JP2002334875A - 金属酸化物誘電体膜の気相成長方法 - Google Patents

金属酸化物誘電体膜の気相成長方法

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JP2002334875A
JP2002334875A JP2002049980A JP2002049980A JP2002334875A JP 2002334875 A JP2002334875 A JP 2002334875A JP 2002049980 A JP2002049980 A JP 2002049980A JP 2002049980 A JP2002049980 A JP 2002049980A JP 2002334875 A JP2002334875 A JP 2002334875A
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oxide dielectric
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徹 辰巳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、リーク電流が少ない酸化物誘電体
薄膜、特にPZT膜(Pb(Zr,Ti)O3膜)の気
相成長方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 下地導電性材料上への有機金属材料ガス
を用いたABO3型結晶構造を有する金属酸化物誘電体
膜の気相成長方法において、第一の成膜条件で、下地導
電性材料上にペロブスカイト型結晶の初期核の形成、ま
たはアモルファス構造の初期アモルファス層の形成を行
う第1の工程と、前記第一の成膜条件とは異なる第二の
成膜条件で、第1の工程で形成した結晶の初期核または
初期アモルファス層上にさらにペロブスカイト型結晶構
造の膜成長を行う第2の工程とを有し、その際、前記第
一の成膜条件が、(a)第二の成膜条件よりも基板温度
が低い条件、および(b)第二の成膜条件よりも原料ガ
ス圧力が高い条件の少なくともどちらかを満たすことを
特徴とする金属酸化物誘電体膜の気相成長方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は容量素子を有する半
導体装置の製造方法に関し、特に有機金属材料ガスを用
いた、半導体集積回路のキャパシタもしくはゲートに用
いられる高誘電体膜、強誘電体膜の成膜方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、強誘電体容量を利用した強誘電体
メモリーや、高誘電体容量を利用したダイナミック・ラ
ンダム・アクセス・メモリー(DRAM)等が活発に研
究開発されている。これらの強誘電体メモリーおよびD
RAMは選択トランジスタを備えており、該選択トラン
ジスタの一方の拡散層に接続された容量をメモリセルと
して情報を蓄えている。強誘電体容量は容量絶縁膜とし
てPb(Zr,Ti)O 3(以下「PZT」と呼ぶ)等
の強誘電体膜を用いており、強誘電体を分極させること
により不揮発性の情報を蓄えることができる。一方、高
誘電体容量は、容量絶縁膜として(Ba,Sr)TiO
3(以下「BST」と呼ぶ)等の高誘電体薄膜を用いて
いるため、容量のキャパシタンスを高めることができ、
素子を微細化することが可能になる。半導体素子にこの
様なセラミック材料を使用する上で、下部電極となる導
電膜上に堆積されたこの様なセラミック材料を微細な容
量として電気的に分離することが極めて重要である。
【0003】薄膜の堆積方法として従来ゾルゲル法、ス
パッタ法、CVD法が報告されている。
【0004】強誘電性能等を発現させるためには、結晶
化させ、結晶の配向をそろえる必要があり、ゾルゲル法
およびスパッタ法では、一旦成膜した後、結晶化のため
に酸素中での高温アニールが必要である。金属酸化物誘
電体膜がPZTの場合、十分な強誘電体特性を示す結晶
化温度は600℃であり、BSTの場合、充分な高誘電
体特性を示す結晶化温度は650℃であるので、アルミ
配線形成後の半導体基板上に、結晶性の金属酸化物誘電
体膜を形成することができない。さらにゾルゲル法は、
大口径ウエハーに対応することが難しくまた段差被覆性
が悪い等の問題があり、一方、スパッタ法も組成がター
ゲットの組成でほとんど決まってしまうために組成を変
化させるにはターゲットの交換が必要であり、工程的に
不利である等の問題がある。
【0005】そこでCVD法は、大口径ウエハーにおけ
る均一性および表面段差に対する被覆性に優れ、ULS
Iに応用する場合の量産化技術として有望である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特に、特開2000−
58525号公報には、有機金属材料ガスと酸化ガスを
用いてペロブスカイト型金属酸化物誘電体膜を下部電極
上に形成する方法として、まず第1の条件にて結晶の初
期核または初期層を形成して、その後、成膜温度はその
ままで原料ガスの供給量を第1の条件から変えた第2の
条件にて、成膜を行う気相成長方法(CVD法)が記載
されている。この方法によれば、Pt、Ru、Ir等の
金属、またはRuO2、IrO2等の酸化物導電性材料電
極上に、450℃程度以下の温度で配向性の良いペロブ
スカイト型結晶を成膜することができる。従って、アル
ミ配線を形成した後の半導体基板上にも金属酸化物誘電
体膜を形成することができ、また高いキャパシタンスを
有するので素子を微細化することが可能である。
【0007】一方、高速化、微細化を行うためには電源
電圧の減少が必須であり、容量絶縁膜に必要な電界を与
えるために、セラミックス容量絶縁膜の薄膜化が必要で
あるが、薄膜化するほどリーク電流は顕著になる。そし
て特開2000−58525号公報記載の方法によって
も、成膜条件によってはリーク電流が多いという問題点
があり、特に容量下部電極材料としてRu,Ir、また
はRuO2、IrO2等の酸化物を用いる場合に顕著であ
った。
【0008】ところで、強誘電体メモリ(FeRAM)
では、データを読み出す場合、自発分極より固定された
電荷により、ビット線電圧が持ち上げられる量を近接に
ある逆方向に書き込まれた容量のビット線電圧と比較
し、その差をセンサーアンプで検知する。このビット線
電圧差がセンサーアンプの検知限界である50mV以下にな
ると、そのビットは不良ビットとなる。チップの歩留ま
りを向上するためには、ビット線電圧差を大きくするこ
と、即ちヒステリシス特性を大きく立たせることが必要
である。しかし、多数のメモリーを集積化した場合、容
量素子ごとにビット線電圧差にばらつきがあり、分布の
裾に少数の不良ビットが出現することが多い。
【0009】さらに、実際の半導体装置の製造工程にお
いては、リソグラフィ工程においてマスクの位置合わせ
が繰り返し必要であるが、PZT等の金属酸化物誘電体
膜を成膜すると、その結晶化状態によっては膜が白濁し
て乱反射が起こり位置合わせマークが見えなくなり、そ
の後の位置合わせが困難になる問題があった。この、薄
膜の加工性が悪化するという問題も、特に容量下部電極
材料としてRu、Ir、またはRuO2、IrO2等の酸
化物を用いる場合に顕著であった。
【0010】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであり、本発明はリーク電流が少ない酸
化物誘電体薄膜、特にPZT膜(Pb(Zr,Ti)O
3膜)の気相成長方法を提供することを目的とする。ま
た、本発明の異なる目的は、PZT膜を成膜した後で
も、膜の平坦性がよくその結果光の乱反射が少なく、マ
スクの位置合わせが問題なく行うことのできるPZT膜
の気相成長方法を提供することである。さらに、本発明
の一態様における目的は、容量素子の形成に適用したと
きに、容量素子ごとのビット線電圧差のばらつきが小さ
く、不良ビットの出現を小さくすることができる酸化物
誘電体薄膜の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、下地導電性材
料上への有機金属材料ガスを用いたABO3で表される
ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物誘電体膜
の気相成長方法において、第一の成膜条件で、前記下地
導電性材料上にペロブスカイト型結晶の初期核の形成、
またはアモルファス構造の初期アモルファス層の形成を
行う第1の工程と、前記第一の成膜条件とは異なる第二
の成膜条件で、第1の工程で形成した結晶の初期核また
は初期アモルファス層上にさらにペロブスカイト型結晶
構造の膜成長を行う第2の工程とを有し、その際、前記
第一の成膜条件が、(a)第二の成膜条件よりも基板温
度が低い条件、および(b)第二の成膜条件よりも原料
ガス圧力が高い条件の少なくともどちらかを満たすこと
を特徴とする金属酸化物誘電体膜の気相成長方法に関す
る。
【0012】また、本発明の1つの好ましい態様とし
て、第一の成膜条件で、金属酸化物誘電体の原料となる
有機金属材料ガスのすべてを用いて、初期核形成または
初期アモルファス層の形成を行い、第二の成膜条件で、
有機金属材料ガスのすべてを用い且つ供給条件を変更し
てペロブスカイト型結晶構造の膜成長を行う方法が挙げ
られる。
【0013】また、本発明の1つの好ましい態様とし
て、第一の成膜条件で、金属酸化物誘電体の原料となる
有機金属材料ガスの一部のみを用いて、初期核形成また
は初期アモルファス層の形成を行い、第二の成膜条件
で、有機金属材料ガスのすべてを用いてペロブスカイト
型結晶構造の膜成長を行う方法が挙げられる。
【0014】本発明の方法は、容量素子を有する半導体
装置の製造方法に適用することができる。代表的な3形
態は次のとおりである。
【0015】半導体基板上にMOS型トランジスタを形
成する工程と、このトランジスタ上に第一層間絶縁膜を
形成する工程と、この第一層間絶縁膜に前記MOS型ト
ランジスタの拡散層に達するコンタクトを開口して金属
プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この金属プ
ラグを有する第一層間絶縁膜全面に、容量下部電極層を
形成する工程と、この容量下部電極層全面に上記の気相
成長方法を用いて金属酸化物誘電体膜を成膜する工程
と、この金属酸化物誘電体膜全面に、容量上部電極層を
形成する工程と、前記下部電極層、前記金属酸化物誘電
体膜及び前記容量上部電極層を、パターニングし、三層
の積層構造の容量を得る工程とを有する半導体装置の製
造方法。
【0016】半導体基板上にMOS型トランジスタを形
成する工程と、このトランジスタ上に第一層間絶縁膜を
形成する工程と、この第一層間絶縁膜に前記MOS型ト
ランジスタの拡散層に達するコンタクトを開口して金属
プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この金属プ
ラグを有する第一層間絶縁膜全面に、容量下部電極層を
形成する工程と、前記容量下部電極層をパターニング
し、金属プラグ上に容量下部電極を形成する工程と、こ
のパターニングした容量下部電極と第一層間絶縁膜上全
面に、上記の気相成長方法を用いて金属酸化物誘電体膜
を成膜する工程と、この金属酸化物誘電体膜全面に、容
量上部電極層を形成する工程と、この容量上部電極層を
パターニングし、容量下部電極、金属酸化物誘電体膜及
び容量上部電極の三層の積層構造の容量を得る工程とを
有する半導体装置の製造方法。
【0017】半導体基板上にMOS型トランジスタを形
成する工程と、このトランジスタ上に第一層間絶縁膜を
形成する工程と、この第一層間絶縁膜に前記MOS型ト
ランジスタの拡散層に達するコンタクトを開口して金属
プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この第一層
間絶縁膜上に金属プラグと電気的に導通するアルミ配線
を形成する工程と、このアルミ配線上に第二層間絶縁膜
を形成する工程と、この第二層間絶縁膜に前記アルミ配
線に達するコンタクトを開口して金属プラグを埋めて電
気的な導通をとる工程と、この金属プラグを含む第二層
間絶縁膜全面に、容量下部電極層を形成する工程と、こ
の容量下部電極層全面に上記の気相成長方法を用いて金
属酸化物誘電体膜を成膜する工程と、この金属酸化物誘
電体膜全面に、容量上部電極層を形成する工程と、前記
容量下部電極層、前記金属酸化物誘電体膜及び前記容量
上部電極層をパターニングし、三層の積層構造の容量を
得る工程とを有する半導体装置の製造方法。
【0018】上記のアルミ配線は、多層化されていても
良い。
【0019】
【発明の実施の形態】図33は、従来のMOCVDによ
る低温成膜方法で、下地導電性材料(以下、下地材料、
下地膜ともいう。)であるRu膜191の上に金属酸化
物誘電体であるPZTの多結晶膜194を成長した様子
を模式的に示したものである。ここでは、特開2000
−58526号公報に記載されているように、まずP
b,Tiの有機金属原料ガスおよび酸化ガスのみを用い
た第1の成膜条件でPTO(チタン酸鉛:PbTi
3)結晶核193を形成し、その後同一温度、同一圧
力でさらにZr原料ガスを加えた第2の成膜条件でPZ
Tを成膜した場合を例に説明する。
【0020】本発明者の検討によれば、Ru、Ir、R
uO2、IrO2のような表面に導電性酸化膜が形成され
その結果Pb、Ti、Zr等の結晶成分金属と極めて反
応しにくい下地金属の表面に、PTO結晶核193の形
成を行った場合、図33に示す様に下地金属の多結晶粒
密度よりも少ない密度のペロブスカイト核が形成される
(図33(a)、(b))。この様子を図34を用いて
説明すると、図34(a)、(b)に示すように下地R
u膜191の表面に堆積した前駆体192は、表面で拡
散移動し互いに衝突合体して結晶核193となる。従っ
て、結晶核193同士の距離Lは、前駆体の表面拡散距
離で決まると考えられる。ある程度、結晶核ができた後
に下地表面に堆積した前駆体192a(図34(b))
は、表面を移動して、その表面拡散距離内に存在してい
る結晶核193に取り込まれて結晶核を成長させると考
えられる。
【0021】450℃におけるペロブスカイト核密度は
約1個/500nm角でありこの核を中心としてPZT
の成膜を行った場合、グレインサイズ(結晶粒径)は約
500nmとなる。このペロブスカイト核はほとんどラ
ンダムな方向を向いており、次のPZT成膜においてP
ZT多結晶粒の方位はほとんどランダムとなる。PZT
多結晶194のグレインサイズが大きくなると表面に生
じるファセット面が大きくなり、PZT表面の凹凸が大
きくなる(図33(c)、(d))。
【0022】このために、粒界195において、表面と
下地金属との距離が短くなりリ−ク電流が大きくなる問
題が発生する。これは膜厚を薄くするほど顕著になる。
また、形成したPZT膜を通してその下の位置合わせマ
ークが見え難い理由も、表面の凹凸が大きいことにより
表面で乱反射が大きいことによる。
【0023】さらに、本発明者の検討によれば、多数の
メモリーを集積化した場合に出現する、容量素子ごとの
ビット線電圧差のばらつきに関しても、グレインサイズ
に関係していることがわかった。即ち、グレインサイズ
が大きいと、微小な容量では容量部に存在するPZT多結
晶粒が少なくなり多結晶粒間のばらつきが顕在化するた
めである。例えば、容量の面積が1ミクロン角でありPZ
Tのグレインサイズが500nmである場合、この容量に含ま
れるPZT多結晶粒の数は数個になってしまう。この場
合、一つの多結晶粒の特性が得られないと容量全体のヒ
ステリシス特性に与える影響が大きい。これがビット線
電圧分布のばらつきの原因となっている。
【0024】また、金属酸化物誘電体を構成する全ての
金属元素の原料有機金属ガスを用いて核付けを行い、そ
の後流量を変化させて成膜を行う場合についても、R
u,Ir、RuO2,IrO2の等の基板上では十分な平
坦性が得られないと言う事情は同様であった。
【0025】そこで本発明では、金属酸化物誘電体の成
膜工程を、互いに条件の異なる第1の工程と第2の工程
に分け(それぞれの条件を第一の成膜条件、第二の成膜
条件とする。)、第1の工程において下地導電性材料上
にペロブスカイト型結晶の初期核の形成、またはアモル
ファス構造の初期アモルファス層の形成を行い、第2の
工程で、第1の工程で形成した結晶の初期核または初期
アモルファス層上にさらにペロブスカイト型結晶構造の
膜成長を行う。そしてその際に、第一の成膜条件が、
(a)第二の成膜条件よりも基板温度が低い条件、およ
び(b)第二の成膜条件よりも圧力が高い条件の少なく
ともどちらかを満たすようにすると、以上の問題が解決
できる。
【0026】尚、本発明で「基板温度」は、金属酸化物
誘電体膜が成膜される下地導電性材料の温度を意味する
が、慣例に従って、基板温度という。
【0027】以下、第1の工程でペロブスカイト型結晶
の初期核の形成を行う場合と、アモルファス構造の初期
アモルファス層の形成する場合に分けて説明する。
【0028】<初期核を形成する態様>本発明におい
て、結晶の初期核とは、結晶核がアイランド状態で存在
している状態のものと、結晶核のアイランドが結合して
層状になったものの両方を含む。いずれも適当な条件で
成膜することにより、良好な結晶核を含むものである。
初期核が層状の場合、その上に第2の工程で組成の異な
る金属酸化物誘電体の膜を形成した場合でも、初期核の
層が第2の工程で形成した層に吸収されて初期核の層の
存在が認識されないか、または層の存在が認識されても
第2の工程で形成した金属酸化物誘電体膜の層の電気的
特性に何ら影響を与えない。従って、本発明でいう初期
核は、アイランドが結合しても連なった層を形成する前
の状態をも含むものである。通常の条件では、初期核が
アイランドの状態で第1の工程を終了するのが、制御し
やすいので好ましい。アイランド状の場合および層状の
場合いずれも、初期核の厚さは、通常5nm以下程度、
好ましくは3nm以下で、また1nm以上である。
【0029】本態様で、第一の成膜条件として、(a)
第二の成膜条件よりも基板温度が低い条件、および
(b)第二の成膜条件よりも圧力が高い条件のどちらか
を採用して初期核を形成すると、最終的に得られる金属
酸化物誘電体膜のグレインサイズが小さくなり、表面の
凹凸が小さくなる。以下の説明、または図面において
(a)、(b)の条件を採用したものをそれぞれ「低温
核付け法」、「高圧核付け法」と呼ぶこともある。
【0030】本発明の実施の形態をRu膜(下地金属
膜)の上にPZTの多結晶を、まず第1の成膜条件でP
TO(チタン酸鉛:PbTiO3)の結晶核を形成し、
その後第2の成膜条件でPZTを成膜した場合を例にと
って、図1を用いて模式的に説明する。図1(a)は、
第1の工程において、下地Ru膜11の表面に核形成し
たところの様子である。核形成の温度が第二の成膜条件
より低いか、または核形成の圧力が高いと第2の工程に
おける第二の成膜条件にて核形成した場合よりも結晶核
12の密度が増加する。図2は、核形成の様子を示した
図であり、図2は、第一の条件として低温条件を選んだ
場合の模式図である。図2(a)、(b)に示すよう
に、下地表面の前駆体14が互いに衝突合体して結晶核
12を形成するのは、前述の機構2と同様であるが、低
温では表面拡散距離が短いために衝突合体が生じる距離
が短くなり、結晶核同士の距離Lが小さいと考えられ
る。図2(a)に示すように、ある程度、結晶核ができ
た後に下地表面に前駆体14bが堆積した場合、高温で
あれば近傍の結晶核に吸い込まれるような場合であって
も、低温では表面拡散距離が小さくなっているのでその
範囲内に結晶核が存在しない場合には、近傍にその後に
堆積されてくる前駆体と衝突合体して別個の結晶核を形
成すると考えられる。このようにして、低温核付けでは
核密度が増加する。
【0031】図3は、第一の条件として高圧条件を選ん
だ場合の模式図である。下地表面の前駆体14が互いに
衝突合体して結晶核12を形成するのは、同様である
が、図3(a)に示すように、原料供給量が多いと表面
には多くのガスが存在し、前駆体14は頻繁に衝突をお
こすために、実質的な表面拡散距離が短くなる。そして
近傍の前駆体同士で直ちに衝突合体して結晶核12を形
成し、位置が固定されてしまい、結晶核同士の距離Lが
小さくなって核密度が増加するものと考えられる。
【0032】図1(b)は核形成後、第2の工程に入っ
て、第二の成膜条件で成膜を始めたところの様子を示し
ているが、このように、一度、PTO結晶核が生じると
表面における移動が起こりにくくなり、温度を上昇させ
ても核密度に変化はない。その後、PZTを成膜すると
核の密度が増加しているので、小さいグレインサイズの
ままPZT多結晶13が成長し(図1(c))、その結
果、図1(d)に示すように、PZT膜の表面の平坦性
が向上する。
【0033】再度後述するが、第2の工程で採用される
第二の成膜条件は通常の本成膜工程に相当し、結晶性等
から好ましい範囲が存在する。仮に、第1の工程の核付
けと第2の工程の成膜を共に低温で行った場合、例えば
上記の例では、PTOに比べてPZTの結晶化温度が高
いために膜の結晶性が悪化したり、非晶質となって十分
な分極値が得られないなど電気的特性が悪化しやすい。
また、仮に第1の工程と第2の工程を共に高圧で行った
場合、本成膜である第2の工程で前駆体の表面拡散距離
が短く、結晶の正確な格子位置に到達できないために結
晶性が悪化しやすい。
【0034】<低温核付け法の条件>低温核付け法を主
体としてグレインサイズ制御を行う場合、核形成すると
きの(即ち、第1の工程における)基板温度(即ち、下
地導電性材料の温度)は、通常350℃〜450℃、好
ましくは370℃以上、400℃以下である。第1の工
程の温度は、結晶核が生成する温度で下限温度が制限さ
れる。この温度は、核付けを行うときの組成にも依存す
る。PZT膜を成膜する場合は、図4に模式的に示すよ
うに、Zrの少ない組成で核付けする方が低温での核付
けが可能である。通常、良好な結晶化が可能な温度は約
350℃以上であり、370℃以上であれば核として用
いるのに十分な結晶性のものが得られる。また、誘電体
膜に要求されるリーク耐性と加工性の観点から核付け温
度の上限がきまる。ここで、リソグラフィ加工の目合わ
せの際に支障が無いという意味では、グレインサイズが
概ね150nm以下となるような条件が望ましい。核付
けを400℃以下で行えば、この条件が満たされる。
【0035】また、第1の工程の時間は、ごく短時間で
あっても、原料ガスを酸化ガスと共に供給すれば、それ
だけ成膜される金属酸化物誘電体膜の表面の凹凸が減少
する。但し、第1の工程が長すぎると第1の工程ではP
bを多く送っているためPbO膜が析出するので、Pb
O膜が生成する前までの時間および条件が限度になる。
PbO膜が生成するまでの時間は条件によって異なる
が、X線回折により実験的に容易に調べることができ
る。一般的には、60秒以下であり、好ましくは3秒〜
20秒である。
【0036】本成膜するときの(即ち、第2の工程にお
ける)基板温度(即ち、下地導電性材料の温度)は、通
常400℃〜700℃、好ましくは400℃以上、47
0℃以下、特に450℃以下である。また、第2の工程
の基板温度は第1の工程よりも高くする。第2の工程の
温度に関しては、通常の気相成長方法では、温度が高い
方が大きな分極が得られ従って大きな容量値が得られる
が、リーク電流も大きくなる傾向にある。しかし、本発
明を適用することにより、リーク電流も小さくすること
ができる。また、実際の半導体装置において、アルミニ
ウム配線が済んだ基板上に金属酸化物誘電体膜を形成す
る場合には、アルミニウム配線の耐熱性を考慮して、4
50℃以下で第2の工程を行うことが好ましい。
【0037】従って、最も好ましい温度条件は、370
℃〜400℃の温度で核付けを行い、次に400℃〜4
50℃に昇温して成膜を行うことである。
【0038】また原料ガス圧力は、第1の工程では、圧
力が高すぎると結晶化が進まないので100Torr
(13.3kPa)以下が好ましく、例えば20Tor
r(2.67kPa)以下である。第2の工程では、圧
力が高すぎると結晶性が悪化するので1Torr(13
3Pa)以下、特に200mTorr(26.7Pa)
以下が好ましい。圧力が低すぎると膜成長が進まないの
で実用上は、第1の工程、第2の工程ともに1×10-4
Torr(1.33×10-2Pa)以上が好ましい。
【0039】<高圧核付け法の条件>次に、高圧核付け
を主体としてグレインサイズ制御を行う場合、核形成す
るときの(即ち、第1の工程における)原料ガス圧力は
0.1〜100Torr(13.3Pa〜13.3kP
a)、好ましくは1Torr(133Pa)以上、20
Torr(2.67kPa)以下である。第2の工程の
原料ガス圧力は、圧力が高すぎると結晶性が悪化するの
で1Torr(133Pa)以下、特に200mTor
r(26.7Pa)以下が好ましい。圧力が低すぎると
膜成長が進まないので実用上は1×10-4Torr
(1.33×10-2Pa)以上が好ましい。このような
範囲で、第一の成膜条件における圧力が第2の成膜条件
における圧力より高くなるように設定する。
【0040】また、このときの基板温度は、第一の成膜
条件では350℃〜700℃、第二の成膜条件では40
0℃〜700℃に設定することが好ましい。
【0041】<低温核付け法および高圧核付け法に共通
する条件>以上、低温核付け法と高圧核付け法を別々に
説明したが、実際の生産にあたっては、第一の成膜条件
が、第二の成膜条件と比べて、 (1)基板温度が低い、圧力が同一; (2)基板温度が同一、圧力が高い; (3)基板温度が低い、圧力が高い のいずれかで行うことが、工程の簡略上好ましい。低温
核付け法と高圧核付け法の両方を同時に採用するとき
〔(3)の条件〕は、両方の条件を満足するように条件
を設定すればよい。
【0042】CVDの表面反応における核形成メカニズ
ムは以上のとおりであるが、実際の系では前駆体の表面
拡散速度等は数値が未知な部分が多い。しかし、温度・
圧力を変化させて成膜した多結晶膜のグレインサイズを
SEM等によって観察することによって、容易に最適な
グレインサイズ、表面平坦性の条件を出すことができ
る。
【0043】この態様において用いられる下地導電性材
料は、通常PZT等の酸化物誘電体成膜の下地膜(下地
が直接基板である場合を含む)として用いられるもので
あれば材料を選ばずに実施できるが、特に従来の方法で
は十分な電気的特性、加工性の得られなかったRu、I
r、RuO2またはIrO2を用いる場合にその効果は顕
著である。特に下地導電性材料としては、Ruが好まし
い。なおここで、例えばRu基板を用いるというのは、
核付け・成膜工程中にその最表面が酸化されてRuO2
層が形成される場合を含む。
【0044】実際の成膜において下地材料は単層膜であ
っても、多層膜であってもどちらでもよい。本発明を容
量膜の形成に適用する場合、実際の半導体装置において
は、種々の理由により多層膜である場合が多い。どちら
の場合でも、金属酸化物誘電体膜が形成される下地材料
の表面が、上記の材料であればよい。下地材料としてR
uを用いたときに多層構造としたときの下層は、適宜選
ぶことができるが、Tiの上にTiNおよびTiを積層
したRu/Ti/TiN/Ti構造の場合、TiNが下
地のプラグもしくは配線の酸化を抑えるバリアとして働
く。中間にはさむTi層は剥がれ防止のための密着層で
ある。さきの構造の層にさらにW層を設けたRu/Ti
/TiN/Ti/W構造も、さらに好ましい。
【0045】また、本発明で成膜するABO3で表され
るペロブスカイト型結晶構造の金属酸化物誘電体として
は、PZTの他に、STO〔SrTiO3〕、BTO
〔BaTiO3〕、BST〔(Ba,Sr)TiO3〕、
PTO〔PbTiO3〕、PLT〔(Pb,La)Ti
3〕、PLZT〔(Pb,La)(Zr,Ti)
3〕、PNbT〔(Pb,Nb)TiO3〕、PNbZ
T〔(Pb,Nb)(Zr,Ti)O3〕、およびこれ
らの金属酸化物中にZrが含まれる場合にはZrをH
f、MnまたはNiの少なくとも1種によって置き換え
た金属酸化物等をあげることができる。
【0046】本発明では、構成金属元素の原料としては
それらの有機金属化合物が用いられ、例えばPZT膜で
あれば、Pb原料としてはビスジピバロイルメタナート
鉛(Pb(DPM)2)、Zr原料としてはジルコニウ
ムブトキシド(Zr(OtBu)4)、Ti原料として
はチタンイソポロポキシド(Ti(OiPr)4)等を
挙げることができる。例えば、BST膜であれば、バリ
ウムビスジピバロイルメタナート(Ba(DP
M)2)、ストロンチウムビスジピバロイルメタナート
(Sr(DPM)2)、テトライソプロポキシチタン
(Ti(OiPr)4)等のガスが挙げられる。
【0047】また、有機金属材料ガスが、下地導電性材
料上で合金化しないように表面上で十分酸化させ、酸素
欠損を起こさせないために、有機金属材料ガスの他に、
酸化ガスを使用することが好ましく、酸化ガスとして、
二酸化窒素、オゾン、酸素、酸素イオン、酸素ラジカル
を用いることができ、特に酸化力の強い二酸化窒素が好
ましい。
【0048】これらの原料ガスをCVD装置のチャンバ
ーに供給するには、キャリアーガスを使用しないで、マ
スフローコントローラによってガス流量を制御して供給
することができる(固体昇華法)。あるいは、有機金属
材料を酢酸ブチル、テトラヒドロフラン等の溶媒に溶解
して液状で輸送し、成膜室近傍に設けた気化室で気化
し、窒素等のキャリアガスと共に供給してもよい(液体
輸送法)。尚、本発明で原料ガス圧力を問題にするとき
は、反応に関与しないキャリアガスおよび溶媒等の分圧
を差し引いたガス圧力をいう。
【0049】また、圧力変化させる方法として、最も効
果的な方法は排気孔の断面積を変化させて排気量を制御
する方法である。排気量を変化させる方法では全体のガ
スの比率を変えることなく、基板表面に与える原料ガス
濃度を高めることができる。
【0050】ところで、成膜時の原料ガスの全圧をおよ
そ1Torr以下とした減圧熱CVD法においては、一
定の原料ガス流量範囲内ではABO3型結晶中のA元素
とB元素の組成比が化学量論組成に整合するような、組
成の自己整合条件が存在することが知られており、この
ような条件下では成膜の再現性や均一性が向上するとと
もに、得られた膜の電気的特性も優れたものとなる。従
って、本発明の第2の工程も、この自己整合条件下で行
われることが好ましいが、このような組成の自己整合が
得られるのは、基板温度がおよそ400℃以上である。
また、このときの圧力は、1Torr(133Pa)以
下、特に200mTorr(26.7Pa)以下であ
る。
【0051】本発明では第一の成膜条件と第二の成膜条
件は、少なくとも基板温度または原料ガス圧力が異なっ
ているが、それ以外の成膜条件も変更し、それぞれ最適
な条件を選んで成膜することが好ましい。このような条
件下で成膜することにより、配向性、結晶性、反転疲
労、表面平坦性、リーク特性ともに優れた薄膜を形成す
ることが可能となる。
【0052】基板温度および原料ガス圧力以外の成膜条
件を変更する場合、有機金属材料ガスの供給条件を変更
する成膜方法が挙げられる。
【0053】例えば、(i)第一の成膜条件で、金属酸
化物誘電体の原料となる有機金属材料ガスのすべてを用
いて、前記下地導電性材料上にペロブスカイト型結晶構
造の結晶の初期核の形成を行い、第二の成膜条件で、こ
の結晶の初期核の上にさらにペロブスカイト型結晶構造
の膜成長を行う方法、および(ii)第一の成膜条件
で、金属酸化物誘電体の原料となる有機金属材料ガスの
一部のみを用いて、前記下地導電性材料上にペロブスカ
イト型結晶の初期核の形成を行い、第二の成膜条件で、
この結晶の初期核上にさらにペロブスカイト型結晶構造
の膜成長を行う方法を挙げることができる。
【0054】PZTの成膜を例にとると、(i)の方法
では、例えばPb、ZrおよびTiの原料ガスを第一の
成膜工程および第二の成膜工程の両方で用いて、流量を
変更して成膜を行う。(ii)の方法では、例えば第一
の成膜工程でPbおよびTiの原料ガスを用い、第二の
成膜工程でPb、ZrおよびTiの原料ガスを用いて成
膜を行う。(ii)の方法では、この例のように、AB
3のペロブスカイト型結晶のA元素の原料とB元素の
原料の両方を含むことが好ましい。
【0055】また、第二の成膜条件を自己制御性の良い
原料ガス供給条件で成膜し、第一の成膜条件で、A元素
の原料を第二の成膜条件のときよりも多量に原料供給す
ることも好ましい。
【0056】さらにB元素としてZrとTiの両方を含
む場合に、第二の成膜条件と比較して第一の成膜条件に
おいて、Zr原料の供給量をTi原料の供給量に比べて
減らした条件で成膜することも好ましい。
【0057】さらに前記B元素としてZrとその他の元
素を含む場合に、第一の成膜条件でZrの原料ガスを供
給しない条件で成膜することも好ましい。
【0058】以上説明した低温核付けおよび高圧核付け
法によれば、グレインサイズが小さくなるので、容量素
子に用いたときに、リーク電流が減少し、容量素子ごと
のビット線電圧差のばらつきが低減し、不良ビットの出
現が低下するの歩留まりが向上し、膜の白濁もなく位置
あわせも容易に行うことができる。
【0059】従来、Ir、Ru、IrO2またはRuO2
下地材料の表面上にPZTを成膜したとき、グレインサ
イズが300nm以上の膜しか得られなかったが、本態
様の製造方法によれば、グレインサイズが50nm〜2
00nmのPZT膜を成膜することができる。即ち、I
r、Ru、IrO2およびRuO2からなる群より選ばれ
る下地導電性材料の表面上に成膜され、グレインサイズ
が50nm〜200nmの範囲であるPZT膜は、従来
存在しなかった新規な膜である。
【0060】<初期アモルファス層を形成する態様>次
に、第1の工程で初期アモルファス層を形成する場合を
説明する。
【0061】後述する実施例で示されるように、第1の
工程で初期アモルファス層を形成した上に第2の工程で
本成膜を行うと、グレインサイズに関しては、従来のよ
うに第1の工程および第2の工程で同一温度、同一圧力
の条件を用いた場合と同じ程度であるが、配向性が(1
10)に変化するため、結晶粒表面にできるファセット
面が基板に対して平行になるため、平坦な表面が得られ
る。その結果、容量素子に用いた場合にリーク電流が減
少し、膜の白濁がなく位置あわせを容易に行うことがで
きる。
【0062】第1の工程で成膜する初期アモルファス層
は、第2の工程で本成膜を行ったときに、一緒に結晶化
が進んで最終的にはアモルファスの層として認識できな
い程度のものである。厚すぎると、良好な結晶核が得ら
れないので、初期アモルファス層の厚さは、厚さ1〜5
nm程度、特に1〜3nm程度が好ましい。
【0063】また、第1の工程の時間は、ごく短時間で
あっても、原料ガスを酸化ガスと共に供給すれば、それ
だけ成膜される金属酸化物誘電体膜の表面の凹凸が減少
する。但し、第1の工程が長すぎると良好な結晶核が得
られず、第2の工程で成膜する多結晶の結晶性が悪化す
るので、それまでの時間および条件が限度になる。多結
晶層の結晶性が悪化するまでの時間は条件によって異な
るが、X線回折により実験的に容易に調べることができ
る。一般的には、60秒以下であり、好ましくは3秒〜
20秒である。
【0064】本態様では、第一の成膜条件が、(a)第
二の成膜条件よりも基板温度が低い条件、および(b)
第二の成膜条件よりも原料ガス圧力が高い条件の少なく
ともどちらかを満たしつつ、第1の工程で初期アモルフ
ァス層が形成されるようにする。特に第一の成膜条件が
(a)第二の成膜条件よりも基板温度が低い条件を満た
すようにすることが好ましい。図4に示すように、低温
側で成膜を行えばアモルファス化が可能で、PZT成膜
の場合は第一の条件でZrをある程度含む組成になるよ
うに原料を供給すればあまり低温にしなくてもよい。従
って、初期アモルファス層を形成する場合は、第1の工
程と第2の工程で原料ガスの流量を同一にすることも好
ましい。
【0065】(a)の低温で初期アモルファス層を形成
する場合、基板温度は、原料ガスが分解できる温度以上
で、かつアモルファス層ができる範囲が選ばれる。例え
ば、300℃〜350℃が好ましく、特に320℃〜3
40℃が好ましい。第1の工程での圧力条件、第2の工
程のすべての条件、その他の成膜条件、材料等の全ての
条件は、前述の<初期核を形成する態様>で述べた条件
と同じである。また、(b)の高圧で初期アモルファス
層を形成する場合も、前述の<初期核を形成する態様>
で述べた条件と全て同じである。
【0066】
【実施例】次に実施例により具体的に本発明を説明す
る。
【0067】<低温核付け法の実施例>基板は6インチ
のシリコンウエハーを用いて、スパッタによってRu
(100nm)/SiO2構造の下地金属層を形成し
た。Ruの成膜方法はMOCVDによっても良い。原料
ガスはPb原料にPb(DPM)2、Zr原料にZr
(OtBu)4、Ti原料にTi(OiPr)4、酸化剤
にはNO2を用いた。キャリアガスは使用しないで、ガ
ス流量はすべてマスフローコントローラによって制御し
た。成長中の圧力は5×10-3Torr(6.6Pa)
とした。PZT成膜は、低温の第1の条件ではじめに3
〜5nmのアイランド状PTO核(結晶の初期核)を形
成し、次いで高温の第2の条件にてPZTを成膜した。
第1の工程では、Ru下地金属膜上に、Pb(DPM)
20.2SCCM、Ti(OiPr)40.25SCCM
およびNO23.0SCCMを供給して核付けを行い、
第2の工程ではPb(DPM)2流量0.25SCC
M、Zr(OtBu)4流量0.225SCCM、Ti
(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0S
CCM、N2流量150SCCMの条件で供給して成膜
を行った。また、上部電極もRuとし、上部電極加工
後、400℃10分の酸素中回復アニールを行った。
【0068】まず、Ru下地金属膜上に、Pb(DP
M)2とTi(OiPr)4とNO2を同時に供給し、そ
の基板温度を変化させ、原子間力顕微鏡(AFM)によ
ってRu表面のペルブスカイト型チタン酸鉛結晶核を調
べた結果を図5〜図7に示す。図5は、基板温度450
℃で核形成を行ったものを示し、図6は、基板温度41
0℃、図7は基板温度360℃で核形成を行ったもので
ある。チタン酸鉛結晶核は微小な核が連なった棒状のグ
ル−プとして形成されるがその密度は、図5では、1平
方μm当たり平均2グル−プであるのに対し、図6の例
では5グル−プ、図7の例では12グル−プというよう
に実際に核形成時の基板温度を下げることによって結晶
核密度が増加していることがわかる。
【0069】図8には、PZTの成膜過程を順追って原
子間力顕微鏡により観察した様子を示す。即ち、図8
(a)はRu表面を450℃に加熱したときの表面状態
であり、図8(b)に示すようにPTOの結晶の初期核
の形成を30秒間行ったときに棒状核が観察される。続
いてPZTの成膜を30秒間行い(図8(c))、引き
続きPZTの成膜を60秒後まで行っても(図8
(d))、多結晶グレインの密度はほとんど変化せず、
結晶の初期核の密度を保った状態でPZT多結晶が形成
されていく様子が示されている。
【0070】図9、図10は、PZT膜を厚さ250n
mまで成膜させたときの表面を走査型電子顕微鏡(SE
M)で観察した様子を示す図である。PZTの成膜温度
は455℃一定とした。図9はPTO核付け温度が、4
55℃すなわちPZT成膜温度と同じ温度の場合、図1
0は380℃すなわちPZT成膜温度より低い場合であ
る。PTO結晶の初期核形成温度が低くなると、その上
に成膜されるPZTの表面の凹凸が小さくなっているこ
とが明らかに観察される。図11〜図13は、PZT膜
を厚さ250nmまで成膜させたときの断面透過型電子
顕微鏡(TEM)で観察した様子を示す図である。PZ
Tの成膜温度は455℃一定とした。図11〜図13
は、PTO核付け温度がそれぞれ、455℃すなわちP
ZT成膜温度と同じ温度の場合、380℃、350℃の
場合である。PTO結晶の初期核形成温度が低くなる
と、PZTのグレインサイズが減少しその結果としてP
ZTの表面の凹凸が小さくなっていることが明らかに観
察される。
【0071】さらに、図14には250nmのPZT膜
を基板温度455℃で成膜する際にあらかじめ基板温度
380℃でPTOの結晶の初期核形成を行った場合のI
V特性を示しているが、リーク電流は、10V印加時1
-4A/cm2以下で良好であった。これに対して、図
15にはPZT成膜温度と同一の455℃でPTOの結
晶の初期核形成を行った場合のIV特性を示している
が、5V〜8Vで急激に電流の増加が生じている。この
結果より低温で結晶の初期核形成を行うことにより明ら
かな電流リークの改善が確認された。
【0072】図16には250nmのPZT膜を基板温
度455℃で成膜する際に基板温度を変化させてPTO
の結晶の初期核形成を行った場合のヒステリシス特性を
示している(各グラフにおける複数のループは、小さい
方から順にプラスマイナス2、3、4、5Vの電圧を印
加した場合のヒステリシスループである)が、結晶の初
期核形成温度を380℃まで下げても得られた容量は、
分極の値(2Pr値)も十分で、良好なヒステリシス特
性を示している。このとき、グレインサイズは200n
mから低温核付けを用いることによって80nmまで減
少している。尚、グレインサイズは、原子間力顕微鏡に
より観察した5μm角の写真中の多結晶粒径を平均して
求めた値である。
【0073】また、図17は同一試料の3Vにおける疲
労特性を示したものである。測定も3Vで行っている。
反転電荷量は1×108回までほとんど変化せず、良好
な疲労特性を示している。
【0074】図18には250nmのPZT膜を成膜す
る際にPTOの結晶の初期核形成温度を380℃一定と
し、PZT成膜温度を455℃から410℃に減少させ
た場合のヒステリシス特性を示しているが、PZTの成
膜温度はヒステリシス特性に大きな影響を及ぼし、成膜
温度が410℃以下になると急激にヒステリシス特性が
劣化することが確認される。すなわち、PZTの成膜温
度も結晶の初期核形成温度である380℃まで下げると
所望のヒステリシス特性が得られないということが明ら
かである。従って、本発明の特徴であるPZT成膜温度
と結晶の初期核形成温度を異なる温度で行う効果が示さ
れた。
【0075】<高圧核付けの実施例>PZTの成膜条件
を変更した以外は、上記の<低温核付け法の実施例>に
準じて実験を行った。第1の工程では、Ru下地金属膜
上に、Pb(DPM)20.2SCCM、Ti(OiP
r)40.25SCCMおよびNO23.0SCCMを供
給して核付けを行い、第2の工程ではPb(DPM)2
流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.2
25SCCM、Ti(OiPr)4流量0.2SCC
M、NO2流量3.0SCCM、N2流量150SCCM
の条件で供給して成膜を行った。この実験では、第一お
よび第二の成膜条件の基板温度は430℃で一定とし
て、圧力の変化は、排気量を変化させることで制御し
た。
【0076】図19(a)、(b)は、第1の工程の核
付けをそれぞれ0.1Torr(13.3Pa)、1T
orr(133Pa)の圧力で30秒間行い、第2の工
程の圧力を共に0.1Torr(13.3Pa)として
PZT膜を250nm厚に成長させた後の表面の原子間
力顕微鏡(AFM)による画像である。0.1Torr
で核付けを行った図19(a)の膜のグレインサイズが
300nmであるのに対して、1Torrで高圧核付け
を行った図19(b)の膜では80nmであった。ま
た、図20に1Torrで高圧核付けを行ったときの分
極のヒステリシス特性を示すが、十分な特性を示してい
る。
【0077】次に、図21に第一の成膜条件の圧力を変
化させたときの圧力とグレインサイズの関係を示す。
尚、このときの第二の成膜条件の圧力は0.1Torr
である。
【0078】また、図22(a)(b)のIV特性から
明らかに、高圧核付けを行ったグレインサイズの小さい
方が明らかに電流リークが改善されている。
【0079】次に、図23にグレインサイズとビット線
ばらつきおよび自発分極の関係を示す。この図から明ら
かにグレインサイズが300nm未満、特に200nm
以下になるとビット線ばらつきが改善されていることが
わかる。これは図24に示すようにグレインサイズが小
さくなることでビット線電圧差の分布が狭くなり、ビッ
ト線電圧差の小さな不良ビット出現が少なくなったため
と考えられる。一方、自発分極に関しては、図23に示
すようにグレインサイズが小さくなりすぎると小さくな
るので、グレインサイズは、50nm〜200nmが好
ましいことがわかる。
【0080】<初期アモルファス層を形成する態様の実
施例>PZTの成膜条件を変更した以外は、上記の<低
温核付け法の実施例>に準じて実験を行った。第1の工
程は、Ru下地金属膜上に、Pb(DPM)2流量0.
25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SC
CM、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2
量3.0SCCM、N2流量150SCCMの条件で供
給し、第2の工程においても同じ流量で供給した。この
実験では、第1工程および第2工程とも圧力は0.1T
orr(13.3Pa)とし、第1の工程では基板温度
330℃としてアモルファス層が形成される条件にて3
0秒間成膜し、第2の工程で基板温度430℃として2
50nm厚にPZT膜を成膜した。
【0081】成膜した表面の原子間力顕微鏡(AFM)
像を図25(a)に示す。また、比較のために第1の工
程で430℃でPTO核付けを行い、第2工程で430
℃でPZT成膜を行った膜(本実施例中で、以下比較例
という。)のAFM像を図25(b)に示す。初期アモ
ルファス層を形成した方は明らかに表面の平坦性が改善
されている。
【0082】また、図26に初期アモルファス層形成後
〔(a)〕、PZT膜成膜終了後〔(b)〕のX線回折
スペクトルを示す。図26(a)に示すように、第1の
工程ではPZTの結晶ピークは観察されず、アモルファ
ス層と思われるブロードなピークが観察される。一方、
成膜終了後は、図26(b)のスペクトル(i)に示す
ように、(110)、(101)ピークが観察され、ス
ペクトル(ii)に示す比較例とは結晶の配向が明らか
に異なっていることが解かる。つまり、配向性が変化し
て基板に平行なファセットが増加したことにより表面の
平坦性が向上したと考えられる。
【0083】また、自発分極のヒステリシス特性も従来
と同等であり、最大印加電圧5Vで測定した2Prの値
は、37.21μC/cm2であった。
【0084】また、電流リークに関して、図27(a)
のIV特性から、初期アモルファス層を形成すると、図
27(b)の比較例のIV特性と比較すると明らかに電
流リークが改善されている。
【0085】<デバイスの製造例1−1>次に、本発明
の気相成長方法を用いて、メモリーセルを製造したデバ
イス製造例1を図28を用いて説明する。先ず、ウエッ
ト酸化によりシリコン基板に酸化膜を形成した。その
後、ボロン、リン等の不純物をイオン注入し、n型及び
p型のウェルを形成した。この後、ゲート及び拡散層を
以下のように形成した。まず、ゲート酸化膜1601を
ウエット酸化によって形成した後、ゲートとなるポリシ
リコン1602を成膜し、エッチングした。このポリシ
リコン膜上にシリコン酸化膜を成膜した後、エッチング
し、側壁酸化膜1603を形成した。次に、ボロン、砒
素等の不純物をイオン注入し、n型及びp型の拡散層1
604を形成した。さらに、この上にTi膜を成膜した
後、シリコンと反応させ、未反応のTiをエッチングに
より除去することにより、Tiシリサイド1605をゲ
ートポリシリコン1602及び拡散層1604上に形成
した。以上の過程により、図28(A)に示すように、
分離用酸化膜1606によって分離されたn型及びp型
のMOS型トランジスタをシリコン基板上に形成した。
【0086】次にコンタクト及び下部電極を図28
(B)に示すように形成した。先ず、第一層間絶縁膜1
607としてシリコン酸化膜又はボロン等の不純物を含
んだシリコン酸化膜(BPSG)を成膜した後、CMP
法により平坦化した。次に、コンタクトをエッチングに
より開口した後、n型及びp型それぞれの拡散層に対し
て不純物を注入し、750℃で10秒の熱処理を行っ
た。この後、バリアメタルとしてTi及びTiNを成膜
した。この上にタングステンをCVD法により成膜した
後、CMPによりタングステンのプラグ1608を形成
した。タングステンのプラグは、タングステンのCVD
後、エッチバックによって形成しても良い。この上に、
容量下部電極層として、Ti膜1609及びTiN膜1
610及びTiを連続してスパッタし、その上に100
nmのRu膜1611を形成した。
【0087】次に、強誘電体容量を図28(C)に示す
ように形成した。本発明の方法を使用してPZTを10
0nm形成した。原料には、ビスジピバロイルメタナー
ト鉛(Pb(DPM)2)、チタンイソポロポキシド
(Ti(OiPr)4)、ジルコニウムブトキシド(Z
r(OtBu)4)を用い、酸化剤としてNO2を用い
た。成膜条件は、基板温度を380℃とし、まずPTO
結晶の初期核を形成するためにPb(DPM)2流量
0.2SCCM、Ti(OiPr)4流量0.25SC
CM、NO2流量3.0SCCMの条件で30秒間成膜
した。その後、基板温度を430℃に昇温し、さらに原
料ガス供給条件を変更し、Pb(DPM)2流量0.2
5SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCC
M、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量
3.0SCCM、N2流量150SCCMの条件で12
00秒間成膜し、PZT1612の金属酸化物誘電体膜
を得た。
【0088】この時の成長中の真空容器内のガスの全圧
は、8×10-2Torrとした。この時の成長膜厚は2
50nmであった。Ru1613をスパッタリング法に
より成膜し、容量上部電極層を形成した後、ドライエッ
チングによって、容量上部電極層、金属酸化物誘電体
膜、容量下部電極層をパターニングにより分離し、PZ
T容量とした。
【0089】この上に容量上部電極を図28(D)に示
すように形成した。第二層間絶縁膜1614としてシリ
コン酸化膜をプラズマCVD法により形成した後、容量
上部コンタクト及びプレート線コンタクトをエッチング
により開口した。WSi、TiN、AlCu、TiNを
この順にスパッタして成膜した後、エッチングにより加
工してプラグ1615、第2のメタル配線1616を形
成した。この上に、パッシベーション膜1617として
シリコン酸化膜及びSiON膜を形成した後、図示しな
い配線パッド部を開口し、電気特性の評価を行った。
【0090】<デバイス製造例1−2>図28では、容
量下部電極、PZT膜、Ru容量上部電極を形成してか
ら、ドライエッチング法によって容量を分離する方法に
ついて示したが、デバイス製造例1−2では変形例とし
て、図29に示すように、先に、容量下部電極すなわち
Ru/Ti/TiN/Tiをドライエッチングによって
分離した後、PZTの成膜を行い、Ru上部電極を形成
して、上部電極を分離しても良い。デバイス製造例1−
2について、図29を用いて簡単に説明する。なお、図
29〜32において、図28と共通の部材については同
一の符号を付している。
【0091】まず、シリコン基板上に、製造例1−1と
同様の方法によりトランジスタを形成し(図29
(A))、さらに第1の層間絶縁膜1607とそこに埋
め込まれたプラグ1608を形成する。引き続き、容量
下部電極層として、Ti膜1709及びTiN膜171
0及びTiを連続してスパッタし、その上に100nm
のRu膜1711を形成した。次に、Ru/Ti/Ti
N/Tiからなる積層構造をドライエッチングで加工し
てセル間の分離を行い、容量下部電極を形成する(図2
9(B))。
【0092】次に、基板上の全面にPZT膜1712を
成膜する(図29(C))。さらに、Ru膜を形成した
のち、ドライエッチングによりこのRu膜を加工、分離
して、容量上部電極1713とする。その後、第2の層
間絶縁膜1714、プラグ1715、第2のアルミ配線
1716、カバー膜1717を、図16の実施例と同様
に形成して半導体装置を完成する図29(D))。
【0093】この方法を用いると、ドライエッチングを
行う膜が薄く、より微細なパターンが形成できる。ま
た、PZTの側面がドライエッチング中にプラズマにさ
らされないので、PZT膜中へ欠陥が導入されることも
ない。
【0094】<デバイス製造例1−3>デバイス製造例
1−3は、図30に示すように、下部電極の側面も容量
電極として用いる例である。
【0095】この構造を形成するには、製造例1−2
で、容量下部電極の高さを例えば500nm程度に高く
形成する。通常は、Ru膜1711を厚く成膜した後、
ドライエッチングでセル間の分離を行う。次に、基板全
面にPZT膜1712を成膜する。本発明では、熱CV
Dであるので段差被覆性よくPZT膜が形成される。さ
らにRu膜を成膜したのち、ドライエッチングによりR
u膜を、図30に示すように、下部電極の側面に形成さ
れたPZT膜を覆う形状に分離して、容量上部電極17
13を形成する。その後は、製造例1−2と同様にして
半導体装置を製造する。
【0096】以下に、デバイス製造例1−1、1−2お
よび1−3で作成した容量の電気特性を示す。
【0097】1μm角のPZT容量を5000個並列接
続し、その特性を測定したところ、反転と非反転電荷の
差として30μC/cm2以上の値が得られ、良好な誘
電特性を示した。また、疲労特性及び保持特性等も良好
であった。また、リーク電流は、10V印加時10-4
/cm2以下で良好であった。また、ゲート長0.26
μmのトランジスタにおける特性を評価したところ、p
型、n型ともにしきい値Vtのばらつきはウエハー全面
で10%以下であり、良好であった。さらに、0.4μ
m角の容量下部コンタクトの抵抗を、コンタクト・チェ
ーンにより測定したところ、コンタクト1個当たりの抵
抗は10Ωcm以下であり良好であった。さらに、成膜
されたPZT膜は平坦性が高いために乱反射が起こら
ず、マスク合わせを容易に高い精度で行うことができ
た。
【0098】また、容量素子のビット線電圧差にばらつ
きが小さく、不良ビットの出現もなかった。
【0099】<デバイスの製造例2>次に、本願発明の
実施形態に係るメモリーセルを製造する第2の方法を図
31、図32に示す。タングステンのプラグの作製まで
は、メモリーセルの第1の実施形態と同等に作製し、こ
の上に、Ti、TiNを成膜した。スパッタ法によりA
lCuを成膜し、ドライエッチング法により第一のアル
ミ配線1809を形成した。以上の過程により、図31
(A)に示すようにn型及びp型のMOS型トランジス
タ上に第一のアルミ配線を形成した。
【0100】次にビア及び第二のアルミ配線を図31
(B)に示すように形成した。先ず、第二層間絶縁膜1
810としてシリコン酸化膜又はボロン等の不純物を含
んだシリコン酸化膜(BPSG)を成膜した後、CMP
法により平坦化した。次に、ビアホールをエッチングに
より開口した後、バリアメタルとしてTi及びTiNを
成膜した。この上にタングステンをCVD法により成膜
した後、CMPによりタングステンのプラグ1811を
形成した。タングステンのプラグは、タングステンのC
VD後、エッチバックによって形成しても良い。この上
に、Ti及びTiNをスパッタ法により形成し、ドライ
エッチング法により第二のアルミ配線1812を形成し
第三層間絶縁膜1813としてシリコン酸化膜またはボ
ロン等の不純物を含んだシリコン酸化膜(BPSG)を
成膜した後、CMP法により平坦化した。次にビアホー
ルをエッチングにより開口した後、バリアメタルとして
Ti及びTiNを成膜した。この上にタングステンをC
VD法により成膜した後、CMP法によりタングステン
のプラグ1814を形成した。タングステンのプラグ
は、タングステンのCVD後、エッチバックによって形
成しても良い。このアルミ配線、層間膜、ビア形成を繰
り返すことによって、所望の数の配線層を形成すること
ができる。最後のタングステンプラグ上に、容量下部電
極層として、Ti膜1815及びTiN膜及びTi18
16を連続してスパッタし、その上に100nmのRu
膜1817を形成した。
【0101】次に、強誘電体容量を図32(C)に示す
ように形成した。本発明の方法を使用してPZTを10
0nm形成した。原料には、ビスジピバロイルメタナー
ト鉛(Pb(DPM)2)、チタンイソポロポキシド
(Ti(OiPr)4)、ジルコニウムブトキシド(Z
r(OtBu)4)を用い、酸化剤としてNO2を用い
た。成膜条件は、基板温度を380℃とし、まずPTO
結晶の初期核を形成するためにPb(DPM)2流量
0.2SCCM、Ti(OiPr)4流量0.25SC
CM、NO2流量3.0SCCMの条件で30秒間成膜
した。その後、基板温度を430℃に昇温し、さらに原
料ガス供給条件を変更し、Pb(DPM)2流量0.2
5SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCC
M、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量
3.0SCCM、N2流量150SCCMの条件で12
00秒間成膜し、PZT1818の金属酸化物誘電体膜
を得た。
【0102】この時の成長中の真空容器内のガスの全圧
は、8×10-2Torrとした。この時の成長膜厚は2
50nmであった。Ru1819をスパッタリング法に
より成膜し、容量上部電極層を形成した後、ドライエッ
チングによって、容量上部電極層、金属酸化物誘電体
膜、容量下部電極層をパターニングにより分離し、PZ
T容量とした。
【0103】次に、図32(D)に示すように、第四層
間絶縁膜1820としてシリコン酸化膜をプラズマCV
D法により形成した後、容量上部コンタクト及びプレー
ト線コンタクトをエッチングにより開口した。次にWS
i、TiN、AlCu、TiNをこの順にスパッタして
成膜した後、エッチングにより加工し、プラグ182
1、第3メタル配線1822を形成した。この上に、パ
ッシベーション膜1823としてシリコン酸化膜及びS
iON膜を形成した後、配線パッド部を開口し、電気特
性の評価を行った。
【0104】下部にアルミ配線がある場合にも、図29
に示した場合と同様に、先に容量下部電極すなわちRu
/Ti/TiN/Tiをドライエッチングにより分離し
た後、PZTの成膜を行い、Ru容量上部電極を形成し
て、容量上部電極を分離しても良い。この方法を用いる
と、ドライエッチングを行う膜が薄く、より微細なパタ
ーンが形成できる。また、PZTの側面がドライエッチ
ング中にプラズマにさらされないので、PZT膜中に欠
陥が導入されることもない。
【0105】このデバイス製造例2で製造したメモリー
セルを、デバイス製造例1で製造したメモリーセル同様
に電気特性の評価を行った。
【0106】その結果、反転と非反転電荷の差として4
0μC/cm2以上の値が得られ、良好な誘電特性を示
し、疲労特性及び保持特性等も良好であった。また、リ
ーク電流は、10V印加時10-4A/cm2以下で良好
であった。また、ゲート長0.26μmのトランジスタ
における特性を評価は、p型、n型ともにしきい値Vt
のばらつきはウエハー全面で10%以下であり、良好で
あった。さらに、0.4μm角の容量下部コンタクトの
抵抗を、コンタクト・チェーンにより測定した結果、コ
ンタクト1個当たりの抵抗は10Ωcm以下であり良好
であった。さらに、成膜されたPZT膜は平坦性が高い
ために乱反射が起こらず、マスク合わせを容易に高い精
度で行うことができた。
【0107】以上、いずれのデバイス製造例でも、タン
グステンを用いたコンタクトについて述べたが、同様に
ポリシリコンを用いたコンタクトにおいても、強誘電体
容量特性、トランジスタ特性、コンタクト抵抗ともに良
好であった。
【0108】また、いずれのデバイス製造例でも、低温
核付け法を用いたが、高圧核付け法を用いても、または
低温核付け法と高圧核付け法を併用しても同様に良好な
結果が得られる。さらに、初期アモルファス層形成法を
用いて半導体装置を製造することもでき、その場合は、
リーク電流特性が改善され、マスク合わせを高い精度で
行うことができる。
【0109】
【発明の効果】本発明の低温核付けおよび/または高圧
核付け法によるPZT膜(Pb(Zr,Ti)O3膜)
等の金属酸化物誘電体膜の気相成長方法によれば、リー
ク電流が少なく、膜の透明性がよく、マスクの位置合わ
せを問題なく行うことのできる誘電体膜を製造できる。
また、容量素子に適用したときに、ビット線電圧差のば
らつきが小さく、歩留まりよく集積度の高い半導体装置
を製造することができる。
【0110】また、本発明の初期アモルファス層形成法
による金属酸化物誘電体膜の気相成長方法によれば、リ
ーク電流が少なく、膜の透明性がよく、マスクの位置合
わせを問題なく行うことのできる誘電体膜を製造でき
る。
【0111】さらに、本発明のPZT膜は、Ru等の下
地導電性材料の表面に形成された場合であっても、従来
にない小さなグレインサイズ(50nm〜200nm)
を有するので、リーク電流、マスクの位置合わせ、ビッ
ト線電圧差のばらつきの点で、優れた特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】低温核付け法または高圧核付け法によるPZT
の成長の様子を模式的に示す図である。
【図2】低温核法による核形成の様子を模式的に示す図
である。
【図3】高圧核法による核形成の様子を模式的に示す図
である。
【図4】PZT膜を成膜するときの結晶化領域とアモル
ファス領域を示す相図を模式的に示す図である。
【図5】450℃でチタン酸鉛の核付けを行ったときの
Ru下地金属膜の表面を原子間力顕微鏡で観察した画像
(写真)である。
【図6】410℃でチタン酸鉛の核付けを行ったときの
Ru下地金属膜の表面を原子間力顕微鏡で観察した画像
(写真)である。
【図7】360℃でチタン酸鉛の核付けを行ったときの
Ru下地金属膜の表面を原子間力顕微鏡で観察した画像
(写真)である。
【図8】気相成長過程を順に原子間力顕微鏡で観察した
画像(写真)である。
【図9】450℃で核付けを行い450℃でPZT成膜
を行ったときの表面を走査型電子顕微鏡写真で観察した
画像(写真)である。
【図10】380℃で核付けを行い450℃でPZT成
膜を行ったときの表面を走査型電子顕微鏡写真で観察し
た画像(写真)である。
【図11】450℃で核付けを行い450℃でPZT成
膜を行ったときの断面を透過型電子顕微鏡写真で観察し
た画像(写真)である。
【図12】380℃で核付けを行い450℃でPZT成
膜を行ったときの断面を透過型電子顕微鏡写真で観察し
た画像(写真)である。
【図13】350℃で核付けを行い450℃でPZT成
膜を行ったときの断面を透過型電子顕微鏡写真で観察し
た画像(写真)である。
【図14】350℃で核付けを行い450℃でPZT成
膜を行ったときのリ−ク電流特性を示す図である。
【図15】450℃で核付けを行い450℃でPZT成
膜を行ったときのリ−ク電流特性を示す図である。
【図16】核付け温度を変化させてPZTを成膜したと
きのヒステリシス特性を示す図である。
【図17】核付け温度を変化させてPZTを成膜したと
きの疲労特性を示す図である。
【図18】核付け温度を380℃一定としPZT成膜温
度を変化させたときのヒステリシス特性を示す図であ
る。
【図19】(a)核付け圧力0.1Torr、(b)核
付け圧力1Torrでそれぞれ核付けを行い、第2の工
程で圧力0.1TorrとしてPZT膜成膜した後の膜
表面を原子間力顕微鏡で観察した画像(写真)である。
【図20】1Torrで高圧核付けを行った膜のヒステ
リシス特性を示す図である。
【図21】核付け圧力とグレインサイズの関係を示す図
である。
【図22】(a)核付け圧力0.1Torr、(b)核
付け圧力1Torrでそれぞれ核付けを行い、第2の工
程で圧力0.1TorrとしてPZT膜成膜した膜のリ
−ク電流特性を示す図である。
【図23】グレインサイズとビット線ばらつきおよび自
発分極の関係を示す図である。
【図24】グレインサイズが小さくなると、不良ビット
出現が少なくなる理由を説明するための図である。
【図25】(a)、(b)はそれぞれ次の条件で成膜し
たPZT膜の表面を原子間力顕微鏡で観察した写真(画
像)である。 (a)第1の工程でPZTの初期アモルファス層を形成
してから、PZT成長を行った膜 (b)第1の工程で従来法によるPTO核付けしてか
ら、PZT成長を行った膜
【図26】初期アモルファス層形成法により成膜したP
ZT膜のX線回折スペクトルである。 (a)初期アモルファス層形成直後 (b)PZT膜成膜後(初期アモルファス層形成法によ
る膜の他、従来の方法により形成した膜のX線回折も同
時に示した。)
【図27】(a)、(b)はそれぞれ次の条件で成膜し
たPZT膜のリ−ク電流特性を示す図である。 (a)初期アモルファス層形成法 (b)従来法
【図28】本発明を適用したデバイス製造工程の1例を
示す図である。
【図29】本発明を適用したデバイス製造工程の1例を
示す図である。
【図30】本発明を適用したデバイス製造工程の1例を
示す図である。
【図31】本発明を適用したデバイス製造工程の1例を
示す図である。
【図32】本発明を適用したデバイス製造工程の1例を
示す図である。
【図33】従来の方法によるPZTの成長の様子を模式
的に示す図である。
【図34】核形成の様子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
11 下地(Ru)膜 12 結晶核(PTO) 13 多結晶(PZT)膜 14、14b 前駆体 191 下地(Ru) 192、192a 前駆体 193 結晶核(PTO) 194 多結晶(PZT)膜 195 結晶粒界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA11 BA01 BA18 BA22 BA42 BB01 BB05 BB12 CA04 DA02 HA01 JA09 JA10 LA15 5F058 BA11 BD01 BD05 BF04 5F083 AD21 FR02 GA06 JA05 JA14 JA15 JA35 JA36 JA37 JA38 JA39 JA40 JA43 JA56 MA05 MA06 MA17 MA19 PR21 PR33

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地導電性材料上への有機金属材料ガス
    を用いたABO3で表されるペロブスカイト型結晶構造
    を有する金属酸化物誘電体膜の気相成長方法において、 第一の成膜条件で、前記下地導電性材料上にペロブスカ
    イト型結晶の初期核の形成、またはアモルファス構造の
    初期アモルファス層の形成を行う第1の工程と、 前記第一の成膜条件とは異なる第二の成膜条件で、第1
    の工程で形成した結晶の初期核または初期アモルファス
    層上にさらにペロブスカイト型結晶構造の膜成長を行う
    第2の工程とを有し、 その際、前記第一の成膜条件が、 (a)第二の成膜条件よりも基板温度が低い条件、およ
    び(b)第二の成膜条件よりも原料ガス圧力が高い条件
    の少なくともどちらかを満たすことを特徴とする金属酸
    化物誘電体膜の気相成長方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の条件と前記第2の条件で、圧
    力が同一で、第一の成膜条件における基板温度の方が低
    いことを特徴とする請求項1記載の金属酸化物誘電体膜
    の気相成長方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の条件と前記第2の条件で、基
    板温度が同一で、第一の成膜条件における圧力の方が高
    いことを特徴とする請求項1記載の金属酸化物誘電体膜
    の気相成長方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の条件と前記第2の条件で、前
    記第一の成膜条件が、(a)第二の成膜条件よりも基板
    温度が低い条件、および(b)第二の成膜条件よりも圧
    力が高い条件の両方を満たすことを特徴とする金属酸化
    物誘電体膜の気相成長方法。
  5. 【請求項5】 第一の成膜条件で、金属酸化物誘電体の
    原料となる有機金属材料ガスのすべてを用いて、初期核
    形成または初期アモルファス層の形成を行い、第二の成
    膜条件で、有機金属材料ガスのすべてを用い且つ供給条
    件を変更してペロブスカイト型結晶構造の膜成長を行う
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属
    酸化物誘電体膜の気相成長方法。
  6. 【請求項6】 第一の成膜条件で、金属酸化物誘電体の
    原料となる有機金属材料ガスの一部のみを用いて、初期
    核形成または初期アモルファス層の形成を行い、第二の
    成膜条件で、有機金属材料ガスのすべてを用いてペロブ
    スカイト型結晶構造の膜成長を行うことを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の金属酸化物誘電体膜の気
    相成長方法。
  7. 【請求項7】 A元素およびB元素の少なくとも一方
    が、複数の元素を含む場合に、第一の成膜条件で用いら
    れる有機金属材料ガスが、A元素の原料とB元素の原料
    の両方を含むことを特徴とする請求項6記載の金属酸化
    物誘電体膜の気相成長方法。
  8. 【請求項8】 前記第二の成膜条件を自己制御性の良い
    原料ガス供給条件で成膜し、前記第一の成膜条件で、前
    記A元素の原料を第二の成膜条件のときよりも多量に原
    料供給することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載の金属酸化物誘電体膜の気相成長法。
  9. 【請求項9】 前記B元素としてZrとTiの両方を含
    む場合に、前記第二の成膜条件と比較して前記第一の成
    膜条件において、Zr原料の供給量をTi原料の供給量
    に比べて減らした条件で成膜することを特徴とする請求
    項1〜8のいずれかに記載の金属酸化物誘電体膜の気相
    成長方法。
  10. 【請求項10】 前記B元素としてZrとその他の元素
    を含む場合に、第一の成膜条件でZrの原料ガスを供給
    しない条件で成膜することを特徴とする請求項6記載の
    金属酸化物誘電体膜の気相成長方法
  11. 【請求項11】 第一の成膜条件の温度および原料ガス
    圧力の少なくとも一方を制御することにより、グレイン
    サイズを制御しながら成膜することを特徴とする請求項
    1〜7のいずれかに記載の金属酸化物誘電体膜の気相成
    長方法。
  12. 【請求項12】 前記第二の成膜条件における原料ガス
    の全圧を200mTorr以下の圧力に保ち成膜するこ
    とを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の金属
    酸化物誘電体膜の気相成長方法。
  13. 【請求項13】 前記第二の成膜条件における基板温度
    が470℃以下であることを特徴とする請求項12記載
    の金属酸化物誘電体膜の気相成長方法。
  14. 【請求項14】 前記金属酸化物誘電体膜が、PZT膜
    またはBST膜である請求項1〜7のいずれかに記載の
    金属酸化物誘電体膜の気相成長方法。
  15. 【請求項15】 前記下地導電性材料が、少なくとも表
    面にIr、Ru、IrO2およびRuO2のいずれかの金
    属または金属酸化物膜を有する容量電極であることを特
    徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の金属酸化物
    誘電体膜の気相成長方法。
  16. 【請求項16】 前記下地導電性材料が、Ru/Ti/
    TiN/Tiの4層構造であるであることを特徴とする
    請求項1〜14のいずれかに記載の金属酸化物誘電体膜
    の気相成長方法。
  17. 【請求項17】 前記下地導電性材料が、Ru/Ti/
    TiN/Ti/Wの5層構造であることを特徴とする請
    求項1〜14のいずれかに記載の金属酸化物誘電体膜の
    気相成長方法。
  18. 【請求項18】 半導体基板上にMOS型トランジスタ
    を形成する工程と、このトランジスタ上に第一層間絶縁
    膜を形成する工程と、この第一層間絶縁膜に前記MOS
    型トランジスタの拡散層に達するコンタクトを開口して
    金属プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この金
    属プラグを有する第一層間絶縁膜全面に、容量下部電極
    層を形成する工程と、この容量下部電極層全面に請求項
    1〜17のいずれかの方法を用いて金属酸化物誘電体膜
    を成膜する工程と、この金属酸化物誘電体膜全面に、容
    量上部電極層を形成する工程と、前記下部電極層、前記
    金属酸化物誘電体膜及び前記容量上部電極層を、パター
    ニングし、三層の積層構造の容量を得る工程とを有する
    半導体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 半導体基板上にMOS型トランジスタ
    を形成する工程と、このトランジスタ上に第一層間絶縁
    膜を形成する工程と、この第一層間絶縁膜に前記MOS
    型トランジスタの拡散層に達するコンタクトを開口して
    金属プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この金
    属プラグを有する第一層間絶縁膜全面に、容量下部電極
    層を形成する工程と、前記容量下部電極層をパターニン
    グし、金属プラグ上に容量下部電極を形成する工程と、
    このパターニングした容量下部電極と第一層間絶縁膜上
    全面に、請求項1〜17のいずれかの方法を用いて金属
    酸化物誘電体膜を成膜する工程と、この金属酸化物誘電
    体膜全面に、容量上部電極層を形成する工程と、この容
    量上部電極層をパターニングし、容量下部電極、金属酸
    化物誘電体膜及び容量上部電極の三層の積層構造の容量
    を得る工程とを有する半導体装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 半導体基板上にMOS型トランジスタ
    を形成する工程と、このトランジスタ上に第一層間絶縁
    膜を形成する工程と、この第一層間絶縁膜に前記MOS
    型トランジスタの拡散層に達するコンタクトを開口して
    金属プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この第
    一層間絶縁膜上に金属プラグと電気的に導通するアルミ
    配線を形成する工程と、このアルミ配線上に第二層間絶
    縁膜を形成する工程と、この第二層間絶縁膜に前記アル
    ミ配線に達するコンタクトを開口して金属プラグを埋め
    て電気的な導通をとる工程と、この金属プラグを含む第
    二層間絶縁膜全面に、容量下部電極層を形成する工程
    と、この容量下部電極層全面に請求項1〜17のいずれ
    かの方法を用いて金属酸化物誘電体膜を成膜する工程
    と、この金属酸化物誘電体膜全面に、容量上部電極層を
    形成する工程と、前記容量下部電極層、前記金属酸化物
    誘電体膜及び前記容量上部電極層をパターニングし、三
    層の積層構造の容量を得る工程とを有する半導体装置の
    製造方法。
  21. 【請求項21】 容量下部電極層を形成する前に最後の
    形成した金属プラグと電気的に導通するアルミ配線を形
    成する工程と、このアルミ配線上に層間絶縁膜を形成す
    る工程と、この層間絶縁膜に前記アルミ配線に達するコ
    ンタクトを開口して金属プラグを埋めて電気的な導通を
    とる工程とを少なくとも1回繰り返し、前記容量の下層
    に形成するアルミ配線を多層化したことを特徴とする請
    求項20記載の半導体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 表面がIr、Ru、IrO2およびR
    uO2からなる群より選ばれる材料である下地導電性材
    料の上に成膜され、グレインサイズが50nm〜150
    nmの範囲であることを特徴とするPZT膜。
  23. 【請求項23】 前記PZT膜がMOCVDで成膜され
    たことを特徴とする請求項22記載のPZT膜。
  24. 【請求項24】 前記PZT膜が400〜700℃でM
    OCVDで成膜されたことを特徴とする請求項23記載
    のPZT膜。
  25. 【請求項25】 請求項22〜24のいずれかに記載の
    PZT膜を有する容量素子。
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