JPH06280A - 全自動洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 布負荷量を検知する時期を所定水位毎とし、
２回同じ判定水位となって初めて水位を決定し、布負荷
量に対して水位が低くなるのを防止する。 【構成】 撹拌翼３を起動するモータ５の電圧を検知す
る手段14と、そのモータ電圧の検知電圧波形を計数する
計数手段15とからなる起電力検知手段及び水位検知手段
18からの各信号を入力する布負荷量判定手段17を備え
る。この布負荷量判定手段17は給水弁制御手段11による
槽２内への所定水位毎に布負荷量を布負荷量判定基準値
と比較して判定する。そして判定した布負荷量に相当す
る水位が２回同じ水位となるまで判定を行ない、水位の
調整を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗濯兼脱水槽に投入さ
れた衣類等の洗濯物の布負荷量を検知し、検知した布負
荷量に応じた水位で洗濯をする全自動洗濯機に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】洗濯兼脱水槽の布負荷量を検知する従来
の全自動洗濯機は、撹拌翼を駆動するモータを所定時間
オンし、その後にモータをオフして、そのオフ期間にモ
ータから発生する起電力を検出する起電力検知手段を設
け、さらにこの起電力検知手段からの出力に基づいて布
負荷量を判定する布負荷量判定手段を設けて、槽内の布
負荷量を検知しているが、この布負荷量を検知するのは
１回の判定結果によるものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の構
成では、布負荷量を判定するのは給水前、或いは給水後
のいずれか１回の判定結果のみであり、その判定結果に
より水位を決定して後の洗濯工程を制御しているが、こ
の判定では水位が低くなることがあり、洗濯工程におい
て洗濯物を傷つける等の不都合を生じるという問題が生
じていた。

【０００４】本発明は上記問題点に鑑み、布負荷量を検
知する時期を所定水位毎とし、２回同じ判定水位となっ
て初めて水位を決定し、布負荷量に対しての水位が低く
なるのを防止することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、全自動洗濯機
の槽内に配した撹拌翼を駆動するモータと、このモータ
への通電制御を行うモータ制御手段と、前記槽内への給
水を制御する給水制御手段と、前記槽内の水位を検知す
る水位検知手段と、全自動洗濯機の工程を制御する工程
制御手段と、前記モータを所定時間オンし、その後にモ
ータをオフしてそのオフ期間のモータ電圧を検知し、か
つその検知電圧波形数を計数してモータから発生する起
電力を検出する起電力検知手段と、この起電力検知手段
からの信号と布負荷量判定基準値を比較し、布負荷量を
判定する布負荷量判定手段とを備え、前記布負荷量判定
手段は、前記給水制御手段による槽内への所定水位毎に
布負荷量を判定し、判定した布負荷量に相当する水位が
２回同じ水位となるまで布負荷量を判定することを特徴
とする。

【０００６】

【作用】本発明によれば、布負荷量判定手段が給水制御
手段による槽内への所定水位毎に布負荷量を判定し、判
定した布負荷量に相当する水位が２回同じ水位となるま
で布負荷量を判定する。したがって槽内の布負荷量を非
常に精度よく検知が出来、布負荷量に最適な水位で洗濯
をすることが出来るものである。

【０００７】

【実施例】図１は本発明の一実施例の構成を示す図、図
２は図１の制御系の回路図、図３は図１の電圧検知手段
の出力波形図、図４は電圧波形数と布負荷量の関係を示
す図、図５は図１の制御動作を説明するマイクロコンピ
ュータのフローチャートである。

【０００８】本実施例の構成は、図１に示すように、洗
濯兼脱水槽(以下、内槽と称す)１を内装する槽２を備
え、内槽１の内底部には撹拌翼３が回転自在に配されて
いる。この撹拌翼３は減速機構４を介してモータ５によ
り駆動される。また、槽２の底部には排水弁６が接続さ
れ、槽２の上方には給水弁７が配設されている。前記モ
ータ５，排水弁６および給水弁７は、工程制御手段８に
より制御されるモータ制御手段９，排水弁制御手段10お
よび給水弁制御手段11を介して各々駆動される。

【０００９】上記工程制御手段８は設定手段12からの設
定にもとづき、工程記憶手段13から必要のデータを読み
出し、設定内容にもとづいた洗濯，すすぎ，脱水工程
を、各種制御手段９〜11の制御により実行する。

【００１０】また、モータ５のモータ電圧を検知するた
めに電圧検知手段14をモータ５に接続している。この電
圧検知手段14の電圧波形数を計数する計数手段15の出力
は布負荷量判定手段17に入力されている。この電圧検知
手段14と計数手段15とを起電力検知手段という。布負荷
量判定手段17は、前記起電力検知手段を構成する計数手
段15からの計数信号と、槽２内の水位を検知する水位検
知手段18の出力と、工程制御手段８からモータ制御手段
９に出力される制御信号(オン，オフ)も入力している。

【００１１】上記構成の全自動洗濯機の動作を説明す
る。まず、設定手段12により工程内容を設定した後に運
転を開始すると、工程制御手段８はモータ制御手段９を
制御して、所定時間モータ５を駆動して撹拌翼３を回転
させる。所定時間経過してモータ５の通電停止を工程制
御手段８からの制御信号により布負荷量判定手段17が検
知すれば、電圧検知手段14からの電圧波形数を計数手段
15により計数する。そして、布負荷量判定手段17はこの
計数手段15の計数した値と布負荷量判定基準値とを比較
し、槽２内の布負荷量を判定する。

【００１２】この布負荷量判定手段17により判定した布
負荷量の情報は工程制御手段８に送られ、工程制御手段
８は布負荷量にもとづいてそれ以降の洗濯，すすぎ，脱
水の各工程を制御する。

【００１３】次に、図２は図１の制御系の回路図を示
し、19はマイクロコンピュータ(ＣＰＵ)で、図１で示し
た工程制御手段８，工程記憶手段13，計数手段15および
布負荷量判定手段17を構成している。このマイクロコン
ピュータ19の入力部には、設定手段12としての設定スイ
ッチＳＷおよび水位検知手段18が接続されている。ま
た、モータ５は双方向性サイリスタ20a，20b、排水弁６
は双方向性サイリスタ20c、給水弁７は双方向性サイリ
スタ20dが各々接続されており、これら双方向性サイリ
スタ20a〜20dを介して交流電源21から交流電圧が供給さ
れている。

【００１４】また、双方向性サイリスタ20a〜20dのゲー
トＧ₁，Ｇ₂，Ｇ₃，Ｇ₄とマイクロコンピュータ19の出力
部とが接続され、マイクロコンピュータ19の出力部から
の信号により双方向性サイリスタ20a〜20dのスイッチン
グ動作を制御する。モータ５の巻線間に接続したコンデ
ンサ22の両端電圧を検知する電圧検知手段14は、その検
知電圧Ｖ_Cをマイクロコンピュータ19の入力部に送信し
ている。

【００１５】上記電圧検知手段14は、モータ５に所定時
間通電(双方向性サイリスタ20aまたは20bをオン)した後
の通電停止期間(オフ)に、モータ５のコンデンサ22の両
端に発生する電圧を検知するものである。この検知電圧
Ｖ_Cは図３に示す波形となる。

【００１６】すなわち、布負荷量が少ない場合には、図
３(a)のＴ_1a期間内で減衰し、布負荷量が多い場合に
は、前記図３(a)のＴ_1aより短い期間の図３(b)のＴ_1b期
間内で減衰する。この減衰期間Ｔ_1a，Ｔ_1bを電圧波形数
として計数手段15にて計数することにより、布負荷量と
相関した図４に示す情報を得ることができる。

【００１７】即ち、図４に示す電圧波形数(横軸)と、計
数手段15の計数出力を示す度数(縦軸)からわかるよう
に、布負荷量の多，少に応じて曲線Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄの如
く電圧波形数の分布があってその度数が変わる。これ
は、図３の波形に示す布負荷量が少ない場合(a)と、多
い場合(b)に対応し、図４の電圧波形数が布負荷量判定
手段17に入力される。

【００１８】ここで、マイクロコンピュータ19の制御フ
ローを図５により説明する。洗濯をスタートすると、ス
テップ(以下、Ｓと略記する)１で給水を行ない第１の水
位の極少水位まで給水をする(Ｓ２)。Ｓ３で布量検知Ｉ
(布負荷量判定Ｉ、以下布量検知という)を行なう。Ｓ４
で再び給水を行ない次の水位である少量水位まで給水を
する(Ｓ５)。この少量水位で布量検知IIを行ない(Ｓ
６)、前回の布量検知Ｉの結果と比較する(Ｓ７)。

【００１９】ここで布量検知に基づく水位が検知Ｉと検
知IIが同じと判定された場合には、Ｓ８で布量即ち水位
を判定し、決定水位を判断し(Ｓ９)、決定水位なら撹拌
工程に入る(Ｓ10)。Ｓ９でその決定した水位でないとき
は所定の水位まで給水を行ない(Ｓ11)、決定水位か判断
し(Ｓ12)、所定の水位なら次の撹拌工程へと移る(Ｓ1
3)。

【００２０】前記Ｓ７で布量検知Ｉと布量検知IIが等し
くなかった場合には、Ｓ14へ進み、低水位まで給水する
(Ｓ15)。Ｓ16で布量検知IIIを行なう。この布量検知III
の結果と、前の２回の布量検知結果(Ｉ，II)と比較して
(Ｓ17)、同じ水位となる布量検知結果があれば、その布
量検知結果に基づく水位を決定水位(Ｓ18)とし、その決
定水位か判断し(Ｓ19)、決定水位なら撹拌工程に移り
(Ｓ20)、決定水位でなければ給水し(Ｓ21)、これが決定
水位か判断し(Ｓ22)、その後撹拌工程へ入る(Ｓ23)。

【００２１】ここで、３回の布量検知結果(Ｓ17)に基づ
く水位がいずれも異なった場合には、この３回の布量検
知結果に基づく水位の中で最も高い水位を決定水位とし
て判定する(Ｓ24)。そして、その決定水位まで給水して
同様に撹拌工程へと移っていくものである。

【００２２】なお、本実施例では低水位までの布負荷量
検知で説明をしたが、これが高水位までできることはい
うまでもない。

【００２３】又、第１回目の検知後、洗濯物を追加され
た場合でも、その後の検知までの間であれば、追加され
た洗濯物の量にも対応が出来るものである。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明の全自動洗濯
機は、布負荷量判定手段が給水制御手段による槽内への
所定水位毎に布負荷量を判定し、判定した布負荷量に相
当する水位が２回同じ水位となるまで布負荷量を判定す
ることにより、その布負荷量の検知精度を向上させるも
のであり、槽内に投入された洗濯物に適切な水位及びそ
の後の洗濯工程を行なうものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成を示す図である。

【図２】図１の制御系の回路図である。

【図３】図１の電圧検知手段の出力波形図である。

【図４】電圧波形数と布負荷量の関係を示す図である。

【図５】図１の制御動作を説明するマイクロコンピュー
タのフローチャートである。

【符号の説明】

１…洗濯兼脱水槽、 ２…槽、 ３…撹拌翼、 ５…モ
ータ、 ７…給水弁、８…工程制御手段、 ９…モータ
制御手段、 10…排水弁制御手段、 11…給水弁制御手
段、 12…設定手段、 13…工程記憶手段、 14…電圧
検知手段、 15…計数手段、 17…布負荷量判定手段、
18…水位検知手段、 19…マイクロコンピュータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 全自動洗濯機の槽内に配した撹拌翼を駆
   動するモータと、このモータへの通電制御を行なうモー
   タ制御手段と、前記槽内への給水を制御する給水制御手
   段と、前記槽内の水位を検知する水位検知手段と、全自
   動洗濯機の工程を制御する工程制御手段と、前記モータ
   を所定時間オンし、その後にモータをオフして、そのオ
   フ期間のモータ電圧を検知し、かつその検知電圧波形数
   を計数してモータから発生する起電力を検出する起電力
   検知手段と、この起電力検知手段からの信号と布負荷量
   判定基準値と比較し、布負荷量を判定する布負荷量判定
   手段とを備え、前記布負荷量判定手段は、前記給水制御
   手段による槽内への所定水位毎に布負荷量を判定し、判
   定した布負荷量に相当する水位が２回同じ水位となるま
   で布負荷量を判定することを特徴とする全自動洗濯機。