JPH06275548A - Cvd薄膜形成方法 - Google Patents

Cvd薄膜形成方法

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JPH06275548A
JPH06275548A JP5330674A JP33067493A JPH06275548A JP H06275548 A JPH06275548 A JP H06275548A JP 5330674 A JP5330674 A JP 5330674A JP 33067493 A JP33067493 A JP 33067493A JP H06275548 A JPH06275548 A JP H06275548A
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直樹 井上
Haruyuki Nakaoka
春雪 中岡
Hideki Azuma
秀樹 東
Toru Yanagisawa
徹 柳澤
Shigeru Morikawa
茂 森川
Takashi Kobayashi
小林  孝
Noboru Saeki
登 佐伯
Hisashi Sakai
久 坂井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板面上に基板を構成する元素の酸化物を形
成しないCVD薄膜形成方法を得る。 【構成】 複数種の金属化合物ガスg1と酸化性ガスg
2とを薄膜形成室6内に供給し、前記薄膜形成室6内に
配設された基板3上に金属酸化物薄膜4を形成するCV
D薄膜形成方法において、金属を分子内に有する金属化
合物ガスg1のみを前記薄膜形成室6内に供給して、基
板3と複数種の金属化合物ガスg1とを馴染ませる第一
工程と第一工程にひき続いて薄膜形成室6内に、複数種
の金属化合物ガスg1と酸化性ガスg2を供給して薄膜
を形成する第二工程を備えて、薄膜の形成をおこなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学気相成長法による
ペロブスカイト型酸化物からなる金属酸化物薄膜の製造
方法に関し、さらに詳細には、複数種の金属化合物ガス
と酸化性ガスとを薄膜形成室内に供給し、薄膜形成室内
に配設された基板上に金属酸化物薄膜を形成するCVD
薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の薄膜形成においては、薄
膜形成室に原料ガスとしての金属化合物ガスと酸化性ガ
スとを同時に供給して、薄膜形成室内に配設された基板
上に所望の金属酸化物薄膜を形成していた。この場合、
従来、成膜のためのエネルギーの供給は、加熱によるも
のであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな成膜過程において、成膜初期段階から金属化合物ガ
スのみならず酸化性ガスを供給すると、基板を構成する
材料が拡散し、また酸化性ガスの酸素と反応し、酸化物
を形成することがあった。例えば基板がシリコン基板で
あり酸化性ガスが酸素である場合は、シリコン基板上に
白金(Pt)電極が形成されている場合においても、白
金上にシリコンが拡散溶出(酸素が拡散浸透)し、酸化
シリコン(SiO2)を生成することがあった。このよ
うな生成物が形成されると、薄膜としてペロブスカイト
型構造をしたPZT薄膜等を成長させる場合に、大きな
問題となった。また、成膜を加熱のみで行う場合、加熱
の時間的空間的制御が不可能なため、複合金属酸化物で
あるペロブスカイト型化合物(ABO3,ABCO3ただ
しA,B,Cは金属元素、Oは酸素)の酸素原子の欠落
あるいは蒸気圧の高い金属並びに金属酸化物の拡散・脱
離等により、非化学量論組成のものが得られたり、ペロ
ブスカイト型の結晶構造にならない問題があった。従っ
て、本発明の目的は、基板面上に基板を構成する元素の
酸化物を形成せず、ペロブスカイト型の薄膜を得ること
が可能なCVD薄膜形成方法を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
のCVD薄膜形成方法の特徴手段は、これが酸素を分子
内に有する金属化合物ガスのみを薄膜形成室内に供給し
て、基板と金属化合物ガスとを馴染ませる第一工程と、
第一工程にひき続いて薄膜形成室内に、複数種の金属化
合物ガスと酸化性ガスを供給して薄膜を形成する第二工
程を備えたことにある。さらに第一行程において、高融
点金属を含有する前記金属化合物ガスを先に供給して基
板の表面上に熱拡散防止層を形成した後、前記複数種の
金属化合物ガスのみを供給して、結晶成長のための初期
核を形成することが好ましい。そして、その作用・効果
は以下のとおりである。
【0005】
【作用】この方法においては、成膜工程は第一工程と第
二工程に分割され、第一工程においては酸化性ガスの供
給はおこなわれない。一方、第二工程が従来おこなわれ
て来ている通常の成膜工程とされる。さて、第一工程に
おいては、金属化合物ガスが分解されながら金属化合物
ガス自らが含有する酸素とその金属成分とで金属酸化物
が構成され、基板上に所定の金属酸化物の層が数原子層
形成される。そして、この形成過程の後、第二工程にお
いて、酸化性ガスの供給状態において所望の金属酸化物
を形成することが可能となる。ここで、第一工程におい
て供給する金属酸化物ガスの種類を、前述のようにその
初期と後期とに分けておくと、第一工程初期においては
基板を構成する材料元素の拡散あるいは酸化を起こさな
いで熱拡散防止層を形勢することができ、この工程以降
において、複数の金属酸化物薄膜を構成する蒸気圧の高
い金属及び金属酸化物の基板への拡散を起こさないで成
膜を進めることができる。そして、第一工程後期におい
て、第二工程で形成する所望の金属酸化物を形成するた
めの結晶の初期核を得て、所定の結晶構造の膜を形成す
ることができる。
【0006】
【発明の効果】従って、本願の方法を採用する場合は、
成膜初期工程(第一工程)において酸化性ガスが単独に
供給されないため、基板面上に基板を構成する元素の酸
化物を形成することなく、所望の金属酸化物層を形成す
ることができ、これが拡散防止の熱拡散防止層として働
き、蒸気圧の高い元素及びその酸化物の拡散を抑制しな
がら、複合酸化物の初期核を形成することができ、その
結果、例えば強誘電体として好ましい性能を示すペロブ
スカイト型構造のPZT薄膜等を形成することが可能と
なった。
【0007】以上に説明した成膜においては、成膜エネ
ルギーの供給方法を特に問うものではないが、成膜段階
においてレーザー光を利用する場合には、以下のよう
な、作用・効果を得ることができる。即ち、成膜時に基
板の加熱と共にレーザー光を用いた場合、基板近傍の上
部に拡散供給される金属化合物ガスが基板加熱台からの
熱エネルギーとレーザーからの光エネルギーによって、
原料ガスである金属酸化物ガスは励起分解され薄膜を形
成する。成膜にあたっては、レーザーからのエネルギー
供給によって成膜温度を従来より大幅に低下することが
可能であり、蒸気圧の高い金属及び金属酸化物の膜から
の脱離、基板を構成する材料元素の拡散が抑制され、組
成の均一な安定した成膜が行える。結果、CVD法によ
る薄膜形成のエネルギー源をレーザー光にした場合、レ
ーザーの有する単色性、高密度、コヒーレント指向性等
の特徴が生かされ、熱エネルギーを補助的に使用して成
膜を実行することができる。よって、成膜を熱エネルギ
ーのみで行うCVD法では熱エネルギーの時間的、空間
的制御が不可能なため複合金属酸化物であるペロブスカ
イト型構造(ABO3,ABCO3ただしA,B,Cは金
属元素、Oは酸素)の酸素原子の不足を招くことが多
く、非化学量論組成となりデバイス上の機能薄膜として
採用できない組成となり易いが、このような手法を採る
場合は、成膜を比較的低温で酸素の不足を招くことなく
行うことが可能となり、蒸気圧の異なる複数の金属酸化
物薄膜の組成、構造の安定化をもたらし、従来比較的高
い成膜温度を要求されたペロブスカイト型構造の薄膜を
低温で安定して得られるようになる(図5に、レーザー
光を利用する本願の場合図5(イ)の結晶構造(ペロブ
スカイト単一相となっている)と従来の熱エネルギーの
みによる場合図5(ロ)の結晶構造(パイロクロア構造
となっている)とのX線回折パターンの相違を示してい
る)。
【0008】
【実施例】本願の実施例を図面に基づいて説明する。図
1にCVD薄膜形成装置1の構成が示されている。この
CVD薄膜形成装置1は、所謂レーザーCVD薄膜形成
装置であり、加熱体により供給される熱エネルギーと、
レーザー光2によって供給されるエネルギーにより金属
化合物ガスの分解・励起・膜形成をおこなうものであ
る。このレーザーCVD薄膜形成装置1は、従来の単純
なCVD薄膜形成装置より低温で薄膜形成をおこなうこ
とが可能であるため、基板3等に熱的ダメージを与える
ことが少なく、良好な薄膜4形成が行える利点を備えて
いる。以下に、半導体(IC、LSI等)基板3上に、
薄膜4を形成する場合を、例に採って説明する。ここ
で、基板3は表面に白金(Pt)薄膜3bを形成したシ
リコン基板3aを例にとるものとし、この基板3上に絶
縁膜あるいは強誘電体膜であるPZT薄膜5(PbZr
xTi1-x3(0≦x≦1))を形成するものとする。
【0009】先ずこの装置1の構成について説明する。
装置1は、その内圧を調節可能な薄膜形成室6を備えた
ものであり、金属化合物ガスg1が各別に供給される予
混合室7と、薄膜形成室6に酸化性ガスg2である酸素
もしくはオゾンを供給する酸化性ガス供給手段としての
酸化性ガス供給路8と、成膜を終えたガスg3が排出さ
れるガス排出路9を備えている。さらに、薄膜形成室6
の中央部に、薄膜形成の対象となる基板3が載置される
基板保持台10が備えられている。この基板保持台10
は、本体部を構成するセラミックヒータ10aとこのセ
ラミックヒータ10aの外面部を被覆する絶縁皮膜層と
してのTiNのCVD皮膜層10bとから構成されてい
る。また、基板3上の混合ガスg4を励起するレーザー
光2が薄膜形成室内に導入されるレーザー光照射用窓1
1が設けられるとともに、このレーザー光2を発振する
レーザー光照射手段としてのエキシマレーザー12が装
置1の側部に備えられている。また、希釈ガスg5を供
給する希釈ガス供給系が設けられるとともに、所定箇所
にマスフローコントローラが備えられている。さらに、
レーザー光2が、薄膜形成室6外へ導出されるレーザー
光出口窓13が設けられている。
【0010】装置構成の概略を箇条書きする。 成膜対象となる基板寸法 8 インチ以下 基板加熱 最大 700℃ 到達圧力 10-7Torr 金属化合物ガス供給 3 系統 光源 エキシマレーザー
【0011】以下、さらに詳細に原料ガスとしての金属
化合物ガスの供給系と酸化性ガスの供給系について説明
する。先ず金属化合物ガス供給系について説明すると、
これは、金属化合物ガスであるビス−ジピバロイルメタ
ネート鉛(Pb(DPM)2)、ジルコニウム テトラ
−t−ブトキシド(Zr(O−t−C494)及びチ
タウム テトラ−i−プロポキシド(Ti(O−i−C
374)を夫々貯蔵するタンク14を備えるととも
に、気化操作に必要な加熱装置15を夫々のタンク14
に備えて構成されている。例えば、気化温度は記載順
に、135℃、30℃、30℃に設定されて、金属化合
物ガスg1が生成される。これらの有機金属化合物は常
温において、液相もしくは固相を呈するとともに、分子
内に酸素を有し、さらに、金属と酸素の結合を有してい
る。この金属化合物ガスg1の搬送には不活性ガスであ
る窒素ガスN2が使用される。さて、前述の予混合室7
には、保温手段16が備えられており、この室7を金属
化合物ガス夫々の気化温度よりも高く、酸素非共存下で
の金属化合物ガスの熱分解温度よりも低い温度(上記の
金属化合物ガスの場合は、150℃前後)に維持する。
一方、酸化性ガスとしては、酸素あるいはオゾン等が使
用される。酸化性ガスは酸化性ガス供給路17を介して
直接薄膜形成室6に導入される。そして、予混合室7と
酸化性ガス供給路17の出口側で、薄膜形成室内に円錐
形の分散板70が備えられている。
【0012】以上が、装置1の概要であるが、以下装置
1の使用状態について説明する。基板近傍部は基板保持
台10に備えられているセラミックヒータ10aにより
加熱されて約500℃程度の温度域に保持され、各金属
化合物ガスg1が収納されているタンク14より、予混
合室7に金属化合物ガスg1が供給されて作業が進めら
れる。この時、セラミックヒータ10aとエキシマレー
ザー12は常時、作動している。ここで、金属化合物ガ
スg1の供給は、以下に詳述する工程を経て順次おこな
われるが、レーザーCVD薄膜形成装置1による膜形成
の概略を先ず説明する。供給された混合ガスg4は基板
上部域に拡散供給される。一方基板保持台10からは、
遠赤外線Lが前述の混合ガスg4に向けて発っせられ
る。即ち、混合ガスg4は、この遠赤外線L及び前述の
レーザー光2よりエネルギーを受けて、分解・励起さ
れ、基板3上にPZT膜5となって成長する。このと
き、レーザー光2は活性酸素の形成に大きく寄与する。
このようにして基板3上における膜生成をおこなうこと
が可能となる。
【0013】さて、本願が対象としているPZT膜5に
対しては、その結晶構造がペロブスカイト型のものとパ
イロクロア型のものがあることが知られている。強誘電
性薄膜としては前者のもののほうが好ましい。一般に前
者の型の膜を得るためには、熱CVDのみでおこなう場
合は、比較的高温の温度域で成膜を実行する必要がある
が、上述のようにレーザーCVD方式を採用する場合
は、レーザーにより成膜エネルギーが供給される点、活
性酸素が生成されやすい等の点から成膜を500℃以下
でおこなうことが可能となる。これは、基板3上に形成
されているAl回路への熱的影響、蒸気圧の異なる複数
の金属酸化物を含む薄膜における、組成の安定(蒸気圧
の高い特定の元素が気相中に脱離して、不安定な組成と
ならない。)等の観点から非常に好ましい。
【0014】さて、図2にも示すように、本願で得られ
る膜は4層構造に形成される。即ち基板表面側から、熱
拡散防止層としての酸化チタン層(TiOa 、a=1.
0〜2.0)51を備えるとともに、この層51の上部
側に、鉛とチタンの複合酸化物(PbxTiyz、x=
0〜1.0、y=0〜1.0、z=1.0〜3.0)で
ある初期核を有する初期核層52を備えるとともに、こ
の層52の上部側に結晶構造がペロブスカイト型のPZ
T膜5を備えている。さらに、薄膜の表面に酸化チタン
層(TiOa 、a=1.0〜2.0)からなる保護膜4
0を備えている。
【0015】以下、ガスの供給に関する作業手順を図3
のフローチャートに基づいて、工程順に説明する。 #1 CVD薄膜形成装置1の所定部位を減圧操作するととも
に、供給配管、予混合室7、原料ガスの加熱装置15、
基板保持台10を所定温度に昇温し、装置の立ち上げを
おこなう。 #2 CVD薄膜形成装置1の所定部位を常圧に回復させ、基
板保持台10に基板3を設置する。ここで、基板3とし
ては、図3及び表1に示すようにSi基板の表面にSi
2層(図外)を設けたもの、さらには表面にPtスパ
ッタ蒸着表面層(図外)を設けたものを採用した。Pt
(100)、Pt(111)は夫々結晶構造の異なるも
のを示している。 #3 基板3を載置した後、CVD薄膜形成装置1の所定部位
を減圧するとともに、反応圧力を所定圧に維持する。 #4 成膜種に従って、キャリアガス流量、希釈ガス流量、酸
化性ガスである酸素流量を設定する。ここで、希釈ガス
とは、N2 (窒素)ガスであり、図1のg5で示すもの
である。 #5 予混合室7を介して、チタニウムテトライソプロポキシ
ド(Ti(O−i−C37)4)のみを供給し、基板上にチ
タンの酸化膜(TiOa 、a=1.0〜2.0)51を
酸化性ガスのない状態で成膜する。 #6 次いでヒス−ジピバロイルメタネート鉛(Pb(DPM)
2) を供給し、鉛とチタンの複合酸化物(PbxTi
yz、x=0〜1.0、y=0〜1.0、z=1.0〜
3.0)を結晶の初期核を備えた初期核層52を酸化性
ガスのない状態で形成する。(#5、6工程を第一工程
と呼ぶ。) #7 引き続いて、上述の2種のガスとともに酸化性ガス(O
2)を同時に供給し、通常の金属酸化物薄膜形成をおこ
なう。 #8 この後、ジルコニウムテトラターシャルブトキシド(Z
r(O−t−C49)4)の供給を開始して、、三種の金属
化合物ガス〔ヒス−ジピバロイルメタネート鉛(Pb
(DPM)2) 、チタニウムテトライソプロポキシド(T
i(O−i−C37)4)〕、ジルコニウムテトラターシャ
ルブトキシド(Zr(O−t−C49)4)と酸化性ガス
(O2)を同時に供給し、所望の膜厚に応じて通常のP
ZT膜5の成膜を実行する。この場合に成膜される膜厚
は250〜300nm程度である。(#8工程を第二工
程と呼ぶ。) #9 そして、成膜の最終段階において、チタニウムテトライ
ソプロポキシド(Ti(O−i−C37)4)と酸素のみを
供給して最表面に保護膜40(TiOa 、a=1.0〜
2.0)を形成する。 #10 成膜を終了し、原料の供給を停止する。
【0016】典型的なMOCVDの実施条件を表1に示
した。
【0017】
【表1】
【0018】さらに、成膜時の各金属元素及び酸化性ガ
スの供給状況を図4に示した。本願の成膜においては、
レーザ光が成膜エネルギーの供給に使用される。従っ
て、膜組成が安全で、均一性の優れた良質の膜が得られ
る。さらに、表面に保護層を形成する場合においても、
レーザー光を利用することにより、安定で、均一性の良
好な膜が得られる。この時、熱エネルギーの供給を停止
し、レーザー光のみで保護層を形成してもよい。
【0019】図5に、本願の方法で製作されるPZT薄
膜と従来の方法による薄膜のX線回折図が示されてい
る。図5(イ)が本願のものを、図5(ロ)が従来の熱
CVDによるもののX線回折図である。図5(イ)に示
すものはPt/SiO2/Si基板上に、上述の方法で
基板温度450℃にてPZT薄膜を形成したものであ
り、得られた膜はペロブスカイト単一相となっており、
比誘電率も500〜1000と高い値を示した。一方、
図5(ロ)に示すものは、所謂熱CVD手法を採用する
ものであり、基板温度を450℃に設定して得られるP
ZT薄膜は、回折パターンより、低温で準安定相のパイ
ロクロア構造となっていることがわかる。さらに、比誘
電率も50〜100と低い値であった。
【0020】〔別実施例〕本願の別実施例について以下
に箇条書きする。 (イ)上記の実施例においては、酸化性ガス供給路17
を予混合室7の周部に形成し、酸化性ガスが予混合ガス
をその周部より囲むようにして薄膜形成室6に供給した
が、図6に示すように、予混合室7を薄膜形成室6に直
結し、酸化性ガスを別部位より供給するものとしてもよ
い。 (ロ)さらに、図7に示すように、基板3上に予混合ガ
スと酸化性ガスを均等に供給するために、供給路の先端
部にメッシュ等を張り巡らした均等分散装置18を備え
てもよい。 (ハ)さらに上記の実施例においては、レーザー光2を
金属化合物ガスの分解・励起手段として使用するレーザ
ーCVD装置に、本願の発明の構成を採用する例を示し
たが、本願の発明は、熱エネルギーを金属化合物ガス等
に供給して薄膜を形成するものに対しては、いかなるも
のに対しても適応することができる。こういったものの
例としては、単なる熱CVD装置がある。 (ニ)さらに上記の実施例においては、Si基板上にP
ZT膜を形成する例について説明したが、成膜できる対
象物としては、(Ba,Sr)TiO3系の他、タンタ
ルを含む有機化合物等を原料とするもの等任意のものが
対象になるが、要するに金属化合物ガス中に、分子内に
酸素を有するものがある複数の原料を混合して成膜をお
こなう場合に、本願のCVD薄膜形成装置が良好に適応
できる。
【0021】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願のCVD薄膜形成装置の構成を示す図
【図2】薄膜形成状態の断面図
【図3】成膜行程の行程図
【図4】膜を形成する金属及び酸素の供給状態のタイム
チャート
【図5】膜のX線回折図
【図6】CVD薄膜形成装置の別実施構成を示す図
【図7】均等分配手段を備えた装置構成を示す図
【符号の説明】
2 レーザー光 3 基板 4 薄膜 6 薄膜形成室 12 レーザー光照射手段 51 熱拡散防止層 52 初期核層 g1 金属化合物ガス g2 酸化性ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳澤 徹 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 森川 茂 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内 (72)発明者 小林 孝 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内 (72)発明者 佐伯 登 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内 (72)発明者 坂井 久 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種の金属化合物ガス(g1)と酸化
    性ガス(g2)とを薄膜形成室(6)内に供給し、前記
    薄膜形成室(6)内に配設された基板(3)上に金属酸
    化物薄膜(4)を形成するCVD薄膜形成方法であっ
    て、 酸素を分子内に有する金属化合物ガス(g1)のみを前
    記薄膜形成室(6)内に供給して、前記基板(3)と前
    記金属化合物ガス(g1)とを馴染ませる第一工程と、 前記第一工程にひき続いて前記薄膜形成室(6)内に、
    前記複数種の金属化合物ガス(g1)と前記酸化性ガス
    (g2)を供給して薄膜を形成する第二工程を備えたC
    VD薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記第一行程において、高融点金属を含
    有する前記金属化合物ガスを先に供給して前記基板表面
    上に熱拡散防止層(51)を形成した後、前記複数種の
    金属化合物ガスのみを供給して、結晶成長のための初期
    核層(52)を形成する請求項1記載のCVD薄膜形成
    方法。
  3. 【請求項3】 前記熱拡散防止層(51)が酸化チタン
    (TiOa 、a=1.0 〜2.0)層であるととも
    に、前記初期核層(52)が鉛とチタンの複合酸化物
    (PbxTiyz、x=0〜1.0、y=0〜1.0、
    z=1.0〜3.0)である請求項2記載のCVD薄膜
    形成方法。
  4. 【請求項4】 前記複数種の金属化合物ガス(g1)
    が、金属元素として鉛(Pb)、バリウム(Ba)、ス
    トロンチウム(Sr)、タンタル(Ta)、チタン(T
    i)、ジルコニウム(Zr)から選ばれる一種以上の金
    属元素を含む有機金属化合物ガスで、前記酸化性ガスが
    酸素又はオゾンであり、前記金属酸化物薄膜がペロブス
    カイト構造を有する強誘電体薄膜である請求項1記載の
    CVD薄膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記薄膜形成室(6)に、前記薄膜形成
    対象の基板上方の空間にレーザー光(2)を照射するレ
    ーザー光照射手段(12)を備え、薄膜形成用のエネル
    ギーが前記レーザー光(2)からも供給される請求項1
    記載のCVD薄膜形成方法。
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