JPH0627454Y2 - 自動車用バイザ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案は自動車のドアフレームに装着されるバイザーに
係り、その目的とするところは、簡単且つ合理的な構成
により、バイザー脱却の心配のない、確実な係止を可能
とした自動車用バイザーに関する。

ロ 従来の技術 ドアフレーム上縁に形成された窓枠を利用して装着され
る自動車用バイザーでは、例えば実開昭52-41814号公報
に開示されている如く、取付金具の上部に三角の爪を切
り起こし、バイザーのずり落ちを防止しようとしたもの
や、又実開昭59-29313号公報に開示の如く、帯状の係止
板をＴの字状に折り曲げて形成し、ガラスラン内での支
持力を得ようとするものがあった。

ハ 考案が解決しようとする課題 取付金具によってスポット上に装着される上記従来の自
動車用バイザーにおいて、該取付金具には全ての方向か
らの外力に耐え得る総合的な支持力が要求されるもので
あるが、前者は先端部は屈曲していて嵌め入れにくい
上、その係止部を傾斜状態に折り返し形成しているので
方向性を持つことになり、前方に対する落ち防止には効
果的であるが、取付け断面図にあるように、金具の側片
の一端のみがガラスランに係止する形態であるから、逆
方向や下方向に対しての支持力が不充分で、その抜け止
め効果は期待できない。又後者においては、係止片が、
下端から折り返した折り返し上端を更に側方へ屈曲させ
たものであるから、材料が倍必要で形成も困難である。
又該係止片が金具自体の取付け作業の邪魔になる格好で
斜下方に向けて設けられているから、その形状に制限を
受けることとなって支持力の低下に繋がり、更にはこれ
も取付け断面図で明らかなように、脚板と係止板との間
隔がガラス幅に対して余裕を持たせていないから、その
ため開閉時に窓ガラスにキズをつけたり、或は金具の位
置が少しでもずれたりするとガラスを完全に閉められな
くなるという欠点があった。

ニ 問題を解決するための手段 そこで本考案は、バイザー本体への取付部材自身の取付
けをも考慮した上で取付部材に可能な限りの係止部を付
与し、抜け止め、ずれ防止効果が大きく、又形成及び装
着が容易な自動車用バイザーを提供するもので、その構
成は、庇体の上縁に沿って形成された鍔部の適宜部位に
断面倒コ字状の取付部材を複数個固着し、該取付部材を
ガラスラン内へ嵌入させることによって窓枠に装着され
る自動車用バイザーであって、前記取付部材の上部中央
へは三角形状の突刺体を垂直に、上端の片方外側中央部
には水平な係止舌片を夫々切り起こし成形し、且つ該係
止舌片側の側片中央には固着用孔を、反対側側片は中央
を下側より円弧状に切除し、その両先端を外方へ反らせ
た係止爪としたことを特徴とするものである。

ホ 作用 ガラスラン内へ嵌入された取付部材は、突刺体がガラス
ランに突き刺さって確実に固定されると共に、係止舌片
がガラスランの折り返し部先端へうまく係止され、又両
係止爪もガラスランに対して付勢力を付与するから、４
点係止により、落下と、左右の位置ずれも防止される。
又取付部材自身の取付も考慮して、側片に固着用孔、円
弧状切欠きを夫々有したことで部材取付の邪魔になら
ず、特に該係止爪を前記円弧状切欠きを利用して設けた
ため、逆に係止力が低下する様なこともない。

ヘ 実施例 図面は本考案の自動車用バイザーを示したもので、第１
図において、１はへの字状に屈曲した透光性ある合成樹
脂性の庇体１ａ上縁に沿って鍔部１ｂが形成されたバイ
ザー本体であり、鍔部１ｂの４ケ所には、第２図
（ａ）、（ｂ）に示す金属製の取付部材２、２・・が固
着されている。該取付部材２は、断面倒コ字状で、一方
の側片２ａには固着用孔３が一カ所穿設され、その上縁
に、外方へ水平に突出した係止舌片４が切り起こし形成
されている。他方の側片２ｂは、中央を下側より円弧状
に切除し、両先端は外方へ反った係止爪５、５に形成せ
られ、該切除部は、一方の側片２ａをバイザーの鍔部１
ｂへかしめ部材により固着させる際、工具の逃げ部とな
っている。更に取付部材２の上部中央には、三角形状の
突刺体６が上方へ向けて垂設されている。

鍔部１ｂへの固着方法は、鍔部１ｂの外面を取付部材２
の一方の内側片に当接させ、例えば中空リベット止めす
る。

このように形成された自動車用バイザーをガラス窓枠７
に装着するには、先ず取付部材２の他方の側片２ｂ、即
ち自由端側をガラスラン８の折り返し部８ａ内側へ差し
込み、上方へ押し入れて係止舌片４をガラスランの折り
返し部８ａ先端へ係止させる。すると突刺体６及び係止
舌片４がガラスランへくい込み、又係止爪５、５の付勢
力がガラスランに有効に作用して、バイザーのずれや脱
却が確実に防止されるのである。

尚、図面において９はガラスであり、取付部材の側片
は、第５図の如く、ガラスラン８の折り返し部内側へ差
し込まずに装着してもよい。

ト 考案の効果 以上本考案によれば、バイザーへ取付ける為に取付部材
に設けた工具逃げ部を有効に利用して係止爪としたこと
で、バイザーに固着される取付部材はガラスランに対し
て４点係止となり、突刺体や両係止爪がガラスラン内へ
くい込み、それによって前方へのずれが防止されると共
に、係止舌片がガラスランの折り曲げ部内先端に係止さ
れるから、抜け止め効果も単に嵌入させるだけの場合と
比べれば装着力は比較にならないくらい強固となる。又
上記係止部が夫々切り起こしや折曲という簡単な工程で
形成されるものであるから、スポット状の取付部材に最
小の手間で最大限の係止部を付与でき、ガラスランに強
固に装着するバイザーの取付が可能となって、業界にお
ける実益は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車用バイザーの斜視図、第２
図（ａ）、（ｂ）は、自動車用バイザー本体に取付部材
を装着した状態を示した拡大斜視図、第３図は自動車用
バイザーをドアのガラス窓枠に装着した状態の斜視図、
第４図は自動車用バイザーをドアのガラスランに装着し
た状態を示す説明図、第５図は第４図の変更実施例を示
す説明図、第６図（ａ）、（ｂ）は取付部材の斜視図で
ある。 １……バイザー本体、１ａ……庇体、１ｂ……鍔部、２
……取付部材、２ａ，２ｂ……側片、３……固着用孔、
４……係止舌片、５……係止爪、６……突刺体、７……
ガラス窓枠、８……ガラスラン、８ａ……折り返し部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】庇体の上縁に沿って形成された鍔部の適宜
   部位に断面倒コ字状の取付部材を複数個固着し、該取付
   部材をガラスラン内へ嵌入させることによって窓枠に装
   着される自動車用バイザーであって、前記取付部材の上
   部中央へは三角形状の突刺体を垂直に、上端の片方外側
   中央部には水平な係止舌片を夫々切り起こし成形し、且
   つ該係止舌片側の側片中央には固着用孔を、反対側側片
   は中央を下側より円弧状に切除し、その両先端を外方へ
   反らせた係止爪としたことを特徴とする自動車用バイザ
   ー。