JP2006161097A - 薄膜の成膜方法及び薄膜の成膜装置 - Google Patents

薄膜の成膜方法及び薄膜の成膜装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板に対する熱損傷及び成膜時のパーティクル発生を抑制しながら、高い成膜速度をもって結晶性の高い薄膜を形成する。
【解決手段】 薄膜の成膜方法は、反応室101内に設置された基板103上に、金属を含む有機物を原料として含む原料ガス110と、加熱用ガス111とを供給することにより、基板103上に金属酸化物又はその前駆体よりなる薄膜を堆積する工程を備え、原料ガス110は、第1の温度に調整されると共に、反応室101に接続された第1の供給経路104を通して供給され、加熱用ガス111は、第1の温度よりも高い第2の温度に調整されると共に、反応室101に接続され且つ第1の供給経路104とは異なる第2の供給経路108を通して供給されるようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板上に金属酸化物又はその前駆体よりなる薄膜を成膜するための気相成膜法及び気相成膜装置に関し、特に、強誘電体又はその前駆体よりなる薄膜を成膜するための気相成膜法及び気相成膜装置に関する。
金属酸化物は、その構成材料の選択によって、自発分極、高誘電率、電気光学効果、圧電効果及び焦電効果等の様々な機能及び性質を有する。このため、広範なデバイスに応用されている。特に、高誘電率特性を利用した、DRAM(Dynamic Random Access Memory)における大容量キャパシタの容量絶縁膜としての応用、及び、自発分極特性を利用した、強誘電体メモリの容量絶縁膜としての応用等が盛んに行なわれている。
このような金属酸化物の薄膜を成膜する方法としては、従来から、いくつかの方法が用いられている。ここでは、特に強誘電体特性を示す金属酸化物薄膜である強誘電体薄膜の成膜方法について説明する。
強誘電体薄膜を成膜するための方法としては、ゾルゲル法、MOD(Metal Organic Decomposition )法及びMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition )法等がある。特に、MOCVD法は、高集積度の強誘電体メモリへの応用に適している。
このうち、特許文献1に開示されているMOCVD法について、図面を参照しながら説明する。
図2は、特許文献1に開示された強誘電体薄膜を生成する装置の模式図であり、MOCVD法において用いられる装置を示している。また、図3は、図2に示された装置を用いて強誘電体薄膜を生成するプロセスを示すフローチャートである。
図2に示したMOCVD装置は、第1の原料容器10、第2の原料容器11及び第3の原料容器12を備え、ここでは、一例として、順にSr[Ta(OC2 5 6 2 +THF、Bi(O-t4 9 3 +THF及びアルコール類が入れられている。
また、これらの液体状態の原料溶液を混合する液体混合器13が備えられ、第1〜第3の原料容器10、11及び12から配管14を通って輸送された各原料溶液を混合する。
また、液体混合器13において混合された混合液を気化する気化器15が備えられ、液体混合器13から輸送された混合液が気化される。尚、気化器15には、キャリアガスとしてのアルゴン(Ar)を供給するアルゴンライン16が接続されている。
また、ガス混合器17が備えられ、気化器15において気化された後に配管18を通って輸送された原料及びキャリアガスと、酸化剤としての酸素ガスとが混合され、原料ガスとされる。酸素ガスは、ガス混合器17に設けられた酸素ライン19から供給される。
また、ガス混合器17において混合された原料ガスは、MOCVD反応室20中において反応し、成膜が行なわれる。ここで、MOCVD反応室20中には、吹き付けヘッド21と、基板22及び基板22を載置する基板ステージ23が備えられている。更に、真空ポンプ24が設けられ、MOCVD反応室20内から気体を排気し、減圧することができるようになっている。
ここで、吹き付けヘッド21は、原料ガスを基板22の表面に均一に吹き付けるようになっており、これによって基板22の表面に強誘電体薄膜が堆積される。
尚、配管18には、ヒーター等の加熱手段(図示省略)が設けられており、配管18内を輸送される原料ガスが凝集しないように温度制御されている。
また、基板ステージ23にはヒーター(図示省略)組み込まれており、基板ステージ23上に載置された基板22を必要な温度に加熱することができる。
以上のような装置を用いて、強誘電体薄膜は、図3に示すフローチャートに従って成膜される。
まず、ステップS1として、Sr[Ta(OC2 5 6 2 +THF、Bi(O-t4 9 3 +THF及びアルコール類が作製され、順に第1〜第3の原料容器10、11及び12に充填される。この際、SrとTaの原料として、1分子中にアルカリ土類金属SrとTaとを1:2の原子比率で含有するアルコキシド原料、いわゆる、バイメタリックアルコキシドであるSr[Ta(OC2 5 6 2 を用いる。また、Biの原料として、アルコキシビスマス類、例えば、Bi(O-t4 9 3 を用いる。尚、アルコール類は反応促進剤である。
続いて、ステップS2として、第1〜第3の原料容器10、11及び12から配管14を通って各々の原料が液体混合器13に搬送され、所定の比率にて混合されて混合液体とされる。
続いて、ステップ3として、混合液体がアルゴンキャリアガスと共に気化器15に入れられ、気化される。
続いて、ステップ4として、気化器15において気化された原料とアルゴンキャリアガスとがガス混合器17に入れられ、酸素ガスと混合される。このようにして得られる原料ガス、つまり、Sr[Ta(OC2 5 6 2及びBi(O-t4 9 3 のガスと、アルコールガスと、酸素ガスと、アルゴンキャリアガスとの混合物は、MOCVD反応室20に輸送され、吹き付けヘッド21によって基板22の表面に均一に供給される。これにより、基板22上に、強誘電体薄膜が形成される。
フローチャートの詳細については、特許文献1の段落番号0036〜0049に詳しく説明されている。
以上により、特許文献1に開示された技術よりも以前の強誘電体薄膜の製造方法における成膜温度よりも100℃程度低い、600℃前後の温度において、SrBi2 Ta2 9 に代表されるBi層状強誘電体の結晶薄膜を形成することができるとされている。
以上のような従来方法による金属酸化物薄膜に関する気相成膜装置及び気相成膜方法を用いて、酸化物薄膜に関する集積化プロセスの開発が進められている。具体的な膜の例としては、強誘電体メモリ(以下FeRAMと記す。)への応用を目的とする膜として、SBT(SrBi2 Ta2 9 )、PZT(Pb(Zr,Ti)O3 )及びBLT((Bi,La)4 Ti3 12))等があり、また、DRAMへの応用を目的とする膜として、BST((Ba,Sr)TiO3 )等がある。
特開2003-174028号公報
しかしながら、以上に説明した従来の技術においても、結晶性の良い酸化物薄膜を得るためには、半導体基板等の表面の温度(以下、基板表面温度と記す。)を少なくとも600℃に保つ必要があった。ここで、そのような高い温度において成膜を行なうと、半導体基板上に形成された集積回路が熱による損傷(熱損傷)を受ける恐れがある。
特に、0.13ミクロンルール以下の微細集積化プロセスにおいては、許容される熱バジェットが低下している。このため、基板表面温度を下げながら結晶性の良い酸化物薄膜を得ることが高集積化にむけた課題のひとつであった。
また、原料ガスの温度を高く設定することより、半導体基板表面における原料の分解を促進させて、成膜速度を高めることができる。しかし、このようにすると、原料が基板に到達する途中で分解し、パーティクルを発生するという問題がある。この結果として、従来の成膜方法では、成膜速度の向上とパーティクル発生の抑制とを両立することは困難であった。
また、金属酸化物薄膜の結晶性と段差被覆性とを両立することを目的として、2段階成膜法が研究されている。これは、高い結晶性が得られる高温の基板表面温度においてシード層を成膜し、その後、高い段差被覆性が実現可能なより低い基板表面温度において成膜する成膜法である。
このような2段階成膜法による成膜方法は、金属酸化物薄膜の結晶性と段差被覆性とを両立という観点で有効性が高い。しかし、その実施のためには成膜を複数の基板表面温度に分けて実施する必要があるため、成膜のスループットが低下するという問題があった。このスループットが低下するという問題は、複数の成膜室を用意することで解決可能であるが、複数の成膜室を必要とするという点で成膜コストが上昇するという別の課題を生じる。
以上の課題を解決するために、本発明の目的は、基板及び基板に形成された微細集積化プロセスからなる集積回路等に対する熱損傷を低減すると共に、高い結晶性を有する金属酸化物薄膜又は金属酸化物の前駆体薄膜を基板上に形成することである。また、パーティクルの発生を抑制することも目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明に係る薄膜の成膜方法は、反応室内に設置された基板上に、金属を含む有機物を原料として含む原料ガスと、加熱用ガスとを供給することにより、基板上に金属酸化物又はその前駆体よりなる薄膜を堆積する工程を備え、原料ガスは、第1の温度に調整されると共に、反応室に接続された第1の供給経路を通して供給され、加熱用ガスは、第1の温度よりも高い第2の温度に調整されると共に、反応室に接続され且つ第1の供給経路とは異なる第2の供給経路を通して供給されるようになっている。
本発明に係る薄膜の成膜方法によると、基板表面に加熱用ガスを供給することによって、基板表面において、原料が分解するために必要な温度に原料ガスを加熱することができる。つまり、原料ガスの供給される際の温度(第1の温度)及び基板の温度とは別個に加熱用ガスの温度(第2の温度)を原料ガスの温度よりも高温に設定することにより、基板表面における原料の分解及び酸化を制御することができる。
また、比較的低温の原料ガスを用いることにより、原料が基板表面に到達するよりも前に分解するのを抑制し、原料の分解に起因するパーティクルの発生等を抑制することができる。これと共に、加熱用ガスによって加熱を行なうことにより成膜速度を向上することができる。
以上の結果、成膜速度の向上とパーティクルの発生の抑制とを両立することができる。
尚、原料ガスは、酸化性ガスを含むことが好ましい。
このようにすると、原料の酸化及び分解を促進し、基板上への金属酸化物薄膜又は金属酸化物の前駆体薄膜の堆積を促進することができる。
また、原料ガスは、キャリアガスを含むことが好ましい。
このようにすると、原料ガスにおける原料の濃度を調整し、搬送することができる。
また、加熱用ガスの温度は、基板の温度よりも高いことが好ましい。
このようにすると、成膜を行なう際に通常は基板は加熱されているが、このように加熱する基板の温度を低温に設定し且つ基板表面において原料ガスを加熱用ガスにより高温に加熱することができる。このため、結晶性の高い薄膜を形成する場合にも、基板全体を高温に加熱する必要が緩和される。つまり、基板は熱損傷を受けにくい程度の比較的低い温度に設定すると共に、加熱用ガスを用いた加熱により、結晶性の高い薄膜を形成することができる高温に原料ガスを加熱することができる。この結果、基板が熱損傷を受けるのを抑えると共に、結晶性の高い薄膜を形成することができる。
ここで、基板の温度よりも高温の加熱用ガスを用いることによって基板も加熱されるが、主に成膜を行なう基板表面が加熱されることになる。このため、結晶性の高い薄膜を形成することができる基板の表面温度を得るために基板全体をヒーターで高温に加熱する等の場合に比べて、基板が受ける熱損傷を軽減することができる。
また、原料ガスと、加熱用ガスとを、基板に対して交互に供給することが好ましい。
このようにすると、原料ガスに含まれる原料について、供給過程と分解過程とを独立させることができる。つまり、原料供給量を制限した一原子層に相当する量の原料の供給と、加熱用ガスによる加熱とを交互に行なうことより、原子層単位で成膜を行なうことが可能となる。この結果、平滑な表面を有する薄膜を得ることができる。
また、加熱用ガスは、酸化性ガスを含むことが好ましい。
このようにすると、基板表面に対して高温の酸化性ガス(例えば、酸素、オゾン又は一酸化窒素等)を供給することができるため、原料を効率よく分解し酸化することができる。
また、加熱用ガスは、不活性ガスを含むことが好ましい。
このようにすると、基板表面に対して高温の不活性ガス(例えば、アルゴン、ヘリウム又は窒素等)を供給することができるため、原料ガスの酸化については抑制すると共に、熱分解については促進することができる。
前記の目的を達成するため、本発明に係る薄膜の成膜装置は、基板が設置される反応室と、反応室に接続されると共に、基板上に、第1の温度に調整され且つ金属を含む有機物を原料として含む原料ガスを供給する第1の供給経路と、反応室に接続されると共に、基板上に、第1の温度よりも高い第2の温度に調節されている加熱用ガスを供給する第2の供給経路とを備え、第2の供給経路は、第1の供給経路よりも基板に近い位置から基板上に加熱用ガスを供給するようになっている。
本発明に係る薄膜の成膜装置によると、基板上に、金属を含む有機物を原料として含む原料ガスとは別に、原料ガスよりも高温の加熱用ガスを供給することができ、本発明に係る薄膜の成膜方法を実現するために用いることができる。
また、より基板に近い側から、より直接的に基板に加熱用ガスを供給することができ、より効率よく基板表面のみを加熱できる。
本発明の薄膜の成膜方法及び成膜装置によると、原料ガスとは別に、原料ガスよりも高温の加熱用ガスを供給することにより、従来技術の場合よりも低い温度を有する基板に対して高い結晶性を有する金属酸化物薄膜又は金属酸化物の前駆体薄膜を成膜することができる。このため、例えば微細集積化プロセスからなる集積回路等に対する熱損傷を大幅に低減することができる。また、成膜の速度を上げるために原料ガスの温度を高温にする必要が無いため、パーティクルの発生を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る薄膜の成膜方法及び成膜装置ついて、図面を参照しながら説明する。
尚、本実施形態においては、金属酸化物であるSBTの薄膜を成膜する例について説明する。しかし、他の金属酸化物(例えば酸化タンタル(Ta2 5 )、PZT、BLT又はBST等)からなる薄膜又はこれらの金属酸化物のアモルファス状態の膜(前駆体膜)の成膜についても同様にして行なうことができる。
図1は、本発明の本実施形態における気相成膜装置の構成図である。
気相成膜装置100は、成膜室101内にサセプタ(基板設置台)102を備え、サセプタ102上に基板103が載置されるようになっている。ここで、サセプタ102には加熱装置(図示省略)が設けられており、基板103を加熱することができる。
また、例えば成膜室101の上部に、原料ガス導入配管104が設置されている。原料ガス導入配管104は、原料110aが流入する原料ポート104a、キャリアガス110bが流入するキャリアガスポート104b及び酸化性ガス110cが流入する酸化性ガスポート104cを備えている。原料ガス導入配管104において、それぞれ流入した原料110a、キャリアガス110b及び酸化性ガス110cから原料ガス110が調製される。
また、原料ガス導入配管104の少なくとも一部を覆うように、気化器105が設置されている。
また、成膜室101内に、原料ガス導入配管104と接続され、原料ガス導入配管104から流入する原料ガスを基板103上に供給するためのシャワーヘッド106が設けられている。
また、真空ポンプ107が設置され、成膜室101内の気体を排気して成膜室101内を減圧することができる。
また、原料ガス導入配管104及びシャワーヘッド106とは別に、加熱用ガス導入配管108が設けられ、基板103上に加熱用ガス111を供給することができる。ここで、加熱用ガス導入配管108は、シャワーヘッド106よりも基板103の表面に近い位置から基板103上に加熱用ガス111を供給することができるようになっている。
このような加熱用ガス導入配管108の配置により、基板103を効率良く加熱することが出来る。
また、加熱用ガス導入配管108には、加熱用ガス111を必要な温度に加熱するためのヒーター109が設置されている。
尚、キャリアガス110b及び酸化性ガス110cをそれぞれ原料ガス導入配管104に供給するためのキャリアガスライン及び酸化性ガスラインと、加熱用ガス導入配管108に加熱用ガス111を供給するための加熱用ガスラインとは図示を省略している。
また、原料ガス導入配管104に原料を供給するための配管、液体混合器及び原料容器等についても図示は省略している。
次に、以上に説明したような気相成膜装置100を用いる本実施形態の薄膜の成膜方法について、図1を参照しながら以下に説明する。
成膜室101内のサセプタ102上に、基板103を載置する。ここで、基板103には、例えば、半導体基板を用いる。また、基板103上には、キャパシタを形成するための下部電極として、白金等の金属又は酸化イリジウム等の導電性酸化物からなる薄膜が形成されていてもよい。
また、サセプタ102が備える加熱装置により、基板103は所定の温度(基板表面の温度であり、基板表面温度と呼ぶことにする)になるように加熱されている。所定の温度は、例えば400℃であるが、基板103に形成された集積回路等に熱損傷が生じない程度の温度とする。
尚、成膜室101内は、真空ポンプ107によって減圧状態(例えば、133hPa〜1013hPa)とされている。
また、原料ポート104aから流入する原料110a(金属を含む有機物が含まれている)は、キャリアガスポート104bから流入するキャリアガス110b(例えばアルゴン)と混合され、更に、酸化性ガスポート104cから流入する酸化性ガス110cと混合される。これと共に、気化器105によって原料110aが気化するために必要な温度(例えば、約200℃)に加熱され、約200℃の原料ガス110としてシャワーヘッド106に送られる。
この後、原料ガス110は、シャワーヘッド106によって基板103上に供給される。
また、原料ガス導入配管104及びシャワーヘッド106とは別に設けられている加熱用ガス導入配管108により、加熱用ガス111(例えば酸素)が基板103上に供給される。このとき、加熱用ガス111は、ヒーター109によって基板103の基板表面温度よりも高温に加熱されている。例えば、基板表面温度400℃に対して500℃に加熱されている。
このようにすると、基板103の表面において、原料ガス110中に含まれる原料110aは、基板103の表面から与えられる熱だけではなく、加熱用ガス111から与えられる熱によっても加熱される。このような加熱の結果、原料110aが分解し、基板103上に金属酸化膜又は金属酸化物の前駆体薄膜が形成される。
この際、先に記したように、加熱用ガス111の温度は基板103の表面温度よりも高温である。このため、基板103の表面温度は基板103に対する熱損傷を抑制することができる程度の低温にすると共に、加熱用ガス111によって、結晶性の高い膜を形成することができる高温に原料110aを加熱して分解し、成膜することが可能となる。
ここで、基板103についても、加熱用ガス111によって加熱される。しかし、加熱用ガス111によって加熱されるのは、主として基板103の表面である。このため、基板103の内部については、表面よりは低い温度に保持されることになる。この結果として、基板103に対する熱損傷は軽減される。
これに対し、従来技術のように、サセプタ102が備える加熱装置を用いて基板103を加熱し、結晶性の高い薄膜を形成することができる高温の基板表面温度(例えば500℃)を得る場合には、基板103全体が高温になる。このため、熱損傷が問題となっていた。
以上から、本実施形態の薄膜の成膜方法によると、基板103に対する熱損傷を抑制すると共に、結晶性の高い薄膜を成膜することができる。
また、加熱用ガス111によって加熱を行なうことから、原料ガス110の温度を比較的低温とし、原料110aが分解してパーティクルを発生させるのを抑制することができる。
また、2段階成膜法のような、スループットの低下及び反応室を複数使用するためのコスト上昇も発生しない。
尚、本実施形態においては、原料ガス110と加熱用ガス111とを同時に基板103上に供給した。しかし、これに代えて、原料ガス110と加熱用ガス111とを交互に供給しても良い。
具体的には、一回の工程として、例えば膜厚にして1nm程度の薄膜を形成するために必要な時間、原料ガス110だけを基板103上に供給し、その後、加熱用ガス111を一分間供給するという工程を考える。このような工程を必要な回数繰り返すことにより、必要な膜厚を有する薄膜を形成することができる。例えば膜厚が60nmであるSBT膜を形成する場合であれば、概ね60回繰り返すことになる。
このように、原料ガス110に含まれる原料110aの供給過程と分解過程とを別の過程とすることにより、前記のように非常に薄い膜を一層ずつ積層することによって成膜することができる。この結果、原料ガス110と加熱用ガス111とを同時に基板103上に供給する場合に比べて、平滑な薄膜を形成することができる。
ここで、原料110a、キャリアガス110bの選択は特に限定しない。
本実施形態においては、原料110aの一例として、ストロンチウム−タンタルの複合アルコキシド、ビスマスのアルコキシド及びタンタルのアルコキシドをそれぞれヘプタン溶媒に溶解した混合溶液を用いた。しかし、これに限るものではない。このような金属アルコキシドを用いた原料を使用する代わりに、原料110aの別の例として、例えば、THD(2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptanedionate)錯体等の有機金属系の原料を用いることもできる。
また、キャリアガス110bとしては、不活性ガスであるアルゴンを使用した。しかし、アルゴンに代えて、他の不活性ガス、例えばヘリウム及び窒素等を使用することもできる。更に、キャリアガス110bとして、不活性ガスの代わりに、酸素、オゾン又は2酸化窒素等の酸素化性ガスを使用することも可能であり、不活性ガスと酸化性ガスとの混合物をキャリアガス110bとして使用することもできる。
また、酸化性ガス110cについては、原料ガス110に混合させることは必須ではない。
また、本実施形態においては、加熱用のガス111として酸素を用いる例を示した。しかし、酸素に代えて、アルゴンや窒素などの不活性ガスを用いてもよい。酸素のような酸化性ガスを用いた場合には原料の酸化を促進することができる。逆に、不活性ガスを用いる場合、原料の酸化を抑制することができる。更に、酸化性のガスと不活性ガスの混合物を用いることも可能であり、原料の分解と酸化を必要に応じて調節することができる。このため、加熱用ガス111としては、目的に応じてガスの種類を使い分ければ良い。
また、図1においては、加熱用ガス111を供給するための加熱用ガス導入配管108は、単数だけ設けている場合を示している。しかし、加熱用ガス111を基板103上に均一に供給する等の目的のため、加熱用ガス導入配管108を複数設けることも可能である。また、同様の目的のため、加熱用ガス導入配管108を例えば基板103の外周部を囲うようなリング状の配管として、基板103に対して全集方向から加熱用ガス111を供給するようにしても良い。
本発明の薄膜の成膜方法及び薄膜の成膜装置によると、薄膜を形成する基板に対する熱損傷を抑制すると共に、高温において成膜を行なったのと同様の結晶性の高い薄膜を形成することができるため、強誘電体薄膜又はその前駆体膜を形成する際などに有用である。
図1は、本発明の一実施形態に係る気相成膜装置の構成図である。 図2は、従来の気相成膜装置の構成図である。 図3は、従来の気相成膜方法のフローチャートである。
符号の説明
101 成膜室
102 サセプタ
103 半導体基板
104 原料ガス導入配管
104a 原料ポート
104b キャリアガスポート
104c 酸化性ガスポート
105 気化器
106 シャワーヘッド
107 真空ポンプ
108 加熱用ガス導入配管
109 ヒーター
110a 原料
110b キャリアガス
110c 酸化性ガス
110 原料ガス
111 加熱用ガス

Claims (8)

  1. 反応室内に設置された基板上に、金属を含む有機物を原料として含む原料ガスと、加熱用ガスとを供給することにより、前記基板上に金属酸化物又はその前駆体よりなる薄膜を堆積する工程を備え、
    前記原料ガスは、第1の温度に調整されると共に、前記反応室に接続された第1の供給経路を通して供給され、
    前記加熱用ガスは、前記第1の温度よりも高い第2の温度に調整されると共に、前記反応室に接続され且つ前記第1の供給経路とは異なる第2の供給経路を通して供給されることを特徴とする薄膜の成膜方法。
  2. 請求項1において、
    前記原料ガスは、酸化性ガスを含むことを特徴とする薄膜の成膜方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記原料ガスは、キャリアガスを含むことを特徴とする薄膜の成膜方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかひとつにおいて、
    前記加熱用ガスの温度は、前記基板の温度よりも高いことを特徴とする薄膜の成膜方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つにおいて、
    前記原料ガスと、前記加熱用ガスとを、前記基板に対して交互に供給することを特徴とする薄膜の成膜方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つにおいて、
    前記加熱用ガスは、酸化性ガスを含むことを特徴とする薄膜の成膜方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一つにおいて、
    前記加熱用ガスは、不活性ガスを含むことを特徴とする薄膜の成膜方法。
  8. 基板が設置される反応室と、
    前記反応室に接続されると共に、前記基板上に、第1の温度に調整され且つ金属を含む有機物を原料として含む原料ガスを供給する第1の供給経路と、
    前記反応室に接続されると共に、前記基板上に、前記第1の温度よりも高い第2の温度に調節されている加熱用ガスを供給する第2の供給経路とを備え、
    前記第2の供給経路は、前記第1の供給経路よりも前記基板に近い位置から前記基板上に前記加熱用ガスを供給するようになっていることを特徴とする薄膜の成膜装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010135645A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Philtech Inc 膜形成方法および膜形成装置

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