JPH11152599A - 電着塗装方法および電着塗装装置 - Google Patents

電着塗装方法および電着塗装装置

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JPH11152599A
JPH11152599A JP33358497A JP33358497A JPH11152599A JP H11152599 A JPH11152599 A JP H11152599A JP 33358497 A JP33358497 A JP 33358497A JP 33358497 A JP33358497 A JP 33358497A JP H11152599 A JPH11152599 A JP H11152599A
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Hirokazu Sugiyama
裕和 杉山
Hiroaki Nakada
博明 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被塗物の条件に応じて電極の有効面積を制御す
ることで、車種別および部位別に膜厚コントロールが可
能な電着塗装方法および電着塗装装置を提供する。 【解決手段】被塗物Bの仕様および/または部位に応じ
て、当該被塗物Bに対する電極2の有効面積を制御す
る。電極2の有効面積は、電極2と被塗物Bとの間に絶
縁性マスキング体7を介装することにより行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車ボ
ディや部品の電着塗装工程に用いて好ましいフルディッ
プまたはハーフディップの浸漬型電着塗装方法および浸
漬型電着塗装装置に関し、特に電極の有効面積を制御す
ることにより膜厚を制御する電着塗装方法および電着塗
装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車ボディの塗装には、下塗り塗装、
中塗り塗装および上塗り塗装からなる3コート塗装系が
採用されているが、このうちの下塗り塗装工程には、自
動車ボディを電着塗料液中に全没させるディッピング塗
装法が採用されている。
【0003】この種のフルディップ電着塗装法において
は、被塗物である自動車ボディは、ハンガに搭載された
状態で、電着塗料液が投入された電着槽内へ、オーバー
ヘッドコンベアにより一定速度で搬入される。
【0004】電着槽における自動車ボディは、約30°
の角度で入槽し、3分以上の全没時間を確保して槽内を
通過したのち、約30°の角度で出槽する。この間、カ
チオン型電着塗料では、電着槽の側壁および底壁に配置
された複数の電極板或いは電極棒を介して、電着塗料液
に300V前後の直流電圧が印加され、これによりアー
ス側であるボディとの間で塗料粒子の電気泳動が生じ、
ボディの内外板や袋構造内面に電着塗膜が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の電着
塗装法において、被塗物表面に形成される電着膜厚は、
主として電極板および電極棒への印加電圧により制御さ
れていた。しかしながら、多車種混合ラインにおいて
は、被塗面のトータル面積が小さいボディ(たとえば小
型乗用車)や、電着板との極間距離が小さくなる大型車
等々が不規則に流されるので、車種によって形成される
膜厚がばらつく。このため、最も膜厚が確保し難い車種
に印加電圧を合わせ、つまり印加電圧を高く設定してい
たので、小型車などは大型車に比べて厚膜になり、また
同じ車種でもドアパネルなどは他の部位に比べて厚膜に
なって、過剰品質によるコストアップが問題となってい
た。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、被塗物の条件に応じて電極
の有効面積を制御することで、車種別および部位別に膜
厚コントロールが可能な電着塗装方法および電着塗装装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、請求項1記載の電着塗装方法は、被塗物の仕
様および/または部位に応じて、当該被塗物に対する電
極の有効面積を制御することを特徴とする。
【0008】被塗物表面に形成される電着塗膜の膜厚
は、主として電極への印加電圧と電極からの電流密度に
左右されるが、印加電圧を一定とすると、電極からの電
流密度は、電極の有効面積と、電極および被塗物の距離
に相関する。すなわち、電極の有効面積を可変とすれ
ば、電着膜厚をコントロールすることができる。
【0009】本発明者らは、この点に着目し、被塗物の
仕様および/または部位に応じて、被塗物に対する電極
の有効面積を制御することとした。これにより、被塗物
の仕様および/または部位に応じて電着膜厚がコントロ
ールでき、厚膜になりがちな仕様の被塗物や同じ仕様の
被塗物であっても部位に応じて局所的に、膜厚をコント
ロールすることができ、その結果、被塗物間および被塗
物全体にわたって電着膜厚を均一にすることが可能とな
る。
【0010】(2)請求項1記載の電着塗装方法におい
て、電極の有効面積を可変とする手段は特に限定されな
いが、請求項2記載の電着塗装方法では、前記電極の有
効面積は、電極と被塗物との間に絶縁性マスキング体を
介装することにより制御することを特徴とする。
【0011】電極と被塗物との間に絶縁性マスキング体
を介装すると、電極から被塗物に対する電流密度がその
ぶんだけ小さくなるので、特に当該電極に対面した被塗
物の部位の電着膜厚を抑制することができる。
【0012】(3)上記目的を達成するために、請求項
6記載の電着塗装装置は、電着槽に満たされた電着塗料
液に被塗物を浸漬する電着塗装装置において、前記電着
槽内に配設された電極と、前記電極と前記被塗物との間
に、前記電極の少なくとも一部を遮蔽および非遮蔽可能
に設けられた絶縁性マスキング体とを有することを特徴
とする。
【0013】この請求項6記載の電着塗装装置では、電
極の少なくとも一部を遮蔽および非遮蔽可能に設けられ
た絶縁性マスキング体を有するので、上述した請求項1
または2記載の電着塗装方法と同様の原理で、被塗物の
仕様および/または部位に応じて電着膜厚がコントロー
ルでき、厚膜になりがちな仕様の被塗物や同じ仕様の被
塗物であっても部位に応じて局所的に、膜厚をコントロ
ールすることができ、その結果、被塗物間および被塗物
全体にわたって電着膜厚を均一にすることが可能とな
る。
【0014】この場合、請求項7記載の電着塗装装置の
ように、被塗物の仕様および/または部位に応じて、前
記マスキング体による前記電極の遮蔽面積または非遮蔽
面積の少なくとも一方を制御する制御手段をさらに有す
ることが好ましい。電極の遮蔽面積または非遮蔽面積の
少なくとも一方を可変とすることで、被塗物の仕様およ
び/または部位に応じたより細かい膜厚コントロールが
可能となる。
【0015】また、請求項6および7記載の電着塗装装
置において、マスキング体の具体的構造は特に限定され
ないが、たとえば請求項8記載の電着塗装装置では、前
記マスキング体は、前記電極の一部を非遮蔽する開口部
が形成された絶縁性板状体であることを特徴とする。
【0016】この請求項8記載の電着塗装装置では、電
極と被塗物との間にマスキング体を介装すると、開口部
においては電極から被塗物に対する印加電圧が確保され
る一方で、開口部以外の部分においては電極から被塗物
に対する印加電圧が遮蔽されるので、マスキング体を電
極と被塗物との間に介装した場合でも、被塗物の部位に
応じて電着膜厚をコントロールすることができる。
【0017】これに対して、請求項9記載の電着塗装装
置では、前記マスキング体は、前記電極の少なくとも一
部を遮蔽および非遮蔽とする可動式スライド板であるこ
とを特徴とする。
【0018】この請求項9記載の電着塗装装置では、マ
スキング体を可動式スライド板から構成したので、当該
可動式スライド板を開けば厚膜化でき、逆に可動式スラ
イド板を閉じれば薄膜化することができる。また、可動
式スライド板の開閉位置を連続的とすることで、所望の
膜厚にコントロールすることもできる。特に、マスキン
グ体を可動式スライド板で構成すると、たとえば隔膜電
極のケース内に収容することが可能となるので、マスキ
ング体の動作にともなう必要スペースを最小限とするこ
とができる。
【0019】(4)請求項2記載の電着塗装方法および
請求項6〜9記載の電着塗装装置において、電極は電着
槽内に設けられるもの全てに適用することができるが、
請求項3記載の電着塗装方法および請求項10記載の電
着塗装装置では、前記電極は隔膜電極であり、前記絶縁
性マスキング体は前記隔膜電極のケース内に設けられて
いることを特徴とする。
【0020】マスキング体を電極と被塗物との間に介装
する場合、一般的には電着塗料がマスキング体に付着
し、当該マスキング体の動作不良が生じたり、マスキン
グ体から電着槽内に持ち込まれるゴミなどが問題となる
おそれがあるが、請求項3および10記載の発明のよう
に、マスキング体を隔膜電極のケース内に配設すること
により、電着塗料に浸漬されることもなく、またマスキ
ング体によってゴミが持ち込まれても電着槽内に入り込
むことはなくなる。
【0021】(5)被塗物の仕様としては、特に限定さ
れないが、請求項4記載の電着塗装方法および請求項1
1記載の電着塗装装置では、前記被塗物の仕様には、少
なくとも被塗物の塗装面積が含まれることを特徴とす
る。
【0022】塗装面積が小さい被塗物は、単位面積あた
りの通電量が大きくなって厚膜になる傾向があるが、塗
装面積に応じて電極の有効面積を制御する(具体的には
塗装面積が小さい被塗物に対しては電極の有効面積を相
対的に小さくする。)ことで、それぞれの被塗物に形成
される膜厚を均一にすることができる。
【0023】また、被塗物の仕様の一例として、請求項
5記載の電着塗装方法および請求項12記載の電着塗装
装置では、前記被塗物の仕様には、少なくとも槽内にお
ける被塗物と電極との距離が含まれることを特徴とす
る。
【0024】被塗物と電極との極間距離が近いと、単位
面積あたりに印加される電圧が高くなって厚膜になる傾
向があるが、この極間距離に応じて電極の有効面積を制
御する(具体的には、極間距離が短い被塗物に対しては
電極の有効面積を相対的に小さくする。)ことで、それ
ぞれの被塗物に形成される膜厚を均一にすることができ
る。
【0025】本発明の電着塗装方法および電着塗装装置
において、電極の有効面積の制御は、被塗物の仕様のみ
ならず、被塗物の部位に応じて実行しても良い。たとえ
ば、被塗物が自動車ボディの場合、ボディ水平面に対し
て厚膜になりがちなボディ垂直面(フェンダパネル、ド
アアウタパネル、クォータパネル等)の電極有効面積を
相対的に小さくし、これによりボディ水平面と垂直面と
の膜厚の均一化を図ることができる。
【0026】本発明の電着塗装方法および電着塗装装置
は、主として自動車ボディのフルディップ塗装に適用さ
れるが、その他にも自動車の部品塗装などにも適用する
ことができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、厚膜になりがちな仕様
の被塗物や同じ仕様の被塗物であっても部位に応じて局
所的に、膜厚をコントロールすることができるので、被
塗物間および被塗物全体にわたって電着膜厚を均一にす
ることが可能となる。これと同時に、過剰品質によるコ
ストアップも抑制できる。
【0028】また、請求項3および10記載の発明によ
れば、マスキング体を隔膜電極のケース内に配設するの
で、電着塗料によるマスキング体の作動不良が生じるお
それもなく、またマスキング体によってゴミが持ち込ま
れても電着槽内に入り込むことはなくなる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の電着塗装装置を示す
全体断面図、図2は図1のII-II 線に沿う断面図、図3
は本発明に係るマスキング体の第1実施形態を示す正面
図である。
【0030】本実施形態の電着塗装装置は、長い船状の
電着槽1を有し、この電着槽1内に電着塗料液Lが満た
されている。
【0031】被塗物である自動車ボディBは、ハンガH
に搭載された状態でオーバーヘッドコンベアCにより一
定速度で連続的に搬入されるが、電着槽1内へボディB
を全没させるために、オーバーヘッドコンベアCは、電
着槽1の入槽側で約20°〜40°の下向き傾斜とさ
れ、電着槽有効範囲においてはボディBが全没する高さ
を保ち、出槽側で約20°〜40°の上向き傾斜とされ
ている。図1においては、図の左側が入槽側であり右側
が出槽側である。
【0032】電着槽有効範囲、つまりボディBが全没す
る範囲の電着槽1の長さは、たとえば各車種ともに3分
以上の全没時間が確保されるように設定されている。ボ
ディBが入槽されると、カチオン型電着塗料では、電着
槽1の側壁および底壁に配置された電極(側面の隔膜電
極板2のみを図示する。)を介して、電着塗料液Lに3
00V前後の直流電圧(図1に示す電源装置から供給さ
れる。)が印加され、これによりアースされたボディB
との間で塗料粒子の電気泳動が生じ、ボディBの内外板
や袋構造内面に電着塗膜が形成される。
【0033】電着槽1の出槽側の外部には、オーバーフ
ロータンクTが設けられており、電着槽1とオーバーフ
ロータンクTとの間の堰T1を越えた電着塗料液Lは当
該オーバーフロータンクTへ流入する。したがって、電
着槽1の液面は堰T1の高さで決定される。
【0034】このオーバーフロータンクTには、吸引ポ
ンプP、フィルタF、熱交換器Eおよび複数のノズル3
を有する塗料循環系4が設けられており、オーバーフロ
ータンクTの電着塗料液LはポンプPで吸引され、フィ
ルタFで濾過され、熱交換器Eで適切な温度に調節され
たのち、ノズル3から電着槽1内に吐出される。こうし
た塗料循環系4により、電着槽1内における塗料攪拌が
行われ、電着塗料液Lの沈降防止や塗料温度の均一化等
々が図られる。
【0035】図2は図1のII-II 線に沿う断面図である
が、隔膜電極2は、電着槽1の両側壁に沿って配設され
た隔膜ケース5内に収納され、当該隔膜ケース5内には
純水が満たされている。そして、ボディBに対向する面
に設けられた隔膜6を介して隔膜電極2からの印加電圧
がボディBに印加される。
【0036】特に本実施形態の電着塗装装置では、同図
に示されるように、隔膜ケース5内であって、隔膜電極
2とボディBとの間に、マスキング体7が介装されてい
る。このマスキング体7は、たとえば塩化ビニルやポリ
テトラフルオロエチレンなどの絶縁性材料からなり、ま
たはこれらの絶縁性材料で表面がコーティングされ、駆
動手段8により、図示する位置と、ここから隔膜ケース
5外へ上昇する位置とに移動可能とされている。こうし
たマスキング体7の駆動手段8としては、特に限定され
ないが、たとえば流体シリンダや機械式リフタなどを採
用することができる。
【0037】図3に示すように、本実施形態のマスキン
グ体7は、主としてボディBのドアパネル中央部を遮蔽
するために、その部分だけマスキング部71が構成さ
れ、それ以外の上下部分には開口部72が形成されてい
る。これにより、マスキング体7を隔膜ケース5内に浸
漬しても、ドアパネル中央部に相当する部位以外の部位
には開口部72を介して隔膜電極2からの電圧が印加さ
れることになる。
【0038】ただし、図2および図3に示すマスキング
体7の構造は単なる一例であって、車種に応じて適宜選
択することができる。要するに、厚膜になりがちな部位
に相当する隔膜電極部分を遮蔽し、それ以外の部位に開
口部72を設ければよい。また、電着槽1に設けられた
全ての隔膜電極2についてマスキング体7を設ける必要
性はなく、部分的に設けても良いし、各隔膜ケース5に
設けるべきマスキング体7の構造をそれぞれ適当に構成
しても良い。
【0039】マスキング体7の上下動は駆動手段8によ
り実行されるが、この駆動手段8は、制御手段9によっ
て制御され、この制御手段9には車種検出装置からの車
種データが入力されるように接続されている。
【0040】車種検出装置としては、特に限定はされな
いが、たとえばボディBの形状の特有点を光電管などを
用いて検出する装置(たとえば入槽直前に配置され
る。)、あるいは生産管理システムからのデータの読み
込み装置などを適用することができる。
【0041】また、制御手段9には、実験的あるいは経
験的に確認された各車種データに対するマスキング体7
の適切位置データが、予めテーブル化されて記憶されて
おり、車種検出装置から車種データが入力されると、こ
のメモリに基づいてマスキング体7の駆動手段8へ制御
信号が出力される。
【0042】この場合、複数のマスキング体7をそれぞ
れ独立して制御することもできるし、たとえば対向する
一対のマスキング体7,7や隣接するマスキング体7は
共通して制御しても良い。
【0043】次に作用を説明する。電極2への印加電圧
は、たとえば最も電着膜厚が確保し難い車種に合わせて
設定しておく。通常、電着面積が大きい大型車両であ
る。そして、こうした大型車が搬送されてきたら、マス
キング体7を隔膜ケース5外へ取り出し、隔膜電極2と
ボディBとの間に遮蔽物が存在しない状態で電着塗装を
施す。これにより、設定された電圧に応じて大型車に適
切な膜厚の電着塗膜が形成される。
【0044】この間に、電着面積が小さい小型車が流れ
てくると、この車種データに基づいて制御手段9から駆
動手段8へマスキング体7の駆動信号を出力し、連続的
に搬送される小型車の搬送に応じて、マスキング体7を
順次隔膜ケース5内に浸漬して行く。当該小型車が通過
した隔膜電極2については、順次マスキング体7を隔膜
ケース5から取り出して行く。
【0045】小型車などは電着面積が小さいので電着膜
厚が大型車に比べて厚膜になりがちであるが、マスキン
グ体7を介装することにより、小型車に流れる電流が抑
制されるので、こうした厚膜化を抑制することができ、
大型車と同等の膜厚とすることができる。
【0046】また、図3に示すようなマスキング体7を
用いれば、同じ車種であっても部分的に厚膜化されがち
なドアパネルなどの膜厚を抑制することができるので、
車両全体の膜厚を均一にすることもできる。
【0047】さらに、本実施形態のマスキング体7は、
電着槽1そのものに浸漬するのではなく、隔膜ケース5
内に浸漬するので、電着塗料が付着して動作不良を引き
起こしたり、或いはマスキング体7に付着したゴミが電
着槽1内へ持ち込まれるのを防止することができる。
【0048】本発明に係るマスキング体7は、上述した
ものにのみ限定されず種々に改変、変更することができ
る。図4はマスキング体の他の実施形態を示す斜視図で
あり、図5(A)(B)はその動作を示す平面図であ
る。
【0049】この実施形態では、マスキング体7は、縦
長帯状に形成された複数の絶縁性板片73がスライド可
能に重ね合わされてなり、隔膜ケース5内であって隔膜
電極2とボディBとの間に配設されている。そして、流
体シリンダなどからなる駆動手段8により、図5(A)
に示すように隔膜電極2の殆どを遮蔽する閉塞位置と、
同図(B)に示すように隔膜電極2の殆どを開放して非
遮蔽とする開放位置との間を移動可能とされている。
【0050】こうすることで、上述した実施形態と同様
に、大型車が搬送されてきたら、マスキング体7を図5
(B)に示すように開放し、隔膜電極2とボディBとの
間に遮蔽物が存在しない状態で電着塗装を施す。これに
より、設定された電圧に応じて大型車に適切な膜厚の電
着塗膜が形成される。
【0051】この間に、電着面積が小さい小型車が流れ
てくると、この車種データに基づいて制御手段9から駆
動手段8へマスキング体7の駆動信号を出力し、連続的
に搬送される小型車の搬送に応じて、図5(A)に示す
ようにマスキング体7を順次閉じて行く。当該小型車が
通過した隔膜電極2については、順次マスキング体7を
開いて行く。
【0052】小型車などは電着面積が小さいので電着膜
厚が大型車に比べて厚膜になりがちであるが、マスキン
グ体7を介装することにより、小型車に流れる電流が抑
制されるので、こうした厚膜化を抑制することができ、
大型車と同等の膜厚とすることができる。
【0053】また、本実施形態のマスキング体7も、電
着槽1そのものに浸漬するのではなく、隔膜ケース5内
に配設するので、電着塗料が付着して動作不良を引き起
こしたり、或いはマスキング体7に付着したゴミが電着
槽1内へ持ち込まれるのを防止することができる。特に
本実施形態のマスキング体7は、可動式スライド板で構
成されているので、隔膜ケース5外に取り出す必要はな
く、図2および図3に示すマスキング体7に比べると、
遮蔽状態および非遮蔽状態における必要スペースが少な
くて済む。
【0054】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0055】たとえば、図4および図5に示すマスキン
グ体7において、板片73を横長帯状に構成し、スライ
ド方向をボディBの上下方向とすることもできる。こう
することで、一つのボディに対して部位別に厚膜化を抑
制することができる。
【0056】また、上述した実施形態では、マスキング
体7を全て隔膜ケース5内に設けたが、本発明では、隔
膜電極以外の電極に対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電着塗装装置を示す全体断面図であ
る。
【図2】図1のII-II 線に沿う断面図である。
【図3】本発明に係るマスキング体の実施形態を示す正
面図である。
【図4】本発明に係るマスキング体の他の実施形態を示
す斜視図である。
【図5】図4の実施形態を示す平面図((A)はスライ
ド板を閉じた状態、(B)はスライド板を開いた状態)
である。
【符号の説明】
1…電着槽 2…隔膜電極(電極) 3…ノズル 4…塗料循環系 5…隔膜ケース 6…隔膜 7…マスキング体 71…マスキング部 72…開口部 73…板片 8…駆動手段 9…制御手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被塗物の仕様および/または部位に応じ
    て、当該被塗物に対する電極の有効面積を制御すること
    を特徴とする電着塗装方法。
  2. 【請求項2】前記電極の有効面積は、前記電極と前記被
    塗物との間に絶縁性マスキング体を介装することにより
    制御することを特徴とする請求項1記載の電着塗装方
    法。
  3. 【請求項3】前記電極は隔膜電極であり、前記絶縁性マ
    スキング体は前記隔膜電極のケース内に設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載の電着塗装方法。
  4. 【請求項4】前記被塗物の仕様には、少なくとも被塗物
    の塗装面積が含まれることを特徴とする請求項1〜3の
    何れかに記載の電着塗装方法。
  5. 【請求項5】前記被塗物の仕様には、少なくとも槽内に
    おける被塗物と電極との距離が含まれることを特徴とす
    る請求項1〜4の何れかに記載の電着塗装方法。
  6. 【請求項6】電着槽に満たされた電着塗料液に被塗物を
    浸漬する電着塗装装置において、 前記電着槽内に配設された電極と、 前記電極と前記被塗物との間に、前記電極の少なくとも
    一部を遮蔽および非遮蔽可能に設けられた絶縁性マスキ
    ング体とを有することを特徴とする電着塗装装置。
  7. 【請求項7】被塗物の仕様および/または部位に応じ
    て、前記マスキング体による前記電極の遮蔽面積または
    非遮蔽面積の少なくとも一方を制御する制御手段をさら
    に有することを特徴とする請求項6記載の電着塗装装
    置。
  8. 【請求項8】前記マスキング体は、前記電極の一部を非
    遮蔽する開口部が形成された絶縁性板状体であることを
    特徴とする請求項6または7記載の電着塗装装置。
  9. 【請求項9】前記マスキング体は、前記電極の少なくと
    も一部を遮蔽および非遮蔽とする可動式スライド板であ
    ることを特徴とする請求項6または7記載の電着塗装装
    置。
  10. 【請求項10】前記電極は隔膜電極であり、前記絶縁性
    マスキング体は前記隔膜電極のケース内に設けられてい
    ることを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の電着
    塗装装置。
  11. 【請求項11】前記被塗物の仕様には、少なくとも被塗
    物の塗装面積が含まれることを特徴とする請求項7〜1
    0の何れかに記載の電着塗装装置。
  12. 【請求項12】前記被塗物の仕様には、少なくとも槽内
    における被塗物と電極との距離が含まれることを特徴と
    する請求項7〜11の何れかに記載の電着塗装装置。
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