JPH06293128A - 被印刷体の面状接触を達成するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷品質を向上させるために印刷すべき枚葉
紙を胴の湾曲面にしわなしに接触させる装置。 【構成】 本発明の装置は、被印刷体を印刷ギャップ内
に送る胴の湾曲面上で被印刷体の面状接触を達成するた
めの装置であって、圧胴と渡し胴との間の区域に送風管
を有し、さらに印刷ギャップの前の区域に被印刷体の運
搬方向と反対に向けられた第２の送風管を有するもので
あって、第１の送風管（６）および第２の送風管（７、
１７、１８）のいずれにも風のためのノズル状吹き出し
ロ（１０、１１、１２、１３、１４、１５）が取り付け
られている。これらの吹き出しロは、最初に枚葉紙
（５）に作用する吹き出し口（１０）を起点として、送
風管（６、７、ｌ７、１８）の外周に概ね矢印状に延び
ている

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特に被印刷体を印刷ギ
ャップ内に送る胴の湾曲面上で被印刷体の面状接触を達
成するための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術（東ドイツ１０４７５３）か
ら、枚葉紙オフセット輪転印刷機における装置が知られ
ている。ゴム胴と圧胴との間に形成される楔形部におい
て、印刷済み枚葉紙の搬出側からは、はぎとり角度の範
囲内でゴム胴と枚葉紙との間に圧縮空気が吹き込まれ
る。吹き込まれた圧縮空気は、印刷済み枚葉紙をゴム胴
から抜き取るのを助ける。

【０００３】ヨーロソパ特許公開第０３０６６８４Ａ２
号には、枚葉祇を圧胴に押し付けるための多色輪転印刷
機における装置が開示されている。ブローフィンガー支
持管には、楔形部まで下降しているブローフィンガーが
全長にわたって取り付けられている。それらのブローフ
ィンガーの空気吹き出し面は、圧胴の外輪郭に適合され
ている。ブローフィンガーは、調節装置により表刷りの
作動位置から両面刷りの作動位置に切り替えることがで
きる。この装置で不都合なのは、空気吹き出し面による
平坦化作用が、同時に枚葉紙の全幅にわたって加えられ
る点である。それによって空気吹き出し面の下方では枚
葉紙の局所的な接触が保証されるが、枚葉紙の下側でリ
ング状に延びて平らにできない空気巣が残ることがあ
る。その結果として、印刷ギャップにおいて初めて枚葉
紙下側の空気が押し出されることになり、印刷品質を損
ねることがある。

【０００４】最後に、西ドイツ特許第３９２０７３０Ｃ
２号公報により、枚葉紙輪転印刷機の圧胴において枚葉
紙を平担にする装置が知られている。圧胴の軸と平行に
吹き出しノズルが支持されている。この吹き出しノズル
は、駆動装置によって機械の作業周期と連動して枚葉紙
の搬送方向に前後移動する。この装置の短所は、揺動駆
動のために高い操作コストが必要となる点である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術を前提として，印刷品質を向上させるために
印刷すべき枚葉紙を胴の湾曲面にしわなしに接触させる
ことである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の装置は、第１の定置式送風管および第２の
送風管のいずれにも風のノズル状吹き出しロが取り付け
られており、最初に枚葉紙に作用する中心吹き出し口を
起点として、これらの吹き出しロがそれぞれの送風管の
外周に概ね矢印状に取り付けられている。

【０００７】この解決によって達成される長所は、送風
管のわきを通過する印刷済み枚葉紙が、枚葉紙の搬送方
向と反対に、中心部から辺縁部に連続的に平担化作用を
受ける点にある。風の作用が連続的に順次加えられるこ
とにより、しわやひだは特に被印刷体が非常に薄い場合
に確実に平担化されるため、圧胴の表面上を搬送される
枚葉紙が完全に載り、まんいちにも残っている空気巣や
しわが印刷ギャップで初めて押し出されるということは
ない。本発明による装置を使用することによって、本刷
りにおいてダブリのない印刷と印刷品質の高い安定性と
を実現することが可能となる。

【０００８】本発明による装置の別の構成において、吹
き出し口の断面が中心吹き出し口を起点として、外側に
向かって増大している。これによって、枚葉紙の外側区
域における平担化作用が助けられるのが好都合である。
さらに、中心吹き出しロと外側の吹き出しロ対が互いに
角度βをなしている。それによって、線状の作用範囲
が、圧胴の外周区域にわたって延びている扇形の平担化
区域に拡張される。本発明による解決の別の形におい
て、送風管に互いに独立に風を送り込むことができる。
それによって極めて多様な被印刷体を処理する際に、風
を経済的に使用しながら個々のニーズを満たすことがで
きる。

【０００９】さらに、第２の送風管の作動位置を、処理
すべき被印刷体に応じて調節装置によって変化させるこ
とができる。注文に応じた予備調整の枠内で、調節可能
な第２の送風管が、遠隔制御されて垂線に対して調節角
度α1で旋回することができる。薄い種類の被印刷体を
処理する場合は、調節可能な第２の送風管が垂線に対し
て調節角度α2で旋回する。それによって枚葉紙に風を
送り込む際に、被印刷体に応じた要求に合致することが
可能となる。この場合、堅く曲げにくい枚葉厚紙を汚さ
ずに案内するというニーズも満たす。

【００１０】他の構成では、機械に固定して設けられた
第２の送風管が圧胴と連携しており、これらの送風管に
処理すべき被印刷体に応じて選択的に風を送り込むこと
ができるようにされている。それによって、調節機構な
しの実施態様が可能てある。この場合、予備調整の枠内
で被印刷体の種類に応じて、風を送り込むことができる
送風管が風源と連結している。最後に指摘すべきは、機
械に固定して配置された上方の第２の送風管が垂線に対
して調節角度α2で回転し、機械に固定して配置された
下方の第２の送風管が、垂線に対して調節角度α1で回
転することである。

【００１１】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

【００１２】図１に、調節可能な送風管を有する圧胴と
渡し胴の側面図を示す。渡し胴１と圧胴２との間には、
印刷ギャップ３が形成されており、ここで枚葉紙５はそ
の全長にわたって印刷される。枚葉紙５は、大きさが２
倍の渡し胴４から、やはり大きさが２倍に形成された圧
胴２に引き渡され、これによって印刷ギャップ３に搬送
される。圧胴２と渡し胴４との間には、圧胴２と渡し胴
４の回転軸の仮想結合線の垂線上に、調節可能な送風管
７が回転可能に固定されている。送風管７の調節動作
は、調節装置８のレバーで行うことができる。この場
合、実際の調節位置および調節行程は、目盛９で読み取
ることができる。

【００１３】印刷ギャップ３の前で圧胴２の外周にある
調節可能な送風管７の上方に、定置式送風管６が支持さ
れている。その吹さ出し口は枚葉紙５の搬送方向と反対
方向に向けられている。この角度で、吹き出し口が圧胴
２の外周をなめることができる範囲が表される。

【００１４】印刷注文が切り替わる場合の予備調整の枠
内で、次の印刷の被印刷体の種類を中央機械制御盤で入
力できる。被印刷体に応じて、送風管７は調節装置８を
通して電気的（電動機）に駆動されて特定の作動位置に
移動する。厚い紙や枚葉厚紙を処理する場合、調節可能
な送風管７は垂線に対して調節角度α1だけ旋回する。
この作動位置において送風管７の吹き出し口は枚葉紙５
の後端部に作用し、枚葉紙５を下に押し付け、それによ
って枚葉紙を汚さずに搬送することが可能となる。これ
に対し薄い種類の被印刷体を処理する揚合は、送風管７
は、電動機で駆動されて、垂線に対し調節角度α2だけ
旋回する。このとき流出する風は圧胴２の表面に向けら
れており、圧胴２と渡し胴４との間に形成される楔形部
には向けられていない。調節可能な送風管７が調節角度
α1およびα2によって特徴づけられる作動位置のいずれ
を占めるかによって、搬送される枚葉紙５は、紙である
か厚紙であるかにかかわりなく、印刷ギャップ３に入る
前に送風管６によって平担にされる。送風管６が枚葉紙
５の搬送方向と反対方向に向いていることによって、搬
送すべき枚葉紙５に引張作用が加えられる。圧胴２の壁
面と枚葉紙５の下側との間に、まんいちにも残っている
空気巣（Luftnester）は側方に押し出されるので、印刷
ギャップ３を通過するときは枚葉紙５と圧胴２の表面と
の間に相対運動が生じることはない。

【００１５】図２に、吹き出し口を矢印状に取り付けた
定置式送風管の側面図を示す。

【００１６】圧胴２の外周に枚葉紙５があり、ここでは
幾分誇張して描いているが、枚葉紙の端部ははためいて
いる。枚葉紙５の上方には定置式送風管６が設けられて
おり、この送風管６には中心に取り付けた吹き出し口１
０を起点として吹き出し口対１１、１２、１３、１４お
よび１５が取り付けられている。破線は吹き出しロから
流出する自由放射の軸線をほぼ表し、角度βを包含して
いる。これらの吹き出し口から流出する自由放射は扇状
に広がり、圧胴２の外周の一部およびその上を搬送され
る枚葉紙５を覆う。風吹き出し口１０、１１、１２、１
３、１４および１５はノズル状に形成され、具体的な放
射方向を可能にする。風はできるだけ枚葉紙５の表面の
近傍に近付けられる。それによって、自由放射の拡散損
失分を非常に少なく押さえることができる。

【００１７】図３に、枚葉紙上方の吹き出しロの平面図
を示す。この図から明らかなように、吹き出し口対１
０、１１、１２、１３、１４および１５は送風管６およ
び７に概ね矢印状に取り付けられている。

【００１８】搬送方向に送られる枚葉紙５は、最初に吹
き出し口１０の作用区域に到達する。吹き出し口１０
は、矢印の理想化された頂点をなしている。搬送される
枚葉紙５は、吹き出し口１０によって最初に中央部が圧
胴２の表面に押し付けられ、それから中心吹き出し口１
０の後に配置された吹き出し口対１１が枚葉紙５に作用
する。したがって送風管６および７を通過するときに、
枚葉紙５は中央部から外縁部に向けて平坦化プロセスを
受ける。この平担化プロセスによって枚葉紙５は圧胴２
の外周に平らに接触するようになる。枚葉紙５の平坦化
が内側から外側に連続的に行われることにより、枚葉紙
５が全幅にわたって圧胴２の外周に均等に接することが
保証されている。これにより、局所的な空気巣は側方ま
たは枚葉紙後緑部の方向に押し出される。送風管６およ
び７における吹き出しロ対１０、１１、１２、１３、１
４および１５の配置はアーチ状に行うこともでき、それ
によつて本発明の基礎をなす思想から外れることはな
い。重要なのは、風の作用が枚葉紙中央部を起点として
側縁部まで連続的に行われる点である。吹き出しロ対１
１、１２、１３、１４および１５の断面１６は、中央吹
き出し口１０から外側に向かってしだいに大きくなるよ
うに形成できる。それによって、ノズル状の吹き出し口
対１１、１２、１３、１４および１５の数を減らすこと
ができる。さらに、吹き出し口の断面１６を拡大する
と、風が作用する枚葉紙５の区域が拡大する。

【００１９】最後に図４に、圧胴と渡し胴との間で２つ
の定置式送風管が調節角度α1もしくはα2傾いている配
置構成を示す。

【００２０】この配置構成では、２つの定置式送風管１
７および１８が設けられており、そのうち送風管１７は
紙処理のために角度α2、送風管１８は厚紙処理のため
に角度α1だけ傾けて取り付けられている。処理される
被印刷体の種類に応じ、選択的に選風管１７または送風
管１８が機械の風供給装置と連結される。この実施態様
を用いれば、図１に暗示されているような調節装置８は
なくてもすませるであろう。当然ながら、２つの定置式
に固定された送風管１７および１８に、吹き出しロ１０
ならびに吹き出し口１１、１２、１３、１４および１５
が概ね矢印状に取り付けられている。圧胴２の上方には
送風管６が取り付けられており、その風吹き出し口１
０、１１、１２、１３、１４および１５は、角度βで表
す外周区域に段状に配置されている。必要に応じて送風
管６および調節可能な送風管７、あるいは送風管６と２
っの定置式送風管１７および１８を備えた仕様におい
て、送風を個々に適合させることに留意されたい。した
がって、たとえば送風管６のみ、または送風管７のみに
風を供給することができ、また吹き出し口１０、１１、
１２、１３、１４および１５から流出する風量も変える
ことができる。枚葉紙５を印刷ユニットから印刷ユニッ
トに搬送する際に中間乾燥を改善するために、風の温産
を調整することも考えられる。

【００２１】完全性を期して付け加えると、送風管７の
調節は、調節装置８で手動で行うこともてきる。この場
合、目盛９では、送風管７の実際に調整された作動位置
を読み取ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】調節可能な送風管を有する圧胴と渡し胴の側面
図である。

【図２】吹き出しロを矢印状に取り付けた定置式送風管
の側面図である。

【図３】枚素紙上方の吹き出しロの平面図である．

【図４】圧胴と渡し胴との間で２つの定置式送風管が調
節角度α1もしくはα2傾いている配置構成を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ ゴム胴 ２ 圧胴 ３ 印刷ギャップ ４ 渡し胴 ５ 枚葉紙 ６ 定置式送風管 ７ 調節可能な送風管 ８ 調節装置 ９ 目盛 １０ 中心吹き出し口 １１、１２、１３、１４、１５ 吹さ出し口１６断面 １７ 回転しない送風管（紙） １８ 回転しをい送風管（厚紙） α1 厚紙処理における調節角度 α2 紙処理における調節角度 β 表面垂線に対する角度

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被印刷体を印刷ギャップ内に送る胴の湾
   曲面上で被印刷体の面状接触を達成するための装置であ
   って、圧胴と渡し胴との間および印刷ギャップの前の区
   域に送風管を有し、印刷ギャップの前に配置された送風
   管が被印刷体の運搬方向と反対に向けられているものに
   おいて、 第１の定置式送風管（６）および第２の送風管（７、１
   ７、１８）のいずれにも風のノズル状吹き出しロ（１
   ０、１１、１２、１３、１４、１５）が取り付けられて
   おり、最初に枚葉紙（５）に作用する中心吹さ出し口
   （１０）を起点として、これらの吹さ出しロがそれぞれ
   の送風管（６、７、１７、１８）の外周に概ね矢印状に
   取り付けられていることを特徴とする被印刷体の面状接
   触を達成するための装置。
2. 【請求項２】 対をなす吹き出し口（１１、１２、１
   ３、１４、１５）の断面（１６）が、中心吹き出し口
   （１０）を起点として外側に向かって増大している請求
   項１記載の被印刷体の面状接触を達成するための装置。
3. 【請求項３】 中心吹き出しロ（１０）とその外側の対
   をなす吹き出し口（１５）が互いに角度βをなしている
   請求項１記載の被印刷体の面状接触を達成するための装
   置。
4. 【請求項４】 送風管（６、７、１７、１８）に互いに
   独立に風を送り込むことができる請求項１記載の被印刷
   体の面状接触を達成するための装置。
5. 【請求項５】 送風管（７）の作動位置が、処理すべき
   被印刷体に応じて調節装置（８）によって変化させるこ
   とができる請求項１記載の被印刷体の面状接触を達成す
   るための装置。
6. 【請求項６】 厚紙処理において注文に応じた予備調整
   の枠内で、調節可能な第２の送風管（７）が、遠隔制御
   されて垂線に対して調節角度α1で旋回する請求項５記
   載の被印刷体の面状接触を達成するための装置。
7. 【請求項７】 紙処理における注文に応じた予備調整の
   枠内で、調節可能な第２の送風管（７）が、遠隔制御さ
   れて垂線に対して調節角度α2で旋回する請求項５記載
   の被印刷体の面状接触を達成するための装置。
8. 【請求項８】 機械に固定して設けられた第２の送風管
   （１７、１８）が圧胴（２）と連携しており、これらの
   送風管（１７、１８）に処理すべき被印刷体に応じて選
   択的に風を選り込むことができる請求項１記載の被印刷
   体の面状接触を達成するための装置。
9. 【請求項９】 機械に固定して設けられた上方の第２の
   送風管（１７）が垂線に対して調節角度α2で回転し、
   機械に固定して配置された下方の第２の送風管（１８）
   が垂線に対して調節角度α1で回転する請求項８記載の
   被印刷体の面状接触を達成するための装置。