JPH06299050A - 難燃性液晶ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

難燃性液晶ポリエステル樹脂組成物

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JPH06299050A
JPH06299050A JP11224293A JP11224293A JPH06299050A JP H06299050 A JPH06299050 A JP H06299050A JP 11224293 A JP11224293 A JP 11224293A JP 11224293 A JP11224293 A JP 11224293A JP H06299050 A JPH06299050 A JP H06299050A
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JP
Japan
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crystalline polyester
formula
polyester resin
liquid crystal
red phosphorus
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JP11224293A
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English (en)
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Kenji Yasue
健治 安江
Takeshi Marutani
武 丸谷
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレンテレフタレート単位とp−ヒドロキ
シ安息香酸残基単位とからなる液晶ポリエステルのよう
な半芳香族液晶ポリエステル樹脂に難燃剤として赤リン
を配合した樹脂組成物。 【効果】 半芳香族液晶ポリエステルの優れた特性を損
なうことなく、難燃性が顕著に向上した樹脂組成物が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性が改良された液
晶ポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンテレフタレートで代
表されるポリエステルは、繊維、フィルム及び成形品な
どとして広く使用されているが、強度や弾性率を始めと
する種々の機械的特性や耐熱性などが十分でなかった。
近年、強度や弾性率を始めとする種々の機械的特性、耐
熱性、寸法安定性、耐薬品性などの優れた成形品を与え
る素材として、溶融異方性を示す液晶ポリエステルが開
発されている。なかでも、エチレンテレフタレート単位
とp−ヒドロキシ安息香酸残基単位とからなる半芳香族
液晶ポリエステルは、比較的安価で、かつ流動性の良い
液晶ポリエステルとして注目されている。しかし、この
ような半芳香族液晶ポリエステルは、難燃性が十分でな
い(UL94規格でHBかV2のレベル)という問題があり、高
度な難燃性が要求される用途には適用できなかった。こ
のような液晶ポリエステルにその難燃性を向上させるた
め、難燃剤として臭素化ポリスチレンや有機リン化合物
などを配合することが提案されている(特開平3−1034
62号公報、同3−137154号公報など) が、難燃性向上効
果が不十分であったり、液晶ポリエステルの優れた特性
が損なわれたりするといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、半芳香族液
晶ポリエステルの優れた特性を損なうことなく、難燃性
の向上した液晶ポリエステル樹脂組成物を提供しようと
するものである。
【0004】
〔Xは液晶ポリエステルを構成する式で表される単位と式で表される単位との合計に対する式で表される単位の含有率(モル%)を表す。〕
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で用いられる液晶ポリエステルは、本質的に式で
表される単位と式で表される単位とから構成され、式
の単位の含有率Xが95〜40モル%のものである。Xが
95モル%を超えるものは、熱溶融成形性が悪く、40モル
%未満のものは液晶性が顕著でなく、機械的特性や耐熱
性などが不十分で、好ましくない。
【0006】式のR1 はジカルボン酸の残基であり、
ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、ビス(4−カ
ルボキシルフェニル)エーテル、1,2−ビス(4−カル
ボキシフェノキシ)エタン、1,5−、2,6−又は2,7−
ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジ
カルボン酸、p−又はm−キシリレンジカルボン酸など
が挙げられる。
【0007】また、R2 はジオールの残基であり、ジオ
ールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、2,4
−ジメチル−2−ヘキセン−1,3−ジオール、2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジメチル
−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
などが挙げられる。
【0008】また、式のArは芳香族ヒドロキシカル
ボン酸の残基であるが、生成するポリエステルが液晶性
を示すために、官能基が互いにp−位に配置したものが
好ましい。ただし、生成するポリエステルの液晶性を損
なわない限り、官能基が互いにm−又はo−位に配置し
たものでもよい。芳香族ヒドロキシカルボン酸の具体例
としては、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−
6−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−5−ナフトエ酸、1
−ヒドロキシ−4−ナフトエ酸などが挙げられる。
【0009】本発明における液晶ポリエステルは、例え
ば、次のような方法もしくはこれに準じた方法で製造す
ることができる。 (1) ポリエチレンテレフタレートとp−アセトキシ安息
香酸とを溶融混合してアシドリシス反応を行い、ポリエ
ステルフラグメントを形成させた後、減圧して重縮合反
応を行って高重合度化する方法(特公昭56−18016 号公
報参照)。 (2) ポリエチレンテレフタレートとp−ヒドロキシ安息
香酸とを溶融混合してアシドリシス反応を行い、ポリエ
ステルフラグメントを形成させた後、無水酢酸を加えて
ヒドロキシ末端基をアセトキシ化し、しかる後に減圧し
て重縮合反応を行って高重合度化する方法(特公平4−
66892 号公報参照)。
【0010】本発明は、このような液晶ポリエステル樹
脂に、難燃剤として赤リンを配合するものである。赤リ
ンはそのまま何らの処理を施すことなく、液晶ポリエス
テルに配合することも可能であるが、赤リンは貯蔵時に
発火したり、水に徐々に溶解したりする性質を有するの
で、これを防止する処理を施したものが好ましく用いら
れる。このような赤リンの処理法としては、赤リンに水
酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムを微量添加し
て赤リンの酸化を触媒的に抑制する方法、赤リンをパラ
フィンやワックスで被覆し、水分との接触を抑制する方
法、ε−カプロラクタムやトリオキサンと混合すること
により安定化させる方法、赤リンをフェノール系、メラ
ミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬
化性樹脂で被覆することにより安定化する方法、赤リン
を銅、ニッケル、銀、鉄、アルミニウム及びチタンなど
の金属塩の水溶液で処理して、赤リン表面に金属リン化
物を析出させて安定化する方法、赤リンを水酸化アルミ
ニウムや水酸化亜鉛などで被覆する方法及びこれらを組
み合わせた方法がある。
【0011】赤リンは、液晶ポリエステルを構成する式
の単位の含有率Xが少ないほど多量に配合することが
必要であり、前記式の範囲の量で配合することが必要
である。赤リンの配合量が式の範囲よりも少ないと難
燃性向上効果が乏しく、逆に式の範囲よりも多いと難
燃性向上効果は著しいが、樹脂組成物の強度や弾性率を
始めとする種々の機械的特性や耐熱性などが低下するた
め、好ましくない。
【0012】本発明の樹脂組成物において、その特性を
大きく損なわない限り、必要に応じて他の重合体を配合
してもよい。この場合、その配合量は30重量部以下であ
ることが望ましい。かかる他の重合体としては、ポリカ
ーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカプロラクト
ン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、非晶性
ナイロン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
エーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエ
ーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレ
ンスルフィド、ABS、ポリメチルメタクリレート、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、フェノキシ樹脂、合成ゴ
ムなどがある。
【0013】さらに、本発明の樹脂組成物には、必要に
応じて顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、強化材、
離型剤などを添加することが可能である。強化材として
はガラス繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカ
ー、炭素繊維のような繊維状強化材、タルク、炭酸カル
シウム、マイカ、ガラスフレーク、金属フレークのよう
なフィラー系補強材がある。特に直径が3〜20μm のガ
ラス繊維を配合すると樹脂組成物の溶融粘度を安定化さ
せ、その強度、弾性率及び耐熱性をさらに向上させるの
で好ましい。
【0014】本発明の樹脂組成物は、その優れた難燃
性、強度や弾性率を始めとする種々の機械的特性、耐熱
性、寸法安定性、耐薬品性などにより、自動車、機械、
電気・電子機器などの幅広い分野で使用可能である。
【0015】
【作用】本発明によれば、赤リンを少量配合することに
より液晶ポリエステルの難燃性が顕著に向上する。その
理由は明らかではないが、本発明における液晶ポリエス
テルは脂肪族基あるいは脂環族基をその構成要素として
含むため、高温下で比較的短時間で軟化し、赤リンとの
相互作用が着火後早期に高まり、結果としてこのような
顕著な難燃性向上効果が奏されるものと認められる。
【0016】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、特性値の測定、試験法は次のとおりであ
る。 (a) 曲げ強度及び曲げ弾性率 ASTM D790 に準じ、試験片の厚み 3.2mmで測定した。 (b) アイゾット衝撃強度 ASTM D256 に準じ、ノッチ付、試験片の厚み 3.2mmで測
定した。 (c) 熱変形温度 ASTM D648 に準じ、荷重1.8MPaで測定した。 (d) 難燃性試験 アンダーライターズ・ラボラトリーズの難燃試験法、UL
94に基づき、厚み0.8mmの試験片を用いて燃焼試験を行
った。
【0017】実施例1〜5 ポリエチレンテレフタレートとp−アセトキシ安息香酸
とを溶融混合してアシドリシス反応を行い、ポリエステ
ルフラグメントを形成させた後、減圧して重縮合反応を
行って高重合度化する最も一般的な製造法により、p−
ヒドロキシ安息香酸残基単位の含有率Xが80モル%の液
晶ポリエステル(LCP-80) を得た。この液晶ポリエステ
ルに、燐化学社製、フェノール樹脂で表面処理した赤リ
ン「ノーバレッド 120」及び直径13μm のガラス繊維を
配合し、2軸押出機(池貝鉄工社製、PCM 45型)を用い
て 260〜320 ℃で混練してペレットとした。得られたペ
レットを、射出成形機(日本製鋼社製J 100S)を用いて
260〜320℃で成形し、試験片を得た。得られた試験片
の性能評価を行った結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】実施例6〜10 実施例1〜5と同様にして、p−ヒドロキシ安息香酸残
基単位の含有率Xが40モル%の液晶ポリエステル(LCP-
40) 、Xが60モル%の液晶ポリエステル(LCP-60) 及び
Xが90モル%の液晶ポリエステル(LCP-90) を得た。こ
れらの液晶ポリエステルに、表面処理赤リン「ノーバレ
ッド 120」又は日本化学工業社製、チタン塩で表面処理
した赤リン「ヒシガードTP」及び直径13μmのガラス繊
維を配合し、実施例1〜5と同様にして試験片を得た。
得られた試験片の性能評価を行った結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】比較例1〜5 上記実施例の液晶ポリエステルを用い、赤リンを配合す
ることなく、同様にして試験片を製造して試験した結果
を表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、半芳香族液晶ポリエス
テルの優れた特性を損なうことなく、難燃性の著しく向
上した液晶ポリエステル樹脂組成物を得ることができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式で表される単位と式で表される単
    位とからなり、それらのモル比が5/95〜60/40である
    液晶ポリエステル樹脂 100重量部に対して、赤リンを式
    の範囲の重量部Yの量で配合してなる難燃性液晶ポリ
    エステル樹脂組成物。 −OC−R1−CO−O−R2−O− −O−Ar−CO− 〔R1 は芳香族又は脂肪族基、R2 は脂肪族又は脂環族
    基、Arは芳香族基を示す。〕 (100−X)/100 ≦Y≦(100−X)/2 〔Xは液晶ポリエステルを構成する式で表される単位
    と式で表される単位との合計に対する式で表される
    単位の含有率(モル%)を表す。〕
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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