JPH06280306A - プレキャストコンクリート柱の接合方法及びプレキャストコンクリート柱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 柱脚部にヒンジを計画することができるプレ
キャストコンクリート柱の接合方法及びプレキャストコ
ンクリートを提供することである。 【構成】 主筋１ａ及び剪断補強筋１ｂが配筋された中
空のプレキャストコンクリート柱１の端部に継手部２を
備え、この継手部２は中空で、かつ主筋１ａ及び剪断補
強筋１ｂが配筋されていない無筋状態で形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はプレキャストコンクリー
ト柱の接合方法及びそれに使用するプレキャストコンク
リート柱に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、極端な人手不足や作業性の効率化
等から建築部材のプレキャスト化が進んでいる。このプ
レキャスト部材においてプレキャストコンクリート柱
は、図１１に示すような中空形状のものが多く、これを
接合、或は建込む場合には接合面１０ａから突出した柱
主筋１０をプレキャストコンクリート柱２０の中空部３
０に挿入してその主筋４０と重ね継手を行って建込んで
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
プレキャストコンクリート柱のほぼ全長に渡って主筋が
配筋され、該主筋と接合部からの柱主筋とを重ね継手す
る場合、柱脚部或は柱頭部においてヒンジ形成に支障が
あるという問題があった。さらに、柱脚部に重ね継手や
機械継手を設けることは柱脚部のヒンジ形成に悪影響を
及ぼすという問題もあった。本発明は上記のような問題
に鑑みてなされたものであり、その目的は、柱脚部にヒ
ンジを計画することができるプレキャストコンクリート
柱の接合方法及びプレキャストコンクリート柱を提供す
ることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するためのプレキャストコンクリート柱の接合方法は、
柱の建込み位置に所定高さの柱脚を予め形成し、この柱
脚にプレキャストコンクリート柱を接合してなることに
存し、プレキャストコンクリート柱は、端部に無筋かつ
中空の継手部を備え、この継手部近傍の柱主筋及び剪断
補強筋が配筋された箇所には接合筋の挿入孔を備えたこ
と存し、またプレキャストコンクリート柱は、端部に接
合筋挿入孔を備え、該接合筋挿入孔内には主筋が配筋さ
れたことに存する。

【０００５】

【作用】本発明のプレキャストコンクリート柱の接合方
法においては、柱脚部或は柱頭部にヒンジを計画するこ
とができると共に、柱脚部に重ね継手や機械継手を設け
ることを要しない。また本発明のプレキャストコンクリ
ート柱においては、ヒンジ領域での鉄筋継手が無くな
り、かつ柱の応力の小さな箇所において合理的な柱の接
合ができる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図１及び図２は本発明のプレキャストコ
ンクリート柱１の第１実施例の断面図を示したものであ
り、これは主筋１ａ及び剪断補強筋１ｂが配筋された中
空のプレキャストコンクリート柱１の端部に継手部２を
備えたものである。

【０００７】この継手部２は中空で、かつ主筋１ａ及び
剪断補強筋１ｂが配筋されていない無筋状態で形成さ
れ、その内側面にはコンクリートの定着を向上させるコ
ッタ等が形成されている。

【０００８】このプレキャストコンクリート柱１の接合
方法は、図３の（１）に示すように、上面から接合筋３
ａが突出した柱脚３を、基礎コンクリート４又は床スラ
ブ上あるいはプレキャストコンクリート部材上に形成す
る。

【０００９】次に、同図の（２）に示すように、その柱
脚３にプレキャストコンクリート柱１の継手部２を被せ
ると、前記接合筋３ａがプレキャストコンクリート柱１
の中空部１ｃに挿入されて主筋１ａと重ね継手される。
そして、その中空部１ｃにコンクリート５を打設するこ
とによりプレキャストコンクリート柱１の接合が行われ
る。また、図４は柱脚３の接合筋３ａが１本ものに限ら
ず、細径の鉄筋を束ね配筋した場合のものである。

【００１０】図５及び図６はプレキャストコンクリート
柱１の第２実施例の断面図を示したものであり、これは
主筋１ａ及び剪断補強筋１ｂが配筋された無空のプレキ
ャストコンクリート柱１の端部に継手部２を備え、該継
手部２の四隅に接合筋挿入孔６を設けたものである。

【００１１】この継手部２は前記第１実施例と同様に中
空で、かつ主筋１ａ及び剪断補強筋１ｂが配筋されてい
ない無筋状態で形成されている。また、前記接合筋挿入
孔６は四隅に限らず柱主筋が配筋された箇所に全て設け
ることができる。

【００１２】また、このプレキャストコンクリート柱１
の接合方法は、図７の（１）に示すように、上面から接
合筋３ａが突出した柱脚３を、基礎コンクリート４又は
床スラブ上あるいはプレキャストコンクリート部材上に
形成する。

【００１３】次に、同図の（２）に示すように、その柱
脚３にプレキャストコンクリート柱１の継手部２を被せ
るとともに、前記接合筋３ａを接合筋挿入孔６に挿入し
て主筋１ａと重ね継手をする。

【００１４】そして、その接合筋挿入孔６にモルタル７
等を注入することによりプレキャストコンクリート柱１
の接合が行われる。また、図８は前記と同様に柱脚３の
接合筋３ａが１本ものに限らず、細径の鉄筋を束ね配筋
３ｂとしたものである。

【００１５】また、図９は端部に接合筋挿入孔６を備え
たプレキャストコンクリート柱１の接合方法を示すもの
である。この場合はプレキャストコンクリート柱１を柱
脚３に重ね合わせ、該柱脚３の上面から突設した接合筋
３ａを、予め主筋１ａが配筋された接合筋挿入孔６へ挿
入する。そして該接合筋挿入孔６へモルタル７等を注入
してプレキャストコンクリート柱１の接合を行うもので
ある。

【００１６】

【発明の効果】柱の建込み位置に所定高さの柱脚を形成
し、この柱脚にプレキャストコンクリート柱を接合する
ことにより、柱脚部或は柱頭部にヒンジを計画すること
ができる。

【００１７】プレキャストコンクリート柱を、端部に無
筋かつ中空の継手部を備え、この継手部近傍の柱主筋及
び剪断補強筋が配筋された箇所に接合筋の挿入孔を備え
た構成にしたので、これを１階柱に適用するとヒンジ領
域での鉄筋継手が無くなり、破壊モードの実現が容易に
できる。

【００１８】本発明のプレキャストコンクリート柱を使
用することにより、柱部材のほぼ中央の応力の小さなと
ころにおいて、構造的、施工的に合理的なプレキャスト
コンクリート柱の組み立てを行うことができる。

【００１９】本発明のプレキャストコンクリート柱にお
いては、ヒンジ領域での鉄筋継手が無くなり、かつ柱の
応力の小さな箇所において合理的な柱の接合ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】プレキャストコンクリート柱の縦断面図であ
る。

【図２】プレキャストコンクリート柱の横断面図であ
る。

【図３】プレキャストコンクリート柱の接合方法を示す
断面図であり、（１）は柱脚の断面図、（２）は柱脚に
プレキャストコンクリート柱を被せた断面図、（３）は
プレキャストコンクリート柱の中空部にコンクリートを
打設した断面図である。

【図４】他の接合筋を使用したプレキャストコンクリー
ト柱の横断面図である。

【図５】第２実施例のプレキャストコンクリート柱の縦
断面図である。

【図６】第２実施例のプレキャストコンクリート柱の横
断面図である。

【図７】第２実施例のプレキャストコンクリート柱の接
合方法を示す断面図であり、（１）は柱脚の断面図、
（２）は柱脚にプレキャストコンクリート柱を被せた断
面図、（３）はプレキャストコンクリート柱の中空部に
コンクリートを打設した断面図である。

【図８】他の接合筋を使用した第２実施例のプレキャス
トコンクリート柱の横断面図である。

【図９】第３実施例のプレキャストコンクリート柱の接
合方法を示す断面図であり、（１）は柱脚の断面図、
（２）は柱脚にプレキャストコンクリート柱を被せた断
面図である。

【図１０】他の接合筋を使用した第３実施例のプレキャ
ストコンクリート柱の横断面図である。

【図１１】従来のプレキャストコンクリート柱の接合方
法を示す断面図である。

【符号の説明】

１ プレキャストコンクリート柱 １ａ 柱主筋 １ｂ 剪断補強筋 １ｃ 中空部 ２ 継手部 ３ 柱脚 ３ａ 接合筋 ５ コンクリート ６ 接合筋挿入孔 ７ モルタル

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 柱の建込み位置に所定高さの柱脚を形成
   し、この柱脚にプレキャストコンクリート柱を接合して
   なることを特徴とするプレキャストコンクリート柱の接
   合方法。
2. 【請求項２】 端部に無筋かつ中空の継手部を備え、こ
   の継手部近傍の柱主筋及び剪断補強筋が配筋された箇所
   に接合筋挿入孔を備えたことを特徴とするプレキャスト
   コンクリート柱。
3. 【請求項３】 端部に接合筋挿入孔を備え、該接合筋挿
   入孔内には主筋が配筋されていることを特徴とするプレ
   キャストコンクリート柱。