JP3645333B2 - 感光材料乾燥装置 - Google Patents

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JP3645333B2 JP28070795A JP28070795A JP3645333B2 JP 3645333 B2 JP3645333 B2 JP 3645333B2 JP 28070795 A JP28070795 A JP 28070795A JP 28070795 A JP28070795 A JP 28070795A JP 3645333 B2 JP3645333 B2 JP 3645333B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光材料を乾燥処理する感光材料乾燥装置に係り、特に、温風を吹き付けて感光材料を乾燥させる感光材料乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の感光材料乾燥装置では、温風により感光材料の乾燥を行う場合、乾燥ムラの観点から2次元スリットを使用している。
【0003】
また、より乾燥効率の良いものとして、特開平6−161089号に開示されているような2次元ノズルを使用することも多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの2次元スリットや2次元ノズルで温風を吹き付ける方法は、感光材料の搬送方向に直交する方向の幅方向に均等に温風を吹き付けるため、乾燥ムラの観点からは好ましいが、現在のように更なる迅速化が要求されると、乾燥効率の面で充分ではない。
【0005】
感光材料乾燥装置の処理時間短縮の上で問題となるのは乾燥が不充分となりやすいことである。そこで、乾燥温度(温風の温度)を上げたり、吹付風量を増やしたりすることが行われるが、その場合、消費エネルギーの増加、使用送風機の大型化、騒音の増加、寸法の増加、コストの増加という問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、感光材料の乾燥の迅速化を達成することができ、また、乾燥ムラを生じることなく高品質に感光材料を乾燥することのできる感光材料乾燥装置を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
乾燥部で感光材料を充分に乾燥させようとすると、感光材料の乾燥に恒率乾燥段階と減率乾燥段階とを生じる。
【0008】
恒率乾燥段階は、加熱空気によって感光材料に供給される熱量の殆どが蒸発潜熱として奪われて、感光材料の表面温度が加熱空気の温度よりも低い温度に一定に保たれる乾燥工程のことである。
【0009】
一方、減率乾燥段階は、感光材料乳剤厚が乾燥により減少し、表面に付着している水分が無くなり始めた後の乾燥段階であり、水分の蒸発は乳剤層中の水分が表面に移行して出てくる量に制限されるため、加熱空気が供給する熱量の方が蒸発水分の奪う潜熱よりも多くなり、感光材料の表面温度が上昇する次段階の乾燥工程のことである。
【0010】
また、感光材料の乾燥の特徴として、恒率乾燥段階では、減率乾燥段階の5倍以上もの水分が蒸発するため、恒率乾燥段階では減率乾燥段階に比べて多くの熱エネルギーを消費する。このため、恒率乾燥段階では乾燥温度が下がり易く、また、空気の水分飽和度が高くなり易い。
【0011】
しかし一方で、同じ乾燥条件で乾燥した場合には、恒率乾燥速度は、減率乾燥速度の5〜10倍以上もの高速となる。恒率乾燥速度をいかに上げるかが、全体の乾燥時間短縮のポイントとなる。
【0012】
そこで、発明者の種々の実験検討により、乾燥風量やヒータ容量を従来同等にして、乾燥速度を向上するためには、温風の吹き出すノズルの形状、位置を最適化し、熱伝達効率を向上させることによって、上記の問題を解決できることが判明した。
【0013】
以下に、発明者が行った実験に付いて説明する。
【0014】
図16に示すように多数の孔100が穿孔された多孔板102、図17に示すように多数の円筒ノズル104を設けた円筒状ノズル板106、図18に示すように複数の2次元スリット108が穿孔された2次元スリット板110、図19に示すように複数の細長い2次元ノズル112を設けた2次元ノズル板114を作製し、これらの板と平行に感光材料を配置し、多孔板102及び2次元スリット板110では板材から感光材料までの距離H、円筒状ノズル板106及び2次元ノズル板112の場合にはノズル先端から感光材料までの距離Hを変化させ、各々について感光材料(印画紙)の乾燥速度がどのように変化するかを調べた。
【0015】
ここで、孔100又は円筒ノズル104の内径D、孔100又は円筒ノズル104の感光材料の搬送方向とは直交する方向の孔のピッチP1 、孔100、円筒ノズル104、2次元スリット108及び2次元ノズル112の感光材料の搬送方向のピッチP2 、2次元スリット108又は2次元ノズル112の感光材料の感光材料の搬送方向の幅W(但し、2次元ノズル112では内寸)及びノズルの高さhは以下の表1に示す通りである。
【0016】
なお、試験結果は図20のグラフに示す通りであり、平均して多孔板102及び円筒状ノズル板106の方が2次元スリット板110及び2次元ノズル板114よりも10〜20%乾燥速度が早いことが判明した。
【0017】
【表1】
Figure 0003645333
【0018】
但し、温風温度55°C
感光材料の受熱面単位面積当たりに吹き付ける温風の質量速度1900 Kg/m2 ・hr
なお、質量速度(G)は以下の式で表される。
【0019】
G=ρ・Af ・v・3600
ρ:温風の密度(kg/m3 )。
【0020】
f :ノズル開口比(受熱面単位面積当たりに設けられているノズルの全開口 面積の比率)
v:温風の速度(m /sec )
また、内径D、ピッチP1 及びピッチP2 が各々異なる多孔板を3枚作製し、感光材料を各々の板と平行に配置して距離Hを変えて、乾燥速度の変化を調べた。結果は、図21のグラフに示す通りであった。
【0021】
さらに、内径D及び距離Hが同一で、ピッチP1 及びピッチP2 が各々異なる多孔板を作製し、各々について乾燥速度を比較した。結果は、図22のグラフに示す通りであった。
【0022】
上記の結果に示すように、内径Dが1〜10mmの範囲ではH/Dを4未満(4×D>H)、また、ピッチP1 を2×D<P1 <4×D、ピッチP2 を2×D<P2 <4×Dとすることで乾燥効率を高くできることが判明した。
【0023】
しかし、感光材料によっては、上記多孔板や円筒状ノズル板を用いて感光材料の搬送方向と直交する方向に不連続な吹き付けを行うと、それが乾燥ムラを引き起こして問題となることがあり、乾燥の後半において注意を払う必要がある。
【0024】
一方、乾燥の後半では、蒸発水分量は少ないため、必要となるエネルギー量も少なく、また、与えたエネルギーがすべて蒸発に使用されない拡散律速の領域であるため、積極的に熱伝達を行っても効果は少ない。
【0025】
そこで、種々実験検討を重ねた結果、乾燥部後半では、感光材料に略並行に温風を送風したり、2次元スリット又は2次元ノズルによって感光材料の搬送方向と直交方向に均一に温風を送風することにより、乾燥時間の短縮と仕上がり品質を高次元で両立できることを見いだした。
【0026】
さらに、恒率乾燥領域における乾燥速度が2.5g/m2 ・sec以上であるような迅速乾燥を行うには、ノズルの改良と共に、吹付空気の質量速度を増加させるか、乾燥温度を上げれることが考えられる。
【0027】
しかし、吹付空気量を増加させると、ファンが大型化するだけでなく、騒音が増すため好ましくない。
【0028】
一方で、乾燥温度を90°C以上に上げると、感光材料の膜質が劣化し、仕上がり品質(光沢、保存性)に重大な影響を与えるものと従来考えられてきた。しかし、感光材料の乾燥に関し、種々の研究、実験を重ねた結果、乾燥部前半においては、乾燥温度を90°C以上としても、仕上がり品質に重大な影響を与えないことが判明した。
【0029】
以下の表2に、乾燥時の温風温度が各々異なる感光材料と温風温度70°Cで60秒で乾燥を行ったtype品との比較を示す。なお、温風吹き出し部分には、ピッチP1 が15mm,ピッチP2 が15mm、内径Dが5mm、距離Hを20mmとした多孔板を使用した。
【0030】
【表2】
Figure 0003645333
【0031】
また、温風吹き出し部分に、ピッチP1 が15mm,ピッチP2 が15mm、内径Dが5mm、距離Hを20mmとした円筒状ノズル板を使用し、温風の温度と温風の質量速度とを変化させたときに恒率乾燥速度がどのように変化するかを調べた。結果は、図23のグラフに示す通りであった。
【0032】
この結果、質量速度を1000Kg/m2 ・hr以上とすることにより、目標とする恒率乾燥速度2.5g/m2 ・sec以上を得られることが判明した。
【0033】
請求項1に記載の発明は、上記事実に鑑みてなされたものであって、乾燥部を搬送される感光材料に温風を吹き付け、感光材料の受熱面単位面積当たりに吹き付ける温風の質量速度を1000Kg/m2 ・hr以上とした感光材料乾燥装置であって、乾燥部前半は、感光材料に向けて温風を吹き出す多孔板又はノズル群を備え、乾燥部後半は、感光材料の搬送方向と直交する方向で、かつ感光材料に対して並行する方向に温風を送風するノズルを備えている、ことを特徴としている。
【0034】
次に請求項1の感光材料乾燥装置の作用を説明する。
【0035】
請求項1の感光材料乾燥装置では、自動現像機等で処理された感光材料は乾燥部内を搬送され、搬送中の感光材料には、乾燥部前半で、多孔板又はノズル群から吹き出される温風(但し、感光材料の受熱面単位面積当たりに吹き付ける質量速度は1000Kg/m2 ・hr以上)が感光材料に対してほぼ直角に吹き付けられ、表面に付着した水分の蒸発が行われる。このため、搬送方向と直交する方向に長いスリットから吹き出される温風により乾燥を行う場合に比較して、同一質量速度、同一温度でも短い搬送距離(短い時間)で恒率乾燥を行うことができる。また、乾燥部後半では、減率乾燥が行われ、乳剤中の水分の蒸発が行われる。
【0036】
乾燥部の後半では、ノズルから感光材料の搬送方向と直交する方向で、かつ感光材料に対して並行する方向に温風が送風される。乾燥部後半では、減率乾燥が行われるので、温風を感光材料に対して略並行に送風することにより、感光材料に対して均一に温風が送風されることになる。このため、感光材料に乾燥ムラを生じることがない。
【0037】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の実施形態を説明する前に、比較例に係る感光材料乾燥装置を図1乃至図3にしたがって説明する。
【0038】
図1には、自動現像機10の感光材料乾燥装置としての乾燥部12が示されている。
【0039】
この自動現像機10は、図示しない現像槽、定着槽、水洗槽等の複数の処理槽を備え、感光材料(以後、印画紙11とする)を現像定着水洗処理するようになっている。
【0040】
水洗処理された印画紙11は、搬送ローラ対14,16によって乾燥部12に搬送される。
【0041】
乾燥部12は自動現像機10の箱状のケーシング18内に設けられており、印画紙11を搬送するベルトコンベア20及び、図2に示すように温風発生装置22を備えている。
【0042】
図1に示すように、ベルトコンベア20は、平行に配設された一対のローラ24,26と、これらのローラ24,26に巻き掛けられるベルト28と、ベルト28にテンションを与えるテンションローラ30とを有し、図示しないモータによりベルト28が図1の時計回り方向へ駆動されるようになっている。このベルトコンベア20では、ローラ24,26の下側に位置するベルト28の直線部分28Aが印画紙11を搬送する搬送部分となっており、印画紙11は直線部分28Aで矢印L方向に水平に搬送される。
【0043】
ベルトコンベア20の下方には、所定間隔をおいてチャンバー32が配設されている。チャンバー32は、ベルトコンベア20の搬送方向に沿って長い矩形の箱状を呈しており、上部の板材34がベルト28の直線部分28Aと平行に配設されている。
【0044】
図3に示すように、板材34には、印画紙11の搬送方向上流側(矢印L方向とは反対方向側)の端部付近に、複数の長孔36が板材34の幅方向(矢印W方向)に沿って所定間隔で形成されている。
【0045】
図1及び図3に示すように、この長孔36の下側には、チャンバー32の側壁32Aに回転自在に支持されたシャフト38が板材34の幅方向に沿って配置されている。このシャフト38には、長孔36から、板材34の上面に一部が突出するローラ40が長孔36に対応して取り付けられている。
【0046】
また、板材34の印画紙11の搬送方向下流側の端部付近に、複数の長孔42が板材34の幅方向(矢印W方向)に沿って所定間隔で形成されている。この長孔42の下側には、チャンバー32の側壁32Aに回転自在に支持されたシャフト44及びシャフト46が長孔42の配列方向に沿って平行に配置されている。これらのシャフト44,46には、長孔42から板材34の上面に一部が突出するローラ40が長孔42に対応して取り付けられている。
【0047】
図2に示すように、チャンバー32の側方には、温風発生装置22が設けられている。
【0048】
温風発生装置22は、チャンバー32と一体的に接続されたケーシング50を備え、ケーシング50内にはファン52及びヒーター54が設けられている。
【0049】
ファン52は、ケーシング50の上部に形成された孔56から吸引した空気をヒーター54で加熱し、側壁22Aに形成された孔57を介してチャンバー32内に送風する。ヒーター54は、乾燥部前半側で電熱線密度が密となっており、乾燥部後半側に比べて出力が高くなるよう構成されている。
【0050】
図3に示すように、チャンバー32の板材34は、印画紙11の搬送方向前半部分に複数の孔58が形成されており、搬送方向後半分部に複数の2次元スリット60が形成されている。なお、板材34の孔58が形成されている部分が本発明の多孔板に相当する。
【0051】
本比較例の孔58は、内径Dの丸孔であり、印画紙11の搬送方向とは直交する方向がピッチP1 で、印画紙11の搬送方向がピッチP2 で、全体的に千鳥状となるように配列されている。
【0052】
また、2次元スリット60は、一定幅で印画紙11の搬送方向とは直交する方向(矢印W方向)に長く形成されており、同一長さの印画紙11が搬送方向(矢印L方向)に沿ってピッチP3 で配列されている。また、2次元スリット60の長さは、印画紙11の搬送方向とは直交する方向の幅よりも長く設定されている。
【0053】
ここで、チャンバー32内に温風が送風されると、温風は図1の矢印Aで示すように孔58及び2次元スリット60からベルト28の直線部分28Aに対して直角に吹き出される。
【0054】
孔58及び2次元スリット60から吹き出された温風は、図2に示すように一部AH が温風発生装置22のケーシング50の孔56から吸引される。なお、温風発生装置22は、孔58及び2次元スリット60から吹き出された温風の一部AH を吸引すると共に、自動現像機10のケーシング18に設けられたスリット状の外気導入孔62から装置外の外気を吸引するようになっている。
【0055】
なお、この乾燥部12では、板材34に孔58の形成されている前半部分が恒率乾燥域とされ、2次元スリット60の形成されている後半部分が減率乾燥域とされており、恒率乾燥域に対応する部分の外気導入孔62は長く、減率乾燥域に対応する部分の外気導入孔62は短くされており、恒率乾燥域に対応する部分では減率乾燥域に対応する部分よりも外気の導入率が高くなっている。
【0056】
図1に示すように、ベルトコンベア20の印画紙11排出側には、乾燥をされた印画紙11を図示しないソーター(矢印B方向側)又は濃度計(矢印C方向側)へ搬出する搬送装置64が設けられている。
【0057】
なお、図1及び図2に示すように、チャンバー32内には、印画紙11の搬送方向中央よりも上流側へずれた位置にチャンバー32内の温風の温度を検出する温風温調センサ66が設けられている。この温風温調センサ(例えば、サーミスタ、熱伝対等)66は、図示しない制御装置に連結されており、制御装置は温風の温度を処置温度に保つようにヒーター54の出力を制御する。
【0058】
次に、本比較例の作用を説明する。
【0059】
図示しない現像槽、定着槽、水洗槽等を経て、水洗処理の終了した印画紙11は、ニップローラ(図示せず)で表面に付着した余剰の水分が除去され、その後、搬送ローラ対14,16によって乾燥部12に搬送される。
【0060】
乾燥部12に至った印画紙11は、孔58及び2次元スリット60からベルト28に向けて吹き出される温風によってベルト28の直線部分28Aに押さえつけられながら矢印L方向へ搬送される(図1参照)。
【0061】
ベルト28に押えつけられながら搬送される印画紙11は、始めに孔58から吹き出される温風を受け、表面に付着した水分の蒸発が行われる。乾燥部12の前半部分では、温風によって印画紙11に供給される熱量のほとんどが蒸発潜熱として奪われ、印画紙11の表面温度は温風の温度よりも低い温度に一定に保たれる。
【0062】
なお、乾燥前半部分では、外気の導入量が大きく乾燥用の空気の循環率が低いため、印画紙11に吹き付ける温風の湿度を低くでき、水分の蒸発を効率的に行うことができる。
【0063】
その後、印画紙11は2次元スリット60の形成されている後半の領域へと搬送される。この段階では、温風の供給する熱量の方が、蒸発水分の奪う潜熱よりも多くなるので、印画紙11の表面温度が上昇する(減率乾燥)。
【0064】
乾燥部12で乾燥された印画紙11は、その後、搬送装置64によって図示しないソーター(矢印B方向側)又は濃度計(矢印C方向側)側へ排出される。
【0065】
本比較例では、印画紙11を乾燥の前半部分において、多数の孔58から吹き出される温風により乾燥を行うようにしたので、搬送方向と直交する方向に長いスリットから吹き出される温風により乾燥を行う場合に比較して、短い搬送距離(短い時間)で恒率乾燥を行うことができる。
【0066】
また、その後の、乾燥部12の後半の領域では、2次元スリット60により印画紙11の搬送方向と直交する方向に温風が均一に送風され減率乾燥が行われるので、印画紙11に乾燥ムラが生じることがない。
【0067】
ところで、印画紙11に吹き付けられた後の温風の一部は、ファン52で吸引されて再びチャンバー32内へ送り込まれるが、乾燥部前半では、多量の水分の蒸発が行われ(恒率乾燥)、温風は乾燥に使用された後にその温度が低下するため、温風の温度が低下し易い傾向にあるが、乾燥部前半側のヒータ出力が高いことにより温度は低下しにくい。更に、温風温調センサ66を乾燥部の中央よりも入口側へずらして配置することにより、乾燥部前半において乾燥温度を精度良く検出することができ、温風の温度を精度良く維持できる。またハンチング幅を小さく制御することができる。これにより、従来よりも連続処理時のサンプル毎の乾燥性の差を均一化することができ、所要乾燥パス長を短くすることも可能となる。
【0068】
したがって、本比較例では、印画紙11を高品質で且つ従来よりも迅速に効率的に乾燥させることが可能である。また、本比較例では、温風の吹き出す吹出口の形状改良によってく乾燥効率を上げることが可能であるので、消費エネルギーの増加、温風発生装置22の大型化、騒音の増加、コストの増加、寸法の増加等を招かない。
【0069】
本比較例では、乾燥前半部分の新鮮風取入量を高めるために、外気導入孔62の長さを乾燥後半部分よりも長くしたが、外気導入部分の開口面積を前半と後半とで変える代わりに、ケーシング50の孔56の幅を前半側で広く、後半側で狭くしても同じ効果が得られる。また、その他の方法として、ファン52を乾燥前半部分にのみ設けるようにしても良く、前半と後半で送風能力の異なるファンを設けても良い。
【0070】
なお、前記比較例の板材34では、乾燥前半の恒率乾燥域において、多数の孔58から温風を吹き出すようにしたが、温風は、例えば図4及び図5に示すように印画紙11側に突出するノズル群としての複数の丸パイプ68の先端から図4の矢印Aで示すように温風を吹き出すようにしても良い。
【0071】
また、恒率乾燥域においては、温風の吹き出す部分の形状は円形以外の形状であっても良く、楕円形状等であっても良い。但し、温風の吹き出す部分は、図6に示すように印画紙11(図6では図示せず)の搬送方向(矢印L方向)に沿った方向の寸法をa、印画紙11の搬送方向とは直交する方向の寸法をbとしたときに、1≦b/a≦10の関係を充たすことが好ましい。
【0072】
また、図7に示すように孔58のチャンバー内側の開口部分に面取り70を施しても良く、図8に示すようにチャンバー内側の向かって内径を拡大しても良い。これにより、孔58からスムーズに温風を吹き出すことができ、圧力損失が低減できる為、より小型の送風機の使用が可能となる。
【0073】
同様にして、丸パイプ68においても、図9に示すようにチャンバー内側の開口部分に面取り70を施しても良く、図10に示すようにチャンバー内側の向かって内径を拡大しても良く、図11に示すように板材34に向かうにしたがって外径を拡大しても良い。
【0074】
さらに、前記比較例では、乾燥後半の減率乾燥域において、同一長さの2次元スリット60を搬送方向に沿って配列したが、2次元スリット60は必ずしも全てが同じ長さである必要はなく、例えば図12に示すように、恒率乾燥側では短く、搬送方向に向かって除々にその長さを長くしても良い。このようにしても、乾燥ムラを生じさせることなく印画紙11を乾燥させることができる。
【0075】
また、減率乾燥域においても、2次元スリット60に代えて図13に示すような矩形パイプ状の2次元ノズル72を設け、この先端から印画紙11に向けて温風(矢印A)を吹き出すようにしても良い。
【0076】
なお、前記比較例では、乾燥ムラを防止する目的で、減率乾燥域に2次元スリット60又は2次元ノズル72を設けたが、2次元スリット60又は2次元ノズル72を設けなくても乾燥ムラを防止することは可能である。
【0077】
乾燥ムラを防止するには、印画紙11に対して、均一に温風が対応すれば良い。例えば、図14に示すように、板材34に2次元スリット60又は2次元ノズル72を設けず、孔58(又はパイプ68)から吹き出された温風が、ベルト28(図14では図示せず)及び印画紙11に当たった後、矢印Cに示すように搬送方向に流れるようにしても良い(この場合、乾燥後半部分では、ベルトコンベア20の側方から乾燥に使用済みの温風を吸引するのではなく、ベルトコンベア20の下流側から乾燥に使用済みの温風を吸引するようにすれば良い。)。
【0078】
次に、本発明の実施形態を図15にしたがって説明する。なお、前述した比較例と同一構成には合一符号を付し、その説明は省略する。
【0079】
図15に示すように、本発明の実施の形態では、減率乾燥域に印画紙11の搬送方向と直交する方向に温風発生装置22で生成された温風を吹き出すノズル74を設け、矢印Dに示すように印画紙11の搬送方向と直交する方向で、かつ印画紙11に対して並行する方向に温風を送風している。
【0080】
なお、前述した例では、温風のみを用いて印画紙11の乾燥を行ったが、ヒートローラによる加熱を加えても良い。このようにヒートローラにより印画紙11の加熱を行う場合の一例として、搬送ローラ対14及び搬送ローラ対16(図1参照)をヒートローラとする。なお、この場合には、搬送方向上流側の搬送ローラ対14の温度を下流側の搬送ローラ対16の温度よりも高く設定することが好ましい。
【0081】
また、印画紙11をヒータで加熱する場合、上記のようにヒートローラで接触加熱する以外に、ハロゲンランプヒータの発する熱(赤外線)を印画紙11に照射しても加熱しても良い。
【0082】
なお、前述した例の板材34では、乾燥部後半に孔58(又はパイプ68)が設けられていなかったが、印画紙11に乾燥ムラを生じなければ図24に示すように、乾燥部後半に孔58(又はパイプ68)を設けて、温風を吹き出すようにしても良い。なお、乾燥ムラを防止するためには、孔58は千鳥状に配置することが好ましい。
【0083】
また、前記実施形態では、印画紙11の現像乾燥処理を行う自動現像機を例にして本発明の説明をしたが、本発明は、湿潤した感光材料を温風で乾燥させるのであれば全て適用でき、例えば、フィルムの現像乾燥処理を行うフィルムプロセッサ、プリンタプロセッサ、コピー機、処理液で現像処理を行う印刷版作製装置等にも適用できる。
【0084】
なお、本発明の適用された乾燥装置(多孔板102使用)によりプリント用カラー感材(富士写真フイルム(株)製 フジカラーペーパーSUPER FAV)及び撮影用カラー感材(富士写真フイルム(株)製 SUPER G400)の乾燥を行った結果、プリント用カラー感材では従来40秒程度かかっていた乾燥時間が20秒程度に短縮され、撮影用カラー感材では、従来60〜70秒程度かかっていた乾燥時間が40秒程度に短縮された。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の感光材料乾燥装置は上記の構成としたので、乾燥温度の上昇による消費エネルギーの増加、送風量増大による使用送風機の大型化、騒音の増加、コストの増加、寸法の増加という問題を生ずることなく感光材料を迅速に乾燥できるという優れた効果を有する。なお、乾燥前半にのみ多孔板、又は略円筒状のノズル群を用いることより、乾燥ムラを発生することなく高品質に感光材料の乾燥を行うことができる。また、効率的に乾燥を行うことができるので、従来よりも乾燥温度を下げ、使用エネルギーを抑えることも可能である。また、温風の温度を上げたり、送風量を増加することにより、更なる乾燥の迅速化を図ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 比較例に係る感光材料乾燥装置が適用された乾燥部の印画紙の搬送方向に沿った断面図である。
【図2】 図1に示す乾燥部の印画紙の搬送方向とは直交方向の断面図である。
【図3】 図1に示す乾燥部のチャンバー付近の平面図である。
【図4】 他の比較例に係る乾燥部前半部分のチャンバー及びベルトの拡大断面図である。
【図5】 図4に示すチャンバーの平面図である。
【図6】 孔の寸法関係を示す説明図である。
【図7】 他の比較例に係る孔の断面図である。
【図8】 更に他の比較例に係る孔の断面図である。
【図9】 更に他の比較例に係るパイプの断面図である。
【図10】 更に他の比較例に係るパイプの断面図である。
【図11】 更に他の比較例に係るパイプの断面図である。
【図12】 更に他の比較例に係るチャンバー付近の平面図である。
【図13】 更に他の比較例に係るチャンバーの斜視図である。
【図14】 更に他の比較例に係るチャンバー付近の平面図である。
【図15】 本発明の実施形態に係るチャンバー付近の平面図である。
【図16】 実験に用いた多孔板の斜視図である。
【図17】 実験に用いた円筒状ノズル板の斜視図である。
【図18】 実験に用いた2次元スリット板の斜視図である。
【図19】 実験に用いた2次元ノズル板の斜視図である。
【図20】 距離Hと乾燥速度との関係を示すグラフである。
【図21】 ピッチP1 、ピッチP2 、距離H及び乾燥速度の関係を示すグラフである。
【図22】 ピッチP1 、ピッチP2 及び乾燥速度の関係を示すグラフである。
【図23】 温風の温度、温風の質量速度及び恒率乾燥速度との関係を示すグラフである。
【図24】 更に他の比較例に係るチャンバー付近の平面図である。
【符号の説明】
11 印画紙(感光材料)
12 乾燥部(感光材料乾燥装置)
34 板材(多孔板)
74 ノズル

Claims (1)

  1. 乾燥部を搬送される感光材料に温風を吹き付け、感光材料の受熱面単位面積当たりに吹き付ける温風の質量速度を1000Kg/m2 ・hr以上とした感光材料乾燥装置であって、
    乾燥部前半は、感光材料に向けて温風を吹き出す多孔板又はノズル群を備え、
    乾燥部後半は、感光材料の搬送方向と直交する方向で、かつ感光材料に対して並行する方向に温風を送風するノズルを備えている、
    ことを特徴とする感光材料乾燥装置。
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