JP2574305B2 - 洗濯機の負荷量検知装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、洗濯槽あるいは洗濯兼脱水槽内に投入され
た衣類等の量を検知する洗濯機の負荷量検知装置に関す
るものである。

従来の技術 従来から負荷量を検知する洗濯機の負荷量検知装置は
数多く提供されている。例えば、特公昭61−22598号公
報に示される負荷量検知装置がある。この負荷量検知装
置は第６図に示すように撹拌翼および洗濯槽兼脱水槽を
洗濯的に駆動する洗濯モータ２をスイッチング手段4a,4
bを介して交流電源１に接続し、さらに洗濯モータ２の
巻線間にはコンデンサ３を接続している。スイッチング
手段4a,4bは制御回路からそのゲートG₁,G₂へ信号が送ら
れ、その信号に基づいてオン，オフする。またモータ２
にはカレントトランス６が接続されており、このカレン
トトランス６の出力は制御回路５に入力されるようにな
っている。そして制御回路５は、スイッチング手段4a,4
bを制御して洗濯モータ２を始動し、その後の一定時間
後の洗濯モータ２の電流値を検知して、その電流値によ
り負荷量を判定していた。

発明が解決しようとする問題点 しかし従来の構成では、モータ２の電流値がモータの
特性ばらつき、あるいは交流電源１の電圧変動により影
響を受けるため、負荷量検知のばらつきが大きくなる問
題点を有していた。また、従来の負荷量検知方法では、
水位の高低により撹拌翼に加わる負荷量も異なるため、
槽内に投入された布負荷量を精度高く検知できないとい
う問題点を有していた。

本発明は上記問題点に鑑み、負荷量を高精度に検知す
ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は、撹拌翼を駆動す
るモータへの通電制御を行う制御手段と、槽内の水位を
検知する水位検知手段と、前記制御手段によりモータに
所定時間通電し、その後のオフ期間内におけるモータの
回転数に相関したパラメータの減衰率と負荷量判別基準
値とを比較して負荷量を検知する負荷量検知手段を備
え、前記負荷量検知手段は槽内の水位に応じた負荷量判
別基準値を有し、第１回目に負荷量検知用の低水位まで
給水し、第１回目の負荷量検知で判定した適切な水位ま
で給水し、再び上記負荷量検知をその適切な水位に応じ
た負荷量判定基準値で負荷量を判定するものである。

作 用 上記構成によれば、同一の負荷量であっても槽内の水
位に応じてモータ回転数に相関したパラメータの減衰率
が変化するので、槽内の水位に応じて負荷量判別基準値
を設け、しかも、第１回目に負荷量検知用の低水位まで
給水し、第１回目の負荷量検知で判定した適切な水位ま
で給水し、この低水位では検知精度がよくない負荷量の
多い場合については、再び上記負荷量検知をその適切な
水位に応じた負荷量判定基準値で負荷量を判定するの
で、精度よく負荷量を検知できる。

実施例 以下本発明の実施例について第１図〜第５図を参照し
て説明する。

本実施例における全自動洗濯機の構成は第３図に示す
ように、外槽11内に回転自在に配した洗濯兼脱水槽10
は、その内底部に撹拌翼12を回転自在に配している。こ
の撹拌翼12と洗濯兼脱水槽10とはメカケース13により選
択的に切換えられ、モータ２の回転力が伝達される。

次に上記全自動洗濯機の制御部を第１図により説明す
る。すなわち、交流電源１に接続されたモータ２の主コ
イルと補助コイル間にコンデンサ３を接続し、このコン
デンサ３の端子と交流電源１間にスイッチング装置の１
つである双方向性３端子サイリス（以下トライアックと
称す）4a,4bを接続している。トライアック4aが導通す
るとモータ２は正回転し、トライアック4aをオフさせて
トライアック4bをオンさせるモータ２は逆転する。制御
回路5Aは操作キーからの指示、蓋スイッチ50、水位検知
装置5B等からの信号により、モータ２を駆動するトライ
アック4a,4bおよび、排水弁用マグネット８、給水弁７
を駆動するトライアック4c,4dのスイッチングを制御す
る。

コンデンサ電圧検知回路5cはモータ２のコンデンサ３
の端子電圧を検知するものである。コンデンサ３の端子
電圧はモータ回転数と相関があり、トライアック4aまた
は4bを導通せしめ、その後回転を逆転せしめる前の休止
期間中にコンデンサ電圧は回転数に応じて減衰する。

第２図にモータ２を駆動するトライアック4aまたは4b
をオフせしめたときのコンデンサ３の端子電圧の変化を
示す。図中Ａは負荷量が少なくモータ回転数の減少量が
少ない場合であり、Ｂは逆に負荷量が多くモータ回転数
が、急速に減少する場合である。モータ２の正転、逆転
の休止期間においてはトライアック4a,4bともオフ状態
のためコンデンサ３の端子電圧は０となるが、休止期間
前にモータ２を回転させて撹拌翼を駆動しているため、
モータ２は慣性により回転し続け、主コイル、補助コイ
ルに誘起電圧が発生し、回転数の減少とともに誘起電圧
は減少し第２図のような波形となる。負荷量が大きい場
合にはモータ回転数は急速に減少し、コンデンサ電圧も
減少するので、布量等の負荷量を検知することができ
る。

回転数の減衰率すなわち、コンデンサ電圧の減衰時間
（第２図中のT_1a,T_1b）、あるいはコンデンサ電圧の変
化率、あるいは電圧波形数等の減衰率を測定して負荷量
を判定している。

しかしながら、第４図のようにコンデンサ電圧を検知
する時の洗濯槽兼脱水槽10内の水位によって各布負荷量
の精度が異なる。すなわち、布負荷量の前記コンデンサ
電圧の波形数の差ｘと、各布負荷量におけるコンデンサ
電圧波形数のばらつきｙとの比率y/xが、検知する時の
水位によって異なる。例えば比較的、布負荷量が少ない
時は低い水位で検知を行なった方が精度が良く、また、
負荷量が多い時は若干高めの水位で検知した方が精度は
良い。したがって、予め低い水位にて多めの負荷量か、
あるいは少なめの負荷量かの、布負荷量検知を行ない、
次にその布量に適した水位にして、再度布負荷量検知を
行ない、それを最終の布負荷量とすれば、より精度の高
い布負荷量の検知を行うことができる。

次に布量判定の手順を第５図により説明する。すなわ
ち第５図（ａ）に示すように初期設定における水位設定
の後、給水をスタートし、設定水位になると給水を止
め、撹拌を開始する。そしてモータ２を20〜30回、正逆
反転の撹拌を行ない、その間のモータ出力OFF時のコン
デンサ電圧波形数を測定する。この時の検知で布負荷量
がどの程度の負荷量であるかを少量，多量の２段階に判
定し、その時の負荷量に適した水位に設定する。次に第
５図（ｂ）に示すように適正な水位で再度上記布量検知
行程を行ない最終の布量判定を行なう。この場合に布負
荷量の判定は、布負荷量判別基準値第４図イで示すコン
デンサ電圧波形数）と検知したコンデンサ電圧波形数と
を比較して行うが、この布負荷量判別基準値は第４図で
明らかなように検知する時の水位によって異なっている
ため、制御回路5A内に検知水位ごとの、布負荷量判別基
準値を記憶させている。

なお、本実施例ではモータのコンデンサ電圧を検知し
て負荷量を判定したが電流，回転数であってもよく、要
はモータの回転に相関するパラメータであればよい。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように本発明によれば、モ
ータを一定時間駆動し、オンからオフした直後のモータ
の減衰率を測定して負荷量を判定するため、モータ特性
のばらつき等の影響を受けず精度の高い負荷量検知を行
うことができる。また、その負荷量検知を、槽内の水位
に応じて負荷量判別基準値を設け、しかも、第１回目に
負荷量検知用の低水位まで給水し、第１回目の負荷量検
知で判定した適切な水位まで給水し、この低水位では検
知精度がよくない負荷量の多い場合については、再び上
記負荷量検知をその適切な水位に応じた負荷量判定基準
値で負荷量を判定するので、精度よく負荷量を検知でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による全自動洗濯機の布量負
荷検知装置とその制御回路を示すブロック図、第２図は
モータを駆動してオフさせた直後のコンデンサ端子電圧
の波形図、第３図は同全自動洗濯機の主要部縦断面図、
第４図は各水位による電圧波形数と布量との関係を示す
グラフ、第５図は同布量検知の制御を示すフローチャー
ト、第６図は従来の布量負荷検知装置のブロック図であ
る。 １……交流電源、２……モータ、３……コンデンサ、4
a,4b……スイッチング装置、5A……制御回路、5B……水
位検出装置、10……洗濯兼脱水槽、11……外槽。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】撹拌翼を駆動するモータへの通電制御を行
   う制御手段と、槽内の水位を検知する水位検知手段と、
   前記制御手段によりモータに所定時間通電し、その後の
   オフ期間内におけるモータの回転数に相関したパラメー
   タの減衰率と負荷量判別基準値とを比較して負荷量を検
   知する負荷量検知手段を備え、前記負荷量検知手段は槽
   内の水位に応じた負荷量判別基準値を有し、第１回目に
   負荷量検知用の低水位まで給水し、第１回目の負荷量検
   知で判定した適切な水位まで給水し、再び上記負荷量検
   知をその適切な水位に応じた負荷量判定基準値で負荷量
   を判定する洗濯機の負荷量検知装置。