JPH06287507A - 含フッ素ブロック共重合体及び塗料用組成物 - Google Patents

含フッ素ブロック共重合体及び塗料用組成物

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JPH06287507A
JPH06287507A JP9696393A JP9696393A JPH06287507A JP H06287507 A JPH06287507 A JP H06287507A JP 9696393 A JP9696393 A JP 9696393A JP 9696393 A JP9696393 A JP 9696393A JP H06287507 A JPH06287507 A JP H06287507A
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JP
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fluorine
vinyl
polymerization
group
copolymer
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JP9696393A
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English (en)
Inventor
Shunichi Kodama
俊一 児玉
Toru Ishida
徹 石田
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】同一分子中に少なくとも2種類の異なった重合
開始基を有するかもしくは一段目の重合後新たに重合開
始基が生成するような重合開始剤を用いて得られる、フ
ルオロオレフィンと他のビニル系単量体の共重合体から
なるブロック鎖を必須の成分とする含フッ素ブロック共
重合体。 【効果】本発明の含フッ素ブロック共重合体は含フッ素
共重合体と他の合成樹脂との相溶化剤や、基材との密着
性改良、塗膜の機械的性質の改良などに用いられる。ま
た含フッ素共重合体と組み合わせる合成樹脂の種類を選
べば用途は更に広がると考えられ、新規な塗料用の樹脂
として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含フッ素ブロック共重
合体及び塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、特開昭57-34107号、特開昭
58-136662 号公報に示されるように、フルオロオレフィ
ン/シクロヘキシルビニルエーテル/アルキルビニルエ
ーテル/ヒドロキシアルキルビニルエーテルからなる含
フッ素共重合体が、メラミン、イソシアネート等の硬化
剤により、室温及び焼付け硬化が可能であり、光沢に富
む耐溶剤性、耐薬品性、撥水性に優れた耐候性塗膜を与
えることを既に見いだしている。しかしながら上記共重
合体は低い表面張力を有するために基材との密着性に劣
り、またアクリル樹脂など他の塗料用の樹脂との相溶性
に難があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これまでポ
リマーブレンドが不可能であった上記含フッ素共重合体
と他の樹脂との相溶化剤として働き、また基材との密着
性や光沢、機械的性質などに優れた塗膜を与える含フッ
素ブロック共重合体及び塗料用組成物を提供しようとす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明において、含フッ
素ブロック共重合体の製造は、一分子中に少なくとも2
種の重合開始基を有するかもしく一段階目の重合後新た
に重合開始基を生成するような重合開始剤を用いること
によって行うことができる。このような重合開始剤を用
いてAブロック部分の重合を行うと、分子中に重合開始
基を有するポリメリック開始剤が生成する。更に重合条
件を変えてBブロック部分の重合を行えばABブロック
共重合体が生成する。ここで用いる開始剤には一分子中
に分解温度の十分異なる重合開始基を少なくとも2種類
以上有するラジカル重合開始剤があり、たとえば[化
1]に示すごとき非対称アルキルパーエステル化合物、
[化2]に示すごときアルキルパーエステル基含有アゾ
化合物、[化3]に示すごときパーオキシケタール化合
物などである。
【0005】
【化1】
【化2】
【化3】
【0006】また、重合形式はAブロック部分の重合と
Bブロック部分の重合とで異なっていてもよく、従って
Aブロック部分が低温レドックス重合によって、Bブロ
ック部分が加熱によって開始する次のような開始剤も使
用可能である。このようなものには[化4]に示すごと
き脂環式アゾアミジン化合物、[化5]に示すごときケ
トンパーオキサイド化合物などが挙げられる。
【0007】
【化4】
【化5】
【0008】重合開始剤の使用量は、種類、共重合反応
条件に応じて適宜変更可能であるが、通常は共重合され
るべき単量体全量に対して、0.05〜0.5 重量%程度が採
用される。
【0009】本発明の含フッ素ブロック共重合体におい
て、Aブロックが含フッ素共重合体で、Bブロックが他
のビニル系共重合体であるとすると、Aブロックの樹脂
組成は[化6]で表されるフルオロオレフィン系重合単
位を40〜60モル%、[化7]で表されるビニル系重合単
位を0 〜55モル%、[化8]で表される硬化反応性部位
を有する重合単位を0 〜55モル%含有するものである。
【0010】ただし、[化6]、[化7]及び[化8]
において、X1 はフッ素、塩素、炭素数1〜8のパーフ
ルオロアルキレン基、パーフルオロアルキル基(ただ
し、パーフルオロアルキル基中にエーテル結合が含まれ
ていてもよい。)または炭素数1〜8のパーフルオロア
ルコキシ基を表す。R1 は水素またはメチル基を表す。
pは0または1を表す。qは0または1を表す。R2
炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロ
アルキル基または炭素数2〜10のフルオロアルキル基
を表す。R3 は水素またはメチル基を表す。rは0また
は1を表す。R4は2価の有機基を表す。Zは硬化反応
性部位を表す。
【0011】
【化6】
【化7】
【化8】
【0012】本発明の含フッ素ブロック共重合体のAブ
ロック部分の含フッ素共重合体は、次の[化9]、[化
10]及び[化11]で表わされる単量体を共重合する
ことにより得ることができる。
【0013】
【化9】CF2 =CFX2 (ただし、X2 はフッ素、塩
素、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基または炭素
数1〜8のパーフルオロアルコキシ基を表す。)
【0014】
【化10】CH2 =CR5 (CH2 )p O(C=O)q
2 (ただし、R5 は水素またはメチル基を表す。R2
は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシク
ロアルキル基または炭素数2〜10のフルオロアルキル
基を表す。pは0または1を表す。qは0または1を表
す。)
【0015】
【化11】CH2 =CR6 (CH2 )r OR4 Z(ただ
し、R6 は水素またはメチル基を表す。R4 は2価の有
機基を表す。rは0または1を表す。Zは硬化反応性部
位を表す。)
【0016】ここで、[化6]で表されるフルオロオレ
フィン系重合単位が上記範囲よりも少ない場合には、塗
料ベースとして使用した場合に、十分な耐候性が得られ
ず、好ましくない。また、多すぎると、各種溶剤に対す
る溶解性が低下し、塗料ベースまたは塗料添加剤として
の使用が難しくなる。
【0017】ここで、[化9]で表されるフルオロオレ
フィン系単量体としては、テトラフルオロエチレン、ク
ロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フ
ッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフ
ルオロプロピレンなどの炭素数2〜4程度のフルオロオ
レフィンや、パーフルオロプロピルビニルエーテル、パ
ーフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキシルビニルエ
ーテルのごとき、X2が炭素数1〜8程度で、直鎖状、
分岐状または環状のパーフルオロビニルエーテルが挙げ
られる。
【0018】また、[化7]で表されるビニル系重合単
位が上記範囲よりも少ないと塗膜の性質が十分なものと
ならず、多すぎると、塗膜の耐候性などが低下すること
があり、好ましくない。[化8]で表されるビニル系重
合単位の特に好適な範囲は、5〜55モル%である。
【0019】[化10]で表されるビニル系単量体とし
ては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シク
ロヘキシルビニルエーテル、などのビニルエーテル類;
メチルイソプロペニルエーテル、エチルイソプロペニル
エーテル、プロピルイソプロペニルエーテル、ブチルイ
ソプロペニルエーテル、シクロヘキシルイソプロペニル
エーテル、などのイソプロペニルエーテル類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、カプリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、酢酸イソ
プロペニル、プロピオン酸イソプロペニル、酪酸イソプ
ロペニルなどの直鎖状のカルボン酸ビニルまたはカルボ
ン酸イソペニル類;エチルアリルエーテル、プロピルア
リルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチルアリ
ルエーテルなどのアリルエーテル類;エチルアリルエス
テル、プロピルアリルエステル、ブチルアリルエステ
ル、イソブチルアリルエステル、シクロヘキシルアリル
エステルなどのアルキルアリルエステル類などが挙げら
れる。
【0020】また、[化8]で表される硬化反応性部位
を有する重合単位は樹脂の硬化性、溶解性、相溶性、基
材との密着性などを左右する。[化8]で表される硬化
反応性部位を有する重合単位の特に好適な範囲として
は、5〜20モル%である。
【0021】[化11]で表される硬化反応性部位を有
するビニル系単量体の硬化反応性部位としては、ヒドロ
キシル基、カルボキシル基、酸アミド基、アミノ基、メ
ルカプト基、β−ケトエステル基、シラノール基などの
活性水素基や、エポキシ基、臭素、ヨウ素などの活性ハ
ロゲン基などが挙げられる。
【0022】これらのうち、活性水素含有基は通常硬化
剤として使用されるイソシアネート系硬化剤、アミノプ
ラスト系硬化剤などとの反応性に優れ、他樹脂との相溶
性向上に役立つという点において好ましく、特にヒドロ
キシル基及びカルボキシル基が好適である。
【0023】また、[化11]で表される硬化反応性部
位を有するビニル系単量体の、R4としては、アルキレ
ン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、(ポリ)オ
キシアルキレン基、(ポリ)エステル鎖、(ポリ)シロ
キシ基が好適である。また、R4 の鎖長を長くすると、
柔軟な塗膜を得ることができるが、長くなりすぎると耐
候性や塗膜硬度が低下することがあり好ましくない。ま
た、短かすぎると硬化反応性部位の反応性が低くなり硬
化塗膜を得難くなることがあるので注意を要する。好適
には、R4 の鎖を1〜20、特には、2〜12の原子の
結合にすることが好ましい。
【0024】かかる硬化反応性部位を有するビニル系単
量体としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、
3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキ
シブチルビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニル
エーテル、1−ヒドロキシメチル−4−ビニロキシメチ
ルシクロヘキサン、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエー
テル類;2−ヒドロキシエチルイソプロペニルエーテ
ル、3−ヒドロキシプロピルイソプロペニルエーテル、
4−ヒドロキシブチルイソプロペニルエーテル、9−ヒ
ドロキシノニルイソプロペニルエーテル、1−ヒドロキ
シメチル−4−イソプロペノキシメチルシクロヘキサ
ン、3−ヒドロキシ−2−クロロプロピルイソプロペニ
ルエーテルなどのヒドロキシアルキルイソプロペニルエ
ーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテルなどの
ヒドロキシアルキルアリルエーテル類;[化12]、
[化13]、[化14]、[化15]などの片末端にビ
ニロキシ基またはイソプロペノキシ基またはアリルオキ
シ基と、他端にヒドロキシル基とを有するポリエーテル
マクロモノマー類;[化16]などの片末端にビニロキ
シ基またはイソプロペノキシ基と、他端にヒドロキシル
基とを有するポリエステルマクロモノマー類;[化1
7]などの片末端にビニロキシ基またはイソプロペノキ
シ基と、他端にヒドロキシル基とを有するポリシロキサ
ンマクロモノマー類;[化18]などの片末端にビニロ
キシ基またはイソプロペノキシ基と、他端にカルボキシ
ル基とを有する単量体;[化19]などの片末端にビニ
ロキシ基またはイソプロペノキシ基と、他端にβ−ケト
エステル基とを有する単量体;などの活性水素を有する
ビニル系単量体が挙げられる。
【0025】
【化12】
【化13】
【0026】
【化14】
【化15】
【0027】
【化16】
【化17】
【0028】
【化18】
【化19】
【0029】また、活性水素以外の硬化反応性部位を有
するビニル系単量体としては、[化20]、[化2
1]、[化22]などの、鎖状または脂環式のエポキシ
またはグリシジル基と、ビニロキシ基またはイソプロペ
ノキシ基とを有する単量体が挙げられる。
【0030】
【化20】
【化21】
【化22】
【0031】これらの、[化9]〜[化11]で表され
る単量体は、それぞれ、単独で使用されていてもよく、
複数種が併用されていてもよい。
【0032】また、本発明の含フッ素ブロック共重合体
のBブロック部分の樹脂組成としては特に限定されるこ
とはなく、通常のラジカル重合によって重合可能なアク
リル酸(エステル)、スチレン、アクリロニトリル、ア
クリルアミド、塩化ビニル、フッ化ビニル、プロピレン
のごときオレフィン類、などのα−置換エチレン単量体
類;メタクリル酸(エステル)、α−置換アクリル酸
(エステル)、α−シアノアクリル酸メチル、塩化ビニ
リデン、フッ化ビニリデン、などのα,α−ジ置換エチ
レン単量体;炭酸ビニレン、無水マレイン酸、α,β−
ジフルオロエチレンなどのα,β−ジ置換エチレン単量
体;トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレ
ン、テトラフルオロエチレンなどのトリあるいはテトラ
置換エチレン単量体;ブタジエンなどのジビニル単量
体、などが挙げられる。
【0033】また、本発明の含フッ素ブロック共重合体
を塗料ベースとして使用する場合には、未架橋状態でテ
トラヒドロフラン中30℃における固有粘度(以下、
[η]という)が、0.05〜2.0 dl/g のものが好まし
い。[η]が上記範囲より小さいものは、塗膜の強度が
得られ難く、また大きいものは、塗料化、塗装作業性等
が悪く、好ましくない。特に、[η]が0.1 〜1.5 dl/
g のものが好ましい。
【0034】上記ブロック共重合体のAブロック部分
(含フッ素共重合体ブロック)の共重合反応に際して、
Aブロック部分の重合条件とBブロック部分の重合条件
が異なっていれば反応形式が特に限定されることはな
く、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等が採用
し得るが、重合操作の安定性、生成共重合体の分離の容
易性等から、水性媒体中での乳化重合、懸濁重合あるい
はt−ブタノール等のアルコール類、エステル類、1個
以上のフッ素原子を含む飽和ハロゲン化炭化水素類、キ
シレン等の芳香族炭化水素等を溶媒とする溶液重合等が
好ましく採用される。
【0035】なお、水性媒体中で共重合反応を行わせる
場合には、塩基性緩衝剤を添加して、重合中の液のpH値
が4、好ましくは6を下回らないようにすることが好ま
しい。溶液重合による場合にも塩基性物質の添加は有効
である。また、Bブロック部分の重合反応に際しては特
に限定されることはなく、上記の反応形式が全て採用可
能である。
【0036】また、これらの方法は回分式、半連続式、
連続式等の操作によって行い得ることはもちろんであ
る。かかる共重合反応に際して、共重合反応温度は−30
℃〜+150 ℃の範囲内で重合開始剤、重合媒体等の種類
等に応じて、適宜最適値が選定されるが、Aブロック部
分の重合とBブロック部分の重合がともに加熱によって
開始するような重合開始剤を用いた場合、ブロック化効
率を十分高いものとするためにはAとBの重合温度差が
20℃以上であることが望ましい。
【0037】ここで水性媒体中で重合反応を行わせる場
合には、0 ℃〜+100 ℃、好ましくは10℃〜80℃程度が
採用され得る。また溶液媒体中で重合反応を行わせるた
めには 0 ℃〜150 ℃、好ましくは30℃〜120 ℃程度が
採用される。また、反応圧力は、適宜選定可能である
が、通常は、1 〜100 kg /cm2 、特に、2 〜50 kg/cm2
程度を採用するのが望ましい。
【0038】また、生成共重合体の[η]を前記範囲に
抑えるために、連鎖移動定数の比較的大きい反応媒体を
使用したり、適宜連鎖移動剤の共存下に共重合反応を行
わしめることが好ましい。
【0039】本発明の含フッ素ブロック共重合体を塗料
ベースとして使用する場合には、硬化剤などを配合して
塗料用組成物とすることができる。ここで、硬化剤とし
ては、本発明の含フッ素ブロック共重合体の硬化反応部
位と反応し得る基を有し、良好な硬化体を与えるものが
採用される。かかる硬化剤としては、ポリイソシアネー
ト系、アミノプラスト、多塩基酸無水物、金属アルコキ
シドなどを挙げることができる。
【0040】ポリイソシアネート系としては、ヘキサメ
チレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート
などのポリイソシアネート化合物、メチルシリルトリイ
ソシアネートなどのシリルイソシアネート化合物や、こ
れらの部分縮合物、多量体や、イソシアネート基をフェ
ノールなどのブロック化剤でブロックしたブロックポリ
イソシアネート化合物などが例示される。特に無黄変タ
イプのものが好ましく採用される。
【0041】アミノプラストとしては、メラミン樹脂、
グアナミン樹脂、尿素樹脂などが採用される。中でもメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど
の低級アルコールの1種または2種以上により少なくと
も部分的にエーテル化されたメチロールメラミンが採用
される。
【0042】多塩基酸無水物としては、無水フタル酸、
無水トリメリット酸などの芳香族多価カルボン酸無水物
や無水マレイン酸、無水コハク酸などの脂肪族多価カル
ボン酸などが例示される。
【0043】本発明において、硬化剤を配合して塗料用
組成物とする場合には、各成分の配合量は適宜選定する
ことが可能であるが、耐候性など本発明の含フッ素ブロ
ック共重合体のもつ優れた塗膜性能を損なわないために
は、上記含フッ素ブロック共重合体100 部当り、硬化剤
が 0.5〜300 重量部程度の量が採用される。特に、含フ
ッ素ブロック共重合体100 部当り、硬化剤を5.0 〜100
重量部程度とすることが好ましい。
【0044】本発明の塗料用組成物は、上記2成分の他
に必要に応じ各種添加剤などが含まれていてもよい。か
かる添加剤としては、溶剤、合成樹脂、硬化触媒、ドラ
イヤー、熱安定剤、レベリング剤、滑剤、顔料、染料、
粘度調節剤、分散安定剤、紫外線吸収剤、ゲル化防止剤
などが挙げられる。
【0045】特に、紫外線吸収剤が添加されていると、
透明な塗膜としたときにも基材の保護効果が十分に発揮
され好ましい。かかる紫外線吸収剤としては、通常塗料
に配合され得る紫外線吸収剤の全てが使用可能であり、
例えば、フェニルサリシレート系、ベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系などの紫外線吸収剤が使用可能で
ある。また、反応性を有する紫外線吸収剤を用いること
により、その効果を長期にわたって発揮させることも可
能である。紫外線吸収剤は、含フッ素ブロック共重合体
100 部当り、0.01〜50重量部程度、特に、0.1 〜30重量
部程度の範囲で使用することが好ましい。
【0046】また、本発明の含フッ素ブロック共重合体
を有機溶剤に溶解または分散する場合、かかる溶剤とし
ては、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、n
−ブタノールなどのアルコール類、酢酸ブチルなどのエ
ステル類、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、エ
チルセルソルブグリコールエーテル類などに加えて市販
の各種シンナーも採用可能であり、これらを種々の割合
で混合して使用することも可能である。
【0047】また、本発明の含フッ素ブロック共重合体
を含フッ素共重合体と他の合成樹脂塗料との相溶化剤と
して使用する場合、使用量が少量であっても十分な効果
があるので他の合成樹脂の配合量を多くでき、含フッ素
共重合体の優れた塗膜性能を損なわずにコストを低減で
きるという利点がある。この場合の配合量は、塗膜形成
性樹脂成分 100重量部当り本発明の含フッ素ブロック共
重合体を 0.5〜80重量部程度、特に 1〜50重量部程度配
合して塗料用組成物とすることが好ましい。
【0048】ここで、合成樹脂塗料としては、アクリル
系、ウレタン系、フッ素系、フェノール系、エポキシ
系、シリコーン系などの一般の合成樹脂塗料が採用され
る。ここでいう、フッ素系の合成樹脂塗料としては、次
に示す含フッ素共重合体が好ましい。すなわち、[化
6]で表されるフルオロオレフィン系重合単位を40〜60
モル%、[化7]で表されるビニル系重合単位を0 〜55
モル%、[化8]で表される硬化反応性部位を有する重
合単位を0 〜55モル%含有するものである。
【0049】本発明の塗料用組成物の調合に際しては、
ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ニーダー、三
本ロール、ペイントシェーカーなどの通常樹脂組成物の
調合等に用いられる種々の調合機を用いることができ
る。
【0050】
【実施例】以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を具
体的に説明するが、かかる実施例・比較例によって、本
発明は何ら限定されるものではない。
【0051】[実施例1]500ml の撹拌機付きのガラス
製3つ口フラスコ中にメタクリル酸メチルを31.3g 、メ
タクリル酸2−ビドロキシエチルを16.2g 、メタクリル
酸を2.5g、1−ドデカンチオールを1.5g、塩化第二銅
(無水物)を0.006g、2,2’−アゾビス[2−(2−
イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライ
ド(VA−061:和光純薬社製)を2.2g、ポリビニル
アルコール(加水分解率70g )を0.3g、水304gを仕込
み、窒素雰囲気下で40℃、5時間撹拌を続けた。ついで
反応物を大量のメタノール中に投入して上澄み液を除去
した後室温下、1mmHgの減圧下で24 時間かけて乾燥し
た後、21.4g のプレポリマー1を得た。次に内容積 250
mlのステンレス製オートクレーブ中に上記プレポリマー
1 20.0g、エチルビニルエーテル(以下、EVEとい
う)15.1g 、4−ビドロキシブチルビニルエーテル(以
下、HBVEという)6.1g、キシレン 94.4g、エタノー
ル26.6g 及び、炭酸カリウム 0.8g を仕込み、液体窒素
による固化・脱気により、溶存酸素を除去した。
【0052】しかるのち、クロロトリフルオロエチレン
(以下、CTFEという)30.5g をオートクレーブ中に
導入し、徐々に昇温した。オートクレーブ中の温度が 6
5 ℃に達した後、24時間撹拌下に反応を続けた後、オー
トクレーブを氷冷し、反応を停止した。室温に達した
後、未反応の単量体をパージし、オートクレーブを開放
した。
【0053】得られた重合体を水/メタノール(1:
1)中に投入し、上澄み液を除去した後 60 ℃に加熱
し、1mmHgの減圧下で 24 時間かけて乾燥した後、衝撃
式ハンマーで粉砕し、含フッ素ブロック共重合体1とメ
タクリル酸エステル共重合体のホモポリマー、及び含フ
ッ素共重合体のホモポリマーの混合物60.3g1を得た。こ
の混合物を1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン
で撹拌した後、沈殿したメタクリル酸エステル共重合体
のホモポリマーを除去し、上澄み液を十分濃縮した。つ
いでアセトニトリル中で撹拌した後、沈殿した含フッ素
共重合体のホモポリマーを除去して上澄み液を乾燥して
目的の含フッ素ブロック共重合体18.5g を得た。得られ
た含フッ素ブロック共重合体の[η]の値は0.10dl/gで
あった。また、IRスペクトルによりメタクリル酸エス
テル、フルオロロレフィン、ビニルエーテル等の重合単
位が共重合されていることが確認された。
【0054】[実施例2]内容積 500mlのステンレス製
オートクレーブ中にシクロヘキシルビニルエーテル(以
下、CHVEという)を44.1g 、EVEを42.0g 、HB
VEを27.1g 、キシレン142.8g、エタノール35.7g 及
び、炭酸カリウム 2.8g 、ジ−t−ブチルパーオキシト
リメチルアジペート(カヤエステル TMA:化薬アク
ゾ社製)1.65g を仕込み、液体窒素による固化・脱気に
より、溶存酸素を除去した。
【0055】しかるのち、CTFE 135.8g をオートク
レーブ中に導入し、徐々に昇温した。オートクレーブ中
の温度が 65 ℃に達した後、5時間撹拌下に反応を続け
た後、オートクレーブを氷冷し、反応を停止した。室温
に達した後、未反応の単量体をパージし、オートクレー
ブを開放した。ついで反応物を水/メタノール中に投入
し、上澄み液を除去した後、室温下、1mmHgの減圧下で
24 時間かけて乾燥した後、230.6gのプレポリマー2を
得た。このプレポリマー2中の活性酸素量をヨウ素滴定
によって求めたところプレポリマー2の1鎖長あたり0.
44個の活性酸素が含まれていることが分かった。
【0056】次に内容積500ml のガラス製3つ口フラス
コ中に上記プレポリマー2を 50g、キシレン50.0g を仕
込み、100 ℃に加熱した後、メタクリル酸メチル30.0g
、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15.0g 、メタク
リル酸 5.0g 、1−デカンチオール1.5gの混合物を0.5
時間で滴下した。滴下終了後4時間撹拌し、室温まで冷
却して水/メタノール中に投入し、上澄み液を除去した
後、60℃に加熱し、1mmHgの減圧下で 24 時間かけて乾
燥した後、衝撃式ハンマーで粉砕し、含フッ素ブロック
共重合体2とメタクリル酸エステル共重合体のホモポリ
マー、及び含フッ素共重合体のホモポリマーの混合物9
6.4g を得た。含フッ素ブロック共重合体2の精製は実
施例1と同様に行い、34.3g の含フッ素ブロック共重合
体2を得た。13C−NMRスペクトルによる共重合体組
成及び[η]の測定結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】[比較例]内容積 500mlのステンレス製オ
ートクレーブ中にCHVEを44.1g 、EVEを42.0g 、
HBVEを27.1g 、キシレン142.8g、エタノール35.7g
及び、炭酸カリウム 2.8g 、t−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート(パーブチルO:日本油脂社
製)0.65g を仕込み、液体窒素による固化・脱気によ
り、溶存酸素を除去した。
【0059】しかるのち、CTFE 135.8g をオートク
レーブ中に導入し、徐々に昇温した。オートクレーブ中
の温度が 65 ℃に達した後、5時間撹拌下に反応を続け
た後、オートクレーブを氷冷し、反応を停止した。室温
に達した後、未反応の単量体をパージし、オートクレー
ブを開放した。得られた含フッ素共重合体の精製は実施
例と同様に行った。次に内容積500ml のガラス製3つ口
フラスコ中に該含フッ素共重合体を 50g、キシレン50.0
g を仕込み、100 ℃に加熱した後、メタクリル酸メチル
30.0g 、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15.0g 、メ
タクリル酸5.0g、1−デカンチオール1.5g、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル0.6gの混合物を0.5 時間で
滴下した。滴下終了後4時間撹拌し、室温まで冷却して
水/メタノール中に投入し、上澄み液を除去した後、60
℃に加熱し、1mmHgで乾燥し、含フッ素共重合体とメタ
クリル酸エステル共重合体の混合物(比較−1)92.3g
を得た。
【0060】
【表2】
【0061】塗膜の試験例 実施例1、2の含フッ素ブロック共重合体と比較例の混
合物を用いて表2に示した配合割合で混合し、厚さ1.55
mmのガラス板に塗布してそれぞれ硬化性組成物を得たと
ころ、実施例1、2の塗膜は透明であったが比較例の塗
膜は白濁した。また、これら塗料組成物を厚さ1mmのア
ルミ板(日本テストパネル社製)に塗布し、各種試験を
行った結果を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
【発明の効果】本発明の含フッ素ブロック共重合体は含
フッ素共重合体と他の合成樹脂との相溶化剤や、基材と
の密着性改良、塗膜の機械的性質の改良などに用いられ
る。また含フッ素共重合体と組み合わせる合成樹脂の種
類を選べば用途は更に広がると考えられ、新規な塗料用
の樹脂として有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一分子中に少なくとも2種類の異なった
    重合開始基を有するかもしくは一段目の重合後新たに重
    合開始基が生成するような重合開始剤を用いて得られ
    る、フルオロオレフィンと他のビニル系単量体の共重合
    体からなるブロック鎖を必須の成分とする含フッ素ブロ
    ック共重合体。
  2. 【請求項2】フルオロオレフィンと共重合可能な他のビ
    ニル系単量体がアルキル(シクロ)ビニルエーテル、カ
    ルボン酸ビニルエステル、アリルエーテルから選ばれる
    少なくとも一種である、請求項1の含フッ素ブロック共
    重合体。
  3. 【請求項3】未架橋状態で有機溶剤に可溶であり、テト
    ラヒドロフラン中30℃における固有粘度が0.05〜
    2.0dl/gである請求項1の含フッ素ブロック共重
    合体。
  4. 【請求項4】請求項1の含フッ素共重合体が含まれる塗
    料用組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002371222A (ja) * 2001-06-14 2002-12-26 Toray Ind Inc 塗料組成物および塗装物品
WO2019069822A1 (ja) * 2017-10-02 2019-04-11 Agc株式会社 フッ素系塗料
WO2019069821A1 (ja) * 2017-10-02 2019-04-11 Agc株式会社 水性塗料、塗膜及び塗膜付き基材の製造方法

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