JPH06272091A

JPH06272091A - 塗装装置

Info

Publication number: JPH06272091A
Application number: JP5058817A
Authority: JP
Inventors: Masahito Kakimoto; 正仁柿本; Hiroshi Awamura; 浩粟村
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1993-03-18
Filing date: 1993-03-18
Publication date: 1994-09-27

Abstract

(57)【要約】【目的】電着槽内に含まれるゴミを効率良く除去し得
るようにして高品質の塗装を行なうことができるように
することである。【構成】被塗物を搬送するコンベア１０の下方には、
被塗物に電着塗装を施す電着槽１１が配置されている。
この電着槽１１は、底壁１２とこの底壁１２の搬入端及
び搬出端に傾斜して設けられた端壁１３、１４と、搬送
方向に沿って設けられる左右の側壁１５、１６とにより
形成されている。この電着槽１１には電着槽１１の上流
側底部に流入口２３を有し、上流側上部に下流側に向け
て開口する流出口２４を有する循環路２５が設けられて
いる。更に、循環路２５にこの中の電着液を送るポンプ
Ｐ3 と、電着液の中に含まれるゴミを除去するフィルタ
ーＦ3 とが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電着工程を有する塗装装
置に関し、特に電着槽内の電着液を瀘過するようにした
塗装装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車車体の塗装工程は、通常、電着塗
装による下塗り塗装工程と、それぞれ主として静電塗装
による中塗り及び上塗り塗装工程とを有している。自動
車車体は、予め前処理工程により車体に付着している油
類を除去すると共に鋼板面に化学的に安定な無機質膜を
形成された後に、下塗り塗装工程としての電着工程に搬
送される。この電着塗装工程を通過した後の車体は、電
着塗膜を乾燥硬化するためにオーブンつまり乾燥炉内に
搬送され、次いで、中塗り塗装工程と上塗り塗装工程に
順次搬送される。このことは例えば自動車工学全書第１
９巻「自動車の製造方法」昭和５５年４月２０日；株式
会社山海堂発行の第２０２頁〜第２０８頁「塗装設備」
の項目の中で紹介されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】電着塗装工程における
電着槽は、従来、図２に示されるように、被塗物である
車体を搬送するコンベア１０の下側に配置されており、
電着槽１は底壁２と、この底壁１の搬入側と搬出側とに
上方に向けて広がった端壁３、４と、搬送方向の左右の
側壁５、６とを有している。このような電着槽１内には
電着液Ｌが収容され、上面が開口している。車体は電着
槽１の搬入側から槽内の電着液Ｌにどぶ付けされた状態
でコンベア１０により搬出端側に向けて搬送され、搬出
端からオーブンに向けて搬出される。従来では、車体が
電着槽から搬出される際に車体によって排出される電着
液Ｌを収容するために、サブタンク７が電着槽１の搬出
側の後方に配置されており、このサブタンク７内に流入
した電着液ＬはポンプＰを有する循環路８により電着槽
１に戻されるようになっている。この戻される電着液Ｌ
により、電着槽１内には循環流が形成されて電着槽１内
の電着液が撹拌されるようになっている。

【０００４】この電着槽１内には、前述したように、予
め脱脂工程や洗浄工程が終了した後の車体が搬入される
が、電着液Ｌの中に鉄粉等のゴミが含有することがあ
る。発明者は、この電着液Ｌの中に含まれるゴミの含有
量を、電着液Ｌのそれぞれの部分について測定した。こ
の結果、ゴミ等は電着槽１の上流側の部分が、図２にお
いて点を付して示すように、下流側の部分に比して多く
含有していることが判明した。したがって、電着槽１か
らサブタンク７内にオーバーフローする電着液には比較
的ゴミが多くなく、循環路８にフィルターを設けても、
電着槽１内のゴミを充分に除去することができなかっ
た。このため、電着槽内で被塗物にゴミが付着すること
から塗装品質が良好とならなかった。

【０００５】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであり、電着槽内のゴミを確実に除去して
塗装品質を向上させることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、被塗物を搬送するコンベアの下方に前記被
塗物に電着塗装を施す電着槽を配置してなる塗装装置に
おいて、前記電着槽を、底壁と、当該底壁の搬入端及び
搬出端に傾斜して設けられた端壁と、搬送方向に沿って
設けられる左右の側壁とにより形成し、前記電着槽の上
流側底部に流入口を有し、前記電着槽の上流側上部に下
流側に向けて開口する流出口を有する循環路を前記電着
槽に設け、前記循環路にこの中の電着液を送るポンプ
と、電着液の中に含まれるゴミを除去するフィルターと
を備えたことを特徴とする塗装装置である。

【０００７】

【作用】被塗物としての自動車車体は、下塗り塗装を行
なうために、コンベアにより電着槽の内部に搬入端側か
ら搬入される。搬入前に自動車車体に付着していた鉄粉
等のゴミは、電着槽の上流側の底部に沈澱落下すること
になるが、そのゴミは、電着槽の上流側底部に設けられ
た流入口から循環路内に流入し、この循環路に設けられ
たフィルターによって除去される。しかも、循環路の吐
出口は、電着槽の上流側上部に、電着槽の搬出側に向け
て開口されているので、吐出口から流出する電着液によ
り、電着槽内には循環流が形成され、撹拌作用が得られ
る。

【０００８】

【実施例】図１は本発明の塗装装置の一実施例としての
電着槽を示す断面図である。車体を吊り下げた状態で搬
送するコンベア１０の下側には、電着槽１１が配置され
ており、この電着槽１１は、底壁１２と、この底壁１２
の搬入側と搬出側の端部に上側に向けて広がって形成さ
れた端壁１３、１４と、コンベア１０に沿う方向に設け
られた左右の側壁１５、１６とを有している。この電着
槽１１内には電着液Ｌが収容され、上端は開口されてい
る。

【０００９】被塗物である車体はコンベア１０によって
搬入端側から電着液Ｌ内にどぶ付けされた後に、その状
態で電着液Ｌ内を進み、搬出端側から搬出される。この
搬出時に、車体によってオーバーフローされた電着液Ｌ
を収容するために、電着槽１１の下流側にはサブタンク
１７が配置されている。サブタンク１７内の電着液Ｌを
電着槽１１内に戻すために、サブタンク１７と電着槽１
１との間には循環路１８が接続されており、この循環路
１８にはポンプＰ1 とフィルターＦ1 が設けられてい
る。そして、この循環路１８の電着槽１１側の吐出口
は、図示するように、電着槽１１の底部側に位置し、上
流側に向けて水平方向に開口されている。したがって、
この吐出口から流出した電着液によって、電着槽１１の
底部側には上流側に向かう水平方向の流れが形成され
る。

【００１０】サブタンク１７と電着槽１１との間には、
更にもう１本の循環路２１が接続されており、この循環
路２１にもポンプＰ2 とフィルターＦ2 とが設けられて
いる。そして、この循環路２１の電着槽１１側の吐出口
は、電着槽１１の底部側に位置し、上流側に向けて水平
方向に開口されている。したがって、この循環路２１か
ら流出する電着液によっても、電着槽１１の底部側には
上流側に向かう流れが形成される。この循環路２１に
は、熱交換器２２が設けられ、外部から供給される加熱
媒体によって、循環路２１を流れる電着液は加熱され
る。

【００１１】図示する塗装装置にあっては、電着槽１１
の上流側の端壁１３と底壁１２とのなす角部に吸入口２
３を有し、端壁１３の上部に下流側に向けて水平方向に
開口した吐出口２４を有する循環路２５が接続されてお
り、この循環路２５には、ポンプＰ3 とフィルターＦ3
とが設けられている。

【００１２】この循環路２５の吐出口２４は上述したよ
うに、下流側に向けて水平方向に開口されているので、
電着槽１１内の電着液Ｌの上部は端壁１４側つまり下流
側に向かう流れが形成され、底部には前述したように、
端壁１３側つまり上流側に向かう流れが形成されるの
で、これらの流れによって、電着液Ｌには時計方向の循
環流が形成される。

【００１３】したがって、図２に示すように、電着槽１
１の上流側には、下流側に比して多量のゴミ等が停留す
る傾向があったが、上流側の底部に停留するゴミは循環
路２５によって充分に捕捉されてフィルターＦ3 に案内
されることになり、ゴミはフィルターＦ3 により除去さ
れる。また、それぞれの循環路１８、２１、２５から流
出する電着液により、電着槽１１内の電着液Ｌは撹拌さ
れるので、オーバーフローしてサブタンク１７内に流れ
込む電着液の中にもゴミ等が含まれることになり、この
サブタンク１７内の電着液を電着槽１１に戻す循環路１
８、２１内にもゴミ等が案内され、そのゴミ等は他のフ
ィルターＦ2 、Ｆ3 によっても確実に除去されることに
なる。

【００１４】図示する場合には、フィルターＦ1 〜Ｆ3
としては、ポール社の製のプロファイル（登録商標）を
使用した。実験によれば、ポンプＰ3 の循環量を２５Ｌ
／min に設定し、フィルターＦ3 で捕捉されたゴミの量
を測定したところ、５０〜１００μｍのゴミが１００ｍ
Ｌ当り６８０個、１００μｍ以上のゴミが８０個であっ
た。また、ポンプＰ1 の循環量を５０Ｌ／min に設定
し、フィルターＦ1 で捕捉されたゴミの量を測定したと
ころ、５０〜１００μｍのゴミが１００ｍＬ当り３３０
個、１００μｍ以上のゴミが４０個であった。

【００１５】このように、図示する塗装装置にあって
は、従来比較的多量のゴミ等が停留していた電着槽の上
流側の底部から電着液を吸入してその電着液を電着槽の
上流側の上部に水平方向に吐出させるようにした結果、
電着槽内には循環流が形成されることから、電着槽内の
ゴミが分散されその密度も大幅に低減されるのみなら
ず、サブタンク１７内にオーバーフローする電着液Ｌ内
にも多量のゴミが案内され、このサブタンク１７内の電
着液を電着槽１１内に戻す循環路１８、２１に設けられ
たフィルターＦ1 、Ｆ2 によっても多量のゴミが除去さ
れることになると共に、循環路２５に設けられたフィル
ターＦ3 によって、停留する傾向がある上流側のゴミを
も除去することが可能となる。これにより、電着槽１１
内におけるゴミ等が確実に除去され、電着塗膜の品質が
向上し、高品質の塗装を行なうことが可能となった。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、電着槽
内に被塗物と共に入り込んで電着槽の搬入側の底部に停
留する傾向がある鉄粉等のゴミは、電着槽の搬入側の底
部に流入口を有する循環路に入り込み、この循環路に設
けられたフィルターにより確実に捕捉されることにな
り、電着槽内で被塗物にはゴミが付着することがなくな
り、塗装品質が向上した。また、この循環路の吐出口
は、電着槽の搬入端の上部に搬出端に向けて水平に開口
されているので、この吐出口から流出する電着液により
電着槽内には循環流が形成され、電着槽内の電着液は充
分に撹拌されることになり、電着槽内のゴミの密度低下
し、塗装品質が向上することになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本発明の一実施例に係る塗装装置を示す断面
図、

【図２】は従来の塗装装置を示す断面図である。

【符号の説明】

１１…電着槽、１２…底壁、１３…搬入側の端壁、１４
…搬出側の端壁、１５、１６…側壁、１７…サブタン
ク、２３…流入口、２４…流出口、２５…循環路、Ｆ3
…フィルター、Ｐ3 …ポンプ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】被塗物を搬送するコンベアの下方に前記
被塗物に電着塗装を施す電着槽を配置してなる塗装装置
において、前記電着槽を、底壁と、当該底壁の搬入端及び搬出端に
傾斜して設けられた端壁と、搬送方向に沿って設けられ
る左右の側壁とにより形成し、前記電着槽の上流側底部に流入口を有し、前記電着槽の
上流側上部に下流側に向けて開口する流出口を有する循
環路を前記電着槽に設け、前記循環路にこの中の電着液を送るポンプと、電着液の
中に含まれるゴミを除去するフィルターとを備えたこと
を特徴とする塗装装置。