JPH06292575A - 新規セルラーゼ - Google Patents

新規セルラーゼ

Info

Publication number
JPH06292575A
JPH06292575A JP5083489A JP8348993A JPH06292575A JP H06292575 A JPH06292575 A JP H06292575A JP 5083489 A JP5083489 A JP 5083489A JP 8348993 A JP8348993 A JP 8348993A JP H06292575 A JPH06292575 A JP H06292575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cellulase
activity
cmc
optimum
protease
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5083489A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Suzumatsu
淳 凉松
Yoshiyo Hashida
佳代 橋田
Takaaki Watanabe
高明 渡邉
Naoto Yamada
直人 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP5083489A priority Critical patent/JPH06292575A/ja
Publication of JPH06292575A publication Critical patent/JPH06292575A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 プロテアーゼ耐性を有し、広い基質特異性を
有する新規セルラーゼS−1。 【効果】 本発明のセルラーゼは、プロテアーゼ存在下
で洗浄効果を発現することができるため、衣料用洗浄剤
用添加酵素等として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なセルラーゼに関
し、詳細にはプロテアーゼ耐性及び広い基質特異性を示
す新規セルラーゼS−1に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維素分解酵素(セルラーゼ)の開発
は、従来、バイオマス資源の有効利用を一大目標として
進められており、トリコデルマ属、フミコーラ属等の糸
状菌を中心に、シュウドモナス属、バチルス属等の細
菌、更に、ストレプトコッカス属、アクチノマイセス属
等の放線菌を供給源とするセルラーゼが報告されてい
る。しかしながら、作用特異性や物理化学的諸性質等、
その実態は未だ明確にされたとは言い難い。
【0003】上記セルラーゼのうち、カルボキシメチル
セルロース(CMC)に対する作用が特に高いものをC
MCaseと称するが、近年、このCMCaseの衣料
用洗浄剤への利用が、産業的用途として年々大きくなっ
ている(特公昭59−49279号公報、特公昭60−
23158号公報、特公昭60−36240号公報)。
【0004】衣料用洗浄剤組成物として使用しうるセル
ラーゼを生産する方法として、バチルス属に属する好ア
ルカリ性細菌を培養して培地よりセルラーゼAを採取す
る方法(特公昭50−28515号公報)、セルロモナ
ス属に属する好アルカリ性細菌を培養してアルカリセル
ラーゼ301−Aを生産する方法(特開昭58−224
686号公報)、好アルカリ性バチルスNo.1139
を培養してカルボキシメチルセルラーゼを生産する方法
(Horikoshiら、J.Gen.Microbi
ol.,131巻、3339頁、(1985))、スト
レプトマイセス属の一種を用いてアルカリセルラーゼを
生産する方法(特開昭61−19483号公報)、好ア
ルカリ性細菌の一種バチルス・エスピー KSM−63
5(Bacillus sp.KSM−635)を培養
してアルカリセルラーゼK等を生産する方法(特開昭6
3−109776〜109778号公報)、バチルス属
細菌を培養してアルカリ耐性セルラーゼK−522又は
K−588を生産する方法(特開昭64−37285号
公報、特開昭64−37286号公報)等のいわゆるア
ルカリ耐性セルラーゼを生産する方法が報告されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のセルラーゼはタンパク質分解酵素であるプロテアーゼ
に対する耐性を有しておらず、そのために、例えば、プ
ロテアーゼが配合された液体衣料用洗剤に同時に配合す
ることができなかった。また、プロテアーゼ耐性を有し
ていても、酵素活性等の点で満足できるものではなかっ
た。従って、プロテアーゼ耐性を有し、衣料用洗浄剤に
プロテアーゼとともに配合して洗浄効果を高め得る新規
なセルラーゼを新たに提供することが要望されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、界面活性
剤耐性及びプロテアーゼ耐性を有するセルラーゼを生産
する微生物を自然界に求め、鋭意探索を続けた結果、今
般、茨城県鹿島郡周辺の土壌より採取したストレプトマ
イセス属に属する微生物が新規なプロテアーゼ耐性セル
ラーゼを生産すること及び該セルラーゼを更に精製する
とその主成分として新規なセルラーゼが得られることを
見いだし、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、新規セルラーゼS−
1を提供するものである。
【0008】本発明のセルラーゼS−1は、上記のスト
レプトマイセス属に属する微生物であるストレプトマイ
セス・エスピー KSM−26の培養物から分離され
る。以下に、このストレプトマイセス・エスピー KS
M−26の菌学的性状を示す。なお、以下に記載の菌学
的性質の試験及び分類方法は、「特許庁編産業別審査基
準応用微生物工業」、「放線菌の同定実験法」(日本放
線菌学会編)及び「微生物の化学分類実験法」(駒形和
夫編)に基づいて行った。
【0009】(a)形態 胞子形成菌糸の分岐法は、単純分岐、車軸分岐の何れも
見られる疑似輪生分岐であり、菌糸の形態はループ状及
び螺旋状である。胞子の数は10胞子以上で、胞子表面
は平滑、大きさは短径約0.5μm 、長径1.2〜1.
4μm の楕円型である。鞭毛胞子、胞子嚢はない。胞子
柄の着生位置は気菌糸上である。
【0010】(b)培地における生育状態 表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】(c)生理学的性質 (1)生育温度範囲:20〜40℃。 (2)ゼラチンの液化(グルコース、ペプトンゼラチン
培地):20℃及び28℃の何れの培地でも液化はみら
れなかった。 (3)スターチの加水分解(スターチ寒天培地):分解
する。 (4)脱脂牛乳の凝固、ペプトン化(脱脂牛乳培地):
30℃で培養したが、凝固後ペプトン化が見られた。 (5)メラニン様色素の生成(チロシン寒天培地及びペ
プトン・イースト鉄寒天培地):生成する。
【0013】(d)炭素源の同化性(プリドハム・ゴド
リーブ寒天培地)(++:良好 +:普通)
【表2】 L−アラビノース ++ D−キシロース ++ D−グルコース ++ D−フラクトース + シュークロース ++ イノシトール ++ L−ラムノース ++ ラフィノース ++ D−マンニット ++
【0014】KSM−23株は、形態学的に放線菌の特
徴を有する。また、細胞壁にL−L−ジアミノピメリン
酸を含むこと、基生菌糸を通常分断せずによく発達する
こと、菌核、分生子殻、胞子嚢を形成しないこと、気菌
糸に長い分節胞子を作り、胞子柄は疑似輪生分岐である
ことから、清野、長谷川らの細胞壁を主とする検索式に
従えば、ストレプトマイセス属と同定できる。
【0015】更に、オートミール寒天培地での気菌糸の
色が赤色系であり、胞子鎖は、ループ状及び螺旋状、胞
子表面は平滑であること、可溶性色素は生成しないが、
メラニン様色素は生成すること及び、炭素源の同化性試
験の結果から野々村、或いはクウェスターの検索式に従
って検索すると、本菌株はストレプトマイセス属の新菌
株と同定されることから、ストレプトマイセス・エスピ
ー KSM−26と命名した。なお、本菌株は、FER
M P−13548として工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託されている。
【0016】本発明のセルラーゼS−1を製造するに
は、ストレプトマイセス・エスピーKSM−26を培養
し、その培養物からセルラーゼS−1を採取すればよ
い。
【0017】上記の菌株を用いて本発明のセルラーゼS
−1を得るには、適当な培地に該菌株を接種し、常法に
従って培養すればよい。培養培地としては、資化し得る
窒素源と炭素源を適宜組み合わせて配合したものが使用
される。この炭素源及び窒素源については、特に制限は
ない。例えば、窒素源としては、硝安、硫安、塩安、リ
ン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、コーングルテンミー
ル、大豆粉、コーンスチープリカー、カザミノ酸、酵母
エキス、ファーマメディア、イワシミール、肉エキス、
ペプトン、ハイプロ、アジパワー、コーンソイビーンミ
ール、コーヒー粕、綿実油粕、カルチベータ、アジック
ス、ゼスト、グルタミン酸ソーダなどが、また、炭素源
としては、籾殻、ふすま、濾紙、一般紙類、おが屑等の
植物繊維質、廃糖蜜、転化糖、カルボキシメチルセルロ
ース(CMC)、アビセル、セルロース綿、キシラン、
ペクチン、リボース、アラビノース、キシロース、グル
コース、マンノース、フラクトース、ガラクトース、乳
糖、麦芽糖、しょ糖、トレハロース、マンニット、グリ
セリン、澱粉、酢酸、クエン酸などが挙げられる。その
他に、リン酸、Mg2+、Ca2+、Mn2+、Zn2+、Co2+、Na+
K+ などの無機塩や、必要であれば、無機・有機微量栄
養源を添加することもできる。
【0018】培養物からの目的物であるセルラーゼS−
1の採取及び精製は、一般の酵素の採取及び精製の手段
に準じて行うことができる。すなわち、例えば培養物を
遠心分離、濾過等によって菌体を分離し粗酵素液を得る
ことができる。この粗酵素液はそのまま使用することも
できるが、必要に応じて、例えば、塩析法、溶媒沈澱法
(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)によ
ってタンパク質を沈澱させたり、限外濾過(例えば、旭
化成工業社製、分画分子量1.3万)により濃縮後、凍
結乾燥により、粗酵素粉末とすることができる。具体的
には塩析法の場合、例えば、硫安(30〜50%飽和画
分)で沈澱させた後、濾過或いは遠心分離、脱塩するこ
とによってこれを凍結乾燥粉末にすることができる。脱
塩の方法としては透析又はセファデックスG−25(フ
ァルマシア社製)等を用いるゲル濾過法の一般的方法が
用いられる。更に、目的物であるセルラーゼS−1の精
製は、例えば弱酸性条件下でDEAE−トヨパールを用
いてイオン交換を行い色素を吸着させることにより行わ
れる。未吸着画分について、弱アルカリ条件下でもう一
度DEAE−トヨパールでイオン交換クロマトグラフィ
ーを行い、次にセファクリルS−200でゲル濾過を行
う。更に精製度を上げるために必要に応じて、アフィニ
ティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロ
マトグラフィー、疎水クロマトグラフィー等を利用する
ことも有効である。
【0019】かくして得られたセルラーゼS−1は、以
下に示す酵素学的性質を有する。なお、酵素活性の測定
は、以下の方法に従って行った。
【0020】酵素活性測定法 (1)CMC分解活性 反応系でのCMC(A01MC、山陽国策パルプ社製)
の終濃度が1%、リン酸緩衝液(pH7)の終濃度が40
mMとなるような基質溶液0.9mlに、適宜希釈した酵素
液0.1mlを加えて40℃、20分間反応させる。反応
後1mlのDNS溶液を加え100℃で5分間煮沸する。
煮沸後直ちに氷冷し、4mlのイオン交換水を加えた後、
535nmの吸光度を測定する。同時にグルコースの検量
線を測定し、酵素力価は、上記の条件下で1分間に1μ
mol のグルコースに相当する還元糖を生成する酵素量を
1単位とした。
【0021】(2)p−ニトロフェニルセロビオシド分
解活性 反応系での基質(シグマ社製)の終濃度が10mM、リン
酸緩衝液(pH7)終濃度が40mMとなるような基質溶液
0.9mlに適宜希釈した酵素液0.1mlを加えて40
℃、10分間反応させる。その後、1M Na2CO3を3ml
加えて反応を停止後、すばやく405nmの吸光度を測定
する。酵素力価は、上記の条件下で1分間に1μmol の
p−ニトロフェノールを遊離させる酵素量を1単位とし
た。
【0022】(3)p−ニトロフェニルグルコピラノシ
ド分解活性 反応系での基質(シグマ社製)の終濃度が10mM、リン
酸緩衝液(pH7)終濃度が40mMとなるような基質溶液
0.9mlに適宜希釈した酵素液0.1mlを加えて40
℃、10分間反応させる。その後、1M Na2CO3を3ml
加えて反応を停止後、すばやく405nmの吸光度を測定
する。酵素力価は、上記の条件下で1分間に1μmol の
p−ニトロフェノールを遊離させる酵素量を1単位とし
た。
【0023】(4)p−ニトロフェニルキシロピラノシ
ド分解活性 反応系での基質(シグマ社製)の終濃度が10mM、リン
酸緩衝液(pH7)終濃度が40mMとなるような基質溶液
0.9mlに適宜希釈した酵素液0.1mlを加えて40
℃、10分間反応させる。その後、1M Na2CO3を3ml
加えて反応を停止後、すばやく405nmの吸光度を測定
する。酵素力価は、上記の条件下で1分間に1μmol の
p−ニトロフェノールを遊離させる酵素量を1単位とし
た。
【0024】(5)アビセル分解活性 基質として5%アビセル(メルク社製)を用いた以外は
CMC分解活性と同様に行った。
【0025】(6)リン酸膨潤セルロース分解活性 基質として0.4%リン酸膨潤セルロースを用いた以外
はCMC分解活性と同様に行った。
【0026】(7)濾紙分解活性 基質として0.1%濾紙を用いた以外はCMC分解活性
と同様に行った。
【0027】酵素学的性質 (1)作用 CMCによく作用し、これらを溶解せしめ、還元糖を生
成する。
【0028】(2)基質特異性 CMCのほか、p−ニトロフェニルセロビオシド、キシ
ラン及びリケナンに対して明らかに強い分解能を有する
ことがわかった。また、濾紙、リン酸膨潤セルロース、
カードラン及びラミナリンに対しても若干の活性を有す
る。しかし、アビセル等、結晶質繊維に対する分解活性
は有していない。
【0029】(3)作用pH及び至適pH CMCを基質とした場合の作用pHは4〜10、至適pHは
6.8であった。pH5.5〜8.0において、至適pHで
の活性の50%以上の活性を有する(図1)。
【0030】(4)pH安定性 40℃、2時間処理した場合、pH4.5〜8.0で失活
しない(図2)。
【0031】(5)作用温度及び至適温度 40mM、pH7のリン酸緩衝液中で作用温度を測定した結
果、CMCを基質とした場合の作用温度は20〜70
℃、至適温度は50℃であった。30〜60℃において
も至適温度での活性の50%以上の相対活性を有する
(図3)。
【0032】(6)温度安定性 40mM、pH7のリン酸緩衝液中で、30分間各温度で処
理した場合、0〜45℃の間で安定である(図4)。
【0033】(7)界面活性剤の影響 アルキルスルホン酸ナトリウム塩(SAS)、アルキル
硫酸エステルナトリウム塩(AS)又はポリオキシエチ
レンアルキル硫酸ナトリウム塩(ES)の10%水溶液
とともに40℃で保存した場合2週間後でも50%以上
の残存活性を有する。
【0034】(8)プロテアーゼ耐性 各種プロテアーゼ0.1%存在下で3日間で80%以上
の残存活性を有する。
【0035】(9)金属イオンの影響 2mM各種金属イオンを加え、その影響を検討した結果、
Sn2+、Fe2+、Cu2+、Zn 2+及びHg2+により阻害され、Co2+
により活性化された。
【0036】(10)分子量 セファクリルS−200によるゲル濾過法及びSDS電
気泳動法にて22,000±2,000の分子量を有す
る。
【0037】(11)中性糖の含量 フェノール硫酸法では、発色は認められない。
【0038】
【発明の効果】本発明の新規セルラーゼS−1は、ほと
んど糖を含有していないにも拘わらず、極めて強いプロ
テアーゼ耐性を示す。更に、基質特異性に関しては、従
来のセルラーゼと比較して非常に作用範囲が広く、より
天然に近いセルロース(濾紙、リン酸膨潤セルロース)
にも作用する。
【0039】また、pH7付近に至適pHを有しているが、
作用pHは4〜10であり、アルカリ側でも作用すること
が認められ、広範囲で極めて安定である。
【0040】従って、本発明のセルラーゼは、プロテア
ーゼ存在下で洗浄効果を発現することができるため、衣
料用洗浄剤用添加酵素その他に有効に利用することがで
きるものである。
【0041】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】実施例1 茨城県鹿島郡周辺の採取土壌約1gを1%NaCl含有滅菌
水5mlに懸濁し、攪拌静置後、その上清をスクリーニン
グ用CMC含有寒天培地(培地1)に塗布し、30℃で
2〜7日培養後、ハローを形成したコロニーを選出し、
セルラーゼ生産菌を取得した。取得菌は、肉眼的及び、
顕微鏡的に単一になるまで単集落分離を繰り返すと、純
粋な分離菌を得ることができた。更に得られた菌を液体
培地(培地2)に接種し、30℃、3日間振とう培養し
た。培養後、遠心分離した上清液に、1%ES、サビナ
ーゼ(ノボ社製)を1AU/mlとなるように添加し、4
0℃にて保存し、pH9におけるCMCase活性の残存
活性を測定し、プロテアーゼ耐性セルラーゼ生産菌を選
択した。上記の方法により、本発明のストレプトマイセ
ス・エスピー KSM−26(FERM P−1354
8)を取得することができた。
【表3】 培地1 CMC含有寒天培地(HA−Agar) CMC 3% 腐植酸 0.1% KH2PO4 0.2% MgSO4・7H2O 0.05% NaCl 0.1% Agar 1% 培地2 CMC 1% ポリペプトン 0.1% 酵母エキス 0.05% KH2PO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.02%
【0043】実施例2 実施例1で得たストレプトマイセス・エスピー KSM
−26を、実施例1の培地2においてCMCに代えて3
%ふすまを、ポリペプトンに代えて0.5%硝酸を用い
た液体培地に接種し、30℃、3日間、通気量0.5vv
m 、攪拌数200rpm で30l発酵槽により培養した。
培養後、フィルタープレスにより、菌体及び不溶物を除
き、粗酵素液を得た。この粗酵素15lを限外濾過(旭
化成工業社製、分画分子量6,000)により濃縮、脱
塩を行い、1lの粗酵素液を得た。更に、凍結乾燥を行
い、乾燥粉体としたものをセルラーゼS−1を精製する
際の出発物質とした。
【0044】実施例3 実施例2で得られた乾燥粉体(比活性10.8KU/mg
タンパク)について以下の手順で精製を行った。乾燥粉
体5gを500mlの0.02mMリン酸緩衝液(pH6)に
溶解し、9,000×gで10分間遠心分離後、上清
を、同溶液で平衡化したDEAEトヨパール650Mに
よる陰イオン交換クロマトグラフィーに付した。この操
作による未吸着画分を凍結乾燥し、DEAEトヨパール
650M(pH8.5)で再度クロマトグラフィーに付し
た後、未吸着画分を分取、凍結乾燥し、次にセファクリ
ルS−200でゲル濾過を行った。その結果、セルラー
ゼS−1(136.3KU/mg)を分離することができ
た。
【0045】実施例4 実施例3で得られたセルラーゼS−1及び特開昭63−
109777号公報記載のCMCアーゼIについて、種
々の基質に対する酵素活性を、pH7のリン酸緩衝液を用
いて測定した。その結果、表4に示したように、セルラ
ーゼS−1は、CMCのほかにp−ニトロフェニルセロ
ビオシド、キシラン及びリケナンに対して明らかに高い
分解能を有し、濾紙、リン酸膨潤セルロース、カードラ
ン及びラミナリンに対しても活性を示した。また、アビ
セルに対しては、全く分解能を有していない。この結果
から明らかなように、本発明のセルラーゼS−1は、C
MCアーゼIに比較して広い基質特異性を有している。
【0046】
【表4】
【0047】実施例5 実施例3で得られたセルラーゼS−1について、プロテ
アーゼ耐性を測定した。トリプシン(シグマ社製)、サ
ビナーゼ(ノボ社製)を終濃度で0.1%となるように
添加し、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)中で40℃
で保存した。この結果を表5に示す。
【0048】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】セルラーゼS−1の酵素反応pHと相対活性の関
係を示す図である。
【図2】セルラーゼS−1の処理pHと相対活性の関係を
示す図である。
【図3】セルラーゼS−1の反応温度と相対活性の関係
を示す図である。
【図4】セルラーゼS−1と処理温度と相対活性の関係
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 直人 茨城県鹿島郡波崎町土合本町1−8762−23 花王土合社宅1−201

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の物理化学的性質を有するセルラーゼ
    S−1。 (1)作用 カルボキシメチルセルロース(CMC)によく作用し、
    これらを溶解せしめ、還元糖を生成する。 (2)基質特異性 CMCのほか、キシラン、リケナン及びp−ニトロフェ
    ニルセロビオシドに対して非常によく作用し、また濾
    紙、リン酸膨潤セルロース、カードラン及びラミナリン
    に対しても若干作用する。 (3)作用pH及び至適pH CMCを基質とした場合の作用pHは4〜10、至適pHは
    6.8である。pH5.5〜8.0において、至適pHでの
    活性の50%以上の活性を有する。 (4)pH安定性 40℃、2時間処理した場合、pH4.5〜8.0で失活
    しない。 (5)作用温度及び至適温度 CMCを基質とした場合の作用温度は20〜70℃、至
    適温度は50℃である。30〜60℃においても至適温
    度での活性の50%以上の相対活性を有する。 (6)温度安定性 pH7.0、30分間処理した場合、0〜45℃の間で安
    定である。 (7)界面活性剤の影響 アルキルスルホン酸ナトリウム塩(SAS)、アルキル
    硫酸エステルナトリウム塩(AS)又はポリオキシエチ
    レンアルキル硫酸ナトリウム塩(ES)の10%水溶液
    とともに40℃で保存した場合2週間後でも50%以上
    の残存活性を有する。 (8)プロテアーゼ耐性 プロテアーゼ存在下で3日間で80%以上の残存活性を
    有する。 (9)金属イオンの影響 Sn2+、Fe2+、Cu2+、Zn2+及びHg2+により阻害され、Co2+
    により活性化される。 (10)分子量 22,000±2,000(セファクリルS−200に
    よるゲル濾過法及びSDS電気泳動法による)。 (11)糖の含量 フェノール硫酸法では、発色は認められない。
  2. 【請求項2】 ストレプトマイセス・エスピー KSM
    −26(FERMP−13548)の培養物より分離取
    得されたものである請求項1記載のセルラーゼS−1。
JP5083489A 1993-04-09 1993-04-09 新規セルラーゼ Pending JPH06292575A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5083489A JPH06292575A (ja) 1993-04-09 1993-04-09 新規セルラーゼ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5083489A JPH06292575A (ja) 1993-04-09 1993-04-09 新規セルラーゼ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06292575A true JPH06292575A (ja) 1994-10-21

Family

ID=13803898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5083489A Pending JPH06292575A (ja) 1993-04-09 1993-04-09 新規セルラーゼ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06292575A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0934997A1 (de) * 1998-02-06 1999-08-11 Henkel Kommanditgesellschaft auf Aktien Cellulasehaltiges Waschmittel

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0934997A1 (de) * 1998-02-06 1999-08-11 Henkel Kommanditgesellschaft auf Aktien Cellulasehaltiges Waschmittel

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0458162B1 (en) Proteinase-resistant cellulase, micro-organism producing the same and process for producing the same
EP0468464B1 (en) Cellulase, method for producing the same and use thereof
EP0269977B1 (en) Alkaline cellulases and microorganisms capable of producing same
JP2652871B2 (ja) アルカリセルラーゼおよびその製造法
JPH06292575A (ja) 新規セルラーゼ
JPH06292576A (ja) 新規セルラーゼ
JP2509534B2 (ja) アルカリ耐性セルラ―ゼを産生する微生物
JPH0630578B2 (ja) アルカリセルラ−ゼk
JP2509538B2 (ja) アルカリ耐性セルラ―ゼを産生する微生物
JP2651577B2 (ja) アルカリセルラーゼe−▲iii▼
JPH0427387A (ja) プロテアーゼ耐性セルラーゼ、これを産生する微生物及び当該セルラーゼの製造法
JP2651576B2 (ja) アルカリセルラーゼe−▲ii▼
JP2509535B2 (ja) アルカリ耐性セルラ―ゼを産生する微生物
JPH0636737B2 (ja) アルカリセルラーゼ、これを産生する微生物及びアルカリセルラーゼの製造法
JP2929023B2 (ja) セルラーゼ及びこれを産生する微生物及びセルラーゼの製造法
JP2509537B2 (ja) アルカリ耐性セルラ―ゼを産生する微生物
JPH0632612B2 (ja) アルカリセルラ−ゼ製造法
JPH0655140B2 (ja) アルカリセルラーゼ
JPH06339370A (ja) アルカリセルラーゼを産生する微生物
JPH0787971A (ja) カルボキシメチルセルラーゼ及びこれを生産する微生物
JPH0632606B2 (ja) 新規微生物
JPS63109777A (ja) Cmcア−ゼ1
JPH0427382A (ja) 新規微生物
JPH01296980A (ja) 微生物
JPH0636738B2 (ja) アルカリセルラーゼ、これを産生する微生物及ぎアルカリセルラーゼの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees