JP4300765B2 - 配向性強誘電体薄膜素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は強誘電体薄膜素子に関し、詳しくは、焦電素子やマイクロアクチュエータ、小型圧電素子などに応用することが可能な配向性強誘電体薄膜素子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、単結晶基板上へのPbTiO3、(Pb,La)TiO3(PLT)、PZT、PLZT、Pb(Mg、Nb)O3(PMN)などの鉛系ペロブスカイト化合物の配向薄膜形成が盛んに研究されつつある。これは、残留分極の大きなPZT、PLZT等のPb系ペロブスカイト化合物を配向成長することができれば、自発分極軸を1方向に揃えることができて、より大きな焦電特性や圧電特性を得ることが可能になり、デバイス応用も飛躍的に広まることから、このような技術の開発が切望されていることによる。
【0003】
特に、圧電性を応用したアクチュエーター、カンチレバー構造を有するプローブ顕微鏡の探針やバリキャップ、スイッチ、焦電性を応用した焦電センサーなどにおいては、電気的特性が良好であり、かつ膜厚が1μm以上の高品位の配向性のPb系ペロブスカイト化合物が求められている。
【0004】
しかし、以下の理由から、膜厚が1μm以上の高品位な配向性強誘電体酸化物薄膜を得ることは困難であった。
すなわち、一般に、多結晶薄膜は膜厚が厚くなると、結晶粒成長が進行するため、表面モフォロジーが劣化し、薄膜組織は粗くなるという問題がある。そして、表面モフォロジーが劣化し、薄膜組織が粗くなると、絶縁抵抗の低下などの電気的特性の劣化を引き起こすという問題点がある。特に、膜厚が1μm以上になるとその傾向は顕著になり、その焦電性や圧電性をデバイスに応用するにあたって、必要とされる電気特性を十分に発揮させることが困難であった。
【0005】
また、結晶性の改善により電気特性を向上させようとして、成膜温度を高くすると、同時に結晶粒成長が促進されるため、表面モフォロジーが劣化し、薄膜組織が粗くなるという問題が発生する。表面モフォロジーの劣化は微細加工性の悪化につながり、この点からも配向性強誘電体薄膜のデバイスへの応用を困難にしていた。
【0006】
一方、林等は、多結晶Pt/Ti電極を形成したSi基板上に高配向性のPZTを形成することに成功している(Jpn.J.Appl.Phys.Vol35(1996),L4896)。この方法では、ゾル−ゲル法によりPt/Ti/Si基板上に、テンプレート層としてPbTiO3を形成し、その上にPZT膜を配向成長させるようにしている。しかし、この方法によれば、高品位の1軸配向性PZT膜を作製することは可能であるが、ゾル−ゲル法ではアニール処理の段階で膜の収縮が生じるため、膜厚が1μm以上の1軸配向性PZT膜を形成することは困難であった。
【0007】
本発明は、圧電特性をはじめとする電気的特性が良好で、膜厚の大きい高品位の配向性強誘電体薄膜素子を得ることが困難であるという実情に鑑みてなされたものであり、電気的特性が良好な、膜厚が1μm以上の高品位の配向性強誘電体薄膜素子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明(請求項1)の配向性強誘電体薄膜素子は、
基板と、基板上に形成された導電性薄膜と、導電性薄膜の上に形成された強誘電体薄膜とを具備し、前記強誘電体薄膜は、下記の式(1):
Pb(ZryTi1-y)O3 ……(1)
(ただし、0.1≦y≦0.6)
で表されるPb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体層と、
下記式(2):
Pb(ZrzTi1-z)O3 ……(2)
(ただし、0.0≦z≦0.3,z<(y−0.1))
で表されるPb系ぺロブスカイト酸化物からなる強誘電体中間層とを備えている配向性強誘電体薄膜素子であって、
前記式(1)で表されるPb系ペロブスカイト酸化物からなる前記強誘電体層が複数層構造を有しており、前記強誘電体中間層が前記強誘電体層間に配設されていること
を特徴としている。
【0009】
基板上に形成された導電性薄膜の上に、Pb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体薄膜を形成するとともに、強誘電体薄膜を、上述の式(1)で表されるPb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体層と、上述の式(2)で表されるPb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体中間層(前記強誘電体層とは組成の異なるPb系ペロブスカイト酸化物からなる層)を備えた構成とし、かつ、上記の強誘電体層を複数層構造として、上記の強誘電体中間層を強誘電体層間に配設するようにしているので、圧電特性をはじめとする電気的特性が良好で、膜厚の大きい高品位の配向性強誘電体薄膜素子を得ることが可能になる。
【0010】
すなわち、Pb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体層を複数層構造とし、組成の異なるPbペロブスカイト酸化物からなる強誘電体中間層を強誘電体層間に配設することにより、Pb系ペロブスカイト酸化物(強誘電体薄膜)の結晶粒成長を十分に制御することが可能になり、膜厚が大きく、特性に優れた配向性強誘電体薄膜素子を得ることが可能になる。
【0011】
強誘電体薄膜を構成するPb系ペロブスカイト化合物としては、一般式ABO 3 で表わされるPb系ペロブスカイト化合物であることが好ましい。さらに、強誘電体薄膜は、Pb(ZryTi1-y)O3で表わされるPb系ペロブスカイト酸化物からなるものであることが好ましく、また、yが0.1≦y≦0.6の範囲にあることが好ましい。
【0012】
なお、強誘電体層を構成する、式(1):Pb(Zr y Ti 1- y )O 3 で表わされるPb系ペロブスカイト酸化物において、yを0.1≦y≦0.6の範囲とすることが望ましいのは、yが0.1未満になると、諸持性が良好な強誘電体層が得られなくなり、yが0.6を超えると相転移が生じ結晶性が劣化することによる。
【0013】
さらに、本発明の配向性強誘電体薄膜素子が備えている強誘電体中間層(以下、単に「中間層」ともいう)は、Pb(ZrzTi1-z)O3で表わされるPb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体薄膜であり、zとy(式(1)のZrの係数)が、z<(y−0.1)の要件を満たすものであることが望ましい。また、zは、0.0≦z≦0.3の範囲にあることが望ましい。
なお、本発明においては、基板上に形成された導電性薄膜と、Pb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体層との界面にも強誘電体中間層を形成することが好ましい。
【0014】
また、請求項2の配向性強誘電体薄膜素子は、前記式(1):Pb(ZrzTi1-z)O3で表わされるPb系ペロブスカイト酸化物からなる前記強誘電体層の膜厚が1μm以上、20μm以下であることを特徴としている。
【0015】
前記式(1):Pb(ZrzTi1-z)O3で表わされるPb系ペロブスカイト酸化物からなる前記強誘電体層の膜厚が1μm未満になると焦電特性及び圧電特性などの電気を十分に得ることができず、20μmを超えると結晶性の良好なPb系ペロブスカイト酸化物を得ることが困難になることから、強誘電体層の膜厚は1μm以上、20μm以下とすることが好ましい。
【0016】
また、請求項3の配向性強誘電体薄膜素子は、前記強誘電体中間層が、前記導電性薄膜と、前記式(1):Pb(ZrzTi1-z)O3で表わされるPb系ペロブスカイト酸化物からなる前記強誘電体層との界面に配設されていることを特徴としている。
【0017】
強誘電体中間層が形成される下地の表面モフォロジーが粗くなってしまうと、強誘電体中間層による結晶粒成長を制御する効果が不十分になることから、基板上に形成された導電性薄膜と、Pb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体層との界面には強誘電体中間層が形成されていることが好ましい。
【0018】
また、請求項4の配向性強誘電体薄膜素子は、前記強誘電体中間層が、前記強誘電体層の膜厚100nm当たりに1層以上、20nm当たりに1層以下の割合で配設されていることを特徴としている。
【0019】
強誘電体中間層の層数が、Pb系ペロブスカイト酸化物(強誘電体層)の膜厚100nm当たりに1層より少ないと、その上に成長させるPb系ペロブスカイト酸化物(強誘電体層)の結晶粒成長を十分に制御することができず、20nm当たりに1層より多いと、Pb系ペロブスカイト酸化物(強誘電体層)の結晶性自体が劣化してしまうことから、強誘電体中間層の層数は、Pb系ペロブスカイト酸化物(強誘電体層)の膜厚100nm当たりに1層以上、膜厚20nm当たりに1層以下とすることが好ましい。
【0020】
また、請求項5の配向性強誘電体薄膜素子は、前記基板が、Si、Al2O3、MgO、MgAl2O4、及びダイヤモンドからなる群より選ばれる少なくとも1種の単結晶基板であることを特徴としている。
【0021】
基板として、Si、Al2O3、MgO、MgAl2O4、ダイヤモンドのいずれかの単結晶からなるものを用いることにより、その上に結晶性の良好な金属膜を成長させることが可能になる。
【0022】
また、請求項6の配向性強誘電体薄膜素子は、前記導電性薄膜が、TiNからなるものであるか、又は、Au、Pt、Pd、Rh及びIrからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ、その含有率が50重量%以上の金属からなるものであることを特徴としている。
【0023】
導電性薄膜が、TiNからなるものであるか、又は、Au、Pt、Pd、Rh及びIrのうちの少なくとも1種を含み、その含有率が50重量%以上の金属からなるものである場合、強誘電体層又は強誘電体中間層を構成するPb系ペロブスカイト化合物と格子定数がほぼ等しいため、Pb系ペロブスカイト酸化物が結晶化しやすくなるとともに、上記材料からなる導電性薄膜が、Pb系ペロブスカイト化合物を成膜する高温・高酸素分圧の成膜条件下において安定なため、特性の良好な配向性強誘電体薄膜素子を得ることが可能になる。
【0024】
また、請求項7の配向性強誘電体薄膜素子は、前記強誘電体層及び前記強誘電体中間層を構成するPb系ペロブスカイト酸化物が前記基板に対して、c軸が垂直に1軸配向成長していることを特徴としている。
【0025】
強誘電体層及び中間層を構成するPb系ペロブスカイト酸化物が基板に対して、c軸が垂直に1軸配向成長した構成とした場合、分極軸と電界方向が一致するため、強誘電体薄膜の機能を十分に活用することが可能になる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0027】
[実施例]
図1は本発明の一実施例にかかる配向性強誘電体薄膜素子を示す断面図である。
この配向性強誘電体薄膜素子は、直径が3インチの、結晶Si(100)からなり、表面に多結晶の酸化膜(SiO2)が形成された基板1と、基板1上に形成されたPt−Ti膜(導電性薄膜)2と、導電性薄膜2上に形成されたPb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体薄膜5を備えている。そして、強誘電体薄膜5は複数層の強誘電体層(この実施例ではPb(Zr0.52Ti0.48)O3膜(PZT膜))3と、各強誘電体層3の間に配設されたPb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体中間層(この実施例ではPbTiO3膜)4とを備えた複数層構造を有しており、Pt−Ti膜(導電性薄膜)2と強誘電体層3の間にも強誘電体中間層(PbTiO3膜)4が配設されている。
【0028】
また、この配向性強誘電体薄膜素子においては、強誘電体層3及び強誘電体中間層4は、基板1に対してc軸が垂直に1軸配向成長している。
【0029】
次に、この配向性強誘電体薄膜素子の製造方法について説明する。
(1)まず、基板1として、直径が3インチのSi(100)基板を用意し、これを、アセトン、エタノールなどの有機溶媒中で超音波洗浄する。
ただし、本発明において基板は、Si(100)に限られるものではなく、Si(111)やSi(110)なども使用することが可能である。さらに、ガラス基板や、ダイヤモンドなどの単結晶も使用することが可能である。
【0030】
(2)それから、この表面に多結晶の酸化膜(SiO2)が形成された基板1上に、rfマグネトロンスパッタリング装置を用いて、全圧:0.5Pa(酸素分圧:0.1Pa)、基板温度:300℃の条件で、膜厚50nmのTi薄膜、及び膜厚300nmのPt薄膜を連続して成膜して、Ti膜とその上に形成されたPt膜からなる2層構造の導電性薄膜2を形成する。
なお、Ti薄膜及びPt薄膜は、電子ビーム真空蒸着法、DCスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、ECRスパッタリング法やMOCVD法などにより形成することも可能である。
【0031】
(3)次に、図2に示すようなMOCVD装置を用いて、導電性薄膜2上に、強誘電体層(PZT膜)3と、各強誘電体層3の間に配設されたPb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体中間層(PbTiO3膜)4とを備えた複数層構造の強誘電体薄膜5を形成する。
【0032】
なお、この実施例で用いたMOCVD装置は、図2に示すように、真空ポンプ26により内部を真空吸引することができるように構成された真空容器21を備えており、この真空容器21には、ガス混合器25からのガスを内部に供給するためのガス吹き出しノズル22、基板24を加熱するための基板加熱ヒータ23が配設されている。さらに、このMOCVD装置は、PbのプリカーサであるPb(DPM)2(固体)を気化させるための固体気化器31、ZrのプリカーサであるZr(O-T-C4H9)4(液体)を気化させるための液体気化器32,及びTiのプリカーサであるTi(O-i-C3H7)4(液体)を気化させるための液体気化器33を備えており、固体気化器31、液体気化器32及び33において発生したPb、Zr、Tiの薄膜原料気体はそれぞれ、マスフローコントローラ28,29,30を経て供給されるArガス(キャリアガス)35,36,37により真空容器21まで運ばれるとともに、O2ガス34がマスフローコントローラ27を経て真空容器21に供給されるように構成されている。
【0033】
この実施例においては、上述のように構成されたMOCVD装置を用い、キャリアガスの流量を制御することにより所定の組成(PbTiO3組成)に調整した薄膜原料気体を真空容器に供給して、基板1の表面に形成された導電性薄膜2上に、10nm厚の強誘電体中間層(PbTiO3薄膜)4を形成した後、さらに、キャリアガスの流量を制御することにより所定の組成(PZT組成)に調整した薄膜原料気体を真空容器に供給して、強誘電体中間層(PbTiO3膜)4の上に、500nm厚の強誘電体層(Pb(Zr0.52Ti0.48)O3膜(PZT膜))3を形成した。
【0034】
そして、繰り返して、10nm厚の強誘電体中間層(PbTiO3膜)4と、500nm厚の強誘電体層(PZT膜)3を形成して、合計厚み(目標値)が約2μmの強誘電体薄膜5を形成することにより、図1に示すような配向性強誘電体薄膜素子を作製した。得られた強誘電体薄膜5の、基板界面から表面までの組成の変化の状態を図3に示す。
【0035】
なお、強誘電体層3であるPZT膜及び強誘電体中間層であるPbTiO3膜は、全圧:500Pa(酸素分圧:250Pa)、基板温度:700℃の条件で成膜することにより形成した。なお、表1に原料の気化温度、キャリアガス流量、及び気化器圧力などの詳細な条件を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
[比較例]
また、比較のため、図4に示すように、表面に多結晶の酸化膜(SiO2)が形成された基板1と、基板1上に形成されたPt−Ti膜(導電性薄膜)2と、導電性薄膜2上に形成されたPb系ペロブスカイト酸化物からなる一層構造の強誘電体層(PZT膜)3とを備えた強誘電体薄膜素子を形成した。
【0038】
なお、この比較例の強誘電体薄膜素子を製造するにあたっては、上記実施例の場合と同様の方法で、Si(100)基板上に、rfマグネトロンスパッタリング法により、全圧:0.5Pa(酸素分圧:0.1Pa)、基板温度:200℃の条件で、膜厚50nmのTi薄膜と膜厚100nmのPt薄膜を連続して成長させ、2層構造の導電性薄膜2を形成した後、導電性薄膜2の上に、MOCVD法により、全圧:500Pa(酸素分圧:250Pa)、基板温度:600℃で、1.5μmの厚みの強誘電体層(Pb(Zr0.52Ti0.48)O3膜(PZT膜))3を成長させることにより、図4に示す配向性強誘電体薄膜素子を作製した。
【0039】
[実施例と比較例の対比]
上述のようにして作製した実施例の強誘電体薄膜素子と比較例の強誘電体薄膜素子について、電子顕微鏡観察を行うとともに、X線分析を行い、強誘電体薄膜の状態を調べた。
【0040】
図5に実施例の配向性強誘電体薄膜素子を構成する強誘電体薄膜(強誘電体中間層を含む)の表面原子間力顕微鏡像(AFM像)を示し、図6に実施例の配向性強誘電体薄膜素子においてSi基板上に形成した強誘電体薄膜(強誘電体中間層を含む)のXRDパターンを示す。
また、図7に比較例の強誘電体薄膜素子を構成する強誘電体薄膜(PZT薄膜)の表面原子間力顕微鏡像を示し、図8に比較例の強誘電体薄膜素子においてSi基板上に形成した強誘電体薄膜(PZT/Pt/Ti薄膜)のXRDパターンを示す。
【0041】
図5に示すように、実施例の配向性強誘電体薄膜素子を構成する強誘電体薄膜の表面モフォロジーは平滑であり、Raは約40nmであった。また、図6に示すXRDパターンより、実施例の配向性強誘電体薄膜素子を構成する強誘電体薄膜においては、ペロブスカイト構造のPZTだけが成長しており、PZTは(001)配向していることが確認された。
また、PZT(100)のピークが認められないことから、90°ドメインは形成されおらず、単一配向していることが確認された。なお、ここで、PZT(001)のロッキングカーブの半値幅は1.5°であった。
【0042】
一方、図7に示すように、比較例の強誘電体薄膜素子を構成する強誘電体層(一層構造のPZT薄膜)の表面の凹凸は大きく、Raは約110nmであった。
また、図8のXRDパターンより、比較例のPZT薄膜はペロブスカイト相にはなるものの、PZT(001)のピークだけでなく、PZT(100)のピークが見られることから、90°ドメインが生じており、完全には特定軸に配向していないことが確認された。また、そのピーク強度も弱いことから十分に結晶化していないことがわかった。
なお、ここで、PZT(001)のロッキングカーブの半値幅は4.0°であった。
【0043】
また、実施例と比較例の強誘電体薄膜素子について、tanδ、比誘電率(εr)、リーク電流、強誘電体薄膜の膜厚を調べた。その結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
なお、tanδ及び比誘電率(εr)は1kHz、0.1Vの条件で測定した値であり、リーク電流は10Vの条件で測定した値である。
表2より、tanδ、比誘電率、リーク電流に関し、本発明の配向性強誘電体薄膜素子の方が優れた特性が得られていることがわかる。
【0046】
さらに、実施例及び比較例の強誘電体薄膜素子のP−Eヒステリシスループを調べた。本発明の実施例の配向性強誘電体薄膜素子のP−Eヒステリシスループを図9に示し、比較例の強誘電体薄膜素子のP−Eヒステリシスループを図10に示す。
実施例の配向性強誘電体薄膜素子では、図9に示すように、残留分極値は約25μC/cm2と大きく、バルク体で見られるような矩形に近いループ形状であり、良好な特性が得られているが、比較例の強誘電体薄膜素子では、図10に示すように、残留分極値は約17μC/cm2と小さく、また、ループ形状は矩形ではなく、配向性がそれほど良好ではないことがわかる。
【0047】
なお、上記実施例では、キャリアガスの流量を制御することにより、真空容器に供給される薄膜原料気体の組成を変化させるようにしたが、薄膜原料気体の組成の制御は、原料の気化温度、気化圧力を制御することによっても行うことが可能である。
【0048】
また、上記実施例では、Pb、Zr、Tiの3種の原料を別々の気化器から供給するように構成したが、例えば、あらかじめPbとZrもしくはPbとTiを混合した原料を用いるように構成することも可能である。
さらに、原料を適当な溶剤に溶解させて溶液として供給することも可能である。
【0049】
さらに、強誘電体中間層の形成はPZT組成からPbTiO3組成にステップ的に組成を変化させたが、PZTからPbTiO3まで、もしくはPbTiO3からPZTまで徐々に組成を変化させても同様の効果を得ることができる。
【0050】
また、上記実施例では強誘電体中間層がPbTiO3からなるものである場合を例にとって説明したが、本発明の範囲内において、強誘電体層とは異なる種々の組成とすることが可能である。また、強誘電体層の組成についても、本発明の範囲内で種々の組成とすることが可能である。
【0051】
また、PZTの成膜方法としては熱MOCVDに限らず、プラズマCVD、レーザーCVD、レーザーアブレーション法、スパッタリング法、蒸着法、MBE法などでも可能である。
【0052】
本発明は、さらにその他の点においても、上記実施例に限定されるものではなく、強誘電体層及び強誘電体中間層の膜厚や成膜条件などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0053】
【発明の効果】
上述のように本発明(請求項1)の配向性強誘電体薄膜素子は、基板上に形成された導電性薄膜の上に、Pb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体薄膜を形成するとともに、強誘電体薄膜を、上述の式(1)で表されるPb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体層と、上述の式(2)で表されるPb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体中間層(上記強誘電体層とは組成の異なるPb系ペロブスカイト酸化物からなる層)を備えた構成とし、かつ、上記の強誘電体層を複数層構造として、上記の強誘電体中間層を強誘電体層間に配設するようにしているので、圧電特性をはじめとする電気的特性が良好で、膜厚の大きい高品位の配向性強誘電体薄膜素子を得ることが可能になる。
なお、本発明の配向性強誘電体薄膜素子は、焦電素子、マイクロアクチュエータ、薄膜コンデンサ、小型圧電素子などに広く適用することが可能である。
【0054】
また、請求項2の配向性強誘電体薄膜素子のように、Pb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体層の膜厚を1μm以上、20μm以下とすることにより、結晶性が良好で、焦電特性、圧電特性などの諸持性に優れた強誘電体層を備えた配向性強誘電体薄膜素子を得ることが可能になる。
【0055】
また、請求項3の配向性強誘電体薄膜素子のように、強誘電体中間層を、基板上に形成された導電性薄膜と、Pb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体層との界面に形成することにより、強誘電体中間層が形成される下地の表面モフォロジーが粗くなってしまうことを防止して、強誘電体中間層による結晶粒成長を制御する効果を十分に確保することが可能になり、結晶性が良好で、焦電特性、圧電特性などの諸持性に優れた強誘電体層を備えた配向性強誘電体薄膜素子を得ることが可能になる。
【0056】
また、請求項4の配向性強誘電体薄膜素子のように、強誘電体中間層を、強誘電体層の膜厚100nm当たりに1層以上、20nm当たりに1層以下の割合で配設することにより、強誘電体中間層上に成長させるPb系ペロブスカイト酸化物(強誘電体層)の結晶粒成長を十分に制御することが可能になり、結晶性に優れた強誘電体層を形成することが可能になる。
【0057】
また、請求項5の配向性強誘電体薄膜素子のように、基板として、Si、Al2O3、MgO、MgAl2O4、ダイヤモンドのいずれかの単結晶からなるものを用いることにより、その上に結晶性の良好な金属膜を成長させることが可能になる。
【0058】
また、請求項6の配向性強誘電体薄膜素子のように、導電性薄膜として、TiNからなるものであるか、又は、Au、Pt、Pd、Rh及びIrのうちの少なくとも1種を含み、その含有率が50重量%以上の金属からなるものを形成するようにした場合、強誘電体層又は強誘電体中間層を構成するPb系ペロブスカイト化合物と格子定数がほぼ等しいため、Pb系ペロブスカイト酸化物が結晶化しやすくなるとともに、上記材料からなる導電性薄膜薄が、Pb系ペロブスカイト化合物を成膜する高温・高酸素分圧の成膜条件下において安定なため、特性の良好な配向性強誘電体薄膜素子を得ることが可能になる。
【0059】
また、請求項7の配向性強誘電体薄膜素子のように、強誘電体層及び中間層を構成するPb系ペロブスカイト酸化物が基板に対して、c軸が垂直に1軸配向成長した構成とした場合、分極軸と電界方向が一致するため、強誘電体薄膜の機能を十分に活用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例にかかる配向性強誘電体薄膜素子を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施例及び比較例において、PZT薄膜を成膜するのに用いたMOCVD装置の概略図である。
【図3】 実施例で作製した強誘電体薄膜素子の強誘電体薄膜の組成変化を示す図である。
【図4】 比較例の強誘電体薄膜素子を示す断面図である。
【図5】 本発明の実施例の配向性強誘電体薄膜素子を構成する強誘電体薄膜(強誘電体中間層を含む)の表面原子間力顕微鏡像(AFM像)を示す図である。
【図6】 本発明の実施例の配向性強誘電体薄膜素子においてSi基板上に形成した強誘電体薄膜(強誘電体中間層を含む)のXRDパターンを示す図である。
【図7】 比較例の強誘電体薄膜素子を構成する強誘電体薄膜の表面AFM像を示す図である。
【図8】 比較例においてSi基板上に形成したPZT/Pt/Ti薄膜のXRDパターンを示す図である。
【図9】 本発明の実施例にかかる配向性強誘電体薄膜素子を構成する強誘電体薄膜のP−Eヒステリシスループを示す図である。
【図10】 比較例の強誘電体薄膜素子を構成する強誘電体薄膜のP−Eヒステリシスループを示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 Pt−Ti膜(導電性薄膜)
3 強誘電体層
4 強誘電体中間層
5 強誘電体薄膜
21 真空容器
22 ガス吹き出しノズル
23 基板加熱ヒータ
24 基板
25 ガス混合器
26 真空ポンプ
27〜30 マスフローコントローラ
31 固体気化器(Pb用)
32 液体気化器(Zr用)
33 液体気化器(Ti用)
34 O2ガス
35〜37 Arガス
Claims (7)
- 基板と、基板上に形成された導電性薄膜と、導電性薄膜の上に形成された強誘電体薄膜とを具備し、前記強誘電体薄膜は、下記の式(1):
Pb(ZryTi1-y)O3 ……(1)
(ただし、0.1≦y≦0.6)
で表されるPb系ペロブスカイト酸化物からなる強誘電体層と、
下記式(2):
Pb(ZrzTi1-z)O3 ……(2)
(ただし、0.0≦z≦0.3,z<(y−0.1))
で表されるPb系ぺロブスカイト酸化物からなる強誘電体中間層とを備えている配向性強誘電体薄膜素子であって、
前記式(1)で表されるPb系ペロブスカイト酸化物からなる前記強誘電体層が複数層構造を有しており、前記強誘電体中間層が前記強誘電体層間に配設されていること
を特徴とする配向性強誘電体薄膜素子。 - 前記式(1):Pb(ZryTi1-y)O3で表わされるPb系ペロブスカイト酸化物からなる前記強誘電体層の膜厚が1μm以上、20μm以下であることを特徴とする請求項1記載の配向性強誘電体薄膜素子。
- 前記強誘電体中間層が、前記導電性薄膜と、前記式(1):Pb(ZryTi1-y)O3で表わされるPb系ペロブスカイト酸化物からなる前記強誘電体層との界面に配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の配向性強誘電体薄膜素子。
- 前記強誘電体中間層が、前記強誘電体層の膜厚100nm当たりに1層以上、20nm当たりに1層以下の割合で配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の配向性強誘電体薄膜素子。
- 前記基板が、Si、Al2O3、MgO、MgAl2O4、及びダイヤモンドからなる群より選ばれる少なくとも1種の単結晶基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の配向性強誘電体薄膜素子。
- 前記導電性薄膜が、TiNからなるものであるか、又は、Au、Pt、Pd、Rh及びIrからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ、その含有率が50重量%以上の金属からなるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の配向性強誘電体薄膜素子。
- 前記強誘電体層及び前記強誘電体中間層を構成するPb系ペロブスカイト酸化物が前記基板に対して、c軸が垂直に1軸配向成長していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の配向性強誘電体薄膜素子。
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