JPH0342252Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動車のウエザーストリツプを車体
等のパネルに取付けるウエザーストリツプ用クリ
ツプに関する。

従来の技術 自動車の車体等のパネルにウエザーストリツプ
を取付けるためのクリツプはよく知られている。
公知のクリツプとして、ウエザーストリツプの取
付け穴に取付けられるフランジと、パネルの穴に
挿入される軸部と、該軸部に形成されたパネル係
止部とを備えたものがある。その代表的なものと
して、フランジを２重に形成し、軸部と係止部と
を錨脚に形成したものがある（実開昭59−20016
号公報参照）。この錨脚形のクリツプは、フラン
ジをウエザーストリツプの取付け穴に挿入し、そ
のままクリツプ付のウエザーストリツプをパネル
の取付け穴に挿入すれば、ウエザーストリツプが
車体等のパネルに取付けられるので便利なもので
ある。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、ウエザーストリツプを外して新
たに取付け直す場合、クリツプがパネルから容易
に外れず、無理に引つ張ると脚の部分が破損する
恐れがあつた。また、パネルの穴に成形不良によ
つて、バリがパネル穴に作られ、このバリが錨脚
のパネル穴への確実な係止を妨害することもあつ
た。

従つて、本考案の目的は、ウエザーストリツプ
を付け直す場合にクリツプを外しても破損が生ぜ
ず。またパネル穴のバリがあつても確実にウエザ
ーストリツプをパネルに固着することのできるウ
エザーストリツプ用クリツプを提供するにある。

問題点を解決するための手段 かかる目的を達成するため、本考案によれば、
ウエザーストリツプの取付け穴に取付けられるフ
ランジと、パネルの穴に挿入される軸部と、該軸
部に形成されたパネル係止部とを備えたウエザー
ストリツプ用クリツプであつて、軸部が所定の太
さの棒状体で成り、パネル係止部が軸部の中間部
から両側に延びる少なくとも一対の係止片で成
り、該軸部には、係止片の上下に軸部を貫通する
スリツトが形成されており、各係止片が延びる軸
部側の根元の部分の各係止片の両側において軸部
本体との間に、該係止片に弾性を与えるスリツト
が形成されていることを特徴とするウエザースト
リツプ用クリツプが提供される。

実施例 以下、本考案の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。第１図ａ〜ｈには、本考案によ
るクリツプ１の詳細が示されている。また、第２
図ａ〜ｃには、第１図のクリツプ１を用いてウエ
ザーストリツプ２を車体等のパネル３に取付けた
様子が示されている。なお、ウエザーストリツプ
２の斜視図が第３図に示され、このウエザースト
リツプ２には、主にクリツプ１を取付けるための
ガイドチヤンネル４が形成され、このチヤンネル
の所定の場所には、クリツプ１のウエザーストリ
ツプ取付け部分となるフランジを挿入できる穴５
が形成されており、本考案によるクリツプ１は取
付け穴５を介してウエザーストリツプ２に取付け
られる。

再び、第１図ａ〜ｈを参照して、本考案による
クリツプ１の構成について詳述する。なお、本考
案によるクリツプ１は、製造の容易さや防錆の点
からプラスチツクの一体成形部品で成るのが好ま
しい。

クリツプ１は、上記のように、ウエザーストリ
ツプ２の取付け穴５に取付けられるフランジ６を
備え、このフランジ６から、パネル３の穴７（第
２図及び第４図参照）に挿入される軸部８が延び
ている。このフランジ６は、ウエザーストリツプ
２の取付け穴５に挿入できるように、軸部８の上
端においてその両側に水平に延びる一対の平板形
状の弾性を有するアーム１０，１０で成るのが好
ましい。また、各アーム１０の先端部は、取付け
穴５に挿入し易いように先細に形成されるのが好
ましい。更に、該アームの先端部の下面はウエザ
ーストリツプ２を固定するように、やや厚く形成
されるのも好ましい。

軸部８は、一定の強度を有する所定の太さに形
成され、また挿入作業が容易なようにやや長い棒
状体で成る。この軸部８の太さは、フランジ６に
隣接する上部１２と、パネル係止部が形成される
中間部１３と、下部１４とでは異なるのが好まし
い。特に、上部１２は、そのパネル穴に挿入され
る部分でパネル３の取付け穴７に合致する直径を
有する円筒あるいは第１図ｈに示すような切断円
筒体に形成するのが好ましく、これにより、軸部
８がパネル穴７に挿入されると、クリツプ１がパ
ネル３に対してガタつきなく固定され、また、取
付け穴７に対して軸部８の中心軸が取付け穴７の
中心軸に合致する利点がある。更に、軸部８の下
部１４は、クリツプ軸部のパネル穴への挿入が容
易なように先端に形成されるのが好ましい。ま
た、この下部１４をやや長く形成することも好ま
しく、これにより、ウエザーストリツプにクリツ
プを取付ける際に該下部１４をプライヤー等の工
具で把持することができ、その取付け作業が楽に
なる。

軸部８の中間部１３には、その両側から外側に
延びるパネル係止部としての、少なくとも一対の
係止片１６，１６が形成されている。この係止片
１６は、軸部８からほぼ水平ではあるが、パネル
３の下面に係止できるように上方に向けて傾斜し
ているのが好ましい。また、係止片１６は、図示
のように、軸部８の長手方向に、２段に形成され
るのが好ましく、これにより、ウエザーストリツ
プ２をパネル３に対して、仮留めすることができ
る。本考案においては、各係止片１６に弾性が与
えられている。このため、軸部８には、各係止片
の上下に、該軸部を貫通するスリツト１８がそれ
ぞれ形成されている。このスリツト１８は、係止
片１６が上下に撓むことができるように、十分な
空間を与えている。また、第１図ｇに図示のよう
に、各係止片１６の根元部分の軸部８の幅Ｗが短
く形成され、係止片１６が軸部の中まで延びてお
り、また、係止片１６の両側縁と軸部中間部１３
との間には、隙間すなわち短いスリツト１９が形
成されて各係止片１６に弾性を与えている。従つ
て、各係止片１６は上下方向に撓むことができ、
パネル３の取付け穴７に挿入するとき、各係止片
１６が上方向に撓み、挿入後通常のほぼ水平な位
置に復帰する。また、クリツプ１を抜き出す場合
には、各係止片１６が下方向に撓み、抜き出し後
も同様にほぼ水平な通常位置に復帰する。

なお、第１図の例では、フランジを形成する一
対のアーム１０，１０とパネル係止部を形成する
一対の係止片１６，１６とは直交する方向に延び
ている。このように形成することは、型割の点で
好ましいのであるが、必ずしも必要ではなく、極
端な場合には、アーム１０と係止片１６とが同一
の方向に延びていてもよい。

このような構成で成るクリツプを使用すること
により、ウエザーストリツプのパネルへの取付け
作業性が向上する。この取付けについて、第２図
及び第４図を用いて説明する。

先ず、第４図に示すように、クリツプ１のフラ
ンジ６を構成する一方のアーム１０を、第３図の
取付け穴５に差し込み、その後他方のアーム１０
をゴム状の弾性を有するウエザーストリツプの穴
５を拡げながら挿入する。このようにして、クリ
ツプ１をウエザーストリツプ２に取付けた様子が
第４図の上半分に示されている。なお、クリツプ
１のウエザーストリツプ２への取付けは、自動車
の艤装ラインとは別の場所で行われるのが普通で
あり、これにより、ウエザーストリツプの取付け
作業が短縮できる。また、このクリツプ１は、ウ
エザーストリツプ２の複数の所定の個所に取付け
られて、ウエザーストリツプを一定の力で車体等
のパネルに固定されるようになつている。

次に、クリツプ付のウエザーストリツプ２を例
えば自動車の艤装ラインに運び、第４図において
矢印２２で示すように、クリツプ１の軸部の先細
に形成された下端部分をパネル３の取付け穴７に
挿入する。この挿入後の状態が第２図ａ〜ｃに図
示されており、この第２図ｂの図示のように、ク
リツプ１の係止片１６が、パネル３の下面に係止
し、これにより、ウエザーストリツプごとクリツ
プ１がパネル３に固定される。なお、この取付け
において、第２図ｃに示すように、クリツプ軸部
の上部１２がパネル３の取付け穴７に合致してい
るため、取付け穴の中心と軸部の中心とが一致し
て、係止片１６，１６は均等にパネル３の下面に
係止することができる。また、手順について図示
されていないが、下段側の係止片をウエザースト
リツプ２の仮留めに利用することができ、ウエザ
ーストリツプの長手方向の位置を揃えてから、更
にクリツプ１をパネル穴７に押し込めば、所定の
個所に整列した状態でウエザーストリツプを取付
けることができる。

次に、取付けたウエザーストリツプ２を外す場
合には、ウエザーストリツプをもつて引つ張りあ
げればよい。この場合、もしウエザーストリツプ
だけが外れて、クリツプ１がパネル３に取付けら
れたまま残つても、クリツプのフランジ６をプラ
イヤー等の工具によつて引つ張り上げれば、係止
片１６の弾性によつて、該係止片が下方向に撓み
係止片を破損することなく、クリツプ１をそのま
ま抜き出すことができる。

考案の効果 本考案によれば、棒状体で成る軸部の中間部か
ら両側に、少なくとも一対の係止片で成るパネル
係止部が延び、軸部には係止片の上下に軸部を貫
通するスリツトが形成され、各係止片の軸部側の
根元の部分の両側には軸部本体との間にスリツト
が形成されて係止片に弾性を与えているため、ウ
エザーストリツプを付け直す場合にクリツプを外
しても破損が生ぜず、またパネル穴のバリがあつ
ても確実にウエザーストリツプをパネルに固着す
ることができる。また、クリツプをパネルの取付
け穴に斜め方向から挿入しても、クリツプはパネ
ル穴に対して、中心合わせが成された状態で固定
される利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ〜ｈはそれぞれ、本考案によるウエザ
ーストリツプ用クリツプを示しており、同図ａは
正面図、同図ｂは平面図、同図ｃは底面図、同図
ｄは側面図、同図ｅは同図ａのｅ−ｅ線断面図、
同図ｆは同図ｄのｆ−ｆ線断面図、同図ｇは同図
ａのｇ−ｇ線断面図、同図ｈは同図ａのｈ−ｈ線
断面図である。第２図ａ〜ｃはそれぞれ、第１図
のクリツプを用いてウエザーストリツプをパネル
に取付けた様子を示しており、同図ａは正面断面
図、同図ｂは側面断面図、同図ｃは同図ａのｃ−
ｃ線断面図である。第３図は、取付けるべきウエ
ザーストリツプの斜視図である。第４図はウエザ
ーストリツプを、第１図のクリツプを用いてパネ
ルに取付ける様子を示す正面断面図である。 符号の説明、１……ウエザーストリツプ用クリ
ツプ、２……ウエザーストリツプ、３……車体等
のパネル、４……ガイドチヤンネル、５……取付
け穴、６……フランジ、７……パネルの取付け
穴、８……クリツプの軸部、１０……フランジと
なるアーム、１２……軸部上部、１３……軸部中
間部、１４……軸部下部、１６……パネル係止部
となる係止片、１８……軸部の貫通スリツト、１
９……軸部の側面スリツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ウエザーストリツプ２を車体等のパネル３に
   固定するため、ウエザーストリツプの取付け穴
   ５に取付けられるフランジ６と、パネルの穴７
   に挿入される軸部８と、該軸部に形成されたパ
   ネル係止部とを備えたウエザーストリツプ用ク
   リツプ１において、 軸部８が所定の太さの棒状体で成り、パネル
   係止部が軸部の中間部から両側に延びる少なく
   とも一対の係止片１６で成り、該軸部には、係
   止片１６の上下に軸部８を貫通するスリツト１
   ８が形成されており、各係止片１６が延びる軸
   部側の根元の部分の各係止片の両側において軸
   部本体との間に、該係止片に弾性を与えるスリ
   ツト１９が形成されていることを特徴とするウ
   エザーストリツプ用クリツプ。 (2) フランジに隣接する軸部部分１２は、パネル
   の穴に合致する太さに形成されている実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のウエザーストリツ
   プ用クリツプ。 (3) パネル係止部としての一対の係止片１６が、
   軸部の長手方向に２段形成されている実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のウエザーストリツ
   プ用クリツプ。 (4) 各係止片１６は、軸部の外方に且つフランジ
   の側に向けて斜めに延びている実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のウエザーストリツプ用ク
   リツプ。 (5) フランジ６が、軸部の上端の両側から水平に
   延びる一対の弾性を有するアーム１０で成る実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のウエザース
   トリツプ用クリツプ。