JPH06289576A - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

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JPH06289576A
JPH06289576A JP7367093A JP7367093A JPH06289576A JP H06289576 A JPH06289576 A JP H06289576A JP 7367093 A JP7367093 A JP 7367093A JP 7367093 A JP7367093 A JP 7367093A JP H06289576 A JPH06289576 A JP H06289576A
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heat roller
drying
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晋一 松田
Yoshie Nozawa
良衛 野沢
Atsushi Ikeda
淳 池田
Takero Yamamoto
健朗 山本
Mitsuru Katsumata
満 勝俣
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒートローラによる乾燥と乾燥風による乾燥
との相関関係を考慮して両者の温度を設定すると共に、
処理量や環境条件等、乾燥効率に影響する様々な要素に
基づいて設定温度を変更して、乾燥むらのない最適な乾
燥を行う感光材料処理装置を得る。 【構成】 ヒートローラの表面温度及び乾燥風の温度の
設定値は、標準処理(例えば、30秒処理、処理量が10
00〜3000cm2/min )で、乾燥風温度T0 が55℃とさ
れ、ヒートローラ60の表面温度THRは、この乾燥風温
度T0 に基づいて得ようにしている。すなわち、ヒート
ローラ60の表面温度THRと乾燥風温度T0 との関係
は、THR=T0 +Tで表される(但し、Tは処理時間、
処理量によって変化する補正値である。)。上記標準処
理時では、T=+25℃に設定されており、この結果、
ヒートローラの表面温度THRは80℃に設定されること
になり、乾燥風温度T0 とヒートローラの表面温度THR
とに相関関係を持たせている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、処理液による処理後の
感光材料をその表面に接触するヒートローラと、乾燥風
吹出装置からの乾燥風によって乾燥処理する乾燥部を備
えた感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像が焼付けられた感光材料は、現像
液、定着液、水洗水等の処理液によって順次現像処理、
定着処理、水洗処理等が行われ、この後、乾燥部へ送り
込まれて乾燥処理される。
【0003】乾燥部では、複数のローラを千鳥状または
対向状に配列し、これらの間を処理液によって処理され
た感光材料が通過する。感光材料はその表裏面がローラ
に接触することによって、搬送力を受け搬送される。
【0004】ここで、各ローラ間には、乾燥風の吹出口
が配設されており、感光材料は、千鳥状または対向状に
配列されたローラ間を通過中に乾燥風が吹付けられて乾
燥される構成である。
【0005】ところで、近年、処理効率のアップを図る
ため、乾燥パス長を延長することなく、感光材料の搬送
速度を速めることが要求されている。これに対応するた
めに前記ローラの上流側の一部をヒートローラとし、効
率的に感光材料を加熱することにより感光材料に含まれ
る水分の蒸発を促進することが考えられている。
【0006】これにより、処理された直後の飽和水分量
を超えた感光材料は、まずヒートローラに接触すること
により蒸発が促進され、その後、多湿となった周辺雰囲
気を乾燥風によって排除するため、乾燥効率が高まり、
乾燥パス長を延長することなく、処理効率をアップする
ことができる。
【0007】ヒートローラは、通常偶数個(例えば、4
個)配設され、ローラ表面の軸方向中央部に温度センサ
を接触配置し、内部に持つハロゲンランプの点灯による
加熱温度をオン・オフ制御している。ところで、ヒート
ローラの表面温度は併用される乾燥風の温度とは全く別
に設定され、感光材料の処理時間で設定温度を変更して
いる程度である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、均一な
乾燥を行うにはヒートローラによる乾燥と乾燥風による
乾燥との間には、相関関係があり、これらのバランスが
崩れる、例えば、ヒートローラでの乾燥に寄与する度合
いが大きいほど、乾燥風による乾燥で過乾燥が生じるこ
とがある。このように、何らかの理由でヒートローラ及
び乾燥風による乾燥に寄与する要因に不均一が生じる
と、乾燥むらが発生することになり、好ましくない。
【0009】また、乾燥部による乾燥処理量が増加する
と、乾燥部内の湿度の上昇等で乾燥効率が低下すること
があるため、乾燥風の温度を上げることで補償している
が、その分、ヒータ容量を高くしておく必要があると共
にヒートローラによる乾燥とのバランスが崩れることが
あった。また、乾燥効率は、装置が設定される場所の環
境条件(温度、湿度)によって大きく左右される。
【0010】また、ヒートローラにより蒸発した水分
が、感光材料の表面に境膜となって、水蒸気層を形成す
ることがあり、この水蒸気層のために効率的な乾燥が出
来ないことがあった。
【0011】本発明は上記事実を考慮し、ヒートローラ
による乾燥と乾燥風による乾燥との相関関係を考慮して
両者の温度を設定すると共に、処理量や環境条件等、乾
燥効率に影響する様々な要素に基づいて設定温度を変更
して、乾燥むらのない最適な乾燥を行うことができる感
光材料処理装置を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、処理液による処理後の感光材料を、その表面に接触
するヒートローラと、乾燥風吹出装置からの乾燥風によ
って乾燥処理される乾燥部とを備えた感光材料処理装置
であって、前記乾燥風吹出装置をオン・オフ制御して前
記乾燥風温度を所定温度に制御する乾燥風温度制御手段
と、前記ヒートローラを加熱するヒーターと、前記ヒー
トローラの表面の設定温度を、感光材料の処理時間及び
搬送速度に基づいて設定する温度設定手段と、前記温度
設定手段で設定された設定温度を、感光材料処理量に基
づいて補正する補正手段と、前記ヒーターをオン・オフ
制御して前記ヒートローラの表面温度を前記温度設定手
段で設定され、かつ補正手段で補正された温度に制御す
るヒートローラ温度制御手段と、を有している。
【0013】請求項2に記載の発明は、処理液による処
理後の感光材料を、その表面に接触するヒートローラ
と、乾燥風吹出装置からの乾燥風によって乾燥処理され
る乾燥部とを備えた感光材料処理装置であって、前記乾
燥風吹出装置をオン・オフ制御して前記乾燥風温度を所
定温度に制御する乾燥風温度制御手段と、前記ヒートロ
ーラを加熱するヒーターと、前記ヒートローラの表面の
設定温度を、前記乾燥風の温度を基準温度とし、この基
準温度に感光材料の処理時間及び搬送速度に基づいて定
められる補正値を加減して設定する温度設定手段と、前
記ヒーターをオン・オフ制御して前記ヒートローラの表
面温度を前記温度設定手段で設定された温度に制御する
ヒートローラ温度制御手段と、を有している。
【0014】請求項3に記載の発明は、処理液による処
理後の感光材料を、その表面に接触するヒートローラ
と、乾燥風吹出装置からの乾燥風によって乾燥処理され
る乾燥部とを備えた感光材料処理装置であって、前記ヒ
ートローラの表面の設定温度及び前記乾燥風の温度を感
光材料の処理時間、処理量及び環境条件に基づいて相関
的に設定する温度設定手段と、前記ヒートローラを加熱
するヒーターと、前記乾燥風吹出装置及び前記ヒーター
をそれぞれオン・オフ制御して前記乾燥風温度及び前記
ヒートローラ表面温度を前記設定温度で設定されたそれ
ぞれの温度に制御する温度制御手段と、を有している。
【0015】請求項4に記載の発明は、乾燥風吹出装置
から乾燥風によって、前記ヒートローラの近傍にヒート
ローラの加熱によって感光材料表面に形成される水蒸気
膜を排除することを特徴としている。
【0016】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、乾燥部には、
処理液による処理が終了し、その後例えば、スクイズさ
れた後の感光材料が送り込まれる。乾燥部では、この感
光材料をヒートローラに接触させることによって、蒸発
を促進し、その後、乾燥風を吹き付けることにより、乾
燥する。
【0017】ここで、ヒートローラはヒーターを点灯す
ることにより、加熱されるが、この表面温度は感光材料
の処理時間及び搬送速度に基づいて設定される。しか
し、単位時間当りの感光材料の処理量が多くなればなる
ほど乾燥部内の湿度が高くなるため、補正手段で前記設
定されたヒートローラの表面温度を感光材料の処理量に
基づいて補正する。この補正された温度にヒートローラ
を制御することにより、感光材料の処理量に拘らず、乾
燥むらのない最適な温度で乾燥することができる。
【0018】請求項2に記載の発明によれば、ヒートロ
ーラによる乾燥と乾燥風にる乾燥との間には相関関係が
あるため、ヒートローラの設定温度を設定する場合に乾
燥風の温度を基準とする。例えば、この乾燥風の温度T
0 に補正値Tを加減することによりヒートローラ温度T
HRを求める(THR=T0 +T)。
【0019】この補正値Tは、感光材料の処理時間及び
搬送速度に基づいて定められる値であり、その範囲は、
−50≦T≦150 ℃であり、好ましくは−15≦T≦35℃で
ある。
【0020】このように、ヒートローラの温度を乾燥風
の温度に基づいて設定するため、互いに乾燥に寄与する
バランスを保つことができ、乾燥むら等仕上がりが悪化
することがない。
【0021】請求項3に記載の発明によれば、ヒートロ
ーラの表面温度と乾燥風の温度を別個に定めるのではな
く、感光材料の処理時間、処理量及び環境条件に基づい
て相関的に設定する。これにより、ヒートローラの温度
と乾燥風の温度とがバランスよく維持されるため、乾燥
効率が向上すると共に適正な乾燥状態を保つことができ
る。
【0022】請求項4に記載の発明によれば、ヒートロ
ーラによって加熱される感光材料の表面に形成される水
蒸気膜は、感光材料からの水分の蒸発を妨げる結果とな
っている。そこで、このヒートローラ近傍の雰囲気を排
除することにより、水蒸気膜の形成を防止し、ヒートロ
ーラによる蒸発を促進させる。これにより、乾燥効率が
向上する。
【0023】
【実施例】図1には、本発明が適用された感光材料処理
装置である自動現像装置10が示されている。この自動
現像装置10は、感光材料の一例であるフィルム20を
現像液、定着液及び水洗水に浸漬して処理したのち乾燥
処理するものである。
【0024】自動現像装置10は、機枠12内に処理液
処理部11及び乾燥部50が設けられている。処理液処
理部11は、現像液を貯留する現像槽14、定着液を貯
留する定着槽16、水洗水を貯留する水洗槽18を備え
ており、機枠12に設けられた挿入口15近傍に、フィ
ルム20を機枠12内に引き入れる挿入ラック17、及
び挿入されるフィルム20を検出する挿入検出センサ8
0が配設されている。挿入検出センサ80は、制御部6
4に接続されている。
【0025】処理液処理部11の現像槽14、定着槽1
6、水洗槽18内には、複数の搬送ローラ22、26、
30をそれぞれ有する搬送ラック24、28、32が、
現像液、定着液、水洗水に浸漬されて配設されている。
また、現像槽14と定着槽16との間、定着槽16と水
洗槽18との間には、それらの上部に搬送ローラ36及
びガイド38を備えたクロスオーバーラック34が配設
されている。
【0026】挿入口15から挿入されたフィルム20
は、挿入ラック17によって引き入れられ、搬送ローラ
22、26、36の回転駆動によって現像液、定着液、
水洗水に順次浸漬しながら搬送されて現像、定着、水洗
処理が行われる。
【0027】水洗槽18と乾燥部50との間には、フィ
ルム20をスクイズしながら搬送するスクイズローラ4
2とフィルム20と乾燥部50へ向けて案内するガイド
43を備えたスクイズラック40が配設されている。水
洗槽18から送り出されたフィルム20は、スクイズロ
ーラ42によって表面の水分が絞り取られながら乾燥部
50へ案内される。
【0028】なお、水洗槽18に近いスクイズローラ4
2とガイド43との部分に、現像槽14、定着槽16と
の間のクロスオーバーラック34、定着槽16と水洗槽
18とのクロスオーバーラック34と同様の構成のクロ
スオーバーラックを適用することができる。
【0029】図2に示される如く、乾燥部50には、互
いに平行に配設された一対の側板54間に掛け渡され、
フィルム20を搬送する搬送ローラ44とヒートローラ
60とが千鳥状に配列されてフィルム20の搬送路が形
成されると共にヒータ90及び乾燥ファン92(共に図
4参照)を備えた乾燥風供給部45によって発生された
乾燥風を搬送ローラ44及びヒートローラ60の近傍に
向けて噴出する吹出パイプ47が配設されている。吹出
パイプ47は、各搬送ローラ44及びヒートローラ60
間にそれぞれ独立して配設されており、これらの長手方
向一端部には、チャンバー49が設けられている。
【0030】すなわち、ヒータ及び乾燥ファンによって
発生された乾燥風は、一旦チャンバー49にストックさ
れることにより均圧とされた後、各吹出パイプ47へと
案内され、吹出パイプ47の吹出口から噴出される構成
となっている。
【0031】乾燥部50内の搬送ローラ44とヒートロ
ーラ60との配列順は、乾燥部50の上方からまず2個
の搬送ローラ44が配列され、その後4個のヒートロー
ラ60が配列され、次いで10個の搬送ローラ44が配
列されている。フィルム20は、上記のように千鳥状に
配列された搬送ローラ44及びヒートローラ60に順次
表裏面が接触しながら、搬送力を受けて下方へ向けて搬
送されると共に吹出パイプ47から噴出される乾燥風に
よって加熱乾燥される。
【0032】なお、この乾燥風はヒートローラ60の周
辺にも吹き出るような構成となっており、ヒートローラ
60の周辺の雰囲気を排除する役目を有している。この
雰囲気の排除によって、ヒートローラ60による加熱で
フィルム20から出る水蒸気が膜となって残ることがな
く、ヒートローラ60による水分の蒸発を促進すること
ができる。
【0033】ここで、図3に示される如く、ヒートロー
ラ60は、内方が空洞であり、その回転軸上には、ハロ
ゲンランプ62が配設されている。このハロゲンランプ
62を点灯することにより、ヒートローラ60が加熱さ
れる構成となっている。ヒートローラ60は、その軸部
61が軸受56を介して側板54に軸支されている。な
お、側板54には、ヒートローラ60の内方への外気の
流入を防止するカバー70が取付けられている。
【0034】乾燥部50の下部には、乾燥ターン部48
が配設されており、ヒートローラ60及び乾燥風によっ
て乾燥されたフィルム20が、この乾燥ターン部48で
斜め上方へ向けてターンされた後、受け箱52にストッ
クされる。
【0035】図4に示される如く制御部64は、マイク
ロコンピュータ110を含んで構成され、マイクロコン
ピュータ110は、CPU112、RAM114、RO
M116、入出力ポート118及びこれらを接続するデ
ータバスやコントローラバス等のバス120で構成され
ている。
【0036】入出力ポート118には、前記乾燥風発生
部45のヒータ90及びファン92がドライバ122、
124を介して接続されている。また、4個のハロゲラ
ンプ62もドライバ126を介してそれぞれ接続されて
いる。
【0037】また、入出力ポート118には、各ハロゲ
ンランプ62が収容されるヒートローラ60の周面の温
度を検出する温度センサ128並びに乾燥風の温度を検
出する乾燥風温度センサ132が接続されると共に挿入
検出センサ80が接続されている。
【0038】この温度センサ128及び乾燥風温度セン
サ132からの信号に基づいて、ヒートローラ60の表
面温度及び乾燥風の温度が設定値に制御されるようにな
っている。この設定値は、標準処理(例えば、30秒処
理、処理量が1000〜3000cm2/min )で、乾燥風温度T0
が55℃とされており、ヒートローラ60の表面温度T
HRは、この乾燥風温度T0 に基づいて得られるようにな
っている。すなわち、ヒートローラ60の表面温度THR
と乾燥風温度T0 との関係は、THR=T0 +Tで表され
る(但し、Tは処理時間、処理量によって変化する補正
値である。)。上記標準処理時では、T=+15℃に設
定されており、この結果、ヒートローラ60の表面温度
HRは80℃に設定されることになる。
【0039】このように、本実施例では、乾燥風温度T
0 とヒートローラ60の表面温度T HRとに相関関係を持
たせている。
【0040】さらに、入出力ポート118には、各槽及
び乾燥部50の駆動系を制御する信号線130が接続さ
れている。
【0041】以下に本実施例の作用を説明する。露光に
よって画像が記録されたフィルム20は、自動現像装置
10の挿入口15から、自動現像装置10内へ挿入され
て処理される。自動現像装置10では、挿入口15から
挿入されたフィルム20を挿入ラック17によって引き
入れて処理液処理部11の現像槽14へ送り込む。
【0042】現像槽14では、ラック24の搬送ローラ
22によって略U字状に搬送しながら現像液に浸漬して
現像処理を行う。現像槽14での処理が終了したフィル
ム20は、クロスオーバーラック34のガイド38と搬
送ローラ36によって案内搬送されて定着槽16へ送り
込まれる。定着槽16では、ラック28の搬送ローラ2
6によってフィルム20を略U字状に案内しながら搬送
して定着液に浸漬して定着処理を行う。定着槽16での
処理が終了したフィルム20は、クロスオーバーラック
34によって案内搬送されて、水洗槽18へ送り込まれ
る。水洗槽18では、ラック32の搬送ローラ30によ
ってフィルム20を水洗水に浸漬しながら搬送して、フ
ィルム20の水洗を行い、フィルムの表面から定着液成
分を除去する。
【0043】水洗処理が終了したフィルム20は、水洗
槽18からスクイズラック40のスクイズローラ42と
ガイド43に案内搬送されて処理液処理部11から乾燥
部50へ送り込まれる。このとき、フィルム20は、ス
クイズローラ42によって表面に付着している水分が除
去される。
【0044】乾燥部50では、まず、フィルム20は2
個の搬送ローラ44に表裏面が交互に接触しながら搬送
されると共に乾燥風が吹付けられる。これにより、前記
スクイズローラ42によってスクイズ仕切れずに、特に
フィルム20の搬送方向先端部又は後端部に残る水滴、
並びにフィルム20の全体に亘って不均一に残る水滴等
を比較的均一な状態にすることができる。
【0045】次に、上記搬送ローラ44及び乾燥風によ
って比較的均一に水滴が付着したフィルム20は、4個
のヒートローラ60によってその表裏面が交互に接触す
るため、蒸発が促進される。このとき、蒸発した水分が
フィルム20の表面に残り、水蒸気膜を形成して、その
後のフイルム内の水分の蒸発を妨げることがあった。し
かし、本実施例では、このヒートローラ60の近傍にも
乾燥風を吹き付けるようにしたため、蒸発した水蒸気が
排除され、水蒸気膜の形成を防止することができる。従
って、フィルム20からの蒸発が円滑になされる。この
とき、水滴むらがないため、部分的に蒸発が遅れたり、
進んだりすることがなく、フィルム20の全面に亘って
均一に蒸発が促進される。
【0046】その後、10個の搬送ローラ44によって
フィルム20を搬送しながら、乾燥風発生部45で発生
した乾燥風を吹出パイプ47からフィルム20の表裏面
に向けて噴出して、フィルム20を加熱乾燥する。フィ
ルム20は、加熱されながら搬送されて乾燥ターン部4
8に達すると、斜め上方に向けてターンされて排出さ
れ、受け箱49にストックされる。
【0047】次に、本実施例の乾燥部50における温度
制御を図5のタイムチャートに従い説明する。
【0048】図5の矢印1は、運転開始時を示してお
り、運転開始と同時に温風ヒータ90及びファン92が
作動し、所定時間t1 経過後に温風ヒータ90を定期的
にオン・オフしてほぼ55℃に保持する。このとき、乾
燥風によってヒートローラ60の表面温度は徐々に昇温
され約50℃に達する。
【0049】その後、図5の矢印2において、ハロゲン
ランプ62の点灯を開始すると、ヒートローラ60の表
面温度は急激に昇温され、図5の矢印3においてスタン
バイ温度の上限値である70℃に達する。この時点で、
ハロゲンランプ62を消灯する。
【0050】一方、図5の矢印2において、温風ヒータ
90及びファン92はオフとされ、以後、温風ヒータ9
0に関しては、乾燥風温度が40℃でオン、55℃でオ
フとされるオン・オフ制御が繰り返される。従来は、こ
の温風ヒータ90のオン・オフに連動して、ファン92
もオン・オフされていたが、本実施例では、このファン
は温風ヒータ90のオン状態では、常にオンされている
が、それ以外にもオンされるようになっている。
【0051】すなわち、ヒートローラ60の表面温度が
上限値である70℃を+2℃以上オーバーシュートした
場合、温風ヒータ90がオフであっても、ファン92を
オンにする(図5の矢印A参照)。これにより、ヒート
ローラ60の表面温度を速やかに低下させることができ
る。
【0052】ヒートローラ60は、その後、60℃(ス
タンバイ温度の下限値)と70℃との間でオン・オフ制
御が繰り返される。
【0053】次に、挿入検出センサ80によってフィル
ム20が検出されると、所定時間後(図5の矢印5の位
置)に、ヒートローラ60の表面温度及び乾燥風温度の
処理温度までの立ち上げを開始する。
【0054】ここで、挿入検出センサ80によってフィ
ルム20が検出されてからの所定時間(図5の矢印4〜
5の間)は、フィルム20の搬送速度(線速)によって
変更している。すなわち、本装置では、フィルム20が
挿入されてから乾燥が終了するまでの処理時間として、
30秒処理と45秒処理とがあり、それぞれフィルム2
0の搬送速度は30秒処理の場合が72.5mm/sec、45秒
処理の場合が46.3mm/secとされている。この処理速度の
違いにより、フィルム検出センサ80でフィルム20を
検出してから、フィルム20の先端が乾燥部に到達する
までの時間が異なる。従って、各処理時間によって立ち
上げ開始時間を変更し(すなわち、図5の矢印5の位置
をシフトし)、立ち上げ終了時期(図5の矢印6が常に
一定の位置となるように設定する。
【0055】本実施例の場合、30秒処理ではフィルム
20の水洗処理が開始された時が立ち上げ開始時期であ
り、45秒処理ではフィルム20の水洗処理の終了時が
立ち上げ時期である。
【0056】その後(図5の矢印6の後)、乾燥風温度
は乾燥風ヒータ90が短周期のオン・オフ制御が繰り返
され、ほぼ55℃に制御される。
【0057】一方、ヒートローラ60の表面温度は設定
温度(例えば、30秒処理では80℃)に対して、1℃
以上低い場合はハロゲンランプ62がオン状態を継続、
2℃以上高い場合はオフ状態を継続、+2>80>−1
℃の場合は1.5secオン/1sec オフを繰り返すように制
御され、ほぼ80℃に制御される。
【0058】また、処理量が多い場合、乾燥部50の湿
度が上がるため、設定温度を若干高くするようにしてい
る(例えば、上記の如く、乾燥風温度55+3℃、ヒー
トローラ表面温度80+3℃)。この場合、図5の矢印
7において、上記定常温度制御の一旦中止してハロゲン
ランプ62、乾燥ヒータ90を継続してオン状態として
昇温させ、その後、上記定常温度制御に戻せばよい。
【0059】ところで、ヒートローラ60の表面温度
は、乾燥風による乾燥に影響するものであるため、乾燥
風の温度に基づいて定められるようになっている。すな
わち、上記例では、乾燥風の温度T0 を55℃とし、ヒ
ートローラ60の表面温度THRを80℃としたが、これ
は、乾燥風の温度T0 (=55℃)に処理時間、搬送速
度に基づいて定められる値T(=25℃)を加算した値
である(THR=T0 +T)。従って、乾燥風の温度T0
が58℃の場合は、ヒートローラ60の表面温度(目標
値)は自動的に83℃となる。
【0060】このように、乾燥風の温度とヒートローラ
60の表面温度とに相関関係を持たせることにより、バ
ランス良く乾燥することができ、乾燥むらを防止するこ
とができる。
【0061】ここで、上記例では、処理量が多い場合
に、ヒートローラ60の表面温度を3℃上昇させたが、
以下の表1の如く、処理量に応じた加減量が定められて
いる。
【0062】
【表1】
【0063】上記表1の如く、処理時間及び処理量に応
じてヒートローラ60の表面温度を変更することによ
り、処理量が多くなって乾燥部50内の湿度が上がって
も常に均一な乾燥状態を得ることができる。
【0064】なお、本実施例では、乾燥風温度及びヒー
トローラ60の表面温度を定める場合に、まず、乾燥風
温度を処理時間、処理量等に基づいて設定し、この設定
された乾燥風の温度に基づいてヒートローラ60の表面
温度を設定するようにしたが、予め両者の温度を処理時
間、処理量及び環境条件(環境絶対湿度)に基づくマッ
プ(表2参照)を記憶しておき、このマップから読みだ
すようにしてもよい。
【0065】
【表2】
【0066】また、上記表2では、環境絶対湿度と処理
量との2種のパラメータに基づいてヒートローラ60の
表面温度及び乾燥風温度を設定したが、環境絶対湿度の
みに基づいて設定してもよい。
【0067】本実施例によれば、ヒートローラ60の周
辺の雰囲気にも乾燥風を吹付けることにより、ヒートロ
ーラ60によって加熱されるフィルム20の表面に形成
される蒸発膜を除去することができ、フィルム20から
の蒸発を促進することができる。従って、ヒートローラ
60による乾燥効率を向上することができるため、乾燥
時間の短縮化や熱容量の軽減等に寄与することができ
る。
【0068】また、ヒートローラ60の表面温度と乾燥
風の温度とに相関関係があることに着目し、互いに影響
しあうことを考慮することにより、バランスのとれた乾
燥処理を行うことができ、乾燥むらを防止することがで
きる。なお実施例では、ヒートローラを千鳥状に配列し
たものを説明したが、ヒートローラを対向させて配列し
たものでもよいのは勿論である。
【0069】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る感光材料
処理装置は、ヒートローラによる乾燥と乾燥風による乾
燥との相関関係を考慮して両者の温度を設定すると共
に、処理量や環境条件等、乾燥効率に影響する様々な要
素に基づいて設定温度を変更して、乾燥むらのない最適
な乾燥を行うことができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る自動現像装置の概略構成図であ
る。
【図2】乾燥部のローラ及びヒートローラの配列状態を
示す正面図である。
【図3】ヒートローラ及びその周辺の軸方向断面図であ
る。
【図4】本実施例に係る制御ブロック図である。
【図5】本実施例に係るタイムチャートである。
【符号の説明】
10 自動現像装置 45 乾燥風供給部 50 乾燥部 60 ヒートローラ 62 ハロゲンランプ 64 制御部 90 ヒータ 92 ファン
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、処理液による処理後の感光材料を、その表面に接触
するヒートローラと、乾燥風吹出装置からの乾燥風によ
って乾燥処理される乾燥部とを備えた感光材料処理装置
であって、前記乾燥風吹出装置をオン・オフ制御して前
記乾燥風温度を所定温度に制御する乾燥風温度制御手段
と、前記ヒートローラを加熱するヒーターと、前記ヒー
トローラの表面の設定温度を、感光材料の処理時間又は
搬送速度に基づいて設定する温度設定手段と、前記温度
設定手段で設定された設定温度を、感光材料処理量に基
づいて補正する補正手段と、前記ヒーターをオン・オフ
制御して前記ヒートローラの表面温度を前記温度設定手
段で設定され、かつ補正手段で補正された温度に制御す
るヒートローラ温度制御手段と、を有している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】請求項2に記載の発明は、処理液による処
理後の感光材料を、その表面に接触するヒートローラ
と、乾燥風吹出装置からの乾燥風によって乾燥処理され
る乾燥部とを備えた感光材料処理装置であって、前記乾
燥風吹出装置をオン・オフ制御して前記乾燥風温度を所
定温度に制御する乾燥風温度制御手段と、前記ヒートロ
ーラを加熱するヒーターと、前記ヒートローラの表面の
設定温度を、前記乾燥風の温度を基準温度とし、この基
準温度に感光材料の処理時間又は搬送速度に基づいて定
められる補正値を加減して設定する温度設定手段と、前
記ヒーターをオン・オフ制御して前記ヒートローラの表
面温度を前記温度設定手段で設定された温度に制御する
ヒートローラ温度制御手段と、を有している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】ここで、ヒートローラはヒーターを点灯す
ることにより、加熱されるが、この表面温度は感光材料
の処理時間又は搬送速度に基づいて設定される。しか
し、単位時間当りの感光材料の処理量が多くなればなる
ほど乾燥部内の湿度が高くなるため、補正手段で前記設
定されたヒートローラの表面温度を感光材料の処理量に
基づいて補正する。この補正された温度にヒートローラ
を制御することにより、感光材料の処理量に拘らず、乾
燥むらのない最適な温度で乾燥することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】請求項2に記載の発明によれば、ヒートロ
ーラによる乾燥と乾燥風にる乾燥との間には相関関係が
あるため、ヒートローラの設定温度を設定する場合に乾
燥風の温度を基準とする。例えば、この乾燥風の温度T
0 に補正値Tを加減することによりヒートローラ温度T
HRを求める(THR=T0 +T)。ここで、乾燥風温度を
基準として説明したが、ヒートローラ温度を基準とする
こともこれと全く同じことで、このときT0 =THR−T
の式となる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】なお、この乾燥風はヒートローラ60の周
辺にも吹き出るような構成となっており、ヒートローラ
60の周辺の雰囲気を排除する役目を有している。この
雰囲気の排除によって、ヒートローラ60による加熱で
フィルム20から出る水蒸気が境膜となって残ることが
なく、ヒートローラ60による水分の蒸発を促進するこ
とができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】この温度センサ128及び乾燥風温度セン
サ132からの信号に基づいて、ヒートローラ60の表
面温度及び乾燥風の温度が設定値に制御されるようにな
っている。この設定値は、標準処理(例えば、30秒処
理、処理量が1000〜3000cm2/min )で、乾燥風温度T0
が55℃とされており、ヒートローラ60の表面温度T
HRは、この乾燥風温度T0 に基づいて得られるようにな
っている。すなわち、ヒートローラ60の表面温度THR
と乾燥風温度T0 との関係は、THR=T0 +Tで表され
る(但し、Tは処理時間、処理量によって変化する補正
値である。)。上記標準処理時では、T=+25℃に設
定されており、この結果、ヒートローラ60の表面温度
HRは80℃に設定されることになる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】ところで、ヒートローラ60の表面温度
は、乾燥風による乾燥に影響するものであるため、乾燥
風の温度に基づいて定められるようになっている。すな
わち、上記例では、乾燥風の温度T0 を55℃とし、ヒ
ートローラ60の表面温度THRを80℃としたが、これ
は、乾燥風の温度T0 (=55℃)に処理時間又は搬送
速度に基づいて定められる値T(=25℃)を加算した
値である(THR=T0 +T)。従って、乾燥風の温度T
0 が58℃の場合は、ヒートローラ60の表面温度(目
標値)は自動的に83℃となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 健朗 神奈川県南足柄市竹松1250番地 富士機器 工業株式会社内 (72)発明者 勝俣 満 神奈川県南足柄市竹松1250番地 富士機器 工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理液による処理後の感光材料を、その
    表面に接触するヒートローラと、乾燥風吹出装置からの
    乾燥風によって乾燥処理される乾燥部とを備えた感光材
    料処理装置であって、 前記乾燥風吹出装置をオン・オフ制御して前記乾燥風温
    度を所定温度に制御する乾燥風温度制御手段と、 前記ヒートローラを加熱するヒーターと、 前記ヒートローラの表面の設定温度を、感光材料の処理
    時間及び搬送速度に基づいて設定する温度設定手段と、 前記温度設定手段で設定された設定温度を、感光材料処
    理量に基づいて補正する補正手段と、 前記ヒーターをオン・オフ制御して前記ヒートローラの
    表面温度を前記温度設定手段で設定され、かつ補正手段
    で補正された温度に制御するヒートローラ温度制御手段
    と、 を有する感光材料処理装置。
  2. 【請求項2】 処理液による処理後の感光材料を、その
    表面に接触するヒートローラと、乾燥風吹出装置からの
    乾燥風によって乾燥処理される乾燥部とを備えた感光材
    料処理装置であって、 前記乾燥風吹出装置をオン・オフ制御して前記乾燥風温
    度を所定温度に制御する乾燥風温度制御手段と、 前記ヒートローラを加熱するヒーターと、 前記ヒートローラの表面の設定温度を、前記乾燥風の温
    度を基準温度とし、この基準温度に感光材料の処理時間
    及び搬送速度に基づいて定められる補正値を加減して設
    定する温度設定手段と、 前記ヒーターをオン・オフ制御して前記ヒートローラの
    表面温度を前記温度設定手段で設定された温度に制御す
    るヒートローラ温度制御手段と、 を有する感光材料処理装置。
  3. 【請求項3】 処理液による処理後の感光材料を、その
    表面に接触するヒートローラと、乾燥風吹出装置からの
    乾燥風によって乾燥処理される乾燥部とを備えた感光材
    料処理装置であって、 前記ヒートローラの表面の設定温度及び前記乾燥風の温
    度を感光材料の処理時間、処理量及び環境条件に基づい
    て相関的に設定する温度設定手段と、 前記ヒートローラを加熱するヒーターと、 前記乾燥風吹出装置及び前記ヒーターをそれぞれオン・
    オフ制御して前記乾燥風温度及び前記ヒートローラ表面
    温度を前記設定温度で設定されたそれぞれの温度に制御
    する温度制御手段と、 を有する感光材料処理装置。
  4. 【請求項4】 乾燥風吹出装置から乾燥風によって、前
    記ヒートローラの近傍にヒートローラの加熱によって感
    光材料表面に形成される水蒸気膜を排除することを特徴
    とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の感光材
    料処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275984A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Yamamoto Co Ltd 穀物乾燥装置
JP2020148432A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 株式会社カワタ 粉粒体処理方法および粉粒体処理装置
CN114812110A (zh) * 2022-05-30 2022-07-29 广州点滴文化发展有限公司 一种书画练习水写工具的电加热吸水速干装置

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