JPH06322053A - 含フッ素グラフト共重合体の製造方法および該共重合体からなる溶剤型塗料用組成物 - Google Patents

含フッ素グラフト共重合体の製造方法および該共重合体からなる溶剤型塗料用組成物

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JPH06322053A
JPH06322053A JP13244993A JP13244993A JPH06322053A JP H06322053 A JPH06322053 A JP H06322053A JP 13244993 A JP13244993 A JP 13244993A JP 13244993 A JP13244993 A JP 13244993A JP H06322053 A JPH06322053 A JP H06322053A
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fluorine
copolymer
graft copolymer
vinyl
silicone
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JP13244993A
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Hiroshi Inukai
宏 犬飼
Tatsuo Nishio
竜生 西尾
Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Akihito Iida
晃人 飯田
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐候性、撥水性および潤滑性に優れる塗膜を形
成する含フッ素グラフト共重合体の製造方法ならびに該
グラフト共重合体からなる溶剤型塗料用組成物の提供。 【構成】パーフルオロオレフィン、分子の片末端にビニ
ルエステル結合を有するシリコーン系マクロモノマーお
よび所望によりその他の共重合性単量体を共重合するこ
とを特徴とする含フッ素グラフト共重合体の製造方法、
ならびに該グラフト共重合体およびその他の含フッ素共
重合体からなる溶剤型塗料用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パーフルオロオレフィ
ン単量体単位からなる重合体を幹成分とし、シリコーン
を枝成分とする含フッ素グラフト共重合体の製造方法、
ならびに該共重合体からなる溶剤型塗料用組成物に関す
るものである。本発明の溶剤型塗料用組成物によれば、
耐候性に優れ、かつ撥水性および潤滑性が長期間持続す
る塗膜が得られる。
【0002】
【従来技術】従来、溶剤可溶型の含フッ素樹脂塗料とし
ては、フルオロオレフィンとアルキルビニルエーテルま
たはカルボン酸ビニルエステルとの共重合体を主成分と
する組成物が知られている(例えば特開昭57ー341
07号公報または特開平3−231906号公報な
ど)。上記塗料で用いられる含フッ素共重合体は、一般
的な塗料用溶剤への溶解性のために、フルオロオレフィ
ン単位の含有量が通常60モル%以下に制限されてお
り、その点で得られる塗膜の撥水性および潤滑性は今一
歩であった。
【0003】かかる問題点を解決するために、特開昭6
1−275343号公報では、水酸基等の硬化性反応基
を有する含フッ素共重合体に、パーフルオロアルキルア
ルコールまたはパーフルオロアルキコキシシラン等を混
合して得られる組成物を多価イソシアネートで硬化させ
るという手段が、また特公昭63−2992号公報で
は、パーフルオロアルキル基を有する重合体と含フッ素
共重合体を併用し、それらを硬化剤により共架橋すると
いう手段がそれぞれ提案されている。しかしながら、上
記方法によって得られる塗膜は、撥水性および潤滑性に
優れるものの、パーフルオロアルキル基が導入された部
分の耐候性が劣り、撥水性および潤滑性が長期間持続し
ないという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、パーフルオロオレフィ
ン、分子の片末端にビニルエステル結合を有するシリコ
ーン系マクロモノマーおよび所望によりその他の共重合
性単量体をラジカル重合して得られる含フッ素グラフト
共重合体によれば、撥水性および潤滑性に優れ、しかも
耐久性のある塗膜が得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、パーフルオロオレフ
ィン、分子の片末端にビニルエステル結合を有するシリ
コーン系マクロモノマーおよび所望によりその他の共重
合単量体をラジカル重合することを特徴とする含フッ素
グラフト共重合体の製造方法であり、さらには、該含フ
ッ素グラフト共重合体およびその他の含フッ素共重合体
からなる溶剤型塗料用組成物である。
【0006】以下本発明について、さらに詳しく説明す
る。本発明における好ましいパーフルオロオレフィンと
しては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロ
エチレンおよびヘキサフルオロプロピレン等が挙げら
れ、より好ましくはクロロトリフルオロエチレンであ
る。
【0007】上記パーフルオロオレフィンと共重合させ
るシリコーン系マクロモノマーは、シリコーン分子の片
末端にビニルエステル結合を有する化合物であり、その
好ましい数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(以下GPCという)によるポリスチレン
換算の数平均分子量で700〜50,000である。本発
明における代表的なシリコーン系マクロモノマーは、以
下の化1で表すことができる。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、aは3〜10の整数、bは2また
は3、cは0または1、dは0または1、nは10〜7
00、Xはメチル基、メトキシ基またはエトキシ基、Y
はオキシエチレン基またはオキシプロピレン基、またZ
はメチル基、メトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシ
エトキシプロピル基またはヒドロキシプロキル基であ
る。)
【0010】上記化学式におけるnの値によって、得ら
れる含フッ素グラフト共重合体の物性は異なり、nが9
以下であるとグラフト共重合体の撥水性および潤滑性が
不足し易く、一方700を越えると塗膜の透明性が低下
し易い。好ましいシリコーン系マクロモノマーの具体例
としては、例えば下記化2、化3、化4および化5等で
表される化合物が挙げられる。
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】上記シリコーン系マクロモノマーは、トル
エン等の有機溶剤中、温度70〜80℃で、下記化6等
で表されるビニルエステル結合を有するシランカップリ
ング剤(以下ビニルエステル型シランカップリング剤と
いう)と、分子末端の少なくとも一方にヒドロキシル基
を有するシリコーン(以下ヒドロキシル基含有シリコー
ンという)例えば化7で表される化合物を、モル比1.
2:1程度で反応させることによって得られる。
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】ビニルエステル型シランカップリング剤と
しては、信越化学工業(株)製の商品名KBM1301
等の市販品を用いることもでき、またヒドロキシル基含
有シリコーンとしては、チッソ(株)製のサイラプレー
ンFM、信越化学工業(株)製のX22、東芝シリコー
ン(株)製のXF−42またはXY3800および東レ
シリコーン(株)製のBX16等がある。
【0019】含フッ素グラフト共重合体の製造に際して
は、前記パーフルオロオレフィンとシリコーン系マクロ
モノマーの2成分を共重合しても良いしまたそれらと共
にその他の共重合性単量体を共重合しても良い。その他
の共重合性単量体としては、エチレン、プロピレンおよ
びイソブチレン等のオレフィン;フッ化ビニリデン、フ
ッ化ビニル、塩化ビニルおよび塩化ビニリデン等の水素
原子を有するハロゲン化オレフィン;クロトン酸および
イタコン酸等の不飽和カルボン酸;ヒドロキエチルクロ
トネートおよびヒドロキプロピルクロトネート等のヒド
ロキシアルキルクロトネート;メチルアリルエーテル、
ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシブチルア
リルエーテルおよびアリルグリシジルエーテル等のアリ
ルエーテル;ならびに以下に具体例を挙げるビニルエー
テルおよびビニルエステル等が挙げられる。フルオロオ
レフィンとの共重合性に優れる点で、フッ化ビニリデ
ン、クロトン酸ヒドロキシアルキル、ビニルエーテルお
よびビニルエステルが好ましい。
【0020】ビニルエーテルとしては、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、イソブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテ
ル、ノニルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエ
ーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキ
シルビニルエーテル、ボルニルビニルエーテル、フェニ
ルビニルエーテルおよびベンジルビニルエーテル等が挙
げられる。
【0021】シリコーン系マクロモノマーをパーフルオ
ロオレフィンおよびその他の共重合性単量体と共重合し
て得られる共重合体は、シリコーン単位の存在により硬
度が低くなり易いが、塗料用には硬度の高い重合体が適
しており、得られる重合体の硬度を高める点で、上記ビ
ニルエーテルの内では、エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテルおよびシクロヘキシルビニルエーテルが
好ましい。
【0022】ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、バーサチック酸ビニル、安息香酸ビニルおよ
びp-tertブチル安息香酸ビニル等が挙げられる。
【0023】その他の共重合性単量体として、ヒドロキ
シアルキルビニルエーテルまたはヒドロキシアルキルク
ロトネート等のヒドロキシル基含有単量体を使用するこ
とにより、多価イソシアネートと常温で反応し硬化塗膜
を形成する水酸基を含有する含フッ素グラフト共重合体
が得られる。ヒドロキシル基含有単量体としては、共重
合性に優れ、かつ得られるグラフト共重合体の有機溶剤
溶液の貯蔵安定性が優れる点で、ヒドロキシアルキルク
ロトネートが好ましい。ヒドロキシアルキルビニルエー
テルを用いた含フッ素グラフト共重合体では、その有機
溶剤溶液が経時的に増粘し易い。
【0024】本発明における含フッ素グラフト共重合体
における各成分の好ましい割合は、全構成成分の合計量
を基準にして、パーフルオロオレフィン単量体単位35
〜60モル%、シリコーン系マクロモノマー単位0.1〜
30モル%およびその他の共重合性単量体単位0〜60
モル%であり、さらに好ましくは、パーフルオロオレフ
ィン単量体単位35〜60モル%、シリコーン系マクロ
モノマー単位0.5〜10モル%、その他の共重合性単量
体単位30〜50モル%である。ヒドロキシル基含有単
量体を用いる場合、グラフト共重合体における該単量体
単位の好ましい割合は5〜15モル%である。
【0025】パーフルオロオレフィン単量体単位が60
モル%を越えると、含フッ素グラフト共重合体が塗料用
の一般的な溶剤に不溶となり、一方35モル%未満であ
ると耐候性が低下し易い。シリコーン系マクロモノマー
単位が、0.1モル%未満であると撥水性および潤滑性が
不足し、一方30モル%を越えると含フッ素グラフト共
重合体の硬度が低下する。また、その他の共重合性単量
体は、含フッ素グラフト共重合体の溶剤に対する溶解性
を上昇させるが、該単量体単位の量が60モル%を越え
ると耐候性が低下する。
【0026】上記の各成分の共重合方法としては、例え
ば特開昭59−102962号公報または特開平3−2
31906号公報に記載のラジカル重合方法が採用で
き、具体的には、t−ブチルパーオキシピバレートまた
はアゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤
を用い、トルエン、キシレン、酢酸エチルまたは酢酸ブ
チル等の有機溶剤中、温度50〜80℃で、前記重合性
各成分を5〜8時間重合させれば良い。本発明における
含フッ素グラフト共重合体の好ましい分子量は、GPC
によるポリスチレン換算の数平均分子量で5000〜2
0万が好ましく、1万〜10万がより好ましい。数平均
分子量が20万を越えると溶液粘度が高く塗装性に劣
り、5000未満であると得られる塗膜の機械的物性が
低下し易い。
【0027】上記方法によって得られる含フッ素グラフ
ト共重合体の有機溶剤溶液は、そのままで透明塗料とし
て用いることができ、例えば従来のフッ素樹脂塗料によ
る塗膜の上に、5〜10μ程度の膜厚で塗布する用途等
に使用できる。その場合、溶剤を重合溶剤とは別な溶剤
に置き換えてもよく、かかる溶剤としては、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素化合物、酢酸エチル、酢酸
ブチル等の酢酸エステル、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン、トリクロロエ
タン、トリフルオロトリクロロエタン等のハロゲン化炭
化水素等が挙げられる。
【0028】さらに、以下に説明するようなその他の含
フッ素共重合体に、上記含フッ素グラフト共重合体を添
加して得られる塗料用組成物は、耐候性、撥水性および
潤滑性に優れ、自動車および建築材料等の塗装に好適で
ある。この塗料用組成物における両樹脂の好ましい比率
は、その他の含フッ素共重合体100重量部当たり、含
フッ素グラフト共重合体0.5〜10重量部である。
【0029】上記含フッ素共重合体としては、旭硝子
(株)製の商品名ルミフロン、東亞合成化学工業(株)
製の商品名ザフロン、大日本インキ化学工業(株)製の
商品名フルオネートおよびセントラル硝子(株)製の商
品名セフラルコート等のクロロトリフルオロエチレンを
主成分とする含フッ素共重合体、ならびにアトケム
(株)製のカイナーADSおよびカイナーSL等のフッ
化ビニリデンを主成分とするもの等が挙げられる。
【0030】上記した含フッ素グラフト共重合体を主成
分とするかまたは該共重合体およびその他の含フッ素共
重合体を主成分とする塗料用組成物において、使用され
た重合体にヒドロキシル基が含まれている場合、該組成
物は、多価イソシアネートを併用することにより常温硬
化型塗料として使用できる。併用する多価イソシアネー
トとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイ
ソホロンジイソシアネート等が挙げられ、その使用量
は、用いられる重合体中のヒドロキシル基とイソシアネ
ート基の割合がほぼ等量となる量が好ましい。多価イソ
シアネートを併用する場合、ジブチル錫ジラウレート等
の硬化触媒を使用してもよい。
【0031】多価イソシアネート以外の硬化剤すなわち
メチル化メラミンまたはブチル化メラミン等のアミノプ
ラスト樹脂を使用し、加熱硬化型塗料として使用するこ
ともできる。その際、p-トルエンスルホン酸等の硬化反
応触媒を使用することが好ましい。本発明における塗料
用組成物には、さらに顔料、流動調整剤、紫外線吸収
剤、顔料分散安定剤およびレベリング剤等の各種塗料化
剤、ならびに必要に応じてアクリル樹脂等の樹脂を加え
ても良い。
【0032】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに具体的に説明する。 <実施例1>下記化8で表されるシリコーン系マクロモ
ノマー(以下MM−1という)を用い、以下の操作によ
って含フッ素グラフト共重合体を合成した。
【0033】
【化8】
【0034】攪拌機を備えた1リットルのオートクレー
ブに、酢酸エチル150g、上記MM−1;50g、2
−ヒドロキシエチルクロトネート(以下HECRとい
う)50gおよびピバリン酸ビニル(以下VPvとい
う)97.5gを仕込み、脱気と窒素置換を3回繰り返
した後、脱気し、次いでクロロトリフルオロエチレン
(以下CTFEという)325gを仕込んだ。64℃に
昇温した後、ターシャリーブチルパーオキシピバレート
1.5gを添加し、その後圧力が8kg/cm2になるまで1
0時間重合を継続させた。次いで未反応のCTFEをパ
ージし、オートクレーブを開放して共重合体溶液を得
た。得られた溶液をメタノール中に投入し、洗浄乾燥し
グラフト共重合体を200g得た。
【0035】得られたグラフト共重合体の数平均分子量
は29200で、ガラス転移温度(以下Tgという)は
36.4℃であった。このグラフト共重合体のフッ素分
析値は19.2%で、水酸基価は28(mg−KOH/
g−レジン)であった。それらの分析値と1H−NMR
および13C−NMRの測定結果から、該共重合体は、C
TFE/MM−1/VPv/HECR=50/0.5/
42/7.5(モル%)の組成であることが分かった。
【0036】次に、上記グラフト共重合体を酢酸ブチル
に溶解して、固形分濃度が40重量%の溶液を得た。本
溶液100重量部に対し、ポリイソシアネート〔コロネ
ートHX、日本ポリウレタン工業(株)製〕4.5重量
部(グラフト共重合体中のヒドロキシル基とポリイソシ
アネートのイソシアネート基が等量となる量)およびメ
チルイソブチルケトン25重量部を加えて、硬化型透明
塗料を得た。上記塗料を用い、クロメート処理をしたア
ルミニウム板(厚さ0.8mm)上に塗膜厚みが10μに
なるようにアプリケーターで塗装し、常温で一週間乾燥
・硬化させ塗膜試験板を作製した。
【0037】上記塗膜について、基材密着性、撥水性お
よび潤滑性等をそれぞれ以下の方法によって測定した。
結果は表1に記載のとおりである。 密着性:碁盤目・セロテープ剥離試験. 撥水性:水の接触角. 潤滑性:HEIDON型摩擦測定機による動摩擦係数
(μ). 耐候性と撥水性の持続性:促進耐候性試験(デューサイ
クルサンシャインウエザーメーターで200時間)後の
塗膜の60゜光沢保持率(%)と水の接触角を測定する
ことにより評価した。
【0038】<実施例2>モノマーの仕込み割合をCT
FE/MM−1/VPv=300g/26g/100g
に変更し、溶媒を酢酸ブチル/キシレン=3/2に変更
した以外は、実施例1と同様な方法により重合を行い、
グラフト共重合体を200g得た。得られた共重合体の
数平均分子量は14000で、Tgは29℃であった。
また、この共重合体のフッ素分析値は22.4%であ
り、実施例1と同様に分析した結果、CTFE/MM−
1/VPv=53/0.5/46.5(モル%)の組成
であることが分かった。
【0039】上記グラフト共重合体の40重量%酢酸ブ
チル溶液を調整し、該溶液100重量部当たり、メチル
イソブチルケトン25重量部を加えて透明塗料を得た。
実施例1と同一のアルミニウム板上に、膜厚10μにな
るようにアプリケーターで上記塗料を塗装し、常温で一
週間乾燥させた。得られた塗膜について、実施例1と同
様な物性測定を行った。
【0040】<実施例3>下記化9で表されるシリコー
ン系マクロモノマー(以下MM−2という)を用いて、
含フッ素グラフト共重合体を合成した。
【0041】
【化9】
【0042】モノマーの仕込み割合をCTFE/フッ化
ビニリデン(以下VdFという)/MM−2=57g/
146g/50gとし、重合開始剤をジイソプロピルパ
ーオキシカーボネート1gに変更した以外、実施例1と
同様の方法で重合を行い、含フッ素グラフト共重合体1
50gを得た。得られた共重合体の数平均分子量は90
00で、Tgは−23℃であった。この共重合体のフッ
素分析値は38.8%で、塩素分析値は14.0%であ
った。そして、この共重合体は、CTFE/VdF/M
M−2=46/51/3(モル%)の組成であることが
分かった。実施例2と同様にして塗膜を作成し、得られ
た塗膜について物性の測定を行った。
【0043】
【表1】
【0044】<実施例4〜6>CTFE/カプロン酸ビ
ニル/プロピオン酸ビニル/HECRが45/23/2
0/12(モル比)で、数平均分子量が15000の含
フッ素共重合体(以下ベース樹脂Aという)の50重量
%キシレン溶液と、実施例1で得られた含フッ素グラフ
ト共重合体(以下GP−1という)を混合した塗料用組
成物について、実施例1と同様にしてポリイソシアネー
トにより硬化・乾燥させ塗膜試験板を作製した。各例に
おけるベース樹脂AとGP−1の混合割合は、ベース樹
脂A;100重量部当たりのGP−1の重量部で、表2
に記載のとおりである。
【0045】<実施例7〜9>VdF/テトラフルオロ
エチレン/ヘキサフルオロプロピレンが65/25/1
0(モル比)の構成の含フッ素共重合体(数平均分子
量;35000)60重量部およびポリメチルメタクリ
レート(数平均分子量;40000)40重量部からな
る樹脂組成物(以下ベース樹脂Bという)の50重量%
酢酸ブチル溶液を調製し、それと実施例2で得られた含
フッ素グラフト共重合体(以下GP−2という)を混合
して、塗料用組成物を得た。以下、実施例2と同様にし
て塗膜試験板を作製した。
【0046】
【表2】
【0047】<比較例1>実施例4〜6で使用したベー
ス樹脂A100重量部当たり、下記パーフルオロ基含有
重合体5重量部添加して得られた樹脂組成物を用い、実
施例1と同様にしてポリイソシアネートにより硬化・乾
燥させ塗膜試験板を作製した。この例においては、ベー
ス樹脂Aと上記パーフルオロ基含有重合体が、ポリイソ
シアネートにより共架橋された塗膜が得られる。 パーフルオロ基含有重合体:MMA/CH2=C(CH3)COOCH2
CH2(CF2)7CF3/ヒドロキシエチルメタクリレートが50
/40/10(重量比)の割合で含まれる、数平均分子
量が20000の重合体。塗膜の評価結果は、表3のと
おりであり、初期の接触角および動摩擦係数については
優れているものの、耐候性試験の後では、光沢保持率お
よび接触角が随分低下している。
【0048】<比較例2〜3>実施例1と同様な方法で
前記ベース樹脂Aから形成された塗膜、および実施例2
と同様な方法でベース樹脂Bから形成された塗膜につい
て、それぞれ物性を測定した。結果は表3のとおりであ
り、それぞれ初期の撥水性および潤滑性が不十分であ
る。
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】本発明の含フッ素グラフト共重合体は、
撥水性および潤滑性が極めて大きいシリコーンが、パー
フルオロオレフィン単量体からなる幹ポリマーに対し、
枝ポリマーとして化学的に結合しているために、耐候
性、撥水性および潤滑性に優れる被膜を形成することが
でき、しかもそれらの物性が長期間に渡り持続する。さ
らに、従来の含フッ素樹脂塗料に対して、本発明のグラ
フト共重合体を僅かな量添加しただけでも、塗膜の表面
物性は格段に改良される。それは、枝ポリマーとしてグ
ラフト共重合体を構成している上記シリコーンが、比較
的自由な分子運動を行い、塗膜表面に効率的に濃縮され
ることによると推測される。
フロントページの続き (72)発明者 丸本 悦造 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内 (72)発明者 飯田 晃人 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーフルオロオレフィン、分子の片末端
    にビニルエステル結合を有するシリコーン系マクロモノ
    マーおよび所望によりその他の共重合単量体を共重合す
    ることを特徴とする含フッ素グラフト共重合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の含フッ素グラフト共重合
    体およびその他の含フッ素共重合体からなる溶剤型塗料
    用組成物。
JP13244993A 1993-05-11 1993-05-11 含フッ素グラフト共重合体の製造方法および該共重合体からなる溶剤型塗料用組成物 Pending JPH06322053A (ja)

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