JPH06292713A

JPH06292713A - 空気の浄化方法及び装置

Info

Publication number: JPH06292713A
Application number: JP5083625A
Authority: JP
Inventors: Shinichi Nakamura; 信一中村
Original assignee: T R P KK
Current assignee: T R P KK
Priority date: 1993-04-09
Filing date: 1993-04-09
Publication date: 1994-10-21

Abstract

(57)【要約】【構成】電解通路６の電極７の間に電解質を溶かした
水を流しながら前記電極７に電流を流して発生期の酸素
を溶解した活性酸素溶液８を作り、前記溶液８に室内の
空気を接触させて空気を浄化した。【効果】酸化力や殺菌力の強い活性酸素溶液８を使用
し、室内の空気と接触させて空気中の悪臭や有機溶剤等
の有機物を二酸化炭素、水、窒素ガスにまで酸化分解す
るだけでなく、活性酸素溶液８の殺菌力により、細菌を
死滅させることができるので、充分な浄化能力と殺菌能
力を有するようになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は工場、病院、研究室等
の室内だけでなく、各種の乗り物の室内の空気を浄化す
る空気の浄化方法及び装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の空気浄化装置としては、濾紙や繊
維ガラス等からなるエアフィルタで空気を濾過する空気
濾過装置、活性炭等の吸着剤の中に空気を通して空気中
のガスを吸着するガス吸着装置、空気と水を接触させて
水の中に空気中の塵やミストを溶け込まして取り除く湿
式濾過装置がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これらは悪臭
や有機溶剤等の有機物を物理的に除去する装置であり、
除去能力が不充分であるという問題があった。また、充
分な除去能力をもたせるためには何度も空気を濾過しな
ければならないので、装置が大きくなるという問題があ
った。さらに、これらの装置は空気中の細菌に対しては
殺菌力のないものであり、殺菌が必要な場合はさらに殺
菌のための処理が必要であるという問題もあった。

【０００４】また、前記装置に使用した吸着剤や処理水
は、そのままの状態で廃棄すれば公害の原因となるの
で、廃棄するために焼却や中和処理を行う必要があっ
た。このように、従来の方法による空気浄化装置は、装
置に多額の費用がかかるだけでなく、管理運転に手間が
かかるものであった。そこで、この発明では、上記の問
題点を解決し、充分な浄化能力と殺菌能力を有し、しか
も構造が簡単で管理運転に手間がかからない空気の浄化
方法及び装置を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明では電解通路６の電極７の間に電解質を溶
かした水を流しながら前記電極７に電流を流して発生期
の酸素を溶解した活性酸素溶液８を作り、前記溶液８に
室内の空気を接触させて空気を浄化するようにした。

【０００６】上記の電解質には、食塩を使用することが
好ましい。上記の方法を使用した装置としては、電極７
の間に電解質を溶かした水を流しながら前記電極７に電
流を流して発生期の酸素を溶解した活性酸素溶液８を作
る電解通路６と、室内の空気を活性酸素溶液８に接触さ
せて洗浄する空気洗浄装置３と、前記の空気洗浄装置３
で洗浄された空気を水で洗浄する空気洗浄装置９とを有
する装置とすることができる。さらに、空気洗浄装置９
の後段に、空気洗浄装置９で洗浄された空気を乾燥させ
るドライヤ１０を設けた装置とすることもできる。

【０００７】

【作用】上記の手段を採用した結果、この発明は以下の
ような作用をする。電解通路６の電極７の間に電解質を
溶かした水を流しながら前記電極７に電流を流すと、水
が電気分解されて発生期の酸素を含んだ活性酸素溶液８
が得られる。この発生期の酸素は活性が高く、酸化力が
強いので、空気に接触させると空気中に含まれた有機物
が酸化されて二酸化炭素、水、窒素ガスにまで分解され
る。また、発生期の酸素は殺菌力が強いので、空気中の
細菌も死滅する。

【０００８】電解質を食塩とすれば、殺菌力のある次亜
塩素酸や次亜塩素酸ナトリウムが副生物として発生す
る。

【０００９】前記の活性酸素溶液８は、電解通路６で得
られ、この活性酸素溶液８を空気洗浄装置３で室内の空
気と接触させ、空気を洗浄する。前記の活性酸素溶液８
にて洗浄された空気の中には、活性酸素溶液８のミスト
が含まれているので、後段に設けた空気洗浄装置９で空
気を水で洗浄し、活性酸素溶液８のミストが除去され
る。

【００１０】さらに後段に空気を乾燥させるドライヤ１
０を設ければ、過剰な水分が除去される。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の構成を実施例として示した
図面により説明する。１は空気を浄化する室であり、エ
アダクト２により空気洗浄装置３に接続されており、室
内の空気は、空気洗浄装置３内に入るようになってい
る。空気洗浄装置３は、気密のタンクになっており、上
部に活性酸素溶液を噴射する噴射口４を備えている。噴
射口４の下にはラシヒリング５が層状に設けられてお
り、空気と活性酸素溶液との接触を良くするようにして
いる。

【００１２】６は、電解通路であり、水路の中に板状の
電極７を一定の間隔をあけて複数枚設けたものであり、
電解質を溶かした水を電極７の間を流しながら電気分解
して酸素を発生させ、発生期の酸素を含む活性酸素溶液
８を作る装置である。この電極７間に流す電流の方向
は、一定時間毎に切り換えることが望ましい。このよう
にすれば、電極７に付着する付着物が減少し、電極を清
掃する手間が減少する。

【００１３】活性酸素溶液８は、前記の空気洗浄装置３
と電解通路６の間を循環するようになっている。

【００１４】電解質は、食塩、塩化カリウム、硫酸ナト
リウム等のイオンに解離し導電性を示す物質から任意に
選択して使用すれば良いが、食塩を使用することが望ま
しい。食塩を使用すれば、価格が安いだけでなく、副生
物として次亜塩素酸や次亜塩素酸ナトリウムを発生する
ので、より高い殺菌効果が得られるようになるからであ
る。

【００１５】９は、空気洗浄装置３の後段に設けられた
空気洗浄装置であり、装置としての構成は空気洗浄装置
３と同一であるが、活性酸素溶液８の代わりに水を使用
し、前段の空気洗浄装置３で洗浄された空気の中に含ま
れる活性酸素溶液８のミストを洗浄して取り除くための
ものである。この空気洗浄装置９の内部には、電気分解
により副生した副生物を分解する公知の触媒（例えば、
電解質が食塩であり、副生物が次亜塩素酸や次亜塩素酸
ナトリウムである場合には過酸化ニッケル）や吸着材
（例えば活性炭）を設けることもできる。

【００１６】１０は、空気洗浄装置９で洗浄された空気
に含まれる水分を取り除くドライヤである。空気に含ま
れる水分を取り除く方法は、冷却や加熱による方法で
も、吸湿剤による方法でも公知の方法が選択使用でき
る。ドライヤ１０を経た空気は、エアダクト１１により
再び室内に戻される。尚、１２は循環ポンプ、１３は換
気用ファンである。

【００１７】上記の構成からなる空気の浄化装置を使用
し、浄化能力をテストした結果を次に示す。試験のため
に、アンモニア性窒素が１１５０ｐｐｍ含まれた空気を
使用した。その他の条件は次の通りである。電解質…食塩（ＮａＣｌ）電解質濃度…５ｇ／ｌ電極７に流す電流…直流１０Ａ／６Ｖ空気洗浄装置３における活性酸素溶液８の噴射量…１２
０ｃｃ／分その結果、ドライヤ１０を経た空気を調べたところ、ア
ンモニアの臭いは全く感知されなかった。

【００１８】次に、ベンゼン３０ｃｃを５０℃の温水５
００ｃｃに加え、攪拌して得られたベンゼンが含まれた
空気を使用して上記と同条件でテストした。その結果、
ドライヤ１０を経た空気を調べたところ、ベンゼンの臭
いは全く感知されなかった。

【００１９】殺菌効果を知るために、空気洗浄装置３に
入る前の室内の空気を寒天培地に吹きつけたものと、空
気洗浄装置９よりでた空気を寒天培地に吹きつけたもの
とを比較した。

【００２０】

【表１】

【００２１】このように、一般細菌のコロニー数に大き
な差が生じ、殺菌効果が大きいことがわかった。

【００２２】以上が実施例であり、この実施例では、空
気を室内とこの発明の浄化装置との間を循環させる例を
示したが、空気を循環させず屋外に放出する場合には、
ドライヤ１０を省略して実施することもできる。

【００２３】また、空気洗浄装置３、９を空気中に活性
酸素溶液８や水を噴射して空気と接触させる方法の装置
としたが、活性酸素溶液８や水の中に空気を微細な気泡
となるように注入する方法の装置として実施することも
できる。

【００２４】

【発明の効果】この発明では、酸化力や殺菌力の強い活
性酸素溶液８を使用し、室内の空気と活性酸素溶液８を
接触させ、空気中の悪臭や有機溶剤等の有機物を酸化し
て二酸化炭素、水、窒素ガスにまで分解するだけでな
く、活性酸素溶液８の殺菌力により、細菌を死滅させる
ことができるので、充分な浄化能力と殺菌能力を有する
ようになる。

【００２５】さらに、この発明の装置では、酸化分解と
殺菌が同時にでき、殺菌装置を別に設ける必要がないの
で、装置の構造が簡単になる。また、さらに、活性酸素
溶液８に溶け込んだ悪臭や有機溶剤等の有機物は、酸化
分解されてしまうので、電解通路６に入れた溶液の交換
は殆ど必要なく、管理運転に手間がいらない。

【００２６】電解質を食塩とすれば、安価であるだけで
なく、次亜塩素酸や次亜塩素酸ナトリウムが副生物とし
て発生するので、より高い殺菌効果を得ることができる
ようになる。

【００２７】前記の活性酸素溶液８にて洗浄した空気の
中には、活性酸素溶液８のミストが含まれているが、後
段に設けた空気洗浄装置９で空気を水で洗浄すれば、活
性酸素溶液８のミストを除去されているので、そのまま
屋外に放出しても環境に全く影響を与えることがない。

【００２８】さらに後段に空気を乾燥させるドライヤ１
０を設ければ、過剰な水分が除去されるので、空気を室
内に戻して循環させるようにすることができる。以上の
ように、この発明の空気の浄化方法及び装置は、優れた
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の方法を使用した空気浄化装置の説明
図。

【符号の説明】

１室３空気洗浄装置６電解通路７電極８活性酸素溶液９空気洗浄装置１０ドライヤ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電解通路（６）の電極（７）の間に電解
質を溶かした水を流しながら、前記電極（７）に電流を
流して発生期の酸素を溶解した活性酸素溶液（８）を作
り、前記溶液（８）に室内の空気を接触させて空気を浄
化するようにしたことを特徴とする空気の浄化方法。
【請求項２】電解質が食塩であることを特徴とする請
求項１記載の空気の浄化方法。
【請求項３】電極（７）の間に電解質を溶かした水を
流しながら前記電極（７）に電流を流して発生期の酸素
を溶解した活性酸素溶液（８）を作る電解通路（６）
と、室内の空気を活性酸素溶液（８）に接触させて洗浄
する空気洗浄装置（３）と、前記の空気洗浄装置（３）
で洗浄された空気を水で洗浄する空気洗浄装置（９）と
を有することを特徴とする空気の浄化装置。
【請求項４】電極（７）の間に電解質を溶かした水を
流しながら前記電極（７）に電流を流して発生期の酸素
を溶解した活性酸素溶液（８）を作る電解通路（６）
と、室内の空気を活性酸素溶液（８）に接触させて洗浄
する空気洗浄装置（３）と、前記の空気洗浄装置（３）
で洗浄された空気を水で洗浄する空気洗浄装置（９）
と、前記の空気洗浄装置（９）で洗浄された空気を乾燥
させるドライヤ（１０）を有することを特徴とする空気
の浄化装置。
【請求項５】電解質が食塩であることを特徴とする請
求項３または４記載の空気の浄化装置。