JP2000058525A - 金属酸化物誘電体膜の気相成長方法 - Google Patents
金属酸化物誘電体膜の気相成長方法Info
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Abstract
酸化物をプラグ上に低温で形成することを可能にする金
属酸化物誘電体膜の気相成長方法を提供することを目的
とし、さらに、この気相成長方法を用いて微細化され、
高集積化され、多層メタル化された長寿命の電子デバイ
スを提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明による気相成長方法は、従来のよ
うな導電性材料上に同一の条件で成膜を行う成長方法に
対して、電極上にペロブスカイト型結晶構造の初期核形
成もしくは初期層形成を行う第一の成膜条件と、その後
に、形成された初期核上にペロブスカイト型結晶構造の
膜成長を行う第二の成膜条件とで成膜条件を変え、それ
ぞれ最適な条件を選んで成膜する。
Description
導体装置の製造方法に関し、特に有機金属材料ガスを用
いた、半導体集積回路のキャパシタもしくはゲートに用
いられる高誘電体膜、強誘電体膜の成膜方法に関するも
のである。
メモリーや、高誘電体容量を利用したダイナミック・ラ
ンダム・アクセス・メモリー(DRAM)等が活発に研究開発
されている。これらの強誘電体メモリー及びDRAMは選択
トランジスタを備えており、該選択トランジスタの一方
の拡散層に接続された容量をメモリセルとして情報を蓄
えている。強誘電体容量は容量絶縁膜としてPb(Zr,Ti)O
3(以下「PZT」と呼ぶ)等の強誘電体膜を用いており、強
誘電体を分極させることにより不揮発性の情報を蓄える
ことができる。一方、高誘電体容量は、容量絶縁膜とし
て(Ba,Sr)TiO3(以下「BST」と呼ぶ)等の高誘電体薄膜を
用いているため、容量のキャパシタンスを高めることが
でき、素子を微細化することが可能になる。
用する上で、下部電極となる導電膜上に、この様なセラ
ミック材料を結晶性良く薄膜で堆積することが極めて重
要である。薄膜の堆積方法として従来ゾルゲル法、スパ
ッタ法、CVD法が報告されている。
属材料をスピンコート法によって、下部電極を形成した
ウエハー上に塗布し、酸素中アニールによって結晶化さ
せる方法である。この方法では、固相内で結晶化が起こ
るために、結晶化に必要な温度は非常に高く、金属酸化
物誘電体膜がPZTの場合、十分な強誘電体特性を示す結
晶化温度は600℃であり、BSTの場合、充分な高誘電体特
性を示す結晶化温度は650℃である。このときの結晶の
配向性も不揃いであるといった欠点を有する。さらに、
ゾルゲル法は大口径ウエハーに対応するのが難しく、ま
た、段差被覆性が悪く、デバイスの高集積化には向かな
い。
膜するセラミックスの焼結体を用い、Ar+O2プラズマを
用いた反応性スパッタによって、電極を形成したウエハ
ー上に成膜し、その後、酸素中アニールによって結晶化
を行う方法である。ターゲットを大口径化することによ
って均一性が得られ、プラズマ投入パワーを上げること
によって十分な成膜速度が得られる。しかし、スパッタ
法においても、結晶化に高温を要するといった欠点を有
し、金属酸化物誘電体膜がPZTの場合、十分な強誘電体
特性を示す結晶化温度は600℃であり、BSTの場合、充分
な高誘電体特性を示す結晶化温度は650℃である。さら
に、スパッタ法では組成が、ターゲットの組成によって
ほとんど決まってしまうために、組成を変化させるには
ターゲットの交換が必要であり、工程的に不利である。
器に輸送し、成膜するものである。CVD法は、大口径ウ
エハーにおける均一性及び表面段差に対する被覆性に優
れ、ULSIに応用する場合の量産化技術として有望である
と考えられる。セラミックスの構成元素である金属はB
a、Sr、Bi、Pb、Ti、Zr、Ta、Laなどで、適当な水素化
物、塩化物が少なく、気相成長法には有機金属が用いら
れる。しかし、これらの有機金属は蒸気圧が低く、室温
では固体もしくは液体のものが多く、キャリアガスを使
った輸送方法が用いられている。
ガス供給方法を示した模式図である。恒温槽201、ボト
ル202、ボトル内に用意された有機金属材料203、Ar、N2
等の不活性なキャリアガスの供給パイプ204、キャリア
ガスのマスフローコントローラ210、キャリアガスによ
って輸送される有機金属材料ガスの供給パイプ205、加
熱機構206を備えた成長室207、ガスの排気口209等から
この装置は構成される。
は、例えばストロンチウムビスジピバロイルメタナート
Sr(DPM)2やバリウムビスジピバロイルメタナートBa(DP
M)2や鉛ビスジピバロイルメタナートPb(DPM)2あり、常
温では固体もしくは液体状態を保持している。この装置
を用いたCVD法では、これらの有機金属材料を、ボトル2
02の中で昇華させて、供給パイプ204より供給されたキ
ャリアガスに同伴させて、成長室207に供給すること
で、加熱されたウエハー208上に成膜する。このときの
成膜中の圧力は大気圧もしくは数Torr程度の減圧であ
る。
合、キャリアガス中の有機金属材料ガス流量を定量化
し、かつ正確に流量を制御することが困難であるといっ
た欠点がある。すなわち、キャリアガス中には、恒温槽
202の温度で決定される飽和蒸気圧以上の有機金属原料
ガスが含まれ、この流量はキャリアガス流量だけでな
く、原料固体の表面積、恒温槽の温度等に依存するため
である。また、ジャパン・ジャーナル・オブ・アプライ
ド・フィジックス32巻4175ページ(Jpn. J.Appl.Phys.V
ol.32(1993)P.4175)に掲載の、この成膜方法を用いたPT
O(チタン酸鉛:PbTiO 3)の成膜についての記述によれ
ば、PTOの成膜温度は570℃とやはり非常に高温であり、
また、配向性も揃っていないといった欠点を有する。
成においては、上記のような成膜方法が用いられている
が、酸素雰囲気中で600℃程度以上の高温加熱が不可欠
であり、また配向性の制御を行うことも困難であった。
て説明すると、強誘電体容量及び高誘電体容量を機能さ
せるためには、選択トランジスタの拡散層に容量のどち
らか一方の電極を電気的に接続する必要がある。従来よ
り、DRAMにおいては、選択トランジスタの一方の拡散層
に接続されたポリシリコンを容量の一方の電極とし、該
ポリシリコンの表面に容量の絶縁膜としてSiO2膜やSi3N
4膜等を形成し、容量とする構造が一般的である。しか
しながら、セラミック薄膜は酸化物であるため、ポリシ
リコンの表面に直接形成しようとするとポリシリコンが
酸化されるため、良好な薄膜を形成することができな
い。そのため、1995シンポジウム・オン・ブイエルエス
アイ・ダイジェスト・オブ・テクニカル・ペーパーズ(1
995 Symposium on VLSI Technology Digest of
technical Papers)pp.123ではAl等からなるメタルの局
所配線により、容量上部電極と拡散層とを接続するセル
構造が述べられている。また、インターナショナル・エ
レクトロン・デバイス・ミーテイング・テクニカルダイ
ジェスト(International electron devices meeting
technical digest)1994, p.843には、ポリシリコン
上にTiNバリアメタルを用いてPZT容量を形成する技術が
述べられている。DRAMについては、例えば、インターナ
ショナル・エレクトロン・デバイス・ミーテイング・テ
クニカルダイジェスト(International electron devi
ces meeting technical digest)1994, p.831には、
ポリシリコンプラグ上に形成されたRuO2/TiN下部電極上
にSTO(チタン酸ストロンチウム:SrTiO3)薄膜を成膜
し、容量を形成する技術が述べられている。
ような成膜方法には以下の問題点がある。第一の問題点
は、金属酸化物誘電体膜の結晶化温度が600℃以上と高
くインターナショナル・エレクトロン・デバイス・ミー
テイング・テクニカルダイジェスト(International el
ectron devices meeting technical digest)1994,
p.843に示されているようにTiNをバリアメタルとして
用いたとしても、TiNの酸化は避けられず、コンタクト
抵抗が増えるという点である。さらにプラグの材質を、
ポリシリコンに変えてWやAlといった金属にすることも
困難である。Wは酸化しやすく、Alは融点を超えるから
である。それぞれの金属の実質的な上限温度は、TiNに
ついては約500℃、W、Alは約450℃である。
・フィジックス32巻4057ページ(Jpn.J.Appl.Phys. Vo
l.32(1993)P.4057)では、スパッタ法においてターゲッ
トを多元にして、それぞれの構成金属酸化物を用い、同
時スパッタすることによって組成を制御し、あらかじ
め、Pt電極上に、PbLaTiO3(PLT)バッファ−層を5nm形成
し、その後、PZTをスパッタすることによって、PZTの結
晶化温度を415℃と下げる方法が開示されている。しか
しながら、スパッタ法では段差被覆性が悪く、スタック
型もしくはトレンチ型容量の側壁部に成膜することが難
しいという問題があり、半導体集積回路の容量製造技術
に対しては解決策となり得ない。さらに、PLTは常誘電
性で、しかも誘電率がPZTに比較して低いため、デバイ
ス駆動時、電圧がPLT層にかかり、低電圧において強誘
電性特性を得にくいという問題がある。
の特性が劣化する点である。高速化、微細化を行うため
には電源電圧の減少が必須であり、容量絶縁膜に必要な
電界を与えるために、セラミックス容量絶縁膜の薄膜化
が必要である。図3はPt上にゾルゲル法を用いてPZT膜を
成膜したときの膜厚と自発分極2Prを示したものであ
る。膜厚が200nm以下になると急激に自発分極値が減少
していることが分かる。同様な現象は高誘電体膜である
BSTにおいても観察されている。CVDによってRuO2上に形
成したBST膜の誘電率は50nmから急激に減少するという
問題がある。これは、下部電極界面近傍の結晶性が悪い
ことに起因する。以上の問題より、従来の成膜方法で
は、容量絶縁膜の薄膜化をはかり、電源電圧を下げるこ
とは難しい第三の問題点は、膜の配向性をコントロール
できないという点である。配向性を揃えることには次の
利点がある。第一は多結晶の粒界が連続となり、リーク
電流が下がることである。第二は分極方向を電界方向に
揃えることによって誘電率の増加、自発分極の増加を測
ることができることである。
・フィジックス32巻4057ページ(Jpn.J.Appl.Phys. Vo
l.32(1993)P.4057)には、スパッタ法においてMgO(100)
もしくはPt(100)/MgO(100)単結晶基板上では、PZTはエ
ピタキシャル成長し、強く(001)配向することが述べら
れている。しかしながら、Pt(111)/Ti/SiO2のように(11
1)に配向した多結晶状のPt上に成膜すると配向性がそろ
わないことも述べられており、半導体集積回路の容量電
極が多結晶であることを考えると、この方法もまた、解
決策とはなり得ない。第四の問題点は、強誘電体膜にお
ける反転疲労の問題である。これは、強誘電体膜に正弦
波もしくは矩形波状の電圧をかけて、自発分極の反転を
繰り返すと、反転、非反転間の電荷量が減少するという
現象である。この現象は、強誘電体容量の書き込み可能
回数を決定し、強誘電体を用いた不揮発性メモリ−を製
造した場合の寿命を決める重要な問題である。しかしな
がら、ジャパン・ジャーナル・オブ・アプライド・フィ
ジックス68巻1431ページ(Jpn.J.Appl.Phys. Vol.68(19
96)P.1431)に示されているように、電極にPtを用いた場
合106回程度の反転で疲労が起こることが知られてい
る。ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ−(DRA
M)のようなメインメモリ−には1011回以上の書き込み寿
命が必要とされ、強誘電体を用いた不揮発性メモリ−は
それに達していないという問題があった。第五の問題点
は、多結晶PZTの粒径を制御できないという点である。
高集積化が進んで行くと、容量部分の面積も減少し、そ
れにともなって、セラミック絶縁膜の粒径を最適化する
ことも重要である。従来例において、それぞれの成膜方
法によって粒径の変化はあるものの、同一成膜方法での
有効な粒径制御の方法は報告されていない。
ラミック薄膜容量の形成もしくは多層メタル配線構造上
へのセラミック薄膜容量が未だ実現されず、従って、従
来のDRAMやフラッシュメモリ−のように、セル面積を容
易に縮小できないため、集積度は低いままにとどまって
おりまた、その寿命も短かった。
ス容量絶縁膜形成方法における問題点に鑑みてなされた
ものであり、配向性、結晶性ともに優れた薄膜を低温で
形成することによって容易にプラグ上にセラミック容量
絶縁膜が形成でき、また、反転疲労を減少することによ
って、セラミック容量絶縁膜を用いた電子デバイスの微
細化、集積化、長寿命化を飛躍的に高め、多層メタル配
線を可能にするセラミック薄膜の成膜方法を提供するこ
とを目的とする。
への有機金属材料ガスを用いたABO3で表されるペロ
ブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物誘電体膜の気
相成長方法であって、第一の成膜条件で、金属酸化物誘
電体の原料となる有機金属材料ガスのすべてを用いて、
前記導電性材料上にペロブスカイト型結晶構造の初期核
形成を行い、第二の成膜条件で、この初期核上にさらに
ペロブスカイト型結晶構造の膜成長を行う金属酸化物誘
電体膜の気相成長方法に関する。
属材料ガスを用いたABO3で表されるペロブスカイト
型結晶構造を有する金属酸化物誘電体膜の気相成長方法
であって、第一の成膜条件で、金属酸化物誘電体の原料
となる有機金属材料ガスのすべてを用いて、前記導電性
材料上にペロブスカイト型結晶構造の初期層形成を行
い、第二の成膜条件で、この初期層上にさらにペロブス
カイト型結晶構造の膜成長を行う金属酸化物誘電体膜の
気相成長方法に関する。
属材料ガスを用いたABO3で表されるペロブスカイト
型結晶構造を有する金属酸化物誘電体膜の気相成長方法
であって、第一の成膜条件で、金属酸化物誘電体の原料
となる有機金属材料ガスの一部のみを用いて、前記導電
性材料上にペロブスカイト型結晶構造の初期核形成を行
い、第二の成膜条件で、この初期核上にさらにペロブス
カイト型結晶構造の膜成長を行う金属酸化物誘電体膜の
気相成長方法に関する。
原料ガスの供給量については、第二の成膜条件を自己制
御性の良い原料ガス供給条件で成膜し、第一の成膜条件
で、ABO3で表されるペロブスカイト型結晶構造中の
A元素の原料を第二の成膜条件のときよりも多量に原料
供給することが好ましい。
型結晶構造中のB元素として、ZrとTiの両方を含む
場合に、第二の成膜条件と比較して第一の成膜条件で
は、B元素中のZrの供給量を相対的に減らして成膜す
ることが好ましい。
3で表されるペロブスカイト型結晶構造中のB元素とし
てZrとその他の元素を含む場合、第一の成膜条件でZ
rの原料ガスを供給しない条件で成膜することを特徴と
する。
成膜条件での初期核形成時間を制御することにより、結
晶粒径を制御しながら成膜することを特徴とする。
属材料ガスを含む原料ガスの全圧を1×10-2Torr以下の
圧力に保ち成膜することが好ましい。この全圧の下限に
ついては特に規定しないが、実用上の成膜速度を得るた
めには、1×10-4Torr以上であることが好ましい。
度は、450℃以下であることが好ましい。
属酸化物誘電体膜が、PZT膜またはBST膜であることを特
徴とする。
電性材料が、少なくともPt、Ir、Ru、IrO2、
RuO2、TiN、WNいずれかの金属または金属酸化
物を含む容量電極であることを特徴とする。
トランジスタを形成する工程と、このトランジスタ上に
第一層間絶縁膜を形成する工程と、この第一層間絶縁膜
に前記MOS型トランジスタの拡散層に達するコンタク
トを開口して金属プラグを埋めて電気的な導通をとる工
程と、この金属プラグを有する第一層間絶縁膜全面に、
容量下部電極層を形成する工程と、この容量下部電極層
全面に有機金属材料ガスを用いて、第一の成膜条件で、
ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物誘電体膜
の初期核または初期層を形成し、第二の成膜条件で、こ
の初期核または初期層上に、さらにペロブスカイト型結
晶構造を有する金属酸化物誘電体膜を成膜する工程と、
この金属酸化物誘電体膜全面に、容量上部電極層を形成
する工程と、前記下部電極層、前記金属酸化物誘電体膜
及び前記容量上部電極層を、パターニングし、三層の積
層構造の容量を得る工程とを有する半導体装置の製造方
法に関する。
トランジスタを形成する工程と、このトランジスタ上に
第一層間絶縁膜を形成する工程と、この第一層間絶縁膜
に前記MOS型トランジスタの拡散層に達するコンタク
トを開口して金属プラグを埋めて電気的な導通をとる工
程と、この金属プラグを有する第一層間絶縁膜全面に、
容量下部電極層を形成する工程と、前記容量下部電極層
をパターニングし、金属プラグ上に容量下部電極を形成
する工程と、このパターニングした容量下部電極と第一
層間絶縁膜上全面に、有機金属材料ガスを用いて、第一
の成膜条件で、ペロブスカイト型結晶構造を有する金属
酸化物誘電体膜の初期核または初期層を形成し、第二の
成膜条件で、この初期核または初期層上に、さらにペロ
ブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物誘電体膜を成
膜する工程と、この金属酸化物誘電体膜全面に、容量上
部電極層を形成する工程と、この金属酸化物誘電体膜全
面に、容量上部電極層を形成する工程と、この容量上部
電極層をパターニングし、容量下部電極、金属酸化物誘
電体膜及び容量上部電極の三層の積層構造の容量を得る
工程とを有する半導体装置の製造方法に関する。
トランジスタを形成する工程と、このトランジスタ上に
第一層間絶縁膜を形成する工程と、この第一層間絶縁膜
に前記MOS型トランジスタの拡散層に達するコンタク
トを開口して金属プラグを埋めて電気的な導通をとる工
程と、この第一層間絶縁膜上に金属プラグと電気的に導
通するアルミ配線を形成する工程と、このアルミ配線上
に第二層間絶縁膜を形成する工程と、この第二層間絶縁
膜に前記アルミ配線に達するコンタクトを開口して金属
プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この金属プ
ラグを含む第二層間絶縁膜全面に、容量下部電極層を形
成する工程と、この容量下部電極層全面に有機金属材料
ガスを用いて、第一の成膜条件で、ペロブスカイト型結
晶構造を有する金属酸化物誘電体膜の初期核または初期
層を形成し、第二の成膜条件で、この初期核または初期
層上に、さらにペロブスカイト型結晶構造を有する金属
酸化物誘電体膜を成膜する工程と、この金属酸化物誘電
体膜全面に、容量上部電極層を形成する工程と、前記容
量下部電極層、前記金属酸化物誘電体膜及び前記容量上
部電極層をパターニングし、三層の積層構造の容量を得
る工程とを有する半導体装置の製造方法に関する。
良い。
な導電性材料上に同一の条件で成膜を行う成長方法に対
して、電極上にペロブスカイト型結晶構造の初期核形成
もしくは初期層形成を行う第一の成膜条件と、その後
に、形成された初期核上にペロブスカイト型結晶構造の
膜成長を行う第二の成膜条件とで成膜条件を変え、それ
ぞれ最適な条件を選んで成膜することを特徴とする。こ
のような条件下で成膜することにより、配向性、結晶
性、反転疲労ともに優れた薄膜を形成することが可能と
なる。
O3で表されA元素はAサイトに入り、B元素はBサイ
トに入る。ここで、前記一般式中のA元素およびB元素
としては複数の金属元素を含む場合もある。このような
ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物誘電体膜
を導電性材料上に気相成長を行う場合、金属酸化物誘電
体膜を構成する元素の原料ガス種を全部用いて、第一の
成膜条件で成膜する場合は、第一の成膜条件で初期核ま
たは膜厚方向に数分子程度結晶化した初期層のいずれか
のペロブスカイト型結晶を形成した後に、自己制御性を
もった原料ガス供給条件である第二の成膜条件で、さら
に該初期核または該初期層の上に結晶を成長させること
によって、導電性材料との界面より、配向性の揃ったペ
ロブスカイト型結晶構造の成膜が可能となる。
成が自発的に化学量論比に合い、配向の揃ったペロブス
カイト型結晶構造が発生する原料ガス供給条件がある。
例えば、PZTを成膜する場合の自己制御性をもった成膜
条件について図18の図を用いて説明する。この図には、
はじめにPb(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCC
M、Ti(OiPr)4流量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40
秒間成膜した後、Zr(OtBu)4流量0.225SCCM、Ti(OiPr)4
流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMを一定にして、Pb原料流
量を変化させたときの膜中の(Ti+Zr)/Pb組成比の変化が
示されている。この時の成長中の真空容器内のガスの全
圧は、5×10-3Torrとした。基板としてはシリコン酸化
膜を500nm形成したシリコンウエハー上に、スパッタ法
によりPt膜を200nm形成したものを用いた。成膜時間は6
00秒間とし、この時の成長膜厚は約100nmであった。組
成比は蛍光X線による組成分析より求めた。組成比はPb
流量が0.15SCCMのときに化学量論比に達するが、その
後、Pb流量を0.25SCCMまで増加させても化学量論比を保
っており、配向性の揃ったペロブスカイト構造の結晶が
できていることがわかる。このように一定の成膜条件内
でA、BサイトすなわちPbとZr、Tiの組成を化学量論比に
合わせる自己制御的な成膜が可能であることがわかる。
これは、次のような原理に基づく、Pb有機金属材料ガス
は、PZT表面で分解し、酸化されてPbOとなる。PZT上のP
bOの付着係数は低く、Pb有機金属材料ガスをPZT表面に
流すだけでは成膜は起こらない。ここに、Ti及びZrを供
給すると、表面上のPbOは気相中に脱離する前に表面上
でTiもしくはZrと結合し、表面上に固定される。従っ
て、ある程度過剰にPb原料を送ってもTi、Zrと結合でき
ないPbは気相中に脱離するので、化学量論比が一致する
自己制御領域があるのである。PtやIrといった電極上に
PZT、BST等のペロブスカイト金属酸化物誘電体薄膜を成
膜する上で最も重要であるのは、PtやIrといった結晶構
造が異なる基板上にペロブスカイトの結晶核を発生させ
ることである。電極上へのペロブスカイト金属酸化物誘
電体薄膜は、はじめに電極上で原料ガスの分解が起こ
り、構成元素の前駆体が吸着し、これが合体して結晶核
を形成し、この結晶核が成長し、合体層状化するという
成長様式を取る。特に、結晶核が成長する時、構成元素
の前駆体の電極表面上での濃度は、下地電極上での原料
の分解効率及び付着係数、さらには、電極中へのこれら
の拡散によって決まり、この表面濃度を成膜しようとし
ている物質の化学量論比に合わせなければ、ペロブスカ
イトの結晶核発生を起こすことができない。下地電極上
での原料ガスの分解効率、及び付着係数はPZT結晶状と
は異なり、たとえ、厚膜形成後の膜の組成を化学量論比
に合わせるように成膜条件を決定したとしても、結晶成
長で最も重要である下地電極上での結晶発生時に化学量
論比が合わないために結晶化しないのである。
は、電極を構成する導電性材料と合金化しやすく、電極
中に拡散しやすいことを見い出した。したがって、拡散
により界面付近でA元素が欠乏する減少を防ぐために、
第一の成膜条件については、A元素を多めに供給する必
要があるのである。このときのA元素の増加量は、自己
制御性のあるガス供給条件で成膜する第二の成膜条件を
基準として、第一の成膜条件では、B元素に対するA元
素の供給量を、10倍程度までは、増加させることがで
きる。このとき、A元素またはB元素がいくつかの元素
で構成される多元系の場合は、それらの供給量の総和に
より決められる。例えば、PZTを成膜する場合、本発明
者は、図4に示すように電極上でPZTの核発生を起こすと
きの第一成膜条件を、その後PZT結晶核上にPZTを自己制
御的に成膜するときの第二の成膜条件よりも、Pb原料の
供給量が多くなるように最適化することによって、構成
元素の前駆体701の表面の濃度を成膜しようとしている
物質の化学量論比に合わせ、電極上で結晶核702を発生
させ、この結晶核上に良好な結晶を成長する。
が最も下地電極と反応しやすく電極から喪失しやすい。
Pbと下地電極との反応は、成膜温度、及び電極材料で決
まり、成膜温度を高くするほど、電極との反応が大きく
なるために、PZTの核発生を起こすときの成膜条件にお
けるPbの供給量を多くする必要がある。また、Ptは、Ir
やRuと比較して、Pbとの反応性が大きいために、おり多
くのPb原料を供給する必要がある。BSTの場合もPbほど
顕著ではないが、同様に、Ba原料を多く供給する必要が
ある。
両方の元素を用いる場合、Zr原料をTi原料に比べて少な
くする方が結晶性のよいPZT結晶核を形成できることを
見い出した。これは、電極上におけるZr原料の分解効率
がTi原料に比べて大きいからである。
ト金属酸化物材料の場合の説明であるが、その他の構造
を有する材料においても、同様の方法を適用することは
可能である。すなわち、電極材料との合金化、あるいは
拡散を最も起こしやすい元素を成長初期の多く供給する
ことは、全ての複合金属酸化物の成膜に対して有効であ
る。
ブスカイト型結晶構造初期核発生を行うとき、特にA元
素またはB元素の原料ガスの一部を用いて初期核形成を
行って、さらに第二の成膜条件でその初期核上に成膜す
ることができる。これは、初期核形成時には、より単純
な組成を持つ物質の方が、ペロブスカイトの核発生を起
こすための成膜条件を制御しやすいからである。
Tの場合は、BTOもしくはSTOのように単純な組成を持つ
2元系の物質の方が、ペロブスカイトの核発生を起こす
ための成膜条件を制御しやすいことを見い出した。これ
は、組成比の制御が特に2元だけで済むためである。し
かし、このような核形成を行う上で重要な点は、図4に
示すように、形成された核が、連続膜になる前にPZTま
たはBSTの自己制御領域における第二の成膜条件に変え
て成膜を行うことである。この理由は、連続膜になって
しまうと、組成の異なる、誘電率の異なる絶縁膜が電極
との界面に形成され膜中での電界の偏り、誘電率の低下
を招くためである。電極上で一旦ペロブスカイト型の結
晶核702ができてしまえば、構成元素の前駆体701は、自
己制御的にこの結晶核を中心に、結晶成長するために、
結晶核上にPZTを自己制御的に成膜するときの第二の成
膜条件を変えることによって良好な結晶を得ることがで
きる。また、本発明者は、第一の成膜条件での初期核形
成時間を制御することにより、初期核上に成長する金属
酸化物膜の結晶粒径(グレインサイズ)を制御できるこ
とを見い出したが、このような結晶粒径の制御を行うた
めには、第一の成膜条件で初期核形成まででとどめてお
く必要がある。
誘電体膜または、高誘電体膜を容量電極上に形成する際
に必要な有機金属の原料ガスであり、例えばPZT膜であ
れば、鉛ビスジピバロイルメタナート(Pb(DPM)2)、テト
ラターシャリーブトキシジルコン(Zr(OtBu)4)、テトラ
イソプロポキシチタン(Ti(OiPr)4)等のガスが一例とし
て挙げられる。例えば、BST膜であれば、バリウムビス
ジピバロイルメタナート(Ba(DPM)2)、ストロンチウムビ
スジピバロイルメタナート(Sr(DPM)2)、テトライソプロ
ポキシチタン(Ti(OiPr)4)等のガスが挙げられる。有機
金属材料ガスの他に、酸化ガスを使用することが好まし
い。これは、有機金属材料ガスが、導電性材料上で合金
化しないように表面上で十分酸化させ、酸素欠損を起こ
させないためである。この酸化性ガスについては、例え
ば、二酸化窒素、オゾン、酸素、酸素イオン、酸素ラジ
カルを用いることができ、特に酸化力の強い二酸化窒素
が好ましい。
スを用いて金属酸化物誘電体膜を形成する際に、成膜時
の全圧を1×10-2Torr以下にすることにより、低温での
成膜が可能であること、さらに高度に配向した膜の成膜
が可能であることを見出した。
あっても、ほぼ100%のPZTが、PZT(100)の方位に配向し
ていることを見い出した。この温度は、従来方法の成膜
温度とに比べて、150℃程度以上の低い成膜温度であ
る。したがって、例えば、コンタクトプラグ中に形成さ
れたWやTiN等の酸化や、基板上に形成されたAl配線の融
解をおこすことなく膜形成することが可能である。した
がって、本願発明の気相成長方法による、TiN、W層
やAl配線の形成された半導体基板上にも配向性の揃っ
た金属酸化物誘電体膜を形成することが可能となる。
晶が生成する理由として、本願発明者は、以下のように
推定している。本願発明者は、配向性の揃った結晶が生
成するか否かは、有機金属材料ガスと酸化ガスとの分子
の衝突頻度に依存すると考える。すなわち、真空容器内
の全圧が1×10-2Torr以上になると、有機金属材料ガス
の分子と酸化ガスの分子が、基板に到達する前に多数回
の衝突を繰り返してしまい、組成の制御されていない微
結晶が生成してしまい、この微結晶が結晶構造を崩す原
因となり、1×10-2Torr以下の圧力範囲であれば、この
微結晶の生成を実質的に抑えることができ、低温でも結
晶構造は揃いやすいと考えている。
めには、1×10-4Torrより高い圧力で成膜することが好
ましく、さらには、1×10-3Torrから1×10-2Torrの圧力
範囲で成膜することが最も好ましい。
膜または高誘電体膜を目的としており、こういった金属
酸化物誘電体膜として、例えば、PZT膜またはBST膜等を
挙げることができる。
t、Ir、Ru、TiN、WN等の金属、IrO2、R
uO2等の金属酸化物を好適に用いる。この導電性材料
は、通常の半導体装置においては、容量電極として用い
られるものである。この導電性材料のPtの下地が、Tiの
上にTiN積層したPt/TiN/Ti構造の場合、TiNがTiの拡散
を抑えるバリアとして働く。さらに、この構造このTiN
が高度に(111)に配向した結晶構造をとるため、Ptも(11
1)に配向するが、従来の成膜方法とは異なり、本願発明
の気相成長方法を用いた場合、金属酸化物誘電体膜も配
向しやすく、さらに結晶性も良いといった利点がある。
コンタクトプラグ内にはWも通常用いられており、さき
の構造のさらに下層にW層を設けたPt/TiN/Ti/W構造も本
願発明の導電性材料として好適に用いることができる。
かる実施形態について説明する。
について概略図を図5に示す。本装置は交換室101、真空
容器102、原料供給系103よりなり、交換室には複数枚の
8インチウエハ−が収納できる。真空容器と交換室の間
には2重のゲ−トバルブ104を設け、ゲ−トバルブ間はポ
ンプによって排気されている。また、真空容器と交換室
間のウエハ−移動のためにウエハ−搬送機構105が設け
られている。このような構成を取ることにより、真空容
器を大気に曝すことなくウエハ−の交換、移動が可能で
ある。また、ゲ−トバルブを2重に入れることによりバ
ルブシ−ル面への原料の付着を抑え、ウエハ−交換のた
めに交換室を大気リ−クした際の真空容器への大気の漏
れ込みを抑えるという効果が得られる。交換室は真空容
器とは独立のタ−ボポンプ106によって10-7Torrまで排
気される。
図が示されている。真空容器はアルミニウムによって形
成され416に示したヒ−タによって所定の温度に加熱で
きるようになっている。真空容器を熱伝導の良いアルミ
ニウムによって形成することにより、真空容器内壁を均
一に加熱することができるという効果が得られる。石英
製のサセプタ−403上にデバイスが形成される面を上向
きにしてウエハ−417が設置される。石英製サセプタ−4
03には、直径5mmの穴401が3点開いており、これを通し
て、石英製ピン402が上下しウエハ−を搬送機からサセ
プタ−403に乗せ替える。ウエハ−が石英製サセプタ−
上にのった後は、これらのピン用の穴はウエハ−自身に
よって塞がれる。石英製サセプタ−はアルミ製真空容器
壁から突きだしている突起上に端がが重なるように置か
れており、石英製サセプタ−上にウエハ−が設置された
状態で、ウエハ−下部のヒ−タ−室405と上部の成長ガ
スの導入される真空容器406は分離される。
が十分な蒸気圧を持つ温度以上でかつ有機金属材料ガス
の分解温度以下の温度に設定することが好ましい。すな
わち、有機金属材料ガスは数種の原料を含むため、有機
金属材料ガスの一部または全部が液化または固化した
り、また有機金属材料ガスが分解することにより、ウエ
ハーに作用する有機金属材料ガスの組成比のバランスが
崩れるため、有機金属材料ガスが内壁上で凝縮しない十
分な脱離速度を持つ温度以上で、かつ分解する温度以下
に制御することが好ましい。
レキュラ−ポンプ407、408によって排気されており、こ
のような構造をとることにより、ヒ−タ室への有機金属
材料ガス及び酸化ガスの回り込みを抑えることができ、
特に酸化ガスを用いた成長方法では、ウエハーを加熱す
るためにヒータ室内に設けられている加熱機構409の酸
化を抑制でき、加熱機構409の寿命を著しく延ばすこと
ができるという効果が得られる。また、加熱機構面に原
料ガスが付着することによるショ−ト、基板温度の不均
一化等も防ぐことができるという効果が得られる。成膜
中のヒ−タ室の圧力は、真空容器が1×10-3Torrである
とき1×10-6Torrであり約3桁の差圧を得ることができ
た。
温度を上げると石英製サセプター温度も上がり、有機金
属材料ガスが付着するが、石英表面にPTO(チタン酸
鉛:PbTiO3)、STO(チタン酸ストロンチウム:SrTi
O3)、BTO(チタン酸バリウム:BaTiO3)、PLZT((Pb,La)
(Zr,Ti)O3)、PNbZT((Pb,Nb)(Zr,Ti)O3)、SBT(SrBi2TaO
9)等の金属酸化物をコーティングすると、有機金属材料
ガス付着物のはがれを抑えることができ、その結果パー
ティクル等の汚染を防ぐことができるという効果が得ら
れる。
0とサブ排気ライン411の2つを設け、メイン排気ライン
はメインゲ−トバルブ412を介してタ−ボポンプ407につ
ながっている。サブ排気ライン411はバルブ413を介し、
その後、水冷トラップ414を通してタ−ボポンプ407につ
ながっている。成膜中はメインゲ−トバルブ412を閉
じ、バルブ413を開けて、サブ排気ライン411を通して排
気する。このような構成をとることによって、タ−ボポ
ンプ407中での有機金属材料ガスの固化、液化を妨げ、
タ−ボポンプ407の寿命を延ばすことができるという効
果が得られる。また、サブ排気ライン411と、水冷トラ
ップ414の間にコンダクタンスを調節できるバルブ415を
導入し、このコンダクタンスを調節することによって、
真空容器内の原料ガスの全圧を変化させても良い。原料
ガスを流さないときは、メインゲ−トバルブ412も開け
ることによって排気速度を高め、より高真空を維持でき
るという効果が得られる。また、これを使って、真空容
器内の有機金属材料ガス分圧を急激に下げることができ
るという効果も得られる。メインゲ−トバルブ412、バ
ルブ413はアルミ真空容器406内に埋め込んであり、均一
に加熱できるようになっている。本装置においては、排
気用のポンプには、ターボモレキュラーポンプを用いた
が、メカニカルブースターポンプ、ドライポンプ、ロー
タリーポンプ等でも良く、真空容器内圧が1×10-2Torr
以下になるように、ポンプの排気能力及びバルブ、水冷
トラップのコンダクタンスを設計することが必要であ
る。
す。有機金属材料ガスは室温では固体または液体であ
り、シリンダ−501内に保存される。シリンダ−501上に
はバルブ502があり、バルブ502と供給系間のフランジ50
3より切り離し原料を交換することができる。有機金属
材料ガスは極めて酸化しやすく、大気に触れさせないこ
とが望ましい。大気に触れると、有機金属材料ガスは酸
化し、金属酸化物を生じ、配管の詰まり、マスフロ−コ
ントロ−ラ504の詰まりの原因となる。
ものと固体状のものがあり、液体原料はそのままシリン
ダ−内に入れるが、固体原料は、直径1mm程度のアルミ
ナの表面に丹治した物を用いることが望ましい。このよ
うな原料を用いると、加熱時に安定的にガスを発生させ
ることができるという効果が得られる。また、ガスの純
度も高い。シリンダーの加熱温度は、マスフローコント
ローラが稼動するのに充分な蒸気圧が得られるように温
度以上の温度に設定する。
ブ505を介してマスフロ−コントロ−ラ504につながり、
その後二股に分岐し、それぞれストップバルブ506,507
を介して真空容器508及び水冷トラップ509を介してポン
プ512につながっている。これらの配管、マスフロ−コ
ントロ−ラ504、バルブ502,505,506,507等の原料供給系
の有機金属材料ガスが接触する部分において、前述の真
空容器の内壁同様、有機金属材料ガスが十分な蒸気圧を
持つ温度以上でかつ有機金属材料ガスの分解温度以下の
温度に設定できる。本願発明で用いる装置においては、
マスフローコントローラにより原料ガスの流量を調節す
るが、キャリアガスを使用しないで直接原料ガスの流量
を制御することが好ましいためであり、、マスフローコ
ントローラによる流量制御には限定されない。
け、シリンダ−501内の有機金属材料ガスの自圧によっ
てマスフロ−コントロ−ラ504を駆動し、ポンプ512にガ
スを排気して、この間にマスフロ−コントロ−ラ504の
ガス流量の安定化を図る。次ぎに、バルブ506を閉じ、
バルブ507を開けることによって正確に流量をコントロ
−ルされた有機金属材料ガスを真空容器内に供給するこ
とができる。それぞれの有機金属材料ガス及び酸化ガス
は、独立した配管で真空容器に導入され、真空容器内で
はじめて混合される。すなわち、酸化ガスと有機金属材
料ガスが、真空容器に導入される前に接触しない構造と
なっている。この理由は、有機金属材料ガスと酸化ガス
が接触した場合、有機金属材料ガスが酸化し、金属酸化
物を生じ、配管の詰まり、マスフローコントローラの詰
まりの原因となったり、また、この金属酸化物が真空容
器内に送られ、パーティクルが発生したり、低温で結晶
性の良い薄膜成膜が阻害されるためである。
れぞれガスの供給量と基板上、サセプタ−上で消費され
る量、排気量、真空容器壁への付着量によって決まる。
ここで、真空容器壁の温度を有機金属材料ガスが十分な
蒸気圧をもち、しかも分解しない温度に保てば原料ガス
の真空容器内壁への付着による減少を無視することがで
き、さらに基板、サセプタ−上で消費される原料ガス量
は供給量に比べて約1/1000と少ないため、真空容器内の
圧力はガスの供給量と排気量によって決まることとな
る。真空容器には圧力をモニタ−するために真空計510
が設けられている。なお、上述の有機金属材料ガスの接
触する部品は、少なくとも有機金属材料ガスが十分な蒸
気圧をもつ温度以上の耐熱性を有する部品であることが
必要である。
り、成膜に必要な有機金属材料ガス及び酸化ガスのみを
真空容器内に導入することが可能になり、本願発明の成
膜条件を実現できる。すなわち、酸化ガスと有機金属材
料ガスを別の導入口から真空容器内に導入し、成長中、
真空容器内圧が1×10-2Torr以下となるような圧力に設
定することが可能である。真空容器内の圧力は、サブ排
気ライン411の排気量とマスフローコントローラの流量
を調節することによって変化させ、所望の値に合わせれ
ば良い。また、ヒータ416の温度を所定の温度に調節す
ることにより、真空容器内壁の温度を有機金属材料ガス
が十分な蒸気圧をもつ温度以上であり分解する温度以下
である温度に設定することが可能である。装置例では、
真空容器の材料として熱伝導の良いアルミニウムを使用
したが、使用する有機金属材料ガスが十分な蒸気圧をも
つ温度が200℃を上回るときにはステンレス材料を用い
ることもできる。
ス等の自圧によって駆動し、有機金属材料ガス及び酸化
ガスを真空容器内に導入しているため、従来例のよう
に、キャリアガスを用いなくても原料の輸送が可能とな
る。
気相成長方法において、酸化ガスとして二酸化窒素を用
いることが可能である。酸化ガスの配管に二酸化窒素を
流せば良い。
排気ライン411(図1)の排気量とマスフローコントロ
ーラ504(図6)の流量を調節することにより、1×10-2
Torr以下にすることが可能である。
の成膜方法の実施形態について説明する。
の成膜方法の実施形態について説明する。
温度、マスフローコントローラ温度はPb原料として鉛ビ
スジピバロイルメタナート(Pb(DPM)2)、原料温度177
℃、マスフローコントローラ温度200℃、Zr原料として
テトラターシャリーブトキシジルコン(Zr(OtBu)4)、原
料温度70℃、マスフローコントローラ温度110℃、Ti原
料としてテトライソプロポキシチタン(Ti(OiPr)4)、原
料温度75℃、マスフローコントローラ温度145℃であ
り、NO2のマスフロー温度は145℃、真空容器の内壁温度
は180℃である。
0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCCM、Ti(OiPr)4流量0.2
SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で600秒間成膜し、PZTを10
0nm成膜したときのX線回折スペクトルであり、図8には
成膜温度500℃で、はじめにPb(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(O
tBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)4流量0.25SCCM、NO2流量
3.0SCCMの条件で40秒間成膜した後、Pb(DPM)2流量0.25S
CCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCCM、Ti(OiPr)4流量0.2SCC
M、NO2流量3.0SCCMの条件で600秒間成膜し、PZTを100nm
成膜したときのX線回折スペクトルが示されている。基
板としてはシリコン酸化膜を500nm形成したシリコンウ
エハ−上に、スパッタ法によりPt膜を200nm形成したも
のをもちいた。図7、図8を比較すると、図7にはPtのピ
−クのみが見られ、PZTの結晶化は起こっていないが、
図8ではPZTの(100)、(200)ピ−クが確認され、このよう
に2段階で流量を変化させて成膜することによって、結
晶性の良いペロブスカイト膜が形成できるという効果が
あることを示している。
u、IrO2、RuO2上にPb(Zr0.5Ti0.5)O 3を成膜する場合の
最適なPb、Zr、Ti原料流量を初期核形成時と膜形成時に
分けてまとめたものである。Ir、Ru、IrO2、RuO2に比べ
て、Pt上へ成膜する場合に、初期核形成時のPb流量が多
いのは、Ptの場合にはPbのPt中への拡散係数が大きく、
この拡散によって表面上のPb濃度が下がるためである。
Ir、Ru中へのPbの拡散は少ない。ペロブスカイトの核発
生が起こり、電極表面がPZTに覆われた後の最適成膜条
件はすべて同じである。表2はPt、Ir、Ru、IrO2、RuO2
上にPb(Zr0.5Ti 0.5)O3を成膜する場合に初めにPTOによ
って核形成を行い、その後PZTを成膜したときの最適なP
b、Zr、Ti原料流量を初期核形成時と膜形成時に分けて
まとめたものである。この場合にも、Ir、Ru、IrO2、Ru
O2上へ成膜する場合には、初期核形成時のPb流量が少な
い。この理由も、PtではPbの拡散が多いからである。ま
た、Pt/Tiの積層構造の場合は加熱時Pt表面にTiが拡散
して現れるため表面上のTi濃度が増し、核形成を行うた
めには、Tiの供給量をPtの下にTiが無い場合に比べて下
げる必要がある。Pt/TiN/Tiの構造にすれば、TiNによっ
てTiの拡散が抑えられ、また、TiN上のPtの結晶性は高
度に(111)に配向した構造をもつためにPZTの結晶性、配
向性を向上でき、また、初期核発生の制御が容易であ
る。Pt/SiO2構造上にも、同様に成膜できる。
って、初期ペロブスカイト核形成時の流量を制御するこ
とが必要があるが、電極表面上のガス分解効率、付着係
数、拡散係数、さらにPZT上のガス分解効率、付着係
数、拡散係数は成膜温度によっても変化する。図9に
は、Pt/SiO2上にPZTを100nm成膜したとき、はじめにPb
(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)
4流量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒間成膜し
た後、Pb(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu) 4流量0.225SCC
M、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で100
秒成膜するという成膜条件を一定とし、成膜温度を変化
させたときのTi/Pb、Zr/Pb組成比が示されている。図9
から分かるように、基板温度が変化すると組成も変化す
る。従って、基板温度を変化させた場合にも、最適な初
期核発生条件及び成長条件を選択する必要がある。
階の流量を最適化して温度を変化させたときのX線回折
スペクトルが示されている。基板としてはシリコン酸化
膜を500nm形成したシリコンウエハー上に、スパッタ法
によりPt膜を200nm形成したものを用いた。成膜条件
は、はじめにPb(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05
SCCM、Ti(OiPr)4流量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件
で40秒間成膜した後、Pb(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)
4流量0.225SCCM、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SC
CMの条件で600秒間成膜した。この時の成長中の真空容
器内のガスの全圧は、5×10-3Torrとした。
ブスカイト結晶型のPZTに起因するX線回折ピークが観察
される。図6には示していないが、基板温度350℃では、
PZTに起因するピークは全く認めらず、膜がアモルファ
ス状態であることが、確認された。本発明では、360℃
以上で成膜することが好ましく、例えば、380℃では配
向性の充分揃った結晶構造のPZT膜が得られた。本図に
おいては、400℃と500℃と600℃の3種類の成膜温度を
用いた場合の、X線回折スペクトルの比較を行った。本
図に示したように、500℃以上の高温領域では、(100)、
(101)の2種類のピークが見えるが、400℃程度の低温成
膜では(100)ピーク一種類しか見えず、低温で成膜する
と、極めて結晶方位のそろった、配向性が高いペロブス
カイト型結晶構造の成膜が得られるという効果があるこ
とがわかる。400℃より低い温度で成膜する場合も、ペ
ロブスカイト型結晶構造を形成できる温度であれば、X
線回折スペクトルのパターンも、400℃のものと同一
で、(100)ピーク一種類しか見えず、極めて結晶方位の
そろった、配向性が高いペロブスカイト型結晶構造の成
膜が得られていることを見いだした。
善にも顕著な効果を及ぼす。これは以下の原理による。
ゾルゲル等従来の方法では、600℃以上の高温で加熱す
ることによって結晶化する。この時、セラミックス中の
金属が電極金属と反応し電極金属中に拡散するために電
極とセラミックス絶縁膜界面には、一部の金属が減少し
た部分(以下遷移層と呼ぶ)ができる。この遷移層は組成
が化学量論比からずれているために電気特性が悪い。薄
膜化した場合、膜全体に占める遷移層の割合が増えるた
めに、特性が劣化する。しかし、本発明の方法によれ
ば、450℃以下で成膜を行うために、遷移層ができず、
薄膜化時の特性劣化が少ない。また、低温で成膜を行う
と、薄膜化時の特性劣化がさらに改善できる。これは、
低温ほど成膜中の電極とセラミックス絶縁膜界面におけ
る反応が抑制されるためである。
膜したときの自発分極の膜厚依存性が示されている。基
板としてはシリコン酸化膜を500nm形成したシリコンウ
エハ−上に、スパッタ法によりPt膜を200nm形成したも
のをもちいた。成膜条件は、基板温度を400℃とし、は
じめにPb(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、
Ti(OiPr)4流量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒
間成膜した後、Pb(DPM) 2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量
0.225SCCM、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの
条件で600秒間成膜した。この時の成長中の真空容器内
のガスの全圧は、5×10-3Torrとした。この時の成長膜
厚は100nmであった。図3に示すゾルゲル法で成膜した
誘電体膜の自発分極の結果と比較して、薄い膜まで自発
分極値が減少していないことが分かる。同様な改善効果
は、BSTなどの高誘電率膜の比誘電率の低下改善におい
ても顕著な効果があることを確かめた。
著な効果を及ぼす。これも、薄膜化時の特性劣化改善の
場合と同一の原理である。反転疲労は、電極と強誘電体
薄膜界面における、電荷のピン止め効果に起因すること
が知られており、界面の遷移層を減少し、界面の完全性
を高めることによって、改善することができる。図12に
は本願発明の方法をもちいてPZTを成膜したときの自発
分極の反転回数依存性が示されている。基板としてはシ
リコン酸化膜を500nm形成したシリコンウエハ−上に、
スパッタ法によりPt膜を200nm形成したものをもちい
た。成膜条件は、基板温度を400℃とし、はじめにPb(DP
M)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)4流
量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒間成膜した
後、Pb(DPM) 2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCCM、
Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で600秒
間成膜した。この時の成長膜厚は100nmであった。自発
分極は、上部電極として、200nmのPtをスパッタにより
形成し、エッチングにより分離した後、上部及び下部電
極間をソ−ヤ・タワ−回路によって測定した。図12から
わかるように、1011回反転させても疲労は観察されず、
本発明の方法を用いることによって、反転疲労が改善さ
れるという効果があることがわかる。
る。これは以下のような原理に基づく。初期核発生条件
で成膜を行うと図4に示すように電極上に島状のペロブ
スカイト結晶核を生じる。この結晶核の密度は初期結晶
核の成長時間に比例する。次に成膜条件を変化させ、膜
形成条件で成膜を行うと結晶核上で優先的に結晶成長が
起こるために電極上に生じた核密度と同じ密度を有する
多結晶が形成される。すなわち、核形成時間を短くし
て、電極上の核密度を少なくすると、粒径は大きくな
り、核形成時間を長くして、核密度を多くすると、粒径
は小さくなる。図13は、基板温度を400℃とし、はじめ
にPb(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(O
iPr)4流量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で核形成し
た後、Pb(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCC
M、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で600
秒間成膜したときに初期核形成時間を15秒から100秒に
変化させたときの初期核形成時間と粒径との関係を示し
たものである。図13から分かるように、初期核形成時間
を変化させることにより、粒径を30nmから400nmまで変
化させることができる。30nm以下の間隔で核成長させる
ことは難しく、また、核の間隔が400nm以上離れると結
晶核の間にPb,Ti,Zrを含むアモルファスの形成が始ま
る。粒径は、小さくしすぎると、電気特性が悪くなるの
で、素子の寸法に合わせて選ぶことが好ましい。
施形態について説明したが、本発明の気相成長方法は、
PZT膜の成膜方法のみに限定されず、結晶の配向性によ
って特性が変化するような金属酸化物誘電体膜の形成に
対して有効である。本発明の成膜方法により成膜可能な
強高誘電体膜の金属酸化物誘電体として、一般式SrBi2E
z2O9(ここでEzはNbまたはTaを表す)、EpBi2EqO9(ここで
EpはBaまたはPb、EqはNbまたはTaを表す)、ExBi4Ti4O15
(ここでExはSr、BaまたはPbを表す)、Ey2Bi4Ti5O18(こ
こでEyはSr、BaまたはPbを表す)、Pb(Zr1-XTiX)O3、(Pb
1-yLay)(Zr1-XTiX)O3、Bi4Ti3O12、SrTiO3、(Ba1-XSrX)
TiO3で表される金属酸化物が挙げられるが、これらに限
定されない。
体例として、PTO(チタン酸鉛:PbTiO3)、STO(チタン
酸ストロンチウム:SrTiO3)、BTO(チタン酸バリウム:
BaTiO3)、PLZT((Pb,La)(Zr,Ti)O3)、PNbZT((Pb,Nb)(Z
r,Ti)O3)、SBT(SrBi2TaO9)等が挙げられる。
ローラによって各原料ガスの流量を制御したが、液体供
給型の流量制御装置と気化器を備えた原料供給系を用い
た場合、さらに分子量測定装置、原子吸光法等を分圧測
定手段とし、成膜室内の圧力を制御する方法においても
本発明の方法が有効であることを確認した。
製造する第1の方法を図14に示す。先ず、ウエット酸化
によりシリコン基板に酸化膜を形成した。その後、ボロ
ン、リン等の不純物をイオン注入し、n型及びp型のウェ
ルを形成した。この後、ゲート及び拡散層を以下のよう
に形成した。まず、ゲート酸化膜601をウエット酸化に
よって形成した後、ゲートとなるポリシリコン602を成
膜し、エッチングした。このポリシリコン膜上にシリコ
ン酸化膜を成膜した後、エッチングし、側壁酸化膜603
を形成した。次に、ボロン、砒素等の不純物をイオン注
入し、n型及びp型の拡散層を形成した。さらに、この上
にTi膜を成膜した後、シリコンと反応させ、未反応のTi
をエッチングにより除去することにより、Tiシリサイド
をゲート604及び拡散層605に形成した。以上の過程によ
り、図14Aに示すように、分離用酸化膜606によって分
離されたn型及びp型のMOS型トランジスタをシリコン基
板上に形成した。
すように形成した。先ず、第一層間絶縁膜607としてシ
リコン酸化膜又はボロン等の不純物を含んだシリコン酸
化膜(BPSG)を成膜した後、CMP法により平坦化した。次
に、コンタクトをエッチングにより開口した後、n型及
びp型それぞれの拡散層に対して不純物を注入し、750℃
で10秒の熱処理を行った。この後、バリアメタルとして
Ti及びTiNを成膜した。この上にタングステンをCVD法に
より成膜した後、CMPによりタングステンのプラグ608を
形成した。タングステンのプラグは、タングステンのCV
D後、エッチバックによって形成しても良い。この上
に、容量下部電極層として、Ti膜609及びTiN膜610を連
続してスパッタし、その上に100nmのPt膜611を形成し
た。
形成した。本発明の方法を使用してPZTを100nm形成し
た。原料には、ビスジピバロイルメタナート鉛(Pb(DPM)
2)、チタンイソポロポキシド(Ti(OiPr)4)、ジルコニウ
ムブトキシド(Zr(OtBu)4)を用い、酸化剤としてNO2を用
いた。成膜条件は、基板温度を400℃とし、はじめにPb
(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)
4流量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒間成膜し
た後、Pb(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCC
M、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で600
秒間成膜し、PZT612の金属酸化物誘電体膜を得た。この
時の成長中の真空容器内のガスの全圧は、5×10-3Torr
とした。この時の成長膜厚は100nmであった。IrO2613及
びIr614をスパッタリング法により成膜し、容量上部電
極層を形成した後、ドライエッチングによって、容量上
部電極層、金属酸化物誘電体膜、容量下部電極層をパタ
ーニングにより分離し、PZT容量とした。
に形成した。第二層間絶縁膜615としてシリコン酸化膜
をプラズマCVD法により形成した後、容量上部コンタク
ト及びプレート線コンタクトをエッチングにより開口し
た。第二メタル配線616としてWSi、TiN、AlCu、TiNをこ
の順にスパッタして成膜した後、エッチングにより加工
した。この上に、パッシベーション膜617としてシリコ
ン酸化膜及びSiON膜を形成した後、配線パッド部を開口
し、電気特性の評価を行った。
容量上部電極を形成してから、ドライエッチング法によ
って容量を分離する方法について述べたが、図15に示す
ように、先に、容量下部電極すなわちPt/TiN/Tiをドラ
イエッチングによって分離した後、PZTの成膜を行い、I
rO2/Ir上部電極を形成して、上部電極を分離しても良
い。この方法を用いると、ドライエッチングを行う膜が
薄く、より微細なパターンが形成できる。また、PZTの
側面がドライエッチング中にプラズマにさらされないの
で、PZT膜中へ欠陥が導入されることもない。以下に図1
4及び図15に示す方法で作成した容量の電気特性を示
す。
の特性を測定したところ、反転と非反転電荷の差として
10μC/cm2以上の値が得られ、良好な誘電特性を示し
た。疲労特性及び保持特性等も良好であった。また、ゲ
ート長0.26μmのトランジスタにおける特性を評価した
ところ、p型、n型ともにしきい値Vtのばらつきはウエハ
ー全面で10%以下であり、良好であった。さらに、0.4μ
m角の容量下部コンタクトの抵抗を、コンタクト・チェ
ーンにより測定したところ、コンタクト1個当たりの抵
抗は10Ωcm以下であり良好であった。
セルを製造する第2の方法を図16に示す。タングステン
のプラグの作製までは、メモリーセルの第1の実施形態
と同等に作製し、この上に、Ti、TiNを成膜した。スパ
ッタ法によりAlCuを成膜し、ドライエッチング法により
第一のアルミ配線618を形成した。以上の過程により、
図16Aに示すようにn型及びp型のMOS型トランジスタ上
に第一のアルミ配線を形成した。
示すように形成した。先ず、第二層間絶縁膜619として
シリコン酸化膜又はボロン等の不純物を含んだシリコン
酸化膜(BPSG)を成膜した後、CMP法により平坦化した。
次に、ビアホールをエッチングにより開口した後、バリ
アメタルとしてTi及びTiNを成膜した。この上にタング
ステンをCVD法により成膜した後、CMPによりタングステ
ンのプラグ620を形成した。タングステンのプラグは、
タングステンのCVD後、エッチバックによって形成して
も良い。この上に、Ti及びTiNをスパッタ法により形成
し、ドライエッチング法により第二のアルミ配線621を
形成し第三層間絶縁膜622としてシリコン酸化膜または
ボロン等の不純物を含んだシリコン酸化膜(BPSG)を成
膜した後、CMP法により平坦化した。次にビアホールを
エッチングにより開口した後、バリアメタルとしてTi及
びTiNを成膜した。この上にタングステンをCVD法により
成膜した後、CMP法によりタングステンのプラグ623を形
成した。タングステンのプラグは、タングステンのCVD
後、エッチバックによって形成しても良い。このアルミ
配線、層間膜、ビア形成を繰り返すことによって、所望
の数の配線層を形成することができる。最後のタングス
テンプラグ上に、Ti膜624、TiN膜625を連続してスパッ
タし、その上に100nmのPt膜626を形成し、容量下部電極
を形成した。
形成した。本発明の方法を使用してPZTを100nm形成し
た。原料には、ビスジピバロイルメタナート鉛(Pb(DPM)
2)、チタンイソポロポキシド(Ti(OiPr)4)、ジルコニウ
ムブトキシド(Zr(OtBu)4)を用い、酸化剤としてNO2を用
いた。成膜条件は、基板温度を400℃とし、はじめにPb
(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)
4流量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒間成膜し
た後、Pb(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCC
M、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で600
秒間成膜し、PZT627の金属酸化物誘電体膜を得た。この
時の成長中の真空容器内のガスの全圧は、5×10-3Torr
とした。この時の成長膜厚は100nmであった。IrO2628及
びIr629をスパッタリング法により成膜し、容量上部電
極層を形成した後、ドライエッチングによって、容量上
部電極層、金属酸化物誘電体膜、容量下部電極層をパタ
ーニングにより分離し、PZT容量とした。
成した。第四層間絶縁膜630としてシリコン酸化膜をプ
ラズマCVD法により形成した後、容量上部コンタクト及
びプレート線コンタクトをエッチングにより開口した。
第三メタル配線631としてWSi、TiN、AlCu、TiNをこの順
にスパッタして成膜した後、エッチングにより加工し
た。この上に、パッシベーション膜632としてシリコン
酸化膜及びSiON膜を形成した後、配線パッド部を開口
し、電気特性の評価を行った。
示した場合と同様に、先に容量下部電極すなわちPt/TiN
/Tiをドライエッチングにより分離した後、PZTの成膜を
行い、IrO2/Ir容量上部電極を形成して、容量上部電極
を分離しても良い。この方法を用いると、ドライエッチ
ングを行う膜が薄く、より微細なパターンが形成でき
る。また、PZTの側面がドライエッチング中にプラズマ
にさらされないので、PZT膜中に欠陥が導入されること
もない。
ルを、第1の方法で製造したメモリーセル同様に電気特
性の評価を行った。
μC/cm2以上の値が得られ、良好な誘電特性を示し、疲
労特性及び保持特性等も良好であった。また、ゲート長
0.26μmのトランジスタにおける特性を評価は、p型、n
型ともにしきい値Vtのばらつきはウエハー全面で10%以
下であり、良好であった。さらに、0.4μm角の容量下部
コンタクトの抵抗を、コンタクト・チェーンにより測定
した結果、コンタクト1個当たりの抵抗は10Ωcm以下で
あり良好であった。
態とも、タングステンを用いたコンタクトについて述べ
たが、同様にポリシリコンを用いたコンタクトにおいて
も、強誘電体容量特性、トランジスタ特性、コンタクト
抵抗ともに良好であった。また、本実施例ではPtを下部
電極として用いた場合について述べたが、Ir、IrO2、Ir
O2/Ir、Ru、RuO2、TiN、WNの場合も、強誘電体容量特
性、トランジスタ特性、コンタクト抵抗ともに良好であ
ることを確かめた。
いて述べたが、Ba(DPM)2、Sr(DPM)2、Ti(i-OC3H7)4等の
有機金属材料ガスを用いて、BaSrTiO3を高誘電体容量と
して形成する場合にもまったく同じように容量特性、ト
ランジスタ特性、コンタクト抵抗ともに良好であること
を確認した。
配向性の制御された強誘電体膜、高誘電体膜を低温で成
膜することが可能であり、しかも薄膜化しても特性の劣
化が少なく、反転疲労が少ない結晶性の良い膜が得られ
る。この成膜方法を使うことによって、タングステンや
ポリシリコンのようなプラグ上に形成した電極上に、該
プラグや下層の配線、トランジスタを劣化させることな
く良好な強誘電体容量または高誘電体容量を形成するこ
とが可能になり、容量面積を著しく縮小化でき、集積度
を飛躍的に高めることができる。
断面を示す概略図である。
ガス供給方法を示す概略図である。
きの膜厚と自発分極2Prとの関係を示すグラフである。
化物誘電体膜を成長させるときの薄膜成長様式の模式図
である。
である。
である。
線回折スペクトルである。
成膜条件を用いてPZTの成膜を行った場合のX線回折スペ
クトルである。
を一定とし、成膜温度のみを変化させたときのTi/Pb、Z
r/Pb組成比を示すグラフである。
件を一定とし、成膜温度のみを変化させたときのX線回
折スペクトルである。
したときの自発分極の膜厚依存性を示すグラフである。
したときの自発分極の反転回数依存性を示すグラフであ
る。
Tの粒径との関係を示すグラフである。
造工程を示す模式図である。本図では、特に容量上部電
極層、容量下部電極層及び金属酸化物誘電体膜の三層を
同時に分離を行った製造工程を示す。
造工程を示す模式図である。本図では、特に容量上部電
極層と容量下部電極層の分離を別の工程で行い、金属酸
化物誘電体膜を層状にメモリーセルの中に残す場合の製
造工程を示す。
造工程を示す模式図である。本図では、特に半導体装置
が、アルミ多層配線を持つ構造を持つメモリーセルの前
半の工程を示す図である。
製造工程を示す模式図である。本図では、特に半導体装
置が、アルミ多層配線を持つ構造を持つメモリーセルの
後半の工程を示す図である。
r)/Pb組成比の変化を示すグラフである。
Claims (17)
- 【請求項1】 導電性材料上への有機金属材料ガスを用
いたABO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有
する金属酸化物誘電体膜の気相成長方法であって、第一
の成膜条件で、金属酸化物誘電体の原料となる有機金属
材料ガスのすべてを用いて、前記導電性材料上にペロブ
スカイト型結晶構造の初期核形成を行い、第二の成膜条
件で、この初期核上にさらにペロブスカイト型結晶構造
の膜成長を行う金属酸化物誘電体膜の気相成長方法。 - 【請求項2】 導電性材料上への有機金属材料ガスを用
いたABO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有
する金属酸化物誘電体膜の気相成長方法であって、第一
の成膜条件で、金属酸化物誘電体の原料となる有機金属
材料ガスのすべてを用いて、前記導電性材料上にペロブ
スカイト型結晶構造の初期層形成を行い、第二の成膜条
件で、この初期層上にさらにペロブスカイト型結晶構造
の膜成長を行う金属酸化物誘電体膜の気相成長方法。 - 【請求項3】 導電性材料上への有機金属材料ガスを用
いたABO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有
する金属酸化物誘電体膜の気相成長方法であって、第一
の成膜条件で、金属酸化物誘電体の原料となる有機金属
材料ガスの一部のみを用いて、前記導電性材料上にペロ
ブスカイト型結晶構造の初期核形成を行い、第二の成膜
条件で、この初期核上にさらにペロブスカイト型結晶構
造の膜成長を行う金属酸化物誘電体膜の気相成長方法。 - 【請求項4】 前記第二の成膜条件を自己制御性の良い
原料ガス供給条件で成膜し、前記第一の成膜条件で、前
記A元素の原料を第二の成膜条件のときよりも多量に原
料供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載の金属酸化物誘電体膜の気相成長法。 - 【請求項5】 前記B元素としてZrとTiの両方を含
む場合に、前記第二の成膜条件と比較して前記第一の成
膜条件において、ZrをTiに比べて供給量を減らした
条件で成膜することを特徴とする請求項1〜4いずれか
に記載の金属酸化物誘電体膜の気相成長方法。 - 【請求項6】 前記B元素としてZrとその他の元素を
含む場合に、第一の成膜条件でZrの原料ガスを供給し
ない条件で成膜することを特徴とする請求項3記載の金
属酸化物誘電体膜の気相成長方法 - 【請求項7】 第一の成膜条件での初期核形成時間を制
御することにより、結晶粒径を制御しながら成膜するこ
とを特徴とする請求項1または3記載の金属酸化物誘電
体膜の気相成長方法。 - 【請求項8】 成膜時の有機金属材料ガスを含む原料ガ
スの全圧を1×10-2Torr以下の圧力に保ち成膜すること
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の金属酸化
物誘電体膜の気相成長方法。 - 【請求項9】 前記成膜時の成膜温度が450℃以下であ
ることを特徴とする請求項8記載の金属酸化物誘電体膜
の気相成長方法。 - 【請求項10】 前記金属酸化物誘電体膜が、PZT膜ま
たはBST膜である請求項1〜3のいずれかに記載の金属
酸化物誘電体膜の気相成長方法。 - 【請求項11】 前記導電性材料が、少なくともPt、
Ir、Ru、IrO 2、RuO2、TiN、WNいずれか
の金属または金属酸化物を含む容量電極であることを特
徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の金属酸化物
誘電体膜の気相成長方法。 - 【請求項12】 前記導電性材料が、Pt/TiN/Tiの3層
構造であるであることを特徴とする請求項1〜10のい
ずれかに記載の金属酸化物誘電体膜の気相成長方法。 - 【請求項13】 前記導電性材料が、Pt/TiN/Ti/Wの4
層構造であることを特徴とする請求項1〜10のいずれ
かに記載の金属酸化物誘電体膜の気相成長方法。 - 【請求項14】 半導体基板上にMOS型トランジスタ
を形成する工程と、このトランジスタ上に第一層間絶縁
膜を形成する工程と、この第一層間絶縁膜に前記MOS
型トランジスタの拡散層に達するコンタクトを開口して
金属プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この金
属プラグを有する第一層間絶縁膜全面に、容量下部電極
層を形成する工程と、この容量下部電極層全面に有機金
属材料ガスを用いて、第一の成膜条件で、ペロブスカイ
ト型結晶構造を有する金属酸化物誘電体膜の初期核また
は初期層を形成し、第二の成膜条件で、この初期核また
は初期層上に、さらにペロブスカイト型結晶構造を有す
る金属酸化物誘電体膜を成膜する工程と、この金属酸化
物誘電体膜全面に、容量上部電極層を形成する工程と、
前記下部電極層、前記金属酸化物誘電体膜及び前記容量
上部電極層を、パターニングし、三層の積層構造の容量
を得る工程とを有する半導体装置の製造方法。 - 【請求項15】 半導体基板上にMOS型トランジスタ
を形成する工程と、このトランジスタ上に第一層間絶縁
膜を形成する工程と、この第一層間絶縁膜に前記MOS
型トランジスタの拡散層に達するコンタクトを開口して
金属プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この金
属プラグを有する第一層間絶縁膜全面に、容量下部電極
層を形成する工程と、前記容量下部電極層をパターニン
グし、金属プラグ上に容量下部電極を形成する工程と、
このパターニングした容量下部電極と第一層間絶縁膜上
全面に、有機金属材料ガスを用いて、第一の成膜条件
で、ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物誘電
体膜の初期核または初期層を形成し、第二の成膜条件
で、この初期核または初期層上に、さらにペロブスカイ
ト型結晶構造を有する金属酸化物誘電体膜を成膜する工
程と、この金属酸化物誘電体膜全面に、容量上部電極層
を形成する工程と、この金属酸化物誘電体膜全面に、容
量上部電極層を形成する工程と、この容量上部電極層を
パターニングし、容量下部電極、金属酸化物誘電体膜及
び容量上部電極の三層の積層構造の容量を得る工程とを
有する半導体装置の製造方法。 - 【請求項16】 半導体基板上にMOS型トランジスタ
を形成する工程と、このトランジスタ上に第一層間絶縁
膜を形成する工程と、この第一層間絶縁膜に前記MOS
型トランジスタの拡散層に達するコンタクトを開口して
金属プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この第
一層間絶縁膜上に金属プラグと電気的に導通するアルミ
配線を形成する工程と、このアルミ配線上に第二層間絶
縁膜を形成する工程と、この第二層間絶縁膜に前記アル
ミ配線に達するコンタクトを開口して金属プラグを埋め
て電気的な導通をとる工程と、この金属プラグを含む第
二層間絶縁膜全面に、容量下部電極層を形成する工程
と、この容量下部電極層全面に有機金属材料ガスを用い
て、第一の成膜条件で、ペロブスカイト型結晶構造を有
する金属酸化物誘電体膜の初期核または初期層を形成
し、第二の成膜条件で、この初期核または初期層上に、
さらにペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物誘
電体膜を成膜する工程と、この金属酸化物誘電体膜全面
に、容量上部電極層を形成する工程と、前記容量下部電
極層、前記金属酸化物誘電体膜及び前記容量上部電極層
をパターニングし、三層の積層構造の容量を得る工程と
を有する半導体装置の製造方法。 - 【請求項17】 容量下部電極層を形成する前に最後の
形成した金属プラグと電気的に導通するアルミ配線を形
成する工程と、このアルミ配線上に層間絶縁膜を形成す
る工程と、この層間絶縁膜に前記アルミ配線に達するコ
ンタクトを開口して金属プラグを埋めて電気的な導通を
とる工程とを少なくとも1回繰り返し、前記容量の下層
に形成するアルミ配線を多層化したことを特徴とする請
求項16記載の半導体装置の製造方法。
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