JP4536607B2 - 成膜方法およびコンピュータ記憶媒体 - Google Patents

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Description

本発明は一般に半導体装置の製造に係り、特に強誘電体膜の成膜方法に関する。
強誘電体キャパシタに情報を、自発分極の形で保持するいわゆる強誘電体メモリは、電圧駆動される高速不揮発性メモリであり、メモリカードをはじめとする様々な用途に使用されている。このような強誘電体メモリでは、典型的にはPZTよりなるペロブスカイト構造の金属酸化膜を、安定に制御性良く形成する技術が要求される。
特開2003−324101号公報 特開2002−334875号公報 特開2002−57156号公報
PZT(Pb(Zr,Ti)O3)などのいわゆるペロブスカイト膜は正方晶系に属し、強誘電性を特徴づける自発分極は、結晶格子中、ZrやTi原子のc軸方向への変位により誘起される。そこで、このようなペロブスカイト膜を使って強誘電体キャパシタのキャパシタ絶縁膜を形成する場合、強誘電体膜を構成する個々の結晶粒のc軸方向は、電界が印加される方向に平行な方向、従ってキャパシタ絶縁膜の面に対して垂直な方向に配向するのが理想的である((001)配向)。これに対し、前記c軸が前記キャパシタ絶縁膜の面内に配向した場合には(100配向)、キャパシタに駆動電圧を印加しても、所望の自発分極を誘起することはできない。
従来のPZT膜では、正方晶系とは言っても、c軸とa軸の差はわずかであり、このため通常の製法で形成したPZT膜では、(001)配向した結晶粒と(100)配向した結晶粒がほぼ同数発生し、その他の方位のものも発生することを考えると、実際に強誘電体キャパシタの動作に寄与する結晶の割合はわずかであった。
従来、強誘電体メモリ素子に使われるPZT膜は、スパッタリングにより形成されるのが一般的であったが、このようなスパッタリングにより形成されるPZT膜では、下地膜組成を制御して膜中の結晶粒を全体として<111>方向に配向させる((111)配向)ことが行われていた。また前記特許文献1では、MOCVD法により、(111)配向したペロブスカイト膜を形成する技術が記載されている。
本発明では、MOCVD法によりPZT膜を成膜する際に、核生成工程を制御することにより、(001)配向のPZT膜を得る成膜方法を提供する。
また本発明は、MOCVD法によりPZT膜を成膜する際に、核生成工程からPZT膜成膜工程への移行を制御することにより、PZT膜成膜初期の組成の揺らぎを抑制できる成膜方法を提供する。
さらに本発明は、MOCVD法によりPZT膜を成膜する際に、PZT膜表面において生じやすいPbO結晶の異常成長を抑制できる成膜方法を提供する。
本発明は上記の課題を、
下部電極層上にペロブスカイト構造の強誘電体膜を形成する成膜方法であって、
前記下部電極層上にTiOxよりなる核生成層をMOCVD法により形成する工程と、
前記核生成層上に前記ペロブスカイト構造の強誘電体膜をMOCVD法により形成する工程と、を含み、
前記核生成層を形成する工程は、前記下部電極層上にTiの液体有機金属原料を、溶媒と共に気化器において気化させて供給する第1の工程よりなり
前記強誘電体膜を形成する工程は、前記核生成層上にPbの液体有機金属原料と、前記Tiの液体有機金属原料と、Zrの液体有機金属原料とを、前記溶媒と共に前記気化器において気化させて供給しPb(Zr,Ti)O3膜を形成する第2の工程よりなり、
前記第1の工程において前記気化器に供給される前記Tiの液体有機金属原料と前記溶媒の流量の総和は、前記第2の工程において前記気化器に供給される前記Pb、TiおよびZrの各液体有機金属原料と前記溶媒の流量の総和に等しく設定され、
前記第2の工程は、前記第1の工程に引き続き、直ちに実行され、
前記第1および第2の工程において、前記Pb,Ti,Zrの各液体有機金属原料は前記気化器に、それぞれの液体質量流量コントローラを介して供給され、
前記第2の工程においては、最も流量の少ない液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの流量設定が、他の液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの流量設定に先立って変化されることを特徴とする成膜方法により、または
実行されるとき、汎用コンピュータが、堆積装置を制御するソフトウェアを記録したコンピュータ記憶媒体であって、
前記ソフトウェアは前記堆積装置に、下部電極層上にペロブスカイト構造の強誘電体膜を形成する成膜方法を実行させ、前記成膜方法は、
前記下部電極層上にTiOxよりなる核生成層をMOCVD法により形成する工程と、
前記核生成層上に前記ペロブスカイト構造の強誘電体膜をMOCVD法により形成する工程と、を含み、
前記核生成層を形成する工程は、前記下部電極層上にTiの液体有機金属原料を、溶媒と共に気化器において気化させて供給する第1の工程よりなり
前記強誘電体膜を形成する工程は、前記核生成層上にPbの液体有機金属原料と、前記Tiの液体有機金属原料と、Zrの液体有機金属原料とを、前記溶媒と共に前記気化器において気化させて供給しPb(Zr,Ti)O3膜を形成する第2の工程よりなり、
前記第1の工程において前記気化器に供給される前記Tiの液体有機金属原料と前記溶媒の流量の総和は、前記第2の工程において前記気化器に供給される前記Pb、TiおよびZrの各液体有機金属原料と前記溶媒の流量の総和に等しく設定され、
前記第2の工程は、前記第1の工程に引き続き、直ちに実行され、
前記第1および第2の工程において、前記Pb,Ti,Zrの各液体有機金属原料は前記気化器に、それぞれの液体質量流量コントローラを介して供給され、
前記第2の工程においては、最も流量の少ない液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの流量設定が、他の液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの流量設定に先立って変化されることを特徴とするコンピュータ記憶媒体により、解決する。
本発明によれば、下部電極層上にペロブスカイト構造の強誘電体膜を形成する成膜方法を、前記下部電極層上にTiOxよりなる核生成層をMOCVD法により形成する工程と、前記核生成層上に前記ペロブスカイト構造の強誘電体膜をMOCVD法により形成する工程と、により実行し、その際、前記核生成層を形成する工程において前記TiOx層を、5nm以上、好ましくは8nm以上の厚さに形成することにより、形成される強誘電体膜を(001)配向とすることができ、膜面に垂直方向に大きな自発分極を形成することが可能となる。さらにこのようにTiOx核生成層を5nmを超えて、好ましくは8nm以上の膜厚に形成することにより、前記強誘電体膜表面における異常結晶成長が抑制され、キャパシタ電極の形成に適した平坦な表面が得られる。
さらに本発明によれば、核生成層形成後、強誘電体膜の堆積を直ちに開始することにより、核生成された被処理基板が堆積装置の処理容器中に、強誘電体膜の堆積が開始されるまでの間放置され、表面が不純物で汚染される問題を回避することが可能となる。その際、強誘電体膜の堆積にあたり、前記各種液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの設定を、核生成層形成後、強誘電体膜の堆積が開始されても、溶媒まで含めた気化器に供給される全有機金属原料の総流量が変化しないように設定することにより、被処理基板表面への安定な気相有機金属原料の供給が可能になる。特に、最も流量が少ない液体有機金属原料に対応する液体質量流量コントローラの設定を他の液体有機金属原料の液体質量流量コントローラの設定よりも早く変化させることにより、気化器で気化された各種有機金属原料を前記堆積装置の処理容器に同時に導入することが可能となり、強誘電体膜堆積の初期における組成のずれを最小限に抑制することが可能になる。
図1は、本発明で使われる有機金属CVD装置10の構成を示す。
図1を参照するに、前記有機金属CVD装置10はシャワーヘッド11Aを備えた処理容器11を有し、前記処理容器11中には被処理基板Wを保持するサセプタ11Bが設けられている。また前記処理容器11は真空ポンプ12により、冷却トラップ12Aを介して排気されるとともに、ドレインタンク12Cも真空ポンプ12により排気される。
さらに前記処理容器11にはライン13より、質量流量コントローラ13Aおよびバルブ13B,13Cを介して酸素(O2)、オゾン(O3)、N2O、NO2などの酸化ガスが供給され、気化器14より、ライン14Aおよびバルブ14Bを介して気相有機金属原料が、Ar,Heなどのキャリアガスと共に供給される。また前記気化器14はライン14Cおよびバルブ14Dを介して前記冷却トラップ12Aに接続されており、前記気化器14中で形成された気相有機金属原料は、前記処理容器11に供給されない場合には、前記バルブ14Dおよびライン14Cを介してトラップ12Aに廃棄されている。
前記気化器14はライン15よりバルブ15Aを介してHe,Arあるいは窒素などの不活性ガスを噴霧ガスとして供給される噴霧ノズル14aを備え、前記噴霧ノズル14aにはさらにマニホールドを構成するライン16が、バルブ16A,16Bを介して接続されている。
前記ライン16には溶媒を保持するタンク17Aがライン18Aおよび液体質量流量コントローラ19Aを介して接続されており、またこれに並列に、それぞれPb、ZrおよびTiの液体有機金属原料を保持するタンク17B、17C,17Dが、それぞれライン18B,18C,18Dおよび液体質量流量コントローラ19B,19C,19Dを介して接続されている。
前記タンク17A〜17Dの各々には、ライン18よりHe,Arなどの不活性ガスあるいは窒素ガスなどの圧送ガスが供給されており、前記Pb、ZrおよびTiの液体有機金属原料は前記タンク17A中の溶媒と共に、それぞれのライン18A〜18Dおよび対応する液体質量流量コントローラ19A〜19Dを介して、前記ライン16からバルブ16Aを通って前記噴霧ノズル14aに供給される。
本実施例では、前記Pb,ZrおよびTiの液体有機金属原料としてそれぞれPb(DPM)2,Zr(O−i−Pr)(DPM)3,Ti(O−i−Pr)2(DPM)2を酢酸ブチル中に溶解したものを、前記タンク17B〜17D中に保持している。また前記溶媒タンク17A中には酢酸ブチルを保持している。
その際、前記ライン16の端部にはバルブ16BよりHe,Arなどの不活性ガスあるいは窒素ガスがキャリアガスとして供給され、前記ライン16中の各種液体原料は、溶媒共々、前記噴霧ノズル14aに確実に給送され、気化器14において気化することにより、気相有機金属原料に変換される。
このようにして気化器14において形成された気相有機金属原料は、通常はバルブ14Dおよびバイパスライン14Cを介して冷却トラップ12Aに廃棄されるが、前記バルブ14Bを開き前記バルブ14Dを閉じると前記ライン14Aからシャワーヘッド11Aを介して処理容器11中に導入され、前記被処理基板W上に強誘電体膜の堆積を生じる。
図2は、図1の有機金属MOCVD装置10の動作フローチャートを、図3(A)〜(C)は、図2のフローチャートに対応して図1の有機金属MOCVD装置10を用いたPZT膜の成膜例を示す。
図2を参照するに、最初にバルブ13C,14Bが閉じられ、前記処理容器11が真空ポンプ12により真空排気される。この状態でステップ1が実行され、Ir下部電極が形成されたシリコン基板が前記処理容器11中に導入され、被処理基板Wとしてサセプタ11B上に保持される。なおステップ1においては、前記液体質量流量コントローラ19A〜19Dは流量ゼロに設定されている。また被処理基板Wは、前記サセプタ11B上において600℃の基板温度に保持されている。
次にステップ2において前記液体質量流量コントローラ19Aおよび19Dが、前記気化器14への全流量が1.2ml/分になる所定の流量値に設定され、前記タンク17A中の溶媒およびタンク17D中のTi有機金属原料が、前記ライン16を通って気化器14に給送され、気化されてTiの気相原料が形成される。ただし前記ステップ2の状態ではバルブ14Bが閉じられバルブ14Dが開かれているため、このようにして生成されたTiの有機金属原料ガスは、そのままバイパスライン14Cを通って冷却トラップ12Aに送られる(プリフロー)。これにより、Tiの気相原料を前記処理容器11に、安定な流量で供給するための手順である。
なお、先のステップ1の工程では、前記気化器14に給送される液体有機金属原料の流量は、前記液体質量流量コントローラ19B〜19Dによりゼロに設定され、溶媒が所定流量、例えば1.2ml/分の流量で定常的に供給される。これにより、前記気化器14において、前記液体有機金属原料の噴霧および気化が安定になされる。また、このように溶媒を継続的に気化器14に供給することにより、気化器ノズルや気化器内部、さらにライン16の内部が洗浄される。
一方、このプリフロー工程では、前記酸化ガスのバルブ13B,13Cは開放され、酸素ガスが前記質量流量コントローラ13Aにより、処理容器11に、2000SCCMの流量で供給される。その際、前記処理容器11の排気を、前記処理容器11とトラップ12Aとの間に設けたAPC(オートプレッシャーコントローラ)12Bを、前記処理容器11の内部圧力に応じて制御することにより、前記処理容器11の内部は、所定の、たとえば533.3Paの処理圧に設定されている。
次にステップ3の工程において前記バルブ14Bが開放されバルブ14Dが閉じられ、前記気化器14において生成されていたTiの気相有機金属原料は前記バルブ14Bを介してシャワーヘッド11Aに供給され、前記シャワーヘッド11Aから前記ライン13中の酸化ガスと共に、前記処理容器11中に導入される。ここで、前記シャワーヘッド11Aは、いわゆるポストミックス型のシャワーヘッドであり、前記Tiの気相有機金属原料と酸化ガスとは、前記シャワーヘッド11A中を別々の経路で搬送される。
これにより、前記処理容器11中においては図3(A)に示すように、シリコン基板(図示せず)上に形成されたIr下部電極21上に、TiOx膜22が形成される。
次に図2のステップ4の工程において再び前記バルブ14Bが閉じられ、バルブ14Dを開くことにより、前記気化器14で形成された気相有機金属原料が、バイパスライン14Cを介して冷却トラップ12Aに廃棄される(プリフロー)。
このステップ4においては、この間に前記PbおよびZrの液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラ19Bおよび19CがPZT膜の成膜のための所定の流量値に設定され、さらにTiの液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラ19Dの値が、PZT膜の成膜に対応した所定の流量値に設定される。その際、前記液体質量流量コントローラ19Aも、前記気化器14への全流量が1.2ml/分となるように所定流量値に設定され、前記タンク17A中の溶媒が前記ライン16を介して気化器14に供給される。
その結果、前記気化器14においてはPbの気相有機金属原料、Zrの気相有機金属原料およびTiの気相有機金属原料は、前記バイパスライン14Cを介して冷却トラップ12Aに廃棄され、これにより、前記処理容器11への安定な気相原料供給が可能となる。
次にステップ5において前記バルブ14Bが開放され、バルブ14Dが閉じられることにより、前記気化器14中において形成されているPbの気相有機金属原料、Zrの気相有機金属原料およびTiの気相有機金属原料が前記シャワーヘッド11Aに供給され、これにより、図3(B)に示すように前記Ir電極21上のTiOx核生成層22上にPb,Zr,Tiが堆積し、図3(C)に示すようにPZT膜23が成膜される。
さらにステップ5の成膜工程を継続することにより、前記PZT膜23からPbが前記TiOx核生成層22に拡散し、これをPTO(PbTiO3)膜22Aに変換する。
前記ステップ5の工程の後、ステップ6において液体質量流量コントローラ19B〜19Dの流量がゼロに設定され、前記処理容器11への有機金属原料の供給が停止される。またこれに伴い、液体質量流量コントローラ19Aの設定が変更され、その結果、前記気化器14に前記溶媒のみが1.2ml/分の流量で供給され、前記気化器14の噴霧ノズル14aあるいは気化器14内部の洗浄が行われる。その際、前記バルブ14Bを閉鎖し、バルブ14Dを開放することにより、このようにして前記気化器14において気化した溶媒は、前記処理容器11を迂回し、前記バイパスライン14Cを介して排気される。
さらに前記ステップ5では、前記質量流量コントローラ13Aの流量がゼロに設定されると同時にバルブ13B,13Cが閉じられ、前記処理容器11への酸化ガスの供給が遮断される。
またこの状態で前記処理容器11は、別に設けられたパージライン(図示せず)からのHeやArなどの不活性ガスにより、パージされる。
さらにステップ7において前記処理容器11への不活性パージガスの供給は停止され、さらに前記APC12Bを全開することにより、前記処理容器11が真空引きされる。
図4は、前記PZT膜23を様々な厚さのTiOx核生成層22に対して形成した場合の、X線回折測定結果を示す。
図4を参照するに、前記TiOx核生成層22を形成しなかった場合には、PZT膜23中に(001)配向方位を有するPZT結晶と(100)配向方位を有するPZT結晶とがほぼ同数形成され、一方、前記TiOx核生成層22を2nmの膜厚に形成した場合には、主に(100)配向のPZT結晶がPZT膜23中に形成されるのがわかる。これらの場合には、PZT膜の強誘電性に寄与する(001)配向のPZT結晶が少ないため、得られたPZT膜23は望ましい強誘電性を示さない。
これに対し、前記TiOx核生成層22の膜厚を5nmまで増加させるとPZT(100)面からの回折が減少し、さらに前記TiOx核生成層22の膜厚を8nmまで増加させると、PZT(001)面からの回折が増加するのがわかる。
図5は、図4のX線回折パターンに基づいて、PZT膜23中のPZT(001)面配向度を、前記TiOx核生成層22の厚さの関数として示した図である。ただし図5において、縦軸のPZT(001)面配向度は、図4のPZT(100)面の回折強度PZT(100)およびPZT(001)面の回折強度PZT(001)を使って、PZT(001)/(PZT(100)+PZT(001))と定義している。
図5より、前記TiOx核生成層22の膜厚が2nmの場合に前記PZT(001)面配向度は最低になるが、その後前記TiOx核生成層22の膜厚が増大するにつれて増加に転じ、約5nm以上で略0.5を超え、特に前記膜厚が8nmを超えると配向度は0.7近くに達し、PZT膜23中の大部分のPZT結晶が(001)配向を示すことがわかる。
さらに前記TiOx核生成層22の膜厚を8nmを超えて増大させることにより、前記PZT膜23中のPZT結晶の(001)方向への配向をさらに高めることが可能となる。
図6(A),(B)および図7(C),(D)は、このようにして形成されたPZT膜23の表面SEM写真を示す。ただし図6(A)は前記TiOx核生成層22を形成せずにPZT膜23を形成した場合のPZT膜23の表面状態を、図6(B)は、前記TiOx核生成層22を2nmの膜厚に形成した場合のPZT膜23の表面状態を、図7(C)は、前記TiOx核生成層22を5nmの膜厚に形成した場合のPZT膜23の表面状態を、さらに図7(D)は、前記TiOx核生成層22を8nmの膜厚に形成した場合のPZT膜23の表面状態を示す。
図6(A)〜図7(D)を参照するに、前記TiOx核生成層22の膜厚が2nmの場合、図6(B)に示すように形成されたPZT膜23の表面に結晶の異常成長が見られるのがわかる。同様な異常成長は、図7(C)に示す、TiOx核生成層22の膜厚が5nmの場合にも観察される。
一方、前記TiOx核生成層22を形成しなかった図6(A)の場合には、PZT膜23が粗粒結晶の集合体となっており、粗い表面が生じているのがわかる。このようなPZT膜23では、表面に上部電極を形成した場合、電界集中が生じやすく、これに伴ってリーク電流が生じやすい問題が生じる。
これに対し、図7(D)に示す、TiOx核生成層22の膜厚が8nmの場合には、PZT膜23の表面における異常成長した巨大結晶の存在は認められず、またPZT膜は、上部電極を形成するのに適した平坦な表面を有するのがわかる。
図8は、前記図6(A)〜7(D)のPZT膜について、PbOの回折ピークの有無を調べた結果を示すX線回折パターンである。
図8を参照するに、TiOx核生成層22の膜厚が2nmあるいは5nmの場合、PZT膜23からの回折パターン中にPbOxの回折ピークが含まれているのがわかる。これは、図6(B)あるいは図7(C)のSEM写真で観察された巨大結晶が、異常成長したPbOxであることを示している。
一方、このような異常成長が見られない図6(A)あるいは図7(D)の試料では、PbOxの回折ピークも観察されていない。
このように、MOCVD法により、PZT膜を(001)面方位で形成する場合には、核生成層としてTiOx膜を、5nmを超えて、好ましくは8nm以上の膜厚に形成し、前記PZT膜を、このようなTiOx膜上に形成するのが好ましいことが結論される。

[第2実施例]
先の実施例では、図2のフローチャートに示したように、ステップ3においてTiOx核生成層22を形成した後、ステップ4においてプリフローを行い、気相有機金属原料の供給を安定化させてから、ステップ5のPZT膜の成膜工程を行っていた。
しかし、この場合、前記ステップ4のプリフローの間中、被処理基板Wは処理容器11中に保持されたままで、処理容器11の器壁などに付着したPbなど揮発性の不純物による汚染を受けやすい。
これに対し図9は、本発明の第2実施例による、図1のMOCVD装置10を使ったPZT膜の成膜シーケンスを示すフローチャートである。ただし図9中、先に説明したステップに対応するステップには同一の符号を付し、説明を省略する。
図9を参照するに、本実施例においてはステップ3のTiOx核生成層22の形成工程の後、先の図2のプロセスにおけるステップ4のプリフローを行わず、直接にステップ15においてPZT膜23の形成を行う。
このステップ15のPZT膜形成工程では、図1のMOCVD装置10中、液体質量流量コントローラ19A〜19Dの各々が、PZT膜形成のための流量設定値に設定されるが、液体質量流量コントローラはその特性上、流量値が低い場合に応答が遅れる傾向があり、今の場合には、Zrの液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラ19Cの応答が遅れ気味になる。
図1のMOCVD装置10では、各種液体有機金属原料を供給して気相有機金属原料を形成するのに気化器14が使われるが、かかる気化器14における液体有機金属原料の気化を所定の気相有機金属原料分圧が得られるように行なうためには、その噴霧ノズル14aに供給される液体の総流量が一定である必要がある。そこで、例えば前記液体質量流量コントローラ19B〜19Dの流量設定値を変更して、前記ライン16にそれぞれの液体有機金属原料を所定の流量で供給する場合、同時に溶媒を供給する液体質量流量コントローラ19Aの流量設定値を変更して、溶媒流量を減少させることが行われる。
一方、このような液体有機金属原料供給系において特定の液体有機金属原料、たとえばZrの液体有機金属原料の供給が遅れた場合、図10に示すようにPZT膜の成膜開始時に気化器14に供給される液体の総流量が一時的に減少してしまい、気化により形成される気相有機金属原料の組成比あるいは分圧が、所望のPZT膜を形成するのに適した値からずれてしまう可能性がある。
そこで本実施例では、図11(A)〜(F)のレシピに示すように、TiOx核生成層22の形成後、PZT膜23の成膜を開始する際に、Zr液体金属原料の液体質量流量コントローラ19Cの流量設定変更を、他の液体質量流量コントローラ19A,19Bおよび19Dの流量設定変更よりも早いタイミングで行う。
図11(A)〜(F)を参照するに、図11(A)は、液体質量流量コントローラ19Aにより流量が制御される溶媒の流量変化を、図11(B)は、液体質量流量コントローラ19Bにより流量が制御されるPb液体有機金属原料の流量変化を、図11(C)は、液体質量流量コントローラ19Dにより流量が制御されるTi液体有機金属原料の流量変化を、図11(D)は、液体質量流量コントローラ19Cにより流量が制御されるZr液体有機金属原料の流量変化を示しており、図11(E)は、バルブ14B,14Dの切り替えによる気化器14で形成された気相有機金属原料の、バイパスライン14Cおよび処理容器11のシャワーヘッド11Aとの間での切り替えを示す。さらに図11(F)は、前記ライン13を介して処理容器11中に導入される酸化ガスの流量を示している。
また図11(A)〜(F)中、横軸の(1)は、図9中、ステップ1の真空引き工程に対応し、(2)は図9中、ステップ2のプリフロー工程に対応し、(3)は図9中、ステップ3のTiOx核生成層形成工程に対応し、(4)は図9中、ステップ15のPZT膜成膜工程に対応し、(5)は図9中、ステップ6のパージ工程に対応し、さらに(6)は図9中、ステップ7の真空引き工程に対応する。
図11(A)を参照するに、タンク17A中の溶媒は、真空引き工程(1)の間は気化器14に、液体質量流量コントローラ19Aにより例えば1.2ml/分の流量で供給されているが、30秒間の真空引き工程の後、プリフロー工程(2)において図11(C)に示すようにTiの液体有機金属原料の供給が、例えば0.25ml/分の流量で開始されると、図11(A)において、その分だけ液体質量流量コントローラ19Aの流量設定値が減少され、溶媒流量が例えば0.95ml/分の値に設定される。またこれと同時に、バルブ13B,13Cが開放され、質量流量コントローラ13Aを介して酸化ガスが2000SCCMの流量で、前記シャワーヘッド11Aに供給される。前記酸化剤の供給は、(5)のパージ工程が終了するまで継続される。
この状態で前記プリフロー工程(2)は120秒間継続され、次いでTiOx核生成層形成工程(3)においてバルブ14B,14Dが切替えられて、Tiの気相有機金属原料が前記シャワーヘッド11Aから処理容器11内に、図11(E)に示すように導入される。
前記核生成工程は、図示の例では50秒間継続され、TiOx核生成層22が、例えば5nmの膜厚に形成される。
その後、PZT膜成膜工程(4)の開始と共に、前記液体質量流量コントローラ19A,19B,19C,19Dが制御され、Pbの液体有機金属原料が、図11(B)に示すように0.35ml/分の流量で、Tiの液体有機金属原料が、図11(C)に示すように0.25ml/分の流量で、さらに図11(D)に示すようにZrの液体有機金属原料が、図11(D)に示すように0.29ml/分の流量で、それぞれ供給される。またこれに伴い、図11(A)に示すように前記溶媒の流量が0.31ml/分に減少され、気化器14に供給される液体の総流量が1.20ml/分に維持される。
その際、図11(D)に示すように、流量が少なく供給が遅れがちなZrの液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラ19Cでは、流量設定のタイミングを他の液体質量流量コントローラ19A,19B,19Dに対して2秒間早めている。
これにより、図12に矢印で示すようにシャワーヘッド11AへのPb,Zr,Tiの気相有機金属原料の供給は実質的に同時に生じ、形成されるPZT膜23の組成変化を最小限に抑制できると同時に、前記気化器14に供給される液体原料の総流量の変動を最小限に抑制することが可能となる。

[第3実施例]
図13は、図1のMOCVD装置10を制御して、例えば図2の成膜プロセスあるいは図9,11の成膜プロセスを実行させる制御装置100の構成を示す。
図13を参照するに、制御装置100はシステムバス101を備えた汎用コンピュータであり、前記システムバス101に接続されて図1のMOCVD装置10の各部を制御するインターフェースカード102を有している。
より具体的に説明すると、前記システムバス101には前記インターフェースカード102の他に、CPU103、メモリ104、ROM105、ネットワークインターフェース106、キーボードやマウス、CDROMドライブなどの入出力デバイス、ハードディスクドライブ108、グラフィックカード109などが接続されており、前記入出力デバイス107はMOCVD装置10の制御プログラムを記憶した光ディスクあるいは磁気ディスク110から前記制御プログラムを読み取り、ハードディスクドライブ108に格納する。
そこで前記CPU103は、前記ROM105中に記憶されたシステム制御プログラムに従って前記ハードディスク108から前記制御プログラムを読出し、これをメモリ104に展開する。さらにCPU103は、前記メモリ104に展開されたプログラムを実行し、前記インターフェースカード102を介して、前記MOCVD装置10を、前記図2,9のプログラムあるいは図11のレシピに従って制御すると共に、前記グラフィックカード109を介してモニタ(図示せず)にオペレータのための情報を、必要に応じて表示する。
もちろん、図13のコンピュータにおいて、前記プログラムはネットワークからネットワークインターフェース106を介して与えられるものであってもよい。
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において、様々な変形・変更が可能である。
例えば本発明は、PZTにLa,Ca,Nbなどの元素をドープしたPLZT,PCZT,PNZTなどの膜に対しても適用可能である。また本発明においては、TiOxを利用したPTO核付けを行っているので成膜温度を低減することが可能で、実施例で説明した600℃の温度よりも低い、例えば550〜600℃、場合によっては450〜550℃の基板温度においても本発明を適用することができる。もちろん、基板温度を600℃以上に設定した場合でも、本発明は適用可能である。
さらに本発明の実施例では、有機金属原料として、Pb(DPM)2,Zr(O−i−Pr)(DPM)3,Ti(O−i−Pr)2(DPM)2を酢酸ブチル中に溶解した原料を使ったが、本発明はこれら特定の原料に限定されるものではなく、他の有機金属原料、例えばZr(O−i−Pr)2(DPM)2,Zr(DPM)4,Zr(O−t−Bu)4,Ti(O−i−Pr)4などを使うことも可能である。
さらに本実施例では下部電極にIrを使っているが、本発明はかかる特定の下部電極に限定されるものではなく、PtやRuなどの白金族元素などの金属、さらにはIrO2,SrRuO3などの導電性酸化物を使うことも可能である。
本発明で使われるMOCVD装置の構成を示す図である。 本発明の第1実施例による成膜方法を説明するフローチャートである。 (A)〜(C)は、図2のフローチャートに対応したPZT膜の成膜工程を示す図である。 本発明の第1実施例によるPZT膜のX線回折パターンを示す図である。 本発明の第1実施例による、PZT膜の配向とTiOx核生成層の膜厚との関係を示す図である。 (A),(B)は、本発明の第1実施例によりえられたPZT膜のSEM写真を示す図(その1)である。 (C),(D)は、本発明の第1実施例によりえられたPZT膜のSEM写真を示す図(その2)である。 本発明の第1実施例によるPZT膜におけるPbO異常成長の有無を示すX線回折パターンを示す図である。 本発明の第2実施例による成膜方法を示すフローチャートである。 図9のフローチャートにおいて生じうる問題点を説明する図である。 (A)〜(F)は、本発明第2実施例による成膜レシピの例を示す図である。 図11の成膜レシピの効果を示す図である。 本発明の第3実施例による汎用コンピュータの構成を示す図である。
符号の説明
10 MOCVD装置
11 処理容器
11A シャワーヘッド
11B サセプタ
12 排気ポンプ
12A 冷却トラップ
12C ドレインタンク
13 酸化ガス供給ライン
13A 質量流量コントローラ
13B,13C バルブ
14 気化器
14A 気相原料供給ライン
14B,15A,16A,16B,16C バルブ
14C バイパスライン
14D バイパスバルブ
14a 噴霧ノズル
15 噴霧ガスライン
16,18A〜18D 液体原料供給ライン
17A〜17D 液体原料タンク
19A〜19D 液体質量流量コントローラ
21 Ir下部電極
22 TiOx核生成層
22A PTO膜
23 PZT膜
100 汎用コンピュータ
101 システムバス
102 インターフェースカード
103 CPU
104 メモリ
105 ROM
106 ネットワークインターフェース
107 入出力デバイス
108 ハードディスクドライブ
109 グラフィックカード
110 記憶媒体

Claims (12)

  1. 下部電極層上にペロブスカイト構造の強誘電体膜を形成する成膜方法であって、
    前記下部電極層上にTiOxよりなる核生成層をMOCVD法により形成する工程と、
    前記核生成層上に前記ペロブスカイト構造の強誘電体膜をMOCVD法により形成する工程と、を含み、
    前記核生成層を形成する工程は、前記下部電極層上にTiの液体有機金属原料を、溶媒と共に気化器において気化させて供給する第1の工程よりなり
    前記強誘電体膜を形成する工程は、前記核生成層上にPbの液体有機金属原料と、前記Tiの液体有機金属原料と、Zrの液体有機金属原料とを、前記溶媒と共に前記気化器において気化させて供給しPb(Zr,Ti)O3膜を形成する第2の工程よりなり、
    前記第1の工程において前記気化器に供給される前記Tiの液体有機金属原料と前記溶媒の流量の総和は、前記第2の工程において前記気化器に供給される前記Pb、TiおよびZrの各液体有機金属原料と前記溶媒の流量の総和に等しく設定され、
    前記第2の工程は、前記第1の工程に引き続き、直ちに実行され、
    前記第1および第2の工程において、前記Pb,Ti,Zrの各液体有機金属原料は前記気化器に、それぞれの液体質量流量コントローラを介して供給され、
    前記第2の工程においては、最も流量の少ない液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの流量設定が、他の液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの流量設定に先立って変化されることを特徴とする成膜方法。
  2. 前記核生成層を形成する工程は、前記TiOx層を、5nmを超える厚さに形成する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
  3. 前記TiOx層は、8nm以上の厚さに形成されることを特徴とする請求項記載の成膜方法。
  4. 前記下部電極層は、Ir電極膜よりなることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか一項記載の成膜方法。
  5. 前記強誘電体膜を形成する工程は、前記TiOx膜をPbTiO3膜に変換することを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか一項記載の成膜方法。
  6. 前記最も流量の少ない液体有機金属原料は、Zrの液体有機金属原料であり、前記Zrの液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの流量設定は、他の液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの流量設定の2秒前に変化させられることを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか一項記載の成膜方法。
  7. 実行されるとき、汎用コンピュータが、堆積装置を制御するソフトウェアを記録したコンピュータ記憶媒体であって、
    前記ソフトウェアは前記堆積装置に、下部電極層上にペロブスカイト構造の強誘電体膜を形成する成膜方法を実行させ、前記成膜方法は、
    前記下部電極層上にTiOxよりなる核生成層をMOCVD法により形成する工程と、
    前記核生成層上に前記ペロブスカイト構造の強誘電体膜をMOCVD法により形成する工程と、を含み、
    前記核生成層を形成する工程は、前記下部電極層上にTiの液体有機金属原料を、溶媒と共に気化器において気化させて供給する第1の工程よりなり
    前記強誘電体膜を形成する工程は、前記核生成層上にPbの液体有機金属原料と、前記Tiの液体有機金属原料と、Zrの液体有機金属原料とを、前記溶媒と共に前記気化器において気化させて供給しPb(Zr,Ti)O3膜を形成する第2の工程よりなり、
    前記第1の工程において前記気化器に供給される前記Tiの液体有機金属原料と前記溶媒の流量の総和は、前記第2の工程において前記気化器に供給される前記Pb、TiおよびZrの各液体有機金属原料と前記溶媒の流量の総和に等しく設定され、
    前記第1および第2の工程において、前記Pb,Ti,Zrの各液体有機金属原料は前記気化器に、それぞれの液体質量流量コントローラを介して供給され、
    前記第2の工程は、前記第1の工程に引き続き、直ちに実行され、
    前記第2の工程においては、最も流量の少ない液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの流量設定が、他の液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの流量設定に先立って変化されることを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
  8. 前記核生成層を形成する工程は、前記TiOx層を5nmを超える厚さに形成する工程を含むことを特徴とする請求項7記載のコンピュータ記憶媒体。
  9. 前記TiOx層は、8nm以上の厚さに形成されることを特徴とする請求項8記載のコンピュータ記憶媒体。
  10. 前記下部電極層は、Ir電極膜よりなることを特徴とする請求項7〜9のうち、いずれか一項記載のコンピュータ記憶媒体。
  11. 前記強誘電体膜を形成する工程は、前記TiOx膜をPbTiO3膜に変換することを特徴とする請求項7〜10のうち、いずれか一項記載のコンピュータ記憶媒体。
  12. 前記最も流量の少ない液体有機金属原料は、Zrの液体有機金属原料であり、前記Zrの液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの流量設定は、他の液体有機金属原料を供給する液体質量流量コントローラの流量設定の2秒前に変化させられることを特徴とする請求項7〜11のうち、いずれか一項記載のコンピュータ記憶媒体。
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