JP2008183185A - 空気除菌装置の洗浄方法、及び、空気除菌装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水を電気分解して活性酸素種を含む電解水を生成する電解槽46と、前記電解槽46によって生成された電解水を気液接触部材53に浸潤させ、送風ファン31により前記気液接触部材53に空気を送り前記気液接触部材53に接触させ当該空気を除菌する空気除菌装置1において、前記電解槽46によって生成された電解水を貯留すると共に前記気液接触部材53から流下する電解水を受ける水受け皿42と、前記水受け皿42に貯留した電解水を汲み上げて再び前記気液接触部材53に供給する循環ポンプ44とを有し、前記水受け皿42に貯留する電解水を排水し前記水受け皿42に水を貯留すると共に、当該水を前記循環ポンプ44で前記気液接触部材53に供給し当該気液接触部材53を含む循環経路を洗浄する洗浄動作を、当該循環経路が清浄になるまで1又は複数回実行する構成とした。
【選択図】図8
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、電解水を循環して利用する場合であっても、循環経路を清浄に維持することのできる空気除菌装置の洗浄制御方法、及び、空気除菌装置を提供することを目的とする。
図1は、本実施の形態に係る空気除菌装置1の斜視図であり、図2は、この空気除菌装置1の背面側斜視図である。この空気除菌装置1は、水を電気分解して所定の活性酸素種を含む電解水を生成し、空気除菌装置1内に吸い込んだ室内の空気をこの電解水を用いて除菌して、除菌後の清浄な空気を室内に送風する装置である。
空気除菌装置1は、図1に示すように、縦長に形成された箱形の筐体11を有し、例えば床置き設置される。筐体11には、この筐体11の両側面の下部に吸込グリル12が形成されるとともに、この筐体11の前面の下端部に吸込口15が形成されている。
また、筐体11の上面には吹出口13が形成され、この吹出口13には空気を吹き出す方向を変化させるためのオートルーバー20が設けられている。このオートルーバー20は、運転停止時に上記吹出口13を閉塞するように構成されている。
また、筐体11の前面には、上下方向に並べられた上側カバー部材18及び下側カバー部材19がそれぞれ着脱自在に配置されており、これら上側カバー部材18及び下側カバー部材19を取り外すと空気除菌装置1の内部構成が露出する。下側カバー部材19は、この下側カバー部材19の下端部に、筐体11の背面側に向けて湾曲した円弧部19Aを備え、この円弧部19Aに上記吸込口15が形成されている。
また、図2に示すように、筐体11の背面上部には空気除菌装置1に給水するための接続口14が形成され、この接続口14に外部の給水源(例えば上水道)に連なる給水配管27が接続される。また、筐体11の背面下部には、空気除菌装置1内の水を外部に排出するための排水配管28が設けられている。
図3は、空気除菌装置1の内部の主要構成を示す斜視図であり、図4は側断面視図である。筐体11には、図3及び図4に示すように、この筐体11の内部を上下に仕切る支持板21が設けられ、上側の室22と下側の室23とに区分けされている。
下側の室23は、仕切板24によって左右に区分けされ、一方の室23Aに送風ファン31(図4)及びこの送風ファン31を駆動するファンモータ(図示略)が収容されるとともに、他方の室23Bに上記排水配管28を有する排水部57が収容されている。一方の室23Aの前面側には、下側カバー部材19(図1)と対向する位置にプレフィルタ34が配置されている。このプレフィルタ34は、一方の室23Aの開口部に相当する大きさに形成され、この開口部に嵌めこまれて配置されている。下側カバー部材19を外すと、プレフィルタ34が露出し、このプレフィルタ34を簡単に着脱することができる。
プレフィルタ34は、吸込グリル12及び吸込口15を通じて吸い込まれた空気中の塵埃など粒径の大きなものを捕集する粗塵フィルタ25と、この粗塵フィルタ25を通過する、例えば粒径10(μm)以上の物(例えば花粉)を捕集する中性能フィルタ26(図3)とを備えて構成される。このプレフィルタ34によって、吸込グリル12及び吸込口15から吸い込まれた空気中に浮遊する花粉や塵埃などが除去される。
気液接触部材53は、この気液接触部材53に吹き付けられた空気に電解水を接触させるための部材である。この気液接触部材53において筐体11内に吸い込まれた空気が所定の活性酸素種を含む電解水に接触することで、空気中に含まれるウィルス等が不活化されることなどにより、空気の除菌が行われる。
ハウジング33と吹出口13との間には、この吹出口13から筐体11内部への異物の進入を防止するため吹出口フィルタ36が配置されている。この吹出口フィルタ36は、気液接触部材53を通過した空気の通風抵抗を著しく増加させないよう、適度に目の粗いものであることが好ましい。
エレメント部には、電解水による劣化が少ない素材、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、PET(ポリエチレン・テレフタレート)樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)又はセラミックス系材料等の素材が使用され、本構成では、PET樹脂を用いるものとする。また、エレメント部には親水性処理が施され、電解水に対する親和性が高められており、これによって、気液接触部材53の電解水の保水性(湿潤性)が保たれ、後述する活性酸素種(活性酸素物質)と室内空気との接触が長時間持続される。
また、気液接触部材53の上面には、散水ボックス51から滴下される電解水をエレメント部に効率よく分散させるため、分流シート(図示略)が配設されている。この分流シートは、液体の浸透性を有する繊維材料からなるシート(織物、不織布等)であり、気液接触部材53の厚み方向断面に沿って一または複数設けられる。
深底部42B1には水位を検出する第1フロートスイッチ43A及び第2フロートスイッチ43Bが配設されている。第1フロートスイッチ43Aは、貯留部42Bの水位が所定の下限水位を下回った場合に動作するスイッチであり、第2フロートスイッチ43Bは、貯留部42Bの水位が所定の上限水位を上回った場合に動作するスイッチである。
この電解槽46は、後述するように複数の電極を内蔵し、これら電極間に、制御部から供給される電圧を印加することにより、水を電解して電解水を生成する。電解槽46の上面には、この電解槽46で生成した電解水を排出する排出口46Aが形成され、この排出口46Aには電解水を貯留部42Bに返送する返送管73が接続されている。
また、第2給水管63の給水口64は、水受け皿42に貯留された水の水面から、この水面に触れることない十分な距離(本実施形態では、水受け皿の上端面から35mm)を離して配置されている。これによれば、給水部60及び給水配管27の内部が負圧となった場合であっても、水受け皿42に貯留された水が、給水口64を通じて給水部60及び給水配管27内に逆流することが防止される。
さらに、この給水口64は、上記したフィルタ部材74の上方に配置されている。これによれば、給水口64を通じて供給された水は、フィルタ部材74上に滴下されるため、この滴下音を低減することができ、給水時の静音化を図ることができる。
また、貯留部42Bの浅底部42B2の底部には、オーバーフロー管85が接続され、このオーバーフロー管85は、排水弁83と排水部57との間で上記第2排水管84に接続されている。このため、深底部42B1内の水位が上昇し、この水が浅底部42B2に達したとしても、この水はオーバーフロー管85、第2排水管84及び排水部57を通じて外部に排出される。
また、第2排水管84には、この第2排水管84よりも細径のエア抜き管86が接続されている。このエア抜き管86は、排水時に排水弁ユニット81内の空気を外部に排出するためのものであり、このエア抜き管86の先端が水受け皿42よりも十分高い位置となるように配置されている。
この図5を参照して、気液接触部材53に対する電解水の供給について説明する。
空気除菌装置1の運転操作がなされると、貯留部42Bの水位が検出され、この水位が所定水位に達していない場合には、給水弁61が開放して水受け皿42に水道水が供給され、この水受け皿42の貯留部42Bの水位が所定水位に達する。
貯留部42B内の水は循環ポンプ44によって汲み上げられて、その一部が電解槽46に供給される。この電解槽46には、図5(B)に示すように、一方が正、他方が負となる対の電極47、48を備え、これら電極47、48間に電圧を印加することにより、電解槽46に流入した水道水が電気分解されて活性酸素種を含む電解水が生成される。ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、或いは過酸化水素といった、いわゆる狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった、いわゆる広義の活性酸素を含めたものとする。
電極48は、例えば、ベースがチタンで被膜層が白金、タンタル(Ta)から構成された電極板であり、アノード電極として外部電源から正電位が与えられることにより活性酸素種としてオゾンを生成する。
上記電極47をアノード電極とし、電極48をカソード電極として、外部電源から電極47及び電極48の間に電圧を印加して通電すると、カソード電極としての電極48では、水中の水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)とが下記式(1)に示すように反応する。
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) ・・・(1)
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(2)
とともに、電極47においては、水に含まれる塩素イオン(塩化物イオン:Cl-)が下記式(3)に示すように反応し、塩素(Cl2)が発生する。
2Cl-→Cl2+2e- ・・・(3)
さらに、この塩素は下記式(4)に示すように水と反応し、次亜塩素酸(HClO)と塩化水素(HCl)が発生する。
Cl2+H2O→HClO+HCl ・・・(4)
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(5)
3H2O→O3+6H++6e- ・・・(6)
2H2O→O3+4H++4e- ・・・(7)
一方、カソード電極としての電極47では、下記式(8)及び(9)に示す反応が起こり、電極反応により生成したO2 -と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H2O2)が生成される。
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) ・・・(8)
O2 -+e-+2H+→H2O2 ・・・(9)
また、電極48を正電位とするよう電極47、48間に外部電源から電圧を印加することで、電極48の側から殺菌力の大きいオゾンを、電極47の側からは過酸化水素を生成させて、これらオゾンや過酸化水素を含んだ電解水を作ることができる。
また、電極47、48によりオゾンや過酸化水素を生成させた場合、送風ファン31により吹き出された空気が気液接触部材53においてオゾンや過酸化水素と接触する。これにより、空気中に浮遊するウィルス等が不活化されるとともに、当該空気に含まれる臭気物質がオゾンや過酸化水素と反応して分解され、或いはイオン化して溶解する。従って、空気の除菌及び脱臭がなされ、清浄化された空気が気液接触部材53から排出される。
例えば、電極47に正の電位を与えて、電極47及び電極48の間に流れる電流値を、電流密度で20mA(ミリアンペア)/cm2(平方センチメートル)とすると、所定の有利残留塩素濃度(例えば1mg(ミリグラム)/l(リットル))を発生させる。また、電極47、電極48の間に印加する電圧を変更して、電流値を高くすることで、電解水中の次亜塩素酸の濃度を高い濃度にすることができる。電解水中におけるオゾンもしくは過酸化水素についても、上記と同様に、電極48に正の電位を与えて、電極47及び電極48の間に流れる電流値を高くすれば、電解水中のオゾンもしくは過酸化水素の濃度を高くできる。
ここで、薬剤としては食塩または食塩水を用いることができる。例えば、電解槽46中の食塩水の濃度を2〜3%(重量パーセント)程度に調整すれば、電解槽46において食塩水を電気分解することにより次亜塩素酸もしくは過酸化水素を含んだ電解水(0.5〜1%)を生成できる。この構成によれば、電解槽46に導入される水中のイオン種が希薄な場合でも、食塩または食塩水を添加することにより、イオン種を増加させて、水の電気分解時に、高効率に安定して活性酸素種を生成できる。
図6は、空気除菌装置1の制御系の構成を示す機能ブロック図である。この図に示すように、上述したファンモータ90や循環ポンプ44、排水弁83の他、オートルーバー20を開閉させるルーバー駆動モータ91、及び、上記各部に電源を供給する電源部92のそれぞれが制御部100に接続されており、制御部100の制御に従って動作する。この制御部100には、操作パネル94に配設された各種スイッチやインジケータランプ等が接続されるとともに、水受け皿42の第1フロートスイッチ(FS)43A及び第2フロートスイッチ(FS)43B、電極47、48及び、電解槽46内の水位を検出する電解槽フロートスイッチ(FS)95が接続されている。
具体的には、マイコン101は、操作パネル94において動作開始を指示する操作が行われ、この操作を示す情報が入力部104から入力されると、マイコン101は循環ポンプ44を動作させて水の循環を開始させるとともに、電極47、48に電圧を印加して電解水を生成させる。さらに、マイコン101はルーバー駆動モータ91を動作させてオートルーバー20を開状態にさせ、その後、ファンモータ90の動作を開始させて、送風ファン31による送風を開始させる。以上の一連の動作により、空気除菌装置1の空気除菌運転が開始される。この空気除菌運転の開始に伴って、マイコン101は、出力部105によって運転中であることを示す表示を行わせる。
さらに本実施形態では、この水交換運転時に、気液接触部材53を含む電解水の循環経路を清浄に維持するための洗浄動作を実行する。以下、この水交換運転を中心として、空気除菌装置1の動作について説明する。
マイコン101は、操作パネル94における操作により運転開始が指示されると、上述したように空気除菌装置1の各部を制御して、空気除菌運転を開始する(ステップS1)。この空気除菌運転の開始に伴い、マイコン101は、タイマカウンタ103による累積運転時間Tのカウントを開始させる(ステップS2)。
水交換運転の開始に伴い、マイコン101は、出力部105を制御して操作パネル94のインジケータランプなどにより水交換運転の開始を報知し(ステップS11)、通常の空気除菌運転を停止させる(ステップS12)。次いでマイコン101は、後述する洗浄動作回数カウンタのカウンタ値Nを「0」に初期化し(ステップS13)、水受け皿42の水を交換すべく排水弁83を開放し、水受け皿42内の水を外部へ排出させる(ステップS14)。このとき、マイコン101は、出力部105を制御して操作パネル94のインジケータランプなどにより排水中であることを報知する。
マイコン101は、水受け皿42の第1フロートスイッチ43Aがオンに切り替わると(ステップS15;Yes)、排水弁83を閉鎖させ、排水を完了する(ステップS16)。
上記のように、水受け皿42の第2フロートスイッチ43Bは貯留部42Bの水位が所定の上限水位を上回るとオンに切り替わる。マイコン101は、第2フロートスイッチ43Bがオンに切り替わると(ステップS18;Yes)、水受け皿42に通常運転(空気除菌運転)に必要な十分な水が貯留された事を示すため、給水弁61を閉鎖させ給水を完了する(ステップS19)。以上の処理により、水受け皿42に貯留する水の交換が完了する。
そこで、上記ステップS21では、電解槽46における通電を開始するが、オートルーバー20は閉状態のままであり、かつ、ファンモータ90は停止したままにされる。これにより、オゾンの臭気が空気除菌装置1の外に漏れることは殆ど無く、空気除菌装置1の設置室内の環境を快適に保つことができる。
これにより、上述のように循環経路の各部を洗浄できることと合わせ、各部の清掃及びメンテナンスの頻度を大幅に減らすことができ、メンテナンスに係る労力及び費用の負担を大幅に軽減できる。
次いで、マイコン101は、洗浄動作回数カウンタのカウンタ値Nを「1」だけインクリメントし(ステップS30)、このカウンタ値Nが洗浄動作回数閾値Nth以上になったか否かを判断する(ステップS31)。
本実施形態では、気液接触部材53が含む水の硬度、すなわち、洗浄動作後に水受け皿42に貯まった水の硬度が所定値以下になる洗浄動作回数が実験等により予め求められ、上記洗浄動作回数閾値Nthとして設定されている。なお、洗浄動作後に水受け皿42に貯まった水の硬度が所定値以下になる洗浄動作回数は、水道水の硬度が高いほど多くなり、また、水道水の硬度は地域や国によって異なり、特に、欧州は他国よりも水道水の硬度が高い傾向にある。したがって、水道水の硬度ごとに上記洗浄動作回数閾値Nthが予め求められ、空気除菌装置1が使用される地域や国の水道水の硬度に応じた洗浄動作回数閾値Nthが空気除菌装置1に設定されている。
一方、洗浄動作回数カウンタのカウンタ値Nが洗浄動作回数閾値Nth以上の場合(ステップS31:Yes)、循環経路に残留する水道水の硬度が所定値以下となり循環経路が清浄になったことを示すため、マイコン101は、洗浄動作を終了し、通常運転を開始する(ステップS32)。
この構成により、空気除菌動作に循環的に使用した電解水ではなく、新たに給水された水で循環経路が洗浄されるため、当該循環経路の効果的な洗浄が可能となる。さらに、循環経路が清浄になるまで上記洗浄動作を繰り返し実行するため洗浄により循環経路が確実に清浄化される。
さらに、この水交換時に上記洗浄動作も併せて行われるため、電解水の清浄化と共に、循環経路の清浄化が自動的に行われる。
この構成により、洗浄動作においてオゾンを含む電解水を発生させて、循環経路を循環させることにより、気液接触部材53等の各部がオゾンの強力な酸化作用により殺菌・脱臭され、清浄な状態を保つことができる。また、電極47、48に通電する電流を制御することで、水交換運転時における活性酸素種の濃度を、通常運転時に比べて高い濃度とすれば、より高い洗浄効果が期待できる。
さらに、電極47、48の極性を反転させることにより、通常運転時にカソード電極に堆積したスケールを電極から剥離・脱落することができる。
上述した実施形態では、空気除菌装置1の累積運転時間が一定時間に達するごとに水交換運転を行い、この水交換運転時に洗浄動作を行う構成としたが、これに限らない。
すなわち、季節の変わり目等により空気除菌装置1を長期間使用しなくなる場合や、空気除菌装置1の設置場所を移動する場合等には、水受け皿42に貯留する水を排水する必要があるため、上記操作パネル94には、通常、水受け皿42に貯留する水の排水を指示する排水操作を受け付ける排水ボタンが設けられている。
そこで、操作パネル94の排水ボタンが操作された場合には、上記洗浄動作を循環経路が清浄になるまで実行した後に、水受け皿42に貯留する水を排水し、水受け皿42を空の状態にするようにしても良い。
次いでマイコン101は、ステップS41〜ステップS46の処理により、水受け皿42に貯留する電解水を排水し当該水受け皿42に水を給水し水を交換し、そして、ステップS47〜ステップS50の処理により、オゾンを発生させながら水受け皿42の水を循環させて、気液接触部材53を含む電解水の循環経路を洗浄する洗浄動作を行う。
なお、ステップS41〜ステップS46の処理は、上述した水交換運転のステップS14〜ステップS19の処理に対応し、また、ステップS47〜ステップS50の処理は、上述した水交換運転のステップ20〜ステップS23に対応するため、その詳細は省略する。
一方、洗浄動作回数カウンタのカウンタ値Nが洗浄動作回数閾値Nth以上の場合(ステップS52:Yes)、循環経路に残留する水道水の硬度が所定値以下となり循環経路が清浄になったことを示すため、マイコン101は、洗浄動作を終了する。
そして、マイコン101は、ステップS53〜ステップS55の処理を実行して、水受け皿42に貯留する水を排水する。これらステップS53〜ステップS55の処理は、上記ステップS14〜ステップS16と同様である。
さらに、マイコン101は、気液接触部材53に雑菌が繁殖するのを防止すべく、一定時間の間、送風ファン31を駆動して気液接触部材53に風を送り、当該気液接触部材53を乾燥させ(ステップS56)、処理を終了する。
以上の処理により、空気除菌装置1を長期間使用しない等の理由でユーザが排水操作をした場合に、循環経路が自動で洗浄される。また、このとき、気液接触部材53が最後に乾燥されるため、気液接触部材53での雑菌の繁殖などを防止し、悪臭の発生等を防止することができる。
また上述した実施形態では、水道管から水道水を水受け皿42に給水する給水部60を備えた構成の空気除菌装置1について説明したが、これに限らず、筐体11に対して給水タンクを着脱自在に設け、この給水タンクから水を給水する構成としても良い。
さらに、水受け皿42に貯留する水を外部に排水する排水部57を備えた構成の空気除菌装置1について説明したが、これに限らず、筐体11に対して排水タンクを着脱自在に設け、水受け皿42に貯留する水を排水タンクに排水する構成としても良い。
なお、排水タンクに排水する構成の場合、排水タンクに排水可能な水の量に制限が生じる。すなわち、洗浄動作回数閾値Nthが2以上であり、洗浄動作を複数回繰り返す場合には、1回の洗浄動作で排出する水の量を、(排水タンクの貯留可能水量)/洗浄動作回数閾値Nth以下に抑えるために、洗浄動作に水受け皿42から排水する排水量を制御する手段(例えば、排水弁83の開放時間をカウントして排水量を制御する手段)を備えることになる。
例えば、上記実施形態においては、電極47と電極48を対の電極として2対設け、各電極47、48の極性を反転させることにより、生成する電解水に含まれる活性酸素種の種類を次亜塩素酸またはオゾンもしくは過酸化水素に切り替えることとしたが、電解槽46に設ける電極の構成はこれに限定されるものではない。
さらに、上記電極は板状電極としてもよいし、棒状や他の形状であってもよい。
また例えば、上記実施形態においては、電解槽46において水道水を電気分解することにより、水道水中に含まれる塩素イオンを利用して活性酸素種を生成することとしたが、空気放電によりオゾンを生成するオゾン生成装置を備え、このオゾン生成装置により生成されたオゾンを水に溶解させて、気液接触部材53に供給する構成としてもよい。この場合のオゾン生成装置は、生成したオゾンを電解槽46に供給する構成としてもよいし、電解槽46において生成した電解水にオゾン生成装置により生成したオゾンを供給して、電解水にオゾンを溶解させる構成としてもよい。このような構成によれば、電解槽46に導入される水道水のイオン種が希薄で、水道水の電気分解によってはオゾンを生成させるのが困難な場合でも、活性酸素種としてのオゾンを含む電解水を生成して、気液接触部材に滴下または浸透させることができる。
さらに、上記実施形態において、電極47、48の極性を最初から反転させた状態として、オゾン及び過酸化水素を含む電解水を用いて、空気除菌運転を行ってもよい。この場合、電解槽46に導入される水中のイオン種が希薄であっても、問題なく空気除菌を行える。
さらに、上記実施形態では、気液接触部材53に電解水を滴下させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、気液接触部材53によって電解水を吸い上げさせる構成としてもよい。この場合、例えば電解水を貯留する水受け皿42において、気液接触部材53の下縁部が電解水の水位より下方に位置する構成とし、気液接触部材53の下部を水没させ、いわゆる毛細管現象によって電解水を吸い上げることにより、気液接触部材53に電解水を浸潤させる構成としてもよい。
11 筐体
13 吹出口
20 オートルーバー
31 送風ファン
39 電装ボックス
42 水受け皿
44 循環ポンプ
46 電解槽
47、48 電極
53 気液接触部材
57 排水部
60 給水部
83 排水弁
90 ファンモータ
94 操作パネル
100 制御部
101 マイコン
Nth 洗浄動作回数閾値
T 累積運転時間
Claims (6)
- 水を電気分解して活性酸素種を含む電解水を生成する電解ユニットと、前記電解ユニットによって生成された電解水を気液接触部材に浸潤させ、送風ファンにより前記気液接触部材に空気を送り前記気液接触部材に接触させ当該空気を除菌する空気除菌装置の洗浄方法であって、
前記電解ユニットによって生成された電解水を貯留すると共に前記気液接触部材から流下する電解水を受ける水受け皿と、前記水受け皿に貯留した電解水を汲み上げて再び前記気液接触部材に供給する循環ポンプとを設け、
前記水受け皿に貯留する電解水を排水し前記水受け皿に水を貯留すると共に、当該水を前記循環ポンプで前記気液接触部材に供給し当該気液接触部材を含む前記電解水の循環経路を洗浄する洗浄動作を、当該循環経路が清浄になるまで1又は複数回実行することを特徴とする空気除菌装置の洗浄方法。 - 請求項1に記載の空気除菌装置の洗浄方法において、
前記洗浄動作を、当該洗浄動作時に前記水受け皿に貯留する水の硬度が所定値以下になる回数だけ実行することを特徴とする空気除菌装置の洗浄方法。 - 請求項1又は2に記載の空気除菌装置の洗浄方法において、
累積運転時間が所定時間に達する毎に、
前記空気を除菌する空気除菌運転を停止し、前記洗浄動作を前記循環経路が清浄になるまで実行した後、前記水受け皿に水を貯留し前記空気除菌運転を再開する
ことを特徴とする空気除菌装置の洗浄方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の空気除菌装置の洗浄方法において、
前記水受け皿に貯留する水の排水を指示する排水操作が操作部から入力された場合に、
前記洗浄動作を前記循環経路が清浄になるまで実行した後、前記水受け皿に貯留する水を排水し、前記水受け皿を空の状態にすることを特徴とする空気除菌装置の洗浄方法。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の空気除菌装置の洗浄方法において、
前記洗浄動作の間、前記電解ユニットが備える複数の電極間に印加する極性を、前記空気を除菌する空気除菌運転時とは反転させた状態で電解水の生成を行うことを特徴とする空気除菌装置の洗浄方法。 - 水を電気分解して活性酸素種を含む電解水を生成する電解ユニットと、前記電解ユニットによって生成された電解水を気液接触部材に浸潤させ、送風ファンにより前記気液接触部材に空気を送り前記気液接触部材に接触させ当該空気を除菌する空気除菌装置において、
前記電解ユニットによって生成された電解水を貯留すると共に前記気液接触部材から流下する電解水を受ける水受け皿と、
前記水受け皿に貯留した電解水を汲み上げて再び前記気液接触部材に供給する循環ポンプとを有し、
前記水受け皿に貯留する電解水を排水し前記水受け皿に水を貯留すると共に、当該水を前記循環ポンプで前記気液接触部材に供給し当該気液接触部材を含む循環経路を洗浄する洗浄動作を、当該循環経路が清浄になるまで1又は複数回実行する洗浄制御手段を更に備えることを特徴とする空気除菌装置。
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