JPH0743880A - 写真感光材料の乾燥方法及び装置 - Google Patents
写真感光材料の乾燥方法及び装置Info
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- JPH0743880A JPH0743880A JP19055493A JP19055493A JPH0743880A JP H0743880 A JPH0743880 A JP H0743880A JP 19055493 A JP19055493 A JP 19055493A JP 19055493 A JP19055493 A JP 19055493A JP H0743880 A JPH0743880 A JP H0743880A
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- Japan
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- drying
- sensitive material
- photographic light
- heat
- heat roller
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ヒートローラによる乾燥を効率よく行い、乾
燥むらの発生を防止して、適正な迅速乾燥を行う。 【構成】 ヒートローラ244は、パイプ246の外径
寸法Φが20mmとされ、肉厚寸法tが3〜4mmを取り得、
ハロゲンランプ248が、250W又は400Wのヒー
タ容量を取り得る。一例として、ヒートローラ244の
表面温度をフィルム搬送方向上流側(ヒートローラ24
4A乃至244D)では高く(設定温度60℃)、フィ
ルム搬送方向下流側(ヒートローラ244E乃至244
G)では低く(設定温度45℃)なるように設定し、こ
の設定温度に基づいて温度制御するようにした。この例
及び比較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達し
ているが、この例では、乾燥むらのレベルが5であり、
ヒートローラ244の全ての一定温度に制御した比較例
に比べて仕上がりが向上することが分かる。
燥むらの発生を防止して、適正な迅速乾燥を行う。 【構成】 ヒートローラ244は、パイプ246の外径
寸法Φが20mmとされ、肉厚寸法tが3〜4mmを取り得、
ハロゲンランプ248が、250W又は400Wのヒー
タ容量を取り得る。一例として、ヒートローラ244の
表面温度をフィルム搬送方向上流側(ヒートローラ24
4A乃至244D)では高く(設定温度60℃)、フィ
ルム搬送方向下流側(ヒートローラ244E乃至244
G)では低く(設定温度45℃)なるように設定し、こ
の設定温度に基づいて温度制御するようにした。この例
及び比較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達し
ているが、この例では、乾燥むらのレベルが5であり、
ヒートローラ244の全ての一定温度に制御した比較例
に比べて仕上がりが向上することが分かる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも一部に複数
のヒートローラを採用し、これらのヒートローラに写真
感光材料を接触させて加熱する写真感光材料の乾燥方法
及び装置に関する。
のヒートローラを採用し、これらのヒートローラに写真
感光材料を接触させて加熱する写真感光材料の乾燥方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】画像が露光された感光材料は、現像液、定
着液、水洗水等の処理液によって順次現像処理、定着処
理、水洗処理等が行われ、この後、乾燥部へ送り込まれ
て乾燥処理される。
着液、水洗水等の処理液によって順次現像処理、定着処
理、水洗処理等が行われ、この後、乾燥部へ送り込まれ
て乾燥処理される。
【0003】乾燥部では、複数のローラを千鳥状に又は
対向させて配列し、これらの間を処理液によって処理さ
れた感光材料が通過する。感光材料はその表裏面が交互
にローラに接触し、駆動力を受けて搬送される構造が一
般的である。
対向させて配列し、これらの間を処理液によって処理さ
れた感光材料が通過する。感光材料はその表裏面が交互
にローラに接触し、駆動力を受けて搬送される構造が一
般的である。
【0004】ここで、各ローラ間には、乾燥風の吹出口
が配設されており、感光材料は、ローラによって搬送さ
れる間に乾燥風が吹付けられて乾燥される構成である。
が配設されており、感光材料は、ローラによって搬送さ
れる間に乾燥風が吹付けられて乾燥される構成である。
【0005】ところで、近年、処理効率のアップを図る
ため、前記ローラの一部をヒートローラとし、感光材料
を効率的に加熱することにより、感光材料に含まれる水
分の蒸発を促進することが考えられている。
ため、前記ローラの一部をヒートローラとし、感光材料
を効率的に加熱することにより、感光材料に含まれる水
分の蒸発を促進することが考えられている。
【0006】これにより、処理された直後の水分を含む
感光材料は、まずヒートローラに接触することにより加
熱され、その結果水分が蒸発し、多湿となった感光材料
の表面周辺雰囲気を乾燥風によって感光材料表面から排
除するため、水分蒸発が促進され、従来の乾燥装置内の
感光材料乾燥時間より短時間で効率よく乾燥を完了する
ことができる。
感光材料は、まずヒートローラに接触することにより加
熱され、その結果水分が蒸発し、多湿となった感光材料
の表面周辺雰囲気を乾燥風によって感光材料表面から排
除するため、水分蒸発が促進され、従来の乾燥装置内の
感光材料乾燥時間より短時間で効率よく乾燥を完了する
ことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒート
ローラの表面温度をどのように制御したら効率的か、好
ましい結果を得られるかについて未知であった。通常複
数のヒートローラは、全て予め定められた一定の表面温
度に制御されるため、感光材料の搬送方向下流側におけ
る供給熱量が過剰となり、過乾燥が発生し易くなるか、
あるいは過乾燥を防止するため、ヒートローラの表面温
度を下げると、感光材料の搬送方向上流側における供給
熱量が不足して未乾燥となり、乾燥むらを生じることに
なる。
ローラの表面温度をどのように制御したら効率的か、好
ましい結果を得られるかについて未知であった。通常複
数のヒートローラは、全て予め定められた一定の表面温
度に制御されるため、感光材料の搬送方向下流側におけ
る供給熱量が過剰となり、過乾燥が発生し易くなるか、
あるいは過乾燥を防止するため、ヒートローラの表面温
度を下げると、感光材料の搬送方向上流側における供給
熱量が不足して未乾燥となり、乾燥むらを生じることに
なる。
【0008】本発明上記事実を考慮し、ヒートローラに
よる乾燥を効率よく行い、過乾燥、未乾燥といった乾燥
むらの発生を防止して、適正な迅速乾燥を行うことがで
きる写真感光材料の乾燥方法及び装置を得ることを目的
とする。
よる乾燥を効率よく行い、過乾燥、未乾燥といった乾燥
むらの発生を防止して、適正な迅速乾燥を行うことがで
きる写真感光材料の乾燥方法及び装置を得ることを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、処理液による処理が終了した写真感光材料を複数の
ヒートローラに接触させることによって乾燥する写真感
光材料の乾燥方法であって、前記ヒートローラの表面温
度制御を各ヒートローラ毎に又はヒートローラの各グル
ープ毎に行うことを特徴としている。
は、処理液による処理が終了した写真感光材料を複数の
ヒートローラに接触させることによって乾燥する写真感
光材料の乾燥方法であって、前記ヒートローラの表面温
度制御を各ヒートローラ毎に又はヒートローラの各グル
ープ毎に行うことを特徴としている。
【0010】請求項2に記載の発明は、前記ヒートロー
ラの表面温度制御を、写真感光材料の搬送方向上流側の
ヒートローラと下流側のヒートローラとで異なる表面温
度となるように行うことを特徴としている。
ラの表面温度制御を、写真感光材料の搬送方向上流側の
ヒートローラと下流側のヒートローラとで異なる表面温
度となるように行うことを特徴としている。
【0011】請求項3に記載の発明は、処理液による処
理が終了した写真感光材料をその表裏両面にヒートロー
ラを接触させることによって乾燥する写真感光材料の乾
燥方法であって、前記感光材料の一方の面側に接触する
ヒートローラと他方の面側に接触するヒートローラとの
表面温度を異なる温度に制御することを特徴としてい
る。
理が終了した写真感光材料をその表裏両面にヒートロー
ラを接触させることによって乾燥する写真感光材料の乾
燥方法であって、前記感光材料の一方の面側に接触する
ヒートローラと他方の面側に接触するヒートローラとの
表面温度を異なる温度に制御することを特徴としてい
る。
【0012】請求項4に記載の発明は、処理液による処
理が終了した写真感光材料の一方の面のみをヒートロー
ラに接触させることによって写真感光材料を乾燥するこ
とを特徴としている。
理が終了した写真感光材料の一方の面のみをヒートロー
ラに接触させることによって写真感光材料を乾燥するこ
とを特徴としている。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項4記載の
発明において、前記感光材料の一方の面が非乳剤面側で
あることを特徴としている。
発明において、前記感光材料の一方の面が非乳剤面側で
あることを特徴としている。
【0014】請求項6に記載の発明は、処理液による処
理が終了した写真感光材料を複数のヒートローラに接触
させることによって乾燥する写真感光材料の乾燥装置で
あって、前記ヒートローラとして写真感光材料搬送方向
上流側と下流側とで異なる熱容量を持つものを配設した
ことを特徴としている。
理が終了した写真感光材料を複数のヒートローラに接触
させることによって乾燥する写真感光材料の乾燥装置で
あって、前記ヒートローラとして写真感光材料搬送方向
上流側と下流側とで異なる熱容量を持つものを配設した
ことを特徴としている。
【0015】請求項7に記載の発明は、処理液による処
理が終了した写真感光材料をその表裏両面にヒートロー
ラを接触させることによって乾燥する写真感光材料の乾
燥装置であって、前記写真感光材料の一方の面に接触す
るヒートローラと、他方の面に接触するヒートローラと
で異なる熱容量を持たせたことを特徴としている。
理が終了した写真感光材料をその表裏両面にヒートロー
ラを接触させることによって乾燥する写真感光材料の乾
燥装置であって、前記写真感光材料の一方の面に接触す
るヒートローラと、他方の面に接触するヒートローラと
で異なる熱容量を持たせたことを特徴としている。
【0016】請求項8に記載の発明は、処理液による処
理が終了した写真感光材料を複数のヒートローラに順次
接触することによって乾燥する写真感光材料の乾燥装置
であって、前記ヒートローラのヒータ容量を写真感光材
料搬送方向上流側と下流側とで異なるものを配設したこ
とを特徴としている。
理が終了した写真感光材料を複数のヒートローラに順次
接触することによって乾燥する写真感光材料の乾燥装置
であって、前記ヒートローラのヒータ容量を写真感光材
料搬送方向上流側と下流側とで異なるものを配設したこ
とを特徴としている。
【0017】請求項9に記載の発明は、処理液による処
理が終了した写真感光材料をその表裏両面にヒートロー
ラを接触させることによって乾燥する乾燥領域を備えた
写真感光材料の乾燥装置であって、前記ヒートローラの
ヒータ容量が感光材料の一方の面に接触するものと、他
方の面に接触するものとで異なることを特徴としてい
る。
理が終了した写真感光材料をその表裏両面にヒートロー
ラを接触させることによって乾燥する乾燥領域を備えた
写真感光材料の乾燥装置であって、前記ヒートローラの
ヒータ容量が感光材料の一方の面に接触するものと、他
方の面に接触するものとで異なることを特徴としてい
る。
【0018】
【作用】請求項1乃至請求項3に記載の発明によれば、
複数のヒートローラの表面温度制御を各ヒートローラ毎
まてゃあヒートローラのグループ毎に行うことにより、
乾燥部を通過した感光材料の乾燥状態を最適な状態にす
ることができる。すなわち、乾燥初期の感光材料は処理
液に処理によって水分を多く含む。一方、乾燥後期の感
光材料は乾燥がすすむことによって水分量は少ない。従
って、請求項1及び請求項2においては、例えば、搬送
方向上流側のヒートローラ表面を高くし、下流側のヒー
トローラ表面温度を低くすることにより、乾燥むら等を
防止することができる。
複数のヒートローラの表面温度制御を各ヒートローラ毎
まてゃあヒートローラのグループ毎に行うことにより、
乾燥部を通過した感光材料の乾燥状態を最適な状態にす
ることができる。すなわち、乾燥初期の感光材料は処理
液に処理によって水分を多く含む。一方、乾燥後期の感
光材料は乾燥がすすむことによって水分量は少ない。従
って、請求項1及び請求項2においては、例えば、搬送
方向上流側のヒートローラ表面を高くし、下流側のヒー
トローラ表面温度を低くすることにより、乾燥むら等を
防止することができる。
【0019】また、請求項3において、例えば、一方の
面のみに乳剤層をもつ感光材料では、乳剤層側よりバッ
ク面側を高温のヒートローラに接触させた方が乾燥ムラ
の発生が少なく、効率的に乾燥させることができる。そ
の理由は、乳剤側ヒートローラの表面温度が高いと乾燥
ムラの原因となるが、バック面が高いときには感光材料
自体が熱緩衝材の役目をするので、乳剤層側を安定に加
熱することができるのである。請求項4及び請求項5に
記載の発明によれば、感光材料の表裏面に接触するヒー
トローラに温度差を設ける場合に、例えば非乳剤面側
(バック面側)のみにヒートローラを配設する。これに
より、感光材料の支持ベース側の乾燥が促進される。
面のみに乳剤層をもつ感光材料では、乳剤層側よりバッ
ク面側を高温のヒートローラに接触させた方が乾燥ムラ
の発生が少なく、効率的に乾燥させることができる。そ
の理由は、乳剤側ヒートローラの表面温度が高いと乾燥
ムラの原因となるが、バック面が高いときには感光材料
自体が熱緩衝材の役目をするので、乳剤層側を安定に加
熱することができるのである。請求項4及び請求項5に
記載の発明によれば、感光材料の表裏面に接触するヒー
トローラに温度差を設ける場合に、例えば非乳剤面側
(バック面側)のみにヒートローラを配設する。これに
より、感光材料の支持ベース側の乾燥が促進される。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、感光材料
搬送方向上流と下流側とでヒートローラの熱容量を変え
る。すなわち、搬送方向上流側では熱容量の小さいヒー
トローラを適用し、搬送方向下流側で熱容量の大きいヒ
ートローラを適用する。熱容量が小さいと、温まり易
く、冷め易いため、設定温度の基準としたオン・オフ制
御等を行う場合に、比較的温度変化が生じ易い(オーバ
シュートし易い)。一方、熱容量が大きいと、温まり難
く、冷め難いため、比較的安定した表面温度を得ること
ができる。従って、感光材料の乾燥状態に則した乾燥処
理を行うことができる。例えば、下流側の熱容量を大き
くし、後半の乾燥を安定させることにより、乾燥ムラを
ほとんどなくすことができる。
搬送方向上流と下流側とでヒートローラの熱容量を変え
る。すなわち、搬送方向上流側では熱容量の小さいヒー
トローラを適用し、搬送方向下流側で熱容量の大きいヒ
ートローラを適用する。熱容量が小さいと、温まり易
く、冷め易いため、設定温度の基準としたオン・オフ制
御等を行う場合に、比較的温度変化が生じ易い(オーバ
シュートし易い)。一方、熱容量が大きいと、温まり難
く、冷め難いため、比較的安定した表面温度を得ること
ができる。従って、感光材料の乾燥状態に則した乾燥処
理を行うことができる。例えば、下流側の熱容量を大き
くし、後半の乾燥を安定させることにより、乾燥ムラを
ほとんどなくすことができる。
【0021】熱容量を変える手段としては、ヒートロー
ラの外装を構成するパイプの肉厚寸法を変えたり、材質
そのものを変えることで可能となる。
ラの外装を構成するパイプの肉厚寸法を変えたり、材質
そのものを変えることで可能となる。
【0022】請求項7に記載の発明によれば、感光材料
の表裏面でヒートローラの熱容量を変える。この場合、
例えば、乳剤面側の熱容量を大きく、支持ベース側の熱
容量を小さくすることによって、感光材料の乾燥度合い
に則した乾燥を行うことができる。
の表裏面でヒートローラの熱容量を変える。この場合、
例えば、乳剤面側の熱容量を大きく、支持ベース側の熱
容量を小さくすることによって、感光材料の乾燥度合い
に則した乾燥を行うことができる。
【0023】請求項8に記載の発明によれば、感光材料
搬送方向上流と下流側とで制御温度は一定とし、ヒータ
容量を変える。例えば、搬送方向上流側ではヒータ容量
の大きいヒートローラを適用し、搬送方向下流側でヒー
タ容量の小さいヒートローラを適用する。ヒータ容量が
大きいと短時間に熱の供給ができるため、設定温度の基
準としたオン・オフ制御等を行う場合に、比較的感光材
料の表面温度が大きく変化する(オーバシュートす
る)。一方、ヒータ容量が小さいとオーバシュートを抑
えることができ、表面温度を安定させることができる。
従って、感光材料をムラなく乾燥処理することができ
る。
搬送方向上流と下流側とで制御温度は一定とし、ヒータ
容量を変える。例えば、搬送方向上流側ではヒータ容量
の大きいヒートローラを適用し、搬送方向下流側でヒー
タ容量の小さいヒートローラを適用する。ヒータ容量が
大きいと短時間に熱の供給ができるため、設定温度の基
準としたオン・オフ制御等を行う場合に、比較的感光材
料の表面温度が大きく変化する(オーバシュートす
る)。一方、ヒータ容量が小さいとオーバシュートを抑
えることができ、表面温度を安定させることができる。
従って、感光材料をムラなく乾燥処理することができ
る。
【0024】ヒータ容量を変える手段としては、ヒート
ローラの熱源を構成する例えばハロゲンランプのワット
数を変えることによって可能である。
ローラの熱源を構成する例えばハロゲンランプのワット
数を変えることによって可能である。
【0025】請求項9に記載の発明によれば、感光材料
の表裏面でヒートローラのヒータ容量を変える。この場
合、例えば、乳剤面側のヒータ容量を小さく、バック面
側のヒータ容量を大きくするとよい。これは、有害な乾
燥ムラ(特に反射ムラ)は乳剤層側に発生するので、バ
ック面側の温度変化が大きくてもバック面側の影響は少
なく、感光材料自体が熱緩衝材の役割をして乳剤面側に
乾燥ムラをほとんど発生させないからである。逆に乳剤
面側の熱変化は乾燥ムラの原因となる。
の表裏面でヒートローラのヒータ容量を変える。この場
合、例えば、乳剤面側のヒータ容量を小さく、バック面
側のヒータ容量を大きくするとよい。これは、有害な乾
燥ムラ(特に反射ムラ)は乳剤層側に発生するので、バ
ック面側の温度変化が大きくてもバック面側の影響は少
なく、感光材料自体が熱緩衝材の役割をして乳剤面側に
乾燥ムラをほとんど発生させないからである。逆に乳剤
面側の熱変化は乾燥ムラの原因となる。
【0026】
(感光材料処理装置の全体構成)図1に示される如く、
本発明に係る感光材料処理装置としての自動現像機10
には、その機枠12の上流側端部(図1の紙面右側面)
にフィルム20を挿入する挿入口18が設けられてい
る。挿入口18の内方には、一対の挿入ローラ32が備
えられており、図示しない駆動手段で回転するようにな
っている。このため、挿入口18から挿入されたフィル
ム20は、一対の挿入ローラ32の駆動力によって自動
現像機10の内部に設置された処理液処理部14へと案
内される。
本発明に係る感光材料処理装置としての自動現像機10
には、その機枠12の上流側端部(図1の紙面右側面)
にフィルム20を挿入する挿入口18が設けられてい
る。挿入口18の内方には、一対の挿入ローラ32が備
えられており、図示しない駆動手段で回転するようにな
っている。このため、挿入口18から挿入されたフィル
ム20は、一対の挿入ローラ32の駆動力によって自動
現像機10の内部に設置された処理液処理部14へと案
内される。
【0027】処理液処理部14には複数の処理槽が設け
られている。処理槽はそれぞれ上流側(図1の紙面右
側)から現像槽22、リンス槽24、定着槽26、リン
ス槽28及び水洗槽30とされ、現像液、定着液、水洗
水が蓄えられている。
られている。処理槽はそれぞれ上流側(図1の紙面右
側)から現像槽22、リンス槽24、定着槽26、リン
ス槽28及び水洗槽30とされ、現像液、定着液、水洗
水が蓄えられている。
【0028】処理槽22、26、30内の各々には、ラ
ック34が配置されている。ラック34には、複数のロ
ーラ対36が配設されており、これらのローラ対36に
よってフィルム20を挟持して、各処理槽内を略U字状
に案内して搬送する搬送路が形成されている。フィルム
20は、これらの搬送路を搬送されながら各処理槽内で
処理液に浸漬される。
ック34が配置されている。ラック34には、複数のロ
ーラ対36が配設されており、これらのローラ対36に
よってフィルム20を挟持して、各処理槽内を略U字状
に案内して搬送する搬送路が形成されている。フィルム
20は、これらの搬送路を搬送されながら各処理槽内で
処理液に浸漬される。
【0029】各処理槽22、26、30の上方には、ク
ロスオーバーラック38が配置されている。このクロス
オーバーラック38には、各処理槽の下流部に位置する
搬送ローラ対40、リンス槽24、28の上方及び水洗
槽30の下流側に位置する搬送ローラ対42が配設さ
れ、フィルム20を挟持して隣接する処理槽へ案内する
と共にフィルム20に付着した処理液を取り除くように
なっている。また、クロスオーバーラック38の下側面
は、各処理槽22、26、30内の処理液の液面を覆う
浮蓋の役目も有しており、特に現像液、定着液が外気と
接触するのを防止している。
ロスオーバーラック38が配置されている。このクロス
オーバーラック38には、各処理槽の下流部に位置する
搬送ローラ対40、リンス槽24、28の上方及び水洗
槽30の下流側に位置する搬送ローラ対42が配設さ
れ、フィルム20を挟持して隣接する処理槽へ案内する
と共にフィルム20に付着した処理液を取り除くように
なっている。また、クロスオーバーラック38の下側面
は、各処理槽22、26、30内の処理液の液面を覆う
浮蓋の役目も有しており、特に現像液、定着液が外気と
接触するのを防止している。
【0030】処理液処理部14の下流側(図1紙面左
側)には、乾燥部16が隣接して配置されている。この
乾燥部16は処理液処理部14の下流側端部に隣接して
上方に突出するように設けられている。
側)には、乾燥部16が隣接して配置されている。この
乾燥部16は処理液処理部14の下流側端部に隣接して
上方に突出するように設けられている。
【0031】乾燥部16には、処理液処理部14から送
り込まれるフィルム20を複数対のスクイズローラ44
によって搬送しながらフィルム20の表面に付着した水
分をスクイズしながら略箱体状に形成された乾燥室46
内へ送り込むようになっている。乾燥室46内には、搬
送手段を構成するガイド48及び千鳥状に複数の搬送ロ
ーラ50が配設されている。乾燥室46内に送り込まれ
たフィルム20は、ガイド48によって略上方へ向けて
案内され、複数の搬送ローラ50によって乾燥室46内
を略上方へ向けて搬送される。この搬送ローラ50の一
部には、その表面が自己の持つ熱源によって加熱される
ヒートローラ244(図2参照)が適用されるようにな
っている。図2(A)及び(B)に示される如く、ヒー
トローラ244は、例えば、アルミニウム等の金属製の
パイプ246と、このパイプ246の軸線上に配設され
たハロゲンランプ248で構成される。このパイプ24
6の外径寸法Φは20mmとされ、その肉厚寸法tは3〜4
mmを取り得る(後述の第4及び第5具体例参照)。ま
た、ハロゲンランプ248は、250W又は400Wの
ヒータ容量を取り得る(後述の第6及び第7具体例参
照)。
り込まれるフィルム20を複数対のスクイズローラ44
によって搬送しながらフィルム20の表面に付着した水
分をスクイズしながら略箱体状に形成された乾燥室46
内へ送り込むようになっている。乾燥室46内には、搬
送手段を構成するガイド48及び千鳥状に複数の搬送ロ
ーラ50が配設されている。乾燥室46内に送り込まれ
たフィルム20は、ガイド48によって略上方へ向けて
案内され、複数の搬送ローラ50によって乾燥室46内
を略上方へ向けて搬送される。この搬送ローラ50の一
部には、その表面が自己の持つ熱源によって加熱される
ヒートローラ244(図2参照)が適用されるようにな
っている。図2(A)及び(B)に示される如く、ヒー
トローラ244は、例えば、アルミニウム等の金属製の
パイプ246と、このパイプ246の軸線上に配設され
たハロゲンランプ248で構成される。このパイプ24
6の外径寸法Φは20mmとされ、その肉厚寸法tは3〜4
mmを取り得る(後述の第4及び第5具体例参照)。ま
た、ハロゲンランプ248は、250W又は400Wの
ヒータ容量を取り得る(後述の第6及び第7具体例参
照)。
【0032】さらに、このヒートローラ244の配置位
置は、以下に説明する第1具体例乃至第7具体例(図3
乃至図9)を取り得る。
置は、以下に説明する第1具体例乃至第7具体例(図3
乃至図9)を取り得る。
【0033】また、乾燥室46内には、フィルム20の
搬送路を挟んで複数の吹出パイプ52が配設されてい
る。これらの吹出パイプ52は長手方向がフィルム20
の搬送幅方向に沿って配置され、フィルム20の搬送路
へ向けてノズルが設けられて、フィルム20の幅方向の
一端から後述する乾燥風発生部で発生された乾燥風が供
給されるようになっており、この乾燥風がフィルム20
の表面へ向けて噴出されるようになっている。
搬送路を挟んで複数の吹出パイプ52が配設されてい
る。これらの吹出パイプ52は長手方向がフィルム20
の搬送幅方向に沿って配置され、フィルム20の搬送路
へ向けてノズルが設けられて、フィルム20の幅方向の
一端から後述する乾燥風発生部で発生された乾燥風が供
給されるようになっており、この乾燥風がフィルム20
の表面へ向けて噴出されるようになっている。
【0034】乾燥室46の上方には、ガイド56とガイ
ド56の両側に搬送ローラ対58及び排出ローラ対60
が配設されている。乾燥室46内から排出されたフィル
ム20は、搬送ローラ対58によって挟持搬送されなが
らガイド56によって排出ローラ対60へ向けて案内さ
れた後、排出ローラ対60によって排出口62から略水
平状態で送り出される。
ド56の両側に搬送ローラ対58及び排出ローラ対60
が配設されている。乾燥室46内から排出されたフィル
ム20は、搬送ローラ対58によって挟持搬送されなが
らガイド56によって排出ローラ対60へ向けて案内さ
れた後、排出ローラ対60によって排出口62から略水
平状態で送り出される。
【0035】処理液処理部14の上方の機枠12の上面
には、排出口62から送り出されたフィルム20を載置
するトレイ64が形成されており、自動現像装置10
で、現像、定着、水洗及び乾燥処理されたフィルム20
がこのトレイ64上に順に積み重ねられるようになって
いる。
には、排出口62から送り出されたフィルム20を載置
するトレイ64が形成されており、自動現像装置10
で、現像、定着、水洗及び乾燥処理されたフィルム20
がこのトレイ64上に順に積み重ねられるようになって
いる。
【0036】次に上記説明した自動現像装置10の処理
の流れを説明する。処理液の温度制御等の稼動立ち上げ
の終了した自動現像装置10に挿入口18からフィルム
20が挿入されると、自動現像装置10は、フィルム2
0を挿入ローラ32によって引き入れ、処理液処理部1
4で現像槽22、定着槽26、水洗槽30へ順に浸漬し
ながら搬送して、現像、定着、水洗処理を行う。処理液
処理部14で現像、定着、水洗処理の終了したフィルム
20は、スクイズローラ44によってスクイズされなが
ら搬送され乾燥部16の乾燥室46内へ挿入される。
の流れを説明する。処理液の温度制御等の稼動立ち上げ
の終了した自動現像装置10に挿入口18からフィルム
20が挿入されると、自動現像装置10は、フィルム2
0を挿入ローラ32によって引き入れ、処理液処理部1
4で現像槽22、定着槽26、水洗槽30へ順に浸漬し
ながら搬送して、現像、定着、水洗処理を行う。処理液
処理部14で現像、定着、水洗処理の終了したフィルム
20は、スクイズローラ44によってスクイズされなが
ら搬送され乾燥部16の乾燥室46内へ挿入される。
【0037】乾燥室46では、ヒートローラ又はヒート
ローラからの放熱によって加熱されたローラにフィルム
10が接触することにより乾燥されると共に、乾燥風発
生部68で発生された乾燥風が供給され、この搬送風を
フィルム20へ向けて吐出してフィルム20を乾燥す
る。乾燥室46で乾燥処理の終了したフィルム20は、
搬送ローラ58及びガイド56によって排出口62へ向
けて搬送され、排出ローラ60によって排出口62から
トレイ64上へ送り出して、フィルム20を順次トレイ
64上に載置する。
ローラからの放熱によって加熱されたローラにフィルム
10が接触することにより乾燥されると共に、乾燥風発
生部68で発生された乾燥風が供給され、この搬送風を
フィルム20へ向けて吐出してフィルム20を乾燥す
る。乾燥室46で乾燥処理の終了したフィルム20は、
搬送ローラ58及びガイド56によって排出口62へ向
けて搬送され、排出ローラ60によって排出口62から
トレイ64上へ送り出して、フィルム20を順次トレイ
64上に載置する。
【0038】ところで、乾燥室46におけるヒートロー
ラ244の配置及び組み合わせによっては、乾燥性、乾
燥むらの状態が異なる。そこで、本出願人等は、様々な
ヒートローラの配置について実験を行い、適正なヒート
ローラの配置及び組み合わせを選択した。以下にヒート
ローラの配置及び組み合わせを比較例と共に説明する。
なお、乾燥室46において、ヒートローラ244が配置
し得る位置は、図3乃至図9におけるフィルム搬送方向
上流側から順に7個とした(フィルム搬送方向上流側ヒ
ートローラ244の末尾にA乃至Gを付した)。これら
の、ヒートローラ244A乃至244Gには、それぞれ
の表面温度を検出するセンサ(図示省略)が設けられ、
それぞれが独立して温度制御(ハロゲンランプのオン・
オフ制御)可能な構成となっている。
ラ244の配置及び組み合わせによっては、乾燥性、乾
燥むらの状態が異なる。そこで、本出願人等は、様々な
ヒートローラの配置について実験を行い、適正なヒート
ローラの配置及び組み合わせを選択した。以下にヒート
ローラの配置及び組み合わせを比較例と共に説明する。
なお、乾燥室46において、ヒートローラ244が配置
し得る位置は、図3乃至図9におけるフィルム搬送方向
上流側から順に7個とした(フィルム搬送方向上流側ヒ
ートローラ244の末尾にA乃至Gを付した)。これら
の、ヒートローラ244A乃至244Gには、それぞれ
の表面温度を検出するセンサ(図示省略)が設けられ、
それぞれが独立して温度制御(ハロゲンランプのオン・
オフ制御)可能な構成となっている。
【0039】(第1具体例)乾燥室46において、フィ
ルム20はこの乾燥室46に進入してから排出されるま
での間に、徐々に乾燥されていく。このため、フィルム
搬送方向上流側では、フィルム20が含有する水分量が
多く、フィルム搬送方向下流側では、フィルム20が含
有する水分量が少ない。そこで、図3(A)に示される
如く、第1具体例では、ヒートローラ244の表面温度
をフィルム搬送方向上流側(ヒートローラ244A乃至
244D)では高く(設定温度60℃)、フィルム搬送
方向下流側(ヒートローラ244E乃至244G)では
低く(設定温度45℃)なるように設定し、この設定温
度に基づいて温度制御するようにした。
ルム20はこの乾燥室46に進入してから排出されるま
での間に、徐々に乾燥されていく。このため、フィルム
搬送方向上流側では、フィルム20が含有する水分量が
多く、フィルム搬送方向下流側では、フィルム20が含
有する水分量が少ない。そこで、図3(A)に示される
如く、第1具体例では、ヒートローラ244の表面温度
をフィルム搬送方向上流側(ヒートローラ244A乃至
244D)では高く(設定温度60℃)、フィルム搬送
方向下流側(ヒートローラ244E乃至244G)では
低く(設定温度45℃)なるように設定し、この設定温
度に基づいて温度制御するようにした。
【0040】図3(B)に、上記第1具体例によるフィ
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第1具
体例の比較例として、全てのヒートローラ244の表面
温度を55℃に制御した場合のフィルム乾燥時の乾燥む
ら及び乾燥性の評価と、を示した。この場合、乾燥風の
温度は両者共に50℃で共通の条件とした。
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第1具
体例の比較例として、全てのヒートローラ244の表面
温度を55℃に制御した場合のフィルム乾燥時の乾燥む
ら及び乾燥性の評価と、を示した。この場合、乾燥風の
温度は両者共に50℃で共通の条件とした。
【0041】なお、乾燥むらの評価は1〜5の5段階で
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
【0042】図3(B)に示される如く、第1具体例及
び比較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達して
いるが、第1具体例では、乾燥むらのレベルが5であ
り、ヒートローラ244の全ての一定温度に制御した比
較例に比べて仕上がりが向上することが分かる。こら
は、乾燥ムラの発生に影響する乾燥後半の加熱温度を下
げて過乾燥蛍光になるのを防止したためである。
び比較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達して
いるが、第1具体例では、乾燥むらのレベルが5であ
り、ヒートローラ244の全ての一定温度に制御した比
較例に比べて仕上がりが向上することが分かる。こら
は、乾燥ムラの発生に影響する乾燥後半の加熱温度を下
げて過乾燥蛍光になるのを防止したためである。
【0043】(第2具体例)乾燥室46において、フィ
ルム20はその表面(図1の左側面)に乳剤層が形成さ
れ、裏面にはバック層が形成されている。写真フィルム
の有害な乾燥ムラ(特に反射ムラ)はバック層側では発
生し難く、乳剤層側で発生し易い。このため、フィルム
20の裏面側に接触するヒートローラの表面温度が変化
しても乾燥ムラは生じないが、フィルム20の表面側の
ヒートローラの表面温度が変化すると乾燥むらとなる。
そこで、図4(A)に示される如く、第2具体例では、
ヒートローラ244の表面温度をフィルム20の裏面側
に接触するヒートローラ(バック層側のヒートローラ2
44B、D、F、G)では高く(設定温度60℃)、フ
ィルム20の表面側に接触するヒートローラ(ヒートロ
ーラ244A、C、E)では低く(設定温度45℃)な
るように設定し、この設定温度に基づいて温度制御する
ようにした。
ルム20はその表面(図1の左側面)に乳剤層が形成さ
れ、裏面にはバック層が形成されている。写真フィルム
の有害な乾燥ムラ(特に反射ムラ)はバック層側では発
生し難く、乳剤層側で発生し易い。このため、フィルム
20の裏面側に接触するヒートローラの表面温度が変化
しても乾燥ムラは生じないが、フィルム20の表面側の
ヒートローラの表面温度が変化すると乾燥むらとなる。
そこで、図4(A)に示される如く、第2具体例では、
ヒートローラ244の表面温度をフィルム20の裏面側
に接触するヒートローラ(バック層側のヒートローラ2
44B、D、F、G)では高く(設定温度60℃)、フ
ィルム20の表面側に接触するヒートローラ(ヒートロ
ーラ244A、C、E)では低く(設定温度45℃)な
るように設定し、この設定温度に基づいて温度制御する
ようにした。
【0044】図4(B)に、上記第2具体例によるフィ
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第2具
体例の比較例として、全てのヒートローラ244の表面
温度を55℃に制御した場合のフィルム乾燥時の乾燥む
ら及び乾燥性の評価と、を示した。この場合、乾燥風の
温度は両者共に50℃で共通の条件とした。
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第2具
体例の比較例として、全てのヒートローラ244の表面
温度を55℃に制御した場合のフィルム乾燥時の乾燥む
ら及び乾燥性の評価と、を示した。この場合、乾燥風の
温度は両者共に50℃で共通の条件とした。
【0045】なお、乾燥むらの評価は1〜5の5段階で
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
【0046】図4(B)に示す如く、第2具体例及び比
較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達している
が、第2具体例では、乾燥むらのレベルが5であり、ヒ
ートローラ244の全ての一定温度に制御した比較例に
比べて仕上がりが向上することが分かる。その理由は、
バック層側にヒートローラから付与される比較的高い熱
がフィルム支持体という熱緩衝部材を介して乳剤層に伝
わるため、結果として乳剤層が温度の変動なく加熱され
るためと考えられる。
較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達している
が、第2具体例では、乾燥むらのレベルが5であり、ヒ
ートローラ244の全ての一定温度に制御した比較例に
比べて仕上がりが向上することが分かる。その理由は、
バック層側にヒートローラから付与される比較的高い熱
がフィルム支持体という熱緩衝部材を介して乳剤層に伝
わるため、結果として乳剤層が温度の変動なく加熱され
るためと考えられる。
【0047】(第3具体例)乾燥室46において、フィ
ルム20はその表面(図1の左側面)に乳剤層が形成さ
れ、裏面にはバック層が形成されている。前に説明した
ように、乾燥ムラ(反射ムラ)は乳剤層の乾燥時の温度
変化が一原因となる。フィルム20の裏面側に接触する
ヒートローラの表面温度に変動があっても、フィルム支
持体が熱緩衝材となるので、フィルム20の表面側の乳
剤層の温度はほぼ均一となり、乾燥ムラは発生しない。
ルム20はその表面(図1の左側面)に乳剤層が形成さ
れ、裏面にはバック層が形成されている。前に説明した
ように、乾燥ムラ(反射ムラ)は乳剤層の乾燥時の温度
変化が一原因となる。フィルム20の裏面側に接触する
ヒートローラの表面温度に変動があっても、フィルム支
持体が熱緩衝材となるので、フィルム20の表面側の乳
剤層の温度はほぼ均一となり、乾燥ムラは発生しない。
【0048】これに対し、フィルム表面側にのみヒート
ローラを接触させた場合には、ヒートローラを加熱する
ヒータの温度制御時のオーバシュート等の温度変動や過
乾燥などにより乾燥ムラが発生し易い。そこで、図5
(A)に示される如く、第3具体例では、ヒートローラ
244の表面温度をフィルム20の裏面側(ヒートロー
ラ244B、D、F)に対応するハロゲンランプのみを
点灯し(設定温度60℃)、フィルム20の表面側(ヒ
ートローラ244A、C、E)は加熱を中止した。な
お、ヒートローラ244Gも、表裏面の数を合わせるた
め、加熱は中止した。
ローラを接触させた場合には、ヒートローラを加熱する
ヒータの温度制御時のオーバシュート等の温度変動や過
乾燥などにより乾燥ムラが発生し易い。そこで、図5
(A)に示される如く、第3具体例では、ヒートローラ
244の表面温度をフィルム20の裏面側(ヒートロー
ラ244B、D、F)に対応するハロゲンランプのみを
点灯し(設定温度60℃)、フィルム20の表面側(ヒ
ートローラ244A、C、E)は加熱を中止した。な
お、ヒートローラ244Gも、表裏面の数を合わせるた
め、加熱は中止した。
【0049】図5(B)に、上記第3具体例によるフィ
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第3具
体例の比較例として、フィルム20の表裏を反転して
(すなわち、表面側に加熱されたヒートローラ244
B、D、F、Gが接触するように)処理行った場合のフ
ィルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、を示す。
この場合、乾燥風の温度は両者共に50℃で共通の条件
とした。
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第3具
体例の比較例として、フィルム20の表裏を反転して
(すなわち、表面側に加熱されたヒートローラ244
B、D、F、Gが接触するように)処理行った場合のフ
ィルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、を示す。
この場合、乾燥風の温度は両者共に50℃で共通の条件
とした。
【0050】なお、乾燥むらの評価は1〜5の5段階で
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
【0051】図5(B)に示される如く、第3具体例は
乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達しているが(乾燥
むらがレベル5、乾燥性が良)、比較例では乾燥むらの
レベルが2、乾燥性が良の評価となっている。従って、
フィルム20の裏面側(バック層側)に接触するヒート
ローラ244B、D、F、Gのみでも十分乾燥可能であ
ること、及び表面側のみにヒートローラ244B、D、
F、Gを接触させたのでは、乾燥むらが発生することが
分かる。
乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達しているが(乾燥
むらがレベル5、乾燥性が良)、比較例では乾燥むらの
レベルが2、乾燥性が良の評価となっている。従って、
フィルム20の裏面側(バック層側)に接触するヒート
ローラ244B、D、F、Gのみでも十分乾燥可能であ
ること、及び表面側のみにヒートローラ244B、D、
F、Gを接触させたのでは、乾燥むらが発生することが
分かる。
【0052】(第4具体例)乾燥室46において、フィ
ルム20はこの乾燥室46に進入してから排出されるま
での間に、徐々に乾燥されていく。このため、フィルム
搬送方向上流側では、フィルム20が含有する水分量が
多く、フィルム搬送方向下流側では、フィルム20が含
有する水分量が少ない。そこで、図6(A)に示される
如く、第4具体例では、ヒートローラ244に用いるパ
イプの肉厚寸法をフィルム搬送方向上流側(ヒートロー
ラ244A乃至244D)では薄く(肉厚寸法t=3m
m)、フィルム搬送方向下流側(ヒートローラ244E
乃至244G)では厚く(肉厚寸法t=4mm)なるよう
に設定した。なお、設定温度は、共に50℃として温度
制御するようにした。
ルム20はこの乾燥室46に進入してから排出されるま
での間に、徐々に乾燥されていく。このため、フィルム
搬送方向上流側では、フィルム20が含有する水分量が
多く、フィルム搬送方向下流側では、フィルム20が含
有する水分量が少ない。そこで、図6(A)に示される
如く、第4具体例では、ヒートローラ244に用いるパ
イプの肉厚寸法をフィルム搬送方向上流側(ヒートロー
ラ244A乃至244D)では薄く(肉厚寸法t=3m
m)、フィルム搬送方向下流側(ヒートローラ244E
乃至244G)では厚く(肉厚寸法t=4mm)なるよう
に設定した。なお、設定温度は、共に50℃として温度
制御するようにした。
【0053】図6(B)に、上記第4具体例によるフィ
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第4具
体例の比較例として、全てのヒートローラ244のパイ
プの肉厚寸法tを3mmとした場合のフィルム乾燥時の乾
燥むら及び乾燥性の評価と、を示す。この場合、乾燥風
の温度は両者共に50℃で共通の条件とした。
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第4具
体例の比較例として、全てのヒートローラ244のパイ
プの肉厚寸法tを3mmとした場合のフィルム乾燥時の乾
燥むら及び乾燥性の評価と、を示す。この場合、乾燥風
の温度は両者共に50℃で共通の条件とした。
【0054】なお、乾燥むらの評価は1〜5の5段階で
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
【0055】図6(B)に示される如く、第4具体例及
び比較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達して
いるが、第4具体例では、乾燥むらのレベルが5であ
り、ヒートローラ244の全ての肉厚寸法を一定(t=
3mm)とした比較例に比べて仕上がりが向上することが
分かる。
び比較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達して
いるが、第4具体例では、乾燥むらのレベルが5であ
り、ヒートローラ244の全ての肉厚寸法を一定(t=
3mm)とした比較例に比べて仕上がりが向上することが
分かる。
【0056】すなわち、ヒートローラ244のパイプ2
46の肉厚寸法が厚いと、その分熱容量が大きくなり、
温度変化が鈍くなる(温まり難く、冷めにくい)。従っ
て、温度制御によるミクロ的な温度変動が少なくなる。
一方、肉厚寸法が薄いと、その分熱容量が小さくなり、
温度変化が敏感になる(温まり易く、冷めやすい)。従
って、温度制御による温度変化が大きくなる。この結
果、各ヒートローラを温度調節するためのヒータのオー
バシュートが熱容量が小さいほど大きく、ヒートローラ
の表面温度にあらわれる。従って、熱容量が大きい(肉
厚の)ヒートローラを下流側に採用することにより、前
述した第1具体例と同様の作用がなされ、フィルム20
を効率よく乾燥することができる。これは、乾燥の終わ
りほど温度変化の少ない加熱が必要であることを示して
いる。なお、本第4具体例では、ヒートローラ244の
パイプ246の肉厚寸法を変えることによって熱容量を
変えたが、パイプ246の材質によって変えることも可
能である。
46の肉厚寸法が厚いと、その分熱容量が大きくなり、
温度変化が鈍くなる(温まり難く、冷めにくい)。従っ
て、温度制御によるミクロ的な温度変動が少なくなる。
一方、肉厚寸法が薄いと、その分熱容量が小さくなり、
温度変化が敏感になる(温まり易く、冷めやすい)。従
って、温度制御による温度変化が大きくなる。この結
果、各ヒートローラを温度調節するためのヒータのオー
バシュートが熱容量が小さいほど大きく、ヒートローラ
の表面温度にあらわれる。従って、熱容量が大きい(肉
厚の)ヒートローラを下流側に採用することにより、前
述した第1具体例と同様の作用がなされ、フィルム20
を効率よく乾燥することができる。これは、乾燥の終わ
りほど温度変化の少ない加熱が必要であることを示して
いる。なお、本第4具体例では、ヒートローラ244の
パイプ246の肉厚寸法を変えることによって熱容量を
変えたが、パイプ246の材質によって変えることも可
能である。
【0057】(第5具体例)乾燥室46において、フィ
ルム20はその表面(図1の左側面)に乳剤層が形成さ
れ、裏面にバック層が形成されている。そこで、図7
(A)に示される如く、第5具体例では、ヒートローラ
244に用いるパイプの肉厚寸法をフィルム20の裏面
に接触する側(ヒートローラ244B、D、F)では薄
く(肉厚寸法t=3mm)、フィルム20の表面に接触す
る側(ヒートローラ244A、C、D)では厚く(肉厚
寸法t=4mm)なるように設定した。なお、設定温度
は、共に50℃として温度制御するようにした。なお、
ヒートローラ244Gは、表裏面の数を合わせるため、
加熱は中止した。
ルム20はその表面(図1の左側面)に乳剤層が形成さ
れ、裏面にバック層が形成されている。そこで、図7
(A)に示される如く、第5具体例では、ヒートローラ
244に用いるパイプの肉厚寸法をフィルム20の裏面
に接触する側(ヒートローラ244B、D、F)では薄
く(肉厚寸法t=3mm)、フィルム20の表面に接触す
る側(ヒートローラ244A、C、D)では厚く(肉厚
寸法t=4mm)なるように設定した。なお、設定温度
は、共に50℃として温度制御するようにした。なお、
ヒートローラ244Gは、表裏面の数を合わせるため、
加熱は中止した。
【0058】図7(B)に、上記第5具体例によるフィ
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第5具
体例の比較例として、フィルム20の表裏を反転して
(すなわち、表面側に肉厚寸法の薄いパイプ246を用
いたヒートローラ244B、D、F、Gが接触するよう
に)処理行った場合のフィルム乾燥時の乾燥むら及び乾
燥性の評価と、を示す。この場合、乾燥風の温度は両者
共に50℃で共通の条件とした。
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第5具
体例の比較例として、フィルム20の表裏を反転して
(すなわち、表面側に肉厚寸法の薄いパイプ246を用
いたヒートローラ244B、D、F、Gが接触するよう
に)処理行った場合のフィルム乾燥時の乾燥むら及び乾
燥性の評価と、を示す。この場合、乾燥風の温度は両者
共に50℃で共通の条件とした。
【0059】なお、乾燥むらの評価は1〜5の5段階で
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
【0060】図7(B)に示される如く、第5具体例及
び比較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達して
いるが、第5具体例では、乾燥むらのレベルが5であ
り、パイプ246の肉厚寸法が薄いヒートローラ244
をフィルム20の表面側に接触させる比較例に比べて仕
上がりが向上することが分かる。
び比較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達して
いるが、第5具体例では、乾燥むらのレベルが5であ
り、パイプ246の肉厚寸法が薄いヒートローラ244
をフィルム20の表面側に接触させる比較例に比べて仕
上がりが向上することが分かる。
【0061】すなわち、ヒートローラ244のパイプ2
46の肉厚寸法が厚いと、その分熱容量が大きくなり、
温度変化が鈍くなる(温まり難く、冷めにくい)。従っ
て、温度制御によるオーバシュートが小さくなるので温
度変動が少なくなり、ヒートローラ表面温度の変動は少
ない、逆に肉厚寸法が薄いと、その分熱容量が小さくな
り、温度変化が敏感になる(温まり易く、冷めやす
い)。従って、温度制御による温度変化が大きくなり
(ハンチングが大きくなり)、フィルム表面の温度も大
きく変わる。この結果、本具体例では乳剤層側のヒート
ローラの熱容量を大きくしたため、乳剤層の加熱温度が
大きく変動することがないので、乾燥ムラ(反射ムラ)
の発生は少ない。その理由は第2具体例で説明した通り
である。なお、本第5具体例では、ヒートローラ244
のパイプ246の肉厚寸法を変えることによって熱容量
を変えたが、パイプ246の材質によって変えることも
可能である。
46の肉厚寸法が厚いと、その分熱容量が大きくなり、
温度変化が鈍くなる(温まり難く、冷めにくい)。従っ
て、温度制御によるオーバシュートが小さくなるので温
度変動が少なくなり、ヒートローラ表面温度の変動は少
ない、逆に肉厚寸法が薄いと、その分熱容量が小さくな
り、温度変化が敏感になる(温まり易く、冷めやす
い)。従って、温度制御による温度変化が大きくなり
(ハンチングが大きくなり)、フィルム表面の温度も大
きく変わる。この結果、本具体例では乳剤層側のヒート
ローラの熱容量を大きくしたため、乳剤層の加熱温度が
大きく変動することがないので、乾燥ムラ(反射ムラ)
の発生は少ない。その理由は第2具体例で説明した通り
である。なお、本第5具体例では、ヒートローラ244
のパイプ246の肉厚寸法を変えることによって熱容量
を変えたが、パイプ246の材質によって変えることも
可能である。
【0062】(第6具体例)乾燥室46において、フィ
ルム20はこの乾燥室46に進入してから排出されるま
での間に、徐々に乾燥されていく。このため、フィルム
搬送方向上流側では、フィルム20が含有する水分量が
多く、フィルム搬送方向下流側では、フィルム20が含
有する水分量が少ない。そこで、第6具体例では、ヒー
トローラ244を加熱する熱源のハロゲンランプ248
の容量(以下、ヒータ容量という)をフィルム搬送方向
上流側(ヒートローラ244A乃至244D)では大き
く(400W)、フィルム搬送方向下流側(ヒートロー
ラ244E乃至244G)では小さく(250W)なる
ように設定した。なお、設定温度は、共に55℃として
温度制御するようにした。
ルム20はこの乾燥室46に進入してから排出されるま
での間に、徐々に乾燥されていく。このため、フィルム
搬送方向上流側では、フィルム20が含有する水分量が
多く、フィルム搬送方向下流側では、フィルム20が含
有する水分量が少ない。そこで、第6具体例では、ヒー
トローラ244を加熱する熱源のハロゲンランプ248
の容量(以下、ヒータ容量という)をフィルム搬送方向
上流側(ヒートローラ244A乃至244D)では大き
く(400W)、フィルム搬送方向下流側(ヒートロー
ラ244E乃至244G)では小さく(250W)なる
ように設定した。なお、設定温度は、共に55℃として
温度制御するようにした。
【0063】図8(B)に、上記第6具体例によるフィ
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第6具
体例の比較例として、全てのヒートローラ244のヒー
タ容量を400Wとした場合のフィルム乾燥時の乾燥む
ら及び乾燥性の評価と、を示すこの場合、乾燥風の温度
は両者共に50℃で共通の条件とした。
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第6具
体例の比較例として、全てのヒートローラ244のヒー
タ容量を400Wとした場合のフィルム乾燥時の乾燥む
ら及び乾燥性の評価と、を示すこの場合、乾燥風の温度
は両者共に50℃で共通の条件とした。
【0064】なお、乾燥むらの評価は1〜5の5段階で
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
【0065】図8(B)に示される如く、第6具体例及
び比較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達して
いるが、第6具体例では、乾燥むらのレベルが5であ
り、ヒートローラ244の全てのヒータ容量を一定(4
00W)とした比較例に比べて仕上がりが向上すること
が分かる。
び比較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達して
いるが、第6具体例では、乾燥むらのレベルが5であ
り、ヒートローラ244の全てのヒータ容量を一定(4
00W)とした比較例に比べて仕上がりが向上すること
が分かる。
【0066】すなわち、ヒートローラ244のヒータ容
量が小さいと、その分温度変化が鈍くなる(温まり難
い)。従って、温度制御によるミクロ的な温度変動が少
なくなり、平均的なヒートローラ表面温度を低めとな
る。一方、ヒータ容量が大きいと、その分温度変化が敏
感になる(温まり易い)。この具体例では、乾燥工程の
上流側で大きなヒータ容量により急速に乾燥し、乾燥ム
ラに影響する乾燥の後半(安定した温度調節が必要)に
ヒータ容量の小さいヒートローラでオーバシュートを抑
えた加熱を行うことができる。これに対し、比較例で
は、乾燥後半のヒートローラのオーバシュートが比較的
大きいため、乾燥ムラが発生し易くなる。
量が小さいと、その分温度変化が鈍くなる(温まり難
い)。従って、温度制御によるミクロ的な温度変動が少
なくなり、平均的なヒートローラ表面温度を低めとな
る。一方、ヒータ容量が大きいと、その分温度変化が敏
感になる(温まり易い)。この具体例では、乾燥工程の
上流側で大きなヒータ容量により急速に乾燥し、乾燥ム
ラに影響する乾燥の後半(安定した温度調節が必要)に
ヒータ容量の小さいヒートローラでオーバシュートを抑
えた加熱を行うことができる。これに対し、比較例で
は、乾燥後半のヒートローラのオーバシュートが比較的
大きいため、乾燥ムラが発生し易くなる。
【0067】(第7具体例)乾燥室46において、フィ
ルム20はその表面(図1の左側面)側に乳剤層が形成
され、裏面にバック層が形成されている。第7具体例で
は、ヒートローラ244のヒータ容量をフィルム20の
裏面に接触する側(ヒートローラ244B、D、F)で
は大きく(400W)、フィルム20の表面に接触する
側(ヒートローラ244A、C、E)では小さく(25
0W)なるように設定した。なお、設定温度は、共に6
0℃として温度制御するようにした。なお、ヒートロー
ラ244Gは、表裏面の数を合わせるため、加熱は中止
した。
ルム20はその表面(図1の左側面)側に乳剤層が形成
され、裏面にバック層が形成されている。第7具体例で
は、ヒートローラ244のヒータ容量をフィルム20の
裏面に接触する側(ヒートローラ244B、D、F)で
は大きく(400W)、フィルム20の表面に接触する
側(ヒートローラ244A、C、E)では小さく(25
0W)なるように設定した。なお、設定温度は、共に6
0℃として温度制御するようにした。なお、ヒートロー
ラ244Gは、表裏面の数を合わせるため、加熱は中止
した。
【0068】図9(B)に、上記第7具体例によるフィ
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第7具
体例の比較例として、フィルム20の表裏を反転して
(すなわち、その表面側にヒータ容量の大きいヒートロ
ーラ244B、D、Fが接触するように)処理行った場
合のフィルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、を
示す。この場合、乾燥風の温度は両者共に50℃で共通
の条件とした。
ルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、この第7具
体例の比較例として、フィルム20の表裏を反転して
(すなわち、その表面側にヒータ容量の大きいヒートロ
ーラ244B、D、Fが接触するように)処理行った場
合のフィルム乾燥時の乾燥むら及び乾燥性の評価と、を
示す。この場合、乾燥風の温度は両者共に50℃で共通
の条件とした。
【0069】なお、乾燥むらの評価は1〜5の5段階で
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
あり、レベル5が乾燥むらのない最適な状態であり、レ
ベル4が乾燥合格レベルである。また、乾燥性は、優、
良、可、不可の4段階で示した。
【0070】図9(B)に示される如く、第7具体例及
び比較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達して
いるが、第7具体例では、乾燥むらのレベルが5であ
り、パイプ246の肉厚寸法が薄いヒートローラ244
をフィルム20の表面側に接触させるようにした比較例
に比べて仕上がりが向上することが分かる。
び比較例共に乾燥むら及び乾燥性が合格ラインに達して
いるが、第7具体例では、乾燥むらのレベルが5であ
り、パイプ246の肉厚寸法が薄いヒートローラ244
をフィルム20の表面側に接触させるようにした比較例
に比べて仕上がりが向上することが分かる。
【0071】すなわち、ヒートローラ244のヒータ容
量が小さいと、温度制御によるヒートローラの表面温度
変動が小さくなる。一方、ヒータ容量が大きいと、その
分温度変化が敏感になる(温まり易い)。従って、温度
制御によるヒートローラ表面温度の温度変化が大きくな
る。本具体例では、安定した温度調節が必要なフィルム
乳剤層側の温度変化を抑えることができ、温度調節の安
定性が増すので、乾燥ムラが発生し難い。フィルムの裏
面側(バック層側)の温度変化が大きくてもその影響が
少ないことは第2具体例で説明した通りである。
量が小さいと、温度制御によるヒートローラの表面温度
変動が小さくなる。一方、ヒータ容量が大きいと、その
分温度変化が敏感になる(温まり易い)。従って、温度
制御によるヒートローラ表面温度の温度変化が大きくな
る。本具体例では、安定した温度調節が必要なフィルム
乳剤層側の温度変化を抑えることができ、温度調節の安
定性が増すので、乾燥ムラが発生し難い。フィルムの裏
面側(バック層側)の温度変化が大きくてもその影響が
少ないことは第2具体例で説明した通りである。
【0072】なお、上記第1具体例乃至第7具体例は、
独立した構成であっても前述のようにそれぞれ本願の目
的とする乾燥むらの発生防止等の効果を有するが、必要
に応じて複数の具体例の組み合わせるようにしてもよ
い。
独立した構成であっても前述のようにそれぞれ本願の目
的とする乾燥むらの発生防止等の効果を有するが、必要
に応じて複数の具体例の組み合わせるようにしてもよ
い。
【0073】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る写真感光
材料の乾燥方法及び装置は、ヒートローラによる乾燥を
効率よく行い、乾燥むらの発生を防止して、適正な迅速
乾燥を行うことができるという優れた効果を有する。
材料の乾燥方法及び装置は、ヒートローラによる乾燥を
効率よく行い、乾燥むらの発生を防止して、適正な迅速
乾燥を行うことができるという優れた効果を有する。
【図1】本実施例に係る自動現像装置の概略構成図であ
る。
る。
【図2】(A)はヒートローラの側面断面図、(B)は
図2(A)のIIB線断面図である。
図2(A)のIIB線断面図である。
【図3】第1具体例に係る乾燥部の概略図であり、
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
【図4】第2具体例に係る乾燥部の概略図であり、
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
【図5】第3具体例に係る乾燥部の概略図であり、
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
【図6】第4具体例に係る乾燥部の概略図であり、
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
【図7】第5具体例に係る乾燥部の概略図であり、
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
【図8】第6具体例に係る乾燥部の概略図であり、
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
【図9】第7具体例に係る乾燥部の概略図であり、
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
(A)はヒートローラの配置、組み合わせ状態を示す拡
大図、(B)は乾燥むら及び乾燥性の評価結果を示す特
性図である。
10 自動現像機 20 フィルム 16 乾燥部 244 ヒートローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 晋一 神奈川県南足柄市竹松1250番地 富士機器 工業株式会社内
Claims (9)
- 【請求項1】 処理液による処理が終了した写真感光材
料を複数のヒートローラに接触させることによって乾燥
する写真感光材料の乾燥方法であって、 前記ヒートローラの表面温度制御を各ヒートローラ毎に
又はヒートローラの各グループ毎に行うことを特徴とす
る写真感光材料の乾燥方法。 - 【請求項2】 前記ヒートローラの表面温度制御を、写
真感光材料の搬送方向上流側のヒートローラと下流側の
ヒートローラとで異なる表面温度となるように行うこと
を特徴とする請求項1記載の写真感光材料の乾燥方法。 - 【請求項3】 処理液による処理が終了した写真感光材
料をその表裏両面にヒートローラを接触させることによ
って乾燥する写真感光材料の乾燥方法であって、 前記感光材料の一方の面側に接触するヒートローラと他
方の面側に接触するヒートローラとの表面温度を異なる
温度に制御することを特徴とする写真感光材料の乾燥方
法。 - 【請求項4】 処理液による処理が終了した写真感光材
料の一方の面のみをヒートローラに接触させることによ
って写真感光材料を乾燥することを特徴とする写真感光
材料の乾燥方法。 - 【請求項5】 前記感光材料の一方の面が非乳剤面側で
あることを特徴とする請求項4記載の写真感光材料の乾
燥装置。 - 【請求項6】 処理液による処理が終了した写真感光材
料を複数のヒートローラに接触させることによって乾燥
する写真感光材料の乾燥装置であって、 前記ヒートローラとして写真感光材料搬送方向上流側と
下流側とで異なる熱容量を持つものを配設したことを特
徴とする写真感光材料の乾燥装置。 - 【請求項7】 処理液による処理が終了した写真感光材
料をその表裏両面にヒートローラを接触させることによ
って乾燥する写真感光材料の乾燥装置であって、 前記写真感光材料の一方の面に接触するヒートローラ
と、他方の面に接触するヒートローラとで異なる熱容量
を持たせたことを特徴とする写真感光材料の乾燥装置。 - 【請求項8】 処理液による処理が終了した写真感光材
料を複数のヒートローラに順次接触することによって乾
燥する写真感光材料の乾燥装置であって、 前記ヒートローラのヒータ容量を写真感光材料搬送方向
上流側と下流側とで異なるものを配設したことを特徴と
する写真感光材料の乾燥装置。 - 【請求項9】 処理液による処理が終了した写真感光材
料をその表裏両面にヒートローラを接触させることによ
って乾燥する乾燥領域を備えた写真感光材料の乾燥装置
であって、 前記ヒートローラのヒータ容量が感光材料の一方の面に
接触するものと、他方の面に接触するものとで異なるこ
とを特徴とする写真感光材料の乾燥装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19055493A JPH0743880A (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 写真感光材料の乾燥方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19055493A JPH0743880A (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 写真感光材料の乾燥方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0743880A true JPH0743880A (ja) | 1995-02-14 |
Family
ID=16260013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19055493A Pending JPH0743880A (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 写真感光材料の乾燥方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0743880A (ja) |
-
1993
- 1993-07-30 JP JP19055493A patent/JPH0743880A/ja active Pending
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