JPH0790912B2 - 苗箱の積重ね装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、播種等を施した苗箱を所定個数積み重ねる
苗箱の積重ね装置に関する。［従来の技術］ 播種等を施した苗箱を左右両側に設けた移送ベルトを挟
んで所定位置まで移送し、苗箱が所定位置に到達すると
移送ベルトによる挾持を解いて苗箱を積込み用載置台の
上に載置するとともに、これと同期して載置台を苗箱の
上下幅分づつ下降させることにより、苗箱を載置台上に
順々に積み重ねてゆくように構成された苗箱の積重ね装
置がある。

［発明が解決しようとする問題点］ 積み重ねられた苗箱は発芽台車等の積込み台に移し替え
られるが、この苗箱の移替え時に積み重ねられた苗箱全
体が転倒しやすいという問題点があった。また、移替え
の際の衝撃力によって、ポット内の土等に偏りが生じる
という問題点もあった。

［問題点を解決するための手段］ 上記問題点を解決するために、本発明は次のような構成
とした。

すなわち、本発明にかかる苗箱の積重ね装置は、苗箱を
所定の位置に移送する移送装置と、前記所定の位置の下
方に設けられ苗箱を積重ね状態で支持する苗箱載置台
と、該載置台を移送されてくる苗箱の上下幅分づつ間歇
的に下降させることのできる昇降装置と、前記載置台に
所定数の苗箱が積み重ねられると、該苗箱が積み重ねら
れた載置台をそのまま前記移送装置の移送方向と交差す
る方向に移動させて、積み重ねられた苗箱を側方に待機
する台車上に移載する載置台移送装置とを具備すること
を特徴としている。

［作 用］ 苗箱載置台に所定数の苗箱が１箱づつ積み重ねられる
と、移動装置が作動して上記載置台を移送装置の移送方
向と交差する方向に移動させ、載置台上に積み重ねられ
ている苗箱を積込み台に移し替える。苗箱の移替えが円
滑に行なわれるので、転倒、土の偏り等が生じにくい。

［実施例］ 第１図乃至第３図は本発明を施した自動処理装置の全体
図である。この自動処理装置１は、播種装置２、リフト
装置３、移送台５、苗箱の積重ね装置６、発芽台車７等
で構成されており、苗箱への播種から播種後の苗箱を積
み重ねて発芽台車に積み込むまでの工程を一貫して自動
的に行なうように構成されている。

播種装置２は、図示を省略した土詰め装置、種子供給装
置、覆土装置、潅水装置等をそなえ、コンベア９によっ
て苗箱10が一定方向に搬送される間に、苗箱の播種ポッ
ト内に床土を入れ、その後に播種し、さらに覆土および
潅水がなされる。

リフト装置３は、複数のリフトフラグ12,…を水平に取
り突けたリフトチエン13a,13aおよび13b,13bを、コンベ
ア９の終端部の両側に苗箱10の幅よりも若干広い間隔で
設けてなり、モータ15によってこれら２対のリフトチエ
ンを互いに同期させて逆方向に間歇的に駆動するように
なっている。コンベア９によって搬送されてきた苗箱10
が最下部で待機しているリフトラグ12,12に完全に乗る
と、検出器16がこれを検出し、各リフトチエンが回転移
動を開始する。リフトチエンが所定量だけ移動し、１対
のリフトラグが最上部に達すると、検出器17がこれを検
出して、各リフトチエンの回転を停止させる。

移送台５は、モータ20で伝動回転される複数のローラ2
1,…を架設枠19,19の間に並設してなり、該ローラ21,…
の最上部の高さが前記リフトラグ12の上面の高さと同一
高さになるように設けられている。

また、移送台５の上方には、リフト装置３の機枠3aに固
定したエアシリンダ24のピストンロッド先端部に係合板
25を取り突けてなる引出し装置23が設けられている。エ
アシリンダ24は前記検出器17の検出信号によって収縮を
行なう際に係合板25が苗箱10の後面に係合して苗箱をリ
フトラグ12,12から引き出す。なお、エアシリンダ24は
リフトチエンが回転移動する間にピストンロッドが突出
して元の状態に戻る。

積重ね装置６は、平面視方形の底面枠30a、中間桟30b′
をそなえた上面枠30b、これら両枠の各４隅に立設した
コーナ支柱30c,…、左右中間部に位置する中間支柱30d,
30d、および左側のコーナ支柱間の上部と中間支柱間の
上部にそれぞれ水平に設けた架設枠30e,30eとで機枠30
を構成し、この機枠の上部に移送装置31が設けられ、該
移送装置の下方に苗箱載置台32（Ａ）,32（Ｂ）と該載
置台の昇降装置33（Ｂ）,33（Ｂ）の組合せが前後にそ
れぞれ１組づつ設けられている。

移送装置31は、前記架設枠30e,30eの前後両端部に垂下
状態で取り付けたプーリ35,…に移送ベルト36（Ａ）,36
（Ｂ）をそれぞれ張架してなり、これをモータ37で互い
に逆方向に回転させるようになっている。図中の39は移
送ベルト36（Ｂ）伝動用の反転ベルトである。移送ベル
ト36（Ａ）,36（Ｂ）は、１対のソレノルド41,41で左右
方向に位置調節される棒材42にテンションローラ4,…を
取り付けた張圧装置44,44によって、互いの対向面の間
隔およびベルトの張り具合を調節することができる。

そして、これら移送ベルト36（Ａ）,36（Ｂ）を囲うよ
うにして苗箱の受体46（Ａ）,46（Ｂ）が設けられてい
る。この受体46（Ａ）,46（Ｂ）は、剛体の薄い板材を
屈曲形成してなり、両側部に取り付けた支架ローラ47,
…によって前記架設枠30e,30eに沿って移動可能となっ
ている。上面枠30bに架け渡した取付板49,49に取り付け
たエアシリンダ50（Ａ）,50（Ｂ）のピストンロッド先
端部が受体46（Ａ）,46（Ｂ）の上面にそれぞれ連結さ
れており、これらエアシリンダを伸縮させることにより
受体は前後に移動される。

また、移送装置31には、前後２個所に設定されている停
止位置A,Bに苗箱を停止させるためのストッパ装置52
（Ａ）,52（Ｂ）が、１対の移送ベルト36（Ａ）,36
（Ｂ）の間隔部にそれぞれ設けられている。両ストッパ
装置52（Ａ）,52（Ｂ）は、移送されてくる苗箱の前端
部を受け止める受部材53と、これに取り付けた検出スイ
ッチ54とからなる。後側のストッパ装置52（Ｂ）が機枠
に固定して設けられているのに対し、前側のストッパ装
置52（Ａ）はソレノイド55で上下動可能に設けられてい
る。

苗箱載置台32およびその昇降装置33は次のような構成と
なっている。

移送装置31の右側部に前後方向に所定の間隔をおいて断
面Ｃ形をした１対の案内支柱60,60が立設され、各案内
支柱60の内部に昇降体61,61が摺動自在に嵌合してい
る。これら昇降体61,61には、上下に対向する挾持ロー
ラ62,…を有する挾持枠63,63がそれぞれ一体に設けられ
ている。昇降体61は、上面枠30bに設けたモータ65で駆
動される回転軸66に止着したスプロケット67に巻き掛け
たチエン69の一方の端部に取り付けられており、モータ
65を回転させることにより昇降する。図中の70はチエン
の他方の端部に取り付けられている釣合用の重錘であ
る。

苗箱載置台32は左端部分が載置面32aとなった左右方向
に長い板状の台で、前記１対の挾持枠63,63の上下のロ
ーラ62,…によって挾持された状態で支持されている。
また、苗箱載置台32の下方には水平移動装置としてのエ
アシリンダ72が横設されている。苗箱載置台32が最下位
に下降した時、該載置台の下面右端部に設けられている
係合部73がこのエアシリンダのピストンロッド先端部に
係合するようになっている。このエアシリンダ72は、載
置台32の下面に設けられている突起75が当接したことを
検知してバルブ切替用ソレノイドを作動する停止スイッ
チ76,77によって収納が２段階に制御される。

この昇降装置33は苗箱詰替え用の下降装置を兼ね、次の
各スイッチ80,81,82によって昇降制御が行なわれる。上
限スイッチ80は、載置台32の上限位置を決めるもので、
前記昇降体61の上端部が当接すると前記モータ65の回転
が停止される。下限スイッチ81は、苗箱載置台32の下限
位置を決めるもので、所定数の苗箱10が積み重ねられて
苗箱載置台32の下端部が当接すると前記と同様にモータ
65の回転が停止される。また、積替えスイッチ82は、苗
箱載置台32に積み重ねられた苗箱10,…を発芽台車７に
積み替えるためのもので、台車７の積込み位置まで水平
移動させた苗箱載置台32をこのスイッチに当接するまで
若干量下降させる。

発芽台車７は積重ね装置６の左側部に敷設したレール85
に沿って移動可能に設けられている。発芽台車７は苗箱
10を前後および左右に２列づつ積み込むことのできるス
ペースを有し、上面には支持台87が前後に２列づつ設け
られている。

第６図はこの自動処理装置１の制御機構をあらわすブロ
ック図である。各検出器、スイッチからの検出信号がCP
U90に入力され、これを処理することにより各モータ、
エアシリンダ、ソレノイド等に出力指令が出される。以
下に、その作用について説明する。

播種装置２によって土詰め、播種、覆土、潅水を施され
た苗箱10は搬送コンベア９でリフト装置３に搬送されて
くる。苗箱10が最下部で待機している空のリフトラグ1
2,12に完全に乗り、苗箱の先端部が検出器16に当接する
と、モータ15が起動してリフトチエン13a,13a,13b,13b
が回転移動を開始し、苗箱は水平状態のままリフトされ
る。最上部の直下に位置していた苗箱が最上部まで上昇
して検出器17に当接すると、モータ15の回転が停止す
る。これと同時に引出し装置23のエアシリンダ24が収縮
し、苗箱10を移送台５上に引き出す。苗箱10はローラ2
1,…の回転によって積重ね装置６の移送装置31に送られ
る。

送られてきた苗箱10は、張圧装置44,44によって互いの
間隔が狭められた１対の移送ベルト36（Ａ）,36（Ｂ）
に挾持されて後方に移送される。なお、このとき苗箱10
の裏面は受体46（Ａ）に支持されている。最初の工程で
は、ソレノイド55は励磁されておらずストッパ装置52
（Ａ）が下降しているので、苗箱10は受部材53によって
前側の第１停止位置Ａに停止される。同時に検出スイッ
チ54が入ってエアシリンダ50（Ａ）が収縮され、受体46
（Ａ）が後方へ移動する。移動完了後、張圧装置44のソ
レノイド41の励磁が解除される。

このとき昇降装置33（Ａ）は昇降体61,61が最上部に上
昇した状態にあり、苗箱載置台32（Ａ）は第１停止位置
Ａの直下の前記上限位置に位置している。したがって、
ソレノイド41の励磁が解除されると、苗箱10は移送ベル
ト36（Ａ）,36（Ｂ）の拘束を解かれて苗箱載置台32
（Ａ）に載置される。次いで、モータ65（Ａ）が一定量
回転し載置台32（Ａ）を苗箱の厚み（上下幅、苗箱が複
数枚重ねられている時はそのトータルの高さ）分だけ下
降させる。この動作中にエアシリンダ50（Ａ）が伸張し
て受体46（Ａ）は元の位置に復帰する。

引き続き送られてくる第２番目の苗箱も、同様に移送ベ
ルト36（Ａ）,36（Ｂ）で第１停止位置Ａまで移送さ
れ、苗箱載置台32（Ａ）に移し替えられるが、苗箱載置
台32（Ａ）にはすでに第１番目の苗箱が載置されている
ので、第２番目の苗箱は第１番目の苗箱の上に積み重ね
られる。以下同様にして順次苗箱が積み重ねられてゆ
く。なお、第５図に示す如く、苗箱の周縁部には段部10
aが形成されているので、苗箱10,…は位置ズレを生ずる
ことなく確実に積み重ねられる。

所定数の苗箱が積み重ねられて載置台32（Ａ）が下限位
置まで下降すると、これが下限スイッチ81（Ａ）に検出
され、ストッパ装置52（Ａ）のソレノイド55が励磁され
る。今度はストッパ装置55（Ａ）が上昇した状態となる
ので、以後送られてくる苗箱は第１停止位置Ａを通過し
て第２停止位置Ｂまで移送される。以下、前回の場合と
同様に、ストッパ装置52（Ｂ）の働きで苗箱を第２停止
位置Ｂに停止させるとともに、受体46（Ｂ）、張圧装置
44、昇降装置33（Ｂ）が前記所定の動作を行ない、苗箱
載置台32（Ｂ）に苗箱10,…が積み重ねられてゆく。

後側の苗箱載置台32（Ｂ）に苗箱が積み重ねられている
間に、前側の苗箱載置台32（Ａ）は次の動作を行なう。
すなわち、下限スイッチ81（Ａ）の検出信号によって水
平移動装置であるエアシリンダ72（Ａ）が収納を行な
い、該エアシリンダのピストンロッドと係合部73で係合
した苗箱載置台32（Ａ）は発芽台車７の方向に移動され
る。発芽台車７が空のときは停止スイッチ76が作用する
ようになっているので、苗箱載置台32（Ａ）は台車７の
前部左側の積込み位置（図においてＩで示す）まで移動
させられ、ここで停止する。つぎにモータ65（Ａ）が起
動して、苗箱載置台32（Ａ）を積替えスイッチ82（Ａ）
に当接するまで若干量だけ下降させ、苗箱10,…を支持
台87に載せ替える。この後エアシリンダ72（Ａ）が伸張
し、苗箱載置台32（Ａ）は元の位置に戻る。

後側の載置台32（Ｂ）に所定数の苗箱が積み重ねられる
と、下限スイッチ81（Ｂ）がこれを検出して張圧装置の
ソレノイド55の励磁を解除する。したがって、以後送ら
れてくる苗箱は第１停止位置Ａに停止され、再び前側の
苗箱載置台32（Ａ）に積み重ねられてゆく。この間に、
水平移動装置（エアシリンダ72（Ｂ））および下降装置
（昇降装置33（Ｂ））が作動して、苗箱載置台32（Ｂ）
に積み重ねられた苗箱10,…を台車７の後部左側の積込
み位置（図においてIIで示す）に載せ替える。

引き続き、苗箱は前後の各載置台32（Ａ），（Ｂ）に順
次積み重ねられるが、今度は停止スイッチ77が作用する
ようになっているので、積み重ねられた苗箱10,…は台
車７の右側の積込み位置III,IVに積み込まれる。

所定数づつの苗箱が台車７に前後左右に２列づつ積み込
まれると台車７は発芽室に運ばれ、代りに空の台車が定
位置に運ばれてくる。

このように、この自動処理装置１は、播種工程から発芽
台車等所定の積込み台への積込み工程までが自動的に行
なわれる。

また、この自動処理装置の積重ね装置６は、苗箱を段積
みするごとに１段づつ下降する苗箱載置台上に積み重ね
られてゆくので、垂直方向の大きな落差がなく、苗箱が
受ける衝撃が少ない。苗箱載置台を前後に２台そなえ、
移送台５から送られてくる苗箱10,…をこれら苗箱載置
台32（Ａ），（Ｂ）に所定数づつ交互に積み重ねてゆく
ようになっているので、苗箱の積重ね作業を中断するこ
となく連続して行なうことができる。

さらに、載置台32の直上部の停止位置まで移送ベルト3
6,36で苗箱を移送した後、該ベルトによる挾持を解くこ
とによって苗箱を自重で落下させ先に積み重ねられた苗
箱の上に積み重ねるようになっているので、苗箱載置台
上の苗箱に水平方向の力が作用せず、正確に積み重ねる
ことができる。

しかも、この積込み装置６は、水平移動装置の働きで、
移送装置31の移送方向と交差する方向（図示例では直角
方向）に積み重ねられた苗箱を移し替えるので、装置か
ら装置への引継ぎの際の衝撃が殆どなく、苗箱を無理な
く積み替えることができ、積替え時に苗箱の転倒や苗箱
内の土ずれが生じない。

［発明の効果］ 以上の説明から明らかなように、本発明にかかる苗箱の
積重ね装置は、苗箱を正確に段積みすることが可能であ
るとともに、所定数の苗箱が積み重ねられると、該苗箱
が積み重ねられた載置台をそのまま側方に移動させて、
積み重ねられた苗箱をそこに待機する台車上に移し替え
るので、特別の積み換え作業が不要となり、苗箱の転倒
や土ずれ等を効果的に防止することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を施した自動処理装置の正面図、第２図
はその平面図、第３図はその背面図、第４図はその要部
の斜視図、第５図は苗箱の説明図である。第６図は自動
処理装置の制御機構であらわすブロック図、第７図はそ
のフローチャートである。 １……自動処理装置、２……播種装置、３……リフト装
置、５……移送台、６……積重ね装置、10……苗箱、31
……移送装置、32……苗箱載置台、33……昇降装置（下
降装置）、46……受体、52……ストッパ装置、72……エ
アシリンダ（水平移動装置）

フロントページの続き (72)発明者 牟田 博一 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (56)参考文献 特公 昭52−34100（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭57−61651（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】苗箱を所定の位置に移送する移送装置と、
   前記所定の位置の下方に設けられた苗箱を積重ね状態で
   支持する苗箱載置台と、該載置台を移送されてくる苗箱
   の上下幅分づつ間歇的に下降させることのできる昇降装
   置と、前記載置台に所定数の苗箱が積み重ねられると、
   該苗箱が積み重ねられた載置台をそのまま前記移送装置
   の移送方向と公差する方向に移動させて、積み重られた
   苗箱を側方に待機する台車上に移載する載置台移送装置
   とを具備することを特徴とする苗箱の積重ね装置。