JP2003177276A - ファイバスタブおよびその製造方法、ならびにそのためのファイバスタブ用樹脂組成物 - Google Patents

ファイバスタブおよびその製造方法、ならびにそのためのファイバスタブ用樹脂組成物

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JP2003177276A
JP2003177276A JP2002059154A JP2002059154A JP2003177276A JP 2003177276 A JP2003177276 A JP 2003177276A JP 2002059154 A JP2002059154 A JP 2002059154A JP 2002059154 A JP2002059154 A JP 2002059154A JP 2003177276 A JP2003177276 A JP 2003177276A
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resin
fiber
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optical fiber
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English (en)
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Daisuke Suzuki
木 大 介 鈴
Eiki Togashi
樫 栄 樹 富
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファイバースタブの製造工程を大幅に短縮で
き、低コストに製造可能であるとともに、しかも、光フ
ァイバー研磨時の損傷を防ぐことができ、光ファイバー
の位置ずれが発生することもなく、伝送効率が良好で高
性能な各種の光モジュール用途に好適に使用できるファ
イバースタブ、およびその製造方法、ならびにそのため
のファイバスタブ用樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも1本の光ファイバーが、樹脂
製フェルール内に固定されいるファイバースタブを製造
するための方法であって、光ファイバーをモールド金型
のキャビティ内にインサートするインサート工程と、イ
ンサート工程でモールド金型のキャビティ内にインサー
トされた光ファイバーを、モールド金型のキャビティ内
に樹脂を注入することによって、樹脂封止し固定する樹
脂封止工程とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、光通信機
器,光センサ、光コネクタ、その他の光回路部品などの
各種の光モジュールに用いるフェルールの中心に光ファ
イバを一体成形した構造のファイバスタブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、光通信機器、光セン
サ、光コネクタなどの光回路部品などの各種の光モジュ
ールでは、図7に示したように、アルミナ、ジルコニア
などのセラミック製のフェルール102の中心に設けた
貫通孔104に、石英ガラス製の光ファイバ106を挿
入して固定した構造のものが、ファイバスタブ108と
して、光−電気信号の変換を行う光モジュール用途で使
用されている。
【0003】このような光信号を電気信号に変換するた
めの光モジュール100の構造としては、例えば、図8
に示したように、フォトダイオード、レーザダイオード
などの光電変換素子110がケーシング112内に収納
されており、この光電変換素子110に光軸が一致する
ように、ケーシング112の側壁114に、光導出入部
116が形成されている。
【0004】この光導出入部116は、ケーシング11
2の側壁114に形成された割りスリーブ形状のフェル
ール結合部118において、光導入側の光ファイバ12
0を備えたセラミック製のフェルール122と、光導出
側の光ファイバ124を備えたセラミック製のフェルー
ル126からなるファイバスタブ128とが結合された
構造となっている。
【0005】このように構成される光モジュール100
では、光導入側の光ファイバ120を介して導入された
光信号が、ファイバスタブ128の光導出側の光ファイ
バ124を介して、光電変換素子110に伝送され、光
信号から電気信号に変換されるようになっている。この
際に、光モジュール100にファイバスタブ128を備
えていることにより、フェルール122と光電変換素子
110の光軸を合わせることが飛躍的に容易になり、さ
らに図7におけるファイバスタブの斜め研磨部位106
のために、反射戻り光を低減させることが出来、その結
果通信安定性を高める等の利点がある。
【0006】一方、光通信技術の進展により、各家庭に
まで光ファイバを導入して、多彩な通信サービスを提供
することが可能となりつつある。こうした光加入者系通
信網の実現のためには、高品質でかつ経済的な光コネク
タが必要である。このため、従来、光通信に使用する光
ファイバを接続するためには、図11に示したように、
光ファイバが挿入された二本のフェルール211A、2
11Bからなるファイバスタブ218を割スリーブ21
2中で整列接合することにより行われている。なお、図
11中、記号213A、213Bは、光ファイバコード
を示している。
【0007】このようなファイバスタブ128を製造す
る方法しては、図9(A)に示したように、フェルール
126に形成した中心の貫通孔130内に、光ファイバ
124を挿入し、図9(B)に示したように、両端部の
光ファイバ124とフェルール126とを接着剤132
によって固定している。このように光ファイバ124と
フェルール126とを固定した後、光導入側の光ファイ
バ124を備えたフェルール122との結合部での密着
性を高めるために、図9(C)に示したように、光ファ
イバ124とフェルール126の光導入側の端面134
を、球面状に研磨している。また、光ファイバ124と
フェルール126の光導出側の端面136は、反射戻り
光が光電変換素子110に入射して、素子の特性を低下
させるのを防止するために斜面状に研磨されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなファイバスタブ128では、フェルール126に光
ファイバ124を挿入した後、両端部の光ファイバ12
4とフェルール126とを、例えば、エポキシ系の接着
剤132で接着固定する工程と、このように光ファイバ
124とフェルール126とを固定した後、フェルール
126の両端面134、136それぞれ、球面状および
斜面状に研磨加工する工程が必要である。従って、煩雑
な工程が必要であるとともに、長い接着時間、研磨時間
が必要で、生産性が低く、コストも高くなっている。
【0009】さらに、この研磨工程では、セラミック製
のフェルール126と光ファイバ124とを同時に研磨
するため、研磨の際に、セラミック製のフェルール12
6よりも硬度の低い光ファイバ124の端面に傷がつき
やすく、伝送効率が低下するおそれがある。また、光フ
ァイバ124をフェルール126の中心に形成した貫通
孔130内に挿入し、両端部の光ファイバ124とフェ
ルール126とを接着剤132によって固定しているの
で、どうしても、光ファイバ124の外径とフェルール
126の中心孔径との間には、クリアランスが必要であ
り、このような挿入作業および接着固定作業の際に、光
ファイバ124の位置がフェルール126の中心位置か
らずれ、伝送効率を低下させる場合があった。
【0010】このため、樹脂製のフェルールを用いてこ
のファイバスタブを作製する試みがなされている。例え
ば、特開平8−15568号公報では、炭素繊維を含む
熱可塑性樹脂(液晶ポリマー)からなる樹脂組成物を用
いた光コネクタ用プラスチックフェルールが開示されて
いる。また、特開平6−278157号公報では、シリ
カからなる充填材を含有する熱硬化性樹脂を用いて光コ
ネクタ用多心フェルールを製造する方法が開示されてい
る。
【0011】しかしながら、これらの樹脂製のフェルー
ルを製造する方法で得られたフェルールを用いてファイ
バスタブを作製しようとした場合、微細な成形品に対し
て、例えば、フェルールの先端部と軸部の真円度が精度
良く出せない、精密部分のキャビティ転写性が低い、成
形後放置することにより経時的に変化してしまう、とい
った影響が出るために、光ファイバとフェルール胴体部
分の偏心が起きてしまうといった問題があった。
【0012】さらに、これらの樹脂製のフェルールを製
造する方法で得られたフェルールを用いてファイバスタ
ブを作製する場合には、フェルールに光ファイバ挿入用
の穴を空け、そこに光ファイバを挿入固定するという接
着工程を省くことができないものである。このため、煩
雑な工程が必要であるとともに、樹脂製のフェルールに
光ファイバを接着固定しようとして失敗した場合、接着
剤がフェルールについたものは再利用ができず、廃棄し
なくてはならないといった問題もあった。
【0013】本発明はこのような実情に鑑み、従来のよ
うに、光ファイバをフェルールの中心に形成した貫通孔
に挿入し、その両端部でフェルールと光ファイバを接着
する工程、ならびにフェルールの両端面を、球面、斜面
などの形状に研磨する研磨工程が不要で、ファイバスタ
ブの製造工程を大幅に短縮でき、低コストに製造可能で
あるとともに、光ファイバ研磨時の損傷を防ぐことがで
き、光ファイバの位置ずれが発生することもなく、伝送
効率が良好で高性能な各種の光モジュール用途に好適に
使用できるファイバスタブ、およびその製造方法、なら
びにそのためのファイバスタブ用樹脂組成物を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な従来技術における課題及び目的を達成するために発明
されたものであって、本発明のファイバスタブは、樹脂
組成物を一体成形することによって少なくとも1本の光
ファイバが、樹脂製フェルール内に固定されていること
を特徴とする。
【0015】また、本発明のファイバスタブの製造方法
は、少なくとも1本の光ファイバが、樹脂製フェルール
内に固定されているファイバスタブを製造するための方
法であって、光ファイバをモールド金型のキャビティ内
にインサートするインサート工程と、インサート工程で
モールド金型のキャビティ内にインサートされた光ファ
イバを、該キャビティ内に樹脂組成物を注入することに
よって、樹脂封止し固定する樹脂封止工程とを備えたこ
とを特徴とする。
【0016】このように構成することによって、フェル
ールを成形する際、光ファイバをモールド金型のキャビ
ティ内に、フェルールの中心に位置するようにインサー
トして成形するだけで、フェルールの中心部分に光ファ
イバが挿入されたファイバスタブを製造することができ
る。また、例えば、エポキシ樹脂組成物などの樹脂は、
光ファイバを構成する石英ガラスとの密着性が高いた
め、上記のように成形することによってすでにフェルー
ルと光ファイバとの接着固定が完了しており、接着工程
が不要となる。しかも、接着剤を使用しないので、フェ
ルール中心貫通孔とファイバ外径とのクリアランスがな
くなり、光ファイバの位置ズレも防止できるようにな
る。
【0017】従って、従来のように、光ファイバをフェ
ルールの中心に形成した貫通孔に挿入し、その両端部で
フェルールと光ファイバを接着する工程が不要で、ファ
イバスタブの製造工程を大幅に短縮でき、低コストに製
造可能である。また、光ファイバをモールド金型のキャ
ビティ内に、フェルールの中心に位置するように配置す
るだけで良いので、光ファイバの位置ずれが発生するこ
ともなく、高品質で高性能な各種の光モジュール用途に
好適に使用できるファイバスタブを提供することができ
る。
【0018】また、本発明のファイバスタブの製造方法
は、前記インサート工程および樹脂封止工程の際に、前
記光ファイバの両端部を、金型キャビティの中心線(P
L)上に設けたV字形状の溝または半円形状の溝で支持
した状態で、インサート成形することを特徴とする。こ
のように、インサート工程および樹脂封止工程の際に、
光ファイバの両端部を、金型キャビティの中心線上に設
けたV字形状の溝または半円形状の溝で支持した状態
で、インサート成形するので、フェルールの中心部分に
光ファイバを正確に配置することができ、光ファイバの
位置ずれが発生することもなく、高品質で高性能な各種
の光モジュール用途に好適に使用できるファイバスタブ
を提供することができる。
【0019】また、本発明のファイバスタブの製造方法
は、前記モールド金型のキャビティ長手方向内壁端面
が、斜面状、球面状、またはストレート形状などの所定
の形状であり、これにより、ファイバスタブの端面を、
斜面状または球面状に成形することを特徴とする。すな
わち、モールド金型の長手方向内壁端面が、球面状、斜
面状などの所定の形状、すなわち、成形されるファイバ
スタブの端部形状と合致した斜面状、球面状、またはス
トレート形状などの所定の形状に成形される形状を有す
る高精度のモールド金型を用いて、そのキャビティに、
例えば、エポキシ樹脂組成物を、トランスファー成形、
射出成形等の成形法で注入、加圧することによって、予
め端部が斜面状、球面状、またはストレート形状などの
所定の形状になったファイバスタブが得られる。
【0020】従って、従来のように、ファイバスタブの
端部を、斜面状、球面状、またはストレート形状などの
所定の形状に研磨加工する工程が不要となり、大幅に製
造工程を簡略化でき、光ファイバ研磨時の損傷を防ぐこ
とができ、高品質で高性能な各種の光モジュール用途に
好適に使用できるファイバスタブを提供することができ
る。
【0021】また、本発明のファイバスタブは、前記光
ファイバの端面が、斜面状、球面状、またはストレート
形状などの所定の形状に研磨加工されていることを特徴
とする。また、本発明のファイバスタブの製造方法は、
前記樹脂封止工程の後に、前記光ファイバの端面を、斜
面状、球面状、またはストレート形状などの所定の形状
に研磨加工する研磨加工工程を有することを特徴とす
る。
【0022】このように、本発明では、光ファイバの研
磨は、フェルール部分の研磨が不要または最低限である
ので、光ファイバに好適な条件で研磨すればよく、光フ
ァイバ端面の損傷を防止することができる。さらに、本
発明でファイバスタブを製造するために使用するファイ
バスタブ用樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物ま
たは熱可塑性樹脂組成物であり、特に限定されるもので
はないが、この中でも、ファイバスタブを製造するため
に好適に使用できるファイバスタブ用樹脂組成物を提供
するものである。すなわち、このようなファイバスタブ
の製造方法おいて、その際に必要となる、封止性、耐環
境性を有し、さらに成形時にファイバにダメージを与え
ることのないよう、低粘度かつ高い精密成形性を有する
樹脂組成物を提供するものである。
【0023】すなわち、本発明では、光ファイバは非常
に脆く、成形時に折れやすいという欠点があるため、光
ファイバを一体成形する際に最も好適なファイバスタブ
用樹脂組成物を提供するものである。このためには、フ
ァイバにダメージを与えないように、低圧力での成形が
必要不可欠であり、樹脂物性として、低い溶融粘度、高
いスパイラルフローが望ましい。
【0024】具体的には、成形温度である170℃から
190℃の範囲において、樹脂組成物の最低溶融粘度
が、5Pa・s〜100Pa・sであるのが望ましい。
これは、溶融粘度が高いと、成形圧力を上げざるを得
ず、しかも、硬い樹脂組成物がファイバに直接触れるた
めに、ファイバの破損を引き起こす可能性があるからで
ある。逆に、溶融粘度が低すぎると、樹脂バリが発生し
やすいために、成形性が落ちることになるからである。
【0025】また、スパイラルフローは、30cm〜1
00cmであるのが望ましい。スパイラルフローが大き
いことにより、より精密成形が可能となるが、大きすぎ
ると、樹脂粘度の場合と同様に樹脂バリが発生しやすい
からである。このようなファイバスタブ用樹脂組成物の
硬化物性値としては、以下のような物性であるのが好適
である。
【0026】すなわち、ファイバスタブ用樹脂組成物
は、異方性が小さい、より好ましくは異方性がないこと
が好ましい。これは、成形時および成形後に、これら成
形収縮率および線膨張係数の異方性が大きいと、微細な
成形品に対して、例えばフェルールの先端部と軸部の真
円度が精度良く出せない、精密部分のキャビティ転写性
が低い、成形後放置することにより経時的に変化してし
まう、といった影響が出てしまう。異方性が小さけれ
ば、これらの影響によるファイバとフェルール胴体部分
の偏心が起きてしまうといった問題を回避することがで
きるからである。
【0027】このようなファイバスタブ用樹脂組成物
は、成形品における物性値として、樹脂の押出し方向と
その直角方向の、線膨張係数または成形収縮率の比で表
わした異方性の値が、1.0〜1.5であるのが好適で
あり、1.0〜1.2であるのがより好ましく、さらに
1.0〜1.1であるのが最も好ましい。なお、この場
合、本発明での異方性の値とは、大きい方の値を小さい
方の値で除したものである。
【0028】さらに、ファイバスタブ用樹脂組成物の線
膨張係数は、成形品における樹脂の押出し方向とその直
角方向共に、0ppm/℃〜20ppm/℃であるのが
好ましく、0.5ppm/℃〜10ppm/℃であるの
がより好ましく、0.5ppm/℃〜9ppm/℃であ
るのがさらに好ましい。さらに、ファイバスタブ用樹脂
組成物の成形収縮率は、成形品における樹脂の押出し方
向とその直角方向共に、0.01%〜0.25%である
のが好ましく、0.03%〜0.16%であるのがより
好ましい。
【0029】このように、線膨張係数、成形収縮率、お
よび異方性の値が上記の範囲にあると、寸法バラツキを
少なくすることができ、ファイバスタブを精度良く製造
でき、さらに光ファイバとファイバスタブ胴体部分の偏
心を防止することができる。また、光ファイバを構成す
る石英ガラスの線膨張係数、収縮率に、より近づくため
に、温度湿度に対する膨張、収縮による変形が少なく、
安定性が向上することになる。
【0030】また、フェルールとの抜き差し動作に対し
ても割れ、欠けがないこと、さらに、多心のフェルール
またはファイバスタブにおいては、図6におけるガイド
ピン25の間の強度が必要とされる。そのため、ファイ
バスタブ用樹脂組成物は、樹脂成形品の曲げ強度とし
て、160MPa以上であるのが好ましい。このような
ファイバスタブ用樹脂組成物としては、樹脂自体で異方
性のない熱硬化性樹脂を用いるのが好ましく、好適なも
のとしてフェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂等
が挙げられるが、金型転写性、寸法安定性、耐環境性、
光ファイバとの接着性などの観点から、エポキシ樹脂組
成物を用いるのが最も好ましい。
【0031】すなわち、このようなファイバスタブ用樹
脂組成物を構成する熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹
脂であるのが好ましく、さらに好ましくは、熱硬化性樹
脂として、光ファイバとの密着性が高く、低圧成形が可
能であり、かつ高成形性、精密成形可能であるエポキシ
樹脂組成物が最も好適である。このような低吸水性、低
収縮性、低膨張性を有するエポキシ樹脂としては、通常
半導体封止に用いられるクレゾールノボラック型のエポ
キシ樹脂ではなく、ナフタレン骨格、ビフェニル骨格、
ジシクロペンタジエン骨格からなるグループから選択し
た、少なくとも1種類の骨格を有するエポキシ樹脂が好
ましい。さらに、耐熱性の観点から、ナフタレン骨格、
ビフェニル骨格のいずれかまたは両方の骨格を有するエ
ポキシ樹脂がより好ましい。
【0032】このエポキシ樹脂組成物は、精密成形が可
能なもので、エポキシ樹脂、硬化剤、触媒などを含むも
のであり、低収縮性、低膨張性、低吸水性である。この
場合、硬化剤としては、アラルキルフェノール樹脂、ビ
フェニル骨格含有フェノール樹脂、フェノールノボラッ
ク樹脂などが使用可能であるが、低吸水性という観点か
ら、水酸基当量が100g/eq以上、好ましくは15
0g/eq以上、より好ましくは160g/eq以上の
硬化剤を用いることが望ましい。
【0033】また、本発明では、ファイバスタブ用樹脂
組成物の成形収縮率を小さくするために、無機質フィラ
ーを有するのが望ましく、好ましくは、このような無機
質フィラーが、シリカ、チタン酸カリウィスカー、アル
ミナからなるグループから選択した少なくとも1種の無
機質フィラーであるのが望ましい。この場合、無機フィ
ラーとしては、低収縮性化を考慮すれば、球状シリカ、
破砕型シリカなどの球状、破砕型のものが使用可能であ
り、平均粒径が3μm〜30μm、好ましくは、3μm
〜20μmのもの、最大粒径が10μm〜150μm以
下、好ましくは10μm〜100μmとするのが望まし
い。
【0034】この無機質フィラーは、樹脂組成物の低収
縮性、低膨張性、低吸水性のために高充填することが望
ましく、全樹脂組成物中80質量%〜95質量%、好ま
しくは83質量%〜95質量%、より好ましくは87質
量%〜95質量%とするのが望ましい。また、触媒とし
ては、イミダゾール類、尿素誘導体などが使用可能であ
る。また、本発明の範囲を逸脱しない範囲において、例
えばカーボンブラックやフタロシアニンブルーなどの着
色剤、三酸化アンチモンや臭素化エポキシのような難燃
剤、ワックスなどの離型剤などを添加することも可能で
ある。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態(実施例)について説明する。図1は、本
発明のファイバスタブを、光モジュールに適用した実施
例を説明するための概略図である。図1に示したよう
に、光信号を電気信号に変換するための光モジュール1
では、フォトダイオード、半導体レーザダイオードなど
の光電変換素子10がケーシング12内に収納されてお
り、この光電変換素子10に光軸が一致するように、ケ
ーシング12の側壁14に、光導出入部16が形成され
ている。
【0036】この光導出入部16は、ケーシング12の
側壁14に形成された割りスリーブ形状のフェルール結
合部18において、光導入側の光ファイバ20を備えた
セラミック製のフェルール22と、光導出側の光ファイ
バ24を備えたセラミック製のフェルール26からなる
ファイバスタブ28とが結合された構造となっている。
【0037】このように構成される光モジュール1で
は、光導入側の光ファイバ20を介して導入された光信
号が、ファイバスタブ28の光導出側の光ファイバ24
を介して、光電変換素子10に伝送され、光信号から電
気信号に変換されるようになっている。ところで、この
ようなファイバスタブ28は、図4の拡大図に示したよ
うに、フェルール26に形成した中心の貫通孔30内
に、光ファイバ24が挿入された状態で固定する必要が
ある。
【0038】また、光導入側の光ファイバ20を備えた
フェルール22との結合部での密着性を高めるために、
図4に示したように、光ファイバ24とフェルール26
の光導入側の端面34を、球面状28aに形成し、光フ
ァイバ24とフェルール26の光導出側の端面36を、
反射戻り光が光電変換素子10に入射して、素子の特性
を低下させるのを防止するために斜面状28b、および
部分的にストレート部28cを有する形状に形成する必
要がある。
【0039】このため、本発明では、このようなファイ
バスタブを、図2に示したような方法を用いて製造す
る。先ず、図2(A−1)及び(A−2)に示したよう
に、例えば、石英ガラスなどからなる光ファイバ24
が、光ファイバ24をモールド金型40のキャビティ4
2内にインサート成形した際に、フェルール26の中心
に位置するように、モールド金型40のキャビティ42
内にインサート(配置)し、上下金型44、46を閉止
する。
【0040】その後、図2(B)に示したように、モー
ルド金型40のキャビティ内42にゲート51の方向か
ら樹脂組成物を注入することによって、モールド金型4
0のキャビティ内にインサートされた光ファイバ24
を、樹脂封止し固定する。そして、ファイバスタブの両
端面48、50で光ファイバを切断し、続いて日本エンギス
(株)社製卓上ラッピングマシーンMODEL:EJ-200 MAX-32
を用いて光ファイバ端面を研磨した。研磨条件はPC(フ
ィジカルコンタクト)とした。
【0041】これによって、図4の拡大図に示したよう
に、フェルール26に形成した中心の貫通孔30内に、
光ファイバ24が挿入された状態で固定されたファイバ
スタブ28を得ることができる。この場合、図2に示し
たように、モールド金型40の内壁端面48が球面状
で、内壁端面50が斜面状とストレート部分を有する形
状であり、これにより、図4に示したように、光ファイ
バ24とフェルール26の光導入側の端面34を、球面
状28aに成形できるとともに、光ファイバ24とフェ
ルール26の光導出側の端面36を、斜面状28bとス
トレート部分28cを有する形状に成形することができ
る。
【0042】すなわち、モールド金型の40の長手方向
内壁端面48、50が、球面状、斜面状などの所定の形
状、すなわち、成形されるファイバスタブ28の端部形
状と合致した球面状、斜面状などの所定の形状に成形さ
れる形状を有する高精度のモールド金型40を用いて、
そのキャビテイ42に、例えば、後述するようなエポキ
シ樹脂組成物を、注入、加圧することによって、予め端
部が球面、斜面状などになったフェルール26が得られ
る。
【0043】従って、従来のように、フェルールの端部
を、斜面状、球面状、またはストレート形状などの所定
の形状に研磨加工する工程が不要となり、大幅に製造工
程を簡略化でき、さらに光ファイバ研磨時の損傷を防ぐ
ことができ、高品質で高性能な各種の光モジュール用途
に好適に使用できるファイバスタブを提供することがで
きる。
【0044】なお、さらに高精度な外形寸法が要求され
る場合は、成形品をセンタレス研磨することにより、成
形品外径をより真円とすることも可能である。この場合
は、通常ジルコニアセラミックスを研磨する際と同様
に、#1000〜#4000程度でのセンタレス研磨が
可能である。本発明でファイバスタブを製造するために
使用するファイバスタブ用樹脂組成物に使用する樹脂と
しては、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であり、特に
限定されるものではない。
【0045】熱可塑性樹脂樹脂としては、100℃以上
でも低熱膨張性であり、また、低吸水性である液晶ポリ
マー、ポリフェニレンサルファイド樹脂からなるグルー
プから選択した少なくとも1種の樹脂であるのが望まし
い。このようなファイバスタブの製造方法において、そ
の際に必要となる、封止性、耐環境性を有し、さらに成
形時にファイバにダメージを与えることのないよう、低
粘度かつ高い精密成形性を有する樹脂組成物であるのが
望ましい。
【0046】すなわち、光ファイバは非常に脆く、成形
時に折れやすいという欠点があるため、光ファイバを一
体成形する際に最も好適なファイバスタブ用樹脂組成物
であるのが望ましいものである。このためには、ファイ
バにダメージを与えないように、低圧力での成形が必要
不可欠であり、樹脂物性として、低い溶融粘度、高いス
パイラルフローが望ましい。
【0047】具体的には、成形温度である170℃から
190℃の範囲において、樹脂組成物の最低溶融粘度
が、5Pa・s〜100Pa・sであるのが好ましく、
より好ましくは、8Pa・s〜75Pa・s、さらに好
ましくは10Pa・s〜65Pa・sであるのが望まし
い。これは、溶融粘度が高いと、成形圧力を上げざるを
得ず、しかも、硬い樹脂組成物がファイバに直接触れる
ために、ファイバの破損を引き起こす可能性があるから
である。逆に、溶融粘度が低すぎると、樹脂バリが発生
しやすいために、成形性が悪くなるばかりでなく、金型
嵌合部分に隙間が生じることとなるため、寸法精度が悪
くなるからである。従って、溶融粘度がこの範囲内にあ
ると、射出圧力を低くすることが出来、成形体の引け、
未充填などを起こさずに光ファイバへの変形、損傷をな
くすことができる。
【0048】また、スパイラルフローは、30cm〜1
00cmであるのが好ましく、より好ましくは、40c
m〜90cm、さらに好ましくは50cm〜80cmで
あるのが望ましい。スパイラルフローが高いことによ
り、より精密成形が可能となるが、高すぎると、樹脂粘
度の場合と同様樹脂バリが発生しやすいからである。な
お、本発明において、樹脂組成物粘度はキャピラリレオ
メータを用いて評価した。これは、実際の金型内を樹脂
組成物が通過していく様子を最も好適に表わした粘度が
測定できるからである。また、スパイラルフローは、E
MMI−1−66に従って評価した。
【0049】さらに、本発明では、モールド金型40の
キャビティ内42に注入する樹脂組成物としては、線膨
張係数および成形収縮率が小さく、さらに異方性が小さ
い、より好ましくは異方性がないことが好ましい。これ
は、成形時および成形後に、これら成形収縮率および線
膨張係数の異方性が大きいと、微細な成形品に対して、
例えばフェルールの先端部と軸部の真円度が精度良く出
せない、精密部分のキャビティ転写性が低い、成形後放
置することにより経時的に変化してしまう、といった影
響が出てしまう。異方性が小さければ、これらの影響に
よるファイバとフェルール胴体部分の偏心が起きてしま
うといった問題を回避することができるからである。
【0050】この場合、成形品における物性値として、
樹脂の押出し方向とその直角方向の、線膨張係数または
成形収縮率の比で表わした異方性の値が、1.0〜1.
5であるのが好適であり、1.0〜1.2であるのがよ
り好ましく、1.0〜1.1であるのが最も好ましい。
なお、本発明での異方性の値とは、大きい方の値を小さ
い方の値で除したものである。
【0051】ここで、異方性を評価する成形品形状とし
ては、通常、樹脂の物性値評価の際に使用されるAST
M試験サンプルや、平板形状(例えば60mm×60m
m×3mm)が使用でき、端面にゲートを設け、樹脂の
押出し方向とその直交方向に適当な形状の試験片を切り
出し、その物性値を評価して比をとれば、樹脂の異方性
の値を求めることができる。この比が大きいほど、樹脂
が押出し方向に配向していることを表わす。
【0052】熱可塑性樹脂では通常、押出し方向の線膨
張係数、成形収縮率はその直交方向に比べて小さくな
る。熱硬化性樹脂では基本的に異方性は無視できるた
め、この比は1になるはずであるが、サンプルの切り出
しや測定上の誤差などのため、実際には1.0〜1.1
の値をとる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂共に繊維状の
フィラーを含有させ樹脂組成物とする場合は、異方性が
生じやすくなる。
【0053】さらに、前記線膨張係数は、成形品におけ
る樹脂の押出し方向とその直角方向共に、0ppm/℃
〜20ppm/℃であるのが好ましく、より好ましく
は、0.5ppm/℃〜10ppm/℃、さらには0.
5ppm/℃〜9ppm/℃であるのが最も好ましい。
なお、ここでの線膨張係数とは、ASTM-D-696の方法に従
って測定した。
【0054】さらに、前記成形収縮率は、成形品におけ
る樹脂の押出し方向とその直角方向共に、0.01%〜
0.25%であるのが好ましく、0.03%〜0.16
%であるのがより好ましく、0.03%〜0.10%で
あるのが最も好ましい。これは、成形収縮率が限りなく
0%に近い場合、金型から離型しづらくなってしまうか
らである。なお、本発明における樹脂組成物の線膨張係
数とは、樹脂がガラス転移点を有する場合は、そのガラ
ス転移点以下での線膨張係数(通常α1と記述する)を
言う。
【0055】なお、ここでの成形収縮率とは、トランス
ファー成形により、成形温度180℃、大きさ50mm
×10mm×4mmの試験片を成形し、金型に対する試
験片の寸法から成形収縮率を求めたものである。このよ
うに、線膨張係数、成形収縮率、および異方性の値が上
記の範囲にあると、例えばフェルールの先端部と軸部の
真円度が精度良く出せ、成形後放置することにより経時
的に変化してしまうこともなく、ファイバとフェルール
胴体部分の偏心を防止することができる。また、光ファ
イバを構成する石英ガラスの線膨張係数、収縮率に、よ
り近づくために、温度湿度に対する膨張、収縮による変
形が少なく、安定性が向上することになる。
【0056】また、特に成形収縮率に関しては、上記の
範囲内にあることによって、硬化収縮による内部応力を
小さくすることができ、研磨時のフィラー脱落を少なく
することができる。また、フェルールとの抜き差し動作
に対しても割れ、欠けがないこと、さらに、多心のフェ
ルールまたはファイバスタブにおいては、図6における
ガイドピン25の間の強度が必要とされる。そのため、
ファイバスタブ用樹脂組成物は、樹脂成形品の曲げ強度
として、160MPa以上が好ましく、より好ましくは
186MPa以上、さらに好ましくは190MPa以上
である。なお、ここでの曲げ強度とは、JIS-K-6911に記
載の方法によるものである。
【0057】このようなファイバスタブ用樹脂組成物と
しては、樹脂自体で異方性のない熱硬化性樹脂を用いる
のが好ましく、好適なものとしてフェノール樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、シリコン樹脂等が挙げられるが、金型転写性、
寸法安定性、耐環境性、光ファイバとの接着性などの観
点から、エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
【0058】すなわち、このようなファイバスタブ用樹
脂組成物を構成する熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹
脂であるのが好ましく、さらに好ましくは、熱硬化性樹
脂として、光ファイバとの密着性が高く、低圧成形が可
能であり、かつ高成形性、精密成形可能であるエポキシ
樹脂組成物が最も好適である。このような低吸水性、低
収縮性、低膨張性を有するエポキシ樹脂としては、通常
半導体封止に用いられるクレゾールノボラック型のエポ
キシ樹脂ではなく、ナフタレン骨格、ビフェニル骨格、
ジシクロペンタジエン骨格からなるグループから選択し
た、少なくとも1種類の骨格を有するエポキシ樹脂が好
ましい。さらに、耐熱性の観点から、ナフタレン骨格、
ビフェニル骨格のいずれかまたは両方の骨格を有するエ
ポキシ樹脂がより好ましい。
【0059】このエポキシ樹脂組成物は、精密成形が可
能なもので、エポキシ樹脂、硬化剤、触媒などを含むも
のであり、低収縮性、低膨張性、低吸水性である。この
場合、硬化剤としては、アラルキルフェノール樹脂、ビ
フェニル骨格含有フェノール樹脂、フェノールノボラッ
ク樹脂などが使用可能であるが、低吸水性という観点か
ら、水酸基当量が100g/eq以上、好ましくは15
0g/eq以上、より好ましくは160g/eq以上の
硬化剤を用いることが望ましい。
【0060】また、本発明では、ファイバスタブ用樹脂
が、成形収縮率を小さくするために、無機質フィラーを
有するのが望ましく、好ましくは、このような無機質フ
ィラーが、シリカ、チタン酸カリウィスカー、アルミナ
からなるグループから選択した少なくとも1種の無機質
フィラーであるのが望ましい。この場合、無機質フィラ
ーとしては、低収縮性化を考慮すれば、球状シリカ、破
砕型シリカなどの球状、破砕型のものが使用可能であ
り、平均粒径が3μm〜30μm、好ましくは、3μm
〜20μmのもの、最大粒径が10μm〜150μm以
下、好ましくは10μm〜100μmとするのが望まし
い。
【0061】この無機質フィラーは、樹脂組成物の低収
縮性、低膨張性、低吸水性のために高充填することが望
ましく、全樹脂組成物中80質量%〜95質量%、好ま
しくは83質量%〜95質量%、より好ましくは87質
量%〜95質量%とするのが望ましい。また、触媒とし
ては、イミダゾール類、尿素誘導体などが使用可能であ
る。また、本発明の範囲を逸脱しない範囲において、例
えばカーボンブラックやフタロシアニンブルーなどの着
色剤、三酸化アンチモンや臭素化エポキシのような難燃
剤、ワックスなどの離型剤などを添加することも可能で
ある。
【0062】この場合、成形法としては、特に限定され
るものではなく、公知の成形方法、例えば、トランスフ
ァー成形、射出成形等の成形法を採用することができ
る。また、樹脂の注入圧力、成形温度としては、注入圧
力が、7〜40Mpa、好ましくは、7〜30MPa、
成形温度として、130〜200℃、好ましくは、15
0〜180℃とするのが望ましい。
【0063】ただし、成形圧力は、成形品に引けやボイ
ドが出ない程度に、できるだけ低圧の方が好ましいこと
は言うまでもない。また、より充填を完全に行うため
に、真空成形を行うことがより好ましい。また、上記の
光ファイバ24としては、石英ガラスなど公知の材料が
使用可能である。光ファイバ24の代わりに、金属を添
加した光減衰ファイバを用いた場合、光減衰ファイバス
タブを作製することもできる。
【0064】さらに、モールド金型の40の内壁端面4
8、50の所定の形状としては、特に限定されるもので
はなく、例えば、図3に示すように、成形されるファイ
バスタブ28の端部28a、28bの形状が両方とも球
面状である場合、図4に示すように、ファイバスタブ2
8の端部28aが球面状であり、端部28bの一部が斜
面部分と垂直部分(ストレート部分)28cを有するよ
うな形状である場合、さらには、図示しないが、両方と
も垂直部分(ストレート部分)である場合など、これら
の形状と合致した種々の形状とすることができる。
【0065】また、フェルール26内に埋設される光フ
ァイバ24としては、上記のように1本の光ファイバ2
4を埋設する場合の他、図5に示したように、2本の光
ファイバ24を、フェルール26内に直線上に埋設する
ことも(図5(B))、フェルール26内に2本以上の
光ファイバ24を、フェルール26内に直線上に埋設す
ることも(図5(A))可能である。
【0066】さらに、上記のように円柱状の光ファイバ
24と、フェルール26からなるファイバスタブ28の
代わりに、図6に示したように、フェルール26の断面
を略矩形状として、その内部に、複数の光ファイバ24
を埋設するとともに、フェルール同士を結合するための
ガイドピン孔25を設けるようにしてもよい。また、図
2(B)の矢印で示したように、インサート工程および
樹脂封止工程の際に、光ファイバ24の両端部24a、
24bを、金型キャビティ内のPL(中心線)上に設け
たV字形状の溝または半円形状の溝で支持した状態で、
インサート成形するので、フェルール26の中心部分に
光ファイバ24を正確に配置することができ、光ファイ
バ24の位置ずれが発生することもなく、高品質で高性
能な各種の光モジュール用途に好適に使用できるファイ
バスタブを提供することができる。
【0067】また、光ファイバ24の両端部24a、2
4bが、フェルール26の端部26a、26bから突設
するようにしても、突設しないようにしても良いが、樹
脂の回り込みなどを考慮すれば、光ファイバ24の両端
部24a、24bが、フェルール26の端部26a、2
6bから突設するのが望ましい。この場合、突設距離と
しては、光ファイバが確実にフェルール外で終端するよ
うにすることを考慮すれば、0.1〜2mm、好ましく
は、0.5〜1mmとするのが望ましい。
【0068】このように、モールド金型40を用いて、
光ファイバ24が中心貫通孔30に埋設固定されたフェ
ルール26からなるファイバスタブ28を成形した後、
モールド金型40から取り出して、光ファイバ24の端
面を、所定の形状に研磨する。すなわち、例えば、図4
に示すように、両端面が、球面状、斜面状の接続効果
と、戻り光防止効果とをかね備えたファイバスタブ2
8、図3に示すように、両端面が球面状であり、球面同
士を接続可能なファイバスタブとして各種光モジュール
用途に好適に使用できる。
【0069】なお、上記実施例では、モールド金型40
に対して、一本のファイバスタブ28を成形するように
したが、モールド金型40で、一度に複数本のファイバ
スタブ28を成形するようにすることも可能であるなど
本発明を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0070】
【実施例】本発明を以下に示す実験例により、具体的に
説明する。
【0071】
【実験例1】図2に示したように、石英ガラスからなる
直径125μm、長さ50mmの光ファイバをモールド
金型40のキャビティ42の中心線上に設けたV字形状
の溝に配置した。この状態で、エポキシ樹脂組成物(日
本化薬(株)社製NC-7000Lを6質量%、三井化学(株)社製M
ILEX XLC-LL(水酸基当量177g/eq)を5質量%、
無機質フィラーとして、電気化学(株)社製FB-830(平均
粒径18μm)81質量%、(株)龍森社製AS-1(平均粒径3
μm)を7質量%、難燃剤として日本化薬(株)社製BREN-
Sを0.4質量%、および三酸化アンチモンを0.2質量%、
硬化触媒として2−メチルイミダゾールを0.2質量%、離
型剤としてカルナバワックスを0.1質量%、シランカッ
プリング剤として東レ・ダウコーニングシリコーン(株)
社製KBM-403を0.1質量%)を、180℃の温度、25M
Paの圧力で注入して、トランスファー成形法を用いて
成形した。
【0072】成形後、図4に示したように、一方の端部
が球面状で、他方の端部が斜面状となるように、光ファ
イバ24の両端部24a、24bを研磨し、本発明のフ
ァイバスタブ28を得た。
【0073】
【実験例2】比較として、同様な光ファイバを用いて、
図9に示したように、従来のジルコニアを用いたセラミ
ック製のフェルール126の中心に設けた貫通孔130
(孔径126μm)に、光ファイバを挿入して、両端部
をエポキシ樹脂からなる接着剤((株)ダイソー社製光
ファイバー用接着剤「epo-tec353ND」)132で固定し
た。その後、両端部を研磨し、本発明のファイバスタブ
28と同様な形状の従来のファイバスタブ128を得
た。
【0074】
【実験例3】実験例3では、液晶ポリマー(LCP)として
ポリプラスチックス(株)社製ベクトラA950(40質量%)
と、電気化学(株)社製FB-830(60質量%)を加熱混練
し、射出成形圧力50MPa、金型温度150℃で、実験例1と
同様にファイバスタブ28を得た。
【0075】
【実験例4】実験例4では、ポリフェニレンサルファイ
ド(PPS)樹脂としてフィリップス石油(株)社製ライト
ンRJ-4001を用い、射出成形圧力55MPa、金型温度150℃
で実験例1と同様にファイバスタブ28を得た。これら
の実験例1,3,4のファイバスタブ28および実験例
2のファイバスタブ128について、ファイバ密着強
度、真円度を測定した。その結果を、下記の表1に示
す。
【0076】なお、実験例1、実験例3、実験例4のフ
ァイバ密着強度の測定は、図10に示したように、ファ
イバをインサートして成形し、両側の樹脂成形品の穴部
に、冶具をかけて、図10の矢印で示したように、「テ
ンシロンUCT−5T」(オリエンテック株式会社製)
を用いてファイバを引っ張った。この時に、ファイバが
抜けるか、または破断する強度を密着強度とした。な
お、図10における測定用成形体は、10mm×10m
m×2mmの大きさの成形体2個が、光ファイバ一体成
形により連結されている形状であり、それぞれの成形体
にはφ2mmの穴が左右対称に2個ずつある。この2つ
の穴に図のような形状の治具を取り付け、図10の矢印
方向に引っ張ったものである。すなわち、光ファイバは
10mmの長さで樹脂と密着しているものとする。
【0077】また、真円度については、真円度測定機
(「ロンコム52B」、東京精密株式会社製)を用い
て、ファイバスタブ外周中央部分を測定した。表1の結
果から明らかなように、ファイバを一体成形してファイ
バスタブを得るためには、実験例1のエポキシ樹脂が最
も好適であることが確認された。
【0078】
【表1】
【0079】次に、このエポキシ樹脂を用いる場合、そ
の異方性と寸法精度の関係については、表2のように、
エポキシ樹脂組成物の配合組成を変えることにより成形
収縮率、線膨張係数を変化させ、その異方性と寸法精度
の関係を示した。なお、表2は、各30個ずつ成形し、
その平均値を求めたものである。また、使用した樹脂組
成物の物性の測定には、片端面にゲートを持つ平板(6
0mm×60mm×3mm)を成形し、樹脂の押出し方
向とその直交方向に10mm×60mm×3mmの大き
さの試験片を切り出し、それぞれの方向の物性値を評価
した。なお、樹脂の押出し方向をMD、その直交方向を
TDと表記する。物性値としての線膨張係数は、協和界
面科学製ディラトメータを用いて測定した。成形収縮率
は、(株)東京精密社製三次元測定器XYZAX−GC
1000Dを用いて金型キャビティの寸法(これをLm
とする)を測定し、ミツトヨ(株)社製電気マイクロメ
ータにて試験片の寸法(これをLtとする)を測定し、
100×(Lm−Lt)/Lm(%)の式により求め
た。樹脂組成物の溶融粘度は、島津サイエンス(株)社
製島津フローテスタCFT−500Dを用いて、成形金
型温度の溶融粘度を測定した。
【0080】
【実験例5】実験例1と同じ樹脂組成物を用い、ファイ
バスタブを作製した。ファイバスタブの外径は1.24
9mm、長さは4.1mmである。成形機はTOWA
(株)社製Y−Seies−1−60V型トランスファー
成形機を使用し、金型温度180℃、射出圧力15MP
a、キュアタイム60秒の条件で成形した。
【0081】成形したファイバスタブの外径寸法は、
(株)モリテックス社製モボテリートを用い、接触式にて
測定した。また、光コネクタとしての光学特性、信頼性
の評価は、JIS-C-5961に指定された手法により行った。
使用した装置は、波長1550nmの光を出力する住友電気工
業(株)社製の半導体レーザと、(株)アンリツ社製の光パ
ワーメータML9001Aであり、光ファイバは住友3M社製SMF
-28を用いた。
【0082】なお、ファイバスタブおよび光ファイバ端
面の研磨は、日本エンギス(株)社製卓上ラッピングマシ
ーンMODEL:EJ-200 MAX-32を用いて光ファイバ端面を研
磨した。研磨条件はPC(フィジカルコンタクト)とし
た。樹脂の異方性が小さいために精度良く成形品が得ら
れ、成形収縮率、線膨張係数が適切な範囲内にあると、
高精度な成形品が安定して得られることが確認された。
【0083】
【実験例6】実験例6では、エポキシ樹脂組成物(日本
化薬(株)社製NC-7000Lを6質量%、三井化学(株)社製MIL
EX XLC-LLを5質量%、無機質フィラーとして、電気化学
(株)社製FB-830(平均粒径18μm)62質量%、(株)龍森
社製AS-1(平均粒径3μm)を7質量%、カーボンファイ
バ(平均長さ3μm)を19質量%、難燃剤として日本化
薬(株)社製BREN-Sを0.4質量%、および三酸化アンチモ
ンを0.2質量%、硬化触媒として2−メチルイミダゾール
を0.2質量%、離型剤としてカルナバワックスを0.1質量
%、シランカップリング剤として東レ・ダウコーニング
シリコーン(株)社製KBM-403を0.1質量%)を、実験例5
と同様の手法により成形した。
【0084】表2に示したように、繊維状フィラーの影
響により樹脂の異方性が1.7になっている。この影響
により、ゲート側(図2(B)のゲート51側)と反ゲ
ート側の寸法が一致せず、結果として接続損失が大きく
なってしまうことが確認された。
【0085】
【実験例7】実験例7では、エポキシ樹脂組成物(日本
化薬(株)社製NC-7000Lを16質量%、三井化学(株)社製MI
LEX XLC-LLを11質量%、無機質フィラーとして、電気化
学(株)社製FB-830(平均粒径18μm)62質量%、(株)龍
森社製AS-1(平均粒径3μm)を10質量%、難燃剤とし
て日本化薬(株)社製BREN-Sを0.4質量%、および三酸化
アンチモンを0.2質量%、硬化触媒として2−メチルイミ
ダゾールを0.2質量%、離型剤としてカルナバワックス
を0.1質量%、シランカップリング剤として東レ・ダウ
コーニングシリコーン(株)社製KBM-403を0.1質量%)
を、実験例5と同様の手法により成形した。
【0086】表2に示したように、フィラー含有量が少
ない場合、収縮率は小さくなり、線膨張係数は大きくな
る。異方性の値としては1.1であり小さいが、この影
響により寸法が安定せず、成形品の光学特性はばらつい
てしまい、結果として接続損失が大きくなってしまうこ
とが確認された。
【0087】
【表2】
【0088】
【実験例8】光コネクタ部品には、抜き差し時の強度
や、ピンを刺し込んだ際の破壊強度など、強度も必要と
される。代表例として、図6(B)に示したような多心
のファイバスタブにおいて、ピン穴25に金属棒を差し
込み、これを実験例1と同様に、テンシロンUCT−5
Tを用いて引っ張り、ファイバスタブが破壊される強度
を測定した。
【0089】作製した多心(MT)フェルールは、2mm
×6mm×8mmの大きさのものであり、正面図である図
6(B)では、2mm×6mmの大きさである。ピン2
5はφ0.7mmであり、2本のピン間距離は4.6m
mとなっている。エポキシ1〜6は、以下の表3の配合か
らなる樹脂組成物である。
【0090】
【表3】
【0091】この破壊強度と、樹脂組成物の曲げ強度と
の関係を、表4に示した。なお、曲げ強度の測定は、J
IS k6911に指定された手法により行った。表4
を見ると、ピン間破壊強度と樹脂の曲げ強度は比例して
いることが分かり、この場合一般的に必要とされる破壊
強度2.0kgfを満足するためには、曲げ強度160
MPa以上を有することが必要と確認された。
【0092】さらに、繰り返し使用される状況を考慮す
ると、破壊強度が2.5kgf以上あることが好ましい
とされ、樹脂の曲げ強度は186MPa以上、さらに1
90MPa以上であることがより好ましい。
【0093】
【表4】
【0094】
【実験例9】さらに、光ファイバを一体成形するにあた
り、ファイバにダメージを与えないように成形するため
には、樹脂には高流動性、低粘度であることも求められ
る。樹脂の流動性、粘度が成形に与える影響を調べるた
め、金型に光ファイバを通し、この一端に波長1550
nmの光を発する住友電気工業(株)社製の半導体レー
ザ、もう一端には(株)アンリツ社製の光パワーメータ
ML9001Aを接続し、光パワーをモニターしながら
さまざまの樹脂を成形した。光パワーが0になるかもし
くは下がれば、成形により光ファイバにダメージが与え
られたことが分かる。表6にこの結果を示した。
【0095】なお、樹脂粘度は、(株)島津製作所社製細
管式レオメータCFT-500Dを用いて、ダイ穴φ1.0m
m、ダイ長さ10.0mmを用いて、180℃にて測定
し、その最低溶融粘度を測定したものである。表6中の
実験例9では、樹脂粘度とスパイラルフローが適切な範
囲内に入っているため、光ファイバにダメージを与える
ことなく、バリも短く高成形性であることが分かる。
【0096】これに対し、実験例10では、樹脂粘度が
低く、光ファイバにダメージを与えることはないものの
樹脂バリが激しく、連続的に生産するには十分な清掃が
必要となり、さらに成形品もバリのためそのまま製品と
することができないので、好ましくない。実験例11で
は、樹脂粘度が高く、光ファイバにダメージを与えてし
まうばかりでなく、成形にも未充填が発生している。
【0097】実験例12では、スパイラルフローが短
く、成形に未充填が発生している。実験例13では、ス
パイラルフローが長く、実験例10と同様に樹脂バリが
多く発生するため、好ましくない。なお、表6中の実験
例9〜実験例13の樹脂組成物は、以下の表5の配合か
らなる樹脂組成物である。
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】このように、低粘度であり、かつ低膨張
性、低収縮性、低吸水性であり、精密成形が可能なエポ
キシ樹脂組成物とは、両立し難い物性であるが、前述の
処方によりこの相反する物性を有する、ファイバスタブ
用樹脂組成物として最も好適なファイバスタブエポキシ
樹脂組成物を得ることに成功した。なお、上記実施例で
は、本発明のファイバスタブを、光モジュールに適用し
た実施例について説明したが、例えば、単心コネクタと
してMUコネクタ、SCコネクタ等、多心コネクタとしてMT
-RJコネクタ等の光ファイバコネクタ、さらには、光フ
ァイバの種類を変更することにより、終端器、減衰器等
にも適用可能である。
【0101】以上、本発明を好ましい実験例により説明
したが、本発明はこれに限定されることはなく、例え
ば、上記エポキシ樹脂組成物以外にも適用することがで
きるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が
可能である。
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、フェルールを成形する
際、光ファイバをモールド金型のキャビティ内に、フェ
ルールの中心に位置するようにインサートして成形する
だけで、フェルールの中心部分に光ファイバが挿入され
たファイバスタブを製造することができる。
【0103】また、例えば、エポキシ樹脂組成物などの
樹脂は、光ファイバを構成する石英ガラスとの密着性が
高いため、上記のように成形することによってすでにフ
ェルールと光ファイバとの接着固定が完了しており、接
着工程が不要となる。しかも、接着剤を使用しないの
で、フェルール中心貫通孔とファイバ外径とのクリアラ
ンスがなくなり、光ファイバの位置ズレも防止できる。
【0104】従って、従来のように、光ファイバをフェ
ルールの中心に形成した貫通孔に挿入し、その両端部で
フェルールと光ファイバを接着する工程が不要で、ファ
イバスタブの製造工程を大幅に短縮でき、低コストに製
造可能である。また、光ファイバをモールド金型のキャ
ビティ内に、フェルールの中心に位置するように配置す
るだけで良いので、光ファイバの位置ずれが発生するこ
ともなく、高品質で高性能な各種の光モジュール用途に
好適に使用できるファイバスタブを提供することができ
る。
【0105】また、本発明によれば、インサート工程お
よび樹脂封止工程の際に、光ファイバの両端部を、金型
キャビティ内のPL(中心線)上に設けたV字形状の溝
または半円形状の溝で支持した状態で、インサート成形
するので、フェルールの中心部分に光ファイバを正確に
配置することができ、光ファイバの位置ずれが発生する
こともなく、高品質で高性能な各種の光モジュール用途
に好適に使用できるファイバスタブを提供することがで
きる。
【0106】さらに、本発明によれば、モールド金型の
内壁端面が、斜面状、球面状、またはストレート形状な
どの所定の形状、すなわち、成形されるファイバスタブ
の端部形状と合致した斜面状、球面状、またはストレー
ト形状などの所定の形状に成形される形状を有する高精
度のモールド金型を用いて、そのキャビテイに、例え
ば、エポキシ樹脂組成物を、トランスファー成形、射出
成形等の成形法で注入、加圧することによって、予め端
部が斜面状、球面状、またはストレート形状などの所定
の形状になったフェルールが得られる。
【0107】従って、従来のように、フェルールの端部
を、斜面状、球面状、またはストレート形状などの所定
の形状に研磨加工する工程が不要となり、大幅に製造工
程を簡略化できる光ファイバ研磨時の損傷を防ぐことが
でき、高品質で高性能な各種の光モジュール用途に好適
に使用できるファイバスタブを提供することができる。
【0108】さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物を用
いて、光ファイバの一体成形でファイバスタブを製造す
ることにより、従来のような光ファイバとフェルールの
接着工程がなくなり、接着による同軸度の狂いを起こす
ことのない、高品質で高性能なファイバスタブを安価に
製造可能となる。また、従来行っていたファイバスタブ
端面の研磨工程も、あらかじめ所定の形状に成形できる
ことにより大幅に省略することが可能であり、これらの
結果各種の光モジュール用途に使用されるファイバスタ
ブを安価に提供することが可能となるなどの幾多の作用
効果を奏する極めて優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のファイバスタブを、光モジュ
ールに適用した実施例を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明のファイバスタブの製造方法を
説明する概略図で、図2(A−1)は、金型に光ファイ
バーを支持した縦断面図、図2(A−2)は、図2(A
−1)の横断面図、図2(B)は、樹脂を注入した状態
を説明する図2(A−1)と同様な縦断面である。
【図3】図3は、本発明のファイバスタブの別の実施例
の拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明のファイバスタブの実施例の拡
大断面図である。
【図5】図5は、本発明のファイバスタブの別の実施例
の長手方向に直角の拡大断面図である。
【図6】図6(A)は、本発明のファイバスタブの別の
実施例の拡大断面図、図6(B)は、図6(A)の矢印
A方向端面図である。
【図7】図7は、従来のファイバスタブの拡大断面図で
ある。
【図8】図8は、従来のファイバスタブを、光モジュー
ルに適用した例を示す概略図である。
【図9】図9は、従来のファイバスタブの製造方法を説
明する概略図である。
【図10】図10は、ファイバスタブの密着強度の測定
方法を説明する概略図である。
【図11】図11は、従来の光ファイバコネクタの割ス
リーブ内での単心フェルールの嵌合状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 光電変換素子 12 ケーシング 14 側壁 16 光導出入部 18 フェルール結合部 20 光ファイバ 22 フェルール 24 光ファイバ 24a 、24b 端部 25 ガイドピン孔 26 フェルール 26a 端部 28 ファイバスタブ 28a、28b 端部 28c 垂直部分 30 貫通孔 34、36 端面 40 モールド金型 42 キャビティ 44、46 上下金型 48、50 内壁端面
フロントページの続き Fターム(参考) 2H036 QA14 QA18 QA20 QA27 QA29 2H037 AA01 BA04 BA13 CA08 CA10 DA03 DA04 DA06 DA15 DA16

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂組成物を一体成形することによって
    少なくとも1本の光ファイバが、樹脂製フェルール内に
    固定されていることを特徴とするファイバスタブ。
  2. 【請求項2】 前記フェルールの端面が、斜面状、球面
    状、またはストレート形状などの所定の形状に成形加工
    されていることを特徴とする請求項1に記載のファイバ
    スタブ。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバの端面が、斜面状、球面
    状、またはストレート形状などの所定の形状に研磨加工
    されていることを特徴とする請求項1から2のいずれか
    に記載のファイバスタブ。
  4. 【請求項4】 前記樹脂組成物のキャピラリレオメータ
    で測定した、170℃〜190℃における最低粘度が、5Pa・s
    〜100Pa・sであることを特徴とする請求項1から3のい
    ずれかに記載のファイバスタブ。
  5. 【請求項5】 前記樹脂組成物のEMMI-1-66に従って測
    定したスパイラルフローが、30cm〜100cmであることを
    特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のファイバ
    スタブ。
  6. 【請求項6】 前記樹脂組成物の成形品における、樹脂
    の押出し方向とその直角方向の、線膨張係数または成形
    収縮率の比で表わした異方性の値が、1.0〜1.5であるこ
    とを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のファ
    イバスタブ。
  7. 【請求項7】 前記樹脂組成物のASTM-D-696に従って測
    定した線膨張係数が、成形品における樹脂の押出し方向
    とその直角方向共に、0ppm/℃〜20ppm/℃であることを
    特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のファイバ
    スタブ。
  8. 【請求項8】 前記樹脂組成物の成形収縮率が、成形品
    における樹脂の押出し方向とその直角方向共に、0.01%
    〜0.25%であることを特徴とする請求項1から7のいず
    れかに記載のファイバスタブ。
  9. 【請求項9】 前記樹脂組成物のJIS-K-6911に従って測
    定した成形品の曲げ強度が、160MPa以上であることを特
    徴とする請求項1から8のいずれかに記載のファイバス
    タブ。
  10. 【請求項10】 前記樹脂組成物が、エポキシ樹脂をバ
    インダーとするエポキシ樹脂組成物であることを特徴と
    する請求項1から9のいずれかに記載のファイバスタ
    ブ。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれかに記載の
    ファイバスタブを備えた光モジュール。
  12. 【請求項12】 少なくとも1本の光ファイバが、樹脂
    製フェルール内に固定されているファイバスタブを製造
    するための方法であって、光ファイバをモールド金型の
    キャビティ内にインサートするインサート工程と、イン
    サート工程でモールド金型のキャビティ内にインサート
    された光ファイバを、該キャビティ内に樹脂組成物を注
    入することによって、樹脂封止し固定する樹脂封止工程
    とを備えたことを特徴とするファイバスタブの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記インサート工程および樹脂封止工
    程の際に、前記光ファイバの両端部を、金型キャビティ
    の中心線上に設けたV字形状の溝または半円形状の溝で
    支持した状態でインサート成形することを特徴とする請
    求項12に記載のファイバスタブの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記モールド金型の長手方向の端部の
    内壁端面が、斜面状、球面状、またはストレート形状な
    どの所定の形状であり、これにより、フェルールの端面
    を、斜面状、球面状、またはストレート形状などの所定
    の形状に成形することを特徴とする請求項12から13
    のいずれかに記載のファイバスタブの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記樹脂封止工程の後に、前記光ファ
    イバの端面を、斜面状、球面状、またはストレート形状
    などの所定の形状に研磨加工する研磨加工工程を有する
    ことを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載
    のファイバスタブの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記キャビティ内に注入する樹脂組成
    物のキャピラリレオメータで測定した、170℃〜190℃に
    おける最低粘度が、5Pa・s〜100Pa・sであることを特徴
    とする請求項12から15のいずれかに記載のファイバ
    スタブの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記キャビティ内に注入する樹脂組成
    物のEMMI-1-66に従って測定したスパイラルフローが、3
    0cm〜100cmであることを特徴とする請求項12から16
    のいずれかに記載のファイバスタブの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記キャビティ内に注入する樹脂組成
    物の成形品における、樹脂の押出し方向とその直角方向
    の、線膨張係数または成形収縮率の比で表わした異方性
    の値が、1.0〜1.5であることを特徴とする請求項12か
    ら17のいずれかに記載のファイバスタブの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記キャビティ内に注入する樹脂組成
    物のASTM-D-696に従って測定した線膨張係数が、成形品
    における樹脂の押出し方向とその直角方向共に、0ppm/
    ℃〜20ppm/℃であることを特徴とする請求項12から1
    8のいずれかに記載のファイバスタブの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記キャビティ内に注入する樹脂組成
    物の成形収縮率が、成形品における樹脂の押出し方向と
    その直角方向共に、0.01%〜0.25%であることを特徴と
    する請求項12から19のいずれかに記載のファイバス
    タブの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記キャビティ内に注入する樹脂組成
    物のJIS-K-6911に従って測定した成形品の曲げ強度が、
    160MPa以上であることを特徴とする請求項12から20
    のいずれかに記載のファイバスタブの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記キャビティ内に注入する樹脂組成
    物のエポキシ樹脂をバインダーとするエポキシ樹脂組成
    物であることを特徴とする請求項12から21のいずれ
    かに記載のファイバスタブの製造方法。
  23. 【請求項23】 キャピラリレオメータで測定した、17
    0℃〜190℃における樹脂組成物の最低粘度が、5Pa・s〜
    100Pa・sであることを特徴とするファイバスタブ用樹脂
    組成物。
  24. 【請求項24】 EMMI-1-66に従って測定したスパイラ
    ルフローが、30cm〜100cmであることを特徴とする請求
    項23に記載のファイバスタブ用樹脂組成物。
  25. 【請求項25】 成形品における、樹脂の押出し方向と
    その直角方向の、線膨張係数または成形収縮率の比で表
    わした異方性の値が、1.0〜1.5であることを特徴とする
    請求項23から24のいずれかに記載のファイバスタブ
    用樹脂組成物。
  26. 【請求項26】 ASTM-D-696に従って測定した線膨張係
    数が、成形品における樹脂の押出し方向とその直角方向
    共に、0ppm/℃〜20ppm/℃であることを特徴とする請求
    項23から25のいずれかに記載のファイバスタブ用樹
    脂組成物。
  27. 【請求項27】 成形収縮率が、成形品における樹脂の
    押出し方向とその直角方向共に、0.01%〜0.25%である
    ことを特徴とする請求項23から26のいずれかに記載
    のファイバスタブ用樹脂組成物。
  28. 【請求項28】 JIS-K-6911に従って測定した成形品の
    曲げ強度が、160MPa以上であることを特徴とする請求項
    23から27のいずれかに記載のファイバスタブ用樹脂
    組成物。
  29. 【請求項29】 エポキシ樹脂をバインダーとするエポ
    キシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項23から
    28のいずれかに記載のファイバスタブ用樹脂組成物。
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