JP2016140548A - 空気浄化装置 - Google Patents

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【課題】除菌、脱臭性能を高め、フィルター洗浄負荷を低減することができる空気浄化装置を提供する。【解決手段】空気浄化手段5の電解ユニット9は、陽イオン交換膜を備えた電気分解装置であって、酸性の電解水とアルカリ性の電解水を生成するものであり、フィルター部10は、回転軸13を備えた中空円筒状のフィルター10aとこのフィルター10aの側面の一部を浸漬する貯水槽16とを備えたものであり、貯水槽16は、回転軸13に平行な二つの側面の上部にそれぞれ、フィルター10aの側面に対向し、酸性の電解水を供給する第一供給路15aとアルカリ性の電解水を供給する第二供給路15bとを供えたものであり、第一供給路15aは、フィルター10aが貯水槽16内から上昇する側に、第二供給路15bは、フィルター10aが前記貯水槽16内へ水没する側に配置した。【選択図】図3

Description

本発明は、水に通電することにより得られる電解水を用いて、空気中の細菌、真菌、ウイルス、臭いなどの除去を行う空気浄化装置に関するものである。
従来のこの種の空気浄化装置の構造は、以下のようになっていた。
すなわち、水を電気分解して電解水を生成させ、この電解水をフィルター部に供給し、空気と電解水を接触させ、空気中に細菌、ウイルス、臭気等の除去を図る構成となっていた(例えば下記特許文献1)。
特開2012−052699号公報
この種の電解水を室内空気に接触させて、細菌、ウイルス、臭気などの除去を行う空気浄化装置においては、除菌・脱臭効果を高めることが求められる。
一方で、除菌・脱臭効果を高めると、装置内への負荷が増大し、フィルターの洗浄などのメンテナンス頻度も増える。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであり、除菌、脱臭性能を高めながらも、メンテナンスの負担を軽減することができる空気浄化装置を提供することを目的としている。
そして、この目的を達成するために本発明は、吸気口と吹出口とを有した本体ケースと、
前記本体ケース内には、空気浄化手段と、前記吸気口から前記空気浄化手段を介して前記吹出口までを連通する空気流路と、前記空気流路に前記吸気口から空気を送風する送風手段とを備え、前記空気浄化手段は、少なくとも電解ユニットとフィルター部とを備え、前記電解ユニットは、陽イオン交換膜を備えた電気分解装置であって、酸性の電解水とアルカリ性の電解水を生成するものであり、前記フィルター部は、回転軸を備えた中空円筒状のフィルターとこのフィルターの側面の一部を浸漬する貯水槽とを備えたものであり、前記貯水槽は、前記回転軸に平行な二つの側面の上部にそれぞれ、前記フィルターの側面に対向し、酸性の電解水を供給する第一供給路とアルカリ性の電解水を供給する第二供給路とを供えたものであり、前記第一供給路は、前記フィルターが前記貯水槽内から上昇する側に、前記第二供給路は、前記フィルターが前記貯水槽内へ水没する側に配置したものである。
そして、フィルターが前記貯水槽内の水から上昇する側に酸性の電解水が、前記フィルターが前記貯水槽内へ水没する側にアルカリ性の電解水が供給されることにより、初期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、フィルター部でフィルターが貯水槽内の水から上昇する側に酸性の電解水が、貯水槽内へ水没する側にアルカリ性の電解水が供給されることにより、フィルターに接触させる空気の除菌・脱臭効果が向上されるとともに、フィルター上に付着した有機汚れなどに対して貯水槽内での洗浄効果が向上される。よって、除菌、脱臭性能を高めながらも、フィルターの洗浄メンテナンスの負担を軽減する効果を得ることが出来る。
本発明の空気浄化装置の概略図 同空気浄化装置の概略断面を示す図 実施の形態1の空気浄化装置のAA断面によるトレイ部の概略構成を示す図 実施の形態1の空気浄化装置のフィルター部の周辺概略構成を示す図 イオン交換膜法による電気分解の概略図 pHと次亜塩素酸の存在比率図
本発明の請求項1記載の空気浄化装置は、吸気口と吹出口とを有した本体ケースと、前記本体ケース内には、空気浄化手段と、前記吸気口から前記空気浄化手段を介して前記吹出口までを連通する空気流路と、前記空気流路に前記吸気口から空気を送風する送風手段とを備え、前記空気浄化手段は、少なくとも電解ユニットとフィルター部とを備え、前記電解ユニットは、陽イオン交換膜を備えた電気分解装置であって、酸性の電解水とアルカリ性の電解水を生成するものであり、前記フィルター部は、回転軸を備えた中空円筒状のフィルターとこのフィルターの側面の一部を浸漬する貯水槽とを備えたものであり、前記貯水槽は、前記回転軸に平行な二つの側面の上部にそれぞれ、前記フィルターの側面に対向し、酸性の電解水を供給する第一供給路とアルカリ性の電解水を供給する第二供給路とを供えたものであり、前記第一供給路は、前記フィルターが前記貯水槽内から上昇する側に、前記第二供給路は、前記フィルターが前記貯水槽内へ水没する側に配置したものである。
これにより、フィルター部でフィルターが貯水槽内の水から上昇する側に酸性の電解水が、貯水槽内へ水没する側にアルカリ性の電解水が供給されることにより、フィルターに接触させる空気の除菌・脱臭効果が向上されるとともに、フィルター上に付着した有機汚れなどに対して貯水槽内での洗浄効果が向上される。よって、除菌、脱臭性能を高めながらも、フィルターの洗浄メンテナンスの負担を軽減する効果を得ることが出来る。
また、請求項2記載の空気浄化装置は、前記第一供給路の底面を前記貯水槽内へ突出させたものである。
これにより、酸性の電解水が貯水槽内へ流れる際に、酸性の電解水は、第一供給路の底面が貯水槽内に突出しているので、貯水槽内へ流れる際に、フィルターの回転方向によって、水面上方に押し上げられることとなり貯水槽内に拡散しにくくなり、pHや濃度を維持したままフィルターに接触することができる。つまり、濃度の高い酸性の電解水をフィルターに供給して、フィルターが空気と接触する部分で、主に除菌・脱臭効果が高い次亜塩素酸の存在比率が高い酸性の電解水の濃度が高くなり、除菌・脱臭効果が向上される。
また、請求項3記載の空気浄化装置は、前記空気浄化手段は、トレイと、このトレイ内に配置した、給水タンク装着部、前記電解ユニット、前記フィルター部、前記電解ユニットから前記フィルター部へ酸性の電解水およびアルカリ性の電解水を供給する第一水路および第二水路とを備え、前記第一水路と第一供給路および前記第二水路と第一供給路を接続したものである。
これにより、給水タンク装着部から供給された水を電解ユニットで酸性の電解水およびアルカリ性の電解水に電気分解し、それぞれの電解水を前記第一水路と前記第二水路を通じて第一供給路と第二供給路へ供給することができ、フィルター部でフィルターが貯水槽内の水から上昇する側に酸性の電解水が、貯水槽内へ水没する側にアルカリ性の電解水が供給されることとなる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態の空気浄化装置は、略箱形状の本体ケース1を備えている。本体ケース1の両側面には、略四角形状の吸気口2を設け、また本体ケース1の天面には、略四角形状の吹出口3を設けている。
図2に示すように、この本体ケース1内には、送風手段4と空気浄化手段5を備えている。
送風手段4は、本体ケース1の上部に設けられ、モータと、このモータにより回転する羽根車と、それらを囲むケースシングとから構成したシロッコファンである。
空気浄化手段5は、天面を開口した箱形状のトレイ6と、このトレイ6内に配置した、給水タンク装着部8、電解ユニット9、フィルター部10、電解ユニット9からフィルター部10へ酸性の電解水およびアルカリ性の電解水を供給する第一水路14aおよび第二水路14bとを備えている。
トレイ6は、水を貯水できる構造となっており、本体ケース1の下部に配置され、本体ケース1から水平方向にスライドして着脱可能となっている。
給水タンク7は、本体ケース1内部の正面側に、トレイ6に内蔵される形で設置され、給水タンク装着部8から着脱可能な構造となっている。
給水タンク7は水栓11を設けたキャップ12により密閉できる構造となっている。トレイ6の給水タンク装着部8に給水タンク7を設置すると、キャップ12に設けた水栓11が解放し、水をトレイ6に供給する構造となっている。水面が水栓11まで上昇してくると、水面により水栓11が閉じて給水タンク7が密閉され、水の供給が停止し、常に一定量の水を供給することができる。
そして、図3、4に示すように、電解ユニット9は、少なくとも一対の電極であるアノード9aとカソード9cと、陽イオン交換膜9bとによって構成された電気分解装置である。これらの電極がトレイ6内の水に浸かるように設置されている。
トレイ6内の塩化物イオンを含む水を貯水しておき、これらの電極に通電することにより電気分解することができ、次亜塩素酸を含む電解水を生成することとなる。塩化物イオンを含む水は、例えば、水道水に塩化ナトリウムを溶解させた水を用いることができる。
また、トレイ6内は、アノード9aと陽イオン交換膜9bとカソード9cを平行に配置して、陽イオン交換膜9bによって仕切られた第一水路14aと第二水路14bとを形成している。第一水路14aは、アノード9aと陽イオン交換膜9bによって分けられた領域から、第二水路14bは、カソード9cと陽イオン交換膜9bによって分けられた領域から、それぞれフィルター部10へ電解水を供給するように設けられている。
また、フィルター部10は、回転軸13を備えた中空円筒状のフィルター10aと、フィルター10aの最下部を中心に側面の一部を浸漬する貯水槽16とを備えたものである。
フィルター10aには側面部を空気が流通可能な孔を備えており、側面の一部を順次トレイ6の電解水に浸漬できるように、トレイ6に回転自在に内蔵されている。
また、貯水槽16はフィルターの回転軸13に平行な二つの側面の上部に、フィルター10aの側面に対向した第一供給路15aと第二供給路15bをそれぞれ備えている。つまり、第一供給路15aは、フィルター10aが貯水槽16内から上昇する側に、第二供給路15bは、フィルター10aが貯水槽16内へ水没する側に配置している。
そして、第一水路14aと第一供給路15aおよび第二水路14bと第二供給路15bを接続されている。
なお、トレイ6およびフィルター部10を構成する材料としては、電解水に反応性の少ない材料、即ち、電解水による劣化が少ない材料、例えばポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、PET(ポリエチレン・テレフタラート樹脂)、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)、セルロース系材料又はセラミック系材料等が使用され、本実施例では、ポリエステルが採用される。
以上の構成において、空気浄化装置の動作を説明する。
給水タンク7により水道水がトレイ6内に供給される。このときユーザーにより、塩化ナトリウムが同時にトレイ6に投入される。電解ユニット9において通電されると、主には図5に示すような電気分解反応をして、アノード9a側では主に次亜塩素酸を含む酸性の電解水となり、カソード9c側ではアルカリ性の電解水が生成される。また、電解水には活性酸素種も含まれている。
ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシラジカル、或いは過酸化水素といった所謂狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった所謂広義の活性酸素を含むものである。
アノード9a側の酸性電解水とカソード9c側のアルカリ性電解水は、それぞれ第一水路14aと第二水路14bを別々に通り、酸性の電解水は第一供給路15aからフィルター10aが貯水槽16内から上昇する側へ供給され、フィルター10aに浸み込むことで、室内空気と接触する。アルカリ性の電解水は、第二供給路15bからフィルター10aが貯水槽16内へ水没する側へ供給され、貯水槽16内でフィルター10aの水没した直後の側面をアルカリ性にする。
ここで、次亜塩素酸とpHの関係を図6にて説明する。
図6は次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの存在比率とpHとの関係を示している。
縦軸は次亜塩素酸の比率であるため、曲線の下側が次亜塩素酸の比率で、上側は次亜塩素酸イオンの比率を示している。
文献「Morris, J. C.: J. Phys. Chem., 70, 3798(1966)」によると、次亜塩素酸の酸解離定数は、pKa=7.5(25℃)であり、pH=5では次亜塩素酸の存在比率が95%以上、pH=10では次亜塩素酸イオンの存在比率が95%以上となる、ということが知られている。
また、文献「Fukuzaki, S.: Biocontrol Sci., 11, 147(2006)」によると、次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンでは、脱臭・除菌、洗浄効果に違いがあり、除菌・脱臭には次亜塩素酸が、洗浄には次亜塩素酸イオンが効果を発揮しやすい、ということが知られている。
すなわち、電解水中のpHが酸性であれば、除菌・脱臭に効果的な次亜塩素酸の比率が高くなり、逆に電解水中のpHがアルカリ性であれば、洗浄効果の高い次亜塩素酸イオンの比率が高くなる。
そこで、フィルター10aの貯水槽16内から上昇する側は、主に酸性電解水を浸み込ませており、送風手段4が吸気口2から吸気した室内空気を貯水槽16内から上昇した部分に送風することで、空気中の細菌、真菌(カビ)、ウイルス、臭い成分などは、フィルター部10上で、分解、不活化がなされる。そして、分解、不活化によって浄化された空気が、吹出口3から室内に供給されることになる。
また、フィルター10aの貯水槽16内へ水没する側には、アルカリ性電解水を供給して、アルカリ性電解水が貯水槽16内に溜まりやすくしているため、アルカリ性電解水によって有機汚れなどをフィルター10aから取り除くなどの効果を発揮し、フィルター部10の洗浄をすることになる。
特に、第一供給路15aの底面17aが貯水槽16内へ突出していることが望ましい。
こうすることで、酸性の電解水が貯水槽16内へ流れ込む際に、酸性の電解水は貯水槽16内へ突出した底面17aによって遮られ、さらにフィルターの回転方向によって、水面16aを上方に押し上げられることとなり貯水槽内へ拡散しにくくなる。これにより、供給して酸性の電解水は、pHと濃度を維持したままフィルターに接触させることができる。つまり、濃度の高い酸性の電解水をフィルターに供給し、フィルターが空気と接触する部分で、主に除菌・脱臭効果が高い次亜塩素酸の存在比率が高い酸性の電解水の濃度が高くなり、除菌・脱臭効果が向上される。
また、上記貯水槽16内へ突出した底面17aの先端は、フィルターの回転方向に屈曲していてもよく、この場合はフィルターの回転方向の逆側へ電解水が流れにくくなることで、酸性の電解水は、pHと濃度を維持したままフィルター10aに接触させることがさらに容易にできるので、除菌・脱臭効果が向上される。
また、第二供給路15bの底面17bが貯水槽16内へ突出してもよく、加えて底面17bの先端がフィルターの回転方向に屈曲していることで、アルカリ性電解水のpHと濃度を維持したまま水没していくフィルター10aに接触させることができるので、フィルター洗浄効果が向上される。
以上のように、本実施例によれば、除菌、脱臭性能を高め、フィルターメンテナンス負荷を低減することができる空気浄化装置を提供することができる。
家庭用や事務用、公共空間などの、除菌・脱臭などの空気浄化装置としての活用が期待されるものである。
1 本体ケース
2 吸気口
3 吹出口
4 送風手段
5 空気浄化手段
6 トレイ
7 給水タンク
8 給水タンク装着部
9 電解ユニット
9a アノード
9b 陽イオン交換膜
9c カソード
10 フィルター部
10a フィルター
11 水栓
12 キャップ
13 回転軸
14a 第一水路
14b 第二水路
15a 第一供給路
15b 第二供給路
16 貯水槽
17a 底面
17b 底面

Claims (3)

  1. 吸気口と吹出口とを有した本体ケースと、前記本体ケース内には、空気浄化手段と、前記吸気口から前記空気浄化手段を介して前記吹出口までを連通する空気流路と、前記空気流路に前記吸気口から空気を送風する送風手段とを備え、前記空気浄化手段は、少なくとも電解ユニットとフィルター部とを備え、前記電解ユニットは、陽イオン交換膜を備えた電気分解装置であって、酸性の電解水とアルカリ性の電解水を生成するものであり、前記フィルター部は、回転軸を備えた中空円筒状のフィルターとこのフィルターの側面の一部を浸漬する貯水槽とを備えたものであり、前記貯水槽は、前記回転軸に平行な二つの側面の上部にそれぞれ、前記フィルターの側面に対向し、酸性の電解水を供給する第一供給路とアルカリ性の電解水を供給する第二供給路とを供えたものであり、前記第一供給路は、前記フィルターが前記貯水槽内から上昇する側に、前記第二供給路は、前記フィルターが前記貯水槽内へ水没する側に配置した空気浄化装置。
  2. 前記第一供給路の底面は前記貯水槽内へ突出させた請求項1記載の空気浄化装置。
  3. 前記空気浄化手段は、トレイと、このトレイ内に配置した、給水タンク装着部、前記電解ユニット、前記フィルター部、前記電解ユニットから前記フィルター部へ酸性の電解水およびアルカリ性の電解水を供給する第一水路および第二水路とを備え、前記第一水路と第一供給路および前記第二水路と第一供給路を接続した請求項1から2記載の空気浄化装置。
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