にまで光ファイバを導入して多彩な通信サービスを提供することが可能となりつつある。こうした光加入者系通信網の実現には、経済的な光コネクタが必要とされている。
【0003】
従来の光ファイバコネクタでは、図1に示したようなフェルールと精密スリーブの組合せが用いられている。すなわち、光ファイバが内挿されたフェルール2,2を両側より挿入し、各フェルール2,2を整列接合させる精密スリーブAとしては、図2に示すように、円筒精密スリーブに円筒の中心軸に平行に切り欠いたスリット1を設けた割スリーブAが多く使用されている。このような割スリーブAは、リン青銅のような金属材料やジルコニア等のセラミックスで構成されており、貫通穴3の内径を、光ファイバ固定しているフェルール2の外径よりも小さく形成してあるため、割スリーブAにフェルール2を挿入したときに、フェルール2と貫通穴3との間に隙間が生じにくい構造となっている。
【0004】
しかしながら、図2に示す割スリーブAにおいては、開きやすいスリット1を有するために、図3に示すように片側のフェルールの外周に凹凸がある場合には、貫通穴3が凹凸に応じて必要以上に大きく広がり、他端のフェルールとの間で軸ズレを生じて、ファイバの接続が不安定になるという欠点があった。
【0005】
また、現状では割スリーブAは、リン青銅やセラミックスを素材として、内面を真円に研磨加工することにより製造されているが、製造工程が多いため、割スリーブの価格が高くなり、コネクタ自体の経済化を妨げていた。このため、割スリーブをプラスチックの射出成形により作製することが、佐藤ら(特開平7−318759号)により提案されている。しかしながら、割スリーブ構造を採用している限り、プラスチック割スリーブの内壁の荒れによる凹凸や、ゲート/反ゲート間での軸曲がり等により、片側の貫通穴が他方の貫通穴よりも大きく広がりすぎる現象は起こり、その結果、挿入されたフェルール間で軸ズレを生じて、ファイバの接続が不安定になるという欠点があった。
【0006】
この割スリーブ構造を改善するために、図4に示すような割部を持たない整列スリーブBが岩本ら(特開昭58−143309号)により提案されている。この整列スリーブBはプラスチック材料よりなる筒状体の内面に金属製のニードル4を数本配設して凸部を設けた構成をとり、フェルールの挿入時には凸部と凸部の間の筒状体が大変形してフェルールにニードルを押しつけることでフェルール同士の中心位置が決められ接続される。この構成では、上で述べたような欠点は改善されるものの、図4に示すような複雑な突起構造を作り出すために、高精度の真円度を保つように成形された筒状体成型品に、後加工でニードル用の穴加工を施すという難しい加工工程が必要なためにコネクタ自体の経済化を妨げるという欠点があった。一方、割スリーブ構造を改善するために、図5に示すような割部をもたない精密スリーブCをプラスチックの射出成形により作製することが、首藤ら(特願平7−206047号)により提案されている。この精密スリーブでは整列スリーブの場合のような難しい後加工工程が不要であるという利点はあるものの、図5に示すような構造を作り出すために、金型のコアピンに高精度の真円度を保ちつつ、複雑な突起部5を付加させるという難しい加工を施さねばならず、その結果、高価な金型を使用することでコネクタ自体の経済化を妨げるという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の欠点を除去し、量産性に優れ、かつフェルール同士を高精度に把持できる光コネクタ用プラスチック精密スリーブおよびその金型を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明はなされたものであり、以下の4発明よりなる。
【0009】
すなわち、第一の発明に係る光コネクタ用プラスチック精密スリーブは、光ファイバが内装された光ファイバコード同士を接続するアダプタ内に設けられ、前記各光ファイバコードの先端に取り付けられた各フェルールを両端から挿入させることにより前記光ファイバを光学的に接続する光コネクタ用プラスチック精密スリーブであって、該プラスチック精密スリーブは外周面が円柱の周面であり、前記外周円柱の内部を長手方向に貫通する空洞を有し、前記空洞の内壁面は、前記外周円柱と同心でかつ挿入されるフェルールの直径より1μmから20μmだけ直径が小さい円柱が内接し得る少なくとも3つの平面と、前記平面の端面同士を結ぶ移行面のある円柱外周面とを有し、かつ該円柱外周面は前記空洞の中心からその円柱外周面までの距離が前記内接円柱の半径より大きく、該円柱外周面における前記精密スリーブの厚さが0.40mmから0.42mmの範囲であることを特徴とする。
【0010】
第二の発明に係る光コネクタ用プラスチック精密スリーブは、第一の発明に係る光コネクタ用プラスチック精密スリーブおいて、非晶質熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂、もしくは樹脂組成物からなることを特徴とする。
【0011】
第三の発明に係る光コネクタ用プラスチック精密スリーブは、第一の発明に係る光コネクタ用プラスチック精密スリーブにおいて、前記の非晶質熱可塑性樹脂もしくは樹脂組成物が、少なくともポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルイミドのいずれか一種の樹脂、もしくはこれらの一種の樹脂と、無機フィラーもしくは炭素繊維とを含む樹脂組成物であり、前記の熱硬化性樹脂若しくは樹脂組成物が、エポキシ樹脂、あるいは石英微粉末を含むエポキシ樹脂組成物であることを特徴とする。
【0012】
また、第四の発明に係る光コネクタ用プラスチック精密スリーブの金型は、第一の発明に係る光コネクタ用プラスチック精密スリーブ用の金型であって、成型品外径を決めるキャビティと、成型品内径を決めるコアピンと、成型品の一方の端面側に多点ピンポイントゲートとを具備し、前記キャビティは成型品の外周に相当する外周を有する円柱の形状を有し、前記コアピンの外壁は前記円柱と同心でかつ挿入されるフェルールの直径より1μmから20μmだけ直径が小さい円柱が内接し得る少なくとも3つの平面と、前記平面の端面同士を結ぶ移行面のある円柱外周面とを有し、かつ前記円柱外周面は前記空洞の中心からその円柱外周面までの距離が前記内接円柱の半径より大きく、該円柱外周面における前記精密スリーブの厚さが0.40mmから0.42mmの範囲であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の詳細を説明するが、まず、本発明が達成すべき各種の問題点を以下にまとめる。
【0014】
(i)精密成形: 一定の把持力を得るため、精密スリーブの内径や肉厚、外径真円度等の寸法に関して、少なくともμm単位の極めて精密な成形精度が要求される。
【0015】
(ii)適度な把持力および保持力: フェルールの抜け難さと接続プラグの接続安定性の観点から、精密スリーブは1kg以上の把持力(締め付け力)と200〜400gの保持力とが必要とされる。また、保持力は、把持力と精密スリーブ/フェルール間の摩擦係数との積に関係するため、適当な摩擦係数、例えば0.3以下の値が必要とされる。一方、光コネクタは、より高密度の実装が要求されるため、精密スリーブの肉厚としても、より薄いものが必要である。このため、精密スリーブは、より薄い肉厚で、機械的強度の優れた材質が必要である。
【0016】
(iii)耐挿抜性: フェルールと精密スリーブは多数回の挿抜に耐えなければならない。すなわち、挿抜時にごみ等を発生したり、寸法変化が起こると、接続損失に大きな影響を与える。
【0017】
(iv)信頼性: 精密スリーブは基本的に厚肉円筒の径方向弾性伸縮力でフェルールを固定するものである。従って、長期の間に、プラスチックの応力緩和現象により弾性力が減少すると、必要とされる把持力が維持できなくなり、接続損失の変化が生じる。また、温度、湿度の変化により、プラスチックが寸法変化しても、同様の問題が生じる。
【0018】
本発明者らは、光コネクタが具備すべき諸条件、プラスチック成形における問題点、使用する樹脂、および添加物について鋭意検討した結果、本発明に至ったものであるが、こうした経過について概略説明する。
【0019】
(イ)樹脂選定上の問題点: 金属やセラミックス材料に替わり得るプラスチック材料は、通常、エンジニアリングプラスチック(通称:エンプラ)と呼ばれ、最近に至るまで各種のものが開発されてきた。各種のエンプラを検討した結果、本発明が要求する機械的強度、耐クリープ性、温度・湿度に対する寸法安定性、精密成形性を満足する樹脂もしくは樹脂組成物を得るためには、非晶質な樹脂を基本組成として使用することが有利であり、具体的にはポリエーテルサルホン(PES)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)を使用することが好適であることを見出した。これは、結晶性樹脂の場合では、成形後の変形や、長期間にわたる応力緩和が無視できない程度になるためである。
【0020】
上述の樹脂はいわゆる熱可塑性樹脂に分類されるもので、室温で固体の樹脂をその溶融温度以上に加熱すると液状になり、この状態で金型中に流し込んで固化させることで成型品を作製するものである。これに対して、熱硬化性樹脂と呼ばれる樹脂があり、これは加熱した状態では重合することがなく、完全な液状にある。これを金型中に流し込んで一定時間加熱すると、樹脂が架橋反応を起こして成型品が形成される。こうした熱硬化性樹脂の中で、本発明が要求する機械的強度、耐クリープ性、温度・湿度に対する寸法安定性、精密成形性を満足する樹脂若しくは樹脂組成物を得るためには、エポキシ樹脂を使用することが好適であることを見出した。
【0021】
(ロ)添加物の選定上の問題: 樹脂組成物に使用される添加物としては、無機フィラーとしてのガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカー、酸化亜鉛、ガラスビーズ等が一般的に知られており、また、炭素繊維、グラファイト、テフロンビーズや、石英微粉末、チタン酸バリウム等の各種無機添加物も知られている。本発明者らは、こうした各種の添加物の中で、上述の熱可塑性樹脂には少なくともチタン酸カリウムウィスカーや酸化亜鉛などの無機フィラーもしくは炭素繊維を、上述の熱硬化性樹脂には少なくとも石英微粉末を添加することが好ましい。また、必要に応じて添加物の表面処理剤、着色剤等を添加することができる。
【0022】
(ハ)形状設計上の問題点: 本発明を実現する上で、非晶質熱可塑性樹脂と添加物を基本組成とする樹脂組成物の曲げ弾性率としては特に制限はないが、300kg/mm2 以上、2500kgf/mm2 以下にあることが好ましい。300kg/mm2 を下回ると、精密スリーブが側圧に対して容易に変形してフェルールに内挿された光ファイバ間で軸ズレが起こり、接続損失が劣化することが予想できる。また、曲げ弾性率が2500kg/mm2 以上であると、プラスチック精密スリーブの寸法許容度が著しく小さくなるので好ましくない。
【0023】
一方、精密スリーブの厚さとしては特に制限はないが、ハンドリングや機械的強度の観点から0.35mmを下限と考えることができる。詳細な検討結果によれば、精密スリーブの厚さをフェルールに接しない箇所では0.40mmから0.42mmの範囲にとり、フェルールに接する箇所を結ぶ仮想円の直径がフェルール外径よりも1μmから20μmだけ小さく設定すれば200〜400gの保持力を達成することができる。
【0024】
精密スリーブはフェルール同士を高精度に把持し、軸ずれを生じない構造であることが必要である。また、実用上は、精密スリーブの長手方向にわたって内面に溝を設ける等のエア抜けを図ることが重要である。
【0025】
(ニ)成形上の問題点: 前記のようにして決められた樹脂組成物の成型法としては、通常の射出成形技術が適用できる。他の成形法、例えば圧縮成形、トランスファー成形技術は、連続成形性(経済性)、成形精度の点で好ましくない。
【0026】
(ホ)金型に対する必要条件: 射出成形においては、成形金型の設計が重要である。この金型は、製品の外径を決めるキャビティと、このキャビティ内に同心で挿入され、製品の内径を決めるコアピンとを具備する。金型としては、なるべく高精度加工が容易な構成となっていることが、量産性の観点から望ましい。
【0027】
従って、本発明では、精密スリーブの基本的断面形状を例えば図6〜図8に示すように、内側にフェルールに接する平面を少なくとも3つ設け、フェルールの高精度な把持と各平面同士の間にエア抜き用の空間を設けた形状としている。図6に示す精密スリーブでは、精密スリーブ11はその外周面14が円柱の周面の形状をしており、この外周円柱の内部に長手方向に貫通する空洞15が存在し、この空洞内にフェルールが挿入される。この空洞の内壁面は少なくとも3つの平面16を有する。これらの平面16の構成は、外周円柱と同心でこれらの平面16に内接する仮想円柱17の直径dが、挿入されるべきフェルール2の外径よりも小さくなるように設けてある。平面16同士を結ぶ面18は例えば円柱の外周面等の簡単な形状の面でよいが、内接する仮想円柱15の中心からの距離が仮想円柱17の半径よりも大きくしてある。このように、本発明では高精度を要するフェルールの把持面を平面で構成し、これらの平面を結ぶ面を把持面よりも中心からの距離が大きくしてフェルールとは接触しない構成としたため、面17の形成は高精度を要しない。
【0028】
図7に示す本発明の精密スリーブ12は、3つの平面16を結ぶ面18aが平面である以外は図6の精密スリーブと同様である。また、図8に示す本発明の精密スリーブ13は、図6に示す場合と同様に平面16同士を円柱外周面で結んでいるが、この場合は結ぶ部分に移行部19が設けられている。
【0029】
図9は、図6にその具体的構造を断面で示す本発明の精密スリーブDを作製するための金型の構成を示している。図9から明らかなように、金型20は、製品の外径を決めるキャビティ21と製品の内径を決めるコアピン22とを具備しており、円筒状のキャビティ21の内部には、基本形状が円筒形若しくは多角形で、その外周に少なくとも3つの平面を備えた、本発明の精密スリーブの形状に対応した、単純な外周形状のコアピン22が、同心で挿入された構造となっている。さらに、この金型は、キャビティおよびコアピンの高精度加工が容易な構成をとっているために、量産性にも優れた構造となっている。また、樹脂を金型内に導入するゲート23の形状としては、ピンポイントゲート、リングゲート、フィルムゲート等があり、ゲートの位置に応じて適宜選択できるが、本発明では、図9に示すように、製品の端面側に多点(図9では3点)ピンポイントゲートを設けることが適当である。例えば、通常の1点ピンポイントゲートでは成型品に要求される真円度が実現できない。依って、少なくとも2点、好ましくは3点または4点ゲートが望ましい。また、必要に応じて樹脂導入後、イジェクタピン等を利用して樹脂の一部を圧縮して、成形収縮を抑える射出圧縮技術等が適宜利用できる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例に従って詳しく説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0031】
(実施例1)
以下の組成の樹脂組成物を調合した。
【0032】
ポリエーテルサルホン 100重量部
無機フィラー 30重量部
この樹脂組成物の曲げ弾性率は、ASTM規格で800kg/mm2 であった。こうして得た樹脂組成物を使用して、図6の形状で以下の寸法の精密スリーブを図9の金型を用いて射出成形により製造した。
【0033】
内接円直径d: 2.484mm
肉厚t1 : 0.507mm
肉厚t2 : 0.407mm
長さ: 11.4mm
なお、射出条件は表1の通りであった。得られた成型品の内径、肉厚、真円度は、すべて1μm以内であり、内面の平面粗さは±0.5μm以内であった。
【0034】
把持力、保持力の測定値は、それぞれ1.2kgf、300gfであった。この精密スリーブにジルコニア製フェルールを挿入して、シングルモード光ファイバの接続試験を行った。なお、ファイバ端面の研磨条件はPC(フィジカルコンタクト)研磨とした。この結果、および各種の信頼性試験を行った結果を表2に、得られた接続損失の個数分布を図10に示す。また、着脱回数に対する反射減衰量を調べ、図11の結果を得た。いずれの結果も、光コネクタとしての必要な特性を満たしていた。
【0035】
【表1】
Figure 0004020272
【0036】
【表2】
Figure 0004020272
【0037】
(実施例2〜5)
表3に示した樹脂もしくは樹脂組成物を使用して、実施例1と同様にプラスチック精密スリーブを製造した。形状と肉厚、長さは実施例1と同様であるが、内径は表4に示した値とした。把持力、保持力は同表に示した。シングルモード光ファイバの接続特性はいずれも0.5dB以内にあり、着脱試験および温湿度サイクル試験後の反射減衰量の値も表4に示した。いずれも光コネクタとしての必要な特性を満たしていた。
【0038】
【表3】
Figure 0004020272
【0039】
【表4】
Figure 0004020272
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フェルールを安定に保持できる光コネクタ用プラスチック精密スリーブを量産性よく得ることができる。
【0041】
また、本発明によれば、フェルールを安定に保持できる光コネクタ用プラスチック精密スリーブを経済性よく製造でき、製造容易な金型を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の割スリーブにフェルールを挿入した状態を示す側面図である。
【図2】従来の割スリーブの斜視図である。
【図3】従来の割スリーブに凹凸のあるフェルールを挿入した状態を示す断面図である。
【図4】従来の整列スリーブの断面図である。
【図5】 従来の光コネクタ用プラスチック精密スリーブの断面図である。
【図6】本発明の光コネクタ用光コネクタ用プラスチック精密スリーブの断面図である。
【図7】本発明の光コネクタ用プラスチック精密スリーブの断面図である。
【図8】本発明の光コネクタ用プラスチック精密スリーブの断面図である。
【図9】本発明の光コネクタ用プラスチック精密スリーブを作製するための金型の構成図であり、(A)は模式的平面図、(B)は模式的断面図である。
【図10】本発明の実施例1における精密スリーブの接続損失特性に関する頻度分布図である。
【図11】本発明の実施例1における精密スリーブとフェルールとの着脱試験による光ファイバの反射減衰量の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
A 従来の割スリーブ
B 従来の整列スリーブ
C 従来の精密スリーブ
D 本発明の精密スリーブ
1 スリット
2 フェルール
3 貫通穴
4 ニードル
5 溝
11,12,13 光コネクタ用プラスチック精密スリーブ
14 外周面
15 空洞
16 平面
17 仮想円柱(内接円柱)
18,18a 平面同士を結ぶ面
19 移行部
20 金型
21 キャビティ
22 コアピン
23 (ピンポイント)ゲート

Claims (4)

  1. 光ファイバが内装された光ファイバコード同士を接続するアダプタ内に設けられ、前記各光ファイバコードの先端に取り付けられた各フェルールを両端から挿入させることにより前記光ファイバを光学的に接続する光コネクタ用プラスチック精密スリーブであって、
    該プラスチック精密スリーブは外周面が円柱の周面であり、前記外周円柱の内部を長手方向に貫通する空洞を有し、
    前記空洞の内壁面は、前記外周円柱と同心でかつ挿入されるフェルールの直径より1μmから20μmだけ直径が小さい円柱が内接し得る少なくとも3つの平面と、前記平面の端面同士を結ぶ移行面のある円柱外周面とを有し、
    かつ該円柱外周面は前記空洞の中心からその円柱外周面までの距離が前記内接円柱の半径より大きく、該円柱外周面における前記精密スリーブの厚さが0.40mmから0.42mmの範囲であることを特徴とする光コネクタ用プラスチック精密スリーブ。
  2. 前記プラスチック精密スリーブは、非晶質熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂、もしくは樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ用プラスチック精密スリーブ。
  3. 前記非晶質熱可塑性樹脂もしくは樹脂組成物は、少なくともポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルイミドのいずれか一種の樹脂、あるいはこれらの一種の樹脂と、無機フィラーもしくは炭素繊維とを含む樹脂組成物であり、前記熱硬化性樹脂もしくは樹脂組成物が、エポキシ樹脂、あるいは石英微粉末を含むエポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ用プラスチック精密スリーブ。
  4. 請求項1に記載の光コネクタ用プラスチック精密スリーブ用の金型であって、成型品外径を決めるキャビティと、成型品内径を決めるコアピンと、成型品の一方の端面側に多点ピンポイントゲートとを具備し、前記キャビティは成型品の外周に相当する外周を有する円柱の形状を有し、
    前記コアピンの外壁は前記円柱と同心でかつ挿入されるフェルールの直径より1μmから20μmだけ直径が小さい円柱が内接し得る少なくとも3つの平面と、前記平面の端面同士を結ぶ移行面のある円柱外周面とを有し、
    かつ前記空洞の中心からその円柱外周面までの距離が前記内接円柱の半径より大きく、該円柱外周面における前記精密スリーブの厚さが0.40mmから0.42mmの範囲であることを特徴とする光コネクタ用プラスチック精密スリーブの金型。
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