JP3072534B2 - プレキャスト梁部材及びその梁構築法 - Google Patents

プレキャスト梁部材及びその梁構築法

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JP3072534B2
JP3072534B2 JP3142650A JP14265091A JP3072534B2 JP 3072534 B2 JP3072534 B2 JP 3072534B2 JP 3142650 A JP3142650 A JP 3142650A JP 14265091 A JP14265091 A JP 14265091A JP 3072534 B2 JP3072534 B2 JP 3072534B2
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雄二 田中
輝彰 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレキャスト鉄筋コン
クリート造のプレキャスト梁部材およびその梁構築法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の上記プレキャスト梁部材は、図5
に示すようにプレキャストコンクリート20に多数の剪
断補強筋(肋筋)21を所定間隔を置き埋設するととも
に、剪断補強筋21群の下部、即ちプレキャストコンク
リート20の下部に複数本の梁下端主筋22を平行に埋
設して、プレキャストコンクリート20の端面から突出
している各梁下端主筋22の端部を、図示上方に折曲し
てL字状やU字状の曲折部22a,22bを設けた構造
になつており、そのプレキャスト梁部材を図示のように
柱25の上部間に架設して、各梁下端主筋22の曲折部
22a、22bを、図5A、B、Cのように柱上部に配
筋するとともに、必要に応じて適宜の補強筋(図示省
略)を併設し、剪断補強筋21群の上部に複数本の梁上
端主筋23を通し配筋して、柱上部、プレキャスト梁部
材の端部間及び上部、さらに床スラブの部分にもコンク
リートを打設して、梁を柱上部及び床スラブと一体的に
接合して構築されている。
【0003】また、図6A、Bに示すように柱部材と梁
部材を十字状、あるいはサ字状に一体的に連設したプレ
キャスト柱・梁部材30によつて、その梁部端面から突
出している梁下端主筋22間、及び梁上端主筋23間
を、図7A、Bに示すように適宜機構の機械式継手34
aによつて、あるいは溶接34bして連結し、剪断補強
筋31を併設して、コンクリートを打設して比較的に応
力の少ないスパン中央部で梁端部を一体的に接合して構
築されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の上記梁構築にお
いては、前記のようにプレキャスト梁部材と鉄筋の接合
が端部間の同じ位置になつているため、プレキャスト梁
部材、プレキャスト柱・梁部材の端面から梁下端主筋、
梁上端主筋が突設し、運搬、架設作業等の妨げになると
ともに、接合部における配筋精度の確保、補強筋の併
設、さらに配筋の接続等に多くの手数、手間を要し、作
業性、省力化、さらに施工性、信頼性等に問題点があ
る。
【0005】本発明は、上記のような課題に対処するた
めに開発されたものであつて、その目的とする処は、梁
主筋とプレキャスト部材を異なる接合位置にして、配筋
の自由性、作業性を高め、省力化とともに施工性、信頼
性を向上したプレキャスト梁部材及びその梁構築法を提
供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、プレキャスト
梁部材の端面下部間に、梁下端主筋を挿通して配筋する
ための複数本のシース管を平行に配設して、シース管の
中央部に添え筋を配筋して重ね継手形成部を設け、その
シース管に挿通した各梁下端主筋を、移動調節して柱上
部上のプレキャスト梁部材の端面間に通し配筋するとと
もに、各梁下端主筋の前、後端部を前記重ね継手形成部
内で連設状に配筋した後、プレキャスト梁部材の端面間
にコンクリートを打設し、各シース管内にグラウト材を
充填することにより、プレキャスト梁部材の運搬、架設
を容易とし、配筋の自由性を有し作業性、配筋性能を高
めている。
【0007】
【作用】本発明のプレキャスト梁部材は、その端面部か
ら梁下端主筋等が突出してなく容易に運搬され、シース
管に梁下端主筋を挿通して柱上部間に順次に架設し、各
梁下端主筋を移動調節して柱上部上のプレキャスト梁部
材の端面間に通し配筋するとともに、各梁下端主筋の
前、後端部を重ね継手形成部内で連設状に配筋した後、
プレキャスト梁部材の端面間にコンクリートを打設し、
各シース管内にグラウト材を充填して容易に構築され、
プレキャスト梁部材の端部間は通し配筋となり、かつ比
較的に応力の少ないスパン中央部でシース管及び添え筋
付きの強力な重ね継手が形成されるとともに、必要に応
じて梁下端主筋の太さや本数、端部アンカー部等を自在
に調整変更でき、また、梁下端主筋の前後端部間を溶
接、接合してからシース管内に移動調節して配筋強度を
高める等の配筋自由性を有する。
【0008】
【実施例】図1ないし図4に本発明の一実施例を示し、
図中1はプレキャスト梁部材10の主体になつているプ
レキャストコンクリート、2はプレキャストコンクリー
ト1に適宜間隔を置き埋設した剪断補強筋(肋筋)、3
は梁下端主筋40の挿通用シース管、5は添え筋であつ
て、図1に示すようにプレキャストコンクリート1に多
数の剪断補強筋2を間隔を置き埋設するとともに、プレ
キャストコンクリート1の端面1a,1a間に梁下端主
筋40を挿通して配筋するための複数本のシース管3を
平行に配設して、シース管3の中央部に添え筋(図示例
は各2本)5を配筋して重ね継手形成部5aを設けたプ
レキャスト梁部材10になつており、各剪断補強筋2
は、必要に応じて図示のような補強構造のものを使用し
て、上部の突出部に梁上端主筋11が配筋される。シー
ス管3は、各剪断補強筋2の下部に図示のように配設さ
れて端面1a,1a間に貫設され、その本数は必要に応
じ増減可能であり、梁下端主筋40を容易に挿通、移動
自在とする適宜の太径に形成され、その中央部にはそれ
ぞれ添え筋5が沿設されて重ね継手形成部5aに構成さ
れている。添え筋5は、図示のように適宜に長く形成さ
れ、重ね継手形成部5aにおける梁下端主筋40の重合
長さが十分に確保される。図中6は端面1aに設けた凹
型コツターであり、柱及び梁間の接合が高められてい
る。
【0009】本発明の上記プレキャスト梁部材10は、
その端面から配筋が突出してなく容易に運搬でき、図2
Aに示すように各シース管3内に梁下端主筋40を挿通
して、クレーン(図示省略)等により吊持して柱25上
部間に順次に架設し、各梁下端主筋40を矢示のように
順次に矢示方向に移動調節して、先端の曲折部40aは
柱25上部の所定位置に配筋し、次の各梁下端主筋40
をプレキャスト梁部材10間に通し配筋して、各梁下端
主筋40の前、後端部を図示のように重ね継手部5a内
で連設状に配筋し、さらに、各プレキャスト梁部材10
の剪断補強筋2群の上部に梁上端主筋(図示省略)を通
し配筋した後、プレキャスト梁部材10の端面間及び上
部にコンクリート(図示省略)を打設するとともに、各
シース管3内にグラウト材を注入、充填して、柱上部に
梁を一体的に構築する。
【0010】前記構築に際し、各梁下端主筋40の移動
調節のみで、梁下端主筋40の先端の曲折部40aが柱
上部内の所望位置に配置され、各プレキャスト梁部材1
0の中央部、即ちスパン中央部にシース管3と添え筋5
付きの重ね継手が構成され、さらに、各プレキャスト梁
部材10間は通し配筋となり、容易に配筋され、優れた
配筋強度、信頼性が得られる。また、梁下端主筋40の
太さ、本数、先端のアンカー部の形状、さらに梁下端主
筋の継手部分を溶接、接合するなどの調節変更が自在で
あり、所要の配筋強度が得られる。
【0011】さらに、図3に示すように各シース管3の
端部には拡大穴部3aが形成され、各梁下端主筋40を
前記のように移動調節して配筋した後、各シース管3の
端部(図3B)と他端部(図3C)にバツクアツプ材1
1を配設して閉塞し、注入口4aからグラウト材を注入
し抽出口4bから排出させて、各シース管3内にグラウ
ト材を充填して接続性能、信頼性が高められる。また、
図3B,C及び図4A,Bに示すようにプレキャスト梁
部材10のシース管3の相互を接続パイプ13a,13
bで接続し、複数本のシース管3を一連に連結して、例
えば、図4cに示すようなグラウト材流通経路にして、
グラウト材の注入性能が高められる。
【0012】
【発明の効果】本発明は、上述のような構成からなり、
本発明のプレキャスト梁部材は、容易に運搬されるとと
もに、シース管に梁下端主筋を挿通して柱上部間に順次
に架設し、各梁下端主筋を移動調節して柱上部上のプレ
キャスト梁部材の端面間に通し配筋し、各梁下端主筋の
前、後端部を重ね継手形成部内で連設状に配筋した後、
プレキャスト梁部材の端面間にコンクリートを打設し、
各シース管内にグラウト材を充填して容易に構築され、
プレキャスト梁部材の端部間は通し配筋となり、かつ比
較的に応力の少ないスパン中央部でシース管及び添え筋
付きの強力な重ね継手が形成されるとともに、必要に応
じてシース管の太さや本数、梁下端主筋の太さや本数、
端部アンカー部等を自在に調整変更し、また、主筋の継
手部分を溶接、接合して配筋強度を高める等の配筋自由
性を有し作業性が高められて、省力化とともに施工性、
信頼性が著しく向上されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のプレキャスト梁部材を示す
側視機構図(A)とそのXb−Xb断面図(B)及び全
体の斜視図(C)
【図2】同プレキャスト梁部材による梁構築を示す各側
視工程図(A),(B)
【図3】シース管の端部閉塞の一実施例を示す図1Y
a,Yb部分の拡大断面図(A)と矢示Zb−Zb機構
図(B)及び矢示Zd−Zd機構図(C)
【図4】シース管の連結状態を示す平面機構図(A)と
その端部機構図(B)及びグラウト流入経路機構図
(C)
【図5】従来のプレキャスト梁部材の架設例を示す各側
視機構図(A),(B),(C)
【図6】従来のプレキャスト梁部材の他架設例を示す側
視機構図(A),(B)
【図7】従来のプレキャスト梁部材の継手を示す側視機
構図(A),(B)である。
【符号の説明】
1 プレキャストコンクリート 1a 端面 2 剪断補強筋 3 シース管 5 添え筋 5a 重ね継手形成部 40 梁下端主筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/20 - 1/21 E04B 1/16 E04C 3/00 - 3/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレキャストコンクリートに多数の剪断
    補強筋を間隔を置き埋設するとともに、同プレキャスト
    コンクリートの端面下部間に梁下端主筋を挿通して配筋
    するための複数本のシース管を平行に貫設して、同シー
    ス管の中央部に添え筋を配筋して重ね継手形成部を設け
    たことを特徴とするプレキャスト梁部材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプレキャスト梁部材にお
    いて、同プレキャスト梁部材のシース管に梁下端主筋を
    挿通して、同プレキャスト梁部材を柱上部間に順次に架
    設し、前記各梁下端主筋を移動調節して前記柱上部上の
    前記プレキャスト梁部材の端面間に通し配筋するととも
    に、前記各梁下端主筋の前、後端部を前記重ね継手形成
    部内で連設状に配筋した後、前記プレキャスト梁部材の
    端面間にコンクリートを打設し、前記各シース管内にグ
    ラウト材を充填して、前記各シース管の中央部に前記各
    梁下端主筋の重ね継手を構成して構築することを特徴と
    する梁構築法。
JP3142650A 1991-05-20 1991-05-20 プレキャスト梁部材及びその梁構築法 Expired - Lifetime JP3072534B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015178703A (ja) * 2014-03-18 2015-10-08 大成建設株式会社 接合構造及びPCa部材

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JP2015178703A (ja) * 2014-03-18 2015-10-08 大成建設株式会社 接合構造及びPCa部材

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