JPH06298308A - 育苗箱移し換え施設 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送装置から１個ずつ送られてくる育苗箱
を、上下に多数の支持部を持つ支持台車に移し換える育
苗箱移し換え施設において、搬送装置よりも支持台車が
低い位置にある場合、搬送装置と支持台車との間の育苗
箱支持装置自身により、この高さの差を吸収できるよう
に構成する。 【構成】 搬送装置２からの育苗箱１を１個ずつ受け取
り所定高さだけ持ち上げ操作していく育苗箱支持装置３
を、搬送装置２と支持台車５との間に備える。これによ
り、育苗箱支持装置３に支持される育苗箱１が所定個数
に達すると、育苗箱支持装置３を逆に作動させて各育苗
箱１が支持台車５の各支持部５ａと同じ位置になるま
で、育苗箱１の全てを下降操作する。そして、移し換え
装置４により各育苗箱１を押し操作して、育苗箱支持装
置３から支持台車５の各支持部５ａに移し換える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、育苗箱を所定の上下間
隔で上下方向に支持可能な支持台に、播種の終了した複
数個の育苗箱を移し換える育苗箱移し換え施設に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】前述のような育苗箱移し換え施設の一例
が図５に示されている。この構造においては、育苗箱１
が図５紙面左側から搬送装置２により１個ずつ搬送され
てきてエレベータ２１に受け渡され、このエレベータ２
１により各育苗箱１が床面Ｇにまで下降操作される。床
面Ｇにまで下降操作された育苗箱１はプッシャー２２に
より搬送装置２３に押し出されて、搬送装置２３により
紙面右方に送られるのであり、搬送装置２３から育苗箱
１が育苗箱支持装置３の１段の支持爪１５ａ送り込まれ
る。このように育苗箱１が送り込まれる度に、育苗箱支
持装置３が各育苗箱１を所定高さだけ持ち上げ操作して
いくのである。

【０００３】以上のようにして、所定個数の育苗箱１が
育苗箱支持装置３の各支持爪１５ａに支持される状態に
なると、搬送装置２，２３及びエレベータ２１が一時停
止操作されて、移し換え装置４の全体が紙面右方に移動
し各押し操作部材１０が、育苗箱支持装置３の各育苗箱
１を紙面右方に押し操作して、支持台車５（支持台に相
当）の各支持部５ａに移し換えるのである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述の従来の構成にお
いては図５の紙面左方（図外）の各装置の関係から、搬
送装置２は床面Ｇから所定高さの位置に配置されてい
る。これに対して支持台車５は、全体の重心を低く抑え
ると言う面から、床面Ｇの近くの低い位置まで育苗箱１
用の支持部５ａを備えている。従って、図５に示すよう
に高さの差（搬送装置２の位置と支持台車５の最下段の
支持部５ａの位置との差）のある搬送装置２から、育苗
箱１を支持台車５に移し換える場合には、育苗箱１をエ
レベータ２１で床面Ｇまで下降操作し搬送装置２３によ
り育苗箱支持装置３側に搬送している。これにより、図
５に示す従来の構成においてはエレベータ２１や搬送装
置２３用のスペースが必要なので、全体の省スペース化
と言う面で改善の余地がある。本発明は、以上のように
搬送装置と支持台との間に高さの差がある場合におい
て、従来の構成のような育苗箱の下降操作用のエレベー
タ等を備えなくても、支障なく育苗箱を支持台に移し換
えることができるように構成することを目的としてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴は以上のよ
うな育苗箱移し換え施設において、次のように構成する
ことにある。つまり、床面から所定高さに設置されるも
ので、育苗箱を１個ずつ搬送してくる搬送装置と、搬送
装置からの育苗箱を１個ずつ受け取って支持し、この育
苗箱を所定高さだけ持ち上げ操作して、搬送装置から次
の育苗箱を受け取ると、この育苗箱と既に支持されてい
る育苗箱を、各育苗箱の上下間隔を所定間隔に維持しな
がら所定高さだけ持ち上げ操作していく育苗箱支持装置
と、育苗箱支持装置が支持する育苗箱の上下間隔と同じ
上下間隔を置いて、育苗箱の支持部を上下方向に複数個
備えた育苗箱の支持台とを備えると共に、搬送装置から
の育苗箱の送り込みに伴って、育苗箱支持装置に上下方
向に支持される育苗箱が所定個数に達すると、育苗箱支
持装置に上下に支持される各育苗箱が支持台の各支持部
と同じ位置になるまで、上下に支持される育苗箱の全て
が下降操作されるように、育苗箱支持装置を作動させる
制御手段と、育苗箱支持装置により支持台の各支持部に
まで下降操作された各育苗箱を押し操作して、各育苗箱
を育苗箱支持装置から支持台に移し換える育苗箱の移し
換え装置を備えてある。

【０００６】

【作用】本発明のように構成すると例えば図１及び図２
に示すように、育苗箱１が搬送装置２により１個ずつ搬
送されてくると、この育苗箱１が搬送装置２から育苗箱
支持装置３内に送り込まれる。このように育苗箱１が送
り込まれると、育苗箱支持装置３が育苗箱１を所定高さ
だけ持ち上げ操作していくのであり、新たな育苗箱１が
育苗箱支持装置３内に送り込まれる度に、育苗箱支持装
置３が支持する各育苗箱１を順次持ち上げていく。

【０００７】次に、例えば図３に示すように所定個数の
育苗箱１が育苗箱支持装置３に支持される状態になる
と、図４（イ）に示すように育苗箱支持装置３が逆に作
動し、育苗箱支持装置３に支持される各育苗箱１が支持
台５の各支持部５ａと同じ位置になるまで、育苗箱支持
装置３の全育苗箱１が下降操作される。そして、図４
（イ）に示すように移し換え装置４により育苗箱支持装
置３の各育苗箱１を押し操作して、各育苗箱１を育苗箱
支持装置３から支持台５の各支持部５ａに移し換えるの
である。

【０００８】以上のように本発明においては例えば図１
に示すように搬送装置２と支持台５との間に高さの差が
あっても、育苗箱１を搬送装置２からそのまま育苗箱支
持装置３に送り込んでいっている。そして、所定個数の
育苗箱１が育苗箱支持装置３に支持された場合、この育
苗箱支持装置３の各育苗箱１が支持台５の各支持部５ａ
よりも高い位置にあるので、例えば図３及び図４（イ）
に示すように育苗箱支持装置３自身を逆に作動させ各育
苗箱１を下降操作して、各育苗箱１が支持台５の各支持
部５ａと同じ位置にくるようにしているのである。従っ
て、本発明においては図５に示す従来の構成のような、
育苗箱１の下降操作用のエレベータ２１や搬送装置２３
等は不要になる。

【０００９】

【発明の効果】以上のように、所定個数の育苗箱を育苗
箱支持装置が支持してから、この育苗箱支持装置自身を
逆に作動させて、各育苗箱を支持台の位置まで下降操作
するように構成することにより、従来の構成において必
要であった育苗箱の下降操作用のエレベータや搬送装置
等を省略することができた。これにより、エレベータや
搬送装置を省略した分だけ、育苗箱移し換え施設全体の
小型化を図ることができるようになるのであり、全体の
コストも抑えることができるようになる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１に育苗箱移し換え施設の全体を示している。
この育苗箱移し換え施設は育苗箱１を搬送するコンベア
式の搬送装置２、育苗箱支持装置３、移し換え装置４及
び支持台車５（支持台に相当）を主要なものとして備え
ている。搬送装置２は床面Ｇから所定高さに設置されて
おり、播種、覆土及び灌水が終了して発芽した状態の育
苗箱１が、図１の紙面左側から搬送装置２により１個ず
つ搬送されてくる。

【００１１】次に、移し換え装置４について説明する。
図１及び図２に示すように天井部にガイドレール６が固
定されており、このガイドレール６にスライド自在に第
１支持部７が支持されており、第１支持部７に固定した
モータ８により第１支持部７を、ガイドレール６に沿っ
て図１の紙面左右方向にスライド駆動可能に構成してい
る。

【００１２】第１支持部７の端部に下向きに左右一対の
第２支持部９が固定されており、第２支持部９に複数個
の押し操作部材１０が、所定の上下間隔を置いて上下に
固定されている。搬送装置２と同じ高さに位置する押し
操作部材１１に、モータ（図示せず）により図１の紙面
時計方向に回転駆動されるローラー１２が備えられてい
る。これにより、移し換え装置４が図１に示す位置に在
る状態において、搬送装置２からの育苗箱１が左右の第
１支持部９の間を通り、押し操作部材１１のローラー１
２によって、紙面右方の育苗箱支持装置３に送り込まれ
ていく。

【００１３】次に、育苗箱支持装置３について説明す
る。図１及び図２に示すように上部に４個のスプロケッ
ト１３、下部に４個のスプロケット１４が支持されてお
り、上下のスプロケット１３，１４に亘り４本のチェー
ン１５が巻回されている。そして、各チェーン１５に多
数の支持爪１５ａが所定の上下間隔を置いて連結されて
おり、各支持爪１５ａの上下間隔は移し換え装置４の押
し操作部材１０，１１の上下間隔、並びに後述する支持
台車５の各支持部５ａの上下間隔と同じに設定されてい
る。

【００１４】これにより、図１及び図２に示すように搬
送装置２及び移し換え装置４の押し操作部材１１のロー
ラー１２により育苗箱１が、１個ずつ育苗箱支持装置３
の１段の支持爪１５ａに送り込まれるのであり、このよ
うに育苗箱１が送り込まれると、スプロケット１４が所
定量だけ回転駆動されて、育苗箱１が所定高さ（移し換
え装置４の各押し操作部材１０，１１の上下間隔、支持
台車５の各支持部５ａの上下間隔）だけ持ち上げ操作さ
れる。そして、次の育苗箱１が押し操作部材１１のロー
ラー１２により、育苗箱支持装置３の次の１段の支持爪
１５ａに送り込まれると、前述のようにスプロケット１
４が所定量だけ回転駆動されて、育苗箱支持装置３に支
持される各育苗箱１が順次持ち上げられていくのであ
る。

【００１５】支持台車５は図１に示すように、棚状の支
持部５ａを上下方向に複数段備えており、４個のキャス
ター車輪１６により支持されている。そして、前述のよ
うに支持台車５の各支持部５ａの上下間隔、移し換え装
置４の各押し操作部材１０，１１の上下間隔、並びに、
育苗箱支持装置３の各支持爪１５ａの上下間隔の各々が
等しいもの設定されており、この上下間隔は育苗箱１内
の苗が成長するのに邪魔にならない間隔に設定されてい
る。

【００１６】次に、この育苗箱移し換え施設の全体の作
動の流れについて説明する。図１及び図２に示すよう
に、育苗箱１が図１の紙面左側から搬送装置２により１
個ずつ搬送されてくると、移し換え装置４の押し操作部
材１１のローラー１２から、育苗箱支持装置３の１段の
支持爪１５ａに送り込まれる。このように育苗箱１が送
り込まれると、育苗箱支持装置３のスプロケット１４が
所定量だけ回転駆動されて、育苗箱１が所定高さ（移し
換え装置４の各押し操作部材１０，１１の上下間隔、支
持台車５の各支持部５ａの上下間隔）だけ持ち上げ操作
されていくのであり、新たな育苗箱１が育苗箱支持装置
３の１段の支持爪１５ａに送り込まれる度に、スプロケ
ット１４が所定量だけ回転駆動されて、育苗箱支持装置
３に支持される各育苗箱１が順次持ち上げられていく。

【００１７】次に、図３に示すように所定個数の育苗箱
１が育苗箱支持装置３の各支持爪１５ａに支持される状
態になると、搬送装置２及び移し換え装置４の押し操作
部材１１のローラー１２が一時停止操作される。そし
て、図４（イ）に示すように育苗箱支持装置３のスプロ
ケット１４が逆転駆動されて、育苗箱支持装置３に支持
される各育苗箱１が、支持台車５の各支持部５ａ及び移
し換え装置４の各押し操作部材１０，１１と同じ位置に
なるまで、育苗箱支持装置３の全育苗箱１が下降操作さ
れる（以上、制御手段に相当）。

【００１８】次に図４（ロ）に示すように、モータ８が
作動し移し換え装置４の全体が紙面右方に移動して、移
し換え装置４の各押し操作部材１０，１１が、育苗箱支
持装置３の各育苗箱１を紙面右方に押し操作し、各育苗
箱１を育苗箱支持装置３の支持爪１５ａから支持台車５
の各支持部５ａに移し換えるのである。

【００１９】以上の操作が終了すると、移し換え装置４
が図１に示す元の位置に戻り、再び搬送装置２及び移し
換え装置４の押し操作部材１１のローラー１２が作動を
開始して、育苗箱１が図１及び図２に示すように育苗箱
支持装置３に持ち上げられて支持されていくのであり、
所定個数の育苗箱１が育苗箱支持装置３に支持される
と、前述のようにして育苗箱支持装置３の育苗箱１の全
体が下降操作されて、移し換え装置４により各育苗箱１
が支持台車５の各支持部５ａに移し換えられるのであ
る。この場合、前回の状態で支持台車５の各支持部５ａ
の手前部に育苗箱１が置かれているので、次の状態で移
し換え装置４により各育苗箱１が各支持部５ａ側に押さ
れると、前回の状態で各支持部５ａの手前部に置かれて
いる各育苗箱１が、今回押される各育苗箱１により各支
持部５ａの奥部にまで押される。以上のようにして、支
持台車５の各支持部５ａに４個の育苗箱１が置かれるよ
うにするのである。

【００２０】〔別実施例〕前述の実施例では搬送装置２
からの育苗箱１を、移し換え装置４の押し操作部材１１
を介して育苗箱支持装置３に送り込むように構成してい
るが、図１において搬送装置２の右隣に育苗箱支持装置
３を配置して、搬送装置２から育苗箱支持装置３に育苗
箱１が直接に送り込まれるように構成してもよい。この
場合、図１において搬送装置２の右端の左右に移し換え
装置４の各押し操作部材１０を配置しておいて、育苗箱
支持装置３に所定個数の育苗箱１が支持され所定個数の
育苗箱１の全体が下降操作されると、移し換え装置４の
各押し操作部材１０が斜め方向から育苗箱支持装置３内
に入り込み、各育苗箱１を支持台車５の各支持部５ａに
押し出すように構成してもよい。前述の実施例ではキャ
スター車輪１６付きの支持台車５に育苗箱１を移し換え
る構成であるが、これをキャスター車輪１６等を備えな
い固定式の支持台に育苗箱１を移し換えるように構成し
てもよい。

【００２１】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】育苗箱を搬送装置及び移し換え装置を介して育
苗箱支持装置に送り込んでいる状態での育苗箱移し換え
施設の全体側面図

【図２】育苗箱を育苗箱支持装置に送り込んでいる状態
での育苗箱支持装置及び移し換え装置の一部分の正面図

【図３】所定個数の育苗箱が育苗箱支持装置に送り込ま
れた状態での育苗箱移し換え施設の全体側面図

【図４】図３の状態後に、育苗箱支持装置が逆に作動し
て所定個数の育苗箱の全体が下降操作され、移し換え装
置が育苗箱支持装置の各育苗箱を支持台車に押して移し
換えた状態を示す側面図

【図５】従来の育苗箱移し換え施設の全体側面図

【符号の説明】

１ 育苗箱 ２ 搬送装置 ３ 育苗箱支持装置 ４ 移し換え装置 ５ 支持台 ５ａ 支持台の支持部 Ｇ 床面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床面（Ｇ）から所定高さに設置されるも
   ので、育苗箱（１）を１個ずつ搬送してくる搬送装置
   （２）と、 前記搬送装置（２）からの育苗箱（１）を１個ずつ受け
   取って支持し、この育苗箱（１）を所定高さだけ持ち上
   げ操作して、前記搬送装置（２）から次の育苗箱（１）
   を受け取ると、この育苗箱（１）と既に支持されている
   育苗箱（１）を、各育苗箱（１）の上下間隔を所定間隔
   に維持しながら所定高さだけ持ち上げ操作していく育苗
   箱支持装置（３）と、 前記育苗箱支持装置（３）が支持する育苗箱（１）の上
   下間隔と同じ上下間隔を置いて、育苗箱（１）の支持部
   （５ａ）を上下方向に複数個備えた育苗箱（１）の支持
   台（５）とを備えると共に、 前記搬送装置（２）からの育苗箱（１）の送り込みに伴
   って、前記育苗箱支持装置（３）に上下方向に支持され
   る育苗箱（１）が所定個数に達すると、前記育苗箱支持
   装置（３）に上下に支持される各育苗箱（１）が前記支
   持台（５）の各支持部（５ａ）と同じ位置になるまで、
   前記上下に支持される育苗箱（１）の全てが下降操作さ
   れるように、前記育苗箱支持装置（３）を作動させる制
   御手段と、 前記育苗箱支持装置（３）により前記支持台（５）の各
   支持部（５ａ）にまで下降操作された各育苗箱（１）を
   押し操作して、各育苗箱（１）を前記育苗箱支持装置
   （３）から支持台（５）に移し換える育苗箱（１）の移
   し換え装置（４）を備えてある育苗箱移し換え施設。