JP4623823B2 - 自動車車体の電着塗装装置および電着塗装方法 - Google Patents

自動車車体の電着塗装装置および電着塗装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電着槽内に満たされた電着塗料を用い、電着槽に浸漬された自動車車体に電着塗装を施す自動車車体の電着塗装装置および電着塗装方法に関するものであり、詳しくは、自動車車体のうち、高い塗膜品質が要求されるルーフ、フード、ラゲージ等の水平部に良好な塗膜品質を与え得ると共に、箇所に応じて塗膜厚を適切に制御し得る電着塗装装置および電着塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に電着塗装は、塗装工程の自動化が容易であり、塗料の被塗物への付き回り性が良く、均一な膜厚の塗膜が得られ、さらには水系塗料であるために環境に対する負荷が少なく、安全性が高い等の利点を有するので、従来から工業用塗装ライン等で広く用いられている。かかる電着塗装としては、電着塗料としてアニオン電着塗料を用いた上で導電材料からなる被塗物を陽極として電着を行う陽極電着塗装と、電着塗料としてカチオン電着塗料を用いた上で導電材料からなる被塗物を陰極として電着を行う陰極電着塗装と、が行われている。
【0003】
近年、各種塗装ラインにおいては、陰極電着塗装が陽極電着塗装を凌駕しつつある。これは、陰極電着塗装は、被塗物が陰極となる関係上被塗物素地の溶失が起こらず、またカチオン電着塗料に含まれるアミノ基によって被塗物表面の防食性が高められるなどといった種々の利点を有することに基づくものである。よって、特に自動車車体(ホワイトボディ)の下地塗装である防食塗装には陰極電着塗装を行うのが一般的である。
【0004】
電着塗料には、顔料が分散状態で含有されており、経時と共に沈降する。この沈降を抑えるために、電着塗料を収容する電着槽には攪拌装置が備えられ、電着塗料に液流を与えているが、それでも顔料の沈降を完全に抑えることはできない。沈降した顔料の一部は、被塗物としての自動車車体の、特に水平部に沈着し、塗膜外観の低下に結びつく。
【0005】
自動車車体においては、車体全外観の中で、一般にフード、ルーフ、ラゲッジ等の水平部における塗膜外観が重要視される。水平部は、見る者の最も目につく部分であり、太陽や照明灯からの光の反射により、塗膜の均一性、平滑性および鮮映性が最も強調される部分でもあるからである。したがって、沈降した顔料がこれら水平部に付着して、塗膜外観不良を起こすことは、自動車車体全体の外観に影響を及ぼし、問題がある。従来、このような塗膜外観不良を生じたときは、サンドペーパーやグラインダー等により修正を行った上で中塗りおよび上塗り塗装をしていたが、その工数の低減が望まれており、また、その際電着塗膜を削り過ぎることによる耐候性や耐食性の低下の懸念もある。
【0006】
一方、自動車車体には、ロッカーパネル(サイドシール)や、ラゲッジルーム、エンジンルーム等に多くの袋部を有し、電着塗装においてかかる袋部の塗膜つきまわり性が問題となっている。
通常袋部には、内部に電着塗料が流れ込むようにするため孔が設けられており、自動車車体が電着塗料に浸漬された状態では、各袋部にできるだけエアーポケットが生じないように設計され、電着塗料で満たされた状態となっている。ところが、電着の際は、塗膜が形成される箇所と電極部材との距離により、塗膜形成性が決定され、袋部の内側は塗膜が形成されにくくなっている。
【0007】
袋部においては、塗膜形成性の高い袋部の外側に、まず塗膜が形成され、該塗膜が抵抗体となった後、塗膜形成性の低い内側に塗膜が形成される。したがって、袋部の内側まで十分な塗膜を形成するには、長い電着時間を確保する必要があり、そのためには電着塗料の中で、袋部のできるだけ近くに、できるだけ長い時間近接するように電極部材を配することが望まれる。つまり、自動車車体の下回りに多く存在する袋部(ロッカーパネル等)の内側まで十分な塗膜を形成するには、電着槽の底面部分にたくさんの電極部材を配する必要がある。
【0008】
ところが、電着槽内の攪拌を良くし、塗料中の顔料の沈降を防止する上で、電着槽の底面部分には電極部材をあまり配置することができず、袋部の内側に十分な塗膜を形成することは困難であった。また、その状態で袋部の内側に十分な塗膜を形成するために、より長い時間電着を行うと、他の塗膜形成性の良好な部位の塗膜が厚くなりすぎ、塗料の使用量増加につながる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、自動車車体の水平部における塗膜の均一性、平滑性および鮮映性等の塗膜外観の良好な塗膜を形成し得る自動車車体の電着塗装装置および電着塗装方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、自動車車体の下回りに多く存在する袋部(ロッカーパネル等)の内側まで十分な塗膜を形成し得る等、箇所に応じて塗膜厚を適切に制御し得る自動車車体の電着塗装装置および電着塗装方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上述の課題に鑑み鋭意研究した結果、以下の本発明により、上記課題が解決できることを見出し、本発明を想到するに至った。
【0011】
すなわち、第1の本発明は、少なくとも、液状の電着塗料を収容する舟形または直方体形の電着槽と、
自動車車体を、前記電着槽の長手方向の一端から入槽させ、前記電着槽内で長手方向に進行させ、前記電着槽の長手方向の他端から出槽させ、これを連続的に順次行う搬送手段と、
前記電着槽に入槽されて前記電着塗料中に浸漬された自動車車体が一方の電極となり、かつ、前記電着槽内で前記自動車車体とは離間して配置された複数の電極部材が他方の電極となるように、前記自動車車体および前記電極部材間に直流電圧を印加して、前記電着塗料を前記自動車車体の表面に電着させる通電手段と、
が設けられてなる自動車車体の電着塗装装置であって、
前記搬送手段が、前記自動車車体を、その車長方向を軸として略垂直に傾けた状態で、前記入槽、前記進行および前記出槽させる手段であることを特徴とする自動車車体の電着塗装装置である。
【0012】
第1の本発明の電着塗装装置によれば、電着塗料中で前記自動車車体が、その車長方向を軸として略垂直に傾けられた状態となっているため、塗膜外観が重要視されるフード、ルーフ、ラゲッジ等の水平部が電着塗料中で略垂直に立った状態となっており、該水平部への顔料の沈着の心配がほとんどなく、該水平部における塗膜の均一性、平滑性および鮮映性等の塗膜外観の良好な塗膜を形成することができる。
【0013】
また、ロッカーパネル等の袋部が多く存在する自動車車体の下回りが電着槽の一方の側面に対向している状態となっており、該自動車車体の下回りに存在する袋部に対向させて、適切に電極部材を配置することができる。
さらに、電着槽の前記自動車車体の進行方向側から見た断面形状は、一般的な電着塗装装置における電着槽では略正方形となるが、第1の本発明では縦長の長方形となり、電着槽全体のタンク容量を低減させることができる。タンク容量の低減により、付随するポンプ、塗料補給装置、およびフィルター等の設備の能力ないし面積を小さくすることができ、電着塗装装置の設置面積を小さくすることができるとともに、塗料使用量の低減にもつながる。
【0014】
第2の本発明は、第1の本発明の電着塗装装置であって、前記電極部材のうち一部または全部が、前記電着槽の長手方向に延在して配置されることを特徴とする。
一般に電極部材は、前記電着槽の深さ方向に延在して配置されるものである。しかし、第2の本発明においては、前記電極部材のうち一部または全部が、前記電着槽の長手方向に延在して配置される。そのため、自動車車体のうち、塗膜形成性の低い部位や、塗膜を厚くつけたい部位等に、長い時間電極部材が近接するように電極部材を配置することができ、箇所に応じて塗膜厚を適切に制御することができる。
【0015】
第3の本発明は、第1または第2の本発明の電着塗装装置であって、前記電極部材のうち少なくとも一部が、前記電着槽に入槽されて前記電着塗料中に浸漬された自動車車体の袋部の近傍に配置されることを特徴とする。
第3の本発明によれば、袋部の近傍に電極部材が配置されているため、袋部の内側まで十分な塗膜を形成することができる。
【0016】
第4の本発明は、舟形または直方体形の電着槽に収容された液状の電着塗料中に、自動車車体を、前記電着槽の長手方向の一端から入槽させ、前記電着槽内で長手方向に進行させ、前記電着槽の長手方向の他端から出槽させ、これを連続的に順次行い、かつ、前記電着槽に入槽されて前記電着塗料中に浸漬された自動車車体が一方の電極となり、かつ、前記電着槽内で前記自動車車体とは離間して配置された複数の電極部材が他方の電極となるように、前記自動車車体および前記電極部材間に直流電圧を印加して、前記電着塗料を前記自動車車体の表面に電着させる自動車車体の電着塗装方法であって、
前記自動車車体を、その車長方向を軸として略垂直に傾けた状態で、前記入槽、前記進行および前記出槽させることを特徴とする自動車車体の電着塗装方法である。
【0017】
第4の本発明の電着塗装方法によれば、電着塗料中で前記自動車車体が、その車長方向を軸として略垂直に傾けられた状態となっているため、塗膜外観が重要視されるフード、ルーフ、ラゲッジ等の水平部が電着塗料中で略垂直に立った状態となっており、該水平部への顔料の沈着の心配がほとんどなく、該水平部における塗膜の均一性、平滑性および鮮映性等の塗膜外観の良好な塗膜を形成することができる。
【0018】
また、ロッカーパネル等の袋部が多く存在する自動車車体の下回りが電着槽の一方の側面に対向している状態となっており、該自動車車体の下回りに存在する袋部に対向させて、適切に電極部材を配置することができる。
さらに、一般的な電着槽では略正方形となる、電着槽の前記自動車車体進行方向側から見た断面形状が、縦長の長方形となり、タンク容量を低減させることができる。タンク容量の低減により、付随するポンプ、塗料補給装置、およびフィルター等の設備の能力ないし面積を小さくすることができ、電着塗装装置の設置面積を小さくすることができるとともに、塗料使用量の低減にもつながる。
【0019】
第5の本発明は、第4の本発明の電着塗装方法であって、前記電極部材のうち一部または全部が、前記電着槽の長手方向に延在して配置されることを特徴とする。
第5の本発明においては、前記電極部材のうち一部または全部が、前記電着槽の長手方向に延在して配置される。そのため、自動車車体のうち、塗膜形成性の低い部位や、塗膜を厚くつけたい部位等に、長い時間電極部材が近接するように電極部材を配置することができ、箇所に応じて塗膜厚を適切に制御することができる。
【0020】
第6の本発明は、第4または第5の本発明の電着塗装装置であって、前記電極部材のうち少なくとも一部が、前記電着槽に入槽されて前記電着塗料中に浸漬された自動車車体の袋部の近傍に配置されることを特徴とする。
第6の本発明によれば、袋部の近傍に電極部材が配置されているため、袋部の内側まで十分な塗膜を形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、好ましい実施の形態を挙げて、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である電着塗装装置SPの上面図であり、電着槽2の外部の構成、および被塗物である自動車車体は省略してある。また、図2は、図1におけるA−A断面図であり、図1で省略された電着槽2の外部の構成のうち、搬送装置関係(自動車車体3を含む)が図示されている。図3は、図1におけるB−B断面図であり、搬送装置関係の概略の他、電着塗装装置SPにおける電着液の循環状態および電気系の回路を、電着槽2の外部の構成を含め説明するための概略構成が付加されている。
【0022】
自動車車体(ホワイトボディー)にプライマー(電着塗料)を電着塗装するための電着塗装装置SPは、実質的に、液状の(カチオン)電着塗料1を保持する舟形の電着槽2と、導電材料(例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛めっき等)からなる自動車車体3を矢印Y1〜Y3方向に搬送する搬送機構4と、マイナス側電極として機能する自動車車体3、および、プラス側電極(後で説明する側面電極部材17および底部電極部材18)間に直流電圧を印加する通電機構(通電手段)5と、で構成され、電着塗料1中に浸漬されている自動車車体3の表面に、電着塗料1中の塗膜成分(電着塗料中における、最終的に塗膜を形成する全ての成分を言う)を付着(電着)させるようになっている。
【0023】
なお、以下の説明においては便宜上、自動車車体3の搬送方向(矢印Y1〜Y3方向)にみて、自動車車体3が電着槽2に入槽する側(図1中における位置関係では右側)を「入槽側」といい、自動車車体3が電着槽2から出槽する側(図1中における位置関係では左側)を「出槽側」ということにする。
【0024】
電着槽2の入槽側端部6には、この入槽側端部6に隣接して、傾斜した底部を有する入口側傾斜部7が設けられ、さらに連続して、水平な底部を有する平底部8が設けられている。また、電着槽2の出槽側端部10の入槽側には、出槽側端部10と隣接して、傾斜した底部を有する出口側傾斜部9が設けられている。
【0025】
なお、図2に示すように本実施形態の電着槽2は、完全には舟形になっていないが、自動車車体3の入槽側および/または出槽側の槽底面が、端部に向かって上昇しているような形状であれば、本発明に規定する「舟形」の範疇に含まれるものとする。また、本発明においては、電着槽の形状は舟形に限定されず、直方体形であってもよい。ここで、本発明に規定する「直方体形」とは、槽全体が概ね直方体形状であればその範疇に含まれるものとし、構造上の多少の変形は勿論のこと、槽壁面や底面に凹凸を有していたり、これらが曲面を有していたり等の変形であっても、いわゆる連続式の電着塗装装置における電着槽として機能し得るものであれば、かかる変形は考慮しないものとする。
【0026】
搬送機構4には、電着槽2の上方で概ね入槽側から出槽側に向かって延びるレール11と、該レール11に沿って移動することができる複数の搬送機12と、各搬送機12に取り付けられ自動車車体3を支持することができるキャリア13とが設けられている。
【0027】
各搬送機12は、それぞれ、レール11に沿って所定の速度で矢印Y1、Y2、Y3で示す方向に移動する。ここで、レール11の上下方向については、概ね電着槽2の底面の起伏に対応して起伏している。このため、各搬送機12が矢印Y1、Y2、Y3で示す方向に移動したときには、該搬送機12に取り付けられているキャリア13に支持された自動車車体3は、それぞれ、電着槽2の入口側傾斜部7上方で電着槽2に入槽し電着塗料1中に浸漬され始め、平底部8ではその出槽側端部付近を除けば電着塗料1中に完全に浸漬された状態で進行し、平底部8の出槽側端部付近から出口側傾斜部9にかけての部分で電着槽2から出槽し電着塗料1中から抜け出ることになる。このようにして、各キャリア13に支持された自動車車体3は、順次、連続的に電着槽2内の電着塗料1中に所定時間だけ浸漬され、電着塗装が施される。
【0028】
通電機構(通電手段)5には、直流電圧を出力することができる直流電源15が設けられ、直流電源15のマイナス側出力端子はマイナス側導線16および不図示の搬送昇降機構を介して搬送機12に電気的に接続されている。搬送機12およびキャリア13はそれぞれ導電材料で形成されているため、電着槽2内の電着塗料1中に浸漬されている自動車車体3は、キャリア13と搬送機12とマイナス側導線16とを介して直流電源15のマイナス側出力端子に電気的に接続されていることになる。したがって、導電材料からなる自動車車体3は、当該電着塗装における陰極として機能することになる。
【0029】
また、電着槽2内には、当該電着塗装における陽極として機能する複数の側面電極部材17、複数の上部電極部材14、および複数の底部電極部材18が配設されている。ここで、側面電極部材17は、電着塗料1中に完全に浸漬された状態にある自動車車体3の両側方に、自動車車体3とは適度に離間するようにして配置されている。一方、上部電極部材14および底部電極部材18は、電着塗料1中に完全に浸漬された状態にある自動車車体3の上方および下方に、自動車車体3とは適度に離間するようにして配置されている。
【0030】
そして、側面電極部材17、上部電極部材14、および底部電極部材18は、それぞれ、プラス側導線19を介して、直流電源15のプラス側出力端子に電気的に接続され、電着塗装における陽極として機能するようになっている。なお、電着槽2内の攪拌を良くし、電着塗料1中の顔料の沈降を抑制する上で、底部電極部材18は、設けないか、もしくはその密度を少なくすることが望まれる。
【0031】
側面電極部材17は、隔膜室20内に配されている。すなわち、側面電極部材17を保護するため側面電極部材17を取り囲むように形成ないしは配置された隔膜21が設けられて、隔膜室20が構成される。
【0032】
電着槽2の外部には、所定量の隔膜液23を保持することができる隔膜液タンク22が設けられ、この隔膜液タンク22内に保持されている隔膜液23と、電着槽2の隔膜21によって囲まれた隔膜室20に保持されている電着塗料1とは、ポンプ24によって、第1隔膜液パイプ25および第2隔膜液パイプ26を介して両者間を循環させられるようになっている。ここで、隔膜液タンク22には、純水タンク27内に貯留された純水28が、純水供給通路29を介して供給されるようになっている。なお、純水供給通路29には、純水供給通路29内を流れる純水28の流量を制御する制御弁31が介設されており、電導度計30によって検出される値に基づき、コントローラ32で制御弁31をフィードバック制御することで、隔膜液23の電導度が所定の範囲内に保たれるようになっている。
【0033】
電着塗装装置SPには、電着槽2内に保持された電着塗料1中の各成分の分布ないしは分散を均一化させるために、流動撹拌により電着塗料1を撹拌する流動式撹拌機構35が設けられている。
【0034】
流動式撹拌機構35には、電着槽2からオーバーフローした電着塗料1を受け入れる受け槽37が設けられ、この受け槽37内の電着塗料1は、循環ポンプ38によって加圧され、電着塗料循環配管39を介して、電着槽2の底部近傍に配置されたライザー40に供給され、このライザー40から電着槽2内の電着塗料1中に噴出させられるようになっている。
【0035】
なお、本実施形態において、電着塗料循環配管39には、電着塗料1中の異物を除去するフィルタ41と、電着塗料循環配管39内を流れる電着塗料1の流量を調整するための流量調整バルブ42と、電着塗料循環配管39内を流れる電着塗料1の温度を調整する液温調整装置(熱交換手段)43と、が介設されている。これら構成は、本発明においては、勿論任意的要素である。
【0036】
電着塗料循環配管39には、その中途にUF装置(UF濾過手段)が配されていることが望ましい。UF装置は、本実施形態においては、電着塗料循環配管39における液温調整装置43の下流に設けることが望ましい。
UF装置(UF濾過手段)では、高分子物質やコロイド状物質を含んだ液から半透膜に圧力をかけることにより、水、イオン、低分子物質のみを半透膜の無数の微細な孔から透過分離し、透過液を水洗に使うことで、電着工程のクローズド化が可能となり、塗料持ち出し量を減少させる働きがある。
【0037】
ライザー40から電着槽2内に噴出させられた電着塗料1によって、電着槽2内には、電着槽2下部では受け槽37側に向かって流れる一方、電着槽2上部ではその逆に流れるといった循環流が生じ、これによって電着槽2内の電着塗料1が撹拌されることになる。
【0038】
本発明に特徴的な構成として、本実施形態において自動車車体3は、その車長方向を軸として略垂直に傾けた状態で、キャリア13に支持されている。自動車車体3のキャリア13への支持手段としては、特に限定されるものではなく、自動車車体3のホイールハウス内を含む底面部のいずれかの箇所において、自動車車体3全体を、その車長方向を軸として略垂直に傾けた状態で、キャリア13により支持できるような構成としておけばよい。勿論、キャリア13および/または自動車車体3を、設計時に予め所望の形状としておくことにより、自動車車体3の底面部に代え、あるいは、底面部と共に他の部位でキャリア13により支持できるような構成としておいてもよい。
自動車車体3は、かかる状態のまま、前記入槽、前記進行および前記出槽される。
【0039】
本実施形態の電着塗装装置によれば、電着塗料1中で自動車車体3が、その車長方向を軸として略垂直に傾けられた状態となっているため、塗膜外観が重要視されるフード、ルーフ、ラゲッジ等の水平部が電着塗料1中で略垂直に立った状態となっており、該水平部への顔料の沈着の心配がほとんどなく、該水平部における塗膜の均一性、平滑性および鮮映性等の塗膜外観の良好な塗膜を形成することができる。
【0040】
勿論、電着塗料1中で、自動車車体3の左右いずれかのサイド(フェンダー、サイドドア、リアフェンダー、ピラー等)が、電着塗料1中で水平な状態となり、当該部位における顔料の沈降による塗膜外観の低下も予測されるが、実際にはこれらの部位は、ある程度曲面形状を有していることから沈降した顔料が付着しにくく、また、フード、ルーフ、ラゲッジ等に比べれば、要求される塗膜品質も低く、さらに元々その面積も小さいため、前記サイドの塗膜外観の低下はほとんど問題にならない。
【0041】
また、ロッカーパネル等の袋部が多く存在する自動車車体3の下回りが電着槽2の一方の側面に対向している状態となっており、自動車車体3の下回りに存在する袋部に対向させて、適切に側面電極部材17を配置することができる。このため、電着槽2の平底部8に底部電極部材18を設ける必要がなく、あるいは、設けたとしてもその密度を小さくすることができるため、電着槽2内の攪拌を良くし、電着塗料1中の顔料の沈降を抑制することができる。
【0042】
自動車車体3の下回りに存在する袋部に対向させて配置される側面電極部材17としては、特にその密度や距離を変更することなく、通常の電着塗装装置と同様の条件とするだけで、自動車車体3の下回りに対向させて多くの側面電極部材17が配置された状態となり、袋部の塗膜形成性は各段に向上するが、より厚い塗膜を袋部に形成するためには、側面電極部材17を、より自動車車体3の袋部近傍に、また、より高い密度で配置することが望ましい。
【0043】
なお、本発明において、「近傍に配置」とは、電極部材が自動車車体と最接近した際、自動車車体における最も電極部材に近接した部位が、対象となる箇所(袋部)となる状態のことをいい、両者の間隙としては、自動車車体の搬送に支障を来さない範囲でできる限り近接させることが、袋部の内部に十分な塗膜を形成させる上で望ましい。
【0044】
さらに、電着槽2の自動車車体3の進行方向側から見た断面(図1におけるB−B断面)の形状(図3において現される電着槽2の形状)は、一般的な電着槽では略正方形となるが、本実施形態では縦長の長方形となり、電着槽2全体のタンク容量を低減させることができる。タンク容量の低減により、付随するポンプ、塗料補給装置、およびフィルター等の設備の能力ないし面積を小さくすることができ、電着塗装装置の設置面積を小さくすることができるとともに、塗料使用量の低減にもつながる。
【0045】
ここで、本発明において、自動車車体の傾きとして規定される「車長方向を軸として略垂直」とは、自動車車体の車長方向、すなわち自動車としての前後方向を軸として略90°回転させた状態を指し、自動車としての水平状態の底面と、重力方向とが一致している場合の他、若干のずれが生じている場合を含んでいる。具体的なずれの範囲としては、自動車としての水平状態の底面と、重力方向と、の為す角が±30°以内であり、本発明の効果を考慮すると、±20°以内であることが好ましく、±10°以内であることがより好ましい。
なお、本実施形態において自動車車体3は、自動車車体3後方(入槽側)から見て、左回りに略90°回転させた状態となっているが、回転させる方向は右回りであっても何ら差し支えない。
【0046】
以上のように、本実施形態によれば、自動車車体3の水平部における塗膜の均一性、平滑性および鮮映性等の塗膜外観の良好な塗膜を形成することができると共に、自動車車体3の下回りに多く存在する袋部の内側まで十分な塗膜を形成することができる。さらに、本実施形態によれば、電着槽2全体のタンク容量を低減させることができる。
【0047】
図4は、本発明の第2の実施形態である電着塗装装置SP’の長手方向における断面図であり、第1の実施形態における図2に対応するものである。本実施形態においては、第1の実施形態と側面電極部材17a〜17dの構成が異なっている。その他、第1の実施形態と同一の符号が付された部材は、第1の実施形態の各部材と同一の機能を有するものであり、その詳細な説明は省略する。
【0048】
なお、本実施形態の説明においては、第1の実施形態における図1および図3に対応する図面については割愛するが、側面電極部材17a〜17dの構成を除いては、これらと基本的に同様の構成である。また、第1の実施形態における図2は、図1におけるA−A断面であるため、自動車車体3の進行方向右側の電着槽2側面に配される側面電極部材17について図示されているが、図4においては、自動車車体3の進行方向左側の電着槽2側面に配される側面電極部材17a〜17dについて図示しているため、自動車車体3の一部が側面電極部材17a〜17dの裏側に隠れた状態で描かれている。
【0049】
本実施形態において、側面電極部材17a〜17dは、電着槽2の長手方向に延在して配置されている。連続式の電着塗装装置である図4の電着塗装装置SP’において、浸漬された自動車車体3は、電着槽2の長手方向である矢印Y2方向に進行する。自動車車体3の「1点」に着目すると、その「1点」は電着槽2内を長手方向に進行している。通常の電着塗装装置における電極部材は、図2に示す側面電極部材17のように、鉛直方向に延びた形状のものであり、電着槽2の長手方向に自動車車体3が進行すると共に、前記「1点」に近接する電極部材が次々に切り替わる。したがって、通常の電着塗装装置においては、自動車車体と電極部材とが最も近接した状態は、断続的にしか存在せず、塗膜形成性を局部的に向上させることが、困難であった。
【0050】
しかし、本実施形態の側面電極部材17a〜17dのように、電着槽2の長手方向に延在した状態で配置される電極部材を使用すれば、前記「1点」に電極部材を長い時間連続して近接した状態にすることができる。したがって、電着塗膜を厚く付けたい場合、あるいは、袋部の内側のように塗膜形成性の低い箇所に十分な被膜を付けたい場合に、そのような箇所に連続して対向した状態で電極部材を配置することができ、局部的な塗膜形成性の向上を図ることができる。
【0051】
図4においては、4つの側面電極部材17a〜17dが、電着槽2の長手方向に延在した状態で配置されているが、そのうち側面電極部材17aおよび17dの2つが、他の2つの側面電極部材17bおよび17cに比べ、長いものとなっている。側面電極部材17aおよび17dは、自動車車体3における袋部であるロッカーパネルに近接しているので、当該ロッカーパネルの内側まで十分な塗膜を形成することができる。また、塗膜形成性において特に問題の無い箇所においては、電極部材が長い間近接した状態である必要が無いため、側面電極部材17bおよび17cは短く設定されている。
【0052】
このように、本実施形態によれば、第1の実施形態において挙げた各効果の他、塗膜を形成したいところに狙い撃ちで電極部材を対向させて配置することができ、自動車車体の下回りに多く存在する袋部(ロッカーパネル等)の内側まで十分な塗膜を形成し得る等、箇所に応じて塗膜厚を適切に制御することができる。
【0053】
勿論、第1の実施形態においても、鉛直方向に延びた形状の側面電極部材17について、その本数や長さを加減したり、側面電極部材17と自動車車体3との間に、遮蔽物を一部設ける等の対応により、箇所に応じた塗膜厚の制御は可能であるが、本実施形態の如く、電着槽2の長手方向に延在して配置された側面電極部材17a〜17dとすれば、塗膜厚の制御の精度が上がり、かつ、塗膜形成性の低い袋部等における塗膜形成性を飛躍的に高めることができる。
【0054】
電着槽2の長手方向に延在して配置し得る電極部材としては、通常の電極部材同様、隔膜室20内に配されていてもよい。電着槽2の長手方向に延在して配置し得る電極部材は、通常の電極部材と同一のものであって、長尺上のものであれば問題無いが、いわゆる円筒形電極を用いれば、上記のような配置が容易であり、また長尺状のものを容易に入手することができる。このような円筒形電極としては、例えば、特許第2623092号公報に記載された管状電極を使用することができる。より詳細には、円筒状電極は、隔膜で被覆された円筒形の電極であり、円筒内中心部に、材質がステンレスおよび/またはフェライトの円筒形または円柱形の陽極棒を具備し、円筒内部を隔膜水が循環できる機構を持つ電極となっている。本発明においては、上記のような隔膜と一体化された電極も使用することができるが、隔膜無しのいわゆる裸電極であっても、有効に使用することができる。
【0055】
なお、本実施形態において、図4に描かれていない、自動車車体3の進行方向右側の電着槽2側面に配される電極部材については、特に限定されることなく、通常の鉛直方向に延びた形状の電極部材を用いてもよいが、ルーフサイド等に袋部が存在する場合等、塗膜厚を適切に制御するには、電着槽2の長手方向に延在して底部電極部材を配置することが望ましい。また、電着槽2の平底部8にも電極部材を配置する場合についても同様に、電着槽2の長手方向に対して垂直に延びる底部電極部材を配置しても構わないが、塗膜厚の制御のため、電着槽2の長手方向に延在して底部電極部材を配置してもよい。
【0056】
以上、2つの実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の構成を備える限り、従来公知の知見にしたがい、これらに種々の変更を加えることができる。例えば、上記実施形態において、上方に向いている自動車車体3の左サイドのさらに上方には、何も設けられていない状態となっているが、自動車車体3の左サイドに対向する状態で、電着塗料1の液面近傍に、左サイドの塗膜形成を目的とした電極部材を設けることもできる。かかる電極部材を設ける場合にも、他の部位における電極部材同様、電着槽2の長手方向に対して垂直に延びるように電極部材を配置しても、電着槽2の長手方向に延在して電極部材を配置してもよい。
【0057】
本発明において、適用し得る電着塗料は、カチオン電着塗料およびアニオン電着塗料のいずれであってもよい。以下、本発明の電着塗装装置で用いられる典型的なカチオン電着塗料の性状ないしはその製造方法の一例を説明する。なお、電着塗料の組成ないしはその製造方法がこれに限定されるものではないのは勿論である。この電着塗装で用いられるカチオン電着塗料は、実質的には、被塗物と塗膜成分との間の、あるいは、塗膜成分粒子間のバインダとして機能するエマルジョンと、塗膜の色彩の基となる顔料ペーストと、イオン交換水(純水)とが混ぜ合わされてなる液状の混合物である。
【0058】
典型的なエマルジョンは、酸で中和されて水溶性生成物を形成している、架橋剤とブレンドされたエポキシアミンアダクトの水性エマルジョンよりなる。かかるエマルジョンにおいては、一般に、水を添加してエマルジョンを形成させる前に、エポキシアミンアダクトと架橋剤との混合物に金属触媒が添加される。なお、この金属触媒は、溶液状態で添加されてエポキシアミンアダクトおよび架橋剤の混合物と混合される(米国特許第4,419,467号明細書参照)。
【0059】
ここで、架橋剤としては、よく知られているように、連鎖型ないしはシクロ型の脂肪族イソシアネートあるいは芳香族イソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート等が用いられる。これらのイソシアネートは、イソシアネート官能基、すなわち橋かけ官能基をブロックするブロッキング剤、例えばオキシム、アルコールおよびカプロラクタムと予め反応させられる。ブロッキング剤は加熱により分離し、その結果反応性イソシアネート基が生じて橋かけが起こる(米国特許第4,419,467号明細書参照)。エポキシアミンアダクトおよびブロックイソシアネートは、電着塗料中の主な樹脂成分であり、かかる樹脂中には、通常、エポキシアミンアダクトが約40〜90重量%含まれ、ブロックイソシアネートが約60〜10重量%含まれる。
【0060】
また、顔料ペーストは、分散用ビヒクル中に顔料を分散させた上で、これに所望の添加物、例えば湿潤剤、界面活性剤、消泡剤等を添加することによって調製される。ここで、顔料の分散用ビヒクルとしては、一般に知られている通常のものが用いられる。分散後における顔料の粒径は、普通、Hegman粒ゲージで約6〜8である。
【0061】
顔料ペーストには、湿潤剤、界面活性剤、消泡剤等の添加物を添加することができるが、この場合、かかる添加物は、顔料ペースト中のバインダ固形物に対して約0.1〜2.0重量%の割合で添加するのが好ましい。なお、界面活性剤あるいは湿潤剤としては、アルキルイミダゾリン、アセチレン系アルコール等が用いられる。また、顔料ペーストに可塑剤を添加してもよく、かかる可塑剤としては、高沸点水非混和性材料、例えばノニルフェノール、あるいはビスフェノールAのエチレンオキシドアダクトまたはプロピレンオキシドアダクト等が用いられる。かかる可塑剤は、通常、約0.1〜15重量%添加される。
【0062】
電着塗料は水性分散物である。水性分散物である電着塗料1は、通常、約3〜50重量%、好ましくは5〜40重量%の固形物を含有する。電着槽に供給される際に水でさらに希釈される水性分散物は、普通、10〜30重量%の固形物を含む。
【0063】
電着塗料には、膜抵抗調整溶剤も添加される。典型的な膜抵抗調整溶剤は、例えば炭化水素、アルコール、ポリオール、エステル、エーテル、ケトン等であるが、好ましくは、アルコール、ポリオールおよびケトンである。また、膜抵抗調整溶剤として、エチレングリコールのモノブチルおよびモノヘキシルエーテル、あるいはプロピレングリコールのフェニルエーテルが用いられることもある。膜抵抗調整溶剤の添加量は、一般にバインダ固形物の重量に対して約0.1〜15重量%、好ましくは約0.5〜5重量%である。
【0064】
【発明の効果】
したがって本発明によれば、自動車車体の水平部における塗膜の均一性、平滑性および鮮映性等の塗膜外観の良好な塗膜を形成し得る自動車車体の電着塗装装置および電着塗装方法を提供することができる。
また、本発明によれば、自動車車体の下回りに多く存在する袋部(ロッカーパネル等)の内側まで十分な塗膜を形成し得る等、箇所に応じて塗膜厚を適切に制御し得る自動車車体の電着塗装装置および電着塗装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電着塗装装置の一例を示す上面図であり、外部の構成は省略してある。
【図2】 図1におけるA−A断面図であり、搬送装置関係を含めて示すものである。
【図3】 図1におけるB−B断面図であり、搬送装置関係の概略の他、電着塗装装置における電着液の循環状態および電気系の回路を説明するための概略構成を含めて示すものである。
【図4】 本発明の電着塗装装置の他の一例を示す断面図であり、外部の構成は省略してある。
【符号の説明】
1 電着塗料
2 電着槽
3 自動車車体
4 搬送機構
6 入槽側端部
7 入口側傾斜部
8 平底部
9 出口側傾斜部
10 出槽側端部
11 レール
12 搬送機
13 キャリア
15 直流電源
16 マイナス側導線
17,17a,17b,17c,17d 側面電極部材
18 底部電極部材
19 プラス側導線
20 隔膜室
21 隔膜
22 隔膜液タンク
23 隔膜液
24 ポンプ
25,26 隔膜液パイプ
27 純水タンク
28 純水
29 純水供給通路
30 電導度計
31 制御弁
32 コントローラ
35 流動式撹拌機構
37 受け槽
38 循環ポンプ
39 電着塗料循環配管
40 ライザー
41 フィルタ
42 流量調整バルブ
43 液温調整装置

Claims (6)

  1. 少なくとも、液状の電着塗料を収容する舟形または直方体形の電着槽と、
    自動車車体を、前記電着槽の長手方向の一端から入槽させ、前記電着槽内で長手方向に進行させ、前記電着槽の長手方向の他端から出槽させ、これを連続的に順次行う搬送手段と、
    前記電着槽に入槽されて前記電着塗料中に浸漬された自動車車体が一方の電極となり、かつ、前記電着槽内で前記自動車車体とは離間して配置された複数の電極部材が他方の電極となるように、前記自動車車体および前記電極部材間に直流電圧を印加して、前記電着塗料を前記自動車車体の表面に電着させる通電手段と、
    が設けられてなる自動車車体の電着塗装装置であって、
    前記搬送手段が、前記自動車車体を、その車長方向を軸として略垂直に傾けた状態で、前記入槽、前記進行および前記出槽させる手段であることを特徴とする自動車車体の電着塗装装置。
  2. 前記電極部材のうち一部または全部が、前記電着槽の長手方向に延在して配置されることを特徴とする請求項1に記載の自動車車体の電着塗装装置。
  3. 前記電極部材のうち少なくとも一部が、前記電着槽に入槽されて前記電着塗料中に浸漬された自動車車体の袋部の近傍に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車車体の電着塗装装置。
  4. 舟形または直方体形の電着槽に収容された液状の電着塗料中に、自動車車体を、前記電着槽の長手方向の一端から入槽させ、前記電着槽内で長手方向に進行させ、前記電着槽の長手方向の他端から出槽させ、これを連続的に順次行い、かつ、前記電着槽に入槽されて前記電着塗料中に浸漬された自動車車体が一方の電極となり、かつ、前記電着槽内で前記自動車車体とは離間して配置された複数の電極部材が他方の電極となるように、前記自動車車体および前記電極部材間に直流電圧を印加して、前記電着塗料を前記自動車車体の表面に電着させる自動車車体の電着塗装方法であって、
    前記自動車車体を、その車長方向を軸として略垂直に傾けた状態で、前記入槽、前記進行および前記出槽させることを特徴とする自動車車体の電着塗装方法。
  5. 前記電極部材のうち一部または全部が、前記電着槽の長手方向に延在して配置されることを特徴とする請求項4に記載の自動車車体の電着塗装方法。
  6. 前記電極部材のうち少なくとも一部が、前記電着槽に入槽されて前記電着塗料中に浸漬された自動車車体の袋部の近傍に配置されることを特徴とする請求項4または5に記載の自動車車体の電着塗装方法。
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