JPH06278287A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH06278287A
JPH06278287A JP16537492A JP16537492A JPH06278287A JP H06278287 A JPH06278287 A JP H06278287A JP 16537492 A JP16537492 A JP 16537492A JP 16537492 A JP16537492 A JP 16537492A JP H06278287 A JPH06278287 A JP H06278287A
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ink
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ejection port
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Toshiyuki Onishi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】記録ヘッドを交換する際の吐出口内への気泡や
塵埃の混入およびインク溶剤の蒸発等を防止することを
可能にし、複数の記録ヘッドを使用する場合でも、各記
録ヘッドを並べて搭載する必要を無くすことにより記録
装置の小型化を可能にする。 【構成】記録ヘッドに、吐出口密閉位置と吐出口開放位
置との間で移動可能なクリーニング部材で形成されたキ
ャップを有するキャッピング機構を設け、記録ヘッドを
装着する時あるいは記録時や吐出回復処理動作時に吐出
口を開放する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録手段から記録媒体へ
インクを吐出させて記録を行なうインクジェット記録装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出力
機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて
用紙やプラスチック薄板(OHPなど)等の記録媒体に
画像を記録していくように構成されている。前記記録装
置は、使用する記録手段の記録方式により、インクジェ
ット式、ワイヤドット式、感熱式、熱転写式、レーザー
ビーム式等に分けることができる。
【0003】記録媒体の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査する記録方式を採るシリアルタイプの
記録装置においては、記録媒体を所定の記録位置にセッ
トした後、記録媒体に沿って移動するキャリッジ上に搭
載した記録手段によって画像を記録(主走査)し、1行
分の記録を終了した後に所定量の紙送り(ピッチ搬送)
を行ない、その後に次の行の画像を記録(主走査)する
という動作を繰り返すことにより、記録媒体全域の画像
記録が行なわれる。一方、記録媒体を搬送方向に送る副
走査のみで記録するラインタイプの記録装置において
は、記録媒体を所定の記録位置にセットし、一括して1
行分の記録を行なった後、所定量の紙送り(ピッチ送
り)を行ない、さらに、次の行の記録を一括して行なう
という動作を繰り返すことにより、記録媒体全域の画像
記録が行なわれる。
【0004】そのうち、インクジェット式(インクジェ
ット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から記録媒
体にインクを吐出して記録を行なうものであり、記録手
段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で
記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせず
に記録することができ、ランニングコストが安く、ノン
インパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色
のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であ
るなどの利点を有している。中でも、紙幅方向に多数の
吐出口を配列したラインタイプの記録手段を使用するラ
イン型の装置は、記録の一層の高速化が可能である。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。
【0006】上記インクジェット記録装置においては、
記録ヘッドとして一般に微細な吐出口を配列したものが
用いられるので、吐出口内方への気泡や塵埃の混入が生
じた場合、あるいはインク溶剤の蒸発に伴う増粘等によ
ってインクが吐出ないし記録に適さない状態となった場
合等において、インクをリフレッシュすることにより吐
出不良要因を除去する吐出回復処理が行なわれる。
【0007】このような吐出回復処理を行う手段の一形
態として、記録ヘッドの吐出口形成面を覆うことが可能
なキャップと、このキャップに連通し吸引力を作用する
ポンプとを設けたものがある。前記吐出回復処理の動作
には、キャップを吐出口形成面に対向させた対向状態で
吐出口内方のインク吐出エネルギ発生素子を駆動するこ
とによりインクを吐出させる動作と、キャップを吐出口
形成面に圧接し密封したキャッピング状態で吸引力を作
用させて吐出口よりインクを強制的に吸い出す動作があ
る。
【0008】上記インクジェット記録装置は高精細なカ
ラー記録を容易に行ない得るという利点を有しており、
カラー記録の場合には、例えば、イエロー、マゼンタ、
シアン、ブラックの各色のインクが使用され、これらの
インク色に対応した複数の記録ヘッドが使用される。ま
た、同一色彩のインクで濃度の異なる複数のインクを使
用する階調記録用のインクジェット記録装置でも、同様
に複数の記録ヘッドが使用される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カラー
記録や階調記録のように複数のインクを使用する従来の
インクジェット記録装置では、各インクごとに記録ヘッ
ドを一々交換すると、吐出口への気泡や塵埃の混入また
はインク溶剤の蒸発に伴なう粘度増加などによって吐出
不良が生じやすくなることから、複数の記録ヘッドを走
査方向に配列する必要があり、記録装置の幅が大きくな
るという解決すべき課題があった。
【0010】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、本発明の目的は、異なる複数種のインクに対応し
た複数の記録ヘッドで記録する場合でも、吐出口内への
気泡や塵埃の混入およびインク溶剤の蒸発に伴なう増粘
等を生じることなく、各記録ヘッドを交換することを可
能にし、記録装置の幅を狭くすることが可能なインクジ
ェット記録装置を提供することである。
【0011】
【課題解決のための手段】本発明は、記録手段から記録
媒体へインクを吐出して記録を行なうインクジェット記
録装置において、前記記録手段に吐出口形成面の周辺で
移動可能なキャップを設け、記録時および吐出回復動作
時に前記キャップを吐出口から外れた開放位置へ退避さ
せる構成とすることにより、上記目的を達成するもので
ある。
【0012】別の本発明は、上記構成に加えて、記録手
段を記録装置に装着する際に、前記キャップを吐出口か
ら外れた位置へ退避させる構成、あるいは前記キャップ
が吐出口形成面の吐出口周辺を清掃するためのクリーニ
ング部材を有する構成とすることにより、一層効率よく
上記目的を達成するものである。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明を適用したインクジェット記録装置
を使用するのに適した一装置例としての文書作成装置
(ワードプロセッサ)の外観斜視図である。図1におい
て、1は入力装置であるところのキーボード部、2は入
力した文書等を表示する表示器部分である。この表示器
部分2は、回動可能に保持され、非使用時はキーボード
部1に重なるように折たたむことができる。3は記録手
段(記録ヘッド)の動作状態を確認するための視認用開
口に開閉可能に設けられた透明または半透明の保護カバ
ーである。4は拍車を保持するための拍車カバーであ
る。これらについては図6、図11、図12を参照して
後述する。5は給排紙される記録用紙やプラスチック薄
板(OHPフイルム等)などの記録媒体を支えるための
ペーパーサポータ、6は手動にて記録媒体の給排紙を行
なうためのノブである。
【0014】図2は本発明を適用したインクジェット記
録装置の一実施例の構成を示す一部破断斜視図である。
図2において、9は記録ヘッドとインクタンクを一体化
した形態のカートリッジタイプの記録手段(ヘッドカー
トリッジ)、11は記録手段9を搭載して図2中の矢印
S方向に主走査するためのキャリッジである。12はヘ
ッドカートリッジ9を着脱する時の規制板であり、13
はヘッドカートリッジ9をキャリッジ11に取付けるた
めのフック、15はフック13を操作するためのレバー
である。19はヘッドカートリッジ9に対する電気接続
部を支持する支持板である。21はその電気接続部と本
体制御部とを接続するためのFPCである。このFPC
21については図13〜図15を参照して後述する。
【0015】図2において、80はヘッドカートリッジ
(記録手段)9のキャップ1411(図4、図7)を解
除させるための解除レバーである。この解除レバー80
は、ヘッドカートリッジ9をキャリッジ11に装着する
時などに、前記キャップ1411を吐出口から外れた位
置へ退避させるためのものである。23はキャリッジ1
1を矢印S方向に案内するためのガイド軸であり、25
はガイド軸23が挿通されるキャリッジ11の軸受であ
る。27はキャリッジ11を矢印S方向に往復移動させ
るための動力を伝達すべく該キャリッジ11に結合され
たタイミングベルト、29Aおよび29Bはタイミング
ベルト27を張架するために記録装置の両側部に配置さ
れたプーリ、31は一方のプーリ29Bにギヤ等の伝導
機構を介して連結されキャリッジ11を駆動するための
駆動源としてのキャリッジモータである。
【0016】33は記録媒体(以下記録紙ともいう)の
被記録面を規制するとともに記録等に際してこれを搬送
するための搬送ローラであり、搬送モータ35によって
駆動される。37は記録媒体をペーパーサポータ5側よ
り記録位置に導くためのペーパーパン、39は記録媒体
の送給経路途中に配設されて記録媒体を搬送ローラ33
に向けて押圧し搬送力を付与するためのフィードローラ
である。34はヘッドカートリッジ9の吐出口に対向し
記録媒体の被記録面を規制するためのプラテンである。
41は記録位置より搬送方向下流側に配置され記録媒体
を不図示の排紙口へ向けて排紙するための排紙ローラで
ある。42は排紙ローラ41に対応して設けられる拍車
であり、記録媒体を排紙ローラ41に押圧し該排紙ロー
ラ41による記録媒体の搬送力を生じさせるためのもの
である。43は記録媒体のセット等に際してフィードロ
ーラ39および拍車42を離隔させ押圧力を解除するた
めの解除レバーである。
【0017】前記プラテン34は、その両端を排紙ロー
ラ41の軸41Aで回動可能に支持されるとともに、左
右プレート75、75の停止位置からペーパーパン37
の前面部45へ向けて付勢されている。前記搬送ローラ
(プラテンローラ)33の複数箇所には、直径を小さく
した逃げ部分33Aが設けられている。一方、前記プラ
テン34の前記逃げ部分33Aに対応する位置には耳部
34Aが形成されている。そこで、記録用紙がない状態
では、プラテン34の耳部34Aは、ペーパーパンの前
面部45の内側に当接している。
【0018】図2において、51は、キャリッジ11の
ホームポジションにおいて、記録ヘッド(ヘッドカート
リッジ)9のインク吐出口が形成された吐出口形成面と
対向するキャップである。このキャップ51は、ゴム状
弾性材で形成されており、前記吐出口形成面に対し当接
/離脱可能に支持されている。なお、このキャップ51
は、非記録時等の記録ヘッド(吐出口形成面)の保護
や、記録ヘッドの吐出回復処理に際して用いられるもの
である。吐出回復処理とは、キャップ51を吐出口形成
面に対向させ、インク吐出口内方に設けられてインク吐
出のために利用されるエネルギ発生素子を駆動すること
により全吐出口からインクを吐出させ、これによって、
気泡や塵埃、増粘して記録に適さなくなったインク等の
吐出不良要因を除去する処理予備吐出や、これとは別に
吐出口形成面とキャップ51で覆った状態で吐出口より
インクを強制的に排出させることにより吐出不良要因を
除去する処理である。
【0019】53は吐出回復処理に使用されるポンプで
ある。このポンプ53は、インクの強制排出のために吸
引力を作用するとともに、かかる強制排出による吐出回
復処理や予備吐出による吐出回復処理に際してキャップ
51に受容されたインクを吸引するために用いられる。
55はこのポンプ53によって吸引された廃インクを貯
留するための第1の廃インクタンク、57はポンプ53
と廃インクタンク55とを連通するチューブである。ま
た、70は第2の廃インクタンクであり、チューブ71
を介して第1の廃インクタンク55と接続されている。
【0020】59は記録ヘッドの吐出口形成面のワイピ
ングを行なうためのブレードであり、記録ヘッド側に突
出してヘッド移動の過程でワイピングを行なうための位
置と、吐出口形成面に係合しない後退位置とに移動可能
に支持されている。61はモータ、63はモータ61か
ら動力を受けてポンプ53の駆動およびキャップ51や
ブレード59の移動を行なわせるためのカム装置であ
る。
【0021】次に、前記ヘッドカートリッジ9の詳細に
ついて説明する。図3はヘッドカートリッジ9の斜視図
である。図3において、ヘッドカートリッジ9は、記録
手段(記録ヘッド)の本体部分である吐出ユニット9a
とインクタンク9bとを一体化した構造を有している。
吐出ユニット(記録ヘッド)9aには、本発明によるキ
ャッピング機構1400、すなわち、吐出口が配列され
た吐出口形成面を密閉および開放する位置の間で移動可
能なキャッピング機構1400が設けられている。な
お、本実施例では、記録手段(記録ヘッド)として、い
わゆる記録ヘッド(上記吐出ユニット9a)とインクタ
ンク9bとを一体化したヘッドカートリッジ9が使用さ
れているので、説明を簡明にするため、ヘッドカートリ
ッジ9または吐出ユニット9aを単に記録手段9または
記録ヘッド9で示す場合がある。
【0022】図3において、906eはヘッドカートリ
ッジ9を装着する際にキャリッジ11に設けられたフッ
ク13に掛止される爪である。図示のように、前記爪9
06eは記録ヘッド9の表面から凹んだ部分の内部に設
けられている。また、ヘッドカートリッジ9の前側の吐
出ユニット9aの近傍には、不図示の位置決め用突き当
て部が設けられている。906fはキャリッジ11に立
設された支持板19が挿入される開口部である。前記支
持板19は、後述するフレキシブル基板(電気接続部)
およびゴムパッドを支持するためのものである。
【0023】図4の(A)および(B)は、図3に示し
たヘッドカートリッジの分解斜視図および外観斜視図で
ある。このヘッドカートリッジ9は、記録ヘッド(吐出
ユニット)9aとインク供給源たるインク収容部(イン
クタンク)9bを一体化したディスポーザブルタイプの
ものである。前記吐出ユニット9aの各構成部品を示す
図4の(A)において、911はヒータボードであり、
このヒータボード911は、Si基板上に、電気熱変換
素子(吐出ヒータ)とこれに電力を供給するアルミ等の
配線とを成膜技術により形成した構造をしている。92
1はヒータボード911に対する配線基板であり、対応
する配線は例えばワイヤボンディングにより接続され
る。940はインク流路を限界するための隔壁や共通液
室等を設けた天板であり、本実施例では、図4の(C)
に示す吐出口形成面221を一体に有する樹脂材料で形
成されている。
【0024】図4の(A)において、930は例えば金
属製の支持体、950は押さえばねであり、両者間にヒ
ータボード911および天板940を挟み込んだ状態で
両者を係合させることにより、押さえばね950の付勢
力によってヒータボード911と天板940とを圧着固
定する。なお、支持体930は、配線基板921が貼着
等により固定されるとともに、キャリッジ11に対する
ヘッドカートリッジ9の位置決め基準となるものであ
る。また、この支持体930は、記録手段9を駆動する
際に生じるヒータボード911の熱を放熱冷却するため
の部材としても機能する。
【0025】960はサブタンクであり、インク供給源
をなすインク貯留部9bからインク供給を受け、ヒータ
ボード911と天板940との接合により形成される共
通液室にインクを導くためのものである。970は共通
液室へのインク供給口付近のサブタンク960内の部位
に配置されるフィルタ、980はサブタンク960の蓋
部材である。
【0026】900はインクを含浸させるための吸収体
であり、インクタンク本体9b内に配置される。120
0は上記各構成部品911〜980からなる記録エレメ
ント(吐出ユニット)9aに対してインクを供給するた
めの供給口であり、該記録エレメント9aをインクタン
ク本体9bの部分1010に配置する前の工程で、供給
口1200よりインクを注入することにより吸収体90
0のインク含浸を行なわせることができる。1100は
カートリッジ本体の蓋部材、1300はカートリッジ内
部を大気に連通するための蓋部材に設けた大気連通口で
ある。
【0027】図4の(A)において、供給口1200を
介してのインクタンク9bへのインク充填が終了する
と、各構成部品911〜980よりなる吐出ユニット9
aを部分1010に位置付けて配設する。このときの位
置決めないし固定は、例えばインクタンク本体9bに設
けた突起1012と、これに対応して支持体930に設
けた孔931とを嵌合させることにより行なうことがで
き、これによって図4(B)に示すヘッドカートリッジ
9が完成する。
【0028】インクタンク9b内のインクは、供給口1
200、支持体930に設けた孔932、サブタンク9
60の図4(A)中の裏面側に設けた導入口を介して、
該サブタンク960内に供給される。このサブタンク9
60内のインクは、導出口より適宜の供給管および天板
940のインク導入口942を介して、共通液室内へと
流入する。以上におけるインク連通用の接続部には、例
えばシリコンゴムやブチルゴム等パッキンが配置され、
これによって封止が行なわれてインク供給路が確保され
る。
【0029】前記記録ヘッド(記録手段)としての吐出
口ユニット9aは、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギー
を発生するための電気熱変換体を備えたものである。ま
た、前記記録ヘッド9aは、前記電気熱変換体によって
印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡
の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出
口よりインクを吐出させ、記録を行なうものである。
【0030】図4の(C)は、前記記録ヘッド(吐出口
ユニット)9aのインク吐出部の構造を模式的に示す部
分斜視図である。図4の(C)において、被記録材と所
定の隙間(例えば、約0.5〜2.0ミリ程度)をおい
て対面する吐出口形成面221には、所定のピッチで複
数の吐出口222が形成され、共通液室223と各吐出
口222とを連通する各液路224の壁面に沿ってイン
ク吐出用のエネルギーを発生するための電気熱変換体
(発熱抵抗体など)225が配設されている。本例にお
いては、記録ヘッド9aは、前記吐出口222が前記キ
ャリッジ11の移動方向(主走査方向)と交叉する方向
に並ぶような位置関係で、該キャリッジ11に搭載され
ている。こうして、画像信号または吐出信号に基づいて
対応する電気熱変換体225を駆動(通電)して、液路
224内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力
によって吐出口222からインクを吐出させる記録ヘッ
ド9aが構成されている。
【0031】図4の(A)および(B)において、記録
ヘッド9aには、吐出口形成面221の吐出口222を
密閉するためのキャッピング機構1400(一実施例)
が設けられている。図7は図4中のキャッピング機構1
400の構成を示す拡大斜視図である。図4および図7
において、1411は例えばシリコンゴムやブチルゴム
等のゴム状弾性材で形成されたキャップであり、該キャ
ップ1411はキャップガイド1410に接着等で固着
されている。キャップガイド1410の両側にはガイド
棒1412が設けられており、該キャップガイド141
0は吐出ユニット(記録ヘッド)9aの両側に形成され
た溝1413に沿って移動可能に装着されている。ま
た、キャップガイド1410にはフック1421が設け
られ、インクタンク9bの前面にはフック1422が設
けられており、これらのフック1421、1422の間
には戻しバネ1420が装着されている。前記キャップ
ガイド1410は前記戻しバネ1420によって下方
(キャッピング位置)へ付勢されており、該キャップガ
イド1410を上方の解除(開放)位置へ移動させた時
に戻り力が作用するように構成されている。
【0032】また、シリコンゴムやブチルゴム等のゴム
状弾性材から成る前記キャップ1411は、その弾性力
によって記録ヘッド9aの吐出口形成面221に密着可
能に装着されており、キャッピング位置では、該吐出口
形成面221に密着し、吐出口222への塵埃や気泡の
混入並びに吐出口222内のインク溶剤の蒸発によるイ
ンク増粘などを防止し得るように保持されている。
【0033】図6は図2のインクジェット記録装置の記
録ヘッド9aのキャッピング機構1400を示す縦断面
図である。図2および図6において、ヘッドカートリッ
ジ9をキャリッジ11に装着する時などに、キャリッジ
11の解放レバー80によって、記録ヘッド(ヘッドカ
ートリッジ)9のキャップガイド1410を戻しバネ1
420に抗して押し上げると、キャップ1411が記録
ヘッド9aの吐出口形成面221から離れ、吐出口22
2が開放されて記録可能な状態になる。
【0034】また、図2に示すように、吐出回復機構に
は、記録後や吸引回復動作後にインクで濡れている吐出
口形成面221から該インクを拭き取り清掃するための
ブレード59が配設されている。一方、ゴム状弾性材で
形成された前記キャップ1411も、前述のようにその
弾性によって吐出口形成面221に密着しているので、
ヘッドカートリッジ9を着脱する際の該キャップ141
1の動きによって吐出口形成面221をワイピング(拭
き取り清掃)することができる。すなわち、前記キャッ
プ1411の全体または一部(吐出口形成面221に摺
接する部分)は、吐出口形成面221の吐出口222の
周辺を清掃するためのクリーニング部材で形成されてい
る。したがって、上記実施例によれば、吐出回復機構の
前記ブレード59を省略することもできる。また、キャ
リッジ11の前記解放レバー80をモータやソレノイド
等の駆動手段(不図示)を用いて上下させることによ
り、ヘッドカートリッジ9のキャップ1411を吐出口
形成面221に密着させたり、該吐出口形成面221を
開放したりすることができる。すなわち、上記実施例に
よれば、記録ヘッド9aのキャップ1411を使用する
ことにより、記録後等でインク濡れが生じている吐出口
形成面221を、任意にクリーニング(清掃)すること
ができる。
【0035】上記実施例では、吐出回復機構を装着した
インクジェット記録装置の場合を説明した。ところで、
インク溶剤の蒸発が少なく増粘等が生じないインクを使
用するインクジェット記録装置では、吐出回復機構を必
ずしも必要としない場合がある。前述のキャッピング機
構1400を設けることにより、吐出回復機構を有しな
いインクジェット記録装置においても、キャッピングお
よびワイピング動作を行なうことが可能になる。
【0036】図8は、キャリッジ11の解放レバー80
を上下させるための機構として、解放レバーカム81か
ら成る機械的駆動手段を備えたインクジェット記録装置
の実施例を示す斜視図である。図8において、キャリッ
ジ11の移動経路に沿って解放レバーカム81が配設さ
れている。記録中の時には、解放レバー80は解放レバ
ーカム81により図示の位置に保持され、キャップガイ
ド1410(図6、図7)が上側へ押し上げられ、キャ
ップ1411(図7)は吐出口形成面221から離れて
いる。また、キャリッジ11がキャッピング位置にある
時、すなわち、吐出口形成面221をキャップ51で密
閉し得る位置にある時にも、上記記録中の時と同様、キ
ャップガイド1410が上側へ押し上げられ、キャップ
1411は吐出口形成面221から離れている。
【0037】図8において、前記解放レバーカム81は
左端部では低くなっており、したがって、キャリッジ1
1がさらに左へ移動すると解放レバー80が下がり、図
6および図7に示すように、キャップガイド1410は
戻しバネ1420によって下方へ移動し、ゴム状弾性材
のキャップ1411が吐出口形成面221に密着し、キ
ャッピング状態になる。この場合、キャッピング動作と
ともに、キャップ1411の動きにより吐出口形成面2
21のワイピング動作(拭き取り清掃)も行なわれる。
また、キャップガイド1410が下がってキャップ14
11が吐出口形成面221に密着(キャッピング)して
いる状態の時、ヘッドカートリッジ9を交換することが
できる。なお、図8の実施例では、図2中に示したワイ
ピング用のブレード59は省かれている。この図8のイ
ンクジェット記録装置は以上説明した点で図2の構成と
相違しているが、その他の部分では実質上同じ構成をし
ており、それぞれ対応する部分を同一符号で示し、それ
らの詳細説明は省略する。
【0038】図9は、記録ヘッド9aに設けられる前記
キャッピング機構1400の他の構成例(他の実施例)
を示す斜視図である。図4、図6および図7に示すキャ
ッピング機構1400では、キャップガイド1410が
吐出口形成面221と略平行(図示の例では略鉛直方
向)に上下動する構成としたが、図9のキャッピング機
構1400では、キャップガイド1430が吐出口形成
面221に対して角度θを成す方向(矢印方向)に移動
するように構成されている。キャップガイド1430に
固着されるキャップ1431は、キャッピング位置にお
ける吐出口形成面221との密着性(吐出口密封性)等
を考慮して、キャップガイド1430の移動方向に平行
な部分1431aと吐出口形成面221と平行な部分1
431bから成る折り曲げ形状で形成されている。
【0039】図9のキャップ1431も、前述のキャッ
プ1411の場合と同様、その全体または一部(吐出口
形成面221に摺接する部分)が、ゴム状弾性材等、吐
出口形成面221の吐出口222の周辺を清掃するため
のクリーニング部材で形成されている。したがって、こ
の場合も、吐出回復機構の前記ブレード59は省略する
こともできる。なお、図9において、1433はキャッ
プガイド1430の両側に形成されたガイド棒、143
2はキャップガイド1430をキャッピング位置(下方
位置)へ付勢するための戻しバネ、1434は前記戻し
バネ1432の一端を係止するためのフックである。図
9に示す構成のキャッピング機構1400によれば、記
録ヘッド9aの吐出口付近にローラ等の構成部品が隣接
配置されている場合でも、移動するキャップガイド14
30と前記構成部品との干渉を容易に避けることがで
き、レイアウト上で有利な記録装置を構成することがで
きる。
【0040】図10は、記録ヘッド9aに設けられる前
記キャッピング機構1400のさらに他の構成例(さら
に他の実施例)を示す斜視図である。以上説明したキャ
ッピング機構ではキャップガイド(キャップ)を上下方
向に移動させる構成としたが、図19のキャッピング機
構1400ではキャップガイド1440を左右方向(矢
印方向)に移動させるように構成されている。図10に
おいて、記録ヘッド9をキャリッジ11に装着する前
は、該記録ヘッド9の吐出口形成面221の吐出口22
2はキャップガイド1440の壁部分(開口していない
部分)1444aに密着している。また、キャップガイ
ド1440の上下には、吐出ユニット(記録ヘッド)9
aに形成された溝(不図示)と係合するガイド部144
5が設けられており、キャップガイド1440は該溝に
沿って移動可能に装着されている。
【0041】記録ヘッド9をキャリッジ11に装着した
場合には、該キャリッジ11に設けたカム(不図示)が
キャップガイド1440に設けた斜面1442に接触す
ることにより、キャップガイド1440が図10中の左
へ移動する。このため、記録ヘッド9の吐出口222は
キャップガイド1440に形成された開口部1444b
の位置となって開放され、記録可能な状態になる。前記
キャップガイド1440の壁部分1444aの裏面は、
吐出口形成面221の吐出口222の周辺に密着するキ
ャップを構成しており、このキャップ部分1444a
も、前述のキャップ1411および1431の場合と同
様、その全体または一部(吐出口形成面221に摺接す
る部分)をゴム状弾性材等の拭き取り清掃可能なクリー
ニング部材で形成することができる。したがって、この
場合も、吐出回復機構の前記ブレード59は省略するこ
ともできる。
【0042】図10において、キャップガイド1440
に設けられたフック1443とインクタンク9bの前面
に設けられたフック(不図示)との間にはねじりコイル
バネ1441が係止されており、キャップガイド144
0は該ねじりコイルバネ1441によって図10中の右
方向へ(吐出口222を閉じる方向へ)付勢されてい
る。したがって、記録ヘッド9をキャリッジ11から取
り外したり、モータやソレノイド等の駆動手段で強制的
に駆動しない限り、記録ヘッド9の吐出口222はキャ
ップガイド1440の壁部分1444aによって密閉さ
れている。なお、以上の実施例では、記録媒体に沿って
移動するキャリッジ11に搭載した記録ヘッド9を用い
るインクジェット記録装置、すなわち、シリアルタイプ
のインクジェット記録装置の場合を例に挙げて説明した
が、以上説明した構成の各キャッピング機構1400
は、記録媒体の幅方向の所定長さをカバーするラインタ
イプの記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置にお
いても、同様に適用することができるものである。
【0043】図5は図2のインクジェット記録装置の縦
断面図であり、プラテン34およびペーパーパン前面部
45の構成および作用をさらに詳しく説明する。図5に
おいて、ヘッドカートリッジ9の吐出口222とプラテ
ン34の前面との隙間(ヘッドギャップ)Sは記録に最
適な値に調整されている。矢印A方向から挿入された記
録用紙は、フィードローラ39により搬送ローラ33に
向けて付勢され、その摩擦力によって送られる。記録用
紙の先端は、プラテン34のすくい部34Aとペーパー
パン前面部45との間に、ばね82(両側に設けてあ
る)の力に抗してプラテン34を軸41Aを中心として
矢印B方向に変位させつつ入り込む。なお、ペーパーパ
ン前面部45は吐出口形成面221との間隙が適切に調
整され、固定されている。
【0044】したがって、プラテン34上の記録用紙と
記録ヘッド9aの吐出口形成面221との間隔は、該記
録用紙の厚さに応じた分プラテン34が矢印B方向に逃
げることにより、記録用紙の厚さに関係なく常にに一定
の最適値に保たれる。そして、プラテン34が矢印B方
向に逃げた場合でも、該プラテン34の前面の延長線上
に排紙ローラ41と拍車42の接点が位置している。し
たがって、記録用紙の先端は排紙ローラ41と拍車42
との間に容易に進入できる。また、プラテン34が傾く
ことによる記録部hの上下でのヘッドキャップの差異
は、該プラテン34の回動中心と記録位置の中心との距
離Hが大きいために、無視できる程度に小さいものであ
る。
【0045】なお、プラテン34の回動中心は、必ずし
も排紙ローラ41の軸41Aと同心にする必要はない。
また、前記前面部45は、必ずしもペーパーパン37と
一体に形成する必要はなく、接着やビス止めによって固
定してもよく、さらに、記録装置の他の部分に固定した
ものでもよい。
【0046】図6において、拍車カバー4は、拍車42
を保持する部分を形成するために、ヘッドカートリッジ
9の上部にオーバーハングしている。このため、保護カ
バー3が透明または半透明であれば、ヘッドカートリッ
ジ9の動作は図示のようなカバー状態のままでも目視で
きるが、吐出回復機構のキャップ51(図2、図8)と
対向する位置(キャッピング位置)における吐出ユニッ
ト9aの吐出口形成面(吐出口部)221は目視で確認
することは困難である。したがって、キャッピング位置
における吐出口形成面221を目視で確認できるように
するための手段が要請される。
【0047】図11は従来の電子機器(ワードプロセッ
サ等)の平面図であり、図11を参照して、従来のイン
クジェット記録装置ではキャッピング位置における吐出
口形成面221を目視で確認できない理由を説明する。
図11において、キャッピング状態におけるヘッドカー
トリッジ9の待機位置は、記録媒体の通紙位置から外れ
た破線9で示すような位置に設定される。また、視認用
開口3Aの保護カバー3以外の外装部材85は、一般
に、不透明のモールド部材で構成されている。そのた
め、破線で示すキャッピング状態においては、ヘッドカ
ートリッジ9の位置、吐出ユニット9a、吐出口形成面
221などを目視確認することはできない。また、視認
用開口3Aを記録装置の幅方向に単に広げるだけでも、
吐出口形成面221等を目視確認することはできない。
【0048】図12は、本発明を適用したインクジェッ
ト記録装置の一実施例を備えた図1の電子機器の平面図
である。本実施例においては、図12に示すように、視
認用開口3Aは、キャッピング状態のヘッドカートリッ
ジ9の上部まで記録装置の幅方向に広げられ、さらに、
吐出口ユニット(記録ヘッド)9aの吐出口形成面22
1の上部の領域まで形成されている。すなわち、図示の
ように、全体としてL字状の形状で形成されている。そ
して、この視認用開口3Aは、これと同じ形状の透明ま
たは半透明の開閉可能な保護カバー3で蓋をされてい
る。したがって、本実施例によれば、キャッピング状態
において、ヘッドカートリッジ9のみならず、記録ヘッ
ド(吐出口ユニット)9aおよびその吐出口形成面22
1までも容易に目視で確認することが可能になった。
【0049】本実施例では、前述のように、視認用開口
3Aにはカバー部材(保護カバー)3が設けられている
ので、非記録状態でもヘッドカートリッジ9等の装置内
部の各構成部品を保護することができる。また、このカ
バー部材3は種々の材料で構成してもよいが、これを前
述のように透明または半透明の部材で形成すれば、該カ
バー部材3で蓋をしたままの状態でもキャッピング時の
吐出口形成面221等を目視で確認することができる。
なお、カバー部材3を開閉もしくは簡易に着脱可能な構
成とし、必要に応じて直ちに開口3Aを開放可能にして
おけば、該カバー部材は不透明であってもよい。
【0050】次に、図2に示した本実施例によるインク
ジェット記録装置の前記FPC21に関連した構成を、
図13および図14を参照して説明する。図13および
図14は記録装置のFPC21の部分を示す部分正面図
であり、図13はキャリッジ11がホームポジションに
ある時の状態、図14はキャリッジ11が移動している
時の状態を示す。図13および図14において、記録装
置のフレーム91から立設した左右フレーム75(図
2)には、左右に延びる搬送ローラ33が回転可能に軸
支され、該ローラ33の手前にはキャリッジ案内用のガ
イド軸23が固定されている。キャリッジ11はガイド
軸23に沿って左右に移動可能に案内支持されている。
このキャリッジ11上にはヘッドカートリッジ9が搭載
されている。
【0051】図13および図14において、キャリッジ
11には、その上に設けたコネクタ部等を介して不図示
の制御回路とヘッドカートリッジ9とを電気的に接続す
るFPC21が固定されている。また、このFPC21
の他端はフレーム91に固定されている。さらに、フレ
ーム91上のFPC21が最小半径を形成する部分の近
傍には、該FPC21の滑りを防止するための摩擦シー
ト97が設けられている。この摩擦シート97は、その
片面に塗布された接着剤により、フレーム91に接合さ
れている。
【0052】以上図13および図14に示した構成にお
いては、キャリッジ11は、モータ31(図2)を作動
させることにより、図13のホームポジションから、ガ
イド軸23に沿って矢印SRの方向に移動する。この移
動の間に、制御部からFPC21を介してキャリッジ1
1上に搭載されたヘッドカートリッジ5の吐出ユニット
9aに記録信号が送られ、吐出ユニット9aが記録信号
に応じて記録用紙にインクを吐出することにより記録が
行なわれていく。一行分の記録が終了した後キャリッジ
11は停止し、搬送ローラ33をモータ35(図2)等
の駆動手段で回転駆動することにより、記録用紙の副走
査(紙送り)が行なわれる。
【0053】その後、キャリッジ11は図中矢印SL方
向に移動し、次行の記録が行なわれていく。図14はキ
ャリッジ11の移動状態を示すが、本実施例ではフレー
ム91上に摩擦シート97が設けられているので、FP
C21と摩擦シート97との間で摩擦力により、該FP
C21はフレーム91との間に滑りを生じることなく円
弧部21Aを形成したまま移動していく。このため、F
PC21がキャリッジ11の下部に巻き込まれることは
無い。
【0054】図15は、前記摩擦シート97を有しない
従来の記録装置における前記FPC21の状態を示す部
分正面図である。図15において、前記摩擦シート97
を設けない場合には、キャリッジ11の移動に伴って、
キャリッジ11の下側領域でFPC21とフレーム1と
の間に滑りが生じるので、FPC21に弛み21Bが生
じる。この弛み21Bが生じた状態でキャリッジ11が
さらに矢印SR方向に移動すると、FPC21がキャリ
ッジ11に巻き込まれるおそれが生じることになる。
【0055】図13および図14の本実施例によれば、
記録装置のフレーム91上に高摩擦係数の部材(摩擦シ
ート97)を設けるという簡易な構成をとることによ
り、FPC21の走行を安定させることができ、したが
って、FPC21の走行部の高さを低くすることが可能
になり、記録装置の小型軽量化を図ることが可能にな
る。なお、前記摩擦シート97の一例としては、例えば
シリコンから成るシート材を使用することができる。ま
た、本実施例では、ヘッドカートリッジ9と制御回路と
の間の接続をFPC21で行なうものとしたが、この電
気的接続手段は、FPCに限定されるものではなく、フ
ラットケーブルや束線などの他の構成の電気的接続手段
を使用してもよい。
【0056】図16は、図2のインクジェット記録装置
におけるキャップ51、ポンプ53、ブレード59、モ
ータ61およびカム装置63等から成る吐出回復機構
(回復装置)の構成を示す分解斜視図である。図16に
おいて、501はキャップ51内部に配置されるインク
吸収体、503はキャップ51を保持する保持部材、5
05はピン507を中心に回動可能に取付けられたキャ
ップレバーである。キャップレバー505は、前記ピン
507に加えられる力によって前記キャップ51を吐出
ユニット9aの吐出口形成面221に当接/離脱させる
機能を有する。511はキャップレバー505の端部5
09に係合してキャップレバー505の回動範囲を規制
するためのピンである。
【0057】図16において、513はキャッレバー5
05のピン507が嵌入される穴部を有する治具であ
り、キャップレバー505をポンプ53に設けた支持部
515に取付けるのに用いられる。516はその取付け
状態を確保するための留め部材である。517はキャッ
プ51に吐出口形成面と当接する力を付与するための作
用部であり、キャップ51の後側部のほぼ中央に係合す
る。この作用部517は吸引したインクを導入するため
の導入口517A(図18の(C))を有する。また、
キャップレバー505の内部、ピン507の内部、治具
513の内部および支持部515の内部には、吸引した
インクを導びくためのインク流路が形成されている。
そして、ポンプ53が吸引力を作用すると、吐出口22
2から吸い出されたインクは、前記導入口517Aから
前記各インク流路を通して図中矢印で示すようにポンプ
53内に導入される。
【0058】519はポンプ53の端面中央に突設され
内部にインク流路を有する軸であり、側壁部520に回
動可能に取付けられる。ポンプ53自体が回転すると、
その回転変位は支持部515を介してキャップレバー5
05の直線変位として伝達され、該キャップレバー50
5の変位によってキャップ51が吐出口形成面221に
対して進退する。521はポンプ軸519に結合される
流路形成部材、523は第1の廃インクタンク55(図
2)へ通じるチューブ57を取り付けるための取り付け
部材である。すなわち、前記ポンプ軸519、前記流路
形成部材521および前記取り付け部材523のそれぞ
れの内部にはインク流路が形成され、ポンプ53に吸引
されたインクは、これらのインク流路を通して図中矢印
で示すように導かれ、さらに前記チューブ57を通して
前記廃インクタンク55(図2)へ導入される。
【0059】図16において、525はポンプ53のピ
ストン、527は該ピストンの軸であるピストン軸、5
29はパッキン、531はポンプ53のキャップであ
る。533はピストン軸527に取付けられるピンであ
り、該ピン533はピストン525を作動させるための
駆動力を受ける機能を有する。535はブレード59が
取付けられるブレードレバーであり、ポンプ53の軸5
19のまわりに回動可能に支持されている。このブレー
ドレバー535を回動させることにより、ブレード59
を記録ヘッド9a側に突出または後退させることができ
る。537はブレードレバー535に対しブレード59
を突出させる方向への回動力を付与するばねである。ま
た、539はポンプ53自体に対しキャップ53が記録
ヘッド9a側に向かう方向への回動習性を与えるバネで
ある。
【0060】541はモータ61の回転をカム装置63
に伝達するギア列である。カム装置63は、ポンプ53
に設けた係合部545に係合してこれを回動させるため
のカム547と、ポンプ53のピストン軸527に設け
たピン533に係合してポンプを作動させるためのカム
549と、ブレードレバー535に設けた係合部551
に係合してこれを回動させるためのカム553と、カム
装置63のホームポジションを検出するためのスイッチ
555に係合するカム557とを有している。これらカ
ムの動作については後述する。
【0061】図17は前記キャップ51および前記保持
部材(ホルダ)503を示す斜視図である。図17にお
いて、本実施例におけるキャップ51は、記録ヘッド9
aの吐出口形成面221、すなわち、図4の(A)およ
び(B)における天板940の吐出口プレート部との密
着性をよくするためゴム状弾性体で形成されており、キ
ャッピングに際しては約60g〜80gの押圧力をもっ
て吐出口形成面221に圧接される。そして、吐出口形
成面221に当接する先端部、すなわち、リブ部51a
は、該吐出口形成面221との密封性を確保するため、
先は細く根元で太くなる台形断面を有している。
【0062】図18はキャップ51の詳細を示す図であ
り、図18において、(A)は正面図、(B)は平面
図、(C)は(A)中の線M−Mに沿った断面図であ
る。図18において、キャップ51の内部(内壁部56
5)の鉛直方向下部にインク吸引口561が開口してお
り、該インク吸引口561は、インク流路563を通し
て、キャップレバー505の作用部517に設けたイン
ク導入口517Aに連通している。また、キャップ51
内のインク吸収体501は、インク吸引口561を完全
に覆わないように配置されている。キャリッジ11上に
セットされたヘッドカートリッジ9は、その吐出口22
2が回復系のキャップ51のほぼ中心にくるようにキャ
リッジモータ31により駆動され、キャッピングや予備
吐出や吸引動作などの一連の吐出回復処理が行なわれ
る。
【0063】図18において、記録ヘッド9の吐出口形
成面221との間の密封性を確保するためには、キャッ
プ51の先端リブ部51aは小さく硬度も低いものがよ
いが、吸引時に発生する負圧に耐えて気密性を保持する
にはリブ51aにはある程度の強度が必要である。これ
を考慮し、本実施例では、リブ51aの形状を次のよう
に選択した。すなわち、図18の(C)において、リブ
部51aの形状については、W1 =0.3ミリ,W2
0.5ミリ,H=0.4ミリとし、リブ部51aを形成
するゴム状弾性材のゴム硬度を約60度程度とするのが
適切であった。同時に、リブ部51aの外側の周囲部5
1bの形状寸法をリブ51a形状に対して十分大きくす
ることにより、例えば、周囲部51bのリブ51aの外
側の幅を2〜3ミリ以上にし、該周囲部51bの厚みを
2〜3ミリ以上とするのが適切であった。なお、キャッ
プ51に用いられるゴム状弾性材としては、ブチルゴ
ム、塩素化ブチルゴム、シリコンゴムなどを用いること
ができる。
【0064】次に、図2の本実施例に係わるインクジェ
ット記録装置の回復系について説明する。図19はカム
装置63(図2および図16)の各カムの輪郭曲線を示
す説明図であり、図20はカム装置63のポンプ53を
除く各カムの主要なカム位置での動作状態を示す説明図
であり、図21はポンプ53の主要動作位置での状態を
示す断面図である。なお、図20中の動作位置a、b、
c、d、f、hはそれぞれ図19中のポンプを除く各カ
ムの動作位置a、b、c、d、f、hに対応している。
また、図19中の数値はカムの回転角度を示す。
【0065】上記図19〜図21を用いて、本実施例に
係わるインクジェット記録装置の回復系ユニットの機能
について説明する。図19および図20において、aの
状態はポンプカム549のホームポジション位置であ
り、記録動作中の回復装置の待機状態である。この時ホ
ームポジションスイッチ555はオンであり、キャップ
51は記録ヘッドの吐出口形成面より離隔した状態(以
下オープン状態と呼ぶ)にあり、ブレード59はオフ状
態すなわち記録ヘッドの吐出口形成面より離隔した状態
にある。また、ポンプ53は上死点(図21参照)にあ
る。
【0066】図19〜図21において、次のbの状態は
キャッピング状態であり、これは、記録動作を行なわ
ず、吐出口形成面をキャップ51で覆い保護している状
態である。この時、ホームポジションスイッチ555は
オフとなり、キャップ51は吐出口形成面に当接してク
ローズ状態となり、ポンプ53は上死点にあり、さらに
ブレード59はオフ(離隔)位置にある。
【0067】cの状態はポンピングが終了した状態であ
る。この時には、ホームポジションスイッチ555はオ
ンであり、キャップ51はクローズ状態(キャッピング
状態)であり、ポンプ53は弁が開ききった状態にある
が未だ下死点には至らない状態である。またブレード5
9はオフ位置にある。
【0068】図19〜図21において、dの状態は、ポ
ンピングが終了した後キャップ51をオープンさせ、同
時にキャップ51およびキャップレバー505内に充満
しているインクをポンプ53内に取り込むための小空吸
引を実行し終えた状態である。この時、ホームポジショ
ンスイッチ555はオン、キャップ51は半分程度オー
プン、ポンプ53は下死点、ブレード59はオフの状態
にある。
【0069】次にgの状態を先に説明する。このgの状
態は、ポンピングによってポンプ53内に充満したイン
クを廃インクタンク55(図2)側へ排出するための空
吸引を始める準備位置である。この時、ホームポジショ
ンスイッチ555はオン、キャップ51はオープン、ポ
ンプ53は上死点より若干下った位置にある。また、ブ
レード59はオフ状態にある。
【0070】図19〜図21において、eの状態および
fの状態は、それぞれ、大空吸引および中空吸引を行な
った時の停止位置である。どちらの位置でも、ホームポ
ジションスイッチ555はオン、キャップ51はオープ
ン、ブレード59はオフの状態であるが、ポンプ53は
eの状態では下死点にあるのに対しfの状態では完全に
下りきっていない。
【0071】hの状態はワイピングを行なう時の状態で
ある。この時、ホームポジションスイッチ555はオ
ン、キャップ51はオープン、ポンプは上死点にある。
そしてブレード59がオン状態にあり、この状態でヘッ
ドカートリッジ9を搭載したキャリッジ11が移動する
ことにより、記録ヘッド9aの吐出口形成面のワイピン
グ(拭き取り清掃)を実行することができる。
【0072】図21の(A)は、ポンプ53内でピスト
ン525が下死点にある状態を示している。(A)の状
態では、ポンプ53内のピストン525の左側の空間に
よって作られる負圧によって、ポンピングが機能する。
531はその負圧をキャップ51へ伝達するための弁口
である。この(A)の状態は、ピストン525が前記弁
口531を乗り越えてさらに右側へ進んだ状態である。
この状態では、ピストン525は左側からピストン軸5
27のフランジ部527aによって押され密着している
ので、発生した負圧は他に漏れることなくキャップ51
側へ伝えられる。また、ピストン525の右側部分に溜
まっていたインクは廃インクタンク55(図2)へ押し
出される。
【0073】図21の(B)は、ポンプ53内でピスト
ン525が上死点にある状態を示す。ここで注意すべき
は、ピストン525は弁口531の右側に達しており、
弁口531は閉じていないことである。すなわち、この
状態においてキャップ51の内部は大気連通状態になっ
ている。次に、図21の(C)は、図19中のcの状態
の時のポンプ53の状態を示す。この(C)の状態で
は、ピストン525は弁口531を乗り越え若干右へ進
んでいる。
【0074】図21の(D)は、図19中のgの状態の
時のポンプ53の状態を示す。この(D)の状態と前記
(A)の状態との間を往復動することにより大空吸引が
実行され、この(D)の状態と後述する(E)の状態と
の間を往復動することにより中空吸引が実行される。こ
こで注意すべきは、弁口531がピストン525によっ
て閉じられていることである。本実施例のポンプ53に
は、通常のポンプの弁に相当するものが設けられておら
ず、ポンプ53内に正圧が発生した時にはキャップ51
側へインクが逆流する場合がある。そのため、本実施例
のポンプ53においては、必要なとき以外に弁口531
を閉じておくことにより、インクの逆流を防止するよう
に構成されている。
【0075】図21の(E)は、中空吸引を実行し終え
た時のポンプ53の状態を示す。ここで注意すべきは、
ピストン525が弁口531を乗り越えた直後で止まっ
ていることである。その理由は、もしピストン525を
(A)の下死点の位置まで移動させると、(B)の上死
点または(D)の空吸引準備位置に戻る際に弁口531
が開いている時間が長くなってしまい、その間に、流路
の抵抗などによって左側の空間に正圧が生じ、インクの
逆流が生じるおそれがあるからである。もっとも、ピス
トン軸フランジ部527aおよびピストン525の摺動
部分に若干の隙間ができ、ピストン525の右側の空間
と連通させることにより左側の空間に正圧が生じないよ
うに構成されてはいるが、これだけでは、流路の抵抗な
どによって左側の空間に正圧が発生することを防止でき
ない場合がある。本実施例においては、前述のように、
(E)の位置から(A)の位置まで戻る動作と、(E)
の位置から(D)の位置まで戻る動作の2種類の動作を
採り入れるので、上記インクの逆流を確実に防止するこ
とが可能になる。
【0076】図22は本発明を適用したインクジェット
記録装置の制御系の構成例を示すブロック図である。図
22において、キャリッジ11のキャッピング位置や移
動位置は、回復系ホームセンサ65やキャリッジホーム
センサ67の検出に基いて知ることができる。図22に
おいて、1000は図23〜図25に示す制御手順等を
実行して各部を制御するためのMPU、1001は制御
手順に対応したプログラム等を格納したROM、100
2は制御手順実行時におけるワークエリアとして用いら
れるRAM、1003は時間を計測するためのタイマ、
1004はインターフェー部である。なお、図22の制
御系に対しては、キーボード部1から指令データや記録
データなどを入力することができる。
【0077】図23は本発明を適用したインクジェット
記録装置における回復系ユニットによる吐出回復処理の
動作手順の一例を示すフローチャートである。なお、図
23中のa〜hの各符号は図19中のa〜hの各タイミ
ングと対応している。また、図23中の数値は図19中
のカムの回転角度を示す数値と対応している。図23に
おいて、吐出回復処理の動作は、図19中のbのキャッ
ピング状態から始まる(ステップS1)。次に図19中
のc状態に動いてポンプ53によるポンピングを実行し
(ステップS3)、その状態でインク吸引が充分に行な
われるよう例えば3秒間の停止する(ステップS5)。
図19中のdにおけるキャップオープンと同時に小空吸
引を行なう(ステップS7)。キャップ51内およびキ
ャップレバー505内のインクの取り込みを行なうため
に、その状態で例えば1秒間停止する(ステップS
9)。
【0078】次に、ポンプ53内に充満したインクを排
出するための空吸引を以下のような手順で行なう。ま
ず、図19中のgの空吸引準備位置に移り(ステップS
11)、そこから中空吸引後停止位置fの間を例えば3
回往復移動させることにより、中空吸引を行なう(ステ
ップS13〜S19)。次いで、gの空吸引準備位置か
らeの大空吸引後停止位置まで移動させることにより大
空吸引を行なう(ステップS21)。この大空吸引によ
って、ポンプ53内のインクは充分に廃インクタンク5
5側へ押し出される。これに続いて、gの空吸引準備位
置へ移動し(ステップS23)て予備吐出を行ない(ス
テップS25)、次いで、hのワイピング位置に設定し
てブレード59を突出させ(ステップS27)、該ブレ
ード59による吐出口形成面のワイピング動作を行なう
(ステップS29)。以上の各動作を行なった後、当初
のbのキャッピング状態に戻り(ステップS31)、一
連の吐出回復処理動作が終了する。
【0079】なお、吸引による回復処理、空吸引および
予備吐出等を含む上記吐出回復処理(クリーニング)の
動作は、記録装置の主制御ルーチンにより所定のタイミ
ングで実行することもでき、あるいは操作者の指示に応
じて適宜起動させることもできる。
【0080】図24は記録中に適宜実行される予備吐出
によって蓄積されるインクを廃インクタンクへ取り込む
ための空吸引の動作例を示すフローチャートである。図
24において、本動作手順は、記録中にこれを中断して
行なわれる処理であるので、図19中のaの待機状態か
らスタートする(ステップS41)。この状態からカム
装置63を逆転させてgの空吸引準備位置へ移動させ
(ステップS43)、このgの位置からfの中空吸引後
停止位置へ移動させることにより中空吸引を実行する
(ステップS45)。次いで、ステップS47において
再びgの空吸引準備位置へ移動して位置設定した後、こ
のgの位置からeの大空吸引後停止位置まで移動させる
ことにより大空吸引を実行する(ステップS49)。次
いで、aの待機状態に戻してキャップ51をオープンし
(ステップS51)、空吸引動作を終了する。以上の空
吸引動作を終了した後、記録を実行する。
【0081】図25の(A)および(B)は本発明を適
用したインクジェット記録装置における記録印刷処理手
順の一例を示すフローチャートである。図25の(A)
において、電源がオンとされると、ステップS61にて
回復系ユニットを回復系ホームポジションに設定し、キ
ャップをオープンとした後、ステップS63にてキャリ
ッジ11をホーム位置に設定する。次に、ステップS6
5にて、所定の予備吐出回数(本例では15回または7
回)に達した時に空吸引を起動するために用いるカウン
タN1 をリセットし、ステップS67にてキャップをク
ローズとした後に記録(印刷)のデータ信号を待機する
(ステップS69)。
【0082】記録信号が入力されると、ステップS71
にて給紙を開始し、ステップS73にてキャップをオー
プンとした後に、ステップS75にてキャリッジ11を
ホームポジションに設定して予備吐出を行なうとともに
カウンタN1 を+1だけ歩進する。次に、ステップS7
7にて記録動作中の所定時間毎(例えば30秒毎)に予
備吐出を起動するためのタイマT1 をリセットするとと
もにこれをスタートさせ、ステップS79にて1行分の
記録を実行する。この後、ステップS81にてタイマT
1 の値が30秒を越えたか否かを判定し、肯定判定であ
ればステップS75およびS77と同様なステップS8
3およびS85を経た後にステップS87へ進み、一
方、否定判定であれば直ちにステップS87へ進む。
【0083】ステップS87ではカウンタN1 の値が、
“15”に達したか否かを判定し、肯定判定であればス
テップS89にて1頁の記録途中での空吸引を行なう。
この際には図示20の手順が起動される。その後、ステ
ップS91にてカウンタN1をリセットして再スタート
させ、ステップS93へ移行する。なお、ステップS8
7で否定判定された場合には直ちにステップS93に進
む。
【0084】ステップS93では1頁分の記録が終了し
て改頁が指示されているか否かを判定し、否定判定であ
ればステップS95に進んで記録信号の有無を判定す
る。ステップS95にて肯定判定がなされた場合にはス
テップS97にて記録終了のEND信号があるか否かを
判定し、否定判定であればステップS79に移行して次
行の記録を行なう。
【0085】一方、テスップS95にて記録信号が入力
されていない場合には、ステップS99に進み、記録デ
ータが所定時間(例えば5秒)入力されない時にキャッ
ピングを行なうために用いるタイマT2 をリセットし、
再スタートする。次に、ステップS101にて記録信号
の有無を判定し、肯定判定であればステップS79に復
帰して次行の記録を実行する。一方、ステップS101
が否定判定であればステップS103にてタイマT2
時計内容が5秒を越えたか否かを判定し、否定判定であ
ればステップS104に進み、END信号の入力がなけ
ればステップS101に復帰する。
【0086】一方、ステップS103で5秒を経過して
いればステップS105にてキャップをクローズとし、
次いで、ステップS107にて、タイマT1 を停止する
とともに、所定時間(例えば60秒間)キャッピング状
態が継続した後に予備吐出を起動するためのタイマT3
をリセットして再スタートする。次いで、END信号お
よび記録信号の入力の有無を判定する(ステップS10
9およびS111)。記録信号があれば、ステップS1
13にてキャップ51をオープンし、ステップS115
にてタイマT3 の時計内容が60秒を越えているか否か
を判定する。ステップS115で60秒を越えている場
合には、ステップS75に進んで予備吐出等を行った後
にステップS79に復帰する。一方、ステップS115
で60秒を越えていない場合には、ステップS117に
てタイマT1 をスタートさせた後にステップS79に復
帰する。
【0087】ところで、ステップS93にて改頁指令が
入力された場合には、ステップS119へ進み、カウン
タN1 の内容が“7”以上あるか否かを判定する。ここ
で肯定判定であれば、ステップS121にて頁間空吸引
を行い、ステップS123にてカウンタN1 のリセット
/スタートを行なった後に、ステップS125に進んで
上記ワイピングの動作を行なう。一方、ステップS11
9で否定判定であれば、直ちにステップS125に進ん
で上記ワイピングの動作を行なう。そして、ステップS
127にてキャップ51をクローズとし、ステップS1
29にて記録を終了した記録媒体(記録用紙)を排出し
た後に、ステップS69に進んで次頁の記録信号を待機
する。
【0088】なお、ステップS97またはS109にて
END信号が検出された場合には、ステップS131の
終了動作を実行する。この終了動作は、図25の(B)
に示すように、空吸引(ステップS141)、カウンタ
1 のリセット/スタート(ステップS143)、吐出
口形成面のワイピング(ステップS145)、キャップ
51のクローズ(ステップS147)、および記録媒体
(記録用紙)の排出(ステップS149)を行なう処理
である。
【0089】以上の主な動作をまとめれば、先ず予備吐
出があげられる。本実施例では、記録直前に予備吐出が
行なわれ、その後は30秒間隔で予備吐出が行なわれ
る。また、この30秒間隔の積算にはタイマT1 が用い
られている。T1 は、キャッピング状態に入って記録信
号なしに5秒以上が経過した時にはストップされるの
で、キャッピング中の時間はこの30秒間隔にはカウン
トされない。また、キャッピングが60秒以上に渡る場
合には、制御手順は予備吐出に戻り、キャップオープン
後、記録前に予備吐出を行なう。
【0090】本実施例では、予備吐出はキャップ51内
に行なっている。従って、予備吐出を繰り返し行なう際
には、それによってキャップ51内に溜まるインクを廃
インクタンク55側へ取り込むための空吸引を行なう必
要がある。この空吸引は図24で説明した空吸引であ
る。基本的には、空吸引は記録をしていない頁間で行な
う。一頁記録の後に予備吐出用カウンタN1 が7以上に
なっている場合には図19中の小空吸引(dの状態)が
行なわれる。しかし、記録中の頁途中においてもN1
15以上になった場合、すなわち、長い記録時間を要す
る文章においては図19中の大空吸引(eの状態)をを
行なう。また、記録終了時には必ず空吸引が行なわれ
る。次に、ワイピングについては、記録後インクで漏れ
が生じている吐出口形成面221を清掃するものであ
り、一般に、一頁および全記録の終了の後に行なうよう
に制御される。
【0091】以上説明したように、本実施例によれば、
記録途中あるいは記録終了時にインク吸引後の空吸引と
同様の動作を2回程度行なうことにより、記録中の予備
吐出によってキャップ51内に溜まるインクを効率的に
廃インクタンク55へと送り出すという効果が得られ
る。また、予備吐出によってキャップ51内に溜まるイ
ンク量は、吐出回復のために行なわれる吐出回復処理
(クリーニング)中のインク吸引時の量に比べれば、非
常に少量である。したがって、記録中の空吸引の回数
は、吐出回復処理中の空吸引の回数より少ない回数で十
分であり、記録中の空吸引の回数を極力少なくすること
は、記録装置の実効記録速度の向上に効果がある。
【0092】なお、吐出回復処理中または記録中の空吸
引の回数は、前述の例示回数に限定されるものではな
く、適宜の回数に設定できるのは勿論である。また、本
実施例によれば、数回の空吸引の中で、ピストンのスト
ロークを、初めは短く、そして最後の数回では下死点ま
で達するストロークにすることにより、インクの逆流を
減少させ、キャップ51内のインクをポンプ53内に確
実に取り込み、さらにポンプ53内のインクき大部分を
廃インクタンク55へ送り出し、該ポンプ53内に残る
インク量を少なくすることができ、もって、効率的な空
吸引を実行することができる。なお、空吸引動作のスト
ロークの変化のさせ方については、前述の実施例では、
短いストローク(中空吸引)を3回、長いストローク
(大空吸引)を1回としたが、これらの回数は適宜変化
させることができる。
【0093】次に、本実施例における廃インクタンクの
構成について説明する。図2に示したように、本実施例
においては、第1の廃インクタンク55を設けることに
加え、記録装置内のスペースを有効利用して第2の廃イ
ンクタンク70を設け、これらの廃インクタンク間をチ
ューブ71で接続する構成が採られている。そして、回
復ユニットに対して両廃インクタンク55、70が直列
に設けられているため、吐出回復処理ないし上記空吸引
処理によって生ずる廃インクは、まずチューブ57を介
して第1の廃インクタンク55に導入される。第1の廃
インクタンク55に廃インクを収容する余裕がある間は
ここに廃インクが貯められることになるが、その後第1
の廃インクタンク55が廃インクを収容しきれなくなる
と、ここから溢れた廃インクはチューブ71を介して第
2の廃インクタンク70に導入されることになる。
【0094】このように、本実施例では、記録装置内の
スペースを有効利用して第2の廃インクタンク70を設
けてあるため、廃インク収容量を減らすことなく記録装
置の小型化が可能となる。なお、これら廃インクタンク
内には適当なインク吸収体を設けておくことができる。
【0095】図26は、廃インクタンクの他の構成例を
示す模式的斜視図である。図26において、本構成例で
は、回復系ユニットに一端が接続されたチューブ57の
他端部に三方ジョイント57Aが設けられ、この三方ジ
ョイント57Aにより廃インクの流れを分岐させ、チュ
ーブ72および71を介してそれぞれ第1の廃インクタ
ンク55および第2の廃インクタンク70に廃インクが
導入されるように構成されている。さらに、各廃インク
タンク(廃インク貯留部材)55、70の一部は、通気
布183で構成されている。この通気布183は、気体
であるインク溶剤蒸気は通すが液体であるインクは透過
させない材料で形成されており、このような通気布18
3を用いることにより、各廃インクタンク55、70の
内部はインク漏れを生じることなく大気と通気状態にな
っている。前記通気布183の具体的な材質としては、
例えば、ベイパーロード((株)テイジン)を用いるこ
とができる。
【0096】したがって、図26の廃インクタンクの構
成によれば、図2中の廃インクタンクの構成の場合と同
様の効果が得られる他に、貯留された廃インクの蒸発成
分を時間経過とともに外部へ自然放出することができ、
結果として、その分各廃インクタンク55、70の実行
容量を増大させることができ、スペース効率を高めて記
録装置の一層の小型化を図ることが可能になる。なお、
図26の構成では、各廃インクタンク55、70の一部
を通気布183で形成しているが、場合によっては、全
体をこの通気布183が形成することも可能である。ま
た、図2中の各廃インクタンク55、70としても、前
記通気布183で一部または全体を構成したタンクを使
用できるのは勿論である。なお、上記2つの廃インクタ
ンク55、70は、図2の構成例では直列に接続した
が、図26の構成では回復系ユニットに関して並列に接
続されている。
【0097】図27は廃インクタンクのさらに他の構成
例を示す模式的斜視図である。一般に分散して存在する
記録装置内の空きスペースを有効利用して廃インクタン
クを設けるという観点からすれば、第2の廃インクタン
ク70のみならず、さらに多くの廃インクタンクを追加
し、これらを適宜の空きスペースに設けることもでき
る。図27は、さらに廃インクタンクを追加して設ける
場合の構成例を示すものである。
【0098】図27において、廃インクタンク55に加
え、さらに2つの廃インクタンク70Aおよび70Bが
設けられている。第1の廃インクタンク55に関して、
第2の廃インクタンク70Aおよび第3の廃インクタン
ク70Bは並列に設けられている。第1の廃インクタン
ク55から廃インクが溢れると、この廃インクはジョイ
ント74により分岐され、チューブ71Aおよび71B
を介してそれぞれ第2の廃インクタンク70Aおよび第
3の廃インクタンク70Bに導入される。なお、本実施
例においても、各廃インクタンク(廃インク貯留部材)
55、70A、70Bの一部は前述と同様の通気布18
3で構成されている。また、本構成例においても、場合
によって、各廃インクタンク55、70A、70Bの全
体をこの通気布183が形成することも可能である。
【0099】以上図27について説明した廃インクタン
クの構成によれば、前述した図2および図26の構成例
の場合と同様の効果が得られる他に、記録装置内部のス
ペース効率をさらに高めることにより、廃インク収容量
を一層増大させることができる。なお、廃インクタンク
に関する構成は、以上の構成に限定されるものではな
く、各廃インクタンクの数や配置あるいは各廃インクタ
ンク間の接続に関しては、その他種々の態様で実施でき
るのは勿論である。
【0100】なお、前述の実施例では、記録手段(記録
ヘッド)9をキャリッジ11に搭載し、記録媒体に沿っ
て主走査するシリアルタイプのインクジェット記録装置
を例に挙げて説明したが、本発明は、記録媒体の記録幅
の全体または一部に対応するライン型の記録手段を用い
るラインタイプのインクジェット記録装置の場合にも、
同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るも
のである。また、前述の実施例では、1個の記録手段9
で記録する場合を例示したが、本発明は、異なる色で記
録する複数の記録手段を備えたカラーインクジェット記
録装置、あるいは色彩が同じで濃度が異なるインクで記
録する複数の記録手段を用いる階調記録用のインクジェ
ット記録装置など、記録手段(記録ヘッド)の数にも関
係なく、同様に適用することができ、同様の作用効果を
達成し得るものである。
【0101】さらに、前述の実施例では、記録ヘッドと
インクタンクを一体化したカートリッジタイプの記録手
段(ヘッドカートリッジ)9を使用する場合を例に挙げ
て説明したが、本発明は、記録ヘッドとインクタンクを
別々に設け、これらをインク供給管等で接続する構成の
ものなど、その他の記録ヘッドおよびインクタンクの構
成形態を有するインクジェット記録装置においても、同
様に適用することができ、同様の効果が得られるもので
ある。
【0102】なお、本発明は、インクジェット記録装置
であれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を
用いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用で
きるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出
する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置
において優れた効果をもたらすものである。かかる方式
によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるから
である。
【0103】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜
沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一対応し液体
(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0104】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0105】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれ
ば、記録を確実に効率よく行なうことができるようにな
るからである。
【0106】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても、本発明は有効に適用できる。そのよ
うな記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組み合わせ
によってその長さを満たす構成や、一体的に形成された
1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。加え
て、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体
に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着され
ることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのイ
ンクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録
ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタン
クが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用い
た場合にも本発明は有効である。
【0107】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニン
グ手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは
別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
ことも安定した記録を行なうために有効である。
【0108】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば、単色のインクに対応して1個
のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複
数のインクに対応して複数個数設けられるものであって
もよい。すなわち、例えば、記録装置の記録モードとし
ては、黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、
記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせに
よるか、いずれでもよいが、異なる色の複色カラー又
は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装
置にも本発明は極めて有効である。
【0109】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいは、インクジェット方式で
は、インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、
積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態か
ら液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめ
ることで防止するか、または、インクの蒸発防止を目的
として放置状態で固化するインクを用いるかして、いず
れにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0110】このような場合のインクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0111】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよ
い。
【0112】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
によれば、記録手段から記録媒体へインクを吐出して記
録を行なうインクジェット記録装置において、前記記録
手段に吐出口形成面の周辺で移動可能なキャップを設
け、記録時および吐出回復動作時に前記キャップを吐出
口から外れた開放位置へ退避させる構成としたので、記
録ヘッドを交換する場合に、吐出口内への気泡や塵埃の
混入およびインク溶剤の蒸発に伴なう増粘等を生じるこ
となく容易に交換することが可能となり、したがって、
カラー記録のように複数の記録ヘッドを使用する場合で
も、各記録ヘッドを交換することが可能となり、複数の
記録ヘッドを並べて配置する構成に比べ、記録装置の幅
を小さくすることが可能なインクジェット記録装置が提
供される。
【0113】別の本発明によれば、上記構成に加えて、
記録手段を記録装置に装着する際に、前記キャップを吐
出口から外れた位置へ退避させる構成、または前記キャ
ップが吐出口形成面の吐出口周辺を清掃するためのクリ
ーニング部材を有する構成としたので、一層効率よく同
様の効果を達成し得るインクジェット記録装置が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置を備
えた電子機器の一実施例としてのワードプロセッサを示
す斜視図である。
【図2】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例を示す一部破断斜視図である。
【図3】図2に示したヘッドカートリッジ(記録ヘッ
ド)の外観斜視図である。
【図4】図3のヘッドカートリッジの分解斜視図と外観
斜視図とインク吐出部の模式的部分斜視図とから成る図
である。
【図5】図2のインクジェット記録装置のヘッドギャッ
プ調整手段を説明するための縦断面図である。
【図6】本発明の一実施例に係わるインクジェット記録
装置の記録ヘッドのキャッピング機構を示す縦断面図で
ある。
【図7】本発明によるインクジェット記録装置の記録ヘ
ッドのキャッピング機構の一実施例を示す斜視図であ
る。
【図8】本発明による記録ヘッドのキャッピング機構の
解放レバーを解放レバーカムで駆動するように構成した
インクジェット記録装置の斜視図である。
【図9】本発明によるインクジェット記録装置の記録ヘ
ッドのキャッピング機構の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図10】本発明によるインクジェット記録装置の記録
ヘッドのキャッピング機構のさらに他の実施例を示す斜
視図である。
【図11】従来のインクジェット記録装置の拍車カバー
および視認窓を説明するための平面図である。
【図12】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の拍車カバーおよび視認窓を説明するための平面
図である。
【図13】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置のFPC巻き込み防止用手段のキャリッジ待機時
の状態を示す部分正面図である。
【図14】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置のFPC巻き込み防止用手段のキャリッジ移動時
の状態を示す部分正面図である。
【図15】従来のインクジェット記録装置におけるFP
C巻き込み状態を示す部分正面図である。
【図16】図2に示す吐出回復機構の分解斜視図であ
る。
【図17】図16に示すキャップおよびキャップホルダ
を示す拡大斜視図である。
【図18】図17に示すキャップの正面図と平面図と縦
断面図とから成る図である。
【図19】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の吐出回復機構の各部を動作させるための各カム
の輪郭曲線を示す説明図である。
【図20】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の吐出回復機構の主要なカム位置における各部の
動作状態を示す模式図である。
【図21】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の吐出回復機構の主要なカム位置におけるポンプ
の動作状態を示す縦断面図である。
【図22】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図23】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の吐出回復処理における動作手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図24】図23に示す吐出回復処理に関連した空吸引
処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図25】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の記録処理手順の一例を示すフローチャートであ
る。
【図26】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の廃インク系の他の構成例例を示す斜視図であ
る。
【図27】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の廃インク系のさらに他の構成例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 キーボード部 2 表示器部分 9 ヘッドカートリッジ(記録手段) 9a 吐出口ユニット(記録ヘッド) 9b インクタンク 11 キャリッジ 12 規制板 19 支持板 23 ガイド軸 27 タイミングベルト 31 キャリッジモータ 33 搬送ローラ 34 プラテン 35 搬送モータ 39 フィードローラ 41 排紙ローラ 51 キャップ(吐出回復機構) 51a リブ部(キャップ) 53 ポンプ(吐出回復機構) 55 廃インクタンク 59 ブレード(吐出回復機構) 61 モータ(吐出回復機構) 63 カム装置(吐出回復機構) 65 ホームセンサ(吐出回復機構) 67 キャリッジのホームセンサ 70 廃インクタンク 80 解放レバー(キャッピング機構) 81 解放レバーカム 221 吐出口形成面 222 吐出口 225 電気熱変換体 501 インク吸収体(吐出回復機構) 505 キャップレバー(吐出回復機構) 561 吸引口(吐出回復機構) 1400 キャッピング機構 1410 キャップガイド(キャッピング機構) 1411 キャップ(キャッピング機構) 1412 ガイド棒(キャッピング機構) 1420 戻しバネ(キャッピング機構) 1430 キャップガイド(キャッピング機構) 1431 キャップ(キャッピング機構) 1432 戻しバネ(キャッピング機構) 1433 ガイド棒(キャッピング機構) 1440 キャップガイド(キャッピング機構) 1441 戻しバネ(キャッピング機構) 1442 斜面(カム当接面) 1444a キャップ部分(壁部分) 1444b 開口部(吐出口開放用) 1445 ガイド部(キャッピング機構)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置を備
えた電子機器の一実施例としてのワードプロセッサを示
す斜視図である。
【図2】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例を示す一部破断斜視図である。
【図3】図2に示したヘッドカートリッジ(記録ヘッ
ド)の外観斜視図である。
【図4】図3のヘッドカートリッジの分解斜視図と外観
斜視図とから成る図である。
【図5】図3のヘッドカートリッジのインク吐出部の構
造を模式的に示し部分斜視図である。
【図6】図2のインクジェット記録装置のヘッドギャッ
プ調整手段を説明するための縦断面図である。
【図7】本発明の一実施例に係わるインクジェット記録
装置の記録ヘッドのキャッピング機構を示す縦断面図で
ある。
【図8】本発明によるインクジェット記録装置の記録ヘ
ッドのキャッピング機構の一実施例を示す斜視図であ
る。
【図9】本発明による記録ヘッドのキャッピング機構の
解放レバーを解放レバーカムで駆動するように構成した
インクジェット記録装置の斜視図である。
【図10】本発明によるインクジェット記録装置の記録
ヘッドのキャッピング機構の他の実施例を示す斜視図で
ある。
【図11】本発明によるインクジェット記録装置の記録
ヘッドのキャッピング機構のさらに他の実施例を示す斜
視図である。
【図12】従来のインクジェット記録装置の拍車カバー
および視認窓を説明するための平面図である。
【図13】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の拍車カバーおよび視認窓を説明するための平面
図である。
【図14】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置のFPC巻き込み防止用手段のキャリッジ待機時
の状態を示す部分正面図である。
【図15】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置のFPC巻き込み防止用手段のキャリッジ移動時
の状態を示す部分正面図である。
【図16】従来のインクジェット記録装置におけるFP
C巻き込み状態を示す部分正面図である。
【図17】図2に示す吐出回復機構の分解斜視図であ
る。
【図18】図17に示すキャップおよびキャップホルダ
を示す拡大斜視図である。
【図19】図18に示すキャップの正面図と平面図と縦
断面図とから成る図である。
【図20】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の吐出回復機構の各部を動作させるための各カム
の輪郭曲線を示す説明図である。
【図21】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の吐出回復機構の主要なカム位置における各部の
動作状態を示す模式図である。
【図22】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の吐出回復機構の主要なカム位置におけるポンプ
の動作状態を示す縦断面図である。
【図23】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図24】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の吐出回復処理における動作手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図25】図24に示す吐出回復処理に関連した空吸引
処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図26】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の記録処理手順の一例を示すフローチャートであ
る。
【図27】図26中のステップS131の終了動作のフ
ローチャートである。
【図28】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の廃インク系の他の構成例例を示す斜視図であ
る。
【図29】本発明の一実施例に係わるインクジェット記
録装置の廃インク系のさらに他の構成例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】 1 キーボード部 2 表示器部分 9 ヘッドカートリッジ(記録手段) 9a 吐出口ユニット(記録ヘッド) 9b インクタンク 11 キャリッジ 12 規制板 19 支持板 23 ガイド軸 27 タイミングベルト 31 キャリッジモータ 33 搬送ローラ 34 プラテン 35 搬送モータ 39 フィードローラ 41 排紙ローラ 51 キャップ(吐出回復機構) 51a リブ部(キャップ) 53 ポンプ(吐出回復機構) 55 廃インクタンク 59 ブレード(吐出回復機構) 61 モータ(吐出回復機構) 63 カム装置(吐出回復機構) 65 ホームセンサ(吐出回復機構) 67 キャリッジのホームセンサ 70 廃インクタンク 80 解放レバー(キャッピング機構) 81 解放レバーカム 221 吐出口形成面 222 吐出口 225 電気熱変換体 501 インク吸収体(吐出回復機構) 505 キャップレバー(吐出回復機構) 561 吸引口(吐出回復機構) 1400 キャッピング機構 1410 キャップガイド(キャッピング機構) 1411 キャップ(キャッピング機構) 1412 ガイド棒(キャッピング機構) 1420 戻しバネ(キャッピング機構) 1430 キャップガイド(キャッピング機構) 1431 キャップ(キャッピング機構) 1432 戻しバネ(キャッピング機構) 1433 ガイド棒(キャッピング機構) 1440 キャップガイド(キャッピング機構) 1441 戻しバネ(キャッピング機構) 1442 斜面(カム当接面) 1444a キャップ部分(壁部分) 1444b 開口部(吐出口開放用) 1445 ガイド部(キャッピング機構)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図19】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図17】
【図15】
【図16】
【図22】
【図18】
【図23】
【図20】
【図28】
【図21】
【図24】
【図25】
【図26】
【図29】
【図27】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録手段から記録媒体へインクを吐出
    して記録を行なうインクジェット記録装置において、前
    記記録手段に吐出口形成面の周辺で移動可能なキャップ
    を設け、記録時および吐出回復動作時に前記キャップを
    吐出口から外れた開放位置へ退避させることを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 記録手段を記録装置に装着する際に、
    前記キャップを吐出口から外れた位置へ退避させること
    を特徴とする請求項1のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記キャップが吐出口形成面の吐出口
    周辺を清掃するためのクリーニング部材を有することを
    特徴とする請求項1のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録手段が、インク吐出用の熱エ
    ネルギーを発生するための電気熱変換体を備えているイ
    ンクジェット記録手段であることを特徴とする請求項1
    のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録手段が、前記電気熱変換体に
    よって印加される熱エネルギーによりインクに生じる膜
    沸騰を利用して、吐出口よりインクを吐出させることを
    特徴とする請求項4のインクジェット記録装置。
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